説明

可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法

【課題】可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の動作方法に係り、可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法は、可変抵抗素子の抵抗を第1抵抗から第2抵抗に変更するための第1電圧を可変抵抗素子に印加し、第1電圧が印加された可変抵抗素子に流れる第1電流を感知し、感知された第1電流の分布を基にして、可変抵抗素子の抵抗を第2抵抗から第1抵抗に変更するための第2電圧を決定し、決定された第2電圧を可変抵抗素子に印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の動作方法に係り、さらに詳細には、可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ装置の高容量化及び低電力化の要求によって、不揮発性であると同時に、リフレッシュが不要な次世代メモリ装置に係わる研究が進められている。かような次世代メモリ装置は、DRAM(dynamic random-access memory)の高集積性、フラッシュメモリの不揮発性、SRAM(static random access memory)の高速性などを備えることが要求されている。現在脚光を浴びている次世代メモリ装置としては、PRAM(phase-change random-access memory)、NFGM(nano floating gate memory)、PoRAM(polymer RAM)、MRAM(magnetic RAM)、FeRAM(ferroelectric RAM)、ReRAM(resistive RAM)などが、前述の要求事項に相応する次世代メモリ装置として挙げられている。そのうちReRAMは、非導体物質に十分に高い電圧を加えれば、電流が流れる通路が生成されて抵抗が低くなるという現象を利用したものである。そのとき、いったん通路が生成されれば、非導体物質に適当な電圧を加え、この通路は消すことも、再生成することも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、可変抵抗素子のオフ電流の分布を改善することによって、可変抵抗素子を含む半導体装置の信頼性を向上させる半導体装置の動作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一様態による半導体装置の動作方法が提供される。前記動作方法は、可変抵抗素子の抵抗値を、第1抵抗値から、前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値に変更するための第1電圧を、前記可変抵抗素子に印加する第1ステップと、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知する第2ステップと、感知された前記第1電流が、マルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを決定する第3ステップと、感知された前記第1電流が前記検証範囲内に含まれる場合、感知された前記第1電流の分布を基にして、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗に変更するための第2電圧を決定する第4ステップと、前記第2電圧を、前記可変抵抗素子に印加する第5ステップと、前記第2電圧が印加された前記可変抵抗素子に前記第1電圧を印加する第6ステップと、を含むことができる。
【0005】
前記動作方法の一例によれば、前記第2抵抗値は、前記第1抵抗値より大きくてもよい。また、前記第1抵抗値は、セット(set)抵抗であり、前記第2抵抗値は、リセット(reset)抵抗であってもよい。
【0006】
前記動作方法の他の例によれば、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる前記第1電流を感知する前に、前記第2ステップは、大きさが前記第1電圧より小さい読み取り電圧を印加してもよい。
【0007】
前記動作方法の他の例によれば、前記第3ステップは、感知された前記第1電流が、前記検証範囲内に含まれない場合、感知された前記第1電流が、前記検証範囲より大きければ、前記第1ステップないし前記第3ステップを再遂行するステップを含むことができる。
【0008】
前記動作方法の他の例によれば、前記第3ステップは、感知された前記第1電流が、前記検証範囲内に含まれない場合、感知された前記第1電流が前記検証範囲より小さければ、前記可変抵抗素子の前記抵抗を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するための第2電圧を印加するステップと、前記第1ステップないし前記第3ステップと、を順に遂行するステップを含むことができる。
【0009】
前記動作方法の他の例によれば、前記第4ステップは、前記第1電流の分布を前記第1電流の平均レベルと比較するステップを含んでもよい。
【0010】
前記動作方法の他の例によれば、前記第4ステップは、前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差が分布範囲より大きければ、前記第2電圧を変更するステップと、前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差が分布範囲より小さければ、前記第2電圧を維持するステップと、をさらに含んでもよい。
【0011】
前記動作方法の他の例によれば、前記第4ステップは、前記第1電流の前記感知レベルが、前記第1電流の前記平均レベルより小さい場合、前記第2電圧を前記第2電圧より大きい第3電圧に変更するステップと、前記第1電流の前記感知レベルが、前記第1電流の前記平均レベルより大きい場合、前記第2電圧を前記第2電圧より小さい第4電圧に変更するステップとのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0012】
前記動作方法の他の例によれば、前記第2電圧を変更するステップは、前記第2電圧の大きさ及びパルス幅のうち少なくとも一つを変更するステップを含んでもよい。
【0013】
前記動作方法の他の例によれば、前記第4ステップは、前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差が分布範囲より大きければ、前記第2電圧を変更するステップと、前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差が分布範囲より小さければ、データ保存完了信号を制御部に伝達するステップとのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0014】
前記動作方法の他の例によれば、前記第4ステップは、感知された前記第1電流の分布が大きいほど、前記第2電圧の変化量が大きくなるように、前記第2電圧を決定するステップを含んでもよい。
【0015】
前記動作方法の他の例によれば、前記動作方法は、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知する第7ステップをさらに含んでもよい。
【0016】
本発明の他の様態による半導体メモリ装置の動作方法が提供される。前記動作方法は、可変抵抗素子の抵抗値を、第1抵抗値から、前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値に変更するための第1電圧を、前記可変抵抗素子に印加するステップと、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知するステップと、感知された前記第1電流の分布を基に、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するための第2電圧を決定するステップと、決定された前記第2電圧を、前記可変抵抗素子に印加するステップと、前記第2電圧が印加された前記可変抵抗素子に、前記第1電圧をさらに印加するステップと、を含んでもよい。
【0017】
前記動作方法の一例によれば、前記動作方法は、感知された前記第1電流が、マルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを決定するステップをさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の他の様態による半導体装置の動作方法が提供される。前記動作方法は、可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法であって、前記可変抵抗素子の抵抗値を、第1抵抗値から、前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値に変更するための第1電圧を、前記可変抵抗素子に印加する第1ステップと、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知する第2ステップと、前記第1電流がマルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを決定する第3ステップと、第4ステップと、を含み、前記第4ステップは、感知された前記第1電流が前記検証範囲より大きい場合、前記第1ステップないし前記第3ステップを反復するステップを含み、感知された前記第1電流が前記検証範囲より小さい場合、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を前記第1抵抗値に変更するステップと、前記第1ステップないし前記第3ステップを反復するステップを含み、感知された前記第1電流が前記検証範囲内に含まれる場合、感知された前記第1電流の分布を基に、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するための第2電圧を決定するステップと、前記可変抵抗素子に前記第2電圧を印加するステップと、前記第2電圧が印加された前記可変抵抗素子に前記第1電圧を印加するステップを含むことができる。
【0019】
前記半導体装置の一例によれば、前記第2抵抗値は、前記第1抵抗値より大きくてもよい。また、前記第1抵抗値は、セット抵抗であり、前記第2抵抗値は、リセット抵抗であってもよい。
【0020】
前記半導体装置の他の例によれば、前記可変抵抗素子は、ペロブスカイト(perovskite)系物質及び遷移金属酸化物のうち一つを含む可変抵抗物質層を含んでもよい。
【0021】
前記半導体装置の他の例によれば、前記第2ステップは、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる前記第1電流を感知する前に、読み取り電圧を前記可変抵抗素子に印加するステップを含み、前記読み取り電圧は、前記第1電圧よりも小さい大きさを有してもよい。
【0022】
前記半導体装置の他の例によれば、前記可変抵抗素子は、下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間の可変抵抗物質層を含んでもよい。
