説明

各台対応装置および景品数表示方法

【課題】遊技者が保持している遊技媒体と交換可能な特殊景品数を、遊技者が直感的に把握できるようになる各台対応装置を提供する。
【解決手段】景品数算出部80bは、持玉データと、パチンコ玉の貸出レートと、交換率と、最小特殊景品の単価とに基づいて、持玉データに対応する数のパチンコ玉と交換可能な最小特殊景品数(景品数)を算出する。表示モード切替制御部80cは、表示切替ボタン76の押下に基づいて表示モードを切り替えるとともに、LEDランプ78,79をオンオフ制御する。表示制御部80dは、表示モードが持玉表示モードである場合には、メモリ部87に記憶されている持玉データを持玉表示部77に表示させる。一方、表示モードが景品数表示モードである場合には、表示制御部80dは、メモリ部87に記憶されている景品数データを持玉表示部77に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各遊技機に1対1対応で設けられる各台対応装置および景品数表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技施設には、パチンコ機等の遊技機が設置されている。各遊技機に対して、1対1対応で各台計数装置などの各台対応装置が設けられている場合がある(たとえば、下記特許文献1参照)。各台計数装置においては、対応する遊技機において遊技者が獲得したパチンコ玉が計数されるとともに、その計数結果が表示される。計数結果は、持玉データとして各台計数装置の記憶部に記憶される。なお、同じ遊技機において同じ遊技者が遊技を継続して行っている場合において、複数回にわたってパチンコ玉の計数が行われた場合には、その都度、計数値が持玉データに加算されることにより、持玉データが更新される。また、持玉払出操作が遊技者によって行なわれた場合には、パチンコ玉の払い出しが行なわれるとともに、払い出されたパチンコ玉に相当する数が持玉データから減算されることにより、持玉データが更新される。遊技者が遊技終了操作を行うと、その時点での持玉データが記録媒体(会員カードまたは一般カード)に関連付けられた後、当該記録媒体が返却される。また、各台計数装置の記憶部に記憶されている持玉データが零にされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-229112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の各台計数装置では、遊技者は、自己が獲得しているパチンコ玉数を把握することはできるが、獲得しているパチンコ玉と交換可能な特殊景品数を直感的に把握することはできない。特に、パチンコ玉の貸出レートが複数種類存在するようになり、特殊景品への交換率も複数種類存在するようになったため、交換可能な特殊景品の数を把握しにくくなってきている。
【0005】
この発明は、遊技者が保持している遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を、遊技者が直感的に把握できるようになる各台対応装置および景品数表示方法を提供することを目的とする。
また、この発明は、遊技媒体との交換によって遊技者が取得できる特殊景品数を増加させるための目安を遊技者に提示することができる各台対応装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、各遊技機(4)に1対1対応で設けられる各台対応装置(5,5A,5C)であって、遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する計数手段(71)と、前記計数手段による計数値に基づいて、前記遊技者が保持している遊技媒体の数を表す持玉データを生成する持玉データ生成手段(80a)と、前記持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を算出する景品数算出手段(80b)と、前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数を表示するための表示制御手段(80d)とを含む、各台対応装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
【0007】
遊技者が獲得した遊技媒体の数が計数手段によって計数されると、その計数値に基づいて当該遊技者が保持している遊技媒体の数を表す持玉データが生成される。一方、景品数算出手段によって、持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数が算出される。表示制御手段によって、景品数算出手段によって算出された特殊景品数を表示させることができる。これにより、遊技者が保持している遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を、遊技者が直感的に把握できるようになる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、持玉データの全部または一部に相当する数の遊技媒体を払い出すための持玉払出手段(82)をさらに含み 、前記持玉データ生成手段は、前記計数手段による計数が行われるときに計数値を持玉データに加算することにより、持玉データを更新させる手段と、前記持玉払出手段によって遊技媒体が払い出されたときに払い出された遊技媒体数を持玉データから減算することにより、持玉データを更新させる手段とを含む、請求項1に記載の各台対応装置である。この構成では、計数手段による計数が行われるときに計数値が持玉データに加算されることにより、持玉データが更新される。一方、持玉払出手段によって遊技媒体が払い出されたときに払い出された遊技媒体数が持玉データから減算されることにより、持玉データが更新される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記表示制御手段は、持玉データの増減にともなって、表示する特殊景品数を増減させる、請求項2に記載の各台対応装置である。この構成では、持玉データの増減にともなって、表示する特殊景品数が増減する。
請求項4に記載の発明は、前記景品数算出手段は、前記持玉データと、遊技媒体の貸出レートと、遊技媒体を前記特殊景品へ交換する際の交換率と、前記特殊景品の単価とに基づいて、前記持玉データによって交換可能な特殊景品数を算出する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の各台対応装置である。この構成では、持玉データと、遊技媒体の貸出レートと、遊技媒体を特殊景品へ交換する際の交換率と、特殊景品の単価とに基づいて、持玉データによって交換可能な特殊景品数が算出される。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記表示制御手段は、前記持玉データと前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数とを切り替えて表示する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の各台対応装置である。この構成では、持玉データと特殊景品数とが切り替えて表示される。
