説明

可変表示装置及びそれを有する遊技台

【課題】リールをより立体的に変化させることで更なるインパクトのある演出を行うことができる可変表示装置を提供する
【解決手段】ステッピングモータに接続されるベース部材214の周面から回転中心に向かう穴状の支持体受け部214aを、放射状に等間隔で所定数設け、各支持体受け部214aに挿通されるスライド支持体213の端部にリール枠部材212を設け、各リール枠部材212の外表面に図柄シート211の通常表示部211aを貼着し、各リール枠部材212より延出する余白部212を隣接するリール枠部材212の収納部212aに収納することで、図柄Gの間隔がL1の通常径となり、全スライド支持体213を外向きに一定量だけスライド移動させて、各リール枠部材212の収納部212aに収納されていた余白部211bの一部を表出させることにより、図柄Gの間隔がL2の拡大径となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)、パチンコに代表される遊技台の可変表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンなどの遊技台は、リール表示窓を介して複数列のリールを回転させ絵柄の可変表示を行わせ、停止表示された絵柄の組合せに応じて配当が得られるようになっている。
【0003】
近年のスロットマシンは、遊技者に遊技を楽しんでもらうために様々な演出媒体を備えたものが市場に提供されている。その中に、遊技者が直視する可変表示装置を前後上下に移動させる機構を設け、遊技状態に応じて可変表示装置を様々に移動させることにより、意外性と変化に富んだ演出を行うスロットマシンが提唱されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−117051号公報
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載のスロットマシンでは、可変表示装置のリールが前後上下に直線的に平行移動する程度のものでしかなく、必ずしも演出効果を十分に高められるものとはいえなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような問題点に鑑み、本発明は、遊技台の可変表示装置のリールをより立体的に変化させることで更なるインパクトのある演出を行うことができる可変表示装置及び遊技台の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、外周に複数種類の絵柄を施したリールを回転させ、前記絵柄の可変表示を行う可変表示装置において、前記リールの外径を通常径から拡大変化させる外径変更手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の可変表示装置において、前記外径変更手段は、前記絵柄数に応じて分割されたリール帯部材と、前記リール帯部材を取り付けるリール枠部材と、前記リール枠部材を前記リール回転中心から径方向に向けて移動可能に支持するリール枠支持部材と、前記リール枠支持部材の全てに一括して移動力を伝達する移動力伝達機構と、で構成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載の可変表示装置において、前記リール帯部材は、端部に前記リールが拡大した際に外部に露出する余白部を備え、前記リール枠部材は、隣接した前記リール帯部材の前記余白部を収納可能な収納部を備え、前記リールの外径が通常径である通常時にあっては、前記リール帯部材の余白部を前記リール枠部材の収納部に収納することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項2又は3に記載の可変表示装置において、前記移動力伝達機構は、前記リールの外径を拡大変化させない通常時において、前記リールの回転に伴ってリール枠部材が回転中心から遠ざかる向きに働く力に逆らい、リールの外径を通常径に維持する方向へ付勢する付勢手段を有することを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項5に係る発明は、表示窓を介して回転可能に設けられた周囲に複数種類の絵柄を施したリールにより構成された可変表示手段と、前記可変表示手段の前記リールの回転を開始させ遊技を開始する遊技開始手段と、遊技開始手段の開始操作に応じて抽選を実行し、入賞役の当否を決定する抽選手段と、前記抽選手段の抽選結果に対応した絵柄を前記表示窓内に停止表示させるリール制御手段と、を有する遊技台において、前記可変表示手段の前記リールの外径を拡大変化させる外径変更手段と、前記抽選手段の抽選結果に応じて前記外径変更手段を制御する外径変更制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る可変表示装置によれば、リールの外径を通常径から拡大変化させる外径変更手段を備えるので、リールの外径を拡大させる立体的な変化により、インパクトのある演出を行うことが可能となる。
【0013】
