説明

可撓性カバーを有する呼吸インタフェース装置

本発明は、マスクのような呼吸インタフェース装置のさまざまな実施形態に関し、ユーザの顔面の鼻及び口の領域の一方又は両方を収容するように構造化されたファブリック本体を有する。ファブリック本体は、呼吸インタフェース装置に気体を供給するための結合装置を受け取るように構造化された、ファブリック本体から延びるファブリック接続部材を有する。別の実施形態において、ファブリック本体は、非ファブリック支持素子を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年12月22日出願の米国特許仮出願第61/139,713号の利益を35U.S.C.§119(e)の下で主張する。その仮出願の内容は、参照によって本願明細書に盛り込まれるものとする。
【0002】
本発明は、ユーザの気道に及び/又は気道から気体を運ぶための呼吸インタフェース装置に関し、特に、ファブリック材料で構成されるファブリック本体を含む、マスクのような呼吸インタフェース装置に関する。
【背景技術】
【0003】
人間のユーザの鼻及び/又は口を囲むエリアと接触し、ユーザの顔面に対する効果的なフィットを生成するように設計されるさまざまな呼吸マスクが、知られている。一般に、気体は、ユーザによる消費のために、マスク内に陽圧で供給されることができる。このようなマスクの用途は、高高度呼吸(航空機アプリケーション)、水泳、採鉱、消火活動及びさまざまな医学的診断及び治療アプリケーションを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(例えば)特に医用呼吸マスクであるこれらのマスクの多くの1つの要件は、それらが、ユーザの顔面に対して効果的なフィットを提供し、マスクが、供給されている気体のリークを制限し又は防ぐために、ユーザの顔面と合った外形を示すことである。一般に、通常のマスク構造において、顔面に対するマスクの効果的なフィットは、多くの例において、ユーザの相当な不快感を伴ってのみ達成されている。この問題は、ユーザが連続的に何時間も又は場合によっては何日もマスクを装着する必要がある特に医用アプリケーションのようなアプリケーションにおいて、最も重要である。このような状況において、ユーザは、多くの場合、長い持続時間の間のマスクに我慢できず、ゆえに、最適な治療又は診断目的が達成されず、又は多大な困難及びユーザの相当な不快感を伴って達成される。
【0005】
前述のタイプのアプリケーション用の幾つかのタイプの呼吸マスクが、知られている。おそらく、最も一般的なタイプのマスクは、ユーザの顔面と接触することになる例えば裏側のクッション部のようなより可撓性のあるシーリング部材を支持する顔面プレートのような、実質的に剛性の構造を組み込んでいる。顔面プレートの剛性構造は、クッション部がユーザの顔面の輪郭に適合する能力を制約し又は制限する。フィットが効果的でない場合、マスクと顔面とのインタフェースに間隙が生じ、その結果、間隙においてマスクから気体が漏れることになる。
【0006】
間隙を閉じるようにマスク部材を圧縮し、間隙が生じるエリアの満足な密閉を達成するために、大きな力が必要とされる。一般に、この必要とされる力は、マスクをユーザの顔面にしっかりとフィットさせるためにマスクに接続されるストラップによって供給される。このような力は、それがユーザの顔面上のどこかに高い圧力箇所を生成するので望ましくなく、そのような箇所では、マスク輪郭は、ユーザの顔の輪郭に適合するように顔面に対して強制的に変形される。これは、印加される圧力が局所的な灌流圧力を越える場所で、相当なユーザ不快感及び起こりうる皮層刺激及び破壊をもたらす。印加される圧力は、表面血流を妨げるのに十分な圧力である。従って、クッション部がユーザの顔面輪郭に適合する能力を改善し、ゆえに、ユーザの顔面に対するマスクのフィットを向上させるために、マスクの剛性構造を最小限にし又は除去することが望ましい。
【0007】
従って、本発明の目的は、従来の呼吸インタフェース装置の欠点を克服する呼吸インタフェース装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明の一実施形態により、ユーザの顔面の鼻及び口の領域の一方又は両方を収容するように構造化されたファブリック本体であって、その中に形成された開口を有するファブリック本体と、ファブリック本体から外向きに延びるファブリック接続部材であって、開口の周辺部に沿って延在し、呼吸インタフェース装置に気体を供給するための結合装置を受け取るように構造化されたファブリック接続部材と、を有する、呼吸インタフェース装置を提供することによって達成される。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、ユーザの顔面の鼻及び口の領域の一方又は両方を収容するように構造化されたファブリック本体であって、ファブリック本体は、その中に形成された開口を有し、開口が、呼吸インタフェース装置に気体を供給するために結合装置を受け取るように構造化されている、ファブリック本体と、ファブリック本体に結合された少なくとも1つの非ファブリック支持素子と、を有する呼吸インタフェース装置を提供する。