請求項6に記載の発明は、前記表示制御手段は、前記持玉データと前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数との両方を同時に表示する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の各台対応装置である。この構成では、持玉データと特殊景品数との両方が同時に表示される。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記表示制御手段は、特殊景品数を表示する際には、前記持玉データの全てを前記特殊景品に交換しようとした際に発生すると予想される端数を表示する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の各台対応装置である。この構成では、特殊景品数が表示される際には、持玉データの全てを特殊景品に交換しようとした際に発生すると予想される端数が表示される。これにより、持玉データの全てを特殊景品に交換しようとした際に発生すると予想される端数を、遊技者が直感的に把握できるようになる。
【0012】
請求項8に記載の発明は、前記表示制御手段は、前記計数手段によって遊技媒体が計数されている途中において、特殊景品数を表示する際には、その時点での持玉データに対応する特殊景品数を表示する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の各台対応装置である。この構成では、遊技媒体が計数されている途中において、特殊景品数を表示する際には、その時点での持玉データに対応する特殊景品数が表示される。
【0013】
請求項9に記載の発明は、各遊技機(4)に1対1対応で設けられる各台対応装置(5B,5C)であって、遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する計数手段(71)と、前記計数手段による計数値に基づいて、前記遊技者が保持している遊技媒体数の数を表す持玉データを生成する持玉データ生成手段(180a)と、前記持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を算出する景品数算出手段(180b)と、前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数より1つ多い数に相当する特殊景品と交換するために最低限必要な遊技媒体数を、景品数増加用目標数として算出する景品数増加用目標数算出手段(180d)と、前記持玉データと前記景品数増加用目標数とを表示するための表示制御手段(180e)とを含む、各台対応装置である。
【0014】
遊技者が獲得した遊技媒体の数が計数手段によって計数されると、その計数値に基づいて当該遊技者が保持している遊技媒体の数を表す持玉データが生成される。一方、持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数が、景品数算出手段によって算出される。また、景品数算出手段によって算出された特殊景品数より1つ多い数に相当する特殊景品と交換するために最低限必要な遊技媒体数が、景品数増加用目標数算出手段によって、景品数増加用目標数として算出される。そして、持玉データと景品数増加用目標数とが、表示制御手段によって表示される。
【0015】
景品数増加用目標数まで持玉数を増加させると交換可能な特殊景品の数が1つ増加するので、表示された景品数増加用目標数は、遊技者にとって、特殊景品を1つ多く獲得するための目標数(目安)となる。つまり、この構成では、遊技媒体との交換によって遊技者が取得できる特殊景品数を増加させるための目安を遊技者に提示することができる。これにより、遊技者は遊技を行いやすくなる。また、遊技者は、表示された景品数増加用目標数と現在の持玉数との差を考慮して、遊技を継続するか終了するかを判断することもできる。
【0016】
請求項10に記載の発明は、前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数に相当する特殊景品と交換するために最低限必要な遊技媒体数を、景品数維持用目標数として算出する景品数維持用目標数算出手段(180c)をさらに含み、前記表示制御手段は、前記持玉データと前記景品数増加用目標数と前記景品数維持用目標数とを表示する、請求項9に記載の各台対応装置である。
【0017】
景品数算出手段によって算出された特殊景品数に相当する特殊景品と交換するために最低限必要な遊技媒体数が、景品数維持用目標数算出手段によって、景品数維持用目標数として算出される。表示制御手段によって、持玉データと景品数増加用目標数と景品数維持用目標数とが表示される。現在の持玉数から景品数維持用目標数まで持玉数を減らしても交換可能な特殊景品の数は変わらないので、表示された景品数維持用目標数は、遊技者にとって、持玉数を減らす際の目安となる。つまり、この構成では、遊技者が獲得できる特殊景品数を維持するための目安を遊技者に提示することができる。これにより、遊技者は、遊技を行ないやすくなる。また、遊技者は、表示された景品数維持用目標数と現在の持玉数との差を考慮して、遊技を継続するか終了するかを判断することもできる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する第1ステップと、前記第1ステップによる計数値に基づいて、前記遊技者が保持している遊技媒体の数を表す持玉データを生成する第2ステップと、前記持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を算出する第3ステップと、前記第3ステップによって算出された特殊景品数を表示する第4ステップとを含む、景品数表示方法である。
【0019】
遊技者が獲得した遊技媒体の数が計数されると、その計数値に基づいて当該遊技者が保持している遊技媒体の数を表す持玉データが生成される。そして、持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数が算出され、算出された特殊景品数が表示される。これにより、遊技者が保持している遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を、遊技者が直感的に把握できるようになる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1〜8,11に記載の発明によれば、遊技者が保持している遊技媒体と交換可能な特殊景品数を、遊技者が直感的に把握できるようになる。
請求項9または10に記載の発明によれば、遊技媒体との交換によって遊技者が取得できる特殊景品数を増加させるための目安を遊技者に提示することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る各台計数装置を備えた管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】遊技機および端末装置の外観を示す正面図である。
【図3】端末装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】データ管理テーブルの内容の一例を示す模式図である。
【図6】持玉表示部の表示例を示す模式図である。
【図7】景品数表示モードが選択されている場合に、計数動作中において持玉表示部に表示されている景品数が変化することを説明するための説明図である。
【図8】端末装置とてしてモニタ付き端末装置が用いられる場合において、モニタの表示例を示す正面図である。
【図9】この発明の第2の実施形態に係る各台計数装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】持玉表示部の表示例を示す模式図である。