【0023】
前記半導体装置の他の例によれば、前記第1電圧は、前記可変抵抗素子を高抵抗状態に変化させるリセット電圧であり、前記第2電圧は、前記可変抵抗素子を低抵抗状態に変化させるセット電圧であってもよい。
【0024】
前記半導体装置の他の例によれば、前記半導体装置の動作方法は、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる前記第1電流を感知する第7ステップをさらに含んでもよい。
【0025】
本発明の一様態による半導体装置が提供される。前記半導体装置は、第1電極及び第2電極;前記第1電極と前記第2電極との間の可変抵抗物質層;及び前記可変抵抗物質層に連結されて動作する制御回路;を含み、前記制御回路は、前記可変抵抗素子の抵抗値を、第1抵抗値から、前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値に変更するための第1電圧を、前記可変抵抗素子の前記第1電極と前記第2電極との間に印加する第1ステップと、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知する第2ステップと、前記第1電流がマルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを決定する第3ステップと、第4ステップと、を遂行するように構成され、前記第4ステップは、感知された前記第1電流が前記検証範囲内に含まれない場合、前記第1ステップないし前記第3ステップを反復するステップを含み、感知された前記第1電流が前記検証範囲内に含まれる場合、感知された前記第1電流の分布を基に、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するのに使われる第2電圧を決定するステップと、前記可変抵抗素子の前記第1電極と前記第2電極との間に前記第2電圧を印加するステップ、及び前記第2電圧が印加された前記可変抵抗素子に、前記第1電圧を印加するステップを遂行することができる。
【0026】
本発明の一様態によるメモリカード及び電子システムが提供される。前記メモリカードは、前述の半導体装置と、前記半導体装置と連結されて動作するコントローラと、を含んでもよい。また、前記電子システムは、前述の半導体装置と、プロセッサと、前記半導体装置を前記プロセッサに連結するように動作するバスと、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の技術的思想によれば、半導体装置に含まれた可変抵抗素子のリセット電流の分布、すなわち、可変抵抗素子のオフ抵抗の分布を基にして、可変抵抗素子のセット電流を決定することによって、可変抵抗素子のオフ電流の分布を改善することができ、これにより、可変抵抗素子を含む半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明の技術的思想によれば、半導体装置に含まれた可変抵抗素子が「オフ」状態から「オン」状態に転換される時に生じうるオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少させることによって、半導体装置の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による可変抵抗素子を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態による可変抵抗素子を概略的に示す断面図である。
【図3】可変抵抗素子の抵抗分布を概略的に示すグラフである。
【図4】可変抵抗素子に印加される動作電圧の一例を示すグラフである。
【図5】図4に例示された動作電圧が印加される場合での可変抵抗素子の動作を概略的に示す図面である。
【図6】図4に例示された動作電圧が印加される場合での可変抵抗素子に流れる電流を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態によって、可変抵抗素子に印加される動作電圧を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態によって、図7に例示された動作電圧が印加される場合、可変抵抗素子の動作を概略的に示す図面である。
【図9】図7に例示された動作電圧が印加される場合、可変抵抗素子に流れる電流を示すグラフである。
【図10】図9のグラフによる可変抵抗素子の抵抗分布を概略的に示すグラフである。
【図11】本発明の一実施形態による可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法を概略的に示すフローチャートである。
【図12】図11に含まれたセット電圧を決定するステップの一例を詳細に示すフローチャートである。
【図13】図11に含まれたセット電圧を決定するステップの他の例を詳細に示すフローチャートである。
【図14】本発明の他の実施形態による可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法を概略的に示したブロック図である。
【図15】図14の半導体装置の動作方法を介して、可変抵抗素子にデータが保存される過程を示した図面である。
【図16】本発明の技術的思想によるさらに他の実施形態による半導体装置の動作方法を概略的に示したフローチャートである。
【図17】本発明の技術的思想によるさらに他の実施形態による半導体装置の動作方法を概略的に示したフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態による可変抵抗素子を含む半導体装置の一例を示す回路図である。
【図19】本発明の一実施形態による可変抵抗素子を含む半導体装置の他の例を示す回路図である。
【図20】図19の半導体装置の一例を示す断面図である。
【図21】本発明の一実施形態によるメモリカードを示す概略図である。
【図22】本発明の一実施形態による電子システムを概略的に示すブロック図である。
【図23】本発明の例示的な実施形態による半導体装置の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照しつつ、本発明による望ましい実施形態について説明することによって、本発明について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されるものであり、本実施形態は、本発明の開示を完全なものにし、当業者に発明の範疇を完全に理解させるためだけに提供されるものである。図面で構成要素は、説明の便宜のためにサイズが拡大されている。
【0031】
以下で説明する本発明の実施形態で利用される用語は、当該技術分野で一般的に知られた意味を有することができる。例えば、少なくとも一つは、最小限一つ、すなわち、一つまたはそれ以上の数を意味し、一つまたは複数とも同じ意味に使われる。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態による可変抵抗素子を概略的に示す断面図である。
【0033】
図1を参照すれば、可変抵抗素子10は、下部電極11、可変抵抗物質層12及び上部電極13を含み、可変抵抗物質層12は、下部電極11と上部電極13との間に形成される。他の実施形態で、可変抵抗素子10は、下部電極11上、または可変抵抗物質層12上に、バッファ層(図示せず)をさらに含むこともできる。
【0034】
下部電極11及び上部電極13は、導電性物質を含んでもよいが、例えば、耐酸化性金属膜(oxidation resistant metal layer)またはポリシリコン膜を含んでもよい。例えば、耐酸化性金属膜は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、イリジウム酸化物(IrO)、チタン窒化物(TiN)、チタンアルミニウム窒化物(TiAlN)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)及びルテニウム酸化物(RuO)のうち少なくとも一つを含む。耐酸化性金属膜は、バッファ層(図示せず)を形成した後に形成される。本実施形態で、下部電極11及び上部電極13は、可変抵抗物質層12の上下にそれぞれ配置されるが、下部電極11及び上部電極13の配置は、その用語に限定されるものではない。他の実施形態で、下部電極11及び上部電極13は、可変抵抗物質層12の左右にそれぞれ配置されてもよい。
【0035】
可変抵抗物質層12は、ペロブスカイト(perovskite)系酸化物または遷移金属酸化物を含んでもよい。例えば、ペロブスカイト系酸化物には、Pr1−xCaMnO、La1−xCaMnO、SrZrO/SrTiO、CrTiOまたはPb(Zr,Ti)O/Zn1−xCdSなどがあって、遷移金属には、ニッケル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、鉄、銅、マンガン、亜鉛またはクロムなどがある。このとき、可変抵抗物質層12は、下部電極11と上部電極13との間の電圧によって抵抗が変化しうる。
【0036】
図2は、本発明の他の実施形態による可変抵抗素子を概略的に示す断面図である。
【0037】
図2を参照すれば、可変抵抗素子10’は、下部電極11、可変抵抗物質層12’及び上部電極13を含み、可変抵抗物質層12’は、下部電極11と上部電極13との間に形成される。本実施形態で、可変抵抗物質層12’は、基底薄膜12a及び酸素交換層12bを含んでもよい。例えば、基底薄膜12aは、TaOを含み、酸素交換層12bは、Taを含んでもよい。本実施形態による可変抵抗素子10’は、図1に図示された可変抵抗素子10の変形実施形態であるから、図1で説明した内容は、本実施形態にも適用される。
【0038】
図3は、可変抵抗素子の抵抗分布を概略的に示すグラフである。
【0039】
図3を参照すれば、横軸は、可変抵抗素子の抵抗を示し、縦軸は、可変抵抗素子の個数を示す。ここで、可変抵抗素子は、図1に図示された可変抵抗素子10、または図2に図示された可変抵抗素子10’を含んでもよいが、以下では、説明の便宜上、可変抵抗素子は、図1に図示された可変抵抗素子10を含む場合を例として説明する。
【0040】
可変抵抗素子10は、可変抵抗物質層12の抵抗状態によって、データ「0」またはデータ「1」を記憶するシングルビット(single bit)不揮発性メモリ素子のような半導体装置に利用される。また、可変抵抗素子10は、可変抵抗物質層12の抵抗状態によって、データ「00」、「01」、「10」またはデータ「11」を記憶するマルチビット(multi bit)不揮発性メモリ素子のような半導体装置に利用されもする。
【0041】
本実施形態では、データ「1」は、低抵抗状態である場合に対応し、データ「0」は、高抵抗状態である場合に対応すると決める。可変抵抗素子10にデータ「1」を書き込む動作は、セット(set)動作ということができ、データ「0」を書き込む動作は、リセット(reset)動作ということができる。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、他の実施形態で、データ「1」が高抵抗状態に対応し、データ「0」が低抵抗状態に対応すると決めてもよい。