【0010】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性、構造の関連する構成要素の動作方法及び機能、並びに各部分及び製造の経済性の組み合わせは、添付の図面を参照して以下の記述及び添付の請求項の検討により明らかになり、それらの全てがこの明細書の一部を形成する。さまざまな図面において、参照数字は、対応する部分を示す。しかしながら、図面は、図示及び説明の目的のみにあり、本発明の範囲を規定するものとして意図されるものではないことが明白に理解されるべきである。「a」、「an」、「the」という単数形は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのコンテクストが明確に他の場合を示さない限り、複数の指示物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による呼吸マスクの前面等角図。
【図2】本発明の代替の実施形態による呼吸マスクの前面等角図。
【図3a】本発明の別の代替の実施形態による呼吸マスクの前面等角図。
【図3b】本発明の別の代替の実施形態による呼吸マスクの前面等角図。
【図4】本発明の別の代替の実施形態による呼吸マスクの前面等角図。
【図5】本発明の別の代替の実施形態による呼吸マスクの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
非限定的な例である上、下、左、右、上側、下側、前、後及びこれらの派生語のような本願明細書において使用される方向に関する語句は、図面に示される構成要素の向きに関するものであり、明確に述べられない限り、請求項に制限を加えるものではない。
【0013】
「インタフェース装置」という語は、本願明細書において用いられる場合、ユーザの気道に及び/又はそこから気体を運ぶための任意の適切な機構をさし、マスク(非限定的な例として鼻/口マスク、鼻マスク及びフルフェースマスク)のような非侵襲のインタフェース装置を明確に含むが、これに限定されない。
【0014】
2又はそれ以上の部分又はコンポーネントが一緒に「結合される」又は「接続される」という記述は、本願明細書において用いられる場合、それらの部分が、直接的に又は1又は複数の中間部分又はコンポーネントを通じて、一緒に連結され又は動作すること意味する。
【0015】
2又はそれ以上の部分又はコンポーネントが互いに「係合する」という記述は、本願明細書において用いられる場合、それらの部分が、直接的に又は1又は複数の中間部分又はコンポーネントを通じて、互いに対して力を及ぼすことを意味する。「数」という語は、本願明細書において用いられる場合、1又は1より大きい整数(すなわち複数)を意味する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による呼吸マスク10の前面等角図である。呼吸マスク10は、図1に示されるように、ユーザの顔面の鼻及び口の部分と接触する実質的に可撓性の本体12を有する。代替として、本体12は、ユーザの顔面の鼻部分又は口部分の一方のみと接触することができる。本体12は、ファブリック材料で構成される。「ファブリック」という語は、本願明細書において用いられる場合、織物、ニット、クローシェ、ノット又はフェルト繊維から作られる任意の材料を意味する。材料は、伸縮可能でありえ又は伸縮可能でなくてもよく、コーティングされていてもよく又はコーティングされていなくてもよい。コーティングされていない材料は、好適には、空気が材料を通過することができる(例えば吐出された気体を周囲雰囲気に通すことを可能にする)ように、空気を通すことが可能である。更に、材料は、1つの材料層又はさまざまな材料層を含むことができ、層は、同一の材料又は異なる材料のさまざまな組み合わせを含む。このようなファブリック材料の非限定的な例は、ポリエステルを含むが、これに限定されない。
【0017】
更に図1に示されるように、本体12は、気体入口として機能する開口11を含む。シェル13が、開口11の周辺部に沿って、本体12に結合される。シェル13は更に、ファブリック材料で構成される。シェル13を作るのに用いられる適切なファブリックは、本願明細書の他の部分に記述される、本体12を構成するために使用されるものを含むことができる。一実施形態において、シェルを作るために使用されるファブリック13は、本体12を作るために使用されるものと同じファブリックでありうる。更に、本実施形態において、シェル13は、本体12に一体的に結合されることができる。別の実施形態において、シェル13を作るために使用されるファブリックは、本体12を作るために使用されるものと異なるより剛性のファブリックでありうる。別の特定の実施形態において、本体12は、快適さを促進するために、柔軟で伸縮可能なファブリックで作られ、シェル13は、吐出された気体が周囲雰囲気に逃げることを可能にするように、より固く、非伸縮可能であるが、コーティングされないファブリックで作られる。