【図11】端末装置の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。まず、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る各台計数装置(各台対応装置に相当)を備えた管理システムの構成を示している。
遊技施設には、島毎に、複数の遊技機(この例では、パチンコ台)4が設置されている。また、島毎に、1つの島コントローラ3が設けられている。島内の各遊技機4には、各台計数装置(以下、「端末装置」という)5がそれぞれ設けられている。つまり、各端末装置5は、遊技機4と1対1対応している。島内の各端末装置5は、その島に対応して設けられた島コントローラ3とバス10を介して、管理装置(ターミナルコントローラ(T/C))1および会員サーバ(会員管理装置)2に接続されている。バス10には、さらに、精算機6、景品管理機7およびカード処理機8が接続されている。景品管理機7とカード処理機8とは、景品カウンタ上に隣接して設けられており、互いに接続されている。
【0023】
管理装置1は、遊技者に対して発行されるプリペイドカードの有価価値の残高(以下、「プリペイド価値」という)および持玉データの管理等を行う。会員サーバ2は、会員データおよび貯玉データを管理する。プリペイドカード(以下、単に「カード」という)の種類には、会員に対して発行される会員カードと、会員カードを所持していない遊技者のために発行される一般カードとがある。
【0024】
「持玉データ」とは、遊技者が当日に獲得したパチンコ玉のうちの一部または全部を、現物として所有するのではなく数値データとしてカードに関連付けて所有する場合の、数値データをいう。一般カードに関連付けられている持玉データは、当日のみ有効であり、その日の営業が終了した時点で効力を失う。これに対して、会員カードに関連付けられている持玉データは、そのデータが発生した日の営業が終了した時点で、持玉データとしての効力は失うが、「貯玉データ」として会員カードに関連付けられる。なお、貯玉データは、本実施形態の特徴には関係しないので、貯玉データに関する詳細な説明は省略する。
【0025】
この実施形態では、一般カードには、カードID、プリペイド価値、持玉データなどのデータが記録される。また、会員カードには、会員ID、プリペイド価値、持玉データなどのデータが記録される。カードに記録されているデータを総称して、カードデータという場合がある。
各端末装置5は、現金、プリペイドカード(会員カード,一般カード)を利用したパチンコ玉の貸出を行う機能、持玉の払出を行なう機能、貯玉に基づくパチンコ玉の貸出を行う機能(貯玉再プレイ機能)、遊技者が獲得したパチンコ玉の計数を行う機能(各台計数機能)等を備えている。
【0026】
精算機6は、会員カード、一般カードに関連付けられているプリペイド価値を現金に精算するものである。つまり、精算機6は、遊技者が所持するカードに関連付けられているプリペイド価値を現金化するものである。景品管理機7およびカード処理機8は、一般カードに関連付けられている持玉データまたは会員カードに関連付けられている持玉データまたは貯玉データを、景品に交換するためのものである。なお、景品には、通常景品と、所定の金銭価値を有する特殊景品とがある。特殊景品には、たとえば、100円、1000円、5000円といった金銭価値に応じた3つの種類が存在する。遊技者は、持玉データ等を特殊景品と交換した場合には、当該特殊景品を遊技施設外に設置された景品交換所に持参し、景品交換所にて、特殊景品に相当する価値で買い取ってもらう。
【0027】
図2は、遊技機4および端末装置5の外観を示している。
端末装置5は、遊技機4の左側において遊技機4の左側面に沿って配置された縦長の台間カード処理部51と、台間カード処理部51の下端部に一体的に設けられた各台計数部52とからなる。通常、複数の遊技機4が横方向に並んで設置されているので、端末装置5の台間カード処理部51は、隣り合う2つの遊技機の間に配置されていることが多い。
【0028】
遊技機4の内部には、貸玉や賞球を払い出すための玉払出機構41が設けられている。遊技機の前面には、遊技機4に打ち出すためのパチンコ玉を一時的に貯留するための上皿42および下皿43が設けられている。上皿42のパチンコ玉が一杯になると、パチンコ玉が下皿43に流れてくるようになっている。上皿42の前面には、パチンコ玉貸出指令(以下、単に「貸出指令」という)を入力するための貸出ボタン44、カード返却指令を入力するためのカード返却ボタン45およびカードのプリペイド価値を表示するためのプリペイド価値表示部46が設けられている。
【0029】
台間カード処理部51の前面には、状態表示部61、紙幣挿入部62、リモコン受光部63、表示部64、操作部65、玉払出用ノズル66、カード挿入/返却部67などが設けられている。台間カード処理部51の内部には、紙幣挿入部62から挿入された紙幣を鑑別して取り込むための紙幣識別部81(図3参照)、玉払出用ノズル66を介して遊技機4の上皿42に、パチンコ玉を供給するための玉払出部82(図3参照)、カードからデータを読み取ったり、カードにデータを書き込んだりするためのカードリード/ライタ部(カードR/W部)83(図3参照)などが設けられている。状態表示部61は、端末装置5の運転状態を表示するものである。
【0030】
各台計数部52は、台間カード処理部51の下端部に一体的に形成されかつ内部に計数部71を有する計数部本体72と、下皿43の下方に配置された玉受け皿73と、玉受け皿73内のパチンコ玉を計数部本体72内の計数部71に送るための玉通路74とを備えている。玉受け皿73の前面には、持玉払出ボタン75と、表示切替ボタン76と、持玉表示部77と、2つのLEDランプ78,79とが設けられている。
【0031】
持玉払出ボタン75は、持玉払出指令を入力するためのボタンである。表示切替ボタン76は、持玉表示部77に対する表示モードを切り替えるためのボタンである。持玉表示部77には、表示切替ボタン76によって選択されている表示モードに対応した内容が表示される。具体的には、持玉表示部77には、持玉データや、持玉データに相当するパチンコ玉と交換可能な特殊景品数などが表示される。LEDランプ78,79は、表示切替ボタン76によって選択されている表示モードを明示するためのランプである。なお、下皿43の底面にはシャッタ(図示略)が設けられており、このシャッタを開放することにより、下皿43に貯留されているパチンコ玉を、玉受け皿73に送り込むことができるようになっている。
【0032】
図3は、端末装置5の電気的構成を示している。
端末装置5は、制御部80によって制御される。制御部80は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。制御部80には、状態表示部61、紙幣識別部81、リモコン受光部63、表示部64、操作部65、玉払出部82、カードR/W部83、上位通信I/F部84、台I/F部85、遊技機通信I/F部86、メモリ部87、各台計数部52、電源部88などが接続されている。各台計数部52は、計数部71、持玉払出ボタン75、表示切替ボタン76、持玉表示部77およびLEDランプ78,79を含んでいる。
【0033】
