可搬型照明装置
【課題】様々な用途に使用が可能な取扱い性に優れた可搬型照明装置を提供する。
【解決手段】可搬型照明装置1は、装置本体10と、装置本体10の正面に配置された太陽電池パネル13と、太陽電池パネル13で発電された電力を蓄電する蓄電池40と、蓄電池40から電力が供給されることで発光し、装置本体10の背面から装置本体10の外部に向けて光を照射する照明ユニット50と、装置本体10に回動自在に取付けられ、充電時において装置本体10を支持するためのスタンドとなり、照明時において装置本体10を吊り下げるためのアームとなる回動部材20と、回動部材20の位置を検出する位置検出部と、位置検出部にて検出された回動部材20の位置情報に基づいて照明ユニット50の動作を制御する制御部とを備える。
【解決手段】可搬型照明装置1は、装置本体10と、装置本体10の正面に配置された太陽電池パネル13と、太陽電池パネル13で発電された電力を蓄電する蓄電池40と、蓄電池40から電力が供給されることで発光し、装置本体10の背面から装置本体10の外部に向けて光を照射する照明ユニット50と、装置本体10に回動自在に取付けられ、充電時において装置本体10を支持するためのスタンドとなり、照明時において装置本体10を吊り下げるためのアームとなる回動部材20と、回動部材20の位置を検出する位置検出部と、位置検出部にて検出された回動部材20の位置情報に基づいて照明ユニット50の動作を制御する制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運びが可能に構成された可搬型照明装置に関し、より特定的には、太陽電池パネルを備えた可搬型照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池パネルを具備した可搬型照明装置としては、たとえば実用新案登録第3103994号公報(特許文献1)に開示のものがある。当該特許文献1に開示の可搬型照明装置は、トランク状の装置本体の正面および背面に太陽電池パネルおよびLED(Light-Emitting Diode)照明灯を配置するとともに、装置本体の内部に蓄電池を配置し、装置本体に手提げホルダーやショルダー等を付設して可搬型としたものである。この特許文献1に開示の可搬型照明装置においては、太陽光を太陽電池パネルで受光することで蓄電池に電力が蓄電され、この蓄電池に蓄電された電力がLED照明灯に供給されることで当該LED照明灯が周囲を照らすように動作する。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示の可搬型照明装置は、装置本体がトランク状で大型に構成されているため、基本的に床面に載置されて使用されることが予定されたものと考えられる。そのため、照明装置としての機能は、未だ不充分であり、高所から付近を十分に照らすことができるようには構成されていない。また、上記特許文献1には、LED照明灯を装置本体から取り外して使用する使用態様も開示されているが、その場合には装置本体とLED照明灯とがコードにて接続されることになり、必ずしも取扱い性がよいものとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3103994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年においては、太陽電池パネルの性能や蓄電池の性能の向上に伴い、装置本体をより小型かつ軽量に構成することが可能になってきている。しかしながら、可搬型照明装置としてその取扱い性に優れたものは未だ存在しておらず、そのため可搬型照明装置の利用はその用途が一部に限定されたものとなってしまっている。
【0006】
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、様々な用途に使用が可能な取扱い性に優れた可搬型照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に基づく可搬型照明装置は、正面および背面を有する装置本体と、上記装置本体の上記正面に配置された太陽電池パネルと、上記装置本体に設けられ、上記太陽電池パネルで発電された電力を蓄電する蓄電池と、上記装置本体に設けられ、上記蓄電池から電力が供給されることで発光し、上記装置本体の上記背面から上記装置本体の外部に向けて光を照射する照明ユニットと、上記装置本体に回動自在に取付けられ、充電時において上記装置本体を支持するためのスタンドとなり、照明時において上記装置本体を吊り下げるためのアームとなる回動部材と、上記回動部材の位置を検出する位置検出部と、上記位置検出部にて検出された回動部材の位置情報に基づいて上記照明ユニットの動作を制御する制御部とを備えている。
【0008】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記装置本体が、箱状の形状を有していることが好ましく、その場合に、上記回動部材が、上記装置本体の相対する側面に取付けられることで上記装置本体回りに回動することが好ましい。
【0009】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記制御部が、上記回動部材が上記装置本体の上記正面側に位置する場合において上記蓄電池から上記照明ユニットに電力が供給されるように制御し、これにより上記照明ユニットを作動させるとともに、上記回動部材が上記装置本体の上記背面側に位置する場合において上記蓄電池から上記照明ユニットに電力が供給されないように制御し、これにより上記照明ユニットの作動を停止させることが好ましい。
【0010】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記制御部が、上記回動部材が上記装置本体の上記正面側に位置する場合において上記蓄電池から上記照明ユニットに供給される電力量を上記回動部材の位置に応じて可変に制御し、これにより上記照明ユニットの照度を上記回動部材の位置に応じて可変に調節することが好ましい。
【0011】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、充電状態にあるか否かを表示するための充電状態表示部が、上記装置本体の上記正面および上記背面を除く部分の外表面に設けられていることが好ましい。
【0012】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記蓄電池の残量の状態を表示するための残量表示部が、上記装置本体の上記正面および上記背面を除く部分の外表面に設けられていることが好ましい。
【0013】
好ましくは、上記本発明に基づく可搬型照明装置は、上記蓄電池に蓄電された電力を外部へ出力することを可能にする外部出力端子をさらに備える。
【0014】
好ましくは、上記本発明に基づく可搬型照明装置は、上記照明ユニットの動作を上記回動部材の位置によらずに切り替えることを可能にする操作部をさらに備える。
【0015】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記照明ユニットに含まれる光源が、LEDであることが好ましい。
【0016】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記制御部が、上記回動部材が上記装置本体の上記背面側に位置する場合において上記太陽電池パネルにて発電された電力を上記蓄電池に充電する動作を制御するとともに、上記回動部材が上記装置本体の上記正面側に位置する場合において上記太陽電池パネルにて発電された電力を上記蓄電池に充電しないように制御することが好ましい。
【0017】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記回動部材が、搬送時において手で持つための把手となることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、様々な用途に使用が可能な取扱い性に優れた可搬型照明装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の背面図である。
【図3】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の右側面図である。
【図4】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の模式断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の照明ユニットの構成を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の機能ブロックを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における可搬型照明装置が回動部材の位置に応じてどのように動作するかを説明するための模式図である。
【図8】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の充電状態を示す図である。
【図9】(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を天井に吊り下げて使用する場合の使用状態を示す図であり、(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。
【図10】(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合の使用状態を示す図であり、(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。
【図11】(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合の他の使用状態を示す図であり、(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。
