説明

吊り上げ装置及び作業台車

【課題】ワークをふらつかせずに安定して吊り上げることができ、ワークの荷重にあわせてバランスさせる荷重を調整することが容易で、簡素な構成でかつ低廉な吊り上げ装置を提供する。
【解決手段】本発明の吊り上げ装置1は、基台2に保持される梁3(連結アーム25により回動自在に保持)と、該梁3の下側に一端を保持され前記梁3に対し上下方向に回動可能な腕部材4と、該腕部材4の他端に保持されてワークWを吊る吊り上げ手段5と、前記梁3に配設されたぜんまいばね61と、前記腕部材4に配設された動滑車71と、該動滑車71に架け回されて一端が前記梁3に固定されかつ他端が前記ぜんまいばね61に連結される牽索ワイヤ69と、からなり、前記梁3と前記腕部材4との間で前記ワークWとは逆方向への荷重が作用することを特徴とする。前記ぜんまいばね61の巻き上げ及び緩めを行う駆動モータ81及びスイッチ85、を備えるようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品や製品などのワークの移動や工具を吊り上げての作業に用いる吊り上げ装置、及び吊り上げ装置を備えた作業台車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や電気機器などの組立ラインでは、ワークに順次部品を組み付けてゆき、製品を完成させている。このとき、比較的大きく重量のある部品や製品の移動では、人力のみに頼らずに吊り上げ装置を用いている。吊り上げ装置では、ワークに近い荷重を逆方向に作用させることにより、実重量よりも小さな人力で吊り上げて移動できるようになっている。また、ねじを締め付ける電動ドライバーなどの作業工具も、吊り上げ装置で吊り上げて使用できるようになっている。この種の吊り上げ装置は、天井や支柱から吊り下げられたり移動可能なアームに支えられて、利用に供されている。また、例えば特許文献1のセル生産設備に開示されるように、吊り上げ装置を自動走行する作業台車上に設けることもできる。吊り上げ装置の使用により、作業者の負担の軽減や作業の迅速化が図られている。
【0003】
吊り上げ装置には、大別してバランス方式と駆動制御方式とがある。バランス方式の吊り上げ装置は、例えば、牽索線材の一端にワークを吊るためのフックなどの吊り上げ手段が設けられ、他端に錘あるいは定荷重ぜんまいばねが連結されて構成されている。そして、錘あるいは定荷重ぜんまいばねがワークとは逆方向に作用して、両者の差分に相当する人力で吊り上げが行えるようになっている。駆動方式の吊り上げ装置では、電力や圧縮空気などの駆動源を利用して、ワークと逆方向の荷重を生成している。さらには、複雑な電気回路を用いた荷重検出手段やバランス制御手段を備えて、自動的に荷重のバランスをとるものもある。例えば、特許文献2に開示される動力工具保持具は、外部から導入される気体の圧力によって動力工具を垂直方向の任意の位置に保持できるようになっている。
【特許文献1】特開2005−182388号公報
【特許文献2】特開2000−94366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、両方の方式に共通の課題として、牽索線材の下端の吊り上げ手段にワークを吊ったときに、ワークが主に水平方向にふらつく難点がある。ワークがふらつくと、部品や製品の移動では安定性を欠き、また作業工具の使用では作業効率の低下を招いていた。
【0005】
また、バランス方式の吊り上げ装置は簡易な構成で廉価であるが、バランスさせる荷重の大きさが固定されている難点があった。すなわち、複数のワークの荷重が異なる場合に、それぞれのワークに合わせて多数の吊り上げ装置を設置することになり作業エリアが混雑し、また設備投資費用もかさんでいた。一方、駆動方式の吊り上げ装置は、装置が複雑化し費用が非常に高価である。さらに、駆動源として電源あるいは圧縮空気配管が必要であり、用途や使用場所が限定されていた。
【0006】