【0018】
更に、図1に示されるように、シェル13は、本体12から外向きに延び、結合装置15をその中に受け入れるように構造化される。結合装置15の第1の端部9は、シェル13内に受け取られる。シェル13の内径は、結合装置15の第1の端部9がシェルの中にぴったりとフィットするようにサイズ設計されることが企図される。一実施形態において、結合装置15とシェル13との間の密閉を向上させ、リークを最小限にし又は妨げるために、接着剤のような接着性材料又はクランプ若しくはその他のフローリストリクタを非限定的に含む流体シーリング機構(図示せず)が、結合装置15の第1の端部9及び/又はシェル13に適用されることができる。コネクタ端部17は、結合装置15の第1の端部9の反対側に位置付けられ、1又は複数の管路を通じて外部の気体源(図示せず)に結合されることができる。
【0019】
例示の実施形態において、コネクタ端部17は、1又は複数の管路に接続するためのスイベルコネクタを含むことができる。外部の気体源は、ユーザによる消費のために気体を供給することができる任意の気体供給又は気体生成システムを含むことができるが、これに限定されない。さまざまな気体供給治療の非限定的な例は、持続的気道陽圧法(CPAP)治療、自動気道陽圧(APAP)治療及び二相性気道陽圧(BiPAP)治療を含むが、これらに限定されない。結合装置15は、外部の気体源とマスク10との間で呼吸用空気のような気体を運ぶために用いられる。結合装置15は、ユーザによって吐出された気体を雰囲気に排出するために、図1に示されるように、排気ポート20のようなベント機構を含む。
【0020】
排気ポート20は、ユーザによって吐出された排出ガスがマスク10から雰囲気に出て行くことを可能にする複数の小さい開口を含む。図1に示される特定の排気ポート20は、制限することを意図するものではなく、本発明が、非限定的な例として排気バルブのような、ユーザによって吐出された気体を雰囲気に排出するために用いられることができるさまざまな異なるベント機構を企図することが理解されるべきである。従って、さまざまなベント機構が、排気ポート20と置き換えられることができる。
【0021】
更に、図1に示される特定の結合装置15は、制限することを意図するものではなく、本発明が、マスク10へ又はマスク10から気体を運ぶために、シェル13内に恒久的に又は選択的に受け入れられることができるさまざまな異なる結合装置を企図することが理解されるべきである。従って、さまざまな結合装置が、結合装置15と置き換えられることができる。
【0022】
更に、図1に示されるように、マスク10は、ユーザの顔面の両側に本体12を固定するために本体12に取り付けられるヘッドギア19を有する。ヘッドギア19は、ユーザの顔面に本体12を固定するためにさまざまなやり方で構造化されることができるとともに、非限定的な例として伸張し及び/又は曲がる能力を有する任意のファブリックのような、当技術分野において知られているさまざまなファブリックで構成されることができる。図1に示される実施形態において、ヘッドギア19は、本体12の各々の側に取り付けられ、ユーザの頭部の外周の周りにフィットする。更に図1に示されるように、ヘッドギア19は、本体12に一体的に結合される。
【0023】
代替として、ヘッドギア19は、非限定的な例としてソーイング又はステッチング、スナップ、ストラップ、接着剤等のような、多様なモールディング、ボンディング及びファスニング機構を使用して、本体12に結合されることができる。一実施形態において、同じファブリックが、本体12、シェル13及びヘッドギア19を構成するために使用されることができる。他の実施形態において、本体12及び/又はシェル13は、ヘッドギア19より低い透過性をもつファブリックで作られることができる。特定の実施形態において、ヘッドギア19は、本体12より大きい伸縮性をもつファブリックで作られることができる。図1に示される特定のヘッドギア19は、制限することを意図するものではなく、本発明が、ユーザの顔面に本体12を固定するために用いられることができるさまざまな異なるヘッドギア(例えば調整可能なもの、調整不可能なもの、又はそれらの組み合わせ、一体的に結合されるもの又は着脱可能に結合されるもの)を企図することが理解されるべきである。従って、従来技術において知られている又は今後開発されるさまざまなヘッドギアが、ヘッドギア19と置き換えられることができる。