【図12】(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合のさらに他の使用状態を示す図であり、(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態における可搬型照明装置は、昼間において太陽光を受光することで充電を行い、夜間において屋内または野外において照明装置として使用されることが企図されたものであり、各種レジャー用や被災時用として使用されるのみならず、建設現場や工事現場での使用、家庭での日常の使用等にまでその利用範囲が見込めるように構成されたものである。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置の正面図であり、図2は、図1に示す可搬型照明装置の背面図である。また、図3は、図1に示す可搬型照明装置の右側面図であり、図4は、図1および図2に示すIV−IV線に沿った可搬型照明装置の模式断面図である。また、図5は、図1に示す可搬型照明装置の照明ユニットの構成を示す正面図である。まず、これら図1ないし図5を参照して、本実施の形態における可搬型照明装置の構造について説明する。
【0022】
図1ないし図4に示すように、本発明の実施の形態における可搬型照明装置1は、箱状に形成された装置本体10と、装置本体10に回動自在に取付けられた回動部材20とを備えている。装置本体10は、持ち運びが容易となるように小型化および軽量化が十分に図られている。なお、装置本体10としては、より小型かつ軽量であることが好ましいが、性能の観点や持ち運びの容易さの観点から、その外形は、おおよそ高さ25cm〜30cm程度、幅35cm〜40cm程度、奥行き5cm〜10cm程度とされ、その重量は、おおよそ2.5〜3.0kg程度とされる。
【0023】
装置本体10は、枠状に構成されることで装置本体10の上面、下面、右側面および左側面を構成するフレーム11と、当該フレーム11に取付けられた平板状のシャーシ12とを備えている。これらフレーム11およびシャーシ12は、耐候性および剛性に優れた比較的軽量の部材にて構成されることが好ましく、たとえばアルミニウム合金やステンレス合金等の金属製の部材や、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の樹脂製の部材にて構成される。なお、フレーム11とシャーシ12の固定には、溶接やビス留め等が好適に利用される。
【0024】
装置本体10の前面には、太陽光を受光することで発電する太陽電池パネル13が配置されている。より詳細には、太陽電池パネル13は、フレーム11に取付けられたシャーシ12の前面を覆うように当該フレーム11およびシャーシ12に固定されており、装置本体10の前面において露出している。なお、太陽電池パネル13の露出面は、太陽電池セルの破損を防止する観点から、透光性の強化プラスチックや強化ガラス等によって覆われていることが好ましい。また、太陽電池パネル13のフレーム11およびシャーシ12への固定には、貼着や接着、嵌め込み、ビス留め等が好適に利用される。
【0025】
一方、装置本体10の背面には、後述する照明ユニット50から照射される光の放射強度を均一化するカバーレンズ14が配置されている。より詳細には、カバーレンズ14は、フレーム11に取付けられたシャーシ12の背面と距離をもって当該シャーシ12の背面に対向配置されてフレーム11に固定されており、装置本体10の背面において露出している。なお、カバーレンズ14としては、軽量化の観点から、透光性の樹脂材料を原料とした射出成形品が利用されることが好ましい。また、カバーレンズ14のフレーム11への固定には、接着や嵌め込み、ビス留め等が好適に利用される。
【0026】
装置本体10の内部の空間には、太陽電池パネル13で発電された電力を蓄電する蓄電池40と、蓄電池40から電力が供給されることで発光する照明ユニット50と、当該可搬型照明装置1の全体を制御する制御部31(図6参照)を含むコントロールユニット30とが配置されている。
【0027】
コントロールユニット30は、装置本体10の内部の空間のうちの上部に配置されており、フレーム11に取付けられたシャーシ12の背面側にたとえばビス留め等によって固定されている。コントロールユニット30は、箱状のケースと、箱状のケースによって覆われた回路基板とを含んでおり、このうちの回路基板に上述した制御部31や後述する各種回路32,33等が設けられている。
【0028】
蓄電池40は、装置本体10の内部の空間のうちの下部に配置されており、フレーム11の底部にたとえばビス留め等によって固定されている。蓄電池40としては、たとえばリチウムイオン電池やニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛電池等が利用可能である。
【0029】
照明ユニット50は、装置本体10の内部の空間のうちの略中央部に配置されており、フレーム11に取付けられたシャーシ12の背面側にたとえばビス留め等によって固定されている。図5に示すように、照明ユニット50は、平板状の支持板51と、当該支持板51に取付けられた複数の回路基板52と、当該回路基板52の表面に実装された複数のLED53とを含んでいる。
【0030】
平板状の支持板51は、シャーシ12の背面に対向して配置されており、これにより支持板51の背面は、上述したカバーレンズ14に対向している(図4参照)。回路基板52は、細長い略直方形のプリント配線基板からなり、支持板51の背面側に固定されている。複数の回路基板52の各々は、その長手方向が装置本体10の左右方向に合致するように支持板51の縦方向に沿って順に並べて配置されている。複数のLED53は、可搬型照明装置1の光源となるものであり、複数の回路基板52の各々の表面に長手方向に沿ってそれぞれ複数個ずつ配置されている。
【0031】
以上により、LED53は、支持板51の背面上においてアレイ状に配置されることになり、LED53が発光すること出射された光は、装置本体10の背面に配置されたカバーレンズ14を介して装置本体10の外部に向けて照射されることになる。これにより、照明ユニット50は、全体として面光源として機能することになり、その照明範囲が広範囲に確保されることになる。なお、LED53としては、好適に白色発光ダイオードが使用される。
【0032】
ここで、支持板51の縦方向(すなわち、装置本体の上下方向)に沿って順に並べて配置される複数の回路基板52のそれぞれに実装されたLED53の組みを、上から順に第1列、第2列、第3列、第4列と規定する。本実施の形態における可搬型照明装置1においては、個々の列に含まれるLED53が直列に接続されることにより、当該列に含まれる複数個のLED53は一体的に動作し、またそれぞれの列は、個別にその動作が制御可能にされている。
【0033】
図1ないし図4に示すように、回動部材20は、一対のヒンジ21によって装置本体10に回動自在に取付けられている。より詳細には、一対のヒンジ21は、それぞれが装置本体10の左右の側面の略中央部に位置しており、この部分において回動部材20の端部を回動自在に支持している。これにより、回動部材20の回動軸は、装置本体10の前面と平行に配置されることになり、回動部材20は、図3に示すように矢印A1およびA2方向に向けて装置本体10回りに回動することになる。なお、回動部材20は、その回動範囲内の所定位置または任意の位置において、ロックされるように構成されていることが好ましい。また、回動部材20としては、耐候性および剛性に優れた比較的軽量の部材にて構成されることが好ましく、たとえばアルミニウム合金やステンレス合金等の金属製の部材や、ABS等の樹脂製の部材にて構成される。
【0034】
また、装置本体10の右側面には、照明ユニット50の動作を切り替えることを可能にする操作部15と、当該可搬型照明装置1の動作状態等を表示する表示部16が設けられている。操作部15は、たとえば押しボタン等によって構成され、表示部16は、たとえばLED等によって構成される。表示部16は、可搬型照明装置1が充電状態にあるか否かを表示するための充電状態表示部16aと、蓄電池40の残量の状態を表示するための残量表示部16bとを含んでいる。ここで、表示部16は、装置本体10の正面および背面を除く部分の外表面である右側面に配置されているため、ユーザは、太陽光の反射の影響や照明の影響を受けずに良好に表示部16を視認することができる。
【0035】
また、装置本体10の左側面には、蓄電池40に蓄電された電力を外部に出力することを可能にする外部出力端子17が設けられている。外部出力端子17は、たとえばコンセントであってもよいし、携帯電話の充電用のソケットであってもよい。
【0036】
なお、装置本体10の内部の空間には、遮光シートが配置されていてもよい。当該遮光シートは、カバーレンズ14の前方であってかつシャーシ12の後方に配置されることが好ましく、照明ユニット50の背面側を除く部分に配置され、照明ユニット50が設けられた部分を除く装置本体10の内部の構成がカバーレンズ14を介して視認できないように目隠しするためのものである。
【0037】
図6は、図1ないし図4に示す可搬型照明装置の機能ブロックを示す図である。次に、この図6を参照して、本実施の形態における可搬型照明装置の機能ブロックの構成について説明する。
【0038】
図6に示すように、本実施の形態における可搬型照明装置1は、上述した太陽電池パネル13、蓄電池40、LED53、操作部15、表示部16、外部出力端子17および制御部31に加え、充電回路32、放電回路33、蓄電池残量検出部34および回動部材位置検出部35を備えている。
【0039】
充電回路32は、太陽電池パネル13で発電された電力を制御部31の指令に基づいて蓄電池40に充電するための回路である。より詳細には、充電回路32は、太陽電池パネル13の発電電圧が一定値以上に達した場合に当該発電された電力を蓄電池40に送ることで蓄電池40の充電を行い、太陽電池パネル13の発電電圧が上記一定値未満となった場合に蓄電池40の充電を停止する。また、充電回路32は、蓄電池40が満充電された場合に蓄電池40の過充電を防止すべく蓄電池40の充電を停止し、蓄電池40の電圧が一定値以下になった場合に蓄電池40の充電の停止を解除して充電を再開する。また、充電回路32は、太陽電池パネル13から蓄電池40に送られる電力が過電流状態となることを防止する過電流保護回路や、蓄電池40から太陽電池パネル13への電流の逆流を防止する逆流防止回路等を含んでいてもよい。
【0040】
放電回路33は、蓄電池40に蓄電された電力を制御部31の指令に基づいて照明ユニット50および外部出力端子17に供給するための回路である。より詳細には、放電回路33は、蓄電池40の電圧が一定値以上である場合に制御部31の指令に基づいて蓄電池40に蓄電された電力を照明ユニット50または/および外部出力端子17に供給し、蓄電池40の電圧が一定値未満である場合に過放電を防止すべく照明ユニット50または/および外部出力端子17に対する蓄電池40からの電力の供給を停止する。また、放電回路33は、外部出力端子17から蓄電池40への電流の逆流を防止する逆流防止回路等を含んでいてもよい。