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、ワークをふらつかせずに安定して吊り上げることができ、ワークの荷重にあわせてバランスさせる荷重を調整することが容易で、簡素な構成でかつ低廉な吊り上げ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吊り上げ装置は、基台に保持される梁と、該梁の下側に一端を保持され前記梁に対し上下方向に回動可能な腕部材と、該腕部材の他端に保持されてワークを吊る吊り上げ手段と、前記梁に配設されたぜんまいばねと、前記腕部材に配設された動滑車と、該動滑車に架け回されて一端が前記梁に固定されかつ他端が前記ぜんまいばねに連結される牽索ワイヤと、からなり、前記梁と前記腕部材との間で前記ワークとは逆方向への荷重が作用することを特徴とする。本発明は吊り上げ装置の改良に関わり、ワークをふらつかせずに安定して吊り上げるために、腕部材を備えることを特徴としている。
【0008】
基台及び梁は、吊り上げ装置全体を支持する部材であり、堅牢な材質で構成されている。基台は、例えば建屋の側壁や、支柱などに相当する。梁は基台に保持され、通常は水平に架け渡される部材であり、鋼材などを用いることができる。腕部材は、梁の下側に一端を保持され、梁に対し上下方向に回動可能な棒状の部材である。腕部材は、例えば梁に一端を枢支されて、他端が上下方向に円弧状に自在に動くように構成することができる。吊り上げ手段は、腕部材の他端に保持されてワークを吊る部材である。吊り上げ手段は、例えば吊り上げフックのような汎用品でもよく、対象となるワークにあわせた専用の吊り治具でもよい。
【0009】
ぜんまいばねは、ワークとは逆方向への荷重を生起する部材であり、ワークの重量に合わせて、巻き取りの張力が選定されている。ぜんまいばねは、腕部材の回動動作を妨げないように、例えば梁の上側に配設することができる。動滑車は、腕部材に配設され、軸支持部を腕部材の他端に近い側に固定することができる。牽索ワイヤは、一端が前記梁に固定され、中間が動滑車に架け回され、他端がぜんまいばねに連結されるように配設することができる。牽索ワイヤには、金属ワイヤの他、ロープ、チェーンなどを用いることもできる。ぜんまいばねの張力は牽索ワイヤを引っ張り、動滑車を腕部材とともに梁に向けて引き上げる方向に作用する。すなわち、吊り上げ手段に吊られて腕部材を引き下げるワークとは、逆方向への荷重が作用する。
【0010】
上述のように構成した本発明の吊り上げ装置では、ワークの荷重とぜんまいばねの張力とが相殺するため、ワークの実際の荷重よりも小さい人力で吊り上げを行うことができる。このとき、ワークを吊っている吊り上げ手段は、腕部材により横方向への移動が制限され、上下方向にのみ安定して回動する。したがって、従来の牽索線材に吊り下げられたワークが横方向へふらつくのに対して、本発明ではワークがふらつかない。それゆえ、部品や製品を安定して移動することができ、また作業工具を安定して吊り上げ作業を効率的に行うことができる。
【0011】
なお、動滑車を用いたことにより、ぜんまいばねの張力はワークの荷重の略半分で済むようになっている。複数の滑車を組み合わせて用いれば、さらに重いワークを吊ることができ、逆にぜんまいばねを小形化することもできる。
【0012】
また、前記ぜんまいばねの巻き上げ及び緩めを行う駆動モータと、前記腕部材の前記他端に該駆動モータを操作するスイッチと、を備えるようにしてもよい。 この態様によれば、荷重の異なるワークそれぞれに合わせてぜんまいばねの張力を加減し、バランスさせることができる。したがって、ごく小さな人力であらゆるワークを吊ることができる。さらに、この駆動モータを操作するスイッチを、腕部材の他端に備えるようにしている。このため、作業者は吊り上げ手段にワークを吊った状態で外力を加えながら、同時にスイッチを操作することができ、作業性は極めて良好である。
【0013】
なお、本発明を構成するぜんまいばねや駆動モータ、スイッチには汎用品を用いることができ、複雑な制御部や制御ソフトウェアの開発は不要である。したがって、従来の複雑な電気回路を用いた荷重検出手段やバランス制御手段を備えるものと比較し、極めて簡素な構成でかつ低廉なコストで、荷重のバランス調整機能を実現することができた。
【0014】
