説明

可変焦点レンズ

【課題】大量生産に適した単純な構造の可変焦点レンズを提供する。
【解決手段】本発明は、可変焦点レンズ(10)に関連し、可変焦点レンズ(10)は、剛性のリング(22)と、リングの前方表面に取り付けられた可撓性膜(20)と、可撓性膜(50)に取り付けられる剛性の透明前方カバー(40)と、リング(22)の後方表面上の剛性の後方カバー(20)とを備える。空洞(60)が、可撓性膜(50)と後方カバー(20)との間に形成され、空洞は、液体で充填される。空洞内の液体の量は、可撓性膜の曲率を変え、それでレンズの光学的特徴を変えるように変えられることができる。後方カバーは、リングと一体であることができ、または別個に形成されることができる。さらに、第2の可撓性膜が、後方カバーとリングとの間に位置決めすることができる。レンズの様々な部品は、接着剤によってともに保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変焦点レンズに関し、より詳細には、大量生産に適した単純な構造の可変焦点レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
可変焦点レンズは良く知られている。それらは、通常、その少なくとも1つの面が、透明の可撓性膜によって形成される液体充填室からなる。液体が、室内に導入され、または、室内から取り除かれるとき、可撓性膜が変形され、その曲率は応じて変化する。曲率におけるこの変化は、光学的特徴およびレンズの強度の変化を導く。レンズの強度は、このように、室内の液体の量を変えることによって簡単に変えられることができる。
【特許文献1】英国特許第2333858号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の可変焦点レンズは、例えば英国特許第2333858号に開示される。このレンズは、いくつかの相互に係合するリングから形成される。可撓性透明膜は、リング間に捕らえられ、リングは、それらが相互に係合するとき、それらが、(レンズの性能を改善する)可撓性膜に張力をかけて作用するように形成される。1つのリングは、次にともに組み立て体を保持するために変形される。しかしながら、この設計は、所定の要件(展性など)を、リングを形成するために使用される材料に課し、またリングの製造における厳密な許容誤差を要する。さらに、各レンズは、製造を複雑にする多数の別個の部品から形成される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、可変焦点レンズが提供され、可変焦点レンズは、前方表面および後方表面を有する概して剛性のリングと、リングの前方表面に取り付けられた可撓性膜と、可撓性膜に取り付けられる概して剛性の透明前方カバーと、リングの後方表面上の概して剛性の後方カバーとを備え、空洞が、可撓性膜と後方カバーとの間に形成され、空洞は、液体で充填され、空洞内の液体の量は、可撓性膜の曲率を変え、それによってレンズの光学的特徴を変化させるために変えることができる。
【0005】
本発明のレンズにおいて、可撓性膜は、リングと、平坦な面で形成することができる前方カバーとの間に保持される。これは、レンズの部品の許容誤差に対するより少ない厳密な要件を課し、それで製造を単純にする。さらに、それからレンズが形成することができる材料のより広い選択がある。
【0006】
好ましい形態において、後方カバーおよびリングは、例えば単一片として成形によって一体に形成される。これは、レンズを組み立てるために必要なステップ数を低減する。しかしながら、これは、必ずしも必要な特徴ではなく、代替形態において、後方カバーは、リングから分離して形成され、リングの後方表面に取り付けられる。
【0007】
さらなる代替形態において、レンズは、第2の可撓性膜がリングの後方表面に取り付けられ、かつ、後方カバーが第2の可撓性膜に取り付けられるように、リングと後方カバーとの間に位置決めされる第2の可撓性膜をさらに備える。そのようなレンズは、所定のレンズ空洞圧力に対して単一膜レンズの2倍の強度を有する(または、半分の空洞圧力で同じ強度を可能にする)。
【0008】
さらに、これら全てのレンズにおいて、可撓性膜は、それらが剛直なカバーの背後にあるので、損傷から保護されることが理解される。レンズの耐久性および強さは、このように改善される。
【0009】
可撓性膜の曲率が変えられるとき、可撓性膜と前方カバーとの間の空間の容積が変化する。空気は、ガスであり圧縮可能であるので、この容積内の空気の圧縮または希薄によって、可撓性膜の移動を達成することが可能である。しかしながら、空気が空洞内へ入る、または、空洞外へ出ることを可能にするために、通気孔が前方カバーに形成されることが好ましい。
【0010】