【0041】
蓄電池残量検出部34は、蓄電池40の電圧を検知することで蓄電池40に蓄電された電力の残量がどの程度であるかを検出し、当該残量の情報を制御部31に出力する部位である。回動部材位置検出部35は、回動部材20の位置がどの位置にあるかを検出し、当該位置情報を制御部31に出力する部位である。なお、回動部材位置検出部35としては、回動部材20の位置を特定可能に配置したタクトスイッチや光電センサ、ロータリエンコーダ、加速度センサ等が利用可能である。
【0042】
操作部15は、上述しように照明ユニット50の動作を切り替えるための部位であり、具体的には、ユーザが操作部15を操作した場合にこれを制御部31に出力する。表示部16は、上述したように可搬型照明装置1が充電状態にあるか否かや蓄電池40の残量の状態を表示するための部位であり、具体的には、可搬型照明装置1が充電状態にあるか否かを充電状態表示部16aの点灯/非点灯で表示し、蓄電池40の残量をその残量に応じた残量表示部16bの点灯数にて表示する。
【0043】
制御部31は、上述したように可搬型照明装置1の全体を制御する部位であり、太陽電池パネル13からの発電電圧の情報や蓄電池残量検出部34からの残量の情報、回動部材位置検出部35からの位置情報、操作部15からのユーザの操作の有無の情報等の入力を受け、これに基づいて充電回路32や放電回路33、照明ユニット50、表示部16の動作の制御を行なう。ここで、本実施の形態における可搬型照明装置1においては、制御部31が、特に回動部材20の位置情報に基づいて太陽電池パネル13および照明ユニット50に代表される機能ブロックの動作を制御することを特徴としている。
【0044】
図7は、本実施の形態における可搬型照明装置が回動部材の位置に応じてどのように動作するかを説明するための模式図である。図8は、本実施の形態における可搬型照明装置の充電状態を示す図である。図9(A)は、本実施の形態における可搬型照明装置を天井に吊り下げて使用する場合の使用状態を示す図であり、図9(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。図10(A)は、本実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合の使用状態を示す図であり、図10(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。図11(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合の他の使用状態を示す図であり、図11(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。図12(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合のさらに他の使用状態を示す図であり、図12(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。次に、図7を参照して、回動部材の位置と各機能ブロックの動作との関係について説明するとともに、図9ないし図12を参照して、本実施の形態における可搬型照明装置の充電状態および使用状態について説明する。
【0045】
図7に示すように、本実施の形態における可搬型照明装置1においては、回動部材20が装置本体10の上面に対向した位置にある場合を基準位置とし、回動部材20の回動方向に沿って図中矢印A1方向を正方向、図中矢印A2方向を負方向とした場合に、回動部材20が、上記基準位置を含む8つの位置を採り得るように構成されている。すなわち、回動部材20は、回動可能範囲内においてこの8つの位置において段階的に固定され得るように構成されている。
【0046】
まず、図7に示すように、回動部材20の角度が0°である基準位置は、可搬型照明装置1を搬送する場合に回動部材20が採るべき搬送用固定位置であり、当該搬送用固定位置に回動部材20が位置する場合には、回動部材20が手で持つための把手となる。この搬送用固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を消灯させ、照明をオフの状態にする。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで太陽電池パネル13にて発電された電力を蓄電池40に充電するようにしてもよいし、当該充電を行なわないようにしてもよい。ただし、充電を行なうようにした場合にも、太陽電池パネル13の発電電圧が一定値以下である場合や、蓄電池40が満充電された状態にある場合には、充電動作は行なわない。
【0047】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が−90°である位置は、太陽電池パネル13に太陽光を受光させて蓄電池40の充電動作を行なう充電用固定位置であり、当該充電用固定位置に回動部材20が位置する場合には、図8に示すように、回動部材20が装置本体10を支持するためのスタンドとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の背面に対向した位置にあるため、回動部材20が床面100(地表面であってもよい)に接触するように可搬型照明装置1を載置することにより、太陽電池パネル13は、傾斜配置されて太陽光の受光に適した方向を向くことになる。
【0048】
この充電用固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を消灯させ、照明をオフの状態にするとともに、充電回路32の動作を制御することで太陽電池パネル13にて発電された電力を蓄電池40に充電する。また、その際、制御部31は、表示部16の充電状態表示部16aを点灯させることで、充電動作中であることをユーザに報知する。なお、回動部材20が上記充電用固定位置にある場合にも、太陽電池パネル13の発電電圧が一定値以下である場合や、蓄電池40が満充電された状態にある場合には、充電動作は行なわない。
【0049】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+90°である位置は、可搬型照明装置1を天井から吊り下げて照明として使用する場合の天上吊り下げ用固定位置であり、当該天井吊り下げ用固定位置に回動部材20が位置する場合には、図9(A)に示すように、回動部材20が天井200に設けられた係止具201に引っ掛けられるアームとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の前面に対向した位置にあるため、回動部材20を係止具201に引っ掛けることにより、装置本体10の背面が鉛直下方を向くことになる。
【0050】
この天上吊り下げ用固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を点灯させ、照明をオンの状態にする。その際、上述したように回動部材20が天上吊り下げ用固定位置にある場合には、装置本体10の背面が鉛直下方を向くことになるため、より広範囲を照明することが好ましく、図9(B)に示すように、第1列ないし第4列のすべてのLED53を点灯させることで100%の出力での照明を行なう。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで充電を行なわないようにする。
【0051】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+30°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第1固定位置であり、当該壁掛け用第1固定位置に回動部材20が位置する場合には、図10(A)に示すように、回動部材20が壁面300に設けられた係止具301に引っ掛けられるアームとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の前面の上端部寄りの上部に対向した位置にあるため、回動部材20を係止具301に引っ掛けることにより、装置本体10の背面が水平方向より僅かに下方を向くことになる。
【0052】
この壁掛け用第1固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を点灯させ、照明をオンの状態にする。その際、上述したように回動部材20が壁掛け用第1固定位置にある場合には、装置本体10の背面が水平方向より僅かに下方を向くことになるため、斜め上方に向けての照明は不要となり、図10(B)に示すように、第1列のLED53は消灯させて第2列ないし第4列のLED53のみを点灯させることで75%の出力での照明を行なう。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで充電を行なわないようにする。
【0053】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+60°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第2固定位置であり、当該壁掛け用第2固定位置に回動部材20が位置する場合には、図11(A)に示すように、回動部材20が壁面300に設けられた係止具301に引っ掛けられるアームとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の前面の中央部寄りの上部に対向した位置にあるため、回動部材20を係止具301に引っ掛けることにより、装置本体10の背面が水平方向より大きく下方を向くことになる。
【0054】
この壁掛け用第2固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を点灯させ、照明をオンの状態にする。その際、上述したように回動部材20が壁掛け用第2固定位置にある場合には、装置本体10の背面が水平方向より大きく下方を向くことになるため、斜め上方に向けての照明は回動部材20が上記壁掛け用第1固定位置にある場合よりもさらに不要となり、図11(B)に示すように、第1列および第2列のLED53は消灯させて第3列および第4列のLED53のみを点灯させることで50%の出力での照明を行なう。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで充電を行なわないようにする。
