説明

合成樹脂製のパレット

【課題】桁部間の曲げ強度を向上させる。第1、第2の成形材料の境界部分を基点にして曲がるのを防止できる。パレットの側端面にフォークの先端が衝突した際の破損を防止する。
【解決手段】複数の連結リブ6のうち少なくとも2つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してある。周壁部5の一部、桁部内リブ8の一部、これに続く交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成してある。パレット4の第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してある。第1の成形材料9が第2の成形材料10よりも曲げ強度の強い成形材料である。複数の桁部内リブ8における上記第1の成形材料9と第2の成形材料10との境界部分が、フォーク挿入方向と直交する方向においてずれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げ強度の強い合成樹脂製のパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から合成樹脂製のパレットにおいて最も強度(曲げ強度)が必要となる桁部間を繋ぐ部位を曲げ強度の強い成形材料で形成したものが特許文献1により知られている。
【0003】
この特許文献1に示された従来例にあっては、桁部間を繋ぐ部位におけるデッキ部の全部又は一部と、桁部間に設けられた補強リブとを曲げ強度の強い材料で成形したものであり、桁部間を繋ぐ部位を形成するための曲げ強度の強い材料である第1の成形材料と、パレットの上記以外の部位を形成するための第2の成形材料との境界部分はフォーク挿入方向と直交している。
【0004】
ところで、桁部間に形成されるフォーク挿入部にフォークを挿入してパレットを持ち上げると、フォーク挿入方向に対して直交する方向に大きな曲げ応力が作用するので、上記のように、桁部間を繋ぐ部位を曲げ強度の強い材料で形成しているのであるが、第1の成形材料で成形した部位は曲げに対して強いが、第1の成形材料と第2の成形材料との境界部分は強度が弱く、しかも境界部分がフォーク挿入方向と直交しているため大きな曲げ応力が作用すると両成形材料が剥離しようとする力が作用し、フォーク挿入方向と直交する第1の成形材料と第2の成形材料との境界部分を基点として曲がって破損するというおそれがある。
【0005】
また、上記特許文献1に示される従来にあっては、桁部間においてデッキ部も曲げ強度の強い第1の成形材料で形成してあるので、コストの高い曲げ強度の強い成形材料の使用量が増えてコストアップの原因となり、更に、パレットの重量も重くなる。
【特許文献1】特開2007−186244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、曲げ強度の強い成形材料の使用量を少なくして安価で且つ軽量でありながら桁部間を曲げに対して剥離しないように補強でき、しかも、第1の成形材料と第2の成形材料との境界部分を基点にして曲がって損傷するのを防止でき、また、簡単な構成で、曲げに対する補強ができる合成樹脂製のパレットを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る合成樹脂製のパレットは、デッキ部1と、複数の桁部2とを備え、桁部2間がフォーク挿入部3となった合成樹脂製のパレット4において、該筒状をした桁部2の周壁部5間に桁部2間を連結する複数の連結リブ6を設けると共に連結リブ6と交差する交差リブ7を設け、桁部2の周壁部5の内面に複数の桁部内リブ8を設け、複数の連結リブ6のうち少なくとも2つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあると共に当該桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してある2つ以上の連結リブ6の周壁部5との各連結部分及び該連結部分に隣接する桁部内リブ8の一部が第1の成形材料9により形成してあり、交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成してあり、パレット4の第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してあり、上記第1の成形材料9が第2の成形材料10よりも曲げ強度の強い成形材料であり、複数の桁部内リブ8における上記第1の成形