説明

台車式搬送装置

【課題】床側のカムレールで制御される昇降自在な被搬送物支持台を備えた台車を利用する搬送装置において、搬送台車自体の自重を増大させなくとも積載被搬送物の許容最大重量を大きくすることができるようにする。
【解決手段】搬送台車1上に、クロスリンク機構10を介して昇降可能に被搬送物支持台11が支持され、クロスリンク機構10には、その起伏運動と連動して上下動する昇降用カム従動ローラー32が設けられ、搬送台車走行経路中には、昇降用カム従動ローラー32を押し上げるカムレール52が設けられた台車式搬送装置において、前記被搬送物支持台11を上昇方向に付勢する付勢手段45が設けられ、この付勢手段45の付勢力は、被搬送物支持台11に被搬送物が搭載されていないときは被搬送物支持台11を上昇移動させるが、被搬送物が搭載されたときはその荷重による被搬送物支持台11の下降を許す強さに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床側のカムレールで制御される昇降自在な被搬送物支持台を備えた台車式搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の台車式搬送装置、即ち、一定走行経路上を走行可能な搬送台車上に、クロスリンク機構を介して昇降可能に被搬送物支持台が支持され、当該搬送台車の底部には前記クロスリンク機構の起伏運動と連動して上下動する昇降用カム従動ローラーが設けられ、前記搬送台車の走行経路中には、前記昇降用カム従動ローラーを押し上げるカムレールが設けられた台車式搬送装置は、特許文献1などに開示されているように従来周知である。
【特許文献1】特開2006−62805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような構成の台車式搬送装置では、被搬送物が積載された被搬送物支持台が下降限位置より上昇した位置にあるとき、即ち、カムレールによってカム従動ローラーがクロスリンク機構を起立方向に押し上げている状況で、当該被搬送物支持台が所定高さで安定するためには、クロスリンク機構の搬送台車側の支点(非スライドリンク端とスライドリンク端)に作用する上向きの反力(浮力)に搬送台車の自重が勝っていなければならない。換言すれば、被搬送物支持台に積載される被搬送物の重量が大きくなって、クロスリンク機構の搬送台車側の支点に作用する上向きの反力(浮力)が搬送台車の自重より大きくなると、搬送台車自体が浮き上がってクロスリンク機構を倒伏姿勢に変えてしまう。このことから判るように、上記のような構成の台車式搬送装置において、大重量の被搬送物を搬送できるようにするためには、搬送台車自体の重量を十分に大きくしなければならない。又、被搬送物支持台に積載される被搬送物の重量が大きくなると、昇降用カム従動ローラーをカムレールで押し上げ操作するときに当該ローラーに作用する面圧も負荷荷重に対応して大きくなるので、この面圧を抑えるために昇降用カム従動ローラーの直径を大きくする必要があり、搬送台車を低床構造とする場合の弊害となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る台車式搬送装置を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、請求項1に記載の構成では、一定走行経路上を走行可能な搬送台車1上に、クロスリンク機構10を介して昇降可能に被搬送物支持台11が支持され、前記クロスリンク機構10には、その起伏運動と連動して上下動する昇降用カム従動ローラー30a,30b,32が設けられ、前記搬送台車1の走行経路中には、前記昇降用カム従動ローラー30a,30b,32を押し上げる昇降用カムレール50,52が設けられた台車式搬送装置において、前記被搬送物支持台11を上昇方向に付勢する付勢手段45が設けられ、この付勢手段45の付勢力は、被搬送物支持台11に被搬送物が搭載されていないときは当該被搬送物支持台11を上昇移動させるが、この被搬送物支持台11に被搬送物が搭載されたときはその荷重による当該被搬送物支持台11の下降を許す強さに設定されている。
【0005】
上記構成の本発明を実施するについて、具体的には、請求項2に記載のように、前記付勢手段45は、クロスリンク機構10における被搬送物支持台11側のスライドリンク端(共通スライド支点軸19)と当該被搬送物支持台11との間に介装されて当該クロスリンク機構10を起立させる方向に付勢する水平向きのコイルスプリング(圧縮コイルスプリング48)で構成することができる。この場合、請求項3に記載のように、前記クロスリンク機構10は並設された一対のクロスリンク12a,12bで構成し、この一対のクロスリンク12a,12bにおける被搬送物支持台11側のスライドリンク端どうしを連結軸(共通スライド支点軸19)によって互いに連結し、この連結軸には、当該連結軸と直交する水平向きで並列する複数本の引張用軸杆47の一端を連結し、被搬送物支持台11には各引張用軸杆47を軸方向移動自在に支持する支持部材49を設け、この支持部材49と各引張用軸杆47の遊端側バネ受け47bとの間で各引張用軸杆47に外嵌する圧縮コイルスプリング48によりクロスリンク機構10が起立方向に付勢されるように構成することができる。