また、請求項2に係る可変表示装置によれば、外径変更手段は、絵柄数に応じて分割されたリール帯部材と、リール帯部材を取り付けるリール枠部材と、リール枠部材をリール回転中心から径方向に向けて移動可能に支持するリール枠支持部材と、リール枠支持部材の全てに一括して移動力を伝達する移動力伝達機構と、で構成したので、移動力伝達機構を制御して移動力をリール枠支持部材に伝達すれば、全てのリール枠支持部材が回転中心から遠ざかる方向へ移動して、リール枠部材から回転中心までの距離が長くなり、リール帯部材の連なりであるリールの外径を拡大変化させることが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係る可変表示装置によれば、リール帯部材は、端部にリールが拡大した際に外部に露出する余白部を備え、リール枠部材は、隣接したリール帯部材の余白部を収納可能な収納部を備え、リールの外径が通常径である通常時にあっては、リール帯部材の余白部をリール枠部材の収納部に収納するので、リールの外径が通常径である通常時には、リール帯部材の余白部は収納部に収納されてリール外周の外観を損ねることが無く、且つ、リールの外径が拡大変化した拡径時には、リール帯部材の余白部が収納部から表出して、隣接するリール帯部材の間に隙間が生ずることを防げるので、拡径時におけるリール外周の外観も良好ならしめることができる。
【0015】
また、請求項4に係る可変表示装置によれば、移動力伝達機構は、リールの外径を拡大変化させない通常時において、リールの回転に伴ってリール枠部材が回転中心から遠ざかる向きに働く力に逆らい、リールの外径を通常径に維持する方向へ付勢する付勢手段を有するので、通常時にあっては、付勢手段の機能によりリールの外径が通常径に維持されることとなり、わざわざ駆動力伝達機構を制御してリール枠支持部材を回転中心側へ保持させる必要が無い。
【0016】
請求項5に係る遊技台によれば、可変表示手段のリールの外径を拡大変化させる外径変更手段と、抽選手段の抽選結果に応じて外径変更手段を制御する外径変更制御手段と、を備えるので、可変表示手段のリールの外径を拡大させる立体的な変化により、インパクトのある演出を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明に係る可変表示装置を備える遊技台の具体的構造について説明しておく。
【0018】
〈全体の構成〉
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転できるように構成されている。本体201の両サイドには、取手部201cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
【0019】
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110〜112を正面から眺めると、その外周に施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0020】
上記リール110〜112には、駆動源(リールモータ)や外径変更手段(リールの外径を通常径から拡大変化させるもので、後に詳述)等が各々設けられ、可変表示装置として機能するよう構成される。また、各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
【0021】
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
【0022】
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
【0023】
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
【0024】
メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
【0025】
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
【0026】
メダル投入ボタン131,132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、3枚メダル投入ボタン131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
【0027】
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
【0028】
停止ボタンユニット136には、3つの停止ボタン(左停止ボタン136a,中停止ボタン136b,右停止ボタン136c)が設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左停止ボタン136aを操作することによって左リール110が、中停止ボタン136bを操作することによって中リール111が、右停止ボタン136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
【0029】
各停止ボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは各停止ボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
【0030】
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