【0024】
図2は、本発明の別の実施形態によるマスク10'の前面等角図である。図2に示されるように、マスク10'は、本体12、開口11、シェル13、結合装置15、コネクタ端部17、排気ポート20及びヘッドギア19を含む、図1のマスク10の部品として含まれるものと同じ幾つかのコンポーネントを有する。更に、図2に示されるように、マスク10'は、フレーム21を有する。フレーム21は、開口11の周辺部に沿って形成され、そこから外方に(例えば半径方向に)延びる。フレーム21は、本体12の内側表面(例えばユーザの顔面と接触するようになる表面)上に形成されることができ、及び/又はフレーム21は、(図2に示されるように)本体12の外側表面上に形成されることができる。フレーム21は、当技術分野において知られているさまざまなモールディング及びファスニング技法を使用して、形成されることができる。
【0025】
図2に示される例示のフレーム21は、本体12の外側表面に結合されており、ヒトデの形状である。図2に示される特定のフレーム21は、制限することを意図するものではなく、本発明が、フレーム21の置き換えとして使用されることができる多様な形状及び構造を含むことが理解されるべきである。フレーム21は、本願明細書の他の部分に記述される本体12及びシェル13のためのファブリック材料を含むさまざまな材料で構成されることができるが、それらに限定されない。フレーム21は更に、非限定的な例として本体12及び/又はシェル13を作るために使用される材料よりも大きい剛性をもつ材料のような、可撓性の固体材料(例えばシリコン、ポリウレタン又は発泡樹脂)で構成されることができる。代替の実施形態において、非限定的な例としてプラスチック、金属又はワイヤのような剛体材料の層が、フレーム21と本体12の表面との間に挿入されることができる。記述されるさまざまな実施形態におけるフレーム21は、ユーザの顔面に対するマスク10の効果的なフィットを改善するために、改善された支持体を提供することが企図される。
【0026】
図3a及び図3bは、本発明の他の実施形態によるマスク40及び40'の前面等角図である。マスク40及び40'は、図1及び図2に示されるマスク10及び10'と同様であり、(本願明細書の他の部分に記述されるファブリック材料の任意のもので作られる)本体12、開口11、結合装置15、第1の端部9、コネクタ17、排気ポート20及びヘッドギア19のような、幾つかの同じコンポーネントを有する。加えて、図3a及び図3bに示されるように、マスク40及び40'は、ユーザの顔面の鼻部分の輪郭に対して本体12を適合させ及び/又はシールすることを支援する鼻支持体14を有する。
【0027】
図3a及び図3bに示されるように、鼻支持体14は、ユーザの鼻柱をまたいで位置付けられる。図3a及び図3bに示される特定の鼻支持体14は、制限することを意図するものではなく、鼻支持体用のさまざまな形状及び構造が企図され、鼻支持体14と置き換えられることができることが理解されるべきである。更に、図3a及び図3bに示されるように、鼻支持体14は、本体12の内側表面に結合される。本体12に鼻支持体14を結合するための機構は、非限定的であるがオーバーモールディング、接着剤、ステープル留め又はステッチ留めのような、当技術分野において知られている多様なモールディング、ボンディング及びファスニング機構を含むことができる。鼻支持体14は、例えばゲル材料、気泡材料又はパッド若しくはクッションのような材料のような、実質的に可撓性の材料で構成されることができる。
【0028】
図3a及び図3bに示されるように、マスク40及び40'は更に、本体12に結合されるリップ支持体16を有する。リップ支持体16は、ユーザの顔面の口部分の輪郭に対して本体12を適合させ及び/又はシールすることを支援する。図3a及び図3bに示されるように、リップ支持体16は、ユーザの下唇の外側の周辺部に沿って位置付けられる。図3a及び図3bに示される特定のリップ支持体16は、制限することを意図するものではなく、リップ支持体のためのさまざまな形状及び構造が企図され、リップ支持体16と置き換えられることができることが理解されるべきである。更に、図3a及び図3bに示されるように、リップ支持体16は、本体12の内側表面に結合される。本体12にリップ支持体16を結合させるための機構は、非限定的な例としてオーバーモールディング、接着剤、ステープル留め又はステッチ留めのような、当技術分野において知られている多様なモールディング、ボンディング及びファスニング機構を含むことができる。リップ支持体16は、例えばゲル材料、気泡材料、又はパッド若しくはクッションのような材料のような、実質的に可撓性の材料で構成されることができる。
【0029】