【0042】
可変抵抗素子10にデータ「1」が書き込まれた場合、可変抵抗素子10は、「オン(ON)」状態であり、可変抵抗素子10にデータ「0」が書き込まれた場合、可変抵抗素子10は、「オフ(OFF)」状態に対応する。このとき、可変抵抗素子10(または可変抵抗素子10を含む半導体装置)の信頼性を向上させるためには、可変抵抗素子10の「オン」状態と「オフ」状態との間に十分なセンシングマージン(SM:sensing margin)が確保されねばならない。
【0043】
可変抵抗素子10が「オフ」状態である場合、言い換えれば、可変抵抗素子10が高抵抗状態である場合、可変抵抗素子10の抵抗は、オフ抵抗ROFFであるということができるが、オフ抵抗ROFFは、第1抵抗から第3抵抗R1,R2,R3に区分することができる。ここで、第1抵抗R1は、オフ抵抗ROFFの平均値に対応し、第2抵抗R2は、オフ抵抗ROFFの平均値より小さい抵抗値に対応し、第3抵抗R3は、オフ抵抗ROFFの平均値より大きい抵抗値に対応する。このように、可変抵抗素子10のオフ抵抗ROFFは、所定の分布を有することができる。
【0044】
可変抵抗素子10が「オフ」状態から「オン」状態に転換される場合、可変抵抗物質層12で、下部電極11と上部電極13との間には、伝導経路(conductive path)が形成される。このとき、可変抵抗素子10が「オン」状態である場合に形成された伝導経路の特性、例えば、フィラメント成分の大きさ、個数または長さによって、可変抵抗素子10が「オン」状態から「オフ」状態に転換されるときに必要なエネルギーは、変わることがある。
【0045】
さらに詳細には、可変抵抗素子10が「オン」状態である場合、形成された伝導経路の大きさが相対的に小さい場合には、可変抵抗素子10を「オフ」状態に転換するために必要なエネルギーが相対的に小さくなる。一方、可変抵抗素子10が「オフ」状態である場合、形成された伝導経路の大きさが相対的に大きい場合には、可変抵抗素子10を「オフ」状態に転換するために必要なエネルギーが相対的に大きくなる。
【0046】
図4は、可変抵抗素子に印加される動作電圧の一例を示すグラフである。
【0047】
図4を参照すれば、横軸は、時間を秒単位で示し、縦軸は、可変抵抗素子に印加される電圧をV(ボルト)単位で示す。ここで、可変抵抗素子は、図1に図示された可変抵抗素子10、または図2に図示された可変抵抗素子10’を含んでもよいが、以下では、説明の便宜上、可変抵抗素子は、図1に図示された可変抵抗素子10を含む場合を例として説明する。このとき、可変抵抗素子10に印加される電圧は、上部電極13と下部電極11とに印加される電圧の差であり、具体的に、下部電極11の電圧を基準とするとき、上部電極13の電圧である。
【0048】
まず、可変抵抗素子10にリセット電圧VRESETが印加され、リセット電圧VRESETが印加された可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETを感知するために、読み取り電圧VREADが印加される。このとき、読み取り電圧VREADは、リセット電圧VRESETより小さい大きさ(magnitude)を有してもよい。このように、可変抵抗素子10にリセット電圧VRESETと読み取り電圧VREADとが連続的に印加されることをリセットサイクル(reset cycle)という。可変抵抗素子10にリセット電圧VRESETが印加されれば、可変抵抗素子10は、低抵抗状態から高抵抗状態に転換され、言い換えれば、「オン」状態から「オフ」状態に転換され、これにより、可変抵抗素子10には、電流がほぼ流れない。
【0049】
次に、可変抵抗素子10にセット電圧VSETが印加され、セット電圧VSETが印加された可変抵抗素子10に流れるセット電流ISETを感知するために、読み取り電圧VREADが印加される。このように、可変抵抗素子10に、セット電圧VSETと読み取り電圧VREADとが連続的に印加されることをセットサイクル(set cycle)という。可変抵抗素子10に、セット電圧VSETが印加されれば、可変抵抗素子10は、高抵抗状態から低抵抗状態に転換され、言い換えれば、「オフ」状態から「オン」状態に転換され、これにより、可変抵抗素子10には電流が流れる。このとき、可変抵抗素子10に印加されるセット電圧VSETは、一定の値を有することができ、具体的には、一定の大きさまたは一定のパルス幅を有してもよい。
【0050】
次に、可変抵抗素子10に再びリセット電圧VRESETが印加され、リセット電圧VRESETが印加された可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETを感知するために、読み取り電圧VREADが印加される。このとき、可変抵抗素子10に印加されるリセット電圧VRESETは、一定の値を有することができ、具体的には、一定の大きさまたは一定のパルス幅を有してもよい。
【0051】
本実施形態で、セット電圧VSETとリセット電圧VRESETは、互いに反対である極性を有することができ、このように、セット電圧VSETとリセット電圧VRESETとの極性が互いに反対になる可変抵抗素子10を、バイポーラ(bipolar)可変抵抗素子であるという。図4のグラフで、可変抵抗素子10のセット電圧VSETは負の値を有し、リセット電圧VRESETは、正の値を有する。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、他の実施形態で、可変抵抗素子10の可変抵抗物質層12に含まれた物質の種類によって、セット電圧VSETは正の値を有し、リセット電圧VRESETは、負の値を有することもある。
【0052】
図5は、図4に例示された動作電圧が印加される場合、可変抵抗素子の動作を概略的に示する。
【0053】
図5を参照すれば、可変抵抗素子10が「オフ」状態である場合、可変抵抗素子10は、オフ抵抗ROFFを有することができ、オフ抵抗ROFFは、図3に図示されたように、第1抵抗ないし第3抵抗R1,R2,R3に区分される。可変抵抗素子10が第1抵抗R1を有する場合、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、平均レベルIRESET_Mを有してもよい。可変抵抗素子10が第2抵抗R2を有する場合、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、第1レベルIRESET_1を有してもよいが、このとき、第1レベルIRESET_1は、平均レベルIRESET_Mより一定レベルσさらに高いレベル(すなわち、IRESET_M+σ)であってもよい。可変抵抗素子10が第3抵抗R3を有する場合、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、第2レベルIRESET_2を有してもよいが、このとき、第2レベルIRESET_2は、平均レベルIRESET_Mより一定レベルσより低いレベル(すなわち、IRESET_M−σ)であってもよい。
【0054】
次に、可変抵抗素子10を「オフ」状態から「オン」状態に転換させるためには、可変抵抗素子10に、セット電圧VSETを印加しなければならないが、図4に図示されたように、可変抵抗素子10のオフ抵抗ROFFに関係なく、セット電圧VSETは、一定の値を有してもよい。このように、オフ抵抗ROFFが互いに異なる場合であり、可変抵抗素子10に一定のセット電圧VSETを印加する場合、可変抵抗素子10が「オン」状態である場合、形成される伝導経路等の特性は、互いに異なることがある。
【0055】
具体的には、オフ抵抗ROFFが第2抵抗R2である場合には、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、平均レベルIRESET_Mより高い第1レベルIRESET_1を有するが、このとき、オフ抵抗ROFFが第1抵抗R1または第3抵抗R3である場合と同じセット電圧VSETを印加する場合、可変抵抗素子10の立場では、オフ抵抗ROFFが、第1抵抗R1または第3抵抗R3である場合に比べ、エネルギー過剰が発生すると考えられる。これにより、オフ抵抗ROFFが第2抵抗R2である場合、可変抵抗素子10に印加されるエネルギーは、オフ抵抗ROFFが第1抵抗R1である場合、可変抵抗素子10に印加されるエネルギーに比べ、オーバーシュート(overshoot)が生じうる。
【0056】
一方、オフ抵抗ROFFが第3抵抗R3である場合には、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、平均レベルIRESET_Mより低い第2レベルIRESET_2を有するが、このとき、オフ抵抗ROFFが第1抵抗R1または第2抵抗R2である場合と同じセット電圧VSETを印加する場合、可変抵抗素子10の立場では、オフ抵抗ROFFが第1抵抗R1または第2抵抗R2である場合に比べ、エネルギー不足が発生するものと見われる。これにより、オフ抵抗ROFFが第3抵抗R3である場合、可変抵抗素子10に印加されるエネルギーは、オフ抵抗ROFFが第1抵抗R1である場合、可変抵抗素子10に印加されるエネルギーに比べ、アンダーシュート(undershoot)が生じうる。
【0057】
次に、可変抵抗素子10を、「オン」状態から「オフ」状態にさらに転換するためには、可変抵抗素子10に、リセット電圧VRESETを印加しなければならないが、図4に図示されたように、可変抵抗素子10のオフ電圧ROFFに関係なく、リセット電圧VRESETは、一定の値を有している。このように、同じリセット電圧VRESETを印加する場合、リセット電圧VRESETが印加された後、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、図5で図示されたように、以前のステップの「オフ」状態と同様に、一定レベルσほどの抵抗分布が生じうる。
【0058】
このように、可変抵抗素子10のオフ抵抗ROFFの分布を考慮せずに、一定のセット電圧VSETを印加する場合、可変抵抗素子10には、互いに異なる特性を有する伝導経路が生成される。従って、可変抵抗素子10を再び「オフ」状態に転換する場合、可変抵抗素子10に、一定のリセット電圧VRESETを印加すれば、リセット電流IRESETは、以前のステップのリセット電流IRESETと同様に、一定レベルσほどの分布を有することになり、これにより、オフ抵抗ROFFも、以前のステップのオフ抵抗ROFFと同様に、一定レベルσほどの分布を有することになる。
【0059】
図6は、図4に例示された動作電圧が印加される場合、可変抵抗素子に流れる電流を示すグラフである。
【0060】
図6を参照すれば、横軸は、セットサイクルまたはリセットサイクルの回数を示し、縦軸は、電流をA(アンペア)単位で示す。ここで、可変抵抗素子10に含まれた可変抵抗物質層12は、例えば、TaOを含み、リセット電圧VRESETは、約4.5Vであり、セット電圧VSETは、約−3.5Vであり、リセット電圧VRESETとセット電圧VSETとのパルス幅は、約1μsである。
【0061】