操作部65には、テンキー(図示略)、再プレイボタン等の操作ボタンが設けられている。カードR/W部83には、複数枚の一般カードが収納されている。上位通信I/F部84は、島コントローラ3を介して管理装置1、会員サーバ2等と通信するためのインタフェースであり、島コントローラ3に接続されている。台I/F部85は、遊技機4の貸出ボタン44、返却ボタン45およびプリペイド価値表示部46を、制御部80に接続するためのインタフェースであり、これらのボタン44,45および表示部46に接続されている。遊技機通信I/F部86は、遊技機4と通信を行うためのインタフェースであり、遊技機4の制御部が接続されている。メモリ部87は、作業用メモリとして用いられる。電源部88は、入力電力から端末装置5の各部に必要とされる出力電力を生成する。
【0034】
図4は、管理装置1の電気的構成を示している。
管理装置1は、制御部90によって制御される。制御部90は、CPUおよびそのプログラムなどを記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。制御部90には、不揮発性メモリ部91、電源部92、下位通信I/F部93、メモリ部94などが接続されている。
【0035】
不揮発性メモリ部91は、たとえば、書き換え可能な不揮発性メモリからなる。不揮発性メモリ部91には、データ管理テーブル91aなどが設けられている。データ管理テーブル91aには、図5に示すように、一般カードのカードIDまたは会員カードの会員IDに関連付けて、プリペイド価値データと持玉データとが記憶される。
図4に戻り、電源部92は、入力電力から管理装置1の各部に必要とされる出力電力を生成する。メモリ部94は、作業用メモリとして用いられる。下位通信I/F部93は、島コントローラ3を介して各端末装置5と通信したり、精算機6、景品管理機7、カード処理機8等と通信したりするためのインタフェースである。図示していないが、制御部90には、会員サーバ2と通信するためのインタフェースが接続されている。
【0036】
遊技者が遊技機4で遊技を行なう際の端末装置5の基本的な動作について、説明する。まず、現金(紙幣)に基づいて玉貸が行なわれる場合の、端末装置4の基本的な動作について説明する。端末装置5の紙幣挿入口62に紙幣が投入されると、挿入された紙幣の金額に相当する度数(プリペイド価値)が遊技機4のプリペイド価値表示器46に表示される。また、カードR/W部83内に収納されている一般カードのうちの1枚のカードIDが仮発行され(この時点では、当該一般カードからカードIDが読み取られるだけで、当該カードは排出されない)、当該カードIDに関連して、プリペイド価値(この場合は挿入された紙幣の金額に相当する値)が、メモリ部87に一時的に記憶されるとともに、管理装置1に送信される。管理装置1は、データ管理テーブル91aに、受信したカードIDに関連付けて、受信したプリペイド価値を記憶する。このとき、プリペイド価値は、カードIDに関連付けられるとともに、当該端末装置5に関連付けられることになる。
【0037】
遊技機4の貸出ボタン44が押下されると、遊技機4側の玉払出機構41から、1回分の貸玉払出数に相当するパチンコ玉(貸玉)が、上皿42に払い出される。たとえば、5度数に相当する125個のパチンコ玉が払い出される。これにより、前記プリペイド価値が減算される。つまり、仮発行されたカードIDに関連付けられているプリペイド価値(メモリ部87上のプリペイド価値および管理装置1側で管理しているプリペイド価値)が更新される。遊技者は、より多くの貸玉の払出を受けたい場合には、再度、貸出ボタン44を押下すればよい。
【0038】
なお、仮発行されたカードIDに関連してメモリ部87に記憶されている持玉データは、後述するように、端末装置5の計数部71によって計数処理が行なわれる場合および持玉払出指令に基づいて端末装置5により遊技機4にパチンコ玉が払い出された場合には、更新(加算または減算)される。
遊技終了時に、遊技者が遊技機4のカード返却ボタン45を押下すると、仮発行されたカードIDに関連してメモリ部87に記憶されている持玉データが、当該カードIDとともに、管理装置1に送られる。管理装置1は、データ管理テーブル91aに、受信した持玉データを、受信したカードIDに関連付けて記憶する。また、端末装置5側では、端末装置5の内部にストックされておりかつ前述の仮発行されたカードIDが記録された一般カードに、メモリ部87上のプリペイド価値および持玉データが記録された後、当該一般カードが発行(返却)される。また、メモリ部87上のプリペイド価値および持玉データが消去される。
【0039】
遊技者は、他の遊技機4に台移動した後、この一般カードを挿入して、プリペイド価値に基づく貸玉の払出や持玉データに基づく持玉の払出を受けることが可能である。また、遊技者は、遊技施設に設置された精算機6において、一般カードに関連付けられたプリペイド価値を精算することができる。さらに、遊技者は、遊技施設内の景品カウンタに設置された景品管理機7およびカード処理機8を従業員を介して利用することにより、一般カードに関連付けられた持玉データの一部または全部を、景品に交換することができる。持玉データの一部または全部を、景品に交換した場合には、当該カードに関連付けられている持玉データ(管理装置1側で管理されている持玉データおよびカードに記録されている持玉データ)が更新される。つまり、持玉データの値は、景品交換に使用された分だけ、減少する。
【0040】
なお、会員カードについても、同様に、精算機6において、会員カードに関連付けられたプリペイド価値を精算することができる。また、景品管理機7およびカード処理機8において、会員カードに関連付けられた持玉データまたは貯玉データの一部または全部を、景品に交換することができる。
端末装置5に一般カードまたは会員カードが挿入され、挿入されたカードに関連付けられているプリペイド価値に基づいて玉貸が行なわれる場合の、端末装置5の基本的な動作について説明する。端末装置5のカード挿入/返却口67に一般カードまたは会員カードが挿入されると、カードIDまたは会員IDを含むカードデータが読み取られる。端末装置5は、当該カードIDまたは会員IDを管理装置1に送信する。
【0041】
管理装置1は、端末装置5から受信したカードIDまたは会員IDに対応するプリペイド価値データおよび持玉データを、データ管理テーブル91aから検索して、端末装置5に送信する。端末装置5は、管理装置1から送信されてきたプリペイド価値データおよび持玉データを、当該カードIDまたは会員IDに関連してメモリ部87に一時的に記憶する。このとき、カードIDまたは会員IDに関連付けられているプリペイド価値データおよび持玉データは、当該端末装置5にも関連付けられることになる。また、端末装置5は、取得したプリペイド価値に対応する度数を遊技機4のプリペイド価値表示器46に表示させる。そして、遊技機4の貸出ボタン44が押下されると、遊技機4側の玉払出機構41から、1回分の貸玉払出数に相当するパチンコ玉(貸玉)が、上皿42に払い出される。また、プリペイド価値が減算される。つまり、遊技者によって挿入されたカードに関連付けられているプリペイド価値(メモリ部87上のプリペイド価値および管理装置1側で管理しているプリペイド価値)が更新される。
【0042】
なお、当該カードIDに関連してメモリ部87に記憶された持玉データは、後述するように、端末装置5の計数部71によって計数処理が行なわれる場合および持玉払出指令に基づいて端末装置5により遊技機4に持玉が払い出された場合には、更新される。
遊技終了時に、遊技者が遊技機4のカード返却ボタン45を押下すると、メモリ部87に記憶されている持玉データが、対応するカードIDまたは会員IDとともに、管理装置1に送られる。管理装置1は、データ管理テーブル91a内の受信したカードIDまたは会員IDに対応する持玉データを、受信した持玉データに書き換える。また、端末装置5側では、遊技者により挿入されているカードにメモリ部87上のプリペイド価値および持玉データが記録された後、当該カードが返却される。ただし、挿入されたカードが一般カードであって、プリペイド価値および持玉データとも零である場合には、当該カードは収納され、再利用される。また、メモリ部87上のプリペイド価値および持玉データが消去される。