さらに、前記梁及び前記腕部材は、前記基台に対して回動自在に連結されるようにしてもよい。本発明の吊り上げ装置の実用性能を高めるために、吊り上げ位置の自在性を高めることが好ましい。すなわち、梁と腕部材は、例えば両端が枢支される連結アームを用いて、基台に対して水平方向に回動自在に連結することができる。これにより、吊り上げ位置が自在に移動できるため、ワークの移動や作業工具の操作が容易になる。複数のアームを連結した自在アームとすることにより、さらに自由度が向上する。
【0015】
次に、上述の吊り上げ装置を備えた本発明の作業台車について説明する。本発明の作業台車は、1つのワークに対する複数の作業工程を一人の作業者が担うことができるセル生産を行うためのセル生産設備であって、予め定められた走行ルートと、該走行ルートに沿って配設され、前記作業者に対して前記ワークの受け渡し、工具、部品を供給するための複数のステーションと、上記走行ルート上を自動走行可能であるとともに、前記ワークを保持するワーク保持部と、該ワーク保持部に保持された該ワークに対して作業可能な状態で前記作業者を乗車させることができる搭乗部とを備え、前記ステーション間において前記ワークを搬送する作業台車と、からなるセル生産設備において、該作業台車本体に前記基台を固定した吊り上げ装置を備えたことを特徴とする。
【0016】
作業台車はセル生産に用いられるものであり、すなわち、作業者が乗車して、部品ステーションなどを巡りつつ、走行しながら組立作業を行うものである。この作業台車上に基台に相当する支柱を設け、支柱から梁を渡して吊り上げ装置を構成することができる。本発明の作業台車によれば、ワークの受け渡しや、工具及び部品などを吊っての組み立て作業に、上述の吊り上げ装置を用いることができ、作業が安定化し、また効率化できる。
【0017】
なお、この態様では、ぜんまいばねを調整する駆動モータの電源を、作業台車の走行用電源と共用することができる。例えば、走行用電源が蓄電池の場合、駆動モータにはその直流電圧で駆動できる直流モータを用いることが好ましい。これにより、吊り上げ装置の構成の簡素化、低廉化ができ、作業台車全体としても経済性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の吊り上げ装置は、梁、腕部材、吊り上げ手段、ぜんまいばね、動滑車、牽索ワイヤからなり、吊り上げ手段は腕部材により横方向への移動が制限され、上下方向にのみ安定して回動するようにした。このため、従来の牽索線材に吊り下げられたワークが横方向へふらつくのに対して、本発明ではワークがふらつかず、部品や製品を安定して移動することができ、また作業工具を安定して吊り上げ作業を効率的に行うことができる。
【0019】
また、ぜんまいばねの巻き上げ及び緩めを行う駆動モータ及びスイッチを備えることにより、荷重の異なるワークそれぞれに合わせてぜんまいばねの張力を加減し、バランスさせることができるようにした。したがって、ごく小さな人力であらゆるワークを吊ることができる。作業者は、ワークを吊った状態で外力を加えながら、同時にスイッチを操作することができ、作業性は極めて良好である。
【0020】
さらに、本発明を構成するぜんまいばねや駆動モータ、スイッチには汎用品を用いることができ、複雑な制御部や制御ソフトウェアの開発は不要である。したがって、従来の複雑な電気回路を用いた荷重検出手段やバランス制御手段を備えるものと比較し、極めて簡素な構成でかつ低廉な装置コストで、荷重のバランス調整機能を実現することができた。
【0021】
また、吊り上げ装置を備えた本発明の作業台車は、セル生産の組み立て作業の安定化、効率化に大きく貢献し、経済性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図4を参考にして説明する。図1は、本発明の実施例の吊り上げ装置1を示す説明図である。実施例の吊り上げ装置1は、基台2、連結アーム25、梁3、腕部材4、吊り上げ手段に相当する吊り部材5、ぜんまいばね61、牽索ワイヤ69、動滑車71、駆動モータ81、スイッチ85、により構成されている。
【0023】