このとき、セットサイクル後に可変抵抗素子10に流れる電流、すなわち、可変抵抗素子10に、セット電圧VSETを印加した後、読み取り電圧VREADを印加することによって感知した電流を、セット電流ISETという。また、リセットサイクル後に可変抵抗素子10に流れる電流、すなわち、可変抵抗素子10にリセット電圧VRESETを印加した後、読み取り電圧VREADを印加することによって感知した電流を、リセット電流IRESETという。
【0062】
図6で、セット電流ISETは、約10−5Aほどの電流レベルを維持するが、このとき、セット電流ISETは、セットサイクルの回数に関係なく、一定の電流レベルを維持することが分かる。一方、リセット電流IRESETは、相対的に大きい分布を有し、具体的には、約10−8Aから約10−6A程度の電流レベルを有する。このとき、リセット電流IRESETは、リセットサイクルの回数に関係なく、非線形的な分布を示すことが分かる。
【0063】
このように、可変抵抗素子10のセット電流ISETは、分布が大きくない一方、リセット電流IRESETは、分布が相対的に大きい。これにより、可変抵抗素子10の「オン」状態と「オフ」状態との間に、センシングマージンが十分に確保されない場合、可変抵抗素子10は、メモリ素子として利用することが難しくなる。
【0064】
図7は、本発明の一実施形態によって、可変抵抗素子に印加される動作電圧を示すグラフである。
【0065】
図7を参照すれば、横軸は、時間を秒単位で示し、縦軸は、可変抵抗素子に印加される電圧をV(ボルト)単位で示す。ここで、可変抵抗素子は、図1に図示された可変抵抗素子10、または図2に図示された可変抵抗素子10’を含んでもよいが、以下では、説明の便宜上可変抵抗素子は、図1に図示された可変抵抗素子10を含む場合を例として説明する。このとき、可変抵抗素子10に印加される電圧は、上部電極13と下部電極11とに印加される電圧の差であり、具体的には、下部電極11の電圧を基準とするとき、上部電極13の電圧である。
【0066】
まず、可変抵抗素子10にリセット電圧VRESETが印加され、リセット電圧VRESETが印加された可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETを感知するために、読み取り電圧VREADが印加される。このとき、読み取り電圧VREADは、リセット電圧VRESETより小さい大きさを有してもよい。可変抵抗素子10に、リセット電圧VRESETが印加されれば、可変抵抗素子10は、低抵抗状態から高抵抗状態に転換され、言い換えれば、「オン」状態から「オフ」状態に転換され、これにより、可変抵抗素子10には、電流がほぼ流れない。
【0067】
次に、可変抵抗素子10にセット電圧VSETが印加され、セット電圧VSETが印加された可変抵抗素子10に流れるセット電流ISETを感知するために、読み取り電圧VREADが印加される。このとき、読み取り電圧VREADは、セット電圧VSETより小さい大きさを有する。可変抵抗素子10にセット電圧VSETが印加されれば、可変抵抗素子10は、高抵抗状態から低抵抗状態に転換され、言い換えれば、「オフ」状態から「オン」状態に転換され、これにより、可変抵抗素子10には電流が流れる。
【0068】
本実施形態で、可変抵抗素子10に印加されるセット電圧VSETは、可変的な値を有するように決定され、具体的には、以前のステップの「オフ」状態で、可変抵抗素子10に流れるリセット電流ISETの分布、言い換えれば、可変抵抗素子10のオフ抵抗ROFFの分布によって、可変的な大きさまたはパルス幅を有するように決定される。
【0069】
具体的には、以前のステップのオフ抵抗ROFFが大きいほど、リセット電流IRESETは、小さい値を有するので、可変抵抗素子10が、「オフ」状態から「オン」状態に転換されるために必要なエネルギーは、相対的に大きくてもよい。従って、この場合、セット電圧VSETは、相対的に大きい値を有するように決定され、言い換えれば、セット電圧VSETは、相対的に大きい大きさまたはパルス幅を有するように決定される。
【0070】
一方、以前のステップのオフ抵抗ROFFが小さいほど、リセット電流IRESETは、大きい値を有することができるので、可変抵抗素子10が、「オフ」状態から「オン」状態に転換されるために必要なエネルギーは相対的に小さくなる。従って、この場合、セット電圧VSETは、相対的に小さい値を有するように決定され、言い換えれば、セット電圧VSETは、相対的に小さい大きさまたはパルス幅を有するように決定される。
【0071】
次に、可変抵抗素子10に再びリセット電圧VRESETが印加され、リセット電圧VRESETが印加された可変抵抗素子10に流れる電流を感知するために、読み取り電圧VREADが印加される。このとき、可変抵抗素子10に印加されるリセット電圧VRESETは、一定の値を有することができ、具体的には、一定の大きさまたは一定のパルス幅を有する。
【0072】
図8は、本発明の一実施形態によって、図7に例示された動作電圧が印加される場合、可変抵抗素子の動作を概略的に示す。
【0073】
図8を参照すれば、可変抵抗素子10が「オフ」状態である場合、可変抵抗素子10は、オフ抵抗ROFFを有することができ、オフ抵抗ROFFは、図3に図示されたように、第1抵抗ないし第3抵抗R1,R2,R3に区分される。可変抵抗素子10が第1抵抗R1を有する場合、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、平均レベルIRESET_Mを有する。可変抵抗素子10が第2抵抗R2を有する場合、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、第1レベルIRESET_1を有してもよいが、第1レベルIRESET_1は、平均レベルIRESET_Mより一定レベルσさらに高いレベル(すなわち、IRESET_M+σ)である。可変抵抗素子10が第3抵抗R3を有する場合、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、第2レベルIRESET_2を有してもよいが、第2レベルIRESET_2は、平均レベルIRESET_Mより一定レベルσさらに低いレベル(すなわち、IRESET_M−σ)である。
【0074】
次に、可変抵抗素子10を「オフ」状態から「オン」状態に転換させるためには、可変抵抗素子10にセット電圧VSETを印加しなければならないが、図7に図示されたように、可変抵抗素子10のオフ抵抗ROFFの分布によってセット電圧VSETは、可変的に決定される。このように、オフ抵抗ROFFの分布によって、可変的なセット電圧VSETを印加する場合、可変抵抗素子10が「オン」状態に転換される場合、可変抵抗素子10のエネルギーレベルは、相対的に均一である。
【0075】
具体的には、オフ抵抗ROFFが第2抵抗R2である場合には、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、平均レベルIRESET_Mより高い第1レベルIRESET_1を有するので、このとき、オフ抵抗ROFFが第1抵抗R1である場合に印加されるセット電圧VSETに比べ、一定レベル△Vほど小さいセット電圧(VSET−△V)を可変抵抗素子10に印加することができる。これにより、可変抵抗素子10が「オン」状態に転換される場合、可変抵抗素子10で、エネルギー過剰が発生することを減らすことができる。これにより、オフ抵抗ROFFが第2抵抗R2である場合、可変抵抗素子10が「オン」状態に転換される場合、可変抵抗素子10のエネルギーで発生するオーバーシュートは、図5に図示されたオーバーシュートに比べて減少する。
【0076】
一方、オフ抵抗ROFFが第3抵抗R3である場合には、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、平均レベルIRESET_Mより低い第2レベルIRESET_2を有するが、このとき、オフ抵抗ROFFが第1抵抗R1である場合に印加されるセット電圧VSETに比べ、一定レベル△Vほど大きいセット電圧(VSET+△V)を可変抵抗素子10に印加することができる。これにより、可変抵抗素子10が「オン」状態に転換される場合、可変抵抗素子10で、エネルギー不足が発生することを減らすことができる。これにより、オフ抵抗ROFFが第3抵抗R3である場合、可変抵抗素子10が「オン」状態に転換される場合、可変抵抗素子10のエネルギーで発生するアンダーシュートは、図5に図示されたアンダーシュートに比べて減少する。
【0077】
可変抵抗素子10が「オン」状態に転換されて伝導経路を形成するために必要なエネルギーは、次の数式1のように表示することができる。
P=IV=V/R
ここで、Iは、セット電流ISETであり、Vは、セット電圧VSETであり、Rは、オフ抵抗ROFFである。従って、Rの分布、すなわち、オフ抵抗ROFFの分布によって、セット電圧VSETを変更させたり維持させることによって、オフ抵抗ROFFの分布を、セット電圧VSETから相殺させることができる。従って、オフ抵抗ROFFの分布が大きいほど、セット電圧VSETの変化量も大きくなければならない。これにより、可変抵抗素子10が「オン」状態に転換されて伝導経路を形成するために必要なエネルギーを、相対的に均一に維持することができる。
【0078】
次に、可変抵抗素子10を「オン」状態から「オフ」状態にさらに転換するためには、可変抵抗素子10にリセット電圧VRESETを印加しなければならないが、図7に図示されたように、可変抵抗素子10のオフ電圧ROFFに関係なく、リセット電圧VRESETは、一定の値を有する。このとき、リセット電圧VRESETが印加された後、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、図8に図示されたように、以前のステップの「オフ」状態に比べて低減したレベルσ’ほどの分布が生じうる。
【0079】
このように、本実施形態によれば、以前のステップのオフ抵抗ROFFの分布によって、セット電圧VSETを可変的に決定し、決定されたセット電圧を可変抵抗素子10に印加する。これにより、次のステップで同じリセット電圧VRESETが印加しても、可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETは、図8で図示されたように、以前のステップの「オフ」状態に比べて、分布が相当に減少する。
【0080】
図9は、図7に例示された動作電圧が印加される場合、可変抵抗素子に流れる電流を示すグラフである。
【0081】
図9を参照すれば、横軸は、セットサイクルまたはリセットサイクルの回数を示し、縦軸は、電流をA単位で示す。ここで、可変抵抗素子10に含まれた可変抵抗物質層12は、例えば、TaOを含み、リセット電圧VRESETは、約4.5Vであり、リセット電圧のパルス幅は、約1μsであってもよい。本実施形態で、セット電圧VSETの大きさまたはパルス幅は、オフ抵抗ROFFの分布によって可変的に決定される。
【0082】
このとき、セットサイクル後に可変抵抗素子10に流れる電流、すなわち、可変抵抗素子10にセット電圧VSETを印加した後、読み取り電圧VREADを印加することによって感知した電流を、セット電流ISETという。また、リセットサイクル後に可変抵抗素子10に流れる電流、すなわち、可変抵抗素子10にリセット電圧VRESETを印加した後、読み取り電圧VREADを印加することによって感知した電流をリセット電流IRESETという。