材料9と第2の成形材料10との境界部分が、フォーク挿入方向と直交する方向においてずれていることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、桁部2間にわたって曲げ強度の強い成形材料で成形した2つ以上の連結リブ6部分が、周壁部5の上記該連結リブ6との連結部分5a及び桁部内リブ8の曲げ強度の強い成形材料で成形した部位と一体に成形してあり、これにより、高価な曲げ強度の強い第1の成形材料9の使用量を少なくしながら、桁部2間を連結する曲げ強度の強い第1の成形材料9よりなる連結リブ6を曲げ強度の強い第1の成形材料9で成形した上記連結部分5a及び桁部内リブ8の一部で補強しながら曲げに対する強度を強くすることができる。また、このように、桁部2間を連結する曲げ強度の強い第1の成形材料9よりなる連結リブ6を曲げ強度の強い第1の成形材料9で成形した上記連結部分5a及び桁部内リブ8の一部で補強しながら曲げに対する強度を強くするようにしたものにおいて、複数の桁部内リブ8における上記第1の成形材料9と第2の成形材料10との境界部分50が、フォーク挿入方向と直交する方向においてずれているので、フォークで持ち上げているパレット4に上方から大きな荷重がかかっても、第1の成形材料9と第2の成形材料10との境界部分50を基点として曲がるのが防止され、パレット4の破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1記載の発明にあっては、上記のように構成したので、曲げ強度の強い第1の成形材料の使用量が少なくて安価で且つ軽量でありながら、簡単な構成で曲げ強度が弱い部分である桁部間を連結する連結リブを効果的に補強でき、しかも、フォーク挿入部にフォークを挿入してパレットを持ち上げている状態で、パレットに上方から大きな荷重がかかっても、曲げ強度の強い第1の成形材料と他の部位を形成するための第2の成形材料との境界部分を基点にしてパレットが曲がるのを簡単な構成で防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0011】
合成樹脂製のパレット4は載置物を載置するためのデッキ部1と、複数の桁部2とを備えたもので、桁部2間がフォーク挿入部3となっている。
【0012】
合成樹脂製のパレット4としては、全体を合成樹脂の一体成形により成形する一体成形型のパレット4と、上半体4aと、下半体4bとを別々に成形して上半体4aと下半体4bとを溶着一体化して成形する溶着タイプのパレット4とに大別でき、更に、一体成形型のパレット4、溶着タイプのパレット4のいずれのタイプも、上面部のみが載置物を載置するためのデッキ部となり、下面部に開口部を形成した片面使用タイプと、上面部及び下面部がいずれもデッキ部となり、上下反転することで、いずれの面もデッキ部として使用できる両面使用タイプのものがあるが、本発明においては、これらのいずれかのタイプに限定されるものではない。
【0013】
以下添付図面に示す実施形態では、溶着タイプのパレット4で両面使用タイプの例(つまり上下両面がデッキ部1となっている例)を示して説明する。
【0014】
図1、図2に示すように、合成樹脂により一体成形した上半体4aは、上面がデッキ部1(1a)となり、デッキ部1aの下面に複数の筒状をした上桁部2aを一体に垂設して構成してあり、合成樹脂により一体成形した下半体4bは、下面がデッキ部1(1b)となり、デッキ部1bの上面に複数の筒状をした下桁部2bを上方に向けて一体に突設して構成してあり、上記の上半体4aの上桁部2aの下端面部と下半体4bの下桁部2bの上端面部とを熱溶着して上桁部2aと下桁部2bとで桁部2を一体化することでパレット4を構成してある。
【0015】
上記上半体4aと下半体4bとは同じ形状をしていて同じ成形金型により成形したものであってもよく、あるいは、異なる形状をしていて異なる成形金型により成形したものであってもよい。
【0016】
なお、以下の説明では、デッキ部1a、デッキ部1bはいずれも単にデッキ部1と表現し、上桁部2a、下桁部2bはいずれも単に桁部2として表現して説明する。
【0017】
上半体4a又は下半体4bのデッキ部1の裏面の桁部2間には、フォーク挿入部3の入口側端部となる部位にフォーク挿入ガイド用傾斜部20が設けてあり、桁部2間の他の部位には連結リブ6がフォーク挿入方向に複数形成してあると共に、該複数の連結リブ6と交差する複数の交差リブ7が形成してある。
【0018】
