説明

合成樹脂製のパレット

【課題】曲げ強度の強い成形材料の使用量を少なくして桁部間の曲げ強度を向上させる。パレットのデッキ部及び外端部の耐衝撃強度が強い。
【解決手段】桁部2間の部位のうちデッキ部1を除いて複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあると共に交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成してある。第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となっている。パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してある。第1の成形材料9が第2の成形材料10よりも曲げ強度の強い成形材料であり、連結リブ6の肉厚より、複数の連結リブ6の外側の交差リブ7の肉厚を薄くしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げ強度の強い合成樹脂製のパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から合成樹脂製のパレットにおいて最も強度(曲げ強度)が必要となる桁部間を繋ぐ部位を曲げ強度の強い成形材料で形成したものが特許文献1により知られている。
【0003】
この特許文献1に示された従来例にあっては、デッキ部の桁部間の部位及びデッキ部の裏面において桁部間を連結する連結リブ及びデッキ部の裏面において上記連結リブと交差する交差リブを、他の部位を成形する成形材料よりも曲げ強度の強い成形材料で成形した曲げ強度補強部とし、曲げ強度の強い成形材料で成形した曲げ強度補強部の端部をパレットの最外端よりパレットの内側方向に引き込んだ位置とすることが開示してある。
【0004】
ところで上記従来例において、曲げ強度の強い成形材料としては合成樹脂にタルクを添加したものが用いられるが、この曲げ強度の強い成形材料で成形すると曲げ強度は向上するが、耐衝撃性が悪いという問題がある。
【0005】
ところが、上記従来例は、最外端に曲げ強度の強い成形材料で成形したものが露出していないので、フォークの先端が当った場合に衝撃により最外端が損傷しないようにしているが、デッキ部上に載置物を載置する場合に上方からの衝撃が加わった際、デッキ部の桁部間の部位においては、曲げ強度は強いが耐衝撃強度が弱い成形材料により形成してあるので、この部分が損傷しやすいという問題があり、特に、衝撃により削れて塵となったものがデッキ部の上面に残るため、デッキ部に載置する載置物にこの削れた塵が付着するという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1に示される従来にあっては、桁部間においてデッキ部も曲げ強度の強い第1の成形材料で形成してあるので、コストの高い曲げ強度の強い成形材料の使用量が増えてコストアップの原因となり、更に、パレットの重量も重くなる。
【0007】
更に、上記従来例にあっては、曲げ強度の強い成形材料で成形した曲げ強度補強部の端部をパレットの最外端よりパレットの内側方向に引き込んだ位置とすることは開示してあるが、桁部間の部位を曲げ強度の強い成形材料で形成するに当って、曲げ強度の強い成形材料がパレットの外端部よりも内側方向に引き込んだ位置となるようにするに当って、桁部間の部位を具体的にどのような構成とするのかということについては開示がない。
【特許文献1】特開2007−186244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、曲げ強度の強い成形材料の使用量を少なくして安価で且つ軽量でありながら、桁部間の部位の曲げ強度を向上させ且つパレットの外端部への衝撃及びデッキ部への上方からの衝撃に対して強くして外端部及びデッキ部の破損を抑制できる合成樹脂製のパレットを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る合成樹脂製のパレットは、デッキ部1と、複数の桁部2とを備え、桁部2間がフォーク挿入部3となった合成樹脂製のパレット4において、桁部2間に桁部2間を連結する複数の連結リブ6を設けると共に連結リブ6と交差する交差リブ7を設け、桁部2間の部位のうちデッキ部1を除いて複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあると共に交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成してあり、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となり、パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の上記第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してあり、上記第1の成形材料9が第2の成形材料10よりも曲げ強度の強い成形材料であり、連結リブ6の肉厚tより、複数の連結リブ6の外側の交差リブ7の肉厚tを薄くして成ることを特徴とするものである。
【0010】
このように、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって曲げ強度の強い第1の成形材料9により形成してあるので、パレット4において最も曲げ強度が影響する桁部2間の曲げ強度を強くすることができる。しかも、このように桁部2間の部位の曲げ強度を強くするために曲げ強度の強い第1の成形材料9を用いたといえども、桁部2間の部位のうちデッキ部1を除いて連結リブ6、交差リブ7の一部を第1の成形材料9で形成してあるので、高価な曲げ強度の強い第1の成形材料9の使用量を少なくすることができる。また、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となり、パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の上記第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してあるので、パレット4のデッキ部1及び外端部に耐衝撃強度の弱い第1の成形材料9が存在しないことになり、これにより、デッキ部1に上方から衝撃が作用したり、外端部にフォークの先端が衝突したり、あるいは、パレット4を引きずったりしても、デッキ部1や外端部が破損したり、衝撃により削れて塵となったりするのを防止できる。また、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となるようにするに当たり、連結リブ6の肉厚tより、複数の連結リブ6の外側の交差リブ7の肉厚tを薄くしてあるので、連結リブ6に第1の成形材料9を供給する際、複数の連結リブ6の外側の交差リブ7部分においては連結リブ6部分よりも第1の成形材料9が流れ難い構造となっており、これにより、肉厚を変えるという簡単な構成で、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【0011】
そして、連結リブ6間における交差リブ7の肉厚を連結リブ6の肉厚よりも薄くし、更に、連結リブ6間の交差リブ7の肉厚よりも連結リブ6より外側の交差リブ7の肉厚を薄くすることが好ましい。
【0012】
このような構成とすることで、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【0013】
また、本発明の合成樹脂製のパレット4は、デッキ部1と、複数の桁部2とを備え、桁部2間がフォーク挿入部3となった合成樹脂製のパレット4において、桁部2間に桁部2間を連結する複数の連結リブ6を設けると共に連結リブ6と交差する交差リブ7を設け、桁部2間の部位のうちデッキ部1を除いて複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあると共に交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成してあり、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となり、パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の上記第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してあり、上記第1の成形材料9が第2の成形材料10よりも曲げ強度の強い成形材料であり、上記第1の成形材料9で形成された交差リブ7と上記成形材料で形成された連結リブ6の肉厚を同一又は厚くし、更に、連結リブ6間の交差リブ7と連結リブ6より外側の交差リブ7とが非一直線状となっていることを特徴とすることも好ましい。
【0014】
このように、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって曲げ強度の強い第1の成形材料9により形成してあるので、パレット4において最も曲げ強度の弱い部分である桁部2間の曲げ強度を強くすることができる。しかも、このように桁部2間の部位の曲げ強度を強くするために曲げ強度の強い第1の成形材料9を用いたといえども、桁部2間の部位のうちデッキ部1を除いて連結リブ6、交差リブ7の一部を第1の成形材料9で形成してあるので、高価な曲げ強度の強い第1の成形材料9の使用量を少なくすることができる。また、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となり、パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の上記第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してあるので、パレット4のデッキ部1及び外端部に耐衝撃強度の弱い第1の成形材料9が存在しないことになり、これにより、デッキ部1に上方から衝撃が作用したり、外端部にフォークの先端が衝突したり、あるいは、パレット4を引きずったりしても、デッキ部1や外端部が破損したり、衝撃により削れて塵となったりするのを防止できる。また、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とするに当たり、第1の成形材料9で形成された交差リブ7と上記成形材料で形成された連結リブ6の肉厚を同一又は厚くし、更に、連結リブ6間の交差リブ7と連結リブ6より外側の交差リブ7とが非一直線状となっているので、連結リブ6よりも外側の交差リブ7を経てパレット4の外端部側に第1の成形材料9が流れ難い構造となっており、これにより、連結リブ6間の交差リブ7と連結リブ6より外側の交差リブ7とが非一直線状にするという簡単な構成により、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【0015】
そして、第1の成形材料9を供給するゲートのゲート跡12から連結リブ6を経由して桁部2に至る最も遠い第1の成形材料9の流れるルートを、ゲート跡12からパレット4の外周端部に至る最も近い第1の成形材料9の流れるルートよりも短くすることが好ましい。
【0016】
このような構成とすることで、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【0017】
また、本発明の合成樹脂製のパレット4は、デッキ部1と、複数の桁部2とを備え、桁部2間がフォーク挿入部3となった合成樹脂製のパレット4において、桁部2間に桁部2間を連結する複数の連結リブ6を設けると共に連結リブ6と交差する交差リブ7を設け、桁部2間の部位のうちデッキ部1を除いて複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあると共に交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成してあり、パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の上記第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してあり、上記第1の成形材料9が第2の成形材料10よりも曲げ強度の強い成形材料であり、交差リブ7のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部に繋がっていないことを特徴とすることも好ましい。
【0018】
このように、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって曲げ強度の強い第1の成形材料9により形成してあるので、パレット4において最も曲げ強度の弱い部分である桁部2間の曲げ強度を強くすることができる。しかも、このように桁部2間の部位の曲げ強度を強くするために曲げ強度の強い第1の成形材料9を用いたといえども、桁部2間の部位のうちデッキ部1を除いて連結リブ6、交差リブ7の一部を第1の成形材料9で形成してあるので、高価な曲げ強度の強い第1の成形材料9の使用量を少なくすることができる。また、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となり、パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の上記第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してあるので、パレット4のデッキ部1及び外端部に耐衝撃強度の弱い第1の成形材料9が存在しないことになり、これにより、デッキ部1に上方から衝撃が作用したり、外端部にフォークの先端が衝突したり、あるいは、パレット4を引きずったりしても、デッキ部1や外端部が破損したり、衝撃により削れて塵となったりするのを防止できる。また、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とするに当たり、交差リブ7のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部に繋がっていないという簡単な構成で、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、上記のように1つ以上の連結リブが桁部間にわたって曲げ強度の強い第1の成形材料により形成してあるので桁部間の曲げ強度を強くすることができ、しかも、桁部間の部位においてデッキ部は第1の成形材料で成形してないので、曲げ強度の強い成形材料の使用量を少なくして安価で且つ軽量のパレットを提供できるものであり、また、パレットのデッキ部及び外端部が第1の成形材料でなくて第2の成形材料で形成してあるので、デッキ部への上方からの衝撃、外端部へのフォークの先端の衝突、パレットの引きずり等により、デッキ部や外端部が破損し難く、且つ、衝撃により削れて塵が発生して作業環境を悪くしたり、デッキ部上に塵が発生して載置物に塵が付着するといったことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0021】
合成樹脂製のパレット4は載置物を載置するためのデッキ部1と、複数の桁部2とを備えたもので、桁部2間がフォーク挿入部3となっている。
【0022】
合成樹脂製のパレット4としては、全体を合成樹脂の一体成形により成形する一体成形型のパレット4と、上半体4aと、下半体4bとを別々に成形して上半体4aと下半体4bとを溶着一体化して成形する溶着タイプのパレット4とに大別でき、更に、一体成形型のパレット4、溶着タイプのパレット4のいずれのタイプも、上面部のみが載置物を載置するためのデッキ部となり、下面部に開口部を形成した片面使用タイプと、上面部及び下面部がいずれもデッキ部となり、上下反転することで、いずれの面もデッキ部として使用できる両面使用タイプのものがあるが、本発明においては、これらのいずれかのタイプに限定されるものではない。
【0023】
以下添付図面に示す実施形態では、溶着タイプのパレット4で両面使用タイプの例(つまり上下両面がデッキ部1となっている例)を示して説明する。
【0024】
図1、図2に示すように、合成樹脂により一体成形した上半体4aは、上面がデッキ部1(1a)となり、デッキ部1aの下面に複数の筒状をした上桁部2aを一体に垂設して構成してあり、合成樹脂により一体成形した下半体4bは、下面がデッキ部1(1b)となり、デッキ部1bの上面に複数の筒状をした下桁部2bを上方に向けて一体に突設して構成してあり、上記の上半体4aの上桁部2aの下端面部と下半体4bの下桁部2bの上端面部とを熱溶着して上桁部2aと下桁部2bとで桁部2を一体化することでパレット4を構成してある。
【0025】
上記上半体4aと下半体4bとは同じ形状をしていて同じ成形金型により成形したものであってもよく、あるいは、異なる形状をしていて異なる成形金型により成形したものであってもよい。
【0026】
なお、以下の説明では、デッキ部1a、デッキ部1bはいずれも単にデッキ部1と表現し、上桁部2a、下桁部2bはいずれも単に桁部2として表現して説明する。
【0027】
上半体4a又は下半体4bのデッキ部1の裏面の桁部2間には、フォーク挿入部3の入口側端部となる部位にフォーク挿入ガイド用傾斜部20が設けてあり、桁部2間の他の部位には連結リブ6がフォーク挿入方向に複数形成してあると共に、該複数の連結リブ6と交差する複数の交差リブ7が形成してある。
【0028】
桁部2は筒状をしており、この桁部2の周壁部5の内面に複数の桁部内リブ8が形成してあり、この複数の桁部内リブ8は上記複数の連結リブ6と対応しており、周壁部5の各連結リブ6との連結部分5aにそれぞれ対応する桁部内リブ8が一直線状に連結してあるか、あるいはフォーク挿入方向に少しずれて連結してある。
【0029】
図1乃至図10に示す各実施形態においては、デッキ部1は面板部1cにより構成してあり、この面板部1cの裏面に筒状をした桁部2が突設してあり、更に、面板部1cの裏面には桁部2間に複数の連結リブ6、連結リブ6と交差する交差リブ7が突設してあり、該交差リブ7は連結リブ6と交差して交差部分において両者は一体化してある。
【0030】
また、フォーク挿入部3の入口側端部には、桁部2の入り口側端部間にフォーク挿入ガイド用傾斜部20が設けてある。
【0031】
フォーク挿入ガイド用傾斜部20は、パレット4の外端部を構成する外端リブ20aと、外端リブ20aの奥側にずれた位置において平行で隣り合う桁部2間にわたって形成された内側リブ20bと、外端リブ20aと内側リブ20b間を繋ぐ傾斜リブ20cとで構成してある。内側リブ20bは連結リブ6と同じ突出長さ又は少し短い突出長さとなっており、外端リブ20aは内側リブ20bよりも突出長さが短くなっており、傾斜リブ20cは突出方向の端面部が外端リブ20aと連結一体化する側が突出長さが短く、内側リブ20b側にいくに従って突出長さが長くなるように傾斜している。
【0032】
上記交差リブ7は隣合う桁部2間だけでなく4つの桁部2(隅に位置する桁部2、中央に位置する桁部2、二辺の各中間に位置する桁部2)に囲まれた部分にも形成してあり、また、交差リブ7の端部が内側リブ20bに一体に連結してある。
【0033】
上記交差リブ7は隣合う桁部2間だけでなく4つの桁部2(隅に位置する桁部2、中央に位置する桁部2、二辺の各中間に位置する桁部2)に囲まれた部分にも形成してあり、交差リブ7aの端部がフォーク挿入ガイド用傾斜部20の内側リブ20bに連結一体化してある。
【0034】
そして、本発明においては、桁部2間の部位のうちデッキ部1を除いて複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあると共に交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成してある。
【0035】
この、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部はパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となっている。
【0036】
そして、パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の上記第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してある。
【0037】
なお、以下の図3乃至図11において第1の成形材料9で形成した部分は点描で表している。
【0038】
上記第1の成形材料9は第2の成形材料10よりも曲げ強度の強い成形材料である。例えば、第2の成形材料9としては通常のポリプロピレンが使用され、第1の成形材料9としては上記通常のポリプロピレンよりも曲げ強度が強い物性のポリプロピレンや、あるいは、通常のポリプロピレンにタルクを添加した成形材料を使用して成形してある。また、第1の成形材料9としてはバージン材を用いるが、第2の成形材料10としてはバージン、再生材のいずれであってもよい。
【0039】
曲げ強度の強い成形材料である第1の成形材料9はタルクを添加したりして高価で流動性が悪いが、本発明は、上記のように、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、また、当該桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してある2つ以上の連結リブ6の周壁部5との各連結部分及び該連結部分に隣接する桁部内リブ8の一部が第1の成形材料9により形成し、また、交差リブ7の一部が第1の成形材料9により形成する。このように、パレット4における第1の成形材料9により成形する部位が部分的であるため、第1の成形材料9の使用量を少なくすることができ、コストが高くなるのを抑え、且つ、成形性の低下も防止できる。しかも、本発明においては、図5のように、デッキ部1の全部が第2の成形材料10で形成してあるので、よりいっそう第1の成形材料9の使用量を少なくすることができる。
【0040】
なお、タルクを添加することによって重量が増すものの、少量使用するに過ぎないので、それほど重くならない。また、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあるので、自動倉庫においてパレット4を取り扱う際に、最も曲げ強度を必要とする箇所は、桁部2間を繋ぐ部位であるため、この部分に設けた連結リブ6を重点的に補強することで、全体として曲げ強度の強い成形材料の使用料を少なくして高い曲げ強度を有するパレット4を提供できることになる。
【0041】
上記のようにパレット4の曲げ強度を強くするため、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成するに当って、デッキ部1部分は第1の成形材料9で形成せずに第2の成形材料10で形成し、更に、交差リブ7の一部を第1の成形材料9により形成するが、この第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となるようにして、パレット4のデッキ部1及びパレット4の外端部が第2の成形材料10で形成されたことに特徴がある。
【0042】
このように、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置となり、パレット4のデッキ部1の全部及びデッキ部1以外の上記第1の成形材料9により形成された部分を除く部分が第2の成形材料10により形成してあることで、パレット4のデッキ部1及び外端部に耐衝撃強度の弱い第1の成形材料9が存在しないことになり、これにより、桁部2間の曲げ強度を強くしながら、デッキ部1に上方から衝撃が作用したり、外端部にフォークの先端が衝突したり、あるいは、パレット4を引きずったりしても、デッキ部1や外端部が破損したり、衝撃により削れて塵となったりするのを防止できる。
【0043】
ここで、第1の成形材料9をゲートから供給して、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成する際に、交差リブ7部分も第1の成形材料9が供給されて一部が第1の成形材料9で成形されるが、この場合、第1の成形材料9がパレット4の外端部まで至らない構成となっている。なお、第1の成形材料9がパレット4の外端部まで至らないものであれば、複数の連結リブ6の全部が桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成してあってもよい。また、桁部2間の連結リブ6を第1の成形材料9で形成する際、該連結リブ6が連結する周壁部5の一部、桁部内リブ8の一部を上記連結リブ6と一体に第1の成形材料9で形成してもよい。
【0044】
図3、図4には、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成すると共に、第1の成形材料9がパレット4の外端部まで至らないようにするための構成の一実施形態が示してあり、連結リブ6の肉厚tより、複数の連結リブ6の外側の交差リブ7の肉厚tを薄く形成してある。これにより、肉厚を変えるという簡単な構成で、図3、図4に示すように、複数の連結リブ6の外側の交差リブ7における第1の成形材料9の流れを悪くする構成となって、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【0045】
2つ以上の連結リブ6に第1の成形材料9を流れ易くするために、この連結リブ6間の交差リブ7を連結リブ6より肉厚にすることがある。このときの第1の成形材料9のゲートは、第1の成形材料9のバランスを考慮して交差リブ6上に設けることがよいが、連結リブ6上でもよい。
【0046】
この場合、更に、連結リブ6間における交差リブ7の肉厚tを連結リブ6の肉厚tよりも薄くし、更に、連結リブ6間の交差リブ7の肉厚tよりも連結リブ6より外側の交差リブ7の肉厚tを薄くすると、より確実に少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【0047】
また、図6には他の実施形態が示してあり、第1の成形材料9で形成された交差リブ7と上記成形材料で形成された連結リブ6の肉厚を同一又は厚くし、更に、連結リブ6間の交差リブ7と連結リブ6より外側の交差リブ7とが非一直線状とした例である。このように、連結リブ6間の交差リブ7と連結リブ6より外側の交差リブ7とが非一直線状とすると、交差リブ7と連結リブ6より外側の交差リブ7に第1の成形材料9が流れ難くなり、これにより確実に、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【0048】
この場合、第1の成形材料9を供給するゲートのゲート跡12から連結リブ6を経由して桁部2に至る最も遠い第1の成形材料9の流れるルートを、ゲート跡12からパレット4の外周端部に至る最も近い第1の成形材料9の流れるルートよりも短くすることで、より確実に、少なくとも1つ以上の連結リブ6を桁部2間にわたって第1の成形材料9により形成し、且つ、第1の成形材料9で形成した部分のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部よりも内側にずれた位置とすることができる。
【0049】
また、図7、図8には更に他の実施形態が示してあり、本実施形態では、交差リブ7のパレット4の外側端部側の端部がパレット4の外側端部に設けられたフォーク挿入ガイド用傾斜部20の内側リブ20bに繋がらない構成となっている。つまり、交差リブ7の一端部はパレット4の外端部側に位置する連結リブ6まででそれ以上伸びておらず、パレット4の外端部側に位置する連結リブ6とフォーク挿入ガイド用傾斜部20の内側リブ20bとの間が交差リブ7のない隙間29となっている。したがって、第1の成形材料9を供給して少なくとも1つ以上の連結リブ6の全長を第1の成形材料9で形成する際、交差リブ7部分を通してパレット4の外端部側に第1の成形材料9が流れることがなく、パレット4の外端部に第1の成形材料9が露出しないようにできる。
【0050】
また、連結リブ6を複数本形成することによって、より強度がアップすることは明らかである。更に、連結リブ6を2本以上、特に3本以上形成するときには、桁部2の先端部に第1の成形材料9を効率よく充填するために、複数の連結リブ6間の略中央の位置に第1の成形材料9のゲートを形成する。つまり、第1の成形材料9の充填バランスが悪いと桁部2の周壁部5の先端部に第1の成形材料9が流れ難くなり、第1の成形材料9が充填されない空間が形成されて、上半体4aと下半体4bとを溶着しても隙間ができて水が入ることになる。また、隙間がないように第1の成形材料9を充填しようとすると、必要以上のところに充填されて、高価で重いパレット4となる。
【0051】
また、複数の連結リブ6の中央になる連結リブ6を他の連結リブ6よりも肉厚にして桁部2に第1の成形材料9を素早く充填し、この充填された第1の成形材料9が山形形状をした波紋のように広がっていくのでウエルドラインも発生しにくくてよい。
【0052】
次に、本発明のパレット4(実施形態では上半体4aや下半体4b)を第1の成形材料9、第2の成形材料10を用いて成形する例につき説明する。
【0053】
例えば、パレット4の上半体4a(又は下半体4b)を成形金型で成形する際、図9(a)に示すように、成形金型は、固定型90、可動型91、内部移動型92により構成してあり、内部移動型92を突出させて、固定型90と可動型91とで構成するキャビティ60内に内部移動型92を突出させて、該突出した内部移動型92によりデッキ部形成用キャビティ部80の一部を塞ぐ。この状態で、第1の成形材料9を供給するゲートから第1の成形材料9を供給し、連結リブ形成用キャビティ部71、これに続いて周壁形成用キャビティ部72の一部、これに続いて、桁部内リブ形成用キャビティ部73の一部に第1の成形材料9を供給する。第1の成形材料9は複数の連結リブ形成用キャビティ部71のうち少なくとも1つ以上の連結リブ形成用キャビティ部71の全長にわたって充填されるように供給するものであり、この場合、交差リブ用キャビティ部の一部にも第1の成形材料9が供給されるが、前述のように、第1の成形材料9がキャビティ60の外端部まで流れ難い構造とすることで、少なくとも1つ以上の連結リブ形成用キャビティ部71の全長にわたって第1の成形材料9が充填されるように供給した時点で、第1の成形材料9がキャビティ60の外端部まで至ることがないので、この少なくとも1つ以上の連結リブ形成用キャビティ部71の全長にわたって第1の成形材料9が充填される且つ第1の成形材料9がキャビティ60の外端部まで至っていない状態で、第1の成形材料9の供給を停止する。
【0054】
次に、図9(b)のように内部移動型92を後退させ、キャビティ60の上記第1の成形材料9を供給した部分を除く残りの部分に第2の成形材料10を供給する上記とは別のゲートから第2の成形材料10を供給して充填する。
【0055】
上記先に供給された第1の成形材料9と、後で供給された第2の成形材料10とは境界部分50では両者が合流一体化して、上半体4a(又は下半体4b)を成形する。
【0056】
上記実施形態においては、デッキ部1を面板部1cにより構成し、この面板部1cの裏面に筒状をした桁部2を突設し、更に、面板部1cの裏面には桁部2間に複数の連結リブ6、連結リブ6と交差する交差リブ7を突設した例を示したが、デッキ部1の一部又は全部がリブ1dにより形成してあるものであってもよく、この場合、図10のように、桁部2間においてはリブ1dの表面側の部分がデッキ部1を構成し、裏面側の部分が連結リブ6、交差リブ7を構成する。そして、リブ1dの表面側のデッキ部1となる部分は第2の成形材料10により形成し、複数の連結リブ6のうち少なくとも1つ以上を桁部2間の全長にわたって第1の成形材料9により形成すると共に、交差リブ7の一部を第1の成形材料9により成形する。
【0057】
なお、パレット4の成形に当って、先に供給する第1の成形材料9を供給するゲートの位置(成形後のゲート跡の位置)は、桁部2間の複数の連結リブ6が存在するエリアのほぼ中央部分に設ける(特に、中間部の連結リブ6の桁部2の間の中間部分に設ける)のが好ましいが、これにのみ限定されず、桁部2部分にゲートを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明のパレットにおける上半体(又は下半体)の斜視図である。
【図2】同上のパレットの斜視図である。
【図3】同上の要部拡大斜視図である。
【図4】同上の要部平面図である。
【図5】(a)は同上の断面図、(b)は同上の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態における上半体(又は下半体)の要部平面図である。
【図7】同上の他の実施形態の要部斜視図である。
【図8】同上の要部平面図である。
【図9】(a)は成形金型のキャビティに第1の成形材料を供給した状態を示す説明のための断面図であり、(b)は第1の成形材料を供給した後で第2の成形材料を供給した状態を示す説明のための断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示し、デッキ部をリブで形成した例の断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 デッキ部
2 桁部
3 フォーク挿入部
4 パレット
6 連結リブ
7 交差リブ
9 第1の成形材料
10 第2の成形材料
12 ゲート跡


【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキ部と、複数の桁部とを備え、桁部間がフォーク挿入部となった合成樹脂製のパレットにおいて、桁部間に桁部間を連結する複数の連結リブを設けると共に連結リブと交差する交差リブを設け、桁部間の部位のうちデッキ部を除いて複数の連結リブのうち少なくとも1つ以上の連結リブが桁部間にわたって第1の成形材料により形成してあると共に交差リブの一部が第1の成形材料により形成してあり、第1の成形材料で形成した部分のパレットの外側端部側の端部がパレットの外側端部よりも内側にずれた位置となり、パレットのデッキ部の全部及びデッキ部以外の上記第1の成形材料により形成された部分を除く部分が第2の成形材料により形成してあり、上記第1の成形材料が第2の成形材料よりも曲げ強度の強い成形材料であり、連結リブの肉厚より、複数の連結リブの外側の交差リブの肉厚を薄くして成ることを特徴とする合成樹脂製のパレット。
【請求項2】
連結リブ間における交差リブの肉厚を連結リブの肉厚よりも薄くし、更に、連結リブ間の交差リブの肉厚よりも連結リブより外側の交差リブの肉厚を薄くして成ることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製のパレット。
【請求項3】
デッキ部と、複数の桁部とを備え、桁部間がフォーク挿入部となった合成樹脂製のパレットにおいて、桁部間に桁部間を連結する複数の連結リブを設けると共に連結リブと交差する交差リブを設け、桁部間の部位のうちデッキ部を除いて複数の連結リブのうち少なくとも1つ以上の連結リブが桁部間にわたって第1の成形材料により形成してあると共に交差リブの一部が第1の成形材料により形成してあり、第1の成形材料で形成した部分のパレットの外側端部側の端部がパレットの外側端部よりも内側にずれた位置となり、パレットのデッキ部の全部及びデッキ部以外の上記第1の成形材料により形成された部分を除く部分が第2の成形材料により形成してあり、上記第1の成形材料が第2の成形材料よりも曲げ強度の強い成形材料であり、上記第1の成形材料で形成された交差リブと上記成形材料で形成された連結リブの肉厚を同一又は厚くし、更に、連結リブ間の交差リブと連結リブより外側の交差リブとが非一直線状となっていることを特徴とする合成樹脂製のパレット。
【請求項4】
第1の成形材料を供給するゲートのゲート跡から連結リブを経由して桁部に至る最も遠い第1の成形材料の流れるルートを、ゲート跡からパレットの外周端部に至る最も近い第1の成形材料の流れるルートよりも短くして成ることを特徴とする請求項3記載の合成樹脂製のパレット。
【請求項5】
デッキ部と、複数の桁部とを備え、桁部間がフォーク挿入部となった合成樹脂製のパレットにおいて、桁部間に桁部間を連結する複数の連結リブを設けると共に連結リブと交差する交差リブを設け、桁部間の部位のうちデッキ部を除いて複数の連結リブのうち少なくとも1つ以上の連結リブが桁部間にわたって第1の成形材料により形成してあると共に交差リブの一部が第1の成形材料により形成してあり、パレットのデッキ部の全部及びデッキ部以外の上記第1の成形材料により形成された部分を除く部分が第2の成形材料により形成してあり、上記第1の成形材料が第2の成形材料よりも曲げ強度の強い成形材料であり、交差リブのパレットの外側端部側の端部がパレットの外側端部に繋がっていないことを特徴とする合成樹脂製のパレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−202935(P2009−202935A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49780(P2008−49780)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】