【0006】
又、請求項2又は3に記載の構成を採用する場合、請求項4に記載のように、前記付勢手段45の付勢力は、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台11が下降限位置にあるときには当該被搬送物支持台11を上昇移動させることができないが、当該被搬送物支持台11が下降限位置から所定高さまで上昇した所定高さ位置にあるときには当該被搬送物支持台11を当該所定高さ位置から上昇限位置まで上昇移動させることができる強さに設定することができるし、場合によっては請求項5に記載のように、前記付勢手段45の付勢力は、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台11を下降限位置から上昇限位置まで上昇移動させることができる強さに設定することもできる。特にこの請求項5に記載の構成を採用する場合、請求項6に記載のように、前記付勢手段は、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台11が下降限位置から所定高さまで上昇した所定高さ位置にあるときに当該被搬送物支持台11を上昇限位置まで上昇移動させる主付勢手段45と、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台11を下降限位置から前記所定高さ位置まで上昇移動させる副付勢手段53とから構成することができる。
【0007】
又、請求項7に記載のように、前記昇降用カム従動ローラー30a,30b,32として、クロスリンク機構10のリンク13a,14aに直接軸支された第一カム従動ローラー30a,30bと、クロスリンク機構10のリンク13b,14bと搬送台車1側との間に介装されたトッグルリンク31の折曲部に軸支された第二カム従動ローラー32とを設け、前記昇降用カムレール50,52には、第一カム従動ローラー30a,30bを介して被搬送物支持台11を中間高さまで押し上げる第一カムレール52と、第二カム従動ローラー32を介して被搬送物支持台11を中間高さから上昇限位置まで押し上げる第二カムレール50を設けることができる。
【0008】
更に、請求項8に記載のように、前記クロスリンク機構10には、被搬送物支持台11が上昇限位置に達したときの起立姿勢でクロスリンク機構10を保持する自動ロック手段39を併設し、この自動ロック手段39には、ロック解除用カム従動ローラー44を設けることができる。
【発明の効果】
【0009】
上記構成の台車式搬送装置によれば、被搬送物を搭載していない空の被搬送物支持台は、付勢手段の付勢力で上昇限位置にあるので、被搬送物の積み込みは、この上昇限位置にある被搬送物支持台に対して行うことになる。このとき被搬送物支持台が荷重で降下するのが不都合な場合には、この被搬送物積み込みゾーンに昇降用カム従動ローラーを介して被搬送物支持台を上昇限位置まで押し上げておくカムレールを敷設するか又は、請求項5に記載の自動ロック手段を採用して、被搬送物支持台を上昇限位置で保持するようにしておけば良い。被搬送物積み込みゾーンから発進して、積載被搬送物に対する部品組み付けなどを行う作業ゾーンを搬送台車が走行するときの被搬送物支持台の高さは、敷設されたカムレールにより昇降用カム従動ローラーを所要高さまで押し上げておくことにより、積載被搬送物に対する作業に好適な高さとすることができる。換言すれば、前記カムレールを敷設していないゾーンでは、被搬送物を積載した被搬送物支持台は、当該被搬送物の荷重が付勢手段の付勢力に打ち勝って下降限位置まで降下し、前記カムレールを敷設しているゾーンでは、そのカムレールによる昇降用カム従動ローラーの押し上げ高さに対応した高さ、上昇限位置又はこれより低い任意の高さ、に押し上げられた状態で走行することになる。
【0010】
而して、請求項1に記載の本発明に係る台車式搬送装置によれば、付勢手段によって被搬送物支持台が上昇方向に付勢されているので、この上向きの付勢力により被搬送物積み込み時の負荷荷重を軽減することができる。従って、この付勢手段を備えていない従来の台車式搬送装置であれば、負荷荷重が大きいためにクロスリンク機構の搬送台車側の支点に作用する上向きの反力(浮力)が搬送台車の自重より大きくなって、搬送台車自体が浮き上がってしまうような場合でも、負荷荷重が軽減されることにより、搬送台車に浮力が作用するのを抑えて確実に被搬送物支持台を所定高さで保持させるか又は所定高さまで上昇させることができる。換言すれば、搬送台車自体を比較的軽量小型に構成しながら、取り扱える被搬送物の最大重量を大きくすることができる。更に、昇降用カム従動ローラーに作用する負荷荷重を軽減させることができるため、当該ローラーにかかる面圧を軽減させ、当該昇降用カム従動ローラーの直径を小さくすることができるので、搬送台車を低床構造に構成するのに好都合となる。
【0011】