図3aに示される特定の実施形態は、ユーザの顎の動きを制限する、顎カフ18のような顎支持体を有する。顎カフ18は、本体12の内側表面に一体的に接続される。顎カフ18を本体12に接続するための機構は、非限定的であるが例えばオーバーモールディング、接着剤、ステープル留め又はステッチ留めのような、当技術分野において知られている多様なモールディング、ボンディング及びファスニング機構を含むことができる。顎カフ18は、非限定的な例としてシリコンラバーのような、実質的に可撓性の材料で構成されることができる。更に、顎カフ18は、パッド又はクッションのような材料又は気泡材料を含むことができる。代替として、顎カフ18は、非限定的な例として熱可塑性材料のような、実質的に剛性の材料で構成されることができる。顎カフ18は、ユーザの口を閉じた状態に保つことを助けると共に、間隙及びリークを防ぐためにユーザの顔面の口の領域において効果的なフィットを与えることを助けることが企図される。
【0030】
図3bに示される特定の実施形態は、ユーザの顎の動きを制限する顎ストラップ23のような顎支持体を有する。図3bに示される例示の顎ストラップ23は、ヘッドギア19の外側表面に結合される。顎ストラップ23は、ヘッドギア19に恒久的に又は取り外し可能に結合されうることが企図される。顎ストラップ23をヘッドギア19に接続するための機構は、非限定的な例として粘着剤、スナップ、接着剤、ステープル留め又はステッチ留めのような、当技術分野において知られている多様なファスニング機構を含むことができる。顎ストラップ23は、非限定的な例としてシリコンラバーのような実質的に可撓性の材料で構成されることができる。更に、顎ストラップ23は、パッド又はクッションのような材料又は気泡材料を含むことができる。代替として、顎ストラップ23は、例えば熱可塑性材料のような実質的に剛性の材料で構成されることができる。
【0031】
更に、図3a及び図3bに示されるように、マスク40及び40'は、気体入口として機能する開口11を有する。図3a及び図3bに示される実施形態において、リム22(好適にはプラスチックのような実質的に剛性の材料で作られるが、シリコンのような本願明細書の他の部分に記述される実質的に可撓性の(非ファブリック)材料で作られることも可能である)は、開口11の周辺エッジに沿って延在する。リム22は、好適には、本体12の内側表面に結合されるとともに、マスク40及び40'と外部の気体源との間で呼吸用空気のような気体を運ぶために結合装置15を開口11に接続するための支持体を提供する(図示せず)。リム22は、好適には、結合装置15の旋回端部24を受け入れるように構造化されたねじ機構を有する。結合装置15の(旋回することが可能な又は可能でない)コネクタ端部17は、結合装置15が外部の気体源からマスク40及び40'に気体を運ぶように機能するために、1又は複数の管路を通じて外部の気体源に結合される。
【0032】
1つの特定の実施形態において、リム22の厚さは、リム22がユーザの顔面から或る距離のところに位置付けられるように、鼻支持体14及びリップ支持体16の厚さより小さく、それゆえ、リム22は、ユーザの顔面と接触しない。こうして、本実施形態において、鼻支持体14及びリップ支持体16は、付加される快適さを提供するスペーサとしても機能する。
【0033】
図4は、本発明の他の代替の実施形態による呼吸マスク50の前面等角図である。図4に示されるように、マスク50は、(本願明細書の他の部分に記述されるファブリック材料のいずれかで作られる)本体12、開口11、鼻支持体14、リップ支持体16、リム22、結合装置15、旋回端部24、コネクタ端部17、排気ポート20及びヘッドギア19を含む、図3a及び図3bのマスク40及び40'の部品として含まれるものと同じ幾つかのコンポーネントを有する。加えて、図4に示されるように、マスク50は、リム22から上方に延びるブリッジ支持体37を有し、鼻ウィング41が、ブリッジ支持体37の遠位端に接続される。ブリッジ支持体37、リム22及び鼻ウィング41は、好適には、本体12の内側表面(又は裏面)に結合され、それにより、本体12は、好適には、これらのコンポーネント上のファブリックカバーを形成する。更に、鼻ウィング41は、好適には、本体12と鼻支持体14の一部との間に設けられる。
【0034】
図4に示されるように、ブリッジ支持体37は、ユーザの鼻柱に沿う方向において、ユーザの鼻柱と係合するように構造化され、鼻ウィング41は、ブリッジ支持体37の方向に対して実質的に垂直な方向においてユーザの鼻柱と係合するように構造化される。このようにして、ブリッジ支持体37及び鼻ウィング41は、付加のサポートを提供する。ブリッジ支持体37及び鼻ウィング41は、実質的に剛性の、半剛性の材料及び/又は本体12を作るために使用されるファブリック材料より剛性の材料を非限定的に含む、さまざまな材料で構成されることができる。適切な実質的に剛性の材料は、ポリマ、ポリウレタン及び熱可塑性材料を非限定的に含みうる。