リングは、それを通過して液体が、空洞内に導入され、または、空洞から引き出されることができるセクションを有する。好ましい形態において、このセクションは、リング内の開口に位置決めされた隔壁として形成される。隔壁は、好ましくは自己回復材料から形成され、自己回復材料は、隔壁を通して挿入されるシリンジ針などによって、液体が空洞内に導入され、かつ、空洞から取り出されることを可能にする。
【0011】
さらに好ましい形態において、2つ以上の隔壁が提供される。一方の隔壁を通って押される針が、液体を導入するために使用することができ、他方の隔壁を通って押される針が、空気を引き出すために使用することができるので、これは、空洞を充填することをより容易にする。
【0012】
好ましくは、前方カバーおよび/または後方カバーは、負または正の光学強度を有する。
第1の空洞内の液体の屈折率が、後方カバーが形成される材料の屈折率にほぼ等しいことも好ましい。これは、後方カバー内側の割れ目、かき傷などの視認性を低減する。
【0013】
もちろん、任意の適切な方法は、リング、可撓性膜、およびカバーをともに保持するために使用することができる。しかしながら、リング、可撓性膜、および前方カバーが、接着によって取り付けられることが好ましい。さらに、リングと後方カバーとの間に第2の可撓性膜が存在するとき、リング、第2の可撓性膜、および後方カバーが、接着剤によって取り付けられることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照して例示だけによって以下に説明される。
【0015】
図4に最も良く示されるように、レンズ10は、3つの主要な部品、すなわち後方部品18、前方カバー40、および可撓性膜50から形成される。
後方部品18は、リング22およびリングと一体に形成される後方カバー20から形成される浅い皿の形態である。可撓性膜50は、浅い皿の面を横切って延在し、かつ、リング22の前方表面に取り付けられる。皿と可撓性膜50との間に形成される空洞60は、液体で充填され、空洞60内の液体の量は、空洞60の容量を変化させるために変えることができる。リング22および後方カバー20は、概して剛直であり、したがって空洞60の容量を変化させることは、膜50を変形し、このようにレンズ10の光学的特徴を変える。
【0016】
前方カバー40は、膜50がリング22と前方カバー40との間に挟まれるように、膜50に取り付けられる。第2の空洞70は、膜50と前方カバー40との間に形成され、この空洞70は、空気を含む。小さな通気孔44は、前方カバー40に形成され、第2の空洞70が大気と連通することを可能にする。これは、膜50が変形するとき、第2の空
洞70内の空気の体積が変わることを可能にする。通気孔44は、レンズの縁部に位置決めされ、レンズの使用者に引き起こされた混乱を低減するために可能な限り小さい。
【0017】
図面に示されるように、前方カバー40の内側表面42(可撓性膜50に面する表面)は湾曲される。これは、可撓性膜50が変形されるのに十分な空間を提供し、このように、レンズ10の強度が調整することを可能にする。
【0018】
後方部品のリング22内に開口24があり(図1に最も良く見られる)、この開口24は、可撓性プラグ80(以降「隔壁」と呼ばれる)によって通常密封される。隔壁80は、液体が空洞60から外に漏洩することを妨げ、また空洞60内への空気の漏洩を妨げ、したがって膜50の曲率(およびしたがってレンズ10の光学的特徴)を所望の状態に維持する。
【0019】
隔壁80は、自己回復材料から形成される。そのような材料は、針などによって穿孔され、針の引き出し時に再密封することができる。そのような材料の使用は、空洞60内の液体の量がそのような針の使用を介して調整することを可能にする。
【0020】
空洞60内の液体の量を増大するために、液体を含むシリンジの針は、針の端部が空洞60を穿孔するように、隔壁80を通して押される。液体は、次に空洞60内へシリンジから押される。液体の量における増大により、可撓性膜50がさらに外側に曲げさせられ、レンズの光学的特徴を変化させる。所望の光学的特徴が達成されると、針は、空洞60および隔壁80から引き出される。隔壁80の自己回復性質のために、針によって形成された孔は閉鎖され、空洞60は再び密封される。
【0021】
類似する処置が、空洞60から液体を引き出すために使用される。
隔壁80とリング22の開口24との間の良好な密閉を確実にするために、隔壁80が、張力下にある間に開口24内に挿入され、次に緩和を可能にすることができる。隔壁80が張力下に置かれるとき、それは、長手方向に伸び、したがってポアソン比の結果として側方方向に収縮する。側方方向に収縮される間、隔壁80は、開口24内に適切に位置決めすることができ、張力は、次に解放することができる。張力の解放は、隔壁80をその元の幅に戻させ、元の幅は、隔壁80を所定の場所に確実に保持するために、理想的には開口24の幅よりわずかに大きい。
【0022】