桁部2は筒状をしており、この桁部2の周壁部5の内面に複数の桁部内リブ8が形成してあり、この複数の桁部内リブ8は上記複数の連結リブ6と対応しており、周壁部5の各連結リブ6との連結部分5aにそれぞれ対応する桁部内リブ8が一直線状に連結してあるか、あるいはフォーク挿入方向に少しずれて連結してある。
【0019】
図1乃至図7に示す実施形態においては、デッキ部1は面板部1cにより構成してあり、この面板部1cの裏面に筒状をした桁部2が突設してあり、更に、面板部1cの裏面には桁部2間に複数の連結リブ6、連結リブ6と交差する交差リブ7が突設してある。
【0020】
交差リブ7は連結リブ6よりも肉厚が薄く、連結リブ6と交差し、交差部分において両者は一体化してある。交差リブ7は隣合う桁部2間だけでなく4つの桁部2(隅に位置する桁部2、中央に位置する桁部2、二辺の各中間に位置する桁部2)に囲まれた部分にも形成してあり、また、フォーク挿入部3の入口側端部には、桁部2の入り口側端部間にフォーク挿入ガイド用傾斜部20が設けてある。
【0021】
フォーク挿入ガイド用傾斜部20は、パレット4の外端部を構成する外端リブ20aと、外端リブ20aの奥側にずれた位置において平行で隣り合う桁部2間にわたって形成された内側リブ20bと、外端リブ20aと内側リブ20b間を繋ぐ傾斜リブ20cとで構成してある。内側リブ20bは連結リブ6と同じ突出長さ又は少し短い突出長さとなっており、外端リブ20aは内側リブ20bよりも突出長さが短くなっており、傾斜リブ20cは突出方向の端面部が外端リブ20aと連結一体化する側が突出長さが短く、内側リブ20b側にいくに従って突出長さが長くなるように傾斜している。
【0022】
内側リブ20bには交差リブ7の端部が一体に連結してある。
【0023】
そして、本発明においては、複数の連結リブ6のうち少なくとも2つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあると共に当該桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してある2つ以上の連結リブ6の周壁部5との各連結部分及び該連結部分に隣接する桁部内リブ8の一部が第1の成形材料9により形成してある。更に、交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成してある。また、パレット4の上記第1の成形材料9で形成した部分を除く他の部分が第2の成形材料10で成形してある。
【0024】
なお、図3乃至図8において第1の成形材料9で形成した部分は点描で表している。
【0025】
上記第1の成形材料9は第2の成形材料10よりも曲げ強度の強い成形材料である。例えば、第2の成形材料9としては通常のポリプロピレンが使用され、第1の成形材料9としては上記通常のポリプロピレンよりも曲げ強度が強い物性のポリプロピレンや、あるいは、通常のポリプロピレンにタルクを添加した成形材料を使用して成形してある。また、第1の成形材料9としてはバージン材を用いるが、第2の成形材料10としてはバージン、再生材のいずれであってもよい。
【0026】
曲げ強度の強い成形材料である第1の成形材料9はタルクを添加したりして高価で流動性が悪いが、本発明は、上記のように、複数の連結リブ6のうち少なくとも2つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、また、当該桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してある2つ以上の連結リブ6の周壁部5との各連結部分及び該連結部分に隣接する桁部内リブ8の一部が第1の成形材料9により形成し、また、交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成する。このように、パレット4における第1の成形材料9により成形する部位が部分的であるため、第1の成形材料9の使用量を少なくすることができ、コストが高くなるのを抑え、且つ、成形性の低下も防止できる。また、図5のように、デッキ部1の全部が第2の成形材料10で形成してあると、よりいっそう第1の成形材料9の使用量を少なくすることができる。
【0027】
なお、タルクを添加することによって重量が増すものの、少量使用するに過ぎないので、それほど重くならない。また、パレット4の桁部2間を繋ぐ連結リブ6を、曲げ強度の強い成形材料である第1の成形材料9で成形してあるので、自動倉庫においてパレット4を取り扱う際に、最も曲げ強度を必要とする箇所は、桁部2間を繋ぐ部位であるため、この部分に設けた連結リブ6を重点的に補強することで、全体として曲げ強度の強い成形材料の使用料を少なくして高い曲げ強度を有するパレット4を提供できることになる。