【0043】
遊技者が獲得したパチンコ玉を計数部71によって計数させる場合の端末装置5の基本的な動作について説明する。遊技者が下皿43の底面のシャッタを開放すると、下皿43に貯留されているパチンコ玉が、玉受け皿73に送り込まれる。玉受け皿73に送り込まれたパチンコ玉は、玉通路74を通って計数部71に送られる。計数部71に送られてきたパチンコ玉の数が計数部71によって計数される。計数動作中においては、計数開始前にメモリ部87に記憶されている持玉データに、その時点での計数値が加算された値が演算されることにより、持玉データが更新される。そして、更新された持玉データが持玉表示部77に表示される。つまり、計数動作中においては、持玉表示部77に表示される持玉データが変化する。なお、後述するように、持玉表示部77に、持玉データに対応する数のパチンコ玉と交換可能な特殊景品数を表示させることも可能である。ここでいう特殊景品数は、金銭価値(単価)が最も低い特殊景品(この例では金銭価値が100円の特殊景品)の数である。以下において、金銭価値が最も低い特殊景品を「最小特殊景品」という場合がある。
【0044】
持玉払出ボタン75が押下された場合の端末装置5の基本的な動作について説明する。持玉払出ボタン75が押下されると、端末装置5は、カードIDまたは会員IDに関連してメモリ部87に記憶されている持玉データが所定数以上あれば、持玉払出単位に相当する所定個数のパチンコ玉を払い出し、持玉データが所定数未満であれば持玉データに相当する数のパチンコ玉を払い出す。端末装置5は、カードIDまたは会員IDに関連してメモリ部87に記憶されている持玉データを更新する。
【0045】
具体的には、端末装置5は、カードIDまたは会員IDに関連してメモリ部87に一時的に記憶されている持玉データから、払出されたパチンコ玉の数(持玉払出数)を減算することにより、メモリ部87上の持玉データを更新する。
以下、持玉表示部77の表示に関連する端末装置5の動作について詳しく説明する。持玉表示部77に対する表示モードには、持玉表示モードと、景品数表示モードとがある。持玉表示モードとは、持玉表示部77に持玉データを表示する表示モードである。景品数表示モードとは、現在の持玉データに相当する数のパチンコ玉と交換可能な最小特殊景品の数を、持玉表示部77に表示する表示モードである。なお、デフォルトの表示モードとしては、持玉表示モードが設定される。
【0046】
表示モードの切り替えは、遊技者が表示切替ボタン76を操作することによって行なわれる。つまり、表示モードが持玉表示モードであるときに、表示切替ボタン76が押下されると、表示モードが景品数表示モードに切り替わる。また、表示モードが景品数表示モードであるときに、表示切替ボタン76が押下されると、表示モードが持玉表示モードに切り替わる。なお現在選択されている表示モードは、メモリ部83に記憶される。
【0047】
図6に示すように、一方のLEDランプ78の横には「持玉数」という文字が記されており、他方のLEDランプ79の横には「景品数」という文字が記されている。一方のLEDランプ78は、表示モードが持玉表示モードのときに点灯状態となる。他方のLEDランプ79は、表示モードが景品数表示モードのときに点灯状態となる。
端末装置5の制御部80は、制御部80内のメモリに格納された所定の動作プログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。図3に示すように、この複数の機能処理部には、前述のように持玉データを生成してメモリ部87に記憶させる持玉データ生成部80aと、メモリ部87に記憶されている持玉データに対応する数のパチンコ玉と交換可能な最小特殊景品数を算出してメモリ部87に記憶するための景品数算出部80bと、表示切替ボタン76の押下に基づいて表示モードを切り替えるとともに、LEDランプ78,79をオンオフ制御するための表示モード切替制御部80cと、持玉表示部77に対して表示モードに応じた表示を行うための表示制御部80dとが含まれる。
【0048】
景品数算出部80bは、持玉データと、パチンコ玉の貸出レート[円](玉1個当たりの貸出金額である)と、交換率[%](パチンコ玉を特殊景品に交換するときのレート)と、最小特殊景品の単価(金銭価値)[円]とに基づいて、持玉データに対応する数のパチンコ玉と交換可能な最小特殊景品数(景品数)を算出する。具体的には、「交換単位玉数」を、最小特殊景品と交換するのに必要なパチンコ玉数と定義すると、景品数算出部80bは、次式(1)に基づいて、持玉データに対応する数のパチンコ玉と交換可能な最小特殊景品数を算出する。そして、景品数算出部80bは、算出した最小特殊景品数をメモリ部87に記憶する。
【0049】
[持玉データ]÷[交換単位玉数]=[景品数]…[端玉数]
[交換単位玉数]=[最小特殊景品の単価]÷([貸出レート]×[交換率]/100)
…(1)
まず、通常レートの場合を例にとって説明する。たとえば、最小特殊景品の単価が100円、貸出レートが4円、交換率が100%(等価交換)とすると、交換単位玉数は、100÷(4×100/100)=25となる。持玉データが”5862”である場合には、それを交換単位玉数の”25“で割ると、5862÷25=234…12となる。したがって、この場合には、景品数は234個となり、端玉数は12個となる。
【0050】
低レートの場合の例について説明する。最小特殊景品の単価が100円、貸出レートが1円、交換率が50%とすると、交換単位玉数は、100÷(1×50/100)=200となる。持玉データが”5862”である場合には、それを交換単位玉数の”200“で割ると、5862÷200=29…62となる。したがって、この場合には、景品数は29個となり、端玉数は62個となる。なお、貸出レートや交換率は開店処理時に管理装置1から端末装置5に送信され、端末装置5のメモリ部87に記憶される。
【0051】
表示制御部80dは、表示モードが持玉表示モードである場合には、メモリ部87に記憶されている持玉データを持玉表示部77に表示させる。一方、表示モードが景品数表示モードである場合には、表示制御部80dは、メモリ部87に記憶されている景品数データを持玉表示部77に表示させる。
図6(a),(b)は、持玉データが”5862”であり、景品数が”234”である場合の表示例を示している。表示モードが持玉表示モードである場合には、図6(a)に示すように、持玉表示モードであることを示すLEDランプ78が点灯されるとともに、持玉表示部77に持玉データが表示される。一方、表示モードが景品数表示モードである場合には、図6(b)に示すように、景品数表示モードであることを示すLEDランプ79が点灯されるとともに、持玉表示部77に景品数データが表示される。LEDランプ78,79のオンオフ制御は、表示モード切換制御部80cによって行われる。
【0052】
図6(a)に示されるように持玉表示部77に持玉データが表示されているときに表示切替ボタン76が押下されると、持玉表示部77の表示内容が図6(b)に示されるような景品数表示に変化する。図6(b)に示されているように持玉表示部77に景品数が表示されているときに表示切替ボタン76が押下されると、持玉表示部77の表示内容が図6(a)に示されるような持玉データ表示に変化する。したがって、遊技者は、現在の持玉と交換可能な最小特殊景品数を直感的に把握することが可能となる。