【0031】
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿160に溜まるようになっている。
【0032】
上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。本実施形態では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
【0033】
また、スロットマシンの上部(リール表示窓113の上方)中央部には、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができるLCD180が設けられており、このLCD180を用いて、各種スイッチ類(例えば、3枚メダル投入ボタン131や1枚メダル投入ボタン132,スタートレバー135,停止ボタン136a〜136c,精算ボタン138等)に生じた動作不良に関する情報も報知する。
【0034】
〈可変表示装置の構成〉
次に、本実施形態に係る可変表示装置の詳細な構成について、図2〜図4に基づいて説明する。なお、左リール110と中リール111と右リール112は、何れも共通の構造であり、以下では、リール210として説明する。
【0035】
外径変更手段としての機能を具備するリール210は、絵柄数(例えば、21絵柄)に応じて分割されたリール帯部材たる図柄シート211と、各図柄シート211を取り付けるリール枠部材212と、リール枠部材212をリール回転中心から径方向に向けて移動可能に支持するリール枠支持部材としてのスライド支持体213と、各スライド支持体213をスライド移動可能に挿通させる支持体受け部214aを等角度間隔で放射状に備えると共に駆動源であるステッピングモータ220の回転軸に接続された略円盤状のベース部材214と、を備える。
【0036】
上記図柄シート211は、一つの図柄Gが描かれた通常表示部211aと、この通常表示部211aの一方端(リール回転方向における端部)に連なる余白部211bとからなる。また、リール枠部材212は、上記図柄シート211の通常表示部211aに対応する横幅(回転軸方向の幅)と縦幅(リール回転方向の幅)を有する部材で、リール回転方向の一方端部には、図柄シート211の余白部211bを収納可能な幅と奥行を有する収納部212aを形成した。そして、通常表示部211aの前端部(余白部211bを形成していない側の端部)を上記リール枠部材212の前端部(収納部212aを設けた側の端部)に合わせて外表面に貼着すると、リール枠部材212の後端部(収納部212aを設けていない側の端部)より図柄シート211の余白部211bが延出した状態となる。
【0037】
ここで、上記リール枠部材212の後端部より延出した余白部211bを、隣接したリール枠部材212の収納部212aに収納すれば、互いに隣接するリール枠部材212の前端部と後端部とが近接して、リール210の外径は通常径となる(例えば、図2における左側のリールを参照)。このとき、各図柄シート211に描かれた図柄Gの間隔は比較的短いL1となる。
【0038】
一方、上記リール枠部材212の後端部より延出した余白部211bが、隣接したリール枠部材212の収納部212aから引き出されるように、互いに隣接するリール枠部材212の前端部と後端部とを離隔させると、リール210の外径が拡大された拡大径となる(例えば、図2における右側のリールを参照)。このとき、各図柄シート211に描かれた図柄Gの間隔は上記L1よりも広いL2となる。すなわち、拡大径となった拡径時のリール210の外周は、通常時の外周よりも(L2−L1)×(図柄シートの数)だけ大きくなる。
【0039】
なお、リール210が拡径したときに、余白部211bが収納部212aから完全に抜けてしまうと、リール210を通常径に戻す時に余白部211bがうまく収納部212aに入らなくなって、円滑な外径変更動作を期せない可能性があるので、本実施形態に示す可変表示装置のリール210においては、十分な長さの余白部212aと、これに対応する十分な奥行を有する収納部212aを設けるものとし、拡径時においても、余白部212aが収納部212aに十分な長さ収納されているようにした。
【0040】
また、本実施形態に係る可変表示装置のリール210においては、リール枠部材212の前側部分を肉厚にして、収納部212aを形成するのに十分な厚さを確保すると共に、後端部にかけて徐々に外面側の厚みを薄くしてゆくことで、後端に延出する余白部212aと後続のリール枠部材212の収納部212aとに著しい段差が生じないようにした(例えば、図3(a)のリール縦断面を参照)。
【0041】
上述の如くリール210を拡大径としたり、通常径に戻したりする簡易な機構として、本実施形態においては、各リール枠部材212の内側面(リール210の内周面を構成する面)に突設されたスライド支持体213を、ベース部材214に放射状に設けた支持体受け部214aにそれぞれ挿入した状態でスライド移動させることにより、回転中心からリール枠部材212迄の距離を変化させる構成を採用した。すなわち、スライド支持体213が支持体受け部214a内に深く入っているときは、回転中心からリール枠部材212迄の距離が短い通常径となり、スライド支持体213が支持体受け部214a内に浅く入っているときは、回転中心からリール枠部材212迄の距離が長い拡大径となる。