【0035】
図5は、本発明の他の代替の実施形態による呼吸マスク60の側面図である。図5に示されるように、マスク60は、本体12、開口11、結合装置15、コネクタ端部17、排気ポート20及びヘッドギア19を含む、図4に示されるマスク50の部品として含まれるものと同じ幾つかのコンポーネントを有する。しかしながら、マスク60は、図4に示される鼻支持体14及びリップ支持体16を含まない。更に、図5に示されるように、マスク60は、(図3aに既に示され、本願明細書の他の部分により詳しく記述される)剛性又は半剛性の顎カフ18を有する。図5に示されるように、顎カフ18は、リム22の下部に結合される。本願明細書の他の部分に記述されるように、それに結合される鼻ウィング41を有するブリッジ支持体37は、リム22の上部に結合される。顎カフ18が、(本願明細書の他の部分に記述されるように)ユーザの顎と係合し、ブリッジ支持体37及び鼻ウィング41が、(本願明細書の他の部分に記述されるように)ユーザの鼻と係合する結果として、リム22及びブリッジ支持体37の一部は、付加される快適さのために、ユーザの顔面から或る距離のところに位置付けられる。
【0036】
本発明の好適な実施形態が、上述され説明されているが、これらが、本発明の例示であり、制限するものとして考えられるべきでないことが理解されるべきである。付加、削除、置き換え及び他の変更が、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく行われることができる。従って、本発明は、上述の記述によって制限されるものとして考えられるべきでなく、添付の請求項の範囲によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸インタフェース装置であって、
ユーザの顔面の鼻及び口の領域の一方又は両方を収容するように構造化されたファブリック本体であって、その中に形成された開口を有するファブリック本体と、
前記ファブリック本体から外向きに延びるファブリック接続部材であって、前記開口の周辺部に沿って延在し、前記呼吸インタフェース装置に気体を供給するための結合装置を受け取るように構造化されたファブリック接続部材と、
を有する呼吸インタフェース装置。
【請求項2】
前記ファブリック本体及び前記ファブリック接続部材が、同じファブリック材料で構成されている、請求項1に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項3】
前記ファブリック本体が、第1のファブリック材料で構成され、前記ファブリック接続部材が、第2のファブリック材料で構成され、前記第2のファブリック材料は、前記第1のファブリック材料より剛性である、請求項1に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項4】
前記第1のファブリック材料が、伸縮可能であり、前記第2のファブリック材料が、伸縮可能でなく、通気性がある、請求項3に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項5】
前記ファブリック本体の表面に結合される可撓性のフレームを更に有し、前記可撓性のフレームは、前記開口の周辺部に沿って延在し、そこから外方に延びる、請求項1に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項6】
前記可撓性のフレームは、ヒトデ形状を有する、請求項5に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項7】
前記ファブリック本体、前記ファブリック接続部材及び前記可撓性のフレームが同じ材料で作られている、請求項5に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項8】
前記ファブリック本体及び前記ファブリック接続部材が第1の材料で作られ、前記可撓性のフレームが第2の材料で作られ、前記第2の材料は、前記第1の材料より剛性である、請求項5に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項9】
前記ファブリック本体が第1の材料で作られ、前記ファブリック接続部材及び前記可撓性のフレームが第2の材料で作られ、前記第2の材料は、前記第1の材料より剛性である、請求項5に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項10】
流体シーリング機構が、前記結合装置及び前記ファブリック接続部材の少なくとも1つに結合される、請求項1に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項11】
呼吸インタフェース装置であって、