代替形態において、隔壁は、後方部品18と同時成形することができる。この方法において、後方部品は、この成形ステップで形成されるリング内の開口とともに、プラスチック材料から第1に成形される。次に、エラストマのプラグは、第2の成形ステップで開口内に成形され、このプラグは、隔壁を形成する。後方部品および隔壁を形成するために使用される材料は、隔壁が開口内に堅固に着座したままであることを確実にするために、それらが良好な固有の結合を有するように選択される。そのような同時成形プロセスは、上述の2ステップ方法より、より迅速に、かつ、より安価に隔壁を有する後方部品を製造することが理解される。
【0023】
好ましい形態において、前方カバー40は、レンズとして形成される(すなわち、その前方表面および後方表面の曲率は、異なる)。これは、可変焦点レンズが、可撓性膜50を変形するだけによって達成することができるよりも、大きな最大強度(または、異なる範囲の強度)を有することを可能にする。
【0024】
例えば、可撓性膜を変形するだけによって達成することができる強度の範囲が、−5Dから+5Dであると仮定する。使用者が、この範囲外の訂正(例えば−8D)を必要とするなら、これは、可撓性膜を変形するだけによって達成することはできない。しかしなが
ら、あるレンズ強度(例えば−5D)を有する前方カバーを提供することによって、可変強度の範囲は、−10Dから0Dになるようにシフトされ、必要な訂正を包含する。類似する方法で、より高い正の強度が必要であるなら、これは、ある正のレンズ強度を有する前方カバーを提供することによって達成することができる。
【0025】
さらに、ある状況において、空洞内側の液体の圧力が、大気圧より高い(または、少なくとも等しい)ことを確実にすることが望ましい。この圧力が維持されるなら、可撓性膜は、外側に曲がり、レンズに正の強度を与える傾向を有する。全体としてレンズが、負の強度を提供するべきであるなら、これは、前方カバーおよび後方カバーの少なくとも一方に負の強度を提供することによって達成されなければならない。
【0026】
可変焦点レンズを製造するための現在好ましいプロセスは、以下に説明される。
最初に、例えばアクリル樹脂を成形することによって、または、機械加工および研磨によって、後方部品18が形成される。成形の品質に応じて、使用に際して使用者の目に面する表面26は、その成形された形態のままにすることができ、代わりに、この表面26は、その平坦性を改善するために研磨することができる。内側表面28、30も、形状形成するために機械加工される。隔壁80のための開口24は、成形プロセスで形成することができ、またはそれは、成形後に機械加工することができる。成形と機械加工との組み合わせは、開口24を形成するために使用することもできる。
【0027】
隔壁80が、次にキャストシリコーンから形成される。好ましい形態において、キャストシリコーンは、30Aと40Aとの間のショア硬度を有する。シリコーン隔壁は、次にプライミングされ(例えば、Loctite770プライマでブラッシングすることによって)、シアノアクリレートグルー(Loctite403など)がそれに塗布される。
【0028】
隔壁80は、次に後方カバーの開口24内に引き入れられる。この引き入れは、隔壁80を伸ばし、それで、隔壁を幅において低減させ、開口24内にそれをはめ込むことを可能にする。隔壁80が適切に位置決めされると、張力が解放され、隔壁は、その元の寸法に戻ろうと試み、それを開口24に堅固に着座させる。これは、隔壁80と開口24との間の良好な密閉を確実にする。
【0029】
全ての過剰なグルーは、次に隔壁80からふき取られる。さらに、グルーが硬化すると、隔壁の内側に突出する「テール」は、隔壁がリング22の内側壁30と同一面であるように、切り取られる。これは、使用者の視野内への隔壁80の侵入を低減する。
【0030】
可撓性膜50が、次に準備される。好ましい形態において、これは、良好な光学品質を有するマイラーなどのポリエステルフィルムのシート、特にマイラーDLから作られる。シートもまた、その接着品質を改善するために(片側または両側を)処理することができる。シートは、次に張力下に置かれる。
【0031】
紫外硬化接着剤(Loctite3105など)の薄いビードが、組み立てられた状態で前方カバー40に直面する(かつ、膜50に接触する)、リング22の前方表面32に塗布される。部品18のリング22の前方表面は、次に、接着剤がシートと接触するように、シート上に配置される。
【0032】
後方部品18とシートの組み立て体は、次に、接着剤を硬化するために紫外光源に晒される。これは、任意の適切な光源であることができ、それを硬化するために、組み立て体を明るい太陽光に単純に晒すことが可能である。
【0033】
接着剤が硬化されると、シートは、リング22の輪郭に合わせて切断される。これは、
2つの段階で行われることができる。すなわち、シートの残りから組み立て体を外すための第1の荒い切断段階と、リングに接着されたシートの部分が、リングに合わせて切り取られる第2の切り取り段階とである。
【0034】