【0055】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+180°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第3固定位置であり、当該壁掛け用第3固定位置に回動部材20が位置する場合には、図12(A)に示すように、回動部材20が壁面300に設けられた係止具301に引っ掛けられるアームとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の下面に対向した位置にあるため、回動部材20を係止具301に引っ掛けることにより、装置本体10の背面が水平方向を向くことになる。
【0056】
この壁掛け用第3固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を点灯させ、照明をオンの状態にする。その際、上述したように回動部材20が壁掛け用第3固定位置にある場合には、装置本体10の背面が水平方向を向くことになるため、より広範囲を照明することが好ましく、図12(B)に示すように、第1列ないし第4列のすべてのLED53を点灯させることで100%の出力での照明を行なう。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで充電を行なわないようにする。
【0057】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+150°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第4固定位置であり、当該壁掛け用第4固定位置に回動部材20が位置する場合には、回動部材20が壁面に設けられた係止具に引っ掛けられるアームとなる。なお、回動部材20がこの壁掛け用第4固定位置にある場合は、回動部材20が上述した壁掛け用第1固定位置にある場合と天地が逆になるのみであるため、その詳細な説明は省略するが、この場合、第1列から第3列のLED53が点灯され、第4列のLED53は消灯されることになる。
【0058】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+120°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第5固定位置であり、当該壁掛け用第5固定位置に回動部材20が位置する場合には、回動部材20が壁面に設けられた係止具に引っ掛けられるアームとなる。なお、回動部材20がこの壁掛け用第5固定位置にある場合は、回動部材20が上述した壁掛け用第2固定位置にある場合と天地が逆になるのみであるため、その詳細な説明は省略するが、この場合、第1列および第2列のLED53が点灯され、第3列および第4列のLED53は消灯されることになる。
【0059】
なお、上述したように、本実施の形態における可搬型照明装置1においては、照明ユニット50の動作を切り替えることを可能にする操作部15が設けられている。当該操作部15は、上述した回動部材20の位置によらず照明ユニット50の動作を切り替えることができるものであり、この操作部15が操作された場合には、制御部31は、上述した制御部31の動作に優先してユーザの指令に従った制御を行なう。
【0060】
以上において説明した本実施の形態における可搬型照明装置1とすることにより、回動部材20の位置に応じて可搬型照明装置1に含まれる照明ユニット50等の動作が制御されることになる。そのため、回動部材20を操作することでその使用態様に応じたモードの切り替えが自動的になされるようになるため、取扱い性に優れた可搬型照明装置1とすることができる。したがって、その用途が従来の可搬型照明装置に比べて飛躍的に広がることになり、各種レジャー用や被災時用として使用されるのみならず、建設現場や工事現場での使用、家庭での日常の使用等にまでその利用範囲が見込めることになる。
【0061】
また、上述した本実施の形態における可搬型照明装置1とすることにより、照明出力が自動的に調節されて省エネルギー化が図られることにもなる。特に、本実施の形態における可搬型照明装置1においては、太陽電池パネル13にて発電された電力を照明ユニット50の電源として使用しているため、上記構成を採用することにより、電力をより効率よく使用することで、使用中に電力不足が生じて使用ができなくなるといった事態や充電を頻繁に行なう必要が生じるといった事態の発生を未然に防止することができる。
【0062】
なお、上述した本実施の形態においては、複数のLED群の点灯/非点灯を個別に制御することで照度を調節するように構成した場合を例示したが、他の方法を用いて照度の調節を行なうようにしてもよい。たとえば、LEDがPWM(Pulse Width Modulation)制御によって発光するように構成しておき、必要に応じてデューティ比を調節することで照度を調節するようにしてもよい。
【0063】
また、上述した本実施の形態においては、回動部材の位置に応じてLEDの照度が調節されるように構成した場合を例示したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、単に回動部材の位置に応じてLEDがすべて点灯/消灯するように構成してもよい。
【0064】
また、上述した本実施の形態においては、LEDの点灯時において充電動作が行なわれないように構成した場合を例示したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、LEDの点灯時においても充電動作が行なわれるように構成してもよい。
【0065】
また、上述した本実施の形態においては、回動部材の位置が段階的に固定されるように構成した場合を例示したが、回動部材の位置が任意の位置で固定されるようにしてもよい。その場合には、回動部材の回動可能範囲を所定の角度ごとに区分し、区分された範囲内に回動部材が位置する場合に、照明ユニット等がその範囲に応じた動作を行なうように構成すればよい。
【0066】
なお、上述した本実施の形態において示した回動部材の位置と照明ユニット50等の動作との関係はあくまでも本発明を適用した場合の一例であり、装置本体の形状、回動部材の形状、装置本体に対する回動部材の取付け位置、照明ユニットの構成等に応じて適宜変更が可能である。
【0067】
このように、今回開示した上記一実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0068】
1 可搬型照明装置、10 装置本体、11 フレーム、12 シャーシ、13 太陽電池パネル、14 カバーレンズ、15 操作部、16 表示部、16a 充電状態表示部、16b 残量表示部、17 外部出力端子、20 回動部材、21 ヒンジ、30 コントロールユニット、31 制御部、32 充電回路、33 放電回路、34 蓄電池残量検出部、35 回動部材位置検出部、40 蓄電池、50 照明ユニット、51 支持板、52 回路基板、53 LED、100 床面、200 天井、201 係止具、300 壁面、301 係止具。
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運びが可能に構成された可搬型照明装置に関し、より特定的には、太陽電池パネルを備えた可搬型照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池パネルを具備した可搬型照明装置としては、たとえば実用新案登録第3103994号公報(特許文献1)に開示のものがある。当該特許文献1に開示の可搬型照明装置は、トランク状の装置本体の正面および背面に太陽電池パネルおよびLED(Light-Emitting Diode)照明灯を配置するとともに、装置本体の内部に蓄電池を配置し、装置本体に手提げホルダーやショルダー等を付設して可搬型としたものである。この特許文献1に開示の可搬型照明装置においては、太陽光を太陽電池パネルで受光することで蓄電池に電力が蓄電され、この蓄電池に蓄電された電力がLED照明灯に供給されることで当該LED照明灯が周囲を照らすように動作する。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示の可搬型照明装置は、装置本体がトランク状で大型に構成されているため、基本的に床面に載置されて使用されることが予定されたものと考えられる。そのため、照明装置としての機能は、未だ不充分であり、高所から付近を十分に照らすことができるようには構成されていない。また、上記特許文献1には、LED照明灯を装置本体から取り外して使用する使用態様も開示されているが、その場合には装置本体とLED照明灯とがコードにて接続されることになり、必ずしも取扱い性がよいものとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3103994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年においては、太陽電池パネルの性能や蓄電池の性能の向上に伴い、装置本体をより小型かつ軽量に構成することが可能になってきている。しかしながら、可搬型照明装置としてその取扱い性に優れたものは未だ存在しておらず、そのため可搬型照明装置の利用はその用途が一部に限定されたものとなってしまっている。
【0006】
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、様々な用途に使用が可能な取扱い性に優れた可搬型照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に基づく可搬型照明装置は、正面および背面を有する装置本体と、上記装置本体の上記正面に配置された太陽電池パネルと、上記装置本体に設けられ、上記太陽電池パネルで発電された電力を蓄電する蓄電池と、上記装置本体に設けられ、上記蓄電池から電力が供給されることで発光し、上記装置本体の上記背面から上記装置本体の外部に向けて光を照射する照明ユニットと、上記装置本体に回動自在に取付けられ、充電時において上記装置本体を支持するためのスタンドとなり、照明時において上記装置本体を吊り下げるためのアームとなる回動部材と、上記回動部材の位置を検出する位置検出部と、上記位置検出部にて検出された回動部材の位置情報に基づいて上記照明ユニットの動作を制御する制御部とを備えている。