尚、請求項2に記載の構成によれば、クロスリンク機構の被搬送物支持台側のスライドリンク端と非スライドリンク端との間の被搬送物支持台下側の水平空間と、十分な長さのコイルスプリングとを利用して、付勢手段を容易に構成することができ、特に請求項3に記載の構成によれば、複数本の圧縮コイルスプリングを利用して、強力な付勢手段を容易に構成することができる。更に、請求項4に記載の構成によれば、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台を下降限位置で安定させることができるので、この台車を導入する場所までにトラックなどで搬送するときなど、被搬送物支持台を下降限位置まで下げておく方が占有空間が小さくなるなどの点で有利な場合に、下降限位置まで被搬送物支持台を適当な方法で下げるだけで良く、付勢手段の付勢力で上昇しようとする被搬送物支持台を下降限位置で固定しておく固定手段を併用しなくとも良い。又、安全のために被搬送物支持台を下降限位置で固定しておく固定手段を併用する場合でも、付勢手段の付勢力で上昇しようとする被搬送物支持台を下降限位置に押さえつけた状態で固定しなければならない場合よりも、固定作業が容易に行える。逆に請求項5に記載の構成によれば、必ず前記固定手段を併用しなければ、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台を下降限位置で安定保持させることはできないが、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台を下降限位置で安定させることができる構成を採用した場合に、下降限位置で安定している状態の被搬送物支持台に何らかの外力が上向きに作用したときに、付勢手段の付勢力で不測に被搬送物支持台が跳ね上がる危険な現象に遭遇する恐れがなくなり、安全性を高めることができる。
【0012】
特に請求項5に記載の構成を採用する場合、請求項6に記載の構成によれば、主付勢手段の付勢力だけでは被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台が下降限位置で安定してしまうように、主付勢手段の付勢力を、取り扱う被搬送物の重量に適合するように小さくすることができ、しかも副付勢手段の付勢力により、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台が下降限位置で安定してしまうのを防止することができるので、請求項5に記載の構成を採用した場合の作用効果も同時に得ることができる。
【0013】
又、請求項7に記載の構成によれば、1つのカム従動ローラーのみで被搬送物支持台を上昇限位置まで押し上げるように構成する場合と比較して、カムレールの高さ(カム従動ローラーの昇降空間の高さ)を抑えることができるので、本発明の効果の一つである、カム従動ローラーを小径に構成できる効果と相まって、搬送台車を低床構造に構成することが一層容易になる。
【0014】
更に、請求項8に記載の構成によれば、カムレールを利用しなくとも被搬送物支持台を上昇限位置にロックできるので、被搬送物の積み込みゾーンや被搬送物支持台を上昇限位置に保持した状態で搬送台車を走行させる作業ゾーンなどにおけるカムレールの敷設を省いてコストダウンを図ると共に、搬送台車の走行抵抗を少なくすることにも役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の具体的実施例を添付図に基づいて説明すると、図1及び図2において、1は搬送台車であって、床面上に敷設された左右一対の支持用ガイドレール2a,2bと、片側のガイドレール2aに接近してこれらガイドレール2a,2bと平行に敷設された1つの姿勢規制用ガイドレール3とで構成される走行経路上を走行する。この搬送台車1を走行させるための走行用駆動手段は特に限定されるものではないが、この実施形態では、図2に仮想線で示すように、搬送台車1の走行方向と平行な一側面で形成された台車全長に及ぶ摩擦駆動面1aに圧接する摩擦駆動輪4と、搬送台車1の走行方向と平行な他側面で形成されたバックアップ面1bに当接して前記摩擦駆動輪4との間で搬送台車1を挟むバックアップローラー5、及び前記摩擦駆動輪4を回転駆動するモーター6から構成された摩擦駆動形式の走行用駆動手段7が走行経路中の適所に配設されている。
【0016】
搬送台車1には、左右一対の支持用ガイドレール2a,2b上を転動する左右一対前後二組の車輪8(ガイドレール2a,2bと係合する鍔部を持たない車輪)と、姿勢規制用ガイドレール3に係合する4つの垂直軸ローラー9a〜9dとが設けられている。この実施形態では、図5にも示されるように、姿勢規制用ガイドレール3は左右一対のレール材3a,3bで構成され、各垂直軸ローラー9a〜9dが左右一対のレール材3a,3b間に遊嵌する構成が採用されているが、1本の垂直板状のレール材を左右一対の垂直軸ローラーで挟む構成でも良い。何れにしても、図5に示されるように4つの垂直軸ローラー9a〜9dは、搬送台車1の底面より下方に突出しているが、走行経路側の搬送台車支持レベルL、即ち、左右一対の支持用ガイドレール2a,2bの車輪支持面と同一レベルの搬送台車支持レベルLよりも上方に位置しており、前後両端の垂直軸ローラー9a,9dが搬送台車1の前後両端に位置する状態で略等間隔おきに配置されている。
【0017】
搬送台車1上には、略中央位置にクロスリンク機構10を介して昇降自在に支持された被搬送物支持台11が設けられている。以下、図3〜図6に基づいて詳細に説明すると、クロスリンク機構10は、走行方向と平行な2つのクロスリンク12a,12bを被搬送物支持台11の下側左右両側に並列配置して構成したものである。