【0042】
本実施形態において、スライド支持体213は長尺な円柱形状の部材とし、その非接続側端部(リール枠部材212に接続されていない側の端部)に薄板状のロッド受け部213aを突設したものであり、支持体受け部214aは、ベース部材214の外周面から回転中心に向けて形成した断面略円形のスライド穴で構成される。また、ベース部材214の一側面(ステッピングモータ220が配設されていない側の面)には、支持体受け部214aと連通するスライド開口214bを形成し、このスライド開口214bからスライド支持体213のロッド受け部213aが突出した状態で、スライド支持体213が支持体受け部214a内をスライド移動可能とした。なお、ロッド受け部213aをスライド開口214bから突出させた状態でスライド支持体213をスライド移動させることで、支持体受け部214aの回転止めとしての機能も期せるので、図柄シート211の図柄Gが適正な向きを保った状態でリール径変更動作を実現できる。
【0043】
上記のようなリール径変更機構を採用した場合、回転中心からの距離が全て同じとなるようにスライド支持体213のスライド移動量を制御しなければ、図柄シート211の連なりとして認識されるリール外周がいびつになってしまい、好ましくない。そこで、本実施形態においては、ベース部材214の一側面(スライド開口214bを開設した面)に突設したリングガイド214cに遊嵌させた可動リング215と、該可動リング215の外周面に設けたロッド受け部215aと上記スライド支持体213のロッド受け部213aとを接続するコネクティングロッド216と、を用いて、全てのリール枠支持体212に一括して一定のスライド移動を行わせるものとした。
【0044】
すなわち、可動リング215の外周面に、各リール支持体212に対応するよう等間隔毎に突設した薄板状のロッド受け部215aに各々コネクティングロッド216の一端を軸支し、各コネクティングロッド216の他端をそれぞれ対応するスライド支持体213のロッド受け部213aに軸支し、スライド部材213の回転軸と一致する中心軸を有するリングガイド214cに沿って可動リング215を移動させれば、ベース部材214から可動リング215までの離隔距離に応じて、全てのスライド支持体213を等距離だけ移動させることができる。
【0045】
更に、ベース部材214と可動リング215との間には付勢バネ217を設け、常時は、可動リング215がベース部材214から離隔する方向(図3(b)中のA1方向)に付勢され、これに伴って、全てのスライド支持体213は支持体受け部214a内で回転中心方向(図3(b)中のA2方向)へ一様に引き込まれ、リール210の外径は通常径に保たれる。これにより、リール210の回転に伴ってリール枠部材211を回転中心から遠ざける力が働いても、付勢バネ217の付勢力によってその力に逆らい、リール210の外径を通常径に維持するすることができる。なお、コイル状の付勢バネ217は、空芯部をリングガイド214cに挿通させて用いるものとしたので、付勢バネ217の固定手段を別途に設ける必要が無い。
【0046】
一方、付勢バネ217の付勢力に抗して、可動リング215をベース部材214に近接させる方向(図3(b)中のB1方向)へ押し込むと、全てのスライド支持体213は支持体受け部214a内で回転中心から遠ざかる方向(図3(b)中のB2方向)へ一様に押し出されてゆき、回転中心から全てのリール枠部材211までの距離が一様に長くなり、リール210の外径が拡大される。
【0047】
このように、本実施形態に係る可変表示装置のリール210においては、常時は可動リング215が付勢バネ217で付勢されることにより、通常径を保持したまま回転が可能であり、付勢バネ217の付勢力に抗して可動リング215を押し込めば、リール210の拡径動作を行えるのである。なお、図2においては、コネクティングロッド216と付勢バネ217を省略してある。
【0048】
ここで、リール210が回転しているとき、可動リング215もベース部材214と共に回転しているので、可動リング215を付勢バネ217の付勢力に抗してベース部材214側へ押し込む押下機構も、この点を考慮しなければならない。
【0049】
例えば、押下機構もベース部材214に設けて一体的に回転させる構成を考えた場合、リール210自体の重量が重くなってしまい、ステッピングモータ220の負荷が過大になることが懸念され、また、押下機構を設けた部位に荷重が偏在すると、回転むらが生じてしまう。その一方、リール210の外部に押下機構を設ける場合、回転する可動リング215と回転しない押下機構との接触部が擦れて摩擦となる摺動抵抗がリール210の回転に影響を与える点を考慮しなければならない。なお、リール210の拡径動作は、停止時にのみ行うものとすれば、どのような押下機構をリール210の外部に設けても構わないが、それでは演出の幅を狭めてしまう。
【0050】
そこで、本実施形態においては、リール210の外部に押下機構を設け、回転中の可動リング215との摺動抵抗を低減することで、回転中のリール210の外径変更動作を可能とした。この押下機構240について図4に基づき説明する。
【0051】