基台2は、間隔を開けて起立する2本の支柱21と、2本の支柱21の上端に水平に渡された取付材22とで形成されている。取付材22の側面には、枢支部23が設けられ、連結アーム25の一端が水平方向に回動できるように枢支されている。連結アーム25は水平に延びる部材であり、後述の梁3の枢支部31にも枢支されている。したがって、基台2に対して連結アーム25が水平自在に回動し、連結アーム25に対して梁3が水平自在に回動する。このため、吊り上げを行う位置を自由に調整することができる。
【0024】
梁3は、連結アーム25を枢支する枢支部31と、枢支部31から水平方向に延びる梁本体32と、枢支部31から下方に延びる腕取り付け部材33と、で形成されている。腕部材4は、左右2本ずつ並行する4本の棒材41で形成され、それぞれの一端42は腕取り付け部材33に上下に回動できるように枢支され、それぞれの他端43は梁本体32の下方に延びて後述の結合材51に枢支されている。4本の棒材41は平行クランクを形成しており、その傾き具合によらず、結合材51を直立姿勢に保っている。
【0025】
吊り部材5は、4本の棒材41の他端43に保持される結合材51と、結合材51の下面に配設されてワークWを吊り下げる吊り治具52と、結合材51の側面に一端を保持されて水平に延びる操作材53と、操作材53の他端に下方に向けて配設される操作棒54と、で形成されている。吊り治具52の下部には、ワークWを容易に吊り下げられるように図略のチャックが設けられている。吊り治具52と操作棒54とは、略肩幅程度の間隔を設けて同じ高さに配設されている。したがって作業者Mは、一方の手で吊り治具52を持ち、他方の手で操作棒54を持つことができるようになっている。あるいは、操作材53を持ち外力を加えて、ワークWを吊ることもできる。
【0026】
ぜんまいばね61は、梁本体32の中央上面に配設されている。ぜんまいばね61は、図2に示されるように、ばね本体62、出力ハウジング63、巻き上げホイール64、連結部材65、巻き上げ軸66、ウォームギヤ機構67、で形成されている。渦巻き状のばね本体62の周端は出力ハウジング63に結合されており、一定の巻き上げ張力を出力している。巻き上げホイール64には、牽索ワイヤ69の一端が固定されて巻き取られ、他端が引き出されている。出力ハウジング63と巻き上げホイール64との間は、連結部材65により機械的に結合されて、ばね本体62の巻き上げ張力が巻き上げホイール64に伝達され、牽索ワイヤ69を巻き取るように作用している。
【0027】
動滑車71は、腕部材4の棒材41の吊り部材5寄りに回動可能に軸支持されている。牽索ワイヤ69の他端は巻き上げホイール64から下方に引き出され、動滑車71に架け回された後に上方に引き上げられ、梁本体32の先端部39に固定されている。動滑車71は、腕部材4の上下動とともに梁3に対して変位するため、動滑車として作用する。これにより、ばね本体62の巻き上げ張力よりも大きなワークまで荷重をバランスさせることができる。
【0028】
駆動モータ81は、梁本体32の中央上面に、ぜんまいばね61に隣接して配設されている。駆動モータ81の出力軸82は、ぜんまいばね61のウォームギヤ機構67に連結して、これを駆動するようになっている。ウォームギヤ機構67が駆動されると、巻き上げ軸66を経由して、ばね本体62の中央が回転し、巻き上げあるいは緩めが行われるようになっている。駆動モータ81には直流モータが用いられ、電源端子はスイッチ85を経由して、蓄電池89に配線接続されている。スイッチ85は、正転、逆転、及び停止の3状態をもつタイプで、ばね本体62の巻き上げ及び緩めを制御することができる。ばね本体62の巻き上げにより出力は増加し、牽索ワイヤ69はより大きな荷重で引き上げられる。
【0029】
スイッチ85は電気配線により操作棒54の至近箇所に配設され、上方に傾けると正転、下方に傾けると逆転となるレバー式スイッチが用いられている。したがって、作業者MはワークWを吊り上げている状態でスイッチ85を操作し、牽索ワイヤ69の引き上げ荷重を調整することができる。
【0030】