前方カバー40が次に形成される。任意の適切な方法および材料を、用いることができる。好ましい形態において、前方カバー40は、ポリカーボネートから成形され、または、機械加工され、かつ、研磨される。前方カバー40は、適切な形状に切断された標準の成形された眼鏡レンズから形成することもできる。
【0035】
前方カバー40および後方部品18のリング22は、両方とも、それらの側方表面に2つの直径方向に対向する長手方向溝34、46を有して形成されることに留意されたい。これらの溝34、46は、前方カバー40および後方部品18が、以下に説明されるそれらの組み立ての間に正しく位置合わせされることを確実にするように作用する。
【0036】
組み立ての間、後方部品18および膜50の組み立て体は、膜50上方に指標機構内にはめ込まれる。この機構は、後方部品18の溝34と係合する2つの突出するリッジを有する。後方部品18が、指標機構内に適切にはめ込まれると、その位置は、溝34とのリッジの係合によって画定される。
【0037】
もちろん、他の指標機構、例えばカバーの外側輪郭を参照するカウンタボアを有するジグが、使用することができる。これは、溝34、46が、レンズの審美性に影響を有することがあるいくつかの場合には、好ましいことがある。
【0038】
紫外硬化接着剤(Loctite3105など)の薄いビードが、組み立てられた状態でリング22に直面する(かつ、膜50に接触する)、前方カバー40の表面48に塗布される。このステップは、後方部品18と膜50の組み立て体が、指標機構内にはめ込まれる前または後で行われることができることは理解される。
【0039】
前方カバー40は、次にまた、接着剤側下方へ指標機構内にはめ込まれる。それは、膜50上に配置され、接着剤は、膜と接触し、前のように接着剤を硬化するために紫外光(再び太陽光であり得る)に晒される。
【0040】
接着剤が硬化されると、レンズ組み立て体10は、指標機構から取り外される。後方カバー20、リング22、および膜50の間に形成される空洞60は、隔壁80を通して挿入される針によって、油などの液体で充填され、レンズ10の適切な焦点を達成するために空洞60内の液体の量を調整することは、この段階で実行することができる。
【0041】
空洞60が油で充填されると、隔壁80がリング22の外壁と同一面となるように、隔壁80の外側は、切り取られる。これは、レンズ10に平滑な外側輪郭を与え、レンズを眼鏡フレーム内にはめ込むことをより容易にする。
【0042】
最終ステップとして、2つのそのようなレンズが、一対の眼鏡を作るためにフレームにはめ込まれる。所望であれば、フレームは、開口を有することができ、開口は、針がフレームを通して挿入することを可能にするためにレンズの隔壁と位置合わせされ、レンズの焦点のさらなる微調節を可能にするためにレンズの隔壁と位置合わせされる。
【0043】
上述のレンズにおいて、単一の隔壁80によって閉鎖された、後方部品18のリング22内に単一の開口24が存在する。代替形態において、後方カバーの側壁は、それぞれ隔壁によって閉鎖される2つの開口を有することができる。
【0044】
この双隔壁設計は、空洞の充填に関して多数の利点を有する。例えば、隔壁が概して互いに直径方向に対向するなら、レンズは、上下関係の隔壁とともに位置決めすることができる。液体は、下側の隔壁を通して押された針によって空洞内に導入することができ、空気は、上側の隔壁を通して押された第2の針によって空洞から引き出されることができる。この充填方法は、空洞が液体で充填されると、空洞内の気泡の数を低減し、したがってレンズの光学品質を改善する。
【0045】
空洞60内の液体の屈折率は、後方カバー20を形成するために使用される材料の屈折率にほぼ等しいことが好ましい。
上述されたように、後方部品18のある機械加工は、それを所望の形状にするために必要であり、特に空洞の部分を形成する後方カバー20の表面28が機械加工される。かき傷を避けるようにこの表面28を機械加工することが可能であるが、これは、高価な機械加工プロセスを必要とし、これは、レンズ10のコストにおける増大を導く。
【0046】
より安価なアプローチは、液体および後方カバー材料の屈折率が、ほぼ等しいことを確実にすることである。そうであれば、液体を通過して後方カバーへの光の屈折が存在せず、後方カバーの表面上の全てのかき傷は、効果的に見えなくなる。
【0047】
上記の詳細な説明は、レンズの1つの特定の構造だけに関連するが、他の類似する構造が使用することができることが理解される。2つのそのような構造は、図5および図6を参照して以下に簡単に説明される。
【0048】
図5に示されるレンズ110において、後方カバー120およびリング122は、別個の部品として形成され、接着剤によって互いに取り付けられる。これは、隔壁の形成および取り付けの前に、上述の組み立てプロセスにおける第1のステップであり得る。可撓性膜150、前方カバー140、および空洞160は、全て図4に示されたものと類似する。
【0049】