【0008】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記装置本体が、箱状の形状を有していることが好ましく、その場合に、上記回動部材が、上記装置本体の相対する側面に取付けられることで上記装置本体回りに回動することが好ましい。
【0009】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記制御部が、上記回動部材が上記装置本体の上記正面側に位置する場合において上記蓄電池から上記照明ユニットに電力が供給されるように制御し、これにより上記照明ユニットを作動させるとともに、上記回動部材が上記装置本体の上記背面側に位置する場合において上記蓄電池から上記照明ユニットに電力が供給されないように制御し、これにより上記照明ユニットの作動を停止させることが好ましい。
【0010】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記制御部が、上記回動部材が上記装置本体の上記正面側に位置する場合において上記蓄電池から上記照明ユニットに供給される電力量を上記回動部材の位置に応じて可変に制御し、これにより上記照明ユニットの照度を上記回動部材の位置に応じて可変に調節することが好ましい。
【0011】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、充電状態にあるか否かを表示するための充電状態表示部が、上記装置本体の上記正面および上記背面を除く部分の外表面に設けられていることが好ましい。
【0012】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記蓄電池の残量の状態を表示するための残量表示部が、上記装置本体の上記正面および上記背面を除く部分の外表面に設けられていることが好ましい。
【0013】
好ましくは、上記本発明に基づく可搬型照明装置は、上記蓄電池に蓄電された電力を外部へ出力することを可能にする外部出力端子をさらに備える。
【0014】
好ましくは、上記本発明に基づく可搬型照明装置は、上記照明ユニットの動作を上記回動部材の位置によらずに切り替えることを可能にする操作部をさらに備える。
【0015】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記照明ユニットに含まれる光源が、LEDであることが好ましい。
【0016】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記制御部が、上記回動部材が上記装置本体の上記背面側に位置する場合において上記太陽電池パネルにて発電された電力を上記蓄電池に充電する動作を制御するとともに、上記回動部材が上記装置本体の上記正面側に位置する場合において上記太陽電池パネルにて発電された電力を上記蓄電池に充電しないように制御することが好ましい。
【0017】
上記本発明に基づく可搬型照明装置にあっては、上記回動部材が、搬送時において手で持つための把手となることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、様々な用途に使用が可能な取扱い性に優れた可搬型照明装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の背面図である。
【図3】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の右側面図である。
【図4】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の模式断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の照明ユニットの構成を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の機能ブロックを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における可搬型照明装置が回動部材の位置に応じてどのように動作するかを説明するための模式図である。
【図8】本発明の実施の形態における可搬型照明装置の充電状態を示す図である。
【図9】(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を天井に吊り下げて使用する場合の使用状態を示す図であり、(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。
【図10】(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合の使用状態を示す図であり、(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。
【図11】(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合の他の使用状態を示す図であり、(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。
【図12】(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合のさらに他の使用状態を示す図であり、(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態における可搬型照明装置は、昼間において太陽光を受光することで充電を行い、夜間において屋内または野外において照明装置として使用されることが企図されたものであり、各種レジャー用や被災時用として使用されるのみならず、建設現場や工事現場での使用、家庭での日常の使用等にまでその利用範囲が見込めるように構成されたものである。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置の正面図であり、図2は、図1に示す可搬型照明装置の背面図である。また、図3は、図1に示す可搬型照明装置の右側面図であり、図4は、図1および図2に示すIV−IV線に沿った可搬型照明装置の模式断面図である。また、図5は、図1に示す可搬型照明装置の照明ユニットの構成を示す正面図である。まず、これら図1ないし図5を参照して、本実施の形態における可搬型照明装置の構造について説明する。
【0022】
図1ないし図4に示すように、本発明の実施の形態における可搬型照明装置1は、箱状に形成された装置本体10と、装置本体10に回動自在に取付けられた回動部材20とを備えている。装置本体10は、持ち運びが容易となるように小型化および軽量化が十分に図られている。なお、装置本体10としては、より小型かつ軽量であることが好ましいが、性能の観点や持ち運びの容易さの観点から、その外形は、おおよそ高さ25cm〜30cm程度、幅35cm〜40cm程度、奥行き5cm〜10cm程度とされ、その重量は、おおよそ2.5〜3.0kg程度とされる。
【0023】
装置本体10は、枠状に構成されることで装置本体10の上面、下面、右側面および左側面を構成するフレーム11と、当該フレーム11に取付けられた平板状のシャーシ12とを備えている。これらフレーム11およびシャーシ12は、耐候性および剛性に優れた比較的軽量の部材にて構成されることが好ましく、たとえばアルミニウム合金やステンレス合金等の金属製の部材や、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の樹脂製の部材にて構成される。なお、フレーム11とシャーシ12の固定には、溶接やビス留め等が好適に利用される。
【0024】
装置本体10の前面には、太陽光を受光することで発電する太陽電池パネル13が配置されている。より詳細には、太陽電池パネル13は、フレーム11に取付けられたシャーシ12の前面を覆うように当該フレーム11およびシャーシ12に固定されており、装置本体10の前面において露出している。なお、太陽電池パネル13の露出面は、太陽電池セルの破損を防止する観点から、透光性の強化プラスチックや強化ガラス等によって覆われていることが好ましい。また、太陽電池パネル13のフレーム11およびシャーシ12への固定には、貼着や接着、嵌め込み、ビス留め等が好適に利用される。
【0025】
一方、装置本体10の背面には、後述する照明ユニット50から照射される光の放射強度を均一化するカバーレンズ14が配置されている。より詳細には、カバーレンズ14は、フレーム11に取付けられたシャーシ12の背面と距離をもって当該シャーシ12の背面に対向配置されてフレーム11に固定されており、装置本体10の背面において露出している。なお、カバーレンズ14としては、軽量化の観点から、透光性の樹脂材料を原料とした射出成形品が利用されることが好ましい。また、カバーレンズ14のフレーム11への固定には、接着や嵌め込み、ビス留め等が好適に利用される。
【0026】
装置本体10の内部の空間には、太陽電池パネル13で発電された電力を蓄電する蓄電池40と、蓄電池40から電力が供給されることで発光する照明ユニット50と、当該可搬型照明装置1の全体を制御する制御部31(図6参照)を含むコントロールユニット30とが配置されている。
【0027】
コントロールユニット30は、装置本体10の内部の空間のうちの上部に配置されており、フレーム11に取付けられたシャーシ12の背面側にたとえばビス留め等によって固定されている。コントロールユニット30は、箱状のケースと、箱状のケースによって覆われた回路基板とを含んでおり、このうちの回路基板に上述した制御部31や後述する各種回路32,33等が設けられている。
【0028】
蓄電池40は、装置本体10の内部の空間のうちの下部に配置されており、フレーム11の底部にたとえばビス留め等によって固定されている。蓄電池40としては、たとえばリチウムイオン電池やニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛電池等が利用可能である。
【0029】
照明ユニット50は、装置本体10の内部の空間のうちの略中央部に配置されており、フレーム11に取付けられたシャーシ12の背面側にたとえばビス留め等によって固定されている。図5に示すように、照明ユニット50は、平板状の支持板51と、当該支持板51に取付けられた複数の回路基板52と、当該回路基板52の表面に実装された複数のLED53とを含んでいる。
【0030】