【0018】
クロスリンク機構10が備える左右一対のクロスリンク12a,12bは、中央交叉部が互いに同心状の中央支点軸15で枢着された2本のリンク13a,13b及び14a,14bから成り、各2本のリンク13a〜14bの内、内側になる両リンク13a,14aの前端部は、搬送台車1側の支持フレーム16上に設けられた左右一対の軸受け部材17に互いに同心状の位置固定支点軸18により上下揺動自在に枢着され、当該両リンク13a,14aの後端部は、共通スライド支点軸19によって連結されると共に、当該共通スライド支点軸19の両端に軸支されたローラー20が、被搬送物支持台11の後端部下側に設けられた左右一対の前後方向スライドガイド21に前後方向に転動可能に嵌合されている。各2本のリンク13a〜14bの内、外側になる両リンク13b,14bの前端部は、被搬送物支持台11の前端部下側で前記左右一対の軸受け部材17の真上位置に設けられた左右一対の軸受け部材22に互いに同心状の位置固定支点軸23により上下揺動自在に枢着され、当該両リンク13b,14bの後端部は、共通スライド支点軸24によって連結されると共に、当該共通スライド支点軸24の両端に支承されたローラー25が、搬送台車1側の支持フレーム16上で前記前後方向スライドガイド21の真下位置に設けられた左右一対の前後方向スライドガイド26に前後方向に転動可能に嵌合されている。
【0019】
クロスリンク機構10には、昇降用カム従動ローラーとして、左右一対の第一カム従動ローラー30a,30bと1つの第二カム従動ローラー32とが組み込まれている。第一カム従動ローラー30a,30bは、左右一対のクロスリンク12a,12bを構成する各2本のリンク13a〜14bの内、両内側リンク13a,14aから下向きに連設された突出部29a,29bの下端に互いに同心状に軸支されている。前記突出部29a,29bは、両内側リンク13a,14aの中央支点軸15に近い位置から下方に向けて連設されたもので、図7に示すように被搬送物支持台11が下降限位置にあるとき、カム従動ローラー30a,30bが搬送台車1から下方に突出するように構成されている。
【0020】
第二カム従動ローラー32は、クロスリンク機構10に併設されたトッグルリンク31に軸支されている。即ち、トッグルリンク31は、長いリンク33と短いリンク34とを中間折曲支点軸35で互いに連結して構成されたもので、各リンク33,34はそれぞれ左右一対のリンク単体から構成され、第二カム従動ローラー32は、内側になる長いリンク33のリンク単体間で前記中間折曲支点軸35により軸支されている。このトッグルリンク31は、左右一対のクロスリンク12a,12b間のほぼ中央に配置されたもので、長いリンク33の遊端は、クロスリンク12a,12bを構成する両内側リンク13a,14aの中央支点軸15より少し共通スライド支点軸19寄りの位置で当該両内側リンク13a,14a間に左右水平向きに架設された軸状の架設部材(支軸部材)36によって枢着されている。短いリンク34の遊端は、搬送台車1側の支持フレーム16上に付設された軸受け部材37に、クロスリンク12a,12bの中央支点軸15の下方に位置する支軸38によって枢着されている。
【0021】
又、上記のクロスリンク機構10には、上昇限位置まで上昇した被搬送物支持台11をロックする自動ロック手段39が併設されている。この自動ロック手段39は、クロスリンク12a,12bを構成する外側の両リンク13b,14b間に架設された前記共通スライド支点軸24を被係止部40とし、この被係止部40に対して自動係合する左右一対の係止具41を備えたものである。各係止具41は、左右一対の第一カム従動ローラー30a,30bと1つの第二カム従動ローラー32との中間に位置するように、第二カム従動ローラー32に対して左右振り分け状態に配置された同一構造のもので、それぞれは、搬送台車1側の支持フレーム16上に設けられた軸受け部材42に互いに同心状の左右水平向きの支軸43により上下揺動自在に軸支され、各係止具41が支軸43から水平後方向きに延出するロック作用位置に重力で保持されている。又、各係止具41には、下向きにアーム部41aが一体に連設され、このアーム部41aの下端に互いに同心状の左右水平支軸を介してロック解除用カム従動ローラー44が軸支されている。このロック解除用カム従動ローラー44は、係止具41がロック作用位置にあるとき、搬送台車1の底面よりも下方で、前記搬送台車支持レベルLよりも上方位置に位置している。
【0022】
被搬送物支持台11は、付勢手段45により上昇方向に付勢されている。この付勢手段45は、図4〜図6に示すように、被搬送物支持台11の下側空間内に水平向きで左右横方向に適当間隔おきに並列配置された複数の付勢ユニット46から構成されている。各付勢ユニット46は、引張用軸杆47とこれに外嵌された圧縮コイルスプリング48とから成るもので、各引張用軸杆47は、被搬送物支持台11が図4に示す上昇限位置にあるときの共通スライド支点軸19に隣接する位置で被搬送物支持台11の下側に当該共通スライド支点軸19と平行に固着突設された支持部材49を、共通スライド支点軸19に対し直角向きで水平に軸方向移動自在に貫通し、その一端は、共通スライド支点軸19にその軸心の周りに回転自在に外嵌する回転体47aに固着連結され、その他端側には、軸方向位置調整可能なバネ受け47bが設けられている。而して、各圧縮コイルスプリング48は前記支持部材49とバネ受け47bとの間で引張用軸杆47に外嵌され、各圧縮コイルスプリング48の初期圧縮応力が引張用軸杆47を介して共通スライド支点軸19を、被搬送物支持台11を上昇させる方向(位置固定支点軸23に接近する方向)に移動させるように構成されている。