【0083】
図9で、セット電流ISETは、約10−5Aほどの電流レベルを維持するが、このとき、セット電流ISETは、セットサイクルの回数に関係なく、一定の電流レベルを維持することが分かる。一方、リセット電流IRESETは、約10−8Aから約10−7A程度の電流レベルを有するが、このとき、リセット電流IRESETの分布は、図6に図示されたリセット電流の分布に比べて大きく減少したことが分かる。
【0084】
図10は、図9のグラフによる可変抵抗素子の抵抗分布を概略的に示すグラフである。
【0085】
図10を参照すれば、横軸は、可変抵抗素子の抵抗を示し、縦軸は、可変抵抗素子の個数を示す。ここで、参照符号「A」は、従来技術による場合、すなわち、図4及び図5による場合のオフ抵抗ROFFの分布を示し、参照符号「B」は、本発明の一実施形態による場合、すなわち、図7及び図8による場合のオフ抵抗ROFFの分布を示す。
【0086】
図10に図示されたように、本発明の一実施形態によって、オフ抵抗ROFFの分布によって可変的に決定されるセット電圧VSETを、可変抵抗素子10に印加することによって、可変抵抗素子10が「オン」状態である場合、可変抵抗素子10のエネルギーを相対的に均一にさせることできるので、可変抵抗素子10が、次のステップで「オフ」状態である場合、オフ抵抗ROFFの分布を相当に減少させることができる。
【0087】
図11は、本発明の一実施形態による可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法を概略的に示すフローチャートである。
【0088】
図11を参照すれば、本実施形態による半導体装置の動作方法は、例えば、図1に図示された可変抵抗素子10、または図2に図示された可変抵抗素子10’を含む半導体装置の動作方法である。以下では、図1に図示された可変抵抗素子10を例に挙げ、本実施形態による半導体装置の動作方法について説明する。図1ないし図10を参照して説明した内容は、本実施形態にも適用される。
【0089】
S110ステップで、可変抵抗素子10にリセット電圧VRESETを印加する。これにより、可変抵抗素子10の抵抗は、低抵抗から高抵抗に変更され、言い換えれば、可変抵抗素子10は、「オン」状態から「オフ」状態に転換される。例えば、リセット電圧VRESETは、約4.5Vである。
【0090】
S120ステップで、リセット電圧VRESETを印加された可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETを感知する。具体的には、大きさがリセット電圧VRESETより小さい読み取り電圧VREADを印加し、リセット電圧VRESETが印加された可変抵抗素子10に流れるリセット電流IRESETを感知することができる。
【0091】
S130ステップで、感知されたリセット電流IRESETの分布を基にして、セット電圧VSETを決定する。具体的には、感知されたリセット電流IRESETの分布、すなわち、可変抵抗素子10のオフ抵抗ROFFの分布を基にして、セット電圧VSETの大きさまたはパルス幅を決定することができる。これについての説明は、以下の図12及び図13を参照して説明する。
【0092】
S140ステップで、可変抵抗素子10に、決定されたセット電圧VSETを印加する。これにより、可変抵抗素子10の抵抗は、高抵抗から低抵抗に変更され、言い換えれば、可変抵抗素子10は、「オフ」状態から「オン」状態に転換される。
【0093】
また、半導体装置の動作方法は、セット電圧VSETが印加された可変抵抗素子10に流れるセット電流ISETを感知するステップをさらに含んでもよい。具体的には、大きさがセット電圧VSETより小さい読み取り電圧VREADを印加し、セット電圧VSETが印加された可変抵抗素子10に流れるセット電流ISETを感知することができる。さらに、半導体装置の動作方法は、S140ステップを遂行した後に、さらにS110ステップを遂行することができる。
【0094】
図12は、図11に含まれたセット電圧を決定するステップの一例を詳細に示すフローチャートである。
【0095】
図12を参照すれば、S1311ステップで、リセット電流の感知レベルIRESETと、リセット電流の平均レベルIRESET_Mとの差が、第1範囲(すなわち、分布範囲)より小さいか否かを判断する。判断結果、リセット電流の感知レベルIRESETと、リセット電流の平均レベルIRESET_Mとの差が、第1範囲より小さい場合には、S1315ステップを遂行する。一方、判断結果、リセット電流の感知レベルIRESETとリセット電流の平均レベルIRESET_Mとの差が、第1範囲より大きい場合には、S1312ステップを遂行する。ここで、第1範囲は、あらかじめ決定される。具体的には、半導体装置の信頼性をさらに向上させようとする場合に、第1範囲はさらに狭く決定される。
【0096】
S1312ステップで、リセット電流の感知レベルIRESETが、リセット電流の平均レベルIRESET_Mより小さいか否かを判断する。判断結果、リセット電流の感知レベルIRESET、がリセット電流の平均レベルIRESET_Mより小さい場合には、S1313ステップを遂行する。一方、判断結果、リセット電流の感知レベルIRESETが、リセット電流の平均レベルIRESET_Mより大きい場合には、S1314ステップを遂行する。
【0097】
S1313ステップで、セット電圧VSETが上昇するようにセット電圧VSETを変更する。具体的には、リセット電流の感知レベルIRESETがリセット電流の平均レベルIRESET_Mより小さければ、可変抵抗素子10を「オフ」状態から「オン」状態に転換させるために必要なエネルギーレベルは、相対的に大きい。
【0098】
S1314ステップで、セット電圧VSETが低下するように、セット電圧VSETを変更する。具体的には、リセット電流の感知レベルIRESETがリセット電流の平均レベルIRESET_Mより大きければ、可変抵抗素子10を「オフ」状態から「オン」状態に転換させるために必要なエネルギーレベルは、相対的に小さい。
【0099】
従って、S1313ステップ及びS1314ステップで、前述のように、リセット電流の分布によって、セット電圧VSETが上昇または低下するように、セット電圧VSETを変更させることによって、可変抵抗素子10が「オン」状態である場合、可変抵抗素子10のエネルギーレベルは、相対的に均一である。
【0100】
S1315ステップで、セット電圧VSETを維持させる。具体的には、リセット電流の感知レベルIRESETとリセット電流の平均レベルIRESET_Mとの差が、第1範囲より小さい場合には、セット電圧を変更する必要性が大きくないので、セット電圧VSETを維持させると決定することができる。
【0101】
図13は、図11に含まれたセット電圧を決定するステップの他の例を詳細に示すフローチャートである。
【0102】
図13を参照すれば、S1321ステップで、リセット電流の感知レベルIRESETと、リセット電流の平均レベルIRESET_Mとが実質的に同一であるか否かを判断する。判断結果、リセット電流の感知レベルIRESETと、リセット電流の平均レベルIRESET_Mとが実質的に同じである場合には、S1325ステップを遂行する。一方、判断結果、リセット電流の感知レベルIRESETと、リセット電流の平均レベルIRESET_Mとが実質的に同一ではない場合には、S1322ステップを遂行する。
【0103】
S1322ステップで、リセット電流の感知レベルIRESETが、リセット電流の平均レベルIRESET_Mより小さいか否かを判断する。判断結果、リセット電流の感知レベルIRESETがリセット電流の平均レベルIRESET_Mより小さい場合、S1323ステップを遂行する。一方、判断結果、リセット電流の感知レベルIRESETが、リセット電流の平均レベルIRESET_Mより大きい場合、S1324ステップを遂行する。
【0104】
S1323ステップで、セット電圧VSETが上昇するように、セット電圧VSETを変更する。具体的には、リセット電流の感知レベルIRESETが、リセット電流の平均レベルIRESET_Mより小さければ、可変抵抗素子10を「オフ」状態から「オン」状態に転換させるために必要なエネルギーレベルは、相対的に大きい。
【0105】
S1324ステップで、セット電圧VSETが低下するように、セット電圧VSETを変更する。具体的には、リセット電流の感知レベルIRESETが、リセット電流の平均レベルIRESET_Mより大きければ、可変抵抗素子10を「オフ」状態から「オン」状態に転換させるために必要なエネルギーレベルは、相対的に小さい。
【0106】
従って、S1323ステップ及びS1324ステップで、前述のように、リセット電流の分布によって、セット電圧VSETが上昇または低下するように、セット電圧VSETを変更させることによって、可変抵抗素子10が「オン」状態である場合、可変抵抗素子10のエネルギーレベルは、相対的に均一である。
【0107】
S1325ステップで、セット電圧VSETを維持させる。具体的には、リセット電流の感知レベルIRESETと、リセット電流の平均レベルIRESET_Mが実質的に同じである場合には、セット電圧を変更する必要性が大きくないので、セット電圧VSETを維持させると決定することができる。
【0108】
図14は、本発明の他の実施形態による可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法を概略的に示したブロック図である。この実施形態による半導体装置の動作方法は、図11の実施形態による半導体装置の動作方法の変形例である。以下、実施形態間の重複する説明は省略する。
【0109】
図14を参照すれば、第1電圧(例えば、リセット電圧VRESET)を印加する第1ステップ(S110)、第1電流(例えば、リセット電流IRESET)を印加する第2ステップ(S120)が順に遂行される。可変抵抗素子にマルチレベルのデータを保存しようとする場合、感知されたリセット電流IRESETが、マルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを判断する第3ステップ(S125)が遂行される。
【0110】
その後、第2電圧(例えば、セット電圧VSET)を決定する第4ステップ(S130)、及び決定された前記第2電圧を可変抵抗素子に印加する第5ステップ(S140)が順に遂行される。前述のように、前記第4ステップ(S130)の間、決定された第2電圧(例えば、セット電圧VSET)は、感知されたリセット電流IRESETの分布、すなわち、可変抵抗素子のオフ抵抗ROFFの分布を基にして、決定されたものである。また、第5ステップ(S140)の間、印加されたセット電圧VSETは、前記分布を考慮して、その大きさまたはパルス幅が調節された調節電圧(modulated voltage)である。従って、第4ステップ(S130)で考慮された前記分布は、第3ステップ(S125)で考慮された検証範囲とは、互いに異なるということに留意する。
【0111】