上記ステッピングモータ220が固定されるモータ固定部231を備える任意形状の取付ベース230に対し、リール210の横幅よりも若干広い離隔部232の他側(モータ固定部231と相対向する側)より立ち上がる押下機構取付部233を設け、この押下機構取付部233の内面(モータ固定部231に対向する面)に、押下部材241を固定部材242を介して揺動自在に固定し、押下部材241の自由端側(固定部材242に軸支されていない側)が可動リング216の外面(ベース部材214に面していない側の面)に押し当たるように押下部材241の形状を設定した。
【0052】
また、押下部材241の駆動手段であるソレノイド243の駆動部243aが押下部材241の適所(例えば、固定部242との軸支部に近い部位)に押し当たるよう、ソレノイド243を押下機構取付部233の内面に取り付ける。これにより、ソレノイド243の駆動に伴って駆動部243aが突出すると、押下部材244の自由端側をY字状に分岐させた第1押下腕部241aと第2押下腕部241bにそれぞれ設けたローラ244a,244bの外周面が可動リング215の外面に押しつけられ、そのまま可動リング215を押し込んでゆき、リール210の外周は拡径する。
【0053】
このとき、上記第1,第2押下腕部241a,241bにそれぞれ設けたローラ244a,244bは、可動リング215の回転に伴って回転するので(図4(b)参照)、接触部に生ずる摺動抵抗は低減され、ステッピングモータ220によるリール220の回転速度が著しく低下してしまうようなことを防止できる。とはいえ、押下機構240が作動しているときには、その影響を完全に払拭できないため、ステッピングモータ220によるリール210に対する正確な停止位置制御困難であるから、リール停止制御を行うときにはリール210を通常径に戻すことが望ましい。なお、摺動抵抗を極力低減するために、ローラ244a,244bの回転軸は、ベース部材214の回転軸に直交する平面内で、ベース部材214の回転軸を通るように設定しておく。また、ローラ244a,244bとして、内輪と外輪との間に高精度に加工された真球を配したボールベアリングを用いれば、一層摩擦低減に効果がある。
【0054】
一方、押下機構240による可動リング215の押下を停止すると(ソレノイド243の励磁を切って駆動部243aを戻すと)、付勢バネ217の付勢力により可動リング215および押下部材244の第1,第2押下腕部241a,241bが押し戻され、リール210の外周は通常径に復する。
【0055】
上述したように、本実施形態に係る可変表示装置においては、各スライド支持体213とコネクティングロッド216を介して接続された可動リング215を、上記押下機構240によって押し込む構造を採用することで、リール枠支持部材たるスライド支持体213の全てに一括して一様な移動力を伝達する移動力伝達機構を実現した。
【0056】
〈表示窓拡大機構の構成〉
上記リール210を可変表示装置に用いることで、リール外径を拡大できる構成とした場合、拡大時のリール210を効果的に遊技者に見せることも演出上重要である。そこで、本実施形態に係るスロットマシン100においては、表示窓拡大機構を備えるものとし、通常時のリール径に応じた通常視認領域から拡径時のリール径に応じた拡大視認領域に変更できるようにした。以下、表示窓拡大機構の構成を図5に基づき説明する。
【0057】
リール表示窓113としてスロットマシン100の前面側から見える前面ガラス113aの内側には、上部シャッター手段250と下部シャッター手段260を設けてある。上部シャッター手段250は、ソレノイド等の駆動源により上部シャッターパネル251を上下動させるもので、下部シャッター手段260は、ソレノイド等の駆動源により下部シャッターパネル261を上下動させるものである。
【0058】
上部シャッターパネル251は、上部不透明領域252と下部透明領域253とからなり、一方、下部シャッターパネル261は、下部不透明領域262と上部透明領域263とからなる。すなわち、前面ガラス113aの奥に遊技者が見えるのは、上部シャッターパネル251の上部不透明領域252よりも下方で、尚且つ、下部シャッターパネル261の下部不透明領域262よりも上方に制限され、その間の縦幅W1が視認領域となる(図5(a)参照)。この縦幅W1の視認領域は、通常径のリール210で概ね縦方向3つの図柄を表示するのに適したものである。また、回転中心Oから外周までの距離が通常である通常径のリール210は、リール表示窓113からは多少奥まった位置に見える。
【0059】
ここで、上部シャッターパネル251が上方移動し、下部シャッターパネル251が下方移動すると、上部シャッターパネル251の上部不透明領域252と下部シャッターパネル261の下部不透明領域262との間である視認領域は縦に拡がり、縦幅W2となる(図5(b)参照)。この縦幅W2の視認領域は、拡径時のリール210で概ね縦方向3つの図柄を表示するのに適したものである。また、回転中心Oから外周までの距離が拡大された拡径時のリール210は、リール表示窓113からごく近い位置に見える。
【0060】
このように、可変表示装置におけるリール210の拡径動作に合わせて、上部シャッター手段250および下部シャッター手段260による視認領域拡大動作を行わせれば、インパクトのある効果的な演出を期せる。
【0061】
〈制御ブロック〉