【0028】
ここで、本発明においては、複数の連結リブ6のうち少なくとも2つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあり、この桁部2間にわたって第1の成形材料9により成形された2つ以上の連結リブ6は周壁部5との各連結部分及び該連結部分に隣接する桁部内リブ8の一部が第1の成形材料9により一体に形成することで、桁部2間を連結する曲げ強度の強い第1の成形材料9よりなる連結リブ6を曲げ強度の強い第1の成形材料9で成形した上記連結部分5a及び桁部内リブ8の一部で補強しながら曲げに対する強度を強くすることができる。
【0029】
そして、本発明においては、このように桁部2間を連結する曲げ強度の強い第1の成形材料9よりなる連結リブ6を曲げ強度の強い第1の成形材料9で成形した上記連結部分5a及び桁部内リブ8の一部で補強しながら曲げに対する強度を強くしたものにおいて、更に、上記複数の桁部内リブ8における上記第1の成形材料9と第2の成形材料10との境界部分50を、フォーク挿入方向と直交する方向においてずらしたことに構造上の特徴がある。つまり、図4における寸法L、L…Lが異ならせてある。したがって、フォーク挿入部3にフォークを挿入してフォークで持ち上げた場合、パレット4に上方から大きな荷重がかかっても、第1の成形材料9と第2の成形材料10との境界部分50を基点として曲がるのが防止され、パレット4の破損を防止することができる。
【0030】
また、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置であるため、パレット4の外側端部に第1の成形材料9が露出することがなく、したがって、第1の成形材料9として曲げ強度は強いが耐衝撃性の劣る成形材料を使用しても、フォークの先端などがパレット4の外側端部に衝突したり、パレット4が落下したりして外側端部に衝撃が加わっても破損し難いものである。また、図5のように、デッキ部1の全部が第2の成形材料10で成形してあるので、デッキ部1に上方からかかる衝撃に対して強くなる。
【0031】
連結リブ6を2本以上、特に3本以上形成するときには、桁部2の先端部に第1の成形材料9を効率よく充填するために、複数の連結リブ6間の略中央の位置に第1の成形材料9のゲートを形成する。つまり、第1の成形材料9の充填バランスが悪いと桁部2の周壁部5の先端部に第1の成形材料9が流れ難くなり、第1の成形材料9が充填されない空間が形成されて、上半体4aと下半体4bとを溶着しても隙間ができて水が入ることになる。また、隙間がないように第1の成形材料9を充填しようとすると、必要以上のところに充填されて、高価で重いパレット4となる。
【0032】
また、複数の連結リブ6の中央になる連結リブ6を他の連結リブ6よりも肉厚にして桁部2に第1の成形材料9を素早く充填し、この充填された第1の成形材料9が山形形状をした波紋のように広がっていくのでウエルドラインも発生しにくくてよい。
【0033】
次に、本発明のパレット4(実施形態では上半体4aや下半体4b)を第1の成形材料9、第2の成形材料10を用いて成形する例につき説明する。
【0034】
例えば、パレット4の上半体4a(又は下半体4b)を成形金型で成形する際、図7(a)に示すように、成形金型は、固定型90、可動型91、内部移動型92により構成してあり、内部移動型92を矢印のように突出させて、固定型90と可動型91とで構成するキャビティ60内に内部移動型92を突出させて、該突出した内部移動型92によりデッキ部形成用キャビティ部80の一部を塞ぐ。この状態で、第1の成形材料9を供給するゲートから第1の成形材料9を供給し、連結リブ形成用キャビティ部71、これに続いて周壁形成用キャビティ部72の一部、これに続いて、桁部内リブ形成用キャビティ部73の一部に第1の成形材料9を供給する。この場合、交差リブ用キャビティ部70の一部にも第1の成形材料9が供給される。
【0035】
次に、図7(b)の矢印のように内部移動型92を後退させ、キャビティ60の上記第1の成形材料9を供給した部分を除く残りの部分に第2の成形材料10を供給する上記とは別のゲートから第2の成形材料10を供給して充填する。
【0036】
上記先に供給された第1の成形材料9と、後で供給された第2の成形材料10との境界部分50では両者が合流一体化する。そして、本発明においては、複数の桁部内リブ8における上記第1の成形材料と第2の成形材料との境界部分50が、フォーク挿入方向と直交する方向においてずれている。