ユーザの顔面の鼻及び口の領域の一方又は両方を収容するように構造化されたファブリック本体であって、前記ファブリック本体は、その中に形成された開口を有し、前記開口は、前記呼吸インタフェース装置に気体を供給するための結合装置を受け取るように構造化されている、ファブリック本体と、
前記ファブリック本体に結合された少なくとも1つの非ファブリック支持素子と、
を有する呼吸インタフェース装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの非ファブリック支持素子がリムを有し、前記リムは、前記開口の周囲に延在するように構造化され、前記リムは、前記呼吸インタフェース装置に気体を供給するための前記結合装置を受け取るように構造化されている、請求項11に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非ファブリック支持素子が、鼻支持素子を有し、前記鼻支持素子は、ユーザの鼻と係合するように構造化されている、請求項11に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非ファブリック支持素子がリップ支持素子を有し、前記リップ支持素子は、ユーザの口の下でユーザの顔面と係合するように構造化されている、請求項11に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの非ファブリック支持素子が、前記ファブリック本体に結合される非ファブリックブリッジ支持素子を更に有し、
前記ブリッジ支持素子は、前記リムに結合され、前記リムから延びる支持部分を有するとともに、第1の方向に沿ってユーザの鼻柱と係合するように構造化され、
前記ブリッジ支持素子が更に、前記第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に沿ってユーザの鼻柱と係合するための、前記ブリッジ支持部分に結合された鼻ウィング部分を有する、請求項12に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの非ファブリック支持素子が更に、
前記ファブリック本体に結合され、ユーザの鼻と係合するように構造化された非ファブリック鼻支持素子と、
前記ファブリック本体に結合され、ユーザの口の下でユーザの顔面と係合するように構造化された非ファブリックリップ支持素子と、
を有する、請求項12に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項17】
前記リムの厚さは、前記鼻支持素子及び前記リップ支持素子の各々の厚さより小さい、請求項16に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの非ファブリック支持素子が更に、前記ファブリック本体に結合され、ユーザの顔面の顎部分と係合するように構造化された非ファブリック顎支持素子を有する、請求項16に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの非ファブリック支持素子が更に、前記ファブリック本体に結合された非ファブリック顎支持素子を有し、
前記非ファブリック顎支持素子は、ユーザの顔面の顎部分と係合するように構造化され、
前記非ファブリック顎支持素子は、ユーザの顔面から前記リムを隔てるように前記リムと結合される、請求項12に記載の呼吸インタフェース装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの非ファブリック支持素子が更に、前記ファブリック本体に結合されるブリッジ支持素子を有し、
前記ブリッジ支持素子は、前記リムに結合され、前記リムから延び、第1の方向に沿ってユーザの鼻柱と係合するように構造化されたブリッジ支持部分を有し、
前記ブリッジ支持素子は更に、前記ブリッジ支持部分に結合され、前記第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に沿ってユーザの鼻柱と係合する鼻ウィング部分を有する、請求項19に記載の呼吸インタフェース装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−513229(P2012−513229A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541653(P2011−541653)
【出願日】平成21年11月21日(2009.11.21)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055260
【国際公開番号】WO2010/073138
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)