【0053】
前述したように、計数部71によるパチンコ玉の計数動作中および持玉払出処理実行時においては、持玉データが刻々と変化(増加あるいは減少)する。景品数算出部80bは、計数動作中においても、所定時間間隔で景品数を算出する。したがって、計数動作中および持玉払出処理実行時においては、景品数データも変化するので、表示モードが景品数表示モードである場合には持玉表示部77に表示される景品数データも変化(増加あるいは減少)する。
【0054】
たとえば、上述した通常レートの場合を例にとると、計数動作に伴う持玉データの変化と景品数データとの関係は図7に示すようになる。したがって、表示モードが景品数表示モードである場合には、持玉データが5849個から5850個に変化すると、持玉表示部77に表示されている景品数データが233個から234個に変化する。この後、持玉データが5875個に達するまでは、持玉表示部77に表示されている景品数データは変化しない。持玉データが5874個から5875個に変化すると、持玉表示部77に表示されている景品数データが234個から235個に変化(増加)する。一方、持玉払出処理が行なわれて、持玉データが5862個から5849個に変化すると、持玉表示部77に表示されている景品数データが234個から233個に変化(減少)する。
【0055】
上記実施形態では、表示切替ボタン76が押下されることによって、持玉表示モードと景品数表示モードとの間で表示モードが切替えられているが、所定の条件が成立したときには、表示モードをデフォルトの持玉表示モードに設定するようにしてもよい。所定の条件が成立したときとは、たとえば、遊技機4のカード返却ボタン45が押下された後(またはカードが返却された後若しくはメモリ部87に記憶されているプリペイド価値および持玉データがクリアされた後)、端末装置5に対してなんら操作が行なわれることなく一定時間が経過したとき、閉店処理が行なわれたとき、開店処理が行なわれたときなどである。
【0056】
また、上記実施形態では、表示切替ボタン76が押下されることによって、持玉表示モードと景品数表示モードとの間で表示モードが切換えられているが、一定時間毎に、持玉表示モードと景品数表示モードとの間で表示モードを自動的に切り替えるようにしてもよい。
また、表示モードが持玉表示モードである場合に表示切替ボタン76を短押し(たとえば、2秒未満の押下)すると、表示モードが景品数表示モードに切り替わるが、所定時間経過後に表示モードが持玉表示モードに自動的に戻り、表示モードが持玉表示モードである場合に表示切替ボタン76を長押し(たとえば、2秒以上の押下)すると、表示モードが景品数表示モードに切り替わり、自動的には持玉表示モードに戻らないようにしてもよい。ただし、表示モードが景品数表示モードである場合に表示切替ボタン76を押下すれば、表示モードが持玉表示モードに切り替わる。
【0057】
また、持玉データと景品数データの両方を同時に表示するようにしてもよい。この場合には、表示モードを切り替えるための表示切替ボタン76や表示モード切換制御部80cは不要である。また、景品数を表示する代わりに、図6(c)に示すように、景品数に相当する景品が買い取られた場合の金額を表示するようにしてもよい。
また、景品数を表示する際に、図6(d)に示すように、端玉数を合わせて表示するようにしてもよい。図6(d)の例では、持玉表示部77に表示されている数値”234”が景品数を表しており、数値”12”が端玉数を表している。また、図6(d)に示すとともに図3に破線で示すように、玉受け皿73に前記持玉払出ボタン75、表示切替ボタン76の他に、端玉数に相当する数のパチンコ玉を払い出すための端数払出ボタン75aをさらに設けてもよい。この端数払出ボタン75aを遊技者が押下すると、端玉数に相当する数のパチンコ玉が玉払出部82によって払い出される。この場合には、持玉データから今回払い出されたパチンコ玉数が減算されることにより、持玉データが更新される。端数払出ボタン75aの押下によって端玉数に相当する数のパチンコ玉が払い出された後に、遊技者がカード返却ボタン45を押下すれば、特殊景品に交換した際に端数が発生しないような持玉データが関連付けられたカードが返却される。したがって、このカードを用いて、持玉データの全てを特殊景品に交換すると、端数玉は発生しない。そうすると、端数玉を一般景品に交換するための取引が不要となるから、景品交換のための取引時間を短縮できる。
【0058】
なお、通常のカード返却ボタン45の他に、特殊景品に交換した際に端数が発生しないような持玉データがカードに関連付けられて返却されるように、ピッタリカード返却ボタン(図示略)を遊技機4または端末装置5に設けてもよい。このピッタリカード返却ボタンを遊技者が押下すると、端玉数に相当する数のパチンコ玉が玉払出部82によって払い出されるとともに、持玉データから払い出されたパチンコ玉数が減算されることにより持玉データが更新され、更新後の持玉データがカードに関連連付けられて返却される。
【0059】
端末装置5の代わりに、図8に示すように、前述した持玉表示部77に比べて大型のモニタ110が備えられた端末装置5Aを用いてもよい。このようなモニタ付き端末装置5Aを用いる場合には、モニタ110に持玉データや景品数データを表示してもよい。モニタ110としては、たとえば、タッチパネル付きの液晶表示器が用いられている。このようなモニタ110の表示モードには、たとえば、端末装置5Aの操作案内等を表示する標準モードと、テレビ放送を表示するテレビ表示モードと、持玉データ等を表示する計数表示モードとがある。これらの表示モードの切り替えは、モニタ110に表示されているタブを押下することによって行われる。計数表示モードにおいては、図8に示すように、モニタ110には、持玉データ(持玉数)と、持玉データに対応する数のパチンコ玉と交換可能な最小特殊景品数(景品数)と、端数(端玉数)と、端玉返却ボタン111とが表示される。遊技者が端玉返却ボタン111を押下すると、端玉数に相当する数のパチンコ玉が玉払出部82によって払い出される。この場合、持玉データから今回払い出されたパチンコ玉数が減算されることにより、持玉データが更新される。
【0060】
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、持玉表示部に表示される表示内容が第1の実施形態と異なっている。図9は、第2の実施形態に係る各台計数装置(端末装置)5Bの電気的構成を示している 。図9において、図3と同じものには、同じ符号を付してある。
この実施形態では、各台計数部52には、計数部71と、持玉表示部177とが含まれている。この実施形態では、持玉表示部177として、タッチパネル付きの液晶表示器が用いられている。
【0061】
端末装置5Bの制御部180は、機能処理部として、第1の実施形態と同様に、持玉データを生成してメモリ部87に記憶するための持玉データ生成部180aと、メモリ部87に記憶されている持玉データに対応する数のパチンコ玉と交換可能な最小特殊景品数を算出してメモリ部87に記憶するための景品数算出部180bとを備えている。さらに、制御部180は、機能処理部として、景品数維持用目標数算出部180cと、景品数増加用目標数算出部180dと、表示制御部180eとを備えている。
【0062】
景品数算出部180bは、前述したように、次式(2)に基づいて、持玉データに対応する数のパチンコ玉と交換可能な最小特殊景品数を算出して、メモリ部87に記憶する。