【0037】
なお、桁部内リブ8の上記境界部分50におけるフォーク挿入方向と直交する方向の断面形状を非長方形又は非正方形として同一断面内に肉厚の厚い厚肉部と薄い薄肉部とを備える構造とすると、厚肉部においては、第1の成形材料9が薄肉部よりもより遠くまで流れて成形されることになり、従って、境界部分50がフォーク挿入方向と直交しておらず、この点でもよりいっそうパレット4に上方から大きな荷重がかかっても、第1の成形材料9と第2の成形材料10との境界部分50を基点として曲がるのが防止され、パレット4の破損を防止することができる。
【0038】
上記実施形態においては、デッキ部1を面板部1cにより構成し、この面板部1cの裏面に筒状をした桁部2を突設し、更に、面板部1cの裏面には桁部2間に複数の連結リブ6、連結リブ6と交差する交差リブ7を突設した例を示したが、デッキ部1の一部又は全部がリブ1dにより形成してあるものであってもよく、この場合、図8のように、桁部2間においては連結リブ6、交差リブ7がデッキ部1の一部を構成するリブ1dであってもよい。
【0039】
このように桁部2間においては連結リブ6、交差リブ7がデッキ部1の一部を構成するリブ1dを構成するものにおいては、成形金型として固定型90、可動型91により構成したものを用いることができ、前述の実施形態のように、固定型90、可動型91内部移動型92により構成した成形金型を用いるものに比べて成形金型の構成が簡略化できる。
【0040】
なお、前述の実施形態ではデッキ部1を面板部1cで構成したものにおいて、デッキ部1の桁部2間の部位において厚み方向の全部又は一部を連結リブ6などと同じように第1の成形材料9で形成し、桁部2間において連結リブ6、交差リブ7、デッキ部1が第1の成形材料9で一体化したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のパレットにおける上半体(又は下半体)の斜視図である。
【図2】同上のパレットの斜視図である。
【図3】同上の要部拡大斜視図である。
【図4】同上の要部平面図である。
【図5】(a)は同上の断面図、(b)は同上の要部拡大断面図である。
【図6】同上の桁部内リブの破断斜視図である。
【図7】(a)は成形金型のキャビティに第1の成形材料を供給した状態を示す説明のための断面図であり、(b)は第1の成形材料を供給した後で第2の成形材料を供給した状態を示す説明のための断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示し、デッキ部をリブで形成した例の断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 デッキ部
2 桁部
3 フォーク挿入部
4 パレット
5 周壁部
5a 連結部分
6 連結リブ
7 交差リブ
8 桁部内リブ
9 第1の成形材料
10 第2の成形材料
50 境界部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキ部と、複数の桁部とを備え、桁部間がフォーク挿入部となった合成樹脂製のパレットにおいて、該筒状をした桁部の周壁部間に桁部間を連結する複数の連結リブを設けると共に連結リブと交差する交差リブを設け、桁部の周壁部の内面に複数の桁部内リブを設け、複数の連結リブのうち少なくとも2つ以上の連結リブが桁部間にわたって第1の成形材料により形成してあると共に当該桁部間にわたって第1の成形材料により形成してある2つ以上の連結リブの周壁部との各連結部分及び該連結部分に隣接する桁部内リブの一部が第1の成形材料により形成してあり、更に、交差リブの一部が第1の成形材料により形成してあり、パレットの第1の成形材料により形成された部分を除く部分が第2の成形材料により形成してあり、上記第1の成形材料が第2の成形材料よりも曲げ強度の強い成形材料であり、複数の桁部内リブにおける上記第1の成形材料と第2の成形材料との境界部分が、フォーク挿入方向と直交する方向においてずれていることを特徴とする合成樹脂製のパレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−202933(P2009−202933A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49778(P2008−49778)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】