平板状の支持板51は、シャーシ12の背面に対向して配置されており、これにより支持板51の背面は、上述したカバーレンズ14に対向している(図4参照)。回路基板52は、細長い略直方形のプリント配線基板からなり、支持板51の背面側に固定されている。複数の回路基板52の各々は、その長手方向が装置本体10の左右方向に合致するように支持板51の縦方向に沿って順に並べて配置されている。複数のLED53は、可搬型照明装置1の光源となるものであり、複数の回路基板52の各々の表面に長手方向に沿ってそれぞれ複数個ずつ配置されている。
【0031】
以上により、LED53は、支持板51の背面上においてアレイ状に配置されることになり、LED53が発光すること出射された光は、装置本体10の背面に配置されたカバーレンズ14を介して装置本体10の外部に向けて照射されることになる。これにより、照明ユニット50は、全体として面光源として機能することになり、その照明範囲が広範囲に確保されることになる。なお、LED53としては、好適に白色発光ダイオードが使用される。
【0032】
ここで、支持板51の縦方向(すなわち、装置本体の上下方向)に沿って順に並べて配置される複数の回路基板52のそれぞれに実装されたLED53の組みを、上から順に第1列、第2列、第3列、第4列と規定する。本実施の形態における可搬型照明装置1においては、個々の列に含まれるLED53が直列に接続されることにより、当該列に含まれる複数個のLED53は一体的に動作し、またそれぞれの列は、個別にその動作が制御可能にされている。
【0033】
図1ないし図4に示すように、回動部材20は、一対のヒンジ21によって装置本体10に回動自在に取付けられている。より詳細には、一対のヒンジ21は、それぞれが装置本体10の左右の側面の略中央部に位置しており、この部分において回動部材20の端部を回動自在に支持している。これにより、回動部材20の回動軸は、装置本体10の前面と平行に配置されることになり、回動部材20は、図3に示すように矢印A1およびA2方向に向けて装置本体10回りに回動することになる。なお、回動部材20は、その回動範囲内の所定位置または任意の位置において、ロックされるように構成されていることが好ましい。また、回動部材20としては、耐候性および剛性に優れた比較的軽量の部材にて構成されることが好ましく、たとえばアルミニウム合金やステンレス合金等の金属製の部材や、ABS等の樹脂製の部材にて構成される。
【0034】
また、装置本体10の右側面には、照明ユニット50の動作を切り替えることを可能にする操作部15と、当該可搬型照明装置1の動作状態等を表示する表示部16が設けられている。操作部15は、たとえば押しボタン等によって構成され、表示部16は、たとえばLED等によって構成される。表示部16は、可搬型照明装置1が充電状態にあるか否かを表示するための充電状態表示部16aと、蓄電池40の残量の状態を表示するための残量表示部16bとを含んでいる。ここで、表示部16は、装置本体10の正面および背面を除く部分の外表面である右側面に配置されているため、ユーザは、太陽光の反射の影響や照明の影響を受けずに良好に表示部16を視認することができる。
【0035】
また、装置本体10の左側面には、蓄電池40に蓄電された電力を外部に出力することを可能にする外部出力端子17が設けられている。外部出力端子17は、たとえばコンセントであってもよいし、携帯電話の充電用のソケットであってもよい。
【0036】
なお、装置本体10の内部の空間には、遮光シートが配置されていてもよい。当該遮光シートは、カバーレンズ14の前方であってかつシャーシ12の後方に配置されることが好ましく、照明ユニット50の背面側を除く部分に配置され、照明ユニット50が設けられた部分を除く装置本体10の内部の構成がカバーレンズ14を介して視認できないように目隠しするためのものである。
【0037】
図6は、図1ないし図4に示す可搬型照明装置の機能ブロックを示す図である。次に、この図6を参照して、本実施の形態における可搬型照明装置の機能ブロックの構成について説明する。
【0038】
図6に示すように、本実施の形態における可搬型照明装置1は、上述した太陽電池パネル13、蓄電池40、LED53、操作部15、表示部16、外部出力端子17および制御部31に加え、充電回路32、放電回路33、蓄電池残量検出部34および回動部材位置検出部35を備えている。
【0039】
充電回路32は、太陽電池パネル13で発電された電力を制御部31の指令に基づいて蓄電池40に充電するための回路である。より詳細には、充電回路32は、太陽電池パネル13の発電電圧が一定値以上に達した場合に当該発電された電力を蓄電池40に送ることで蓄電池40の充電を行い、太陽電池パネル13の発電電圧が上記一定値未満となった場合に蓄電池40の充電を停止する。また、充電回路32は、蓄電池40が満充電された場合に蓄電池40の過充電を防止すべく蓄電池40の充電を停止し、蓄電池40の電圧が一定値以下になった場合に蓄電池40の充電の停止を解除して充電を再開する。また、充電回路32は、太陽電池パネル13から蓄電池40に送られる電力が過電流状態となることを防止する過電流保護回路や、蓄電池40から太陽電池パネル13への電流の逆流を防止する逆流防止回路等を含んでいてもよい。
【0040】
放電回路33は、蓄電池40に蓄電された電力を制御部31の指令に基づいて照明ユニット50および外部出力端子17に供給するための回路である。より詳細には、放電回路33は、蓄電池40の電圧が一定値以上である場合に制御部31の指令に基づいて蓄電池40に蓄電された電力を照明ユニット50または/および外部出力端子17に供給し、蓄電池40の電圧が一定値未満である場合に過放電を防止すべく照明ユニット50または/および外部出力端子17に対する蓄電池40からの電力の供給を停止する。また、放電回路33は、外部出力端子17から蓄電池40への電流の逆流を防止する逆流防止回路等を含んでいてもよい。
【0041】
蓄電池残量検出部34は、蓄電池40の電圧を検知することで蓄電池40に蓄電された電力の残量がどの程度であるかを検出し、当該残量の情報を制御部31に出力する部位である。回動部材位置検出部35は、回動部材20の位置がどの位置にあるかを検出し、当該位置情報を制御部31に出力する部位である。なお、回動部材位置検出部35としては、回動部材20の位置を特定可能に配置したタクトスイッチや光電センサ、ロータリエンコーダ、加速度センサ等が利用可能である。
【0042】
操作部15は、上述しように照明ユニット50の動作を切り替えるための部位であり、具体的には、ユーザが操作部15を操作した場合にこれを制御部31に出力する。表示部16は、上述したように可搬型照明装置1が充電状態にあるか否かや蓄電池40の残量の状態を表示するための部位であり、具体的には、可搬型照明装置1が充電状態にあるか否かを充電状態表示部16aの点灯/非点灯で表示し、蓄電池40の残量をその残量に応じた残量表示部16bの点灯数にて表示する。
【0043】
制御部31は、上述したように可搬型照明装置1の全体を制御する部位であり、太陽電池パネル13からの発電電圧の情報や蓄電池残量検出部34からの残量の情報、回動部材位置検出部35からの位置情報、操作部15からのユーザの操作の有無の情報等の入力を受け、これに基づいて充電回路32や放電回路33、照明ユニット50、表示部16の動作の制御を行なう。ここで、本実施の形態における可搬型照明装置1においては、制御部31が、特に回動部材20の位置情報に基づいて太陽電池パネル13および照明ユニット50に代表される機能ブロックの動作を制御することを特徴としている。
【0044】
図7は、本実施の形態における可搬型照明装置が回動部材の位置に応じてどのように動作するかを説明するための模式図である。図8は、本実施の形態における可搬型照明装置の充電状態を示す図である。図9(A)は、本実施の形態における可搬型照明装置を天井に吊り下げて使用する場合の使用状態を示す図であり、図9(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。図10(A)は、本実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合の使用状態を示す図であり、図10(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。図11(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合の他の使用状態を示す図であり、図11(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。図12(A)は、本発明の実施の形態における可搬型照明装置を壁面に掛けて使用する場合のさらに他の使用状態を示す図であり、図12(B)は、その場合の照明ユニットの動作状態を示す図である。次に、図7を参照して、回動部材の位置と各機能ブロックの動作との関係について説明するとともに、図9ないし図12を参照して、本実施の形態における可搬型照明装置の充電状態および使用状態について説明する。
【0045】
図7に示すように、本実施の形態における可搬型照明装置1においては、回動部材20が装置本体10の上面に対向した位置にある場合を基準位置とし、回動部材20の回動方向に沿って図中矢印A1方向を正方向、図中矢印A2方向を負方向とした場合に、回動部材20が、上記基準位置を含む8つの位置を採り得るように構成されている。すなわち、回動部材20は、回動可能範囲内においてこの8つの位置において段階的に固定され得るように構成されている。
【0046】
まず、図7に示すように、回動部材20の角度が0°である基準位置は、可搬型照明装置1を搬送する場合に回動部材20が採るべき搬送用固定位置であり、当該搬送用固定位置に回動部材20が位置する場合には、回動部材20が手で持つための把手となる。この搬送用固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を消灯させ、照明をオフの状態にする。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで太陽電池パネル13にて発電された電力を蓄電池40に充電するようにしてもよいし、当該充電を行なわないようにしてもよい。ただし、充電を行なうようにした場合にも、太陽電池パネル13の発電電圧が一定値以下である場合や、蓄電池40が満充電された状態にある場合には、充電動作は行なわない。