【0023】
上記のように付勢手段45の組み込みにより被搬送物支持台11が上昇方向に付勢されるが、その付勢力は、被搬送物を積載していない空の被搬送物支持台11を図4に示す上昇限位置、即ち、自動ロック手段39の係止具41がクロスリンク機構10における搬送台車1側(支持フレーム16側)の共通スライド支点軸24の被係止部40を係止する位置、まで押し上げることはできるが、当該上昇限位置の被搬送物支持台11上に被搬送物(作業ゾーンでの被搬送物に対する作業により被搬送物の重量が変化するときは、最少重量の状態での被搬送物)が積載されたときには、被搬送物支持台11に作用する負荷荷重により被搬送物支持台11が付勢手段45の付勢力に抗して降下する程度に設定されている。
【0024】
以上の構成によれば、被搬送物支持台11上に被搬送物が積載されていないときは、図4に示すように当該被搬送物支持台11は、付勢手段45の付勢力で起立するクロスリンク機構10により上昇限位置まで押し上げられている。このとき、クロスリンク機構10における支持フレーム16側の共通スライド支点軸24が水平に位置固定支点軸18側へスライドするが、被搬送物支持台11が上昇限位置に達する直前に当該共通スライド支点軸24の被係止部40が自動ロック手段39の係止具41を重力に抗して押し上げながら通過し、被搬送物支持台11が上昇限位置に達したとき、前記係止具41が下向きに復帰揺動して共通スライド支点軸24の被係止部40に自動係合することになる。即ち、被搬送物支持台11は上昇限位置で自動ロックされていることになる。この状態では、図4及び図5に示すように、左右一対の第一カム従動ローラー30a,30bは搬送台車1の底面より少し上方の位置まで上がっており、1つの第二カム従動ローラー32は、搬送台車1の底面より少し下方に突出する位置であるが、前記搬送台車支持レベルLよりも上方の位置まで上がっている。
【0025】
上記のように被搬送物支持台11が上昇限位置でロックされた状態の搬送台車1が走行経路中に設定された作業ゾーンの入り口に到着したとき、上昇限位置にある被搬送物支持台11上に被搬送物を積載する。このとき被搬送物支持台11が被搬送物の重量で降下することは、自動ロック手段39の係止具41で阻止されている。上昇限位置の被搬送物支持台11上に被搬送物が積載された搬送台車1を作業ゾーン内に進入させ、当該積載被搬送物に対する所定の作業を実行することになるが、作業内容に応じて被搬送物のレベルを上昇限位置から下げる必要があるときは、図5の仮想線及び図7に示すように、上昇位置にある第二カム従動ローラー32を受けることができるカムレール、換言すれば被搬送物支持台11を上昇限位置まで押し上げることができる高さのセンターカムレール50と、このセンターカムレール50が第二カム従動ローラー32を支持し得る状態において自動ロック手段39のカム従動ローラー44を押し上げるロック解除用カムレール51を走行経路床側に敷設しておく。
【0026】
搬送台車1の走行に伴って、先ず上昇位置にある第二カム従動ローラー32がセンターカムレール50の上側に移行し、この後、自動ロック手段39のロック解除用カム従動ローラー44がロック解除用カムレール51に乗り上げて係止具41が重力に抗してロック作用位置から上方に押し上げられ、係止具41がクロスリンク機構10の支持フレーム16側の共通スライド支点軸24(被係止部40)から上方に離脱して、上昇限位置にある被搬送物支持台11に対するロックが解除される。この瞬間から第二カム従動ローラー32は直下のセンターカムレール50により略同一レベルで支持されるので、被搬送物支持台11は実質的に上昇限位置に保持されたままであるが、この後の搬送台車1の走行に伴って第二カム従動ローラー32がセンターカムレール50の下り勾配部50a(図7、図8参照)に移行することにより、被搬送物支持台11は負荷荷重によりクロスリンク機構10を倒伏姿勢に押し下げながら平行に降下することになる。
【0027】
上記の被搬送物支持台11の降下に伴ってクロスリンク機構10における左右一対のクロスリンク12a,12bは、中央支点軸15の周りで相対的に回転して起立姿勢から水平姿勢に向かって倒伏することになるが、センターカムレール50の下り勾配部50aによる被搬送物支持台11の降下限度は、クロスリンク12a,12bの倒伏運動に伴って姿勢が変化するトッグルリンク31の短いリンク34が垂直姿勢となったときである。このとき、第二カム従動ローラー32の降下量が最大になり、走行経路の床面に最接近し、センターカムレール50の下り勾配部50aの終端から離れることになる。一方、クロスリンク12a,12bの倒伏運動に伴って、左右一対の第一カム従動ローラー30a,30bも降下し、搬送台車1の底面から下方に突出することになる。従って、第二カム従動ローラー32がセンターカムレール50の下り勾配部50aの終端から離れる前に、図8に示すように、搬送台車1の底面から下方に突出した左右一対の第一カム従動ローラー30a,30bを受けることができる左右一対のサイドカムレール52を走行経路床面上に敷設しておき、左右一対の第一カム従動ローラー30a,30bを介してサイドカムレール52で被搬送物支持台11を支持させるように構成する。