[持玉データ]÷[交換単位玉数]=[景品数]…[端玉数]
[交換単位玉数]=[最小特殊景品の単価]÷([貸出レート]×[交換率]/100)
…(2)
たとえば、最小特殊景品の単価が100円、貸出レートが4円、交換率が100%(等価交換)とすると、交換単位玉数は、100÷(4×100/100)=25となる。持玉データが”5862”である場合には、それを交換単位玉数の”25“で割ると、5862÷25=234…12となる。したがって、この場合には、景品数は234個となり、端玉数は12個となる。
【0063】
景品数維持用目標数算出部180cは、景品数算出部180bによって算出された景品数に相当する特殊景品と交換するのに最低限必要なパチンコ玉数を、景品数維持用目標数として算出する。具体的には、景品数維持用目標数算出部180cは、次式(3)に基づいて、景品数維持用目標数を算出する。
[景品数維持用目標数]=[景品数]×[交換単位玉数]…(3)
上記の例では、景品数が234個であり、交換単位玉数が25個であるので、景品数維持用目標数は5850個となる。
【0064】
景品数増加用目標数算出部180dは、景品数算出部180bによって算出された景品数より1つ多い景品数に相当する特殊景品と交換するのに最低限必要なパチンコ玉数を、景品数増加用目標数として算出する。具体的には、景品数増加用目標数算出部180dは、次式(4)に基づいて、景品数増加目標数を算出する。
[景品数増加用目標数]=[景品数+1]×[交換単位玉数]…(4)
上記の例では、景品数が234個であり、交換単位玉数が25個であるので、景品数増加用目標数は5875個となる。
【0065】
表示制御部180eは、持玉データと、景品数維持用目標数と、景品数増加用目標数とを含むデータを持玉表示部177に表示する。図10は、表示制御部180eによって持玉表示部177に表示される表示画面例を示している。この例では、持玉データ表示部177の表示画面には、持玉データ表示部121と、景品数維持用目標数表示部122と、景品数増加用目標数表示部123と、持玉払出ボタン124とが表示される。持玉払出ボタン124は、第1の実施形態における持玉払出ボタン75(図2および図3参照)に相当するものであり、持玉データに基づいてパチンコ玉の払出を受ける際に押下される。
【0066】
持玉データ表示部121には現在の持玉数(持玉データ)”5862”が表示され、景品数維持用目標数表示部122には景品数維持用目標数”5850”が表示され、景品数増加用目標数表示部123には景品数増加用目標数”5875”が表示される。持玉表示部121に表示される現在の持玉数によって、遊技者は現在の持玉数を把握することができる。現在の持玉数から景品数維持用目標数まで持玉数を減らしても交換可能な最小特殊景品数が変わらないので、景品数維持用目標数表示部102に表示される景品数維持用目標数は、遊技者にとって、持玉数を減らす際の目安となる。現在の持玉数を景品数増加用目標数まで増加させると交換可能な最小特殊景品数が1つ増加するので、景品数増加用目標数表示部103に表示される景品数増加用目標数は、遊技者にとって、持玉と交換できる特殊景品数を増加させるための目安となる。
【0067】
このように、現在の持玉数、景品数維持用目標数および景品数増加用目標数が表示されるので、遊技者は、遊技を行ないやすくなる。また、遊技者は、景品数維持用目標数と現在の持玉数との差や、景品数増加用目標数と現在の持玉数との差を考慮して、遊技を継続するか終了するかを判断することもできる。
持玉数が5862個から増加して5875個を超えると交換可能な最小特殊景品数が1つ増加するので、景品数維持用目標数表示部102に表示される景品数維持用目標数および景品数増加用目標数は、それぞれ、交換単位玉数(25個)に相当する数だけ増加する。一方、持玉払出処理が行なわれて持玉数が5862個から減少して5849個より少なくなると交換可能な最小特殊景品数が1つ減少するので、景品数維持用目標数表示部102に表示される景品数維持用目標数および景品数増加用目標数は、それぞれ、交換単位玉数(25個)に相当する数だけ減少する。
【0068】
なお、景品数増加用目標数の代わりに、現在の持玉数と景品数増加用目標数との差(景品数増加用目標数−現在の持玉数)を表示するようにしてもよい。上記例では、現在の持玉数と景品数増加用目標数との差は、5875−5862=13となる。つまり、持玉数を13個増加させると、交換可能な最小特殊景品数が1つ増加することになる。
前述した第1の実施形態または第2の実施形態における端末装置5,5A,5Bの代わりに、図11に示されているような2つのユニットから構成される端末装置5Cを用いてもよい。この端末装置5Cは、カード処理ユニット200と計数ユニット300とから構成されている。カード処理ユニット200は、現金やプリペイドカードを受け付けて、パチンコ玉の貸出しを行う機能を備えている。一方、計数ユニット300は、遊技者が獲得したパチンコ玉を計数する機能、持玉データを生成してメモリ部に記憶する機能、持玉データ等を表示する機能などを備えている。
【0069】
カード処理ユニット200は正面から見て縦長矩形であり、その前面に状態表示部201、紙幣挿入部202、表示部203、操作部204およびカード挿入/返却部205が設けられている。状態表示部201は、カード処理ユニット200の状態を表示する。紙幣挿入部202、表示部203、操作部204およびカード挿入/返却部205は、それぞれ、図2の紙幣挿入部62、表示部64、操作部65およびカード挿入/返却部67に対応している。
【0070】
計数ユニット300は正面から見てL形であり、その垂直部の前面に状態表示部301、カード返却ボタン302、玉払出用ノズル303および持玉カード挿入/返却部304が設けられ、その水平部の前面に持玉表示部305および玉返却ボタン306が設けられている。計数ユニット300の内部には、遊技者が獲得したパチンコ玉を計数するための計数部(図示略)が設けられている。状態表示部301は、計数ユニット300の状態を表示する。持玉カード挿入/返却部304は、持玉データが関連付けられた持玉カードを挿入したり、返却したりするためのものである。カード返却ボタン302は、持玉カードを返却するためのボタンである。玉払出用ノズル303、持玉表示部305および玉返却ボタン306は、それぞれ、図2の玉払出用ノズル64、持玉表示部77および持玉払出ボタン75に対応している。
【0071】
玉返却ボタン306が押下されると、計数ユニット300のメモリ部内の持玉データが所定数以上あれば、持玉払出単位に相当する所定個数のパチンコ玉が玉払出用ノズル303から払い出され、持玉データが所定数未満であれば持玉データに相当する数のパチンコ玉が玉払出用ノズル303から払い出される。玉返却ボタン306の押下によってパチンコ玉が払い出された場合には、メモリ部に記憶されている持玉データが更新される。つまり、払い出されたパチンコ玉の数だけ、持玉データが減少する。なお、計数部によってパチンコ玉が計数される際には、メモリ部に記憶されている持玉データが更新される。つまり、計数値に応じて、持玉データが増加する。
【0072】
カード返却ボタン302が押下されると、持玉データが所定の閾値以上であれば、持玉データが関連付けられた持玉データが持玉カード挿入/返却部304から返却される。持玉データが所定の閾値未満であれば、持玉カードは返却されずに、持玉データに相当する数のパチンコ玉が玉払出用ノズル303から払い出される。