【0047】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が−90°である位置は、太陽電池パネル13に太陽光を受光させて蓄電池40の充電動作を行なう充電用固定位置であり、当該充電用固定位置に回動部材20が位置する場合には、図8に示すように、回動部材20が装置本体10を支持するためのスタンドとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の背面に対向した位置にあるため、回動部材20が床面100(地表面であってもよい)に接触するように可搬型照明装置1を載置することにより、太陽電池パネル13は、傾斜配置されて太陽光の受光に適した方向を向くことになる。
【0048】
この充電用固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を消灯させ、照明をオフの状態にするとともに、充電回路32の動作を制御することで太陽電池パネル13にて発電された電力を蓄電池40に充電する。また、その際、制御部31は、表示部16の充電状態表示部16aを点灯させることで、充電動作中であることをユーザに報知する。なお、回動部材20が上記充電用固定位置にある場合にも、太陽電池パネル13の発電電圧が一定値以下である場合や、蓄電池40が満充電された状態にある場合には、充電動作は行なわない。
【0049】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+90°である位置は、可搬型照明装置1を天井から吊り下げて照明として使用する場合の天上吊り下げ用固定位置であり、当該天井吊り下げ用固定位置に回動部材20が位置する場合には、図9(A)に示すように、回動部材20が天井200に設けられた係止具201に引っ掛けられるアームとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の前面に対向した位置にあるため、回動部材20を係止具201に引っ掛けることにより、装置本体10の背面が鉛直下方を向くことになる。
【0050】
この天上吊り下げ用固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を点灯させ、照明をオンの状態にする。その際、上述したように回動部材20が天上吊り下げ用固定位置にある場合には、装置本体10の背面が鉛直下方を向くことになるため、より広範囲を照明することが好ましく、図9(B)に示すように、第1列ないし第4列のすべてのLED53を点灯させることで100%の出力での照明を行なう。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで充電を行なわないようにする。
【0051】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+30°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第1固定位置であり、当該壁掛け用第1固定位置に回動部材20が位置する場合には、図10(A)に示すように、回動部材20が壁面300に設けられた係止具301に引っ掛けられるアームとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の前面の上端部寄りの上部に対向した位置にあるため、回動部材20を係止具301に引っ掛けることにより、装置本体10の背面が水平方向より僅かに下方を向くことになる。
【0052】
この壁掛け用第1固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を点灯させ、照明をオンの状態にする。その際、上述したように回動部材20が壁掛け用第1固定位置にある場合には、装置本体10の背面が水平方向より僅かに下方を向くことになるため、斜め上方に向けての照明は不要となり、図10(B)に示すように、第1列のLED53は消灯させて第2列ないし第4列のLED53のみを点灯させることで75%の出力での照明を行なう。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで充電を行なわないようにする。
【0053】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+60°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第2固定位置であり、当該壁掛け用第2固定位置に回動部材20が位置する場合には、図11(A)に示すように、回動部材20が壁面300に設けられた係止具301に引っ掛けられるアームとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の前面の中央部寄りの上部に対向した位置にあるため、回動部材20を係止具301に引っ掛けることにより、装置本体10の背面が水平方向より大きく下方を向くことになる。
【0054】
この壁掛け用第2固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を点灯させ、照明をオンの状態にする。その際、上述したように回動部材20が壁掛け用第2固定位置にある場合には、装置本体10の背面が水平方向より大きく下方を向くことになるため、斜め上方に向けての照明は回動部材20が上記壁掛け用第1固定位置にある場合よりもさらに不要となり、図11(B)に示すように、第1列および第2列のLED53は消灯させて第3列および第4列のLED53のみを点灯させることで50%の出力での照明を行なう。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで充電を行なわないようにする。
【0055】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+180°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第3固定位置であり、当該壁掛け用第3固定位置に回動部材20が位置する場合には、図12(A)に示すように、回動部材20が壁面300に設けられた係止具301に引っ掛けられるアームとなる。すなわち、当該状態においては、回動部材20が装置本体10の下面に対向した位置にあるため、回動部材20を係止具301に引っ掛けることにより、装置本体10の背面が水平方向を向くことになる。
【0056】
この壁掛け用第3固定位置に回動部材20が位置した状態においては、制御部31は、放電回路33および照明ユニット50の動作を制御することでLED53を点灯させ、照明をオンの状態にする。その際、上述したように回動部材20が壁掛け用第3固定位置にある場合には、装置本体10の背面が水平方向を向くことになるため、より広範囲を照明することが好ましく、図12(B)に示すように、第1列ないし第4列のすべてのLED53を点灯させることで100%の出力での照明を行なう。なお、この状態においては、制御部31が充電回路32の動作を制御することで充電を行なわないようにする。
【0057】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+150°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第4固定位置であり、当該壁掛け用第4固定位置に回動部材20が位置する場合には、回動部材20が壁面に設けられた係止具に引っ掛けられるアームとなる。なお、回動部材20がこの壁掛け用第4固定位置にある場合は、回動部材20が上述した壁掛け用第1固定位置にある場合と天地が逆になるのみであるため、その詳細な説明は省略するが、この場合、第1列から第3列のLED53が点灯され、第4列のLED53は消灯されることになる。
【0058】
次に、図7に示すように、回動部材20の角度が+120°である位置は、可搬型照明装置1を壁面に掛けて照明として使用する場合の壁掛け用第5固定位置であり、当該壁掛け用第5固定位置に回動部材20が位置する場合には、回動部材20が壁面に設けられた係止具に引っ掛けられるアームとなる。なお、回動部材20がこの壁掛け用第5固定位置にある場合は、回動部材20が上述した壁掛け用第2固定位置にある場合と天地が逆になるのみであるため、その詳細な説明は省略するが、この場合、第1列および第2列のLED53が点灯され、第3列および第4列のLED53は消灯されることになる。
【0059】
なお、上述したように、本実施の形態における可搬型照明装置1においては、照明ユニット50の動作を切り替えることを可能にする操作部15が設けられている。当該操作部15は、上述した回動部材20の位置によらず照明ユニット50の動作を切り替えることができるものであり、この操作部15が操作された場合には、制御部31は、上述した制御部31の動作に優先してユーザの指令に従った制御を行なう。
【0060】
以上において説明した本実施の形態における可搬型照明装置1とすることにより、回動部材20の位置に応じて可搬型照明装置1に含まれる照明ユニット50等の動作が制御されることになる。そのため、回動部材20を操作することでその使用態様に応じたモードの切り替えが自動的になされるようになるため、取扱い性に優れた可搬型照明装置1とすることができる。したがって、その用途が従来の可搬型照明装置に比べて飛躍的に広がることになり、各種レジャー用や被災時用として使用されるのみならず、建設現場や工事現場での使用、家庭での日常の使用等にまでその利用範囲が見込めることになる。
【0061】
また、上述した本実施の形態における可搬型照明装置1とすることにより、照明出力が自動的に調節されて省エネルギー化が図られることにもなる。特に、本実施の形態における可搬型照明装置1においては、太陽電池パネル13にて発電された電力を照明ユニット50の電源として使用しているため、上記構成を採用することにより、電力をより効率よく使用することで、使用中に電力不足が生じて使用ができなくなるといった事態や充電を頻繁に行なう必要が生じるといった事態の発生を未然に防止することができる。
【0062】
なお、上述した本実施の形態においては、複数のLED群の点灯/非点灯を個別に制御することで照度を調節するように構成した場合を例示したが、他の方法を用いて照度の調節を行なうようにしてもよい。たとえば、LEDがPWM(Pulse Width Modulation)制御によって発光するように構成しておき、必要に応じてデューティ比を調節することで照度を調節するようにしてもよい。
【0063】
また、上述した本実施の形態においては、回動部材の位置に応じてLEDの照度が調節されるように構成した場合を例示したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、単に回動部材の位置に応じてLEDがすべて点灯/消灯するように構成してもよい。