【0028】
而して、搬送台車1の走行に伴って、左右一対の第一カム従動ローラー30a,30bがサイドカムレール52の下り勾配部52a(図8参照)に移行することにより、被搬送物支持台11は負荷荷重によりクロスリンク機構10を更に倒伏姿勢に押し下げながら平行に降下することになる。そして被搬送物支持台11が図9に示す下降限位置に達したとき、第一カム従動ローラー30a,30bがサイドカムレール52の下り勾配部52aの終端から離れることになり、下降限位置に達した被搬送物支持台11は、搬送台車1側に設けられた受け部(図示省略)で支持される。このとき、トッグルリンク31の短いリンク34が垂直姿勢から若干前方に揺動した姿勢となって、第二カム従動ローラー32は走行経路床面に最接近した位置より若干上がっており、左右一対の第一カム従動ローラー30a,30bは搬送台車1の底面から最も下方に突出した位置、即ち、走行経路床面に最接近した位置にある。このときの各カム従動ローラー30a,30b,32の位置は、前記搬送台車支持レベルLよりも下方の位置である。
【0029】
上記説明から明らかなように、搬送台車1が作業ゾーン内を走行するのに伴って、被搬送物を積載した被搬送物支持台11を図4に示す上昇限位置から図9に示す下降限位置まで下げることができるが、所定区間だけ、センターカムレール50によって被搬送物支持台11を上昇限位置に保持して走行させること、サイドカムレール52により被搬送物支持台11を図8に示す中間高さ位置に保持して走行させること、或いはカムレールを敷設しないで被搬送物支持台11を下降限位置に保持して走行させること、ができる。又、センターカムレール50やサイドカムレール52の高さを下げて、所定区間だけ、被搬送物支持台11を上昇限位置と前記中間高さ位置との間の任意の高さ、或いは前記中間高さ位置と下降限位置との間の任意の高さに保持して走行させることも可能である。更に、上記とは逆に、上昇限位置より下げられている被搬送物支持台11を上げたいとき、そのときの被搬送物支持台11の高さが下降限位置であるときは、図9に仮想線で示すように、サイドカムレール52の上り勾配部52bにより第一カム従動ローラー30a,30bを介してクロスリンク機構10を起立させて被搬送物支持台11を例えば中間高さ位置まで押し上げ、そのときの被搬送物支持台11の高さが中間高さ位置であるときは、図4に仮想線で示すように、センターカムレール50の上り勾配部50bにより第二カム従動ローラー32を介してクロスリンク機構10を更に起立させて被搬送物支持台11を例えば上昇限位置まで押し上げれば良い。
【0030】
以上のようにして、作業ゾーン内を走行する搬送台車1の被搬送物支持台11を、積載被搬送物に対する作業に好適な任意の高さに昇降させることができるのであるが、被搬送物支持台11が下降限位置より上方の位置にあって、第一カム従動ローラー30a,30bがサイドカムレール52で支持されている状態又は、第二カム従動ローラー32がセンターカムレール50で支持されている状態にあるとき、クロスリンク機構10におけるクロスリンク12a,12bの搬送台車1側(支持フレーム16側)の位置固定支点軸18及び共通スライド支点軸24には、被搬送物支持台11からクロスリンク機構10に作用する負荷荷重の反力である上向きの力、即ち、浮力が作用している。この浮力が搬送台車1の自重より大きい場合、即ち、積載被搬送物の重量が大きくなって位置固定支点軸18及び共通スライド支点軸24に上向きに作用する反力が搬送台車1の自重より大きくなると搬送台車1自体が浮上し、カムレール50,52で被搬送物支持台11を所定高さに保持させることや所定高さまで押し上げることができなくなる。
【0031】
しかしながら、付勢手段45を備えた上記本発明の構成によれば、積載被搬送物の重量がクロスリンク機構10に与える負荷荷重を当該付勢手段45の上向きの付勢力が減じることになるので、この付勢手段45がなければ上記理由により搬送台車1が浮き上がるような大重量の被搬送物が被搬送物支持台11に積載されたとしても、付勢手段45の付勢力で搬送台車1の浮き上がりを抑制し、被搬送物支持台11を確実に所定高さに保持させ、或いは所定高さまで確実に押し上げることができるのである。勿論、作業ゾーンの入り口で被搬送物支持台11に積載されるときの被搬送物の重量が搬送台車1の浮き上がりを生じさせることのない程度に小さくとも、作業ゾーンでの被搬送物に対する部品組み込み作業により被搬送物の重量が漸増して、ある地点で搬送台車1の浮き上がりを生じさせる重量に達するような状況においても、付勢手段45が有効に作用する。
【0032】