第5ステップ(S140)で調節されたセット電圧(modulated VSET)が印加された後、可変抵抗素子にリセット電圧VRESETが印加される第6ステップ(S150)が遂行される。前記第5ステップ(S140)を介して、可変抵抗素子のエネルギーが相対的に均一になる。従って、前記第6ステップ(S150)によって、可変抵抗素子が「オフ」状態に変化した場合、オフ抵抗ROFFの分布が相当に低減される。
【0112】
選択的に、可変抵抗素子に流れるリセット電流IRESETを感知する第7ステップ(S160)がさらに遂行される。前記第7ステップ(S160)によって感知されたリセット電流IRESETは、可変抵抗素子に正確な(マルチレベル)データが保存されたか否かということや、可変抵抗素子に保存されたデータの分布特性が良好であるか否かなどを判断するのに使われる。
【0113】
図15は、図14の半導体装置の動作方法を介して、可変抵抗素子にデータが保存される過程を示したものである。
【0114】
図14及び図15を参照すれば、第1ステップ(S110)が遂行され、可変抵抗素子が「オフ」状態に変化し、第2ステップ(S120)が遂行されて可変抵抗素子のリセット電流IRESETが感知される。感知されたリセット電流(1)が、約1.5x10−6Aであり、一定範囲2σ内に存在しない。その場合、第4ステップ(S130)の間、セット電圧VSETが3Vから3.1Vに調節され、第5ステップ(S140)の間、調節されたセット電圧(2)が前記可変抵抗素子に印加される。その後、第6ステップ(S150)が遂行され、その後、第7ステップ(S160)によって、可変抵抗素子のリセット電流IRESETが感知された結果、感知されたリセット電流(3)が、約5x10−6Aであり、一定範囲2σ内に存在することになる。
【0115】
第7ステップ(S160)の遂行結果、リセット電流IRESETが一定範囲2σ内に存在しない場合、第5ステップないし第7ステップ(S140,S150,S160)が反復される。例えば、第1ステップ(S110)が遂行され、可変抵抗素子が「オフ」状態に変化し、第2ステップ(S120)が遂行され、可変抵抗素子のリセット電流IRESETが感知される。感知されたリセット電流(4)が、約2x10−6Aであり、一定範囲2σ内に存在しない。その場合、第4ステップ(S130)の間、セット電圧VSETが3Vから3.08Vに調節され、第5ステップ(S140)の間、調節されたセット電圧(5)が前記可変抵抗素子に印加される。その後、第6ステップ(S150)が遂行され、その後第7ステップ(S160)によって、可変抵抗素子のリセット電流IRESETが感知された結果、感知されたリセット電流(6)が、約2.5x10−6Aであり、一定範囲2σ内に存在しない。その場合、第5ステップ(S140)及び第6ステップ(S150)が再遂行され、調節されたセット電圧(7)である3.07Vが、可変抵抗素子にさらに印加される。その後、第7ステップ(S160)によって、可変抵抗素子のリセット電流IRESETが感知された結果、感知されたリセット電流(8)が、約5x10−6Aであり、一定範囲2σ内に存在することになる。
【0116】
このように、第5ステップ(S140)及び第6ステップ(S150)が遂行された結果、可変抵抗素子のオフ電流の分布が改善され、従って、可変抵抗素子を含む半導体装置の信頼性が向上するのである。
【0117】
図16は、本発明の技術的思想によるさらに他の実施形態による半導体装置の動作方法を概略的に示したブロック図である。この実施形態による半導体装置の動作方法は、図11及び図12の実施形態による半導体装置の動作方法の変形例である。以下、実施形態間の重複する説明は省略する。
【0118】
図16を参照すれば、図11で説明したように、第1ステップ(S110)が遂行され、可変抵抗素子が「オフ」状態に変化し、第2ステップ(S120)が遂行され、可変抵抗素子のリセット電流IRESETが感知される。選択的に、第1ステップ(S110)の遂行前に、可変抵抗素子にセット電圧が印加される第5ステップ(S140)が遂行されもする。
【0119】
第2ステップ(S120)後、感知された第1電流(すなわち、リセット電流IRESET)が、マルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを判断する第3ステップ(S125)が遂行される。前記第3ステップ(S125)で、感知された前記第1電流が、前記検証範囲内に含まれない場合、感知された前記第1電流が、前記検証範囲より大きければ、前記第1ステップないし前記第3ステップ(S110,S120,S125)が再遂行される。すなわち、第1電流が大きい状態であるので、マルチレベルデータのレベルに達することできない場合であるから、可変抵抗素子に流れる第1電流が低減するように、可変抵抗素子に第2電圧(すなわち、リセット電圧VRESET)を再印加し、前記可変抵抗を高抵抗状態(すなわち、第2抵抗)に変化させる。
【0120】
また、前記第3ステップ(S125)で、感知された前記第1電流(すなわち、リセット電流IRESET)が前記検証範囲内に含まれない場合、感知された前記第1電流が、前記検証範囲より小さければ、可変抵抗素子が、マルチレベルデータのレベルを超えた場合であるから、さらに可変抵抗素子を高抵抗状態(すなわち、第2抵抗)から低抵抗状態(すなわち、第1抵抗)に変化させねばならない。従って、前記可変抵抗素子の前記抵抗を、前記第2抵抗(高抵抗から前記第1抵抗に変更するための第2電圧(すなわち、セット電圧VSET))を印加する第5ステップ(S140)を遂行し、その後、可変抵抗素子の抵抗が高抵抗状態になるように、前記第1ステップないし前記第3ステップ(S110,S120,S125)が順に遂行される。
【0121】
第3ステップ(S125)が遂行された結果、感知された第1電流(すなわち、リセット電流IRESET)が前記検証範囲内に含まれ、可変抵抗素子の抵抗が、マルチレベルデータと対応する抵抗になった場合、前記感知された第1電流の分布を基に、次のループに印加される第2電圧(例えば、セット電圧VSET)を決定する第4ステップ(S130)が遂行される。かような第4ステップ(S130)は、第1電流(すなわち、可変抵抗素子のリセット電流IRESET)の分布を、前記第1電流の平均レベルと比較するステップであり、具体的なステップは、図12で説明した通りである。
【0122】
図12で説明したように、第4ステップ(S130)は、前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差を判断するステップ(S1311)を含んでもよい。前記ステップ(S1311)の間、感知されたリセット電流の感知レベルIRESETと、平均レベルIRESET_Mとの差が、分布範囲内であるか否かを判断する。その後、前記差が第2範囲より大きければ、前記第2電圧を変更するステップ(S1313またはS1314)を遂行することができ、前記差が第2範囲より小さければ、前記第2電圧を維持するステップ(S1315)を遂行することができる。
【0123】
特に、第2電圧を変更するステップ(S1313またはS1314)で、前記感知レベルが、前記第1電流の前記平均レベルより小さい場合、前記第2電圧を前記第2電圧より大きい第3電圧に変更し(S1313)、前記感知レベルが、前記第1電流の前記平均レベルより大きい場合、前記第2電圧を、前記第2電圧より小さい第4電圧に変更する(S1314)。
【0124】
第4ステップ(S130)後、データを再プログラムするために、可変抵抗素子に第2電圧(すなわち、セット電圧VSET)を印加する第5ステップ(S140)、及び可変抵抗素子に第1電圧(すなわち、リセット電圧VRESET)を印加する第6ステップ(S150)が遂行される。また、図14で説明したように、第6ステップ(S150)が遂行された後、可変抵抗素子に流れる第1電流(すなわち、リセット電流IRESET)を感知する第7ステップ(S160)が遂行されもする。すなわち、可変抵抗素子に保存されたデータの信頼性を向上させるために、第1ステップないし第7ステップが反復され、従って、エンデュランス・ループ(endurance loop)が形成される。
【0125】
図17は、本発明の技術的思想によるさらに他の実施形態による半導体装置の動作方法を概略的に示したブロック図である。この実施形態による半導体装置の動作方法は、図16の実施形態による半導体装置の動作方法の変形例でがある。以下、実施形態間の重複する説明は省略する。
【0126】
図17を参照すれば、第4ステップ(S130)は、前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差を判断するステップ(S1311)を含んでもよい。前記ステップ(S1311)の間、感知されたリセット電流の感知レベルIRESETと、平均レベルIRESET_Mとの差が、分布範囲内であるか否かが判断される。その後、前記差が分布範囲より大きければ、前記第2電圧を変更するステップ(S1313またはS1314)を遂行し、前記差が第2範囲より小さければ、エンデュランス・ループが終了される。その場合、データ保存完了信号が制御部(図示せず)に伝達され、従って、前記制御部は、読み取り信号に応答して保存されたデータを出力することができる。
【0127】
図18は、本発明の一実施形態による可変抵抗素子を含む半導体装置を示す回路図である。
【0128】
図18を参照すれば、半導体装置は、例えば、不揮発性メモリ装置であって、不揮発性メモリ装置の単位セルMC1は、可変抵抗素子R及びダイオードDを含んでもよい。ここで、可変抵抗素子Rは、図1に図示された可変抵抗素子10、または図2に図示された可変抵抗素子10’と実質的に同一に具現される。可変抵抗素子Rの一端は、ビットラインBLに連結され、他端は、ダイオードDに連結される。ダイオードDは、双方向に動作可能であり、ワードラインWLに印加される電圧によって、単位セルMC1に対する選択動作を遂行することができる。
【0129】
半導体装置がシングルビット不揮発性メモリ素子である場合、可変抵抗素子Rにリセット電圧が印加されれば、可変抵抗素子Rは、低抵抗から高抵抗に変化し、データ「0」が書き込まれ、セット電圧が印加されれば、可変抵抗素子Rは、高抵抗から低抵抗に変化し、データ「1」が書き込まれる。このとき、セット電圧は、可変抵抗素子Rが高抵抗状態である場合、可変抵抗素子Rに流れるリセット電流の分布、言い換えれば、可変抵抗素子Rのオフ抵抗の分布を基にして決定される。
【0130】
図19は、本発明の他の実施形態による可変抵抗素子を含む半導体装置を示す回路図である。
【0131】
図19を参照すれば、半導体装置は、例えば、不揮発性メモリ装置であって、不揮発性メモリ装置の単位セルMC2は、可変抵抗素子R及びアクセス・トランジスタTを含んでもよい。ここで、可変抵抗素子Rは、図1に図示された可変抵抗素子10、または図2に図示された可変抵抗素子10’と実質的に同一に具現される。可変抵抗素子Rの一端は、ビットラインBLに連結され、他端は、アクセス・トランジスタTに連結される。アクセス・トランジスタTは、ワードラインWLに連結されるゲート、可変抵抗素子Rの他端に連結されるドレイン、及びソースラインSLに連結されるソースを有する。このとき、アクセス・トランジスタTは、ワードラインWLに印加される電圧により、オン/オフになり、単位セルMC2に対する選択動作を遂行することができる。
【0132】