図6に示されるレンズ210において、後方カバー220およびリング222は、再び別個の部品として形成される。さらに、第2の可撓性膜252は、リング222と後方カバー240(膜が変形することを可能にするために湾曲されて示されている)との間に位置決めされる。したがって、空洞260は、可撓性膜250、252、およびリング222によって画定される。
【0050】
2つの膜の存在は、レンズに、所定のレンズ空洞圧力に対して単一膜レンズの2倍の強度を与える(または、半分の空洞圧力で同じ強度を可能にする)。そのようなレンズは、図1から図5に示されるレンズより厚いことがあるが、これは、レンズが用いられる(例えば、機器)使用に応じて、重要ではないことがある。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】レンズの第1の好ましい実施形態の斜視図である。
【図2】レンズの側面図である。
【図3】レンズの前面図である。
【図4】図3におけるラインA−Aに沿って取られたレンズの断面図である。
【図5】レンズの第2の実施形態の断面図である。
【図6】レンズの第3の実施形態の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変焦点レンズであって、
前方表面および後方表面を有する概して剛性のリングと、
リングの前方表面に取り付けられた可撓性膜と、
可撓性膜に取り付けられる概して剛性の透明前方カバーと、
リングの後方表面上の概して剛性の後方カバーとを備え、
空洞が、可撓性膜と後方カバーとの間に形成され、空洞は、液体で充填され、空洞内の液体の量は、可撓性膜の曲率を変え、それによってレンズの光学的特徴を変化させるために変えることを特徴とする可変焦点レンズ。
【請求項2】
前記後方カバーおよびリングは一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点レンズ。
【請求項3】
前記後方カバーがリングとは分離して形成され、リングの後方表面に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点レンズ。
【請求項4】
第2の可撓性膜がリングの後方表面に取り付けられ、かつ、後方カバーが第2の可撓性膜に取り付けられるように、リングと後方カバーとの間に位置決めされる第2の可撓性膜をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点レンズ。
【請求項5】
空気が前記空洞内へ入る、または、空洞外へ出ることを可能とするために、通気孔が前方カバーに形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
【請求項6】
前記リングは、それを通過して液体が、空洞内に導入され、または、空洞から引き出されることができるセクションを有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
【請求項7】
前記セクションは、リング内の開口に位置決めされた隔壁として形成されることを特徴とする請求項6に記載の可変焦点レンズ。
【請求項8】
前記隔壁は、自己回復材料から形成することを特徴とする請求項7に記載の可変焦点レンズ。
【請求項9】
2つ以上の隔壁を備えることを特徴とする請求項7または8に記載の可変焦点レンズ。
【請求項10】
前記前方カバーおよび/または後方カバーは、負または正の光学強度を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
【請求項11】
空洞内の液体の屈折率が、後方カバーが形成される材料の屈折率と略同一であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
【請求項12】
前記リング、可撓性膜、および前方カバーが、接着によって取り付けられることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
【請求項13】
前記リング、第2の可撓性膜、および後方カバーが、接着によって取り付けられることを特徴とする請求項4から12のいずれかに記載の可変焦点レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−524838(P2009−524838A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537197(P2008−537197)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004019
【国際公開番号】WO2007/049058
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(508130616)ジェイ アンド ジェイ テクノロジーズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】