次に、図6を参照して、スロットマシン100の各制御部の構成について詳述する。本実施形態における制御部は、全体を制御する主制御部300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部400とで構成されている。
【0062】
〈主制御部300〉
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡しが行われる。
【0063】
乱数発生器311は、乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。乱数値は、複数種類存在し、それぞれ処理内容に応じて使用される。
【0064】
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入ブロック133の投入口より投入されたメダルを検知するメダルセンサ320、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、停止ボタン136a〜136cのいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ322、メダル投入ボタン131,132のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ323等が接続されている。
【0065】
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、後述する各種テーブルデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
【0066】
また、リール110〜112の回転と停止を行うモータ(リールユニット220に内蔵)を制御するリールモータ制御部331、及び、メダルホッパー240を制御するホッパー制御部332が、入出力インターフェース330及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。
【0067】
演出用ランプ・表示器類341とは、図1で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器126、遊技回数表示器127等の各種表示器をまとめて表したもので、出力インターフェース340およびバス370を介してMainCPU310に接続されている。
【0068】
出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンド(可変表示装置の拡径演出や表示窓の拡大演出のコマンドを含む)を副制御部400の入力インターフェース430へ送信する。
【0069】
〈副制御部400〉
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース430およびバス470を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。
【0070】
ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
【0071】
バックライト421は、リールの絵柄を照らすライトで、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用発光表示部422は、上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158等をまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用LCD表示制御部423は、LCD180に各種情報表示やゲーム中の演出表示を行わせる制御を行うものである。バックライト421,演出用発光表示部422,演出用LCD表示制御部423は、出力インターフェース420を介してバス470を経てSubCPU410と接続されている。
【0072】
音源信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御信号やデータに基づいて、音源信号を形成して出力する。この音源信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカ462から音として出力される。
【0073】
ソレノイド制御部450は、SubCPU410から受け渡された制御信号に基づいて、左リール110,中リール111,右リール112を拡径動作させたり、上部シャッター手段250および下部シャッター手段260を上下動させたりする。
【0074】
〈遊技実行処理〉
図7は、上記主制御部300により行われる遊技実行処理を示すフローチャートである。
【0075】
先ず、メダル投入口ブロック133からのメダル投入や3枚メダル投入ボタン131もしくは1枚メダル投入ボタン132の操作によるメダルを受け付け、メダルを受け付けた場合には、副制御部400へメダル導入コマンドを送信するメダル受付処理を行う(ステップS101)。適正にメダルを受け付けた場合にはスタートレバー135の操作を受け付け可能とし、遊技者がスタートレバー135を操作することによりスタートレバーセンサ321からの検出信号を受けた場合、スタートレバー受付コマンドを副制御部400へ送信するスタートレバー受付処理を行う(ステップS102)。
【0076】