尚、上記実施形態に示した付勢手段45の付勢力を、被搬送物を搭載していない被搬送物支持台11を下降限位置から上昇限位置まで押し上げることができる程度に大きくして、被搬送物を搭載していない被搬送物支持台11を下降限位置で安定させることができないように構成することもできるが、この場合、下降限位置からある程度の高さまで上昇した後に被搬送物支持台11に作用する上向きの付勢力が非常に大きくなる。従って、取り扱う被搬送物の最大重量が比較的軽い場合で、上昇限位置にある被搬送物支持台11に被搬送物を搭載したときに、当該被搬送物の重量で被搬送物支持台11を降下させることができない恐れが生じる。従って、このような場合には付勢手段45の付勢力を小さくする必要が生じ、このため被搬送物を搭載していない被搬送物支持台11が下降限位置又はその付近にあるときには、付勢手段45の付勢力では当該被搬送物支持台11を上昇限位置まで押し上げることができなくなる。換言すれば、被搬送物を搭載していない被搬送物支持台11を下降限位置で安定させることができる。
【0033】
上記のように付勢手段45の付勢力を小さくして、被搬送物を搭載していない被搬送物支持台11を下降限位置で安定させることができるように構成した場合には、当該付勢手段45を主たる付勢手段とし、これに、被搬送物を搭載していない被搬送物支持台11を下降限位置から、主付勢手段45の付勢力で当該被搬送物支持台11が押し上げられる高さ、即ち、下降限位置から所定高さまで上昇した所定高さ位置まで押し上げるための副付勢手段を付加し、これら主付勢手段45と副付勢手段とで本発明の付勢手段を構成することもできる。
【0034】
図10及び図11は、副付勢手段53を組み合わせた実施形態を示している。この副付勢手段53は、支持フレーム16側の適当箇所、例えば図6に仮想線で副付勢手段53を示すように、被搬送物支持台11の周囲4箇所に対応する支持フレーム16上に配設することができるものであって、支持フレーム16上に取り付けられたバネ受け部材54、このバネ受け部材54を一定範囲内で垂直昇降自在に貫通するロッド55、このロッド55の上端に取り付けられた当接盤56、当該当接盤56とバネ受け部材54との間でロッド55に遊嵌された圧縮コイルバネ57、及び被搬送物支持台11の下側に前記当接盤56に対面するように取り付けられた当接部材58から構成されている。又、この実施形態では、被搬送物支持台11が下降限位置まで降下したとき、前記当接部材58を介して被搬送物支持台11を受け止めるストッパーボルト59を各バネ受け部材54に取り付けている。
【0035】
上記の副付勢手段53は、被搬送物が搭載された被搬送物支持台11が下降限位置から少し上の所定高さ位置から下降限位置まで降下する過程において、被搬送物支持台11側の各当接部材58が支持フレーム16側の各圧縮コイルバネ57を当接盤56を介して圧縮するように構成されているが、このときの各圧縮コイルバネ57の圧縮反力は、被搬送物支持台11側の各当接部材58が支持フレーム16側の各ストッパーボルト59で受け止められる下降限位置にあって被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台11を、主付勢手段である前記付勢手段45の付勢力が当該被搬送物支持台11を引き続いて押し上げることができる高さ、即ち、下降限位置から所定高さまで上昇して各圧縮コイルバネ57が伸長限に達する高さよりも若干低い所定高さ位置まで押し上げることができる強さとなるように構成されている。
【0036】
従って、主付勢手段である前記付勢手段45だけでは、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台11を下降限位置から上昇移動させることができないが、副付勢手段53の付勢力で当該被搬送物支持台11を下降限位置から前記所定高さ位置まで押し上げるので、引き続いて主付勢手段である前記付勢手段45の付勢力が当該被搬送物支持台11を前記所定高さ位置から上昇限位置まで押し上げさせることができる。この構成によれば、主付勢手段である前記付勢手段45の付勢力をむやみに大きくしなくとも、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台11を確実に下降限位置から上昇限位置まで上昇移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】搬送台車の全体構成を説明する概略の一部縦断側面図である。
【図2】搬送台車の全体構成を説明する概略の平面図である。
【図3】被搬送物支持台が上昇限位置にあるときのクロスリンク機構を示す横断平面図である。
【図4】被搬送物支持台が上昇限位置にあるときの要部を示す縦断側面図である。
【図5】被搬送物支持台が上昇限位置にあるときの要部を示す縦断背面図である。
【図6】被搬送物支持台が上昇限位置にあるときの付勢手段を示す横断平面図である。
【図7】被搬送物支持台を上昇限位置から降下させる直前の状態を示す要部の縦断側面図である。
【図8】被搬送物支持台を中間高さ位置から更に降下させる直前の状態を示す要部の縦断側面図である。
【図9】被搬送物支持台が下降限位置にあるときの状態を示す要部の縦断側面図である。
【図10】副付勢手段を採用した実施形態を示す要部の縦断側面図である。
【図11】同上実施形態における副付勢手段を示す図であって、A図は被搬送物支持台が下降限位置に達する前の状態を示す縦断側面図、B図は被搬送物支持台が下降限位置に達した状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 搬送台車
2a,2b ガイドレール