半導体装置がシングルビット不揮発性メモリ素子である場合、可変抵抗素子Rにリセット電圧が印加されれば、可変抵抗素子Rは、低抵抗から高抵抗に変化し、データ「0」が書き込まれ、セット電圧が印加されれば、可変抵抗素子Rは、高抵抗から低抵抗に変化し、データ「1」が書き込まれる。このとき、セット電圧は、可変抵抗素子Rが高抵抗状態である場合、可変抵抗素子Rに流れるリセット電流の分布、言い換えれば、可変抵抗素子Rのオフ抵抗分布を基にして決定される。
【0133】
図20は、図19の半導体装置の一例を示す断面図である。
【0134】
図20を参照すれば、半導体基板100の所定領域に、素子分離膜105が提供されて活性領域を限定する。活性領域内に、互いに離隔されたドレイン領域110及びソース領域115が提供される。ドレイン領域110及びソース領域115間の活性領域上には、ゲート絶縁膜120が配置され、ゲート絶縁膜120上には、ゲート電極125が配置される。このとき、ゲート電極125は、延びてワードラインの役割を行ったり、あるいはワードラインと連結されもする。かようなゲート電極125、ドレイン領域110及びソース領域115は、アクセス・トランジスタTを構成する。
【0135】
アクセス・トランジスタT上には、第1層間絶縁膜130が形成され、第1層間絶縁膜130内には、第1コンタクトプラグCP1及び第2コンタクトプラグCP2が形成される。ソース領域115は、第1コンタクトプラグCP1によって、ソースライン(SL)135に連結され、ドレイン領域110は、第2コンタクトプラグCP2によって、下部電極140に連結される。
【0136】
第1層間絶縁膜130上には、第2層間絶縁膜160が形成され、第2層間絶縁膜160内の一部領域には、下部電極140、可変抵抗物質層145及び上部電極150が順次に形成される。上部電極150は、第3コンタクトプラグCP3を介して、ビットライン170と連結される。かような下部電極140、可変抵抗物質層145及び上部電極150は、可変抵抗素子Rを構成し、可変抵抗素子Rは、図1の可変抵抗素子10に対応する。
【0137】
以上では、本発明の実施形態による可変抵抗素子が、シングルビット不揮発性メモリ素子のような半導体装置に含まれる場合について前述した。しかし、本発明の実施形態による可変抵抗素子は、マルチビット不揮発性メモリ素子のような半導体装置に含まれる場合にも適用される。
【0138】
また、本発明の実施形態による可変抵抗素子は、論理ゲートに含まれてロジック回路にも適用され、このとき、ロジック回路の面積を狭め、集積度を向上させることができる。具体的には、本発明の一実施形態による可変抵抗素子は、メモリスタ(memristor)に適用される。従って、メモリスタの動作方法は、図7ないし図13に図示された半導体装置の動作と実質的に類似して具現される。ここで、メモリスタは、電流の方向や量などを記憶し、記憶された電流の方向や量などによって抵抗が変化する特性を有する素子を示す。
【0139】
図21は、本発明の一実施形態によるメモリカードを示す概略図である。
【0140】
図21を参照すれば、メモリカード200は、制御器210とメモリ220とを含むが、制御器210とメモリ220は、電気的な信号を交換するように配置される。例えば、制御器210で命令を送れば、メモリ220は、データを伝送する。メモリ220は、前述の本発明の実施形態のうちいずれか一つによる可変抵抗素子を含む不揮発性メモリ装置を含んでもよい。
【0141】
かようなメモリカード200は、多種のカード、例えば、メモリスティック・カード(memory stick card)、スマートメディア・カード(SM:smart media card)、セキュアデジタル・カード(SD:secure digital)、ミニセキュアデジタル・カード(mini SD:mini secure digital card)またはマルチメディア・カード(MMC:multi media card)のようなメモリ装置に利用されてもよい。
【0142】
図22は、本発明の一実施形態による電子システムを概略的に示すブロック図である。
【0143】
図22を参照すれば、電子システム300は、プロセッサ310、メモリ320、入出力装置330及びインターフェース340を含んでもよい。電子システム300は、モバイルシステム、または情報を伝送したり伝送されるシステムであってもよい。前記モバイルシステムは、PDA(personal digital assistant)、携帯用コンピュータ(portable computer)、ウェブタブレット(web tablet)、無線ホン(wireless phone)、モバイルホン(mobile phone)、デジタルミュージックプレーヤ(digital music player)またはメモリカード(memory card)であってもよい。
【0144】
プロセッサ310は、プログラムを実行し、電子システム300を制御する役割を行うことができる。ここで、プロセッサ310は、例えば、マイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号処理器(digital signal processor)、マイクロコントローラ(microcontroller)、またはそれらと類似した装置であってもよい。
【0145】
入出力装置330は、電子システム300のデータを入力または出力するのに利用される。電子システム300は、入出力装置330を利用し、外部装置、例えば、個人用コンピュータまたはネットワークに連結され、外部装置と互いにデータを交換することができる。ここで、入出力装置330は、例えば、キーパッド(keypad)、キーボード(keyboard)または表示装置(display)であってもよい。
【0146】
メモリ320は、プロセッサ310の動作のためのコード及び/またはデータを保存し、かつ/あるいはプロセッサ310で処理されたデータを保存することができる。ここで、メモリ320は、前述の本発明の実施形態のうちいずれか一つによる可変抵抗素子を含む不揮発性メモリ装置を含んでもよい。
【0147】
インターフェース340は、電子システム300と外部の他の装置とのデータ伝送通路であってもよい。プロセッサ310、メモリ320、入出力装置330及びインターフェース340は、バス350を介して互いに通信される。
【0148】
例えば、電子システム300は、モバイルホン、MP3プレーヤ、ナビゲーション(navigation)、携帯用マルチメディア再生機(PMP:portable multimedia player、PMP)、SSD(solid state drive)または家電製品(household appliances)に利用される。
【0149】
図23は、例示的な実施形態による半導体装置50の概略的なブロック図である。図23に図示されているように、半導体装置50は、メモリアレイ20、制御回路30及び出力回路40を含んでもよい。メモリアレイ20は、図18ないし図20に図示されたような複数のユニットセルMC1,MC2を含んでもよいが、本例示的な実施形態は、これに制限されるものではない。制御回路30は、メモリアレイ20に連結されて動作し、ユニットセルMC1,MC2の可変抵抗素子Rから、リセット電流IRESET及び/またはセット電流ISETを感知するように構成されてもよい。制御回路30は、ユニットセルMC1,MC2の可変抵抗素子Rから感知された電流、例えば、リセット電流IRESET及び/またはセット電流ISETを指す信号を受信するように構成される。制御回路30は、ユニットセルMC1,MC2の可変抵抗素子Rに、リセット電圧VRESET及び/またはセット電圧VSETを印加するように構成され、前記動作は、例えば、ユニットセルMC1,MC2の可変抵抗素子Rの上部電極及び下部電極の間に電圧を印加することによって遂行される。感知されたリセット電流IRESETに基づいて、制御回路30は、セット電圧VSETを決定し、ユニットセルMC1,MC2の可変抵抗素子Rに、前記セット電圧VSETを印加する。制御回路30は、図11ないし図14、及び図16ないし図17で説明した方法によって、前記セット電圧を決定できるが、例示的な実施形態は、それらに制限されるものではない。出力回路40は、メモリアレイ20及び制御回路30と連結されて動作する。例えば、出力回路40は、制御回路30の制御下に、メモリアレイ20から読み取られたデータを出力するように構成される。
【0150】
以上で説明した本発明が、前述の実施形態及び添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を外れない範囲内で、さまざまな置換、変形及び変更が可能であるということは、本発明が属する技術分野で当業者に明白なものであろう。
【符号の説明】
【0151】
10,10’,R 可変抵抗素子
11,140 下部電極
12,145 可変抵抗物質層
12a 基底薄膜
12b 酸素交換層
13,150 上部電極
30 制御回路
40 出力回路
50 半導体装置
100 半導体基板
105 素子分離膜
110 ドレイン領域
115 ソース領域
120 ゲート絶縁膜
125 ゲート電極
130 第1層間絶縁膜
135,CL ソースライン
160 第2層間絶縁膜
170,B ビットライン
200 メモリカード
210 制御器
220,320 メモリ
300 電子システム
310 プロセッサ
330 入出力装置
340 インターフェース
350 バス
CP1 第1コンタクトプラグ
CP2 第2コンタクトプラグ
D ダイオード
MC1,MC2 単位メモリ
T アクセス・トランジスタ
WL ワードライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法であり、
前記可変抵抗素子の抵抗値を、第1抵抗値から、前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値に変更するための第1電圧を、前記可変抵抗素子に印加する第1ステップと、
前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知する第2ステップと、
感知された前記第1電流が、マルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを決定する第3ステップと、
感知された前記第1電流が、前記検証範囲内に含まれる場合、感知された前記第1電流の分布を基にして、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するための第2電圧を決定する第4ステップと、
前記第2電圧を、前記可変抵抗素子に印加する第5ステップと、
前記第2電圧が印加された前記可変抵抗素子に、前記第1電圧を印加する第6ステップと、を含む半導体装置の動作方法。
【請求項2】
前記第2抵抗値は、前記第1抵抗値より大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項3】
前記第1抵抗値は、セット(set)抵抗であり、前記第2抵抗値は、リセット(reset)抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項4】