次いで、上記ステップS102でスタートレバー135の操作を受け付けたら、乱数発生器311から乱数を取得して各入賞役の内部抽選をする内部抽選処理を行い(ステップS103)、この抽選結果に応じたリール停止が行えるようにリール停止準備処理を行い(ステップS104)、続いて、このゲームで行う演出を決定する演出抽選処理を行う(ステップS1058)。この演出抽選処理においては、上記ステップS103で内部抽選した結果として、ボーナス等の入賞役に内部当選していれば、それに応じた演出動作を行わせる演出コマンド(リール210の拡大演出や視認領域拡大演出のコマンドも含む)を副制御部400へ送信する。
【0077】
次いで、左リール110,中リール111,右リール112の回転を開始させるリール回転開始処理を行う(ステップS106)。このリール回転処理において、全リール110〜112が定速回転となり、停止ボタン136a〜136cの受付が可能になると、停止操作許可コマンドを副制御部400へ送信する。続いて、停止ボタン136a〜136cの何れかが操作されて、停止ボタンセンサ341〜343からの検出信号を受け付ける停止ボタン受付処理を行う(ステップS107)。停止ボタン受付処理においては、操作された停止ボタン136a〜136cに対応する停止ボタン受付コマンド(第1〜第3停止コマンド)を副制御部400へ送信する。
【0078】
そして、上記ステップS108で操作を受け付けた停止ボタンに対応するの停止位置情報示す停止位置情報コマンドを副制御部400へ送信してリールを停止させるリール停止処理を行い(ステップS108)、全リール110〜112に対する停止処理が完了しているか否かを判定し(ステップS109)、未だ回転中のリールが残っていれば、上記ステップS102およびステップS108の処理を行う。
【0079】
上記のようにして、当該遊技における全リール110〜112が停止すると、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン114上に、上記S103において内部当選した入賞役に対応して予め定めた図柄の組み合せが揃って停止しているかを判定し、入賞していると判定した場合は副制御部400へ入賞判定コマンドを送信する入賞判定処理を行い(ステップS110)、該入賞判定処理で入賞していると判定されていれば入賞役に対応して予め定めた所定数のメダルをメダル払出口156より受皿157に払い出し、副制御部400へ払出枚数コマンドを送信するメダル払出処理を行い(ステップS111)、その入賞に応じた表示動作や音声出力による入賞演出を行わせる入賞演出コマンドを副制御部400へ送信する入賞演出処理を行い(ステップS112)、入賞判定結果に応じて遊技状態コマンドを副制御部400へ送信する遊技状態更新処理を行う(ステップS113)。
【0080】
上述した一連の処理工程を実行することで、1回の遊技が終了し、以後、同様の手順が繰り返されることとなる。
【0081】
〈コマンド判定処理〉
図8は、副制御部400が主制御部300より受信したコマンドの判定を行うコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【0082】
先ず、主制御部300からの受信コマンドが有るか否かを判定し(ステップS201)、受信コマンドがあった場合には、当該コマンドが演出コマンドであるか否かを判定する(ステップS202)。このステップS202で演出コマンドを受信していると判定された場合には、その演出コマンドに対応する演出動作を選択する演出選択処理を行う(ステップS220)。例えば、リール拡大演出を伴う入賞役当選の演出コマンドであった場合には、リール拡大演出や視認領域拡大演出が選択される。
【0083】
上記ステップS202で、受信コマンドが演出コマンドでないと判定された場合には、停止操作許可コマンドか否かを判定し(ステップS203)、停止操作許可コマンドであった場合には、上記ステップS220で選択された演出を実行する演出実行制御処理を行う(ステップS230)。例えば、リール拡大演出および視認領域拡大演出が選択されていた場合には、停止操作許可コマンドを受信することに伴って、リール110〜112の外径を拡大させると共に上部シャッター手段250および下部シャッター手段260を作動させて視認領域を拡大させる。
【0084】
上記ステップS203で、受信コマンドが停止操作許可コマンドでないと判定された場合には、第1停止コマンドか否かを判定し(ステップS204)、第1停止コマンドであった場合には、上記ステップS220で選択された演出を実行する演出実行制御処理を行う(ステップS230)。例えば、リール拡大演出および視認領域拡大演出が選択されていた場合には、停止ボタン136aに対応する左リール110を拡大径から通常径に戻してリール停止に備える。
【0085】
上記ステップS204で、受信コマンドが第1停止コマンドでないと判定された場合には、第2停止コマンドか否かを判定し(ステップS205)、第2停止コマンドであった場合には、上記ステップS220で選択された演出を実行する演出実行制御処理を行う(ステップS230)。例えば、リール拡大演出および視認領域拡大演出が選択されていた場合には、停止ボタン136bに対応する中リール111を拡大径から通常径に戻してリール停止に備える。
【0086】