【0064】
また、上述した本実施の形態においては、LEDの点灯時において充電動作が行なわれないように構成した場合を例示したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、LEDの点灯時においても充電動作が行なわれるように構成してもよい。
【0065】
また、上述した本実施の形態においては、回動部材の位置が段階的に固定されるように構成した場合を例示したが、回動部材の位置が任意の位置で固定されるようにしてもよい。その場合には、回動部材の回動可能範囲を所定の角度ごとに区分し、区分された範囲内に回動部材が位置する場合に、照明ユニット等がその範囲に応じた動作を行なうように構成すればよい。
【0066】
なお、上述した本実施の形態において示した回動部材の位置と照明ユニット50等の動作との関係はあくまでも本発明を適用した場合の一例であり、装置本体の形状、回動部材の形状、装置本体に対する回動部材の取付け位置、照明ユニットの構成等に応じて適宜変更が可能である。
【0067】
このように、今回開示した上記一実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0068】
1 可搬型照明装置、10 装置本体、11 フレーム、12 シャーシ、13 太陽電池パネル、14 カバーレンズ、15 操作部、16 表示部、16a 充電状態表示部、16b 残量表示部、17 外部出力端子、20 回動部材、21 ヒンジ、30 コントロールユニット、31 制御部、32 充電回路、33 放電回路、34 蓄電池残量検出部、35 回動部材位置検出部、40 蓄電池、50 照明ユニット、51 支持板、52 回路基板、53 LED、100 床面、200 天井、201 係止具、300 壁面、301 係止具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面および背面を有する装置本体と、
前記装置本体の前記正面に配置された太陽電池パネルと、
前記装置本体に設けられ、前記太陽電池パネルで発電された電力を蓄電する蓄電池と、
前記装置本体に設けられ、前記蓄電池から電力が供給されることで発光し、前記装置本体の前記背面から前記装置本体の外部に向けて光を照射する照明ユニットと、
前記装置本体に回動自在に取付けられ、充電時において前記装置本体を支持するためのスタンドとなり、照明時において前記装置本体を吊り下げるためのアームとなる回動部材と、
前記回動部材の位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部にて検出された回動部材の位置情報に基づいて前記照明ユニットの動作を制御する制御部とを備えた、可搬型照明装置。
【請求項2】
前記装置本体は、箱状の形状を有し、
前記回動部材が、前記装置本体の相対する側面に取付けられることで前記装置本体回りに回動する、請求項1に記載の可搬型照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記回動部材が前記装置本体の前記正面側に位置する場合において前記蓄電池から前記照明ユニットに電力が供給されるように制御し、これにより前記照明ユニットを作動させ、前記回動部材が前記装置本体の前記背面側に位置する場合において前記蓄電池から前記照明ユニットに電力が供給されないように制御し、これにより前記照明ユニットの作動を停止させる、請求項1または2に記載の可搬型照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記回動部材が前記装置本体の前記正面側に位置する場合において前記蓄電池から前記照明ユニットに供給される電力量を前記回動部材の位置に応じて可変に制御し、これにより前記照明ユニットの照度を前記回動部材の位置に応じて可変に調節する、請求項1から3のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項5】
充電状態にあるか否かを表示するための充電状態表示部が、前記装置本体の前記正面および前記背面を除く部分の外表面に設けられている、請求項1から4のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項6】
前記蓄電池の残量の状態を表示するための残量表示部が、前記装置本体の前記正面および前記背面を除く部分の外表面に設けられている、請求項1から5のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項7】
前記蓄電池に蓄電された電力を外部へ出力することを可能にする外部出力端子をさらに備えた、請求項1から6のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項8】
前記照明ユニットの動作を前記回動部材の位置によらずに切り替えることを可能にする操作部をさらに備えた、請求項1から7のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項9】
前記照明ユニットに含まれる光源が、LEDである、請求項1から8のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記回動部材が前記装置本体の前記背面側に位置する場合において前記太陽電池パネルにて発電された電力を前記蓄電池に充電する動作を制御し、前記回動部材が前記装置本体の前記正面側に位置する場合において前記太陽電池パネルにて発電された電力を前記蓄電池に充電しないように制御する、請求項1から9のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項11】
前記回動部材は、搬送時において手で持つための把手となる、請求項1から10のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項1】
正面および背面を有する装置本体と、
前記装置本体の前記正面に配置された太陽電池パネルと、
前記装置本体に設けられ、前記太陽電池パネルで発電された電力を蓄電する蓄電池と、
前記装置本体に設けられ、前記蓄電池から電力が供給されることで発光し、前記装置本体の前記背面から前記装置本体の外部に向けて光を照射する照明ユニットと、
前記装置本体に回動自在に取付けられ、充電時において前記装置本体を支持するためのスタンドとなり、照明時において前記装置本体を吊り下げるためのアームとなる回動部材と、
前記回動部材の位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部にて検出された回動部材の位置情報に基づいて前記照明ユニットの動作を制御する制御部とを備えた、可搬型照明装置。
【請求項2】
前記装置本体は、箱状の形状を有し、
前記回動部材が、前記装置本体の相対する側面に取付けられることで前記装置本体回りに回動する、請求項1に記載の可搬型照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記回動部材が前記装置本体の前記正面側に位置する場合において前記蓄電池から前記照明ユニットに電力が供給されるように制御し、これにより前記照明ユニットを作動させ、前記回動部材が前記装置本体の前記背面側に位置する場合において前記蓄電池から前記照明ユニットに電力が供給されないように制御し、これにより前記照明ユニットの作動を停止させる、請求項1または2に記載の可搬型照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記回動部材が前記装置本体の前記正面側に位置する場合において前記蓄電池から前記照明ユニットに供給される電力量を前記回動部材の位置に応じて可変に制御し、これにより前記照明ユニットの照度を前記回動部材の位置に応じて可変に調節する、請求項1から3のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項5】
充電状態にあるか否かを表示するための充電状態表示部が、前記装置本体の前記正面および前記背面を除く部分の外表面に設けられている、請求項1から4のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項6】
前記蓄電池の残量の状態を表示するための残量表示部が、前記装置本体の前記正面および前記背面を除く部分の外表面に設けられている、請求項1から5のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項7】
前記蓄電池に蓄電された電力を外部へ出力することを可能にする外部出力端子をさらに備えた、請求項1から6のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項8】
前記照明ユニットの動作を前記回動部材の位置によらずに切り替えることを可能にする操作部をさらに備えた、請求項1から7のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項9】
前記照明ユニットに含まれる光源が、LEDである、請求項1から8のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記回動部材が前記装置本体の前記背面側に位置する場合において前記太陽電池パネルにて発電された電力を前記蓄電池に充電する動作を制御し、前記回動部材が前記装置本体の前記正面側に位置する場合において前記太陽電池パネルにて発電された電力を前記蓄電池に充電しないように制御する、請求項1から9のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【請求項11】
前記回動部材は、搬送時において手で持つための把手となる、請求項1から10のいずれかに記載の可搬型照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−49098(P2011−49098A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198376(P2009−198376)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
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