3 姿勢規制用ガイドレール
4 摩擦駆動輪
5 バックアップローラー
8 車輪
9a〜9d 垂直軸ローラー
10 クロスリンク機構
11 被搬送物支持台
12a,12b クロスリンク
13a〜14b リンク
16 支持フレーム
17,22 軸受け部材
18,23 位置固定支点軸
19,24 共通スライド支点軸
20,25 ローラー
21,26 前後方向スライドガイド
30a,30b (昇降用)第一カム従動ローラー
31 トッグルリンク
32 (昇降用)第二カム従動ローラー
39 自動ロック手段
40 被係止部
41 係止具
44 ロック解除用カム従動ローラー
45 付勢手段
46 付勢ユニット
47 引張用軸杆
48 圧縮コイルスプリング
50 センターカムレール(昇降用第二カムレール)
51 ロック解除用カムレール
52 サイドカムレール(昇降用第一カムレール)
53 副付勢手段
54 バネ受け部材
55 ロッド
56 当接盤
57 圧縮コイルバネ
58 当接部材
59 ストッパーボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定走行経路上を走行可能な搬送台車上に、クロスリンク機構を介して昇降可能に被搬送物支持台が支持され、前記クロスリンク機構には、その起伏運動と連動して上下動する昇降用カム従動ローラーが設けられ、前記搬送台車の走行経路中には、前記昇降用カム従動ローラーを押し上げる昇降用カムレールが設けられた台車式搬送装置において、前記被搬送物支持台を上昇方向に付勢する付勢手段が設けられ、この付勢手段の付勢力は、被搬送物支持台に被搬送物が搭載されていないときは当該被搬送物支持台を上昇移動させるが、この被搬送物支持台に被搬送物が搭載されたときはその荷重による当該被搬送物支持台の下降を許す強さに設定されている、台車式搬送装置。
【請求項2】
前記付勢手段は、クロスリンク機構における被搬送物支持台側のスライドリンク端と当該被搬送物支持台との間に介装されて当該クロスリンク機構を起立させる方向に付勢する水平向きのコイルスプリングで構成されている、請求項1に記載の台車式搬送装置。
【請求項3】
前記クロスリンク機構は並設された一対のクロスリンクを備え、この一対のクロスリンクにおける被搬送物支持台側のスライドリンク端どうしが連結軸によって互いに連結され、この連結軸には、当該連結軸と直交する水平向きで並列する複数本の引張用軸杆の一端が連結され、被搬送物支持台には各引張用軸杆を軸方向移動自在に支持する支持部材が設けられ、この支持部材と各引張用軸杆の遊端側バネ受けとの間で各引張用軸杆に外嵌する圧縮コイルスプリングによりクロスリンク機構が起立方向に付勢されるように構成された、請求項2に記載の台車式搬送装置。
【請求項4】
前記付勢手段の付勢力は、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台が下降限位置にあるときには当該被搬送物支持台を上昇移動させることができないが、当該被搬送物支持台が下降限位置から所定高さまで上昇したときには当該被搬送物支持台を当該所定高さ位置から上昇限位置まで上昇移動させることができる強さに設定されている、請求項2又は3に記載の台車式搬送装置。
【請求項5】
前記付勢手段の付勢力は、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台を下降限位置から上昇限位置まで上昇移動させることができる強さに設定されている、請求項2又は3に記載の台車式搬送装置。
【請求項6】
前記付勢手段は、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台が下降限位置から所定高さまで上昇した所定高さ位置にあるときに当該被搬送物支持台を上昇限位置まで上昇移動させる主付勢手段と、被搬送物が搭載されていない被搬送物支持台を下降限位置から前記所定高さ位置まで上昇移動させる副付勢手段とから構成されている、請求項5に記載の台車式搬送装置。
【請求項7】
前記昇降用カム従動ローラーは、クロスリンク機構のリンクに直接軸支された第一カム従動ローラーと、クロスリンク機構のリンクと搬送台車側との間に介装されたトッグルリンクの折曲部に軸支された第二カム従動ローラーとを備え、前記昇降用カムレールには、第一カム従動ローラーを介して被搬送物支持台を中間高さまで押し上げる第一カムレールと、第二カム従動ローラーを介して被搬送物支持台を中間高さから上昇限位置まで押し上げる第二カムレールとを備えている、請求項1〜6の何れか1項に記載の台車式搬送装置。
【請求項8】
前記クロスリンク機構には、被搬送物支持台が上昇限位置に達したときの起立姿勢でクロスリンク機構を保持する自動ロック手段が併設され、この自動ロック手段には、ロック解除用カム従動ローラーが設けられている、請求項1〜7の何れか1項に記載の台車式搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−184267(P2008−184267A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18646(P2007−18646)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)