図11に示すような端末装置5Cを前述した第1の実施形態に適用する場合には、計数ユニット300に、図2および図3に示されているような表示切替ボタン75,LEDランプ78,79を設けるとともに、計数ユニット300の制御部(図示略)に、図3に示されている持玉データ生成部80a、景品数算出部80b、表示モード切替制御部80cおよび表示制御部80dにそれぞれ対応する機能処理部を設ければよい。そうすると、前記第1の実施形態で説明したように、持玉表示部305に持玉データや、持玉データに相当する数のパチンコ玉によって交換可能な最小特殊景品数を表示させることができる。
【0073】
図11に示すような端末装置5Cを前述した第2の実施形態に適用する場合には、持玉表示部305として図9および図10に示されているような持玉表示部177(タッチパネル付きの表示器)を用いるとともに、計数ユニット300の制御部(図示略)に、図9に示されている持玉データ生成部180a、景品数算出部180b、景品数維持用目標数算出部180c、景品数増加用目標数算出部180dおよび表示制御部180eにそれぞれ対応する機能処理部を設ければよい。そうすると、前記第2の実施形態で説明したように、持玉表示部305に持玉データ、景品数維持用目標数および景品数増加用目標数を表示させることができる。
【0074】
なお、この発明は、前述した実施形態では、プリペイド価値データおよび持玉データは管理装置(T/C)1で管理され、会員データおよび持玉データは会員サーバ2で管理されているが、これらのデータを単一の管理装置で管理するようにしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0075】
4 遊技機
5,5A,5B,5C 端末装置
71 計数部
77,177 持玉表示部
80,180 制御部
80a,180a 持玉データ生成部
80b,180b 景品数算出部
80b,180e 表示制御部
82 玉払出部
180c 景品数維持用目標数算出手段
180d 景品数増加用目標数算出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各遊技機に1対1対応で設けられる各台対応装置であって、
遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する計数手段と、
前記計数手段による計数値に基づいて、前記遊技者が保持している遊技媒体の数を表す持玉データを生成する持玉データ生成手段と、
前記持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を算出する景品数算出手段と、
前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数を表示するための表示制御手段とを含む、各台対応装置。
【請求項2】
持玉データの全部または一部に相当する数の遊技媒体を払い出すための持玉払出手段をさらに含み 、
前記持玉データ生成手段は、
前記計数手段による計数が行われるときに計数値を持玉データに加算することにより、持玉データを更新させる手段と、
前記持玉払出手段によって遊技媒体が払い出されたときに払い出された遊技媒体数を持玉データから減算することにより、持玉データを更新させる手段とを含む、請求項1に記載の各台対応装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、持玉データの増減にともなって、表示する特殊景品数を増減させる、請求項2に記載の各台対応装置。
【請求項4】
前記景品数算出手段は、前記持玉データと、遊技媒体の貸出レートと、遊技媒体を前記特殊景品へ交換する際の交換率と、前記特殊景品の単価とに基づいて、前記持玉データによって交換可能な特殊景品数を算出する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の各台対応装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記持玉データと前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数とを切り替えて表示する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の各台対応装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記持玉データと前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数との両方を同時に表示する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の各台対応装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、特殊景品数を表示する際には、前記持玉データの全てを前記特殊景品に交換しようとした際に発生すると予想される端数を表示する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の各台対応装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記計数手段によって遊技媒体が計数されている途中において特殊景品数を表示する際には、その時点での持玉データに対応する特殊景品数を表示する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の各台対応装置。
【請求項9】
各遊技機に1対1対応で設けられる各台対応装置であって、
遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する計数手段と、
前記計数手段による計数値に基づいて、前記遊技者が保持している遊技媒体の数を表す持玉データを生成する持玉データ生成手段と、
前記持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を算出する景品数算出手段と、
前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数より1つ多い数に相当する特殊景品と交換するために最低限必要な遊技媒体数を、景品数増加用目標数として算出する景品数増加用目標数算出手段と、
前記持玉データと前記景品数増加用目標数とを表示するための表示制御手段とを含む、各台対応装置。
【請求項10】
前記景品数算出手段によって算出された特殊景品数に相当する特殊景品と交換するために最低限必要な遊技媒体数を、景品数維持用目標数として算出する景品数維持用目標数算出手段をさらに含み、前記表示制御手段は、前記持玉データと前記景品数増加用目標数と前記景品数維持用目標数を表示する、請求項9に記載の各台対応装置。
【請求項11】
遊技者が獲得した遊技媒体の数を計数する第1ステップと、
前記第1ステップによる計数値に基づいて、前記遊技者が保持している遊技媒体の数を表す持玉データを生成する第2ステップと、
前記持玉データに応じた数の遊技媒体と交換可能な特殊景品の数を算出する第3ステップと、
前記第3ステップによって算出された特殊景品数を表示する第4ステップとを含む、景品数表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−167380(P2011−167380A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34483(P2010−34483)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】