上記ステップS205で、受信コマンドが第2停止コマンドでないと判定された場合には、第3停止コマンドか否かを判定し(ステップS206)、第3停止コマンドであった場合には、上記ステップS220で選択された演出を実行する演出実行制御処理を行う(ステップS230)。例えば、リール拡大演出および視認領域拡大演出が選択されていた場合には、停止ボタン136cに対応する右リール112を拡大径から通常径に戻してリール停止に備える。なお、全リール110〜112が通常径に戻ったことに伴い、上部シャッター手段250および下部シャッター手段260を作動させて視認領域も通常に戻す。
【0087】
なお、図8のコマンド判定処理においては省略したが、以後も、上記遊技実行処理において主制御部300が送信した演出動作を伴うコマンドを判定し、コマンドに応じた演出動作を実行する。
【0088】
以上、本発明に係る可変表示装置の実施形態と、これを備える遊技台の実施形態を説明したが、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限り、如何様な等価技術を転用して実施しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】遊技台の一例であるスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】リールの拡径動作説明図である。
【図3】(a)は、通常径と拡大径の2状態を混在させたリールの概略縦断面図である。(b)は、通常径と拡大径の2状態を混在させたリールの概略横断面図である。
【図4】(a)は、押下機構を含む可変表示装置の概略断面図である。(b)は、可動リングと押下部材との接触状態説明図である。
【図5】リール表示窓における視認領域変更動作説明図である。
【図6】スロットマシンの制御ブロック図である。
【図7】主制御部による遊技実行処理を示すフローチャートである。
【図8】副制御部によるコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
100 スロットマシン
110〜112 リール
210 リール
211 図柄シート
211a 通常表示部
211b 余白部
212 リール枠部材
212a 収納部
213 スライド支持体
213a ロッド受け部
214 ベース部材
214a 支持体受け部
214b スライド開口
214c リングガイド
215 可動リング
215a ロッド受け部
216 コネクティングロッド
217 付勢バネ
240 押下機構
241 押下部材
241a 第1押下腕部
241b 第2押下腕部
242 固定部材
243 ソレノイド
243a 駆動部
244a ローラ
244b ローラ
300 主制御部
400 副制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に複数種類の絵柄を施したリールを回転させ、前記絵柄の可変表示を行う可変表示装置において、
前記リールの外径を通常径から拡大変化させる外径変更手段を備えたことを特徴とする可変表示装置。
【請求項2】
前記外径変更手段は、
前記絵柄数に応じて分割されたリール帯部材と、
前記リール帯部材を取り付けるリール枠部材と、
前記リール枠部材を前記リール回転中心から径方向に向けて移動可能に支持するリール枠支持部材と、
前記リール枠支持部材の全てに一括して移動力を伝達する移動力伝達機構と、
で構成したことを特徴とする請求項1に記載の可変表示装置。
【請求項3】
前記リール帯部材は、端部に前記リールが拡大した際に外部に露出する余白部を備え、前記リール枠部材は、隣接した前記リール帯部材の前記余白部を収納可能な収納部を備え、前記リールの外径が通常径である通常時にあっては、前記リール帯部材の余白部を前記リール枠部材の収納部に収納することを特徴とする請求項2に記載の可変表示装置。
【請求項4】
前記移動力伝達機構は、前記リールの外径を拡大変化させない通常時において、前記リールの回転に伴ってリール枠部材が回転中心から遠ざかる向きに働く力に逆らい、リールの外径を通常径に維持する方向へ付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の可変表示装置。
【請求項5】
表示窓を介して回転可能に設けられた周囲に複数種類の絵柄を施したリールにより構成された可変表示手段と、
前記可変表示手段の前記リールの回転を開始させ遊技を開始する遊技開始手段と、
遊技開始手段の開始操作に応じて抽選を実行し、入賞役の当否を決定する抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果に対応した絵柄を前記表示窓内に停止表示させるリール制御手段と、
を有する遊技台において、
前記可変表示手段の前記リールの外径を拡大変化させる外径変更手段と、
前記抽選手段の抽選結果に応じて前記外径変更手段を制御する外径変更制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−14777(P2006−14777A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193148(P2004−193148)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)