前記第2ステップは、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる前記第1電流を感知する前に、大きさが前記第1電圧より小さい読み取り電圧を印加するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項5】
前記第3ステップは、感知された前記第1電流が、前記検証範囲内に含まれない場合、感知された前記第1電流が、前記検証範囲より大きければ、前記第1ステップないし前記第3ステップを再遂行するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項6】
前記第3ステップは、感知された前記第1電流が、前記検証範囲内に含まれない場合、感知された前記第1電流が前記検証範囲より小さければ、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するための第2電圧を印加するステップと、前記第1ステップないし前記第3ステップと、を順に遂行するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項7】
前記第4ステップは、前記第1電流の分布を、前記第1電流の平均レベルと比較するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項8】
前記第4ステップは、
前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差が分布範囲より大きければ、前記第2電圧を変更するステップと、
前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差が分布範囲より小さければ、前記第2電圧を維持するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項9】
前記第4ステップは、
前記第1電流の前記感知レベルが、前記第1電流の前記平均レベルより小さい場合、前記第2電圧を前記第2電圧より大きい第3電圧に変更するステップと、
前記第1電流の前記感知レベルが、前記第1電流の前記平均レベルより大きい場合、前記第2電圧を前記第2電圧より小さい第4電圧に変更するステップとのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項10】
前記第2電圧を変更するステップは、前記第2電圧の大きさ及びパルス幅のうち少なくとも一つを変更するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項11】
前記第4ステップは、
前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差が分布範囲より大きければ、前記第2電圧を変更するステップと、
前記第1電流の感知レベルと、前記第1電流の平均レベルとの差が分布範囲より小さければ、データ保存完了信号を制御部に伝達するステップとのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項12】
前記第4ステップは、感知された前記第1電流の分布が大きいほど、前記第2電圧の変化量が大きくなるように、前記第2電圧を決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項13】
前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知する第7ステップをさらに含む請求項1に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項14】
可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法であって、
前記可変抵抗素子の抵抗値を、第1抵抗値から、前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値に変更するための第1電圧を、前記可変抵抗素子に印加するステップと、
前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知するステップと、
感知された前記第1電流の分布を基にして、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するための第2電圧を決定するステップと、
決定された前記第2電圧を、前記可変抵抗素子に印加するステップと、
前記第2電圧が印加された前記可変抵抗素子に、前記第1電圧を再び印加するステップと、を含む半導体装置の動作方法。
【請求項15】
感知された前記第1電流が、マルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを決定するステップをさらに含む請求項14に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項16】
可変抵抗素子を含む半導体装置の動作方法であって、
前記可変抵抗素子の抵抗値を、第1抵抗値から、前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値に変更するための第1電圧を、前記可変抵抗素子に印加する第1ステップと、
前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知する第2ステップと、
前記第1電流がマルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを決定する第3ステップと、
第4ステップと、を含み、
前記第4ステップは、
感知された前記第1電流が前記検証範囲より大きい場合、前記第1ステップないし前記第3ステップを反復するステップを含み、
感知された前記第1電流が前記検証範囲より小さい場合、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を前記第1抵抗値に変更するステップと、前記第1ステップないし前記第3ステップを反復するステップとを含み、
感知された前記第1電流が前記検証範囲内に含まれる場合、感知された前記第1電流の分布を基に、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するための第2電圧を決定するステップと、前記可変抵抗素子に前記第2電圧を印加するステップと、前記第2電圧が印加された前記可変抵抗素子に、前記第1電圧を印加するステップとを含むことを特徴とする半導体装置の動作方法。
【請求項17】
前記第2抵抗値は、前記第1抵抗値より大きいことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項18】
前記第1抵抗値は、セット抵抗であり、前記第2抵抗値は、リセット抵抗であることを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項19】
前記可変抵抗素子は、ペロブスカイト(perovskite)系物質及び遷移金属酸化物のうち一つを含む可変抵抗物質層を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項20】
前記第2ステップは、前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる前記第1電流を感知する前に、読み取り電圧を前記可変抵抗素子に印加するステップを含み、
前記読み取り電圧は、前記第1電圧の大きさよりも小さい大きさを有することを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項21】
前記可変抵抗素子は、下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間の可変抵抗物質層を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項22】
前記第1電圧は、前記可変抵抗素子を高抵抗状態に変化させるリセット電圧であり、
前記第2電圧は、前記可変抵抗素子を低抵抗状態に変化させるセット電圧であることを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項23】
前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる前記第1電流を感知する第7ステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の動作方法。
【請求項24】
第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間の可変抵抗物質層と、
前記可変抵抗物質層に連結されて動作する制御回路と、を含み、
前記制御回路は、
可変抵抗素子の抵抗値を、第1抵抗値から、前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値に変更するための第1電圧を、前記可変抵抗素子の前記第1電極と前記第2電極との間に印加する第1ステップと、
前記第1電圧が印加された前記可変抵抗素子に流れる第1電流を感知する第2ステップと、
前記第1電流がマルチレベルデータのレベルと対応する検証範囲内に含まれるか否かを決定する第3ステップと、
第4ステップと、を遂行するように構成され、
前記第4ステップは、
感知された前記第1電流が前記検証範囲内に含まれない場合、前記第1ステップないし前記第3ステップを反復するステップを含み、
感知された前記第1電流が前記検証範囲内に含まれる場合、感知された前記第1電流の分布を基に、前記可変抵抗素子の前記抵抗値を、前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に変更するのに使われる第2電圧を決定するステップと、前記可変抵抗素子の前記第1電極と前記第2電極との間に前記第2電圧を印加するステップと、前記第2電圧が印加された前記可変抵抗素子に、前記第1電圧を印加するステップとを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項25】
請求項24に記載の半導体装置と、
前記半導体装置と連結されて動作するコントローラと、を含むメモリカード。
【請求項26】
請求項24に記載の半導体装置と、
プロセッサと、
前記半導体装置を前記プロセッサに連結するように動作するバスと、を含む電子システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図6】
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【図9】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−45496(P2013−45496A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183075(P2012−183075)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MEMORY STICK
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea