合成樹脂製パレット
【目的】 固着力が強く密着しているとともに、低コストの滑り止め部材を摩擦溶着によって固着してなる合成樹脂製パレットを提供せんとするものである。
【構成】 合成樹脂製パレットは、テーパー面又は湾曲面に形成した上面周縁部と、一定の厚さ(高さ)の側面とを有する円盤状の滑り止め部材を、上部デッキボードの上面に摩擦溶着により一体に固着してなることを特徴とする。上部デッキボードに溶着凹部を形成し、前記溶着凹部に滑り止め部材を嵌入して摩擦溶着することが好ましい。また、滑り止め部材の底面又は上部デッキボードに形成した溶着凹部の少なくともいずれか一方に、溶融樹脂溜り凹部を形成することができる。滑り止め部材の底面と溶着凹部の底面は、水平に形成しても、滑り止め部材の底面中央部を凹ませ、溶着凹部を前記滑り止め部材の底面が嵌合するように突出させてもよい。
【構成】 合成樹脂製パレットは、テーパー面又は湾曲面に形成した上面周縁部と、一定の厚さ(高さ)の側面とを有する円盤状の滑り止め部材を、上部デッキボードの上面に摩擦溶着により一体に固着してなることを特徴とする。上部デッキボードに溶着凹部を形成し、前記溶着凹部に滑り止め部材を嵌入して摩擦溶着することが好ましい。また、滑り止め部材の底面又は上部デッキボードに形成した溶着凹部の少なくともいずれか一方に、溶融樹脂溜り凹部を形成することができる。滑り止め部材の底面と溶着凹部の底面は、水平に形成しても、滑り止め部材の底面中央部を凹ませ、溶着凹部を前記滑り止め部材の底面が嵌合するように突出させてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種荷物を運搬、保管する際に使用するフォークリフト用合成樹脂製パレットに係り、特に荷物の載置面に滑り止め部材を固着してなる合成樹脂製パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、荷物の運搬、保管の際に使用される合成樹脂製パレットは、滑りやすいという問題がある。合成樹脂製パレットは、木製パレットに比べて耐久性、衛生上等において優れており、近年において使用されているパレットは、ほとんどが合成樹脂製パレットである。滑りやすさは合成樹脂製パレットの長所であるとともに、反面において短所ともなっている。
【0003】
そこで、従来この短所である滑りを防止するために、合成樹脂製パレットの表面に摩擦係数の大きな滑り止め材を取り付けている。滑り止め材としては、熱可塑性樹脂または合成ゴム等のテープ、またはグロメットが用いられる。
【0004】
滑り止め部材としてのグロメットは、主にパレットのデッキボードに設けた取付孔に挿入するタイプと、デッキボードに設けたグロメット圧入用凹部に圧入するタイプとがある。取付孔に挿入するタイプのグロメットとしては、胴部の上下端部にフランジ部を突設し、胴部には上下端面に貫通する貫通孔を穿設してなる。
【0005】
そして、前記グロメットは、予めパレットに形成されたグロメット取付孔にハンマーで叩き込むか、圧入ピンを有するグロメット挿入装置によって挿入される。挿入後は上フランジ部及び下フランジ部がそれぞれデッキボードの上下面に係止することによって抜け防止となり、表面側の上フランジ部がパレット表面からわずかに突出することによって摩擦部材として機能するように構成されている。このようなグロメットとして、例えば、特開2000−16428号公報記載のグロメットがある。
【0006】
一方、グロメット圧入用凹部に圧入するタイプのグロメットは、デッキボードに設けたグロメット圧入用凹部にグロメット表面をわずかに突出するように圧入することによって、摩擦部材として機能するように構成されている。このようなグロメットとして、例えば、特開2002−255178号公報記載のグロメットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−16428号公報
【特許文献2】特開2002−255178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、挿入することによって嵌合されるグロメットには次のような問題があった。即ち、挿入する際に大きな押圧力が必要であった。また、グロメットの抜去力は押圧力による。上下端部にフランジを有するグロメットでは、フランジを小さくすれば押圧力が小さくなり抜去力も小さくなる。フランジを大きくすれば抜去力は大きくなるものの、それだけ挿入が困難となる。
【0009】
また、グロメットは、挿入によって嵌合されているので、パレット使用中の振動や衝撃によって外れたり、落下するおそれがある。グロメットが外れれば当然ながら滑り止め材としては機能しなくなる。さらに、グロメットは溶着されているものではないから、グロメットとパレットの取付孔や凹部との間に僅かな隙間が形成される。この隙間に、パレットを屋外で保管している際に埃や雨水が入ったり、パレット洗浄の際に洗浄水が浸入することがある。隙間に排水等が侵入したままのパレットを使用すれば、パレットに載置した製品を汚染するおそれがある。
【0010】
また、グロメットは、一定の高さ(長さ)を必要とするから、材料費が嵩むとともに、製造にも時間がかかり全体として高コストとなっていた。
【0011】
この発明はかかる現況に鑑みてなされたもので、固着力が強く落下のおそれがなく、簡単に固着することができるとともに、低コストの滑り止め部材を固着してなる合成樹脂製パレットを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明に係る合成樹脂製パレットは、テーパー面又は湾曲面に形成した上面周縁部と、一定の厚さ(高さ)の側面とを有する円盤状の滑り止め部材を、上部デッキボードの上面に摩擦溶着により一体に固着してなることを特徴とする。摩擦溶着は、前記上部デッキボードに溶着凹部を形成し、前記溶着凹部に滑り止め部材を嵌入して摩擦溶着することが好ましい。また、滑り止め部材の底面又は上部デッキボードに形成した溶着凹部の少なくともいずれか一方に、溶融樹脂溜り凹部を形成して、摩擦溶着することが好ましい。
【0013】
また、滑り止め部材の底面と溶着凹部の底面は水平に形成してもよいし、
滑り止め部材の底面中央部を凹ませるとともに、溶着凹部を前記滑り止め部材の底面が嵌合するように突出させて形成してもよい。また、滑り止め部材は、底面を上面と対称となるテーパー面又は湾曲面に形成し、溶着凹部の周縁部にもテーパー面又は湾曲面を形成する構成としてもよい。
【0014】
また、この発明に係る合成樹脂製パレットは、上面の周縁部をテーパー面又は湾曲面に形成した円盤状滑り止め部材を上部デッキボードの上面に摩擦溶着によって一体に固着してなり、滑り止め部材の周縁がデッキボードの上面に接して連続している構成としてもよい。滑り止め部材の底面には摩擦溶着する際に溶融樹脂が入り込む溶融樹脂溜り凹部を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
滑り止め部材は密着することになり、隙間に雨水等が浸入することがなく、常にパレットを清潔に保ち、載置した製品を汚染することがない。また、滑り止め部材は、摩擦溶着によってパレットと一体化されているので使用中の衝撃や振動によって脱落することがない。また、滑り止め部材の材料は少ない使用量で足り、溶着も摩擦溶着によって短時間で済むから、製造コストを安く押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】滑り止め部材を摩擦溶着したパレットの要部断面図である。
【図2】滑り止め部材の上面斜視図である。
【図3】同じく滑り止め部材の断面図と底面斜視図である。
【図4】滑り止め部材の他の実施形態の底面斜視図である。
【図5】滑り止め部材を溶着する溶着凹部を示す上面斜視図である。
【図6】同じく他の実施形態の平面図である。
【図7】両面使用可能な滑り止め部材の正面図である。
【図8】両面使用可能な滑り止め部材をデッキボードの上下面に摩擦溶着したパレットの一部拡大図である。
【図9】デッキボード上面の溶着凹部を示す平面図である。
【図10】デッキボード下面の溶着凹部を示す底面部である。
【図11】溶着凹部と滑り止め部材の一部拡大断面図である。
【図12】溶着凹部と滑り止め部材のテーパー面又は湾曲面の角度を変えた場合の一部拡大断面図である。
【図13】溶着凹部と滑り止め部材の第3実施形態の断面図である。
【図14】滑り止め部材を上板に溶着した場合の第4実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1はこの発明に係る合成樹脂製パレットの一部を示す断面図であって、合成樹脂製パレットの溶着凹部1に滑り止め部材2を摩擦溶着してなる。滑り止め部材2は、円盤状体であって、上面は中央部21を水平面に形成し、周縁部22をテーパー面又は湾曲面に形成してなる。底面23は溶着凹部1に溶着される溶着面であって水平面に形成されており、側面14は一定の肉厚(高さ)を有している。
【0018】
滑り止め部材2の底面23には、図3に示すように、摩擦溶着の際に溶融樹脂が外延部に拡がるのを防止する溶融樹脂溜り凹部25が形成されている。摩擦溶着は、熱可塑性樹脂製滑り止め部材2を回転させながら上部デッキボードに形成した溶着凹部内に押圧して、摩擦熱により熱可塑性樹脂を溶かして溶着するものである。この回転摩擦によって溶融した樹脂は、溶着する際の圧力によって滑り止め部材の外延部にはみ出してバリとなる。このバリの発生をできるだけ少なくするために、滑り止め部材2の底面23には、溶融樹脂を閉じ込めて、はみ出しを防止する溶融樹脂溜り凹部25が形成されている。
【0019】
前記溶融樹脂溜り凹部25は、溶融樹脂を閉じ込めることができるものであればその形状、大きさは特に限定されない。図3に示す溶融樹脂溜り凹部25は、平面においてしずく形状凹部26をしており、先端部が溶着する際の回転方向を向いて連続的に配設されている。溶融した樹脂は回転方向の後方へと流れるとともに、溶着する際は回転を止めて圧着されるので、溶融した樹脂の一部は前記しずく形状凹部26内に入り込んで溶着することになる。前記しずく形状凹部26の大きさ、深さは、摩擦溶着の際の溶融樹脂の量を考慮して適宜決定すればよい。
【0020】
図4(a)〜(d)は、いずれも溶融樹脂溜り凹部25の変形例を示すもので、 図4(a)は半円形凹部26aを連続して配設してなり、図4(b)は円形凹部26bを連続して配設してなり、図4(c)は溝26cを十字状に形成してなり、図4(d)は円環状溶着凹部26dを複数重丸に形成したものである。いずれの形状においても、摩擦溶着の際に溶融樹脂の一部を閉じ込めて外周部へはみ出してバリが発生するのを防止する。
【0021】
一方、前記滑り止め部材2が溶着される溶着凹部1は、上部デッキボードの上面に滑り止め部材2よりも僅かに大きく形成された円形凹部である。そして、前記溶着凹部1は、図1に示すように、滑り止め部材2の側面14の肉厚よりも僅かに深く形成されており、滑り止め部材2の中央部21が突出するように形成されている。溶着凹部1を形成するのは、上部デッキボードの上面であればどこでもよく特に限定されないが、補強リブの交差部に形成するのが好ましい。
【0022】
図1に示す溶着凹部1を形成する上部デッキボードは、上板11の下面に補強リブ12を縦横に設けてなり、溶着凹部1は補強リブ12の交差部に前記補強リブ12を連結する円筒リブ13を設けるとともに、円筒リブ13の上方の上板を凹ませて形成されている。
【0023】
この溶着凹部1に滑り止め部材2を嵌入し、前記滑り止め部材2を高速で回転させながら圧力を加え、溶着凹部1の底面との間に摩擦熱を発生させることにより摩擦溶着してなる。滑り止め部材2の底面には、溶融樹脂溜り凹部25(26〜26a)が形成されているから、溶着凹部1の周面から溶融樹脂がはみ出すのを少なく押さえることができる。
【0024】
図5〜図6は、溶融樹脂溜り凹部25の他の実施形態と示す。上記実施形態では、溶融樹脂溜り凹部25を滑り止め部材2の底面に形成したが、図5及び図6は、溶融樹脂溜り凹部25Aを溶着凹部1の底面に形成してなる。即ち、溶着凹部1は、補強リブ12の交差部に前記補強リブ12を連結する円筒リブ13を設けるとともに、円筒リブ13の上方の上板を凹ませて形成されている。
【0025】
溶融樹脂溜り凹部25Aは、前記溶着凹部1内に形成されており、図5に示す溶融樹脂溜り凹部25Aは、平面においてしずく形状26をしており、先端部が溶着する際に滑り止め部材2の回転方向を向いて連続的に配設されている。図3のしずく形状26と同一である。従って、同一構成については同一符号を付して説明は省略する。
【0026】
図6(a)〜(b)は、いずれも溶融樹脂溜り凹部25Aの変形例を示すもので、図6(a)は半円形凹部26aを連続して配設してなり、図6(b)は円形凹部26bを連続して配設してなり、図6(c)は渦巻状溝26d形成してなり、図6(d)は溝26cを十字状に形成したものである。いずれの形状においても、摩擦溶着の際に滑り止め部材の溶融樹脂が溶着凹部1からはみ出してバリが発生するのを防止する。
【0027】
上記実施形態において、溶融樹脂溜り凹部25,25Aは、滑り止め部材2の下面又は溶着凹部1の底面のいずれか一方に形成すれば足りるが、形状や大きさ或いは形成する位置によっては、滑り止め部材2の下面と溶着凹部1の底面の両方に形成することも可能である。
【0028】
図7〜図12は、滑り止め部材と溶着凹部の他の形状の組合せによる実施形態を示す。図7は、滑り止め部材2Aの正面図であって、上下面の形状は上下いずれの面を溶着凹部に嵌入可能なように対称に形成されている。即ち、滑り止め部材2Aは、両面とも同じ大きさの水平面とした中央部21aと、テーパー面又は湾曲面に形成した周縁部22aを有している。このように、上下面にテーパー面又は湾曲面を形成した場合には、側面14aの接触面積が小さくなり、バリの発生を少なくすることができる。
【0029】
一方、前記滑り止め部材2Aを嵌入する溶着凹部1Aは、周縁部に滑り止め部材2Aのテーパー面又は湾曲面に対応してテーパー面又は湾曲面27を形成してなる。図8に示す実施形態では、溶着凹部1Aが上部デッキボードの上面側に形成され、溶着凹部1Bが上部デッキボードの下面側にそれぞれ形成されている。
【0030】
溶着凹部1Aの形状は、図9に示すように、溶着凹部1Aの底面には、周縁部にテーパー面又は湾曲面27とともに、十字状の溝26cが形成されている。十字状の溝26cが形成されている構成は、図6(d)と同じであり、周縁部のテーパー面又は湾曲面27が形成されている点が異なる。
【0031】
前記溶着凹部1Bは、図10に示すように、上部デッキボードの下面側において円筒リブ13の内周面にテーパー面又は湾曲面27を形成するとともに、円筒リブ13内の補強リブ12の高さ短くすることによって形成されている。摩擦溶着したとき、滑り止め部材2Aのテーパー面又は湾曲面22aがテーパー面又は湾曲面27に密着し、溶融樹脂は、テーパー面又は湾曲面27によって下方に押し込められるとともに、補強リブ12と円筒リブ13との間の空隙28に入り込むのでバリが生じることがない。
【0032】
図12は、溶着凹部1A,1Bのテーパー面又は湾曲面27の角度と、滑り止め部材2Aの周縁部22aに形成したテーパー面又は湾曲面の角度とを異ならしめた場合の実施形態を示す。図11に示す実施形態では、テーパー面又は湾曲面27に形成した十字状溝26cに溶融樹脂が入り込むが、滑り止め部材2Aのテーパー面又は湾曲面22aを溶着凹部1Aのそれと角度を異ならしめることによって、両者のテーパー面又は湾曲面との間に僅かに隙間が生じるから、テーパー面又は湾曲面27に十字状溝を形成しなくとも溶融樹脂を閉じ込めることができる。
【0033】
図13に示す実施形態は、滑り止め部材の他の溶着構造を示し、皿状滑り止め部材2Bの底面中央部を凹ませることによって周縁部に円環状凸部30を形成し、上板11の上面には、前記円環状凸部30が嵌合する円環状溶着凹部1Bを形成した場合を示す。皿状滑り止め部材2Bは、滑り止め部材2と同じく、水平な中央部21の周縁部22をテーパー面又は湾曲面に形成した上面と、所定の肉厚(高さ)の側面を有している。滑り止め部材2Bの底面中央部を凹ませるとともに、適宜形状の溶融樹脂溜り凹部25を形成してなる。
【0034】
前記円環状溶着凹部1Bで囲まれた内側上面は、上板11の上面よりも凹んだ状態に形成してなるが、上板11の上面と同じ水平面であってもよく、あるいは上板11の上面よりも突出していてもよい。上板11の上面には、皿状滑り止め部材2Bの底面周縁の円環状凸部30が嵌合する円環状溶着凹部1Bが形成されていればよい。このように、溶着凹部を円環状溶着凹部1Bとした場合には、滑り止め部材の全体の肉厚を薄くすることができる。また、溶融樹脂溜り凹部25は滑り止め部材の下面ではなく、円環状溶着凹部1Bで囲まれた内側上面に形成してもよい。
【0035】
図14は、滑り止め部材を平面部に溶着した場合の第5実施形態の断面図である。滑り止め部材2Cは、上記いずれの実施形態とも異なり、側面の肉厚(高さ)がなく、水平な中央部21の外周に形成したテーパー面又は湾曲面の周縁部22cの周縁がデッキボードの上板11の上面に連続している。
【0036】
このように、滑り止め部材2Cの周縁を上板11の上面に連続させることによって、フォークや荷物の引っ掛かりがなくスムーズに移動させることができる。また、滑り止め部材2Cの上面を上板11に連続させるとともに、底面に溶融樹脂溜り凹部25を形成することによって、上板の上面に溶着凹部を形成することなく上板の任意の箇所に摩擦溶着することができる。
【符号の説明】
【0037】
1、1A:溶着凹部
11:上板
12:補強リブ
13:円筒リブ
2、2A:滑り止め部材
21、21a:滑り止め部材の中央部
22、22a:周縁部
23:底面
25:溶融樹脂溜り凹部
27:テーパー面又は湾曲面
30:円環状凸部
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種荷物を運搬、保管する際に使用するフォークリフト用合成樹脂製パレットに係り、特に荷物の載置面に滑り止め部材を固着してなる合成樹脂製パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、荷物の運搬、保管の際に使用される合成樹脂製パレットは、滑りやすいという問題がある。合成樹脂製パレットは、木製パレットに比べて耐久性、衛生上等において優れており、近年において使用されているパレットは、ほとんどが合成樹脂製パレットである。滑りやすさは合成樹脂製パレットの長所であるとともに、反面において短所ともなっている。
【0003】
そこで、従来この短所である滑りを防止するために、合成樹脂製パレットの表面に摩擦係数の大きな滑り止め材を取り付けている。滑り止め材としては、熱可塑性樹脂または合成ゴム等のテープ、またはグロメットが用いられる。
【0004】
滑り止め部材としてのグロメットは、主にパレットのデッキボードに設けた取付孔に挿入するタイプと、デッキボードに設けたグロメット圧入用凹部に圧入するタイプとがある。取付孔に挿入するタイプのグロメットとしては、胴部の上下端部にフランジ部を突設し、胴部には上下端面に貫通する貫通孔を穿設してなる。
【0005】
そして、前記グロメットは、予めパレットに形成されたグロメット取付孔にハンマーで叩き込むか、圧入ピンを有するグロメット挿入装置によって挿入される。挿入後は上フランジ部及び下フランジ部がそれぞれデッキボードの上下面に係止することによって抜け防止となり、表面側の上フランジ部がパレット表面からわずかに突出することによって摩擦部材として機能するように構成されている。このようなグロメットとして、例えば、特開2000−16428号公報記載のグロメットがある。
【0006】
一方、グロメット圧入用凹部に圧入するタイプのグロメットは、デッキボードに設けたグロメット圧入用凹部にグロメット表面をわずかに突出するように圧入することによって、摩擦部材として機能するように構成されている。このようなグロメットとして、例えば、特開2002−255178号公報記載のグロメットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−16428号公報
【特許文献2】特開2002−255178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、挿入することによって嵌合されるグロメットには次のような問題があった。即ち、挿入する際に大きな押圧力が必要であった。また、グロメットの抜去力は押圧力による。上下端部にフランジを有するグロメットでは、フランジを小さくすれば押圧力が小さくなり抜去力も小さくなる。フランジを大きくすれば抜去力は大きくなるものの、それだけ挿入が困難となる。
【0009】
また、グロメットは、挿入によって嵌合されているので、パレット使用中の振動や衝撃によって外れたり、落下するおそれがある。グロメットが外れれば当然ながら滑り止め材としては機能しなくなる。さらに、グロメットは溶着されているものではないから、グロメットとパレットの取付孔や凹部との間に僅かな隙間が形成される。この隙間に、パレットを屋外で保管している際に埃や雨水が入ったり、パレット洗浄の際に洗浄水が浸入することがある。隙間に排水等が侵入したままのパレットを使用すれば、パレットに載置した製品を汚染するおそれがある。
【0010】
また、グロメットは、一定の高さ(長さ)を必要とするから、材料費が嵩むとともに、製造にも時間がかかり全体として高コストとなっていた。
【0011】
この発明はかかる現況に鑑みてなされたもので、固着力が強く落下のおそれがなく、簡単に固着することができるとともに、低コストの滑り止め部材を固着してなる合成樹脂製パレットを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明に係る合成樹脂製パレットは、テーパー面又は湾曲面に形成した上面周縁部と、一定の厚さ(高さ)の側面とを有する円盤状の滑り止め部材を、上部デッキボードの上面に摩擦溶着により一体に固着してなることを特徴とする。摩擦溶着は、前記上部デッキボードに溶着凹部を形成し、前記溶着凹部に滑り止め部材を嵌入して摩擦溶着することが好ましい。また、滑り止め部材の底面又は上部デッキボードに形成した溶着凹部の少なくともいずれか一方に、溶融樹脂溜り凹部を形成して、摩擦溶着することが好ましい。
【0013】
また、滑り止め部材の底面と溶着凹部の底面は水平に形成してもよいし、
滑り止め部材の底面中央部を凹ませるとともに、溶着凹部を前記滑り止め部材の底面が嵌合するように突出させて形成してもよい。また、滑り止め部材は、底面を上面と対称となるテーパー面又は湾曲面に形成し、溶着凹部の周縁部にもテーパー面又は湾曲面を形成する構成としてもよい。
【0014】
また、この発明に係る合成樹脂製パレットは、上面の周縁部をテーパー面又は湾曲面に形成した円盤状滑り止め部材を上部デッキボードの上面に摩擦溶着によって一体に固着してなり、滑り止め部材の周縁がデッキボードの上面に接して連続している構成としてもよい。滑り止め部材の底面には摩擦溶着する際に溶融樹脂が入り込む溶融樹脂溜り凹部を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
滑り止め部材は密着することになり、隙間に雨水等が浸入することがなく、常にパレットを清潔に保ち、載置した製品を汚染することがない。また、滑り止め部材は、摩擦溶着によってパレットと一体化されているので使用中の衝撃や振動によって脱落することがない。また、滑り止め部材の材料は少ない使用量で足り、溶着も摩擦溶着によって短時間で済むから、製造コストを安く押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】滑り止め部材を摩擦溶着したパレットの要部断面図である。
【図2】滑り止め部材の上面斜視図である。
【図3】同じく滑り止め部材の断面図と底面斜視図である。
【図4】滑り止め部材の他の実施形態の底面斜視図である。
【図5】滑り止め部材を溶着する溶着凹部を示す上面斜視図である。
【図6】同じく他の実施形態の平面図である。
【図7】両面使用可能な滑り止め部材の正面図である。
【図8】両面使用可能な滑り止め部材をデッキボードの上下面に摩擦溶着したパレットの一部拡大図である。
【図9】デッキボード上面の溶着凹部を示す平面図である。
【図10】デッキボード下面の溶着凹部を示す底面部である。
【図11】溶着凹部と滑り止め部材の一部拡大断面図である。
【図12】溶着凹部と滑り止め部材のテーパー面又は湾曲面の角度を変えた場合の一部拡大断面図である。
【図13】溶着凹部と滑り止め部材の第3実施形態の断面図である。
【図14】滑り止め部材を上板に溶着した場合の第4実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1はこの発明に係る合成樹脂製パレットの一部を示す断面図であって、合成樹脂製パレットの溶着凹部1に滑り止め部材2を摩擦溶着してなる。滑り止め部材2は、円盤状体であって、上面は中央部21を水平面に形成し、周縁部22をテーパー面又は湾曲面に形成してなる。底面23は溶着凹部1に溶着される溶着面であって水平面に形成されており、側面14は一定の肉厚(高さ)を有している。
【0018】
滑り止め部材2の底面23には、図3に示すように、摩擦溶着の際に溶融樹脂が外延部に拡がるのを防止する溶融樹脂溜り凹部25が形成されている。摩擦溶着は、熱可塑性樹脂製滑り止め部材2を回転させながら上部デッキボードに形成した溶着凹部内に押圧して、摩擦熱により熱可塑性樹脂を溶かして溶着するものである。この回転摩擦によって溶融した樹脂は、溶着する際の圧力によって滑り止め部材の外延部にはみ出してバリとなる。このバリの発生をできるだけ少なくするために、滑り止め部材2の底面23には、溶融樹脂を閉じ込めて、はみ出しを防止する溶融樹脂溜り凹部25が形成されている。
【0019】
前記溶融樹脂溜り凹部25は、溶融樹脂を閉じ込めることができるものであればその形状、大きさは特に限定されない。図3に示す溶融樹脂溜り凹部25は、平面においてしずく形状凹部26をしており、先端部が溶着する際の回転方向を向いて連続的に配設されている。溶融した樹脂は回転方向の後方へと流れるとともに、溶着する際は回転を止めて圧着されるので、溶融した樹脂の一部は前記しずく形状凹部26内に入り込んで溶着することになる。前記しずく形状凹部26の大きさ、深さは、摩擦溶着の際の溶融樹脂の量を考慮して適宜決定すればよい。
【0020】
図4(a)〜(d)は、いずれも溶融樹脂溜り凹部25の変形例を示すもので、 図4(a)は半円形凹部26aを連続して配設してなり、図4(b)は円形凹部26bを連続して配設してなり、図4(c)は溝26cを十字状に形成してなり、図4(d)は円環状溶着凹部26dを複数重丸に形成したものである。いずれの形状においても、摩擦溶着の際に溶融樹脂の一部を閉じ込めて外周部へはみ出してバリが発生するのを防止する。
【0021】
一方、前記滑り止め部材2が溶着される溶着凹部1は、上部デッキボードの上面に滑り止め部材2よりも僅かに大きく形成された円形凹部である。そして、前記溶着凹部1は、図1に示すように、滑り止め部材2の側面14の肉厚よりも僅かに深く形成されており、滑り止め部材2の中央部21が突出するように形成されている。溶着凹部1を形成するのは、上部デッキボードの上面であればどこでもよく特に限定されないが、補強リブの交差部に形成するのが好ましい。
【0022】
図1に示す溶着凹部1を形成する上部デッキボードは、上板11の下面に補強リブ12を縦横に設けてなり、溶着凹部1は補強リブ12の交差部に前記補強リブ12を連結する円筒リブ13を設けるとともに、円筒リブ13の上方の上板を凹ませて形成されている。
【0023】
この溶着凹部1に滑り止め部材2を嵌入し、前記滑り止め部材2を高速で回転させながら圧力を加え、溶着凹部1の底面との間に摩擦熱を発生させることにより摩擦溶着してなる。滑り止め部材2の底面には、溶融樹脂溜り凹部25(26〜26a)が形成されているから、溶着凹部1の周面から溶融樹脂がはみ出すのを少なく押さえることができる。
【0024】
図5〜図6は、溶融樹脂溜り凹部25の他の実施形態と示す。上記実施形態では、溶融樹脂溜り凹部25を滑り止め部材2の底面に形成したが、図5及び図6は、溶融樹脂溜り凹部25Aを溶着凹部1の底面に形成してなる。即ち、溶着凹部1は、補強リブ12の交差部に前記補強リブ12を連結する円筒リブ13を設けるとともに、円筒リブ13の上方の上板を凹ませて形成されている。
【0025】
溶融樹脂溜り凹部25Aは、前記溶着凹部1内に形成されており、図5に示す溶融樹脂溜り凹部25Aは、平面においてしずく形状26をしており、先端部が溶着する際に滑り止め部材2の回転方向を向いて連続的に配設されている。図3のしずく形状26と同一である。従って、同一構成については同一符号を付して説明は省略する。
【0026】
図6(a)〜(b)は、いずれも溶融樹脂溜り凹部25Aの変形例を示すもので、図6(a)は半円形凹部26aを連続して配設してなり、図6(b)は円形凹部26bを連続して配設してなり、図6(c)は渦巻状溝26d形成してなり、図6(d)は溝26cを十字状に形成したものである。いずれの形状においても、摩擦溶着の際に滑り止め部材の溶融樹脂が溶着凹部1からはみ出してバリが発生するのを防止する。
【0027】
上記実施形態において、溶融樹脂溜り凹部25,25Aは、滑り止め部材2の下面又は溶着凹部1の底面のいずれか一方に形成すれば足りるが、形状や大きさ或いは形成する位置によっては、滑り止め部材2の下面と溶着凹部1の底面の両方に形成することも可能である。
【0028】
図7〜図12は、滑り止め部材と溶着凹部の他の形状の組合せによる実施形態を示す。図7は、滑り止め部材2Aの正面図であって、上下面の形状は上下いずれの面を溶着凹部に嵌入可能なように対称に形成されている。即ち、滑り止め部材2Aは、両面とも同じ大きさの水平面とした中央部21aと、テーパー面又は湾曲面に形成した周縁部22aを有している。このように、上下面にテーパー面又は湾曲面を形成した場合には、側面14aの接触面積が小さくなり、バリの発生を少なくすることができる。
【0029】
一方、前記滑り止め部材2Aを嵌入する溶着凹部1Aは、周縁部に滑り止め部材2Aのテーパー面又は湾曲面に対応してテーパー面又は湾曲面27を形成してなる。図8に示す実施形態では、溶着凹部1Aが上部デッキボードの上面側に形成され、溶着凹部1Bが上部デッキボードの下面側にそれぞれ形成されている。
【0030】
溶着凹部1Aの形状は、図9に示すように、溶着凹部1Aの底面には、周縁部にテーパー面又は湾曲面27とともに、十字状の溝26cが形成されている。十字状の溝26cが形成されている構成は、図6(d)と同じであり、周縁部のテーパー面又は湾曲面27が形成されている点が異なる。
【0031】
前記溶着凹部1Bは、図10に示すように、上部デッキボードの下面側において円筒リブ13の内周面にテーパー面又は湾曲面27を形成するとともに、円筒リブ13内の補強リブ12の高さ短くすることによって形成されている。摩擦溶着したとき、滑り止め部材2Aのテーパー面又は湾曲面22aがテーパー面又は湾曲面27に密着し、溶融樹脂は、テーパー面又は湾曲面27によって下方に押し込められるとともに、補強リブ12と円筒リブ13との間の空隙28に入り込むのでバリが生じることがない。
【0032】
図12は、溶着凹部1A,1Bのテーパー面又は湾曲面27の角度と、滑り止め部材2Aの周縁部22aに形成したテーパー面又は湾曲面の角度とを異ならしめた場合の実施形態を示す。図11に示す実施形態では、テーパー面又は湾曲面27に形成した十字状溝26cに溶融樹脂が入り込むが、滑り止め部材2Aのテーパー面又は湾曲面22aを溶着凹部1Aのそれと角度を異ならしめることによって、両者のテーパー面又は湾曲面との間に僅かに隙間が生じるから、テーパー面又は湾曲面27に十字状溝を形成しなくとも溶融樹脂を閉じ込めることができる。
【0033】
図13に示す実施形態は、滑り止め部材の他の溶着構造を示し、皿状滑り止め部材2Bの底面中央部を凹ませることによって周縁部に円環状凸部30を形成し、上板11の上面には、前記円環状凸部30が嵌合する円環状溶着凹部1Bを形成した場合を示す。皿状滑り止め部材2Bは、滑り止め部材2と同じく、水平な中央部21の周縁部22をテーパー面又は湾曲面に形成した上面と、所定の肉厚(高さ)の側面を有している。滑り止め部材2Bの底面中央部を凹ませるとともに、適宜形状の溶融樹脂溜り凹部25を形成してなる。
【0034】
前記円環状溶着凹部1Bで囲まれた内側上面は、上板11の上面よりも凹んだ状態に形成してなるが、上板11の上面と同じ水平面であってもよく、あるいは上板11の上面よりも突出していてもよい。上板11の上面には、皿状滑り止め部材2Bの底面周縁の円環状凸部30が嵌合する円環状溶着凹部1Bが形成されていればよい。このように、溶着凹部を円環状溶着凹部1Bとした場合には、滑り止め部材の全体の肉厚を薄くすることができる。また、溶融樹脂溜り凹部25は滑り止め部材の下面ではなく、円環状溶着凹部1Bで囲まれた内側上面に形成してもよい。
【0035】
図14は、滑り止め部材を平面部に溶着した場合の第5実施形態の断面図である。滑り止め部材2Cは、上記いずれの実施形態とも異なり、側面の肉厚(高さ)がなく、水平な中央部21の外周に形成したテーパー面又は湾曲面の周縁部22cの周縁がデッキボードの上板11の上面に連続している。
【0036】
このように、滑り止め部材2Cの周縁を上板11の上面に連続させることによって、フォークや荷物の引っ掛かりがなくスムーズに移動させることができる。また、滑り止め部材2Cの上面を上板11に連続させるとともに、底面に溶融樹脂溜り凹部25を形成することによって、上板の上面に溶着凹部を形成することなく上板の任意の箇所に摩擦溶着することができる。
【符号の説明】
【0037】
1、1A:溶着凹部
11:上板
12:補強リブ
13:円筒リブ
2、2A:滑り止め部材
21、21a:滑り止め部材の中央部
22、22a:周縁部
23:底面
25:溶融樹脂溜り凹部
27:テーパー面又は湾曲面
30:円環状凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーパー面又は湾曲面に形成した上面周縁部と、一定の厚さ(高さ)の側面とを有する円盤状の滑り止め部材を、上部デッキボードの上面に摩擦溶着により一体に固着してなることを特徴とする合成樹脂製パレット。
【請求項2】
上部デッキボードに溶着凹部を形成し、前記溶着凹部に滑り止め部材を嵌入して摩擦溶着することを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項3】
滑り止め部材の底面又は上部デッキボードに形成した溶着凹部の少なくともいずれか一方に、溶融樹脂溜り凹部を形成してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項4】
滑り止め部材の底面と溶着凹部の底面は水平に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項5】
滑り止め部材の底面中央部を凹ませるとともに、溶着凹部を前記滑り止め部材の底面が嵌合するように突出させたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項6】
滑り止め部材の底面に上面と対称となるテーパー面又は湾曲面が形成されており、溶着凹部の周縁部にもテーパー面又は湾曲面が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の合成樹脂製パレット
【請求項7】
上面の周縁部をテーパー面又は湾曲面に形成した円盤状滑り止め部材を上部デッキボードの上面に摩擦溶着によって一体に固着してなり、滑り止め部材の周縁がデッキボードの上面に接して連続していることを特徴とする合成樹脂製パレット。
【請求項8】
滑り止め部材の底面には摩擦溶着する際に溶融樹脂が入り込む溶融樹脂溜り凹部を形成してなることを特徴とする請求項7に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項1】
テーパー面又は湾曲面に形成した上面周縁部と、一定の厚さ(高さ)の側面とを有する円盤状の滑り止め部材を、上部デッキボードの上面に摩擦溶着により一体に固着してなることを特徴とする合成樹脂製パレット。
【請求項2】
上部デッキボードに溶着凹部を形成し、前記溶着凹部に滑り止め部材を嵌入して摩擦溶着することを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項3】
滑り止め部材の底面又は上部デッキボードに形成した溶着凹部の少なくともいずれか一方に、溶融樹脂溜り凹部を形成してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項4】
滑り止め部材の底面と溶着凹部の底面は水平に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項5】
滑り止め部材の底面中央部を凹ませるとともに、溶着凹部を前記滑り止め部材の底面が嵌合するように突出させたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の合成樹脂製パレット。
【請求項6】
滑り止め部材の底面に上面と対称となるテーパー面又は湾曲面が形成されており、溶着凹部の周縁部にもテーパー面又は湾曲面が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の合成樹脂製パレット
【請求項7】
上面の周縁部をテーパー面又は湾曲面に形成した円盤状滑り止め部材を上部デッキボードの上面に摩擦溶着によって一体に固着してなり、滑り止め部材の周縁がデッキボードの上面に接して連続していることを特徴とする合成樹脂製パレット。
【請求項8】
滑り止め部材の底面には摩擦溶着する際に溶融樹脂が入り込む溶融樹脂溜り凹部を形成してなることを特徴とする請求項7に記載の合成樹脂製パレット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−18495(P2013−18495A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150848(P2011−150848)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000155229)株式会社明治ゴム化成 (63)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000155229)株式会社明治ゴム化成 (63)
【Fターム(参考)】
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