実施例の吊り上げ装置1では、ワークWは牽索ワイヤ69により引き上げられて荷重がバランスすると同時に、吊り部材5及び腕部材4を介して保持される。したがって、ワークWが横方向にふらつくことはない。また、作業者Mは両手でワークを操作することができるため、安定した作業となる。さらに、ワークWを吊った状態で、牽索ワイヤ69の引き上げ荷重をスイッチ85により簡単に調整することができる。吊り上げ装置1には、複雑な荷重検出手段やバランス制御手段は不要であり、低廉なコストでバランス荷重の調整機能を実現することができ、作業効率は格段に向上する。
【0031】
次に、図3、図4を参考にして、本発明の実施例の作業台車9について説明する。図3は、実施例の吊り上げ装置1の主要部分を備えた作業台車9を示す説明図である。実施例の作業台車9は、メイン台車91と、連結されるサブ台車92とからなっている。そして、両者を連結する連結部材93の上方側面に吊り上げ装置1が設けられている。メイン台車91及びサブ台車92には作業者Mが乗車し、走行しながら組み立て作業を行うようになっている。
【0032】
作業台車9は、図4に示されるセル生産設備100で用いられる。図4で、セル生産設備100のエリア内に設けられている閉じた走行ルート101をメイン台車91が走行し、連結されているサブ台車92は走行ルート102を伴走する。図4では、3組のメイン台車91及びサブ台車92が示されている。走行ルート101、102に沿って配設されている多数のテーブルはステーションであり、ワークの組立に必要な部品や工具、治具などが配置されている。メイン台車91は、走行ルート101上の開始位置SSで原材料のワークWを受け取り、走行ルート101を反時計回りに走行しながら組み立て作業を行い、完成位置SEで完成したワークWを搬出する。サブ台車92は走行ルート102を伴走し、アセンブリ部品の組立や、組付治具の準備などを分担して行い、メイン台車91に受け渡している。
【0033】
メイン台車91では、ワークWの受け取り及び搬出の他、部品の受け取りや、工具、治具を吊っての作業などに、吊り上げ装置1を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例の吊り上げ装置を示す説明図である。
【図2】図1におけるぜんまいばね部分の詳細を示す説明図である。
【図3】図1に示される吊り上げ装置を備えた、本発明の実施例の作業台車を示す説明図である。
【図4】図3に示される作業台車を用いるセル生産設備を示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1:吊り上げ装置
2:基台
21:支柱 22:取付材 23:枢支部
25:連結アーム
3:梁
31:枢支部 32:梁本体 33:腕取り付け部材
39:先端部
4:腕部材
41:棒材 42:一端 43:他端
5:吊り部材
51:結合材 52:吊り治具 53:操作材
54:操作棒
61:ぜんまいばね
62:ばね本体 63:出力ハウジング 64:巻き上げホイール
65:連結部材 66:巻き上げ軸 67:ウォームギヤ機構
69:牽索ワイヤ
71:動滑車
81:駆動モータ 82:出力軸
85:スイッチ 89:蓄電池
9:作業台車
91:メイン台車 92:サブ台車 93:連結部材
100:セル生産設備
101、102:走行ルート SS:開始位置 SE:完成位置
W:ワーク
M:作業者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に保持される梁と、
該梁の下側に一端を保持され前記梁に対し上下方向に回動可能な腕部材と、
該腕部材の他端に保持されてワークを吊る吊り上げ手段と、
前記梁に配設されたぜんまいばねと、
前記腕部材に配設された動滑車と、
該動滑車に架け回されて一端が前記梁に固定されかつ他端が前記ぜんまいばねに連結される牽索ワイヤと、からなり、
前記梁と前記腕部材との間で前記ワークとは逆方向への荷重が作用することを特徴とする吊り上げ装置。
【請求項2】
前記ぜんまいばねの巻き上げ及び緩めを行う駆動モータと、
前記腕部材の前記他端に該駆動モータを操作するスイッチと、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の吊り上げ装置。
【請求項3】
前記梁及び前記腕部材は、前記基台に対して回動自在に連結される、請求項1または2に記載の吊り上げ装置。
【請求項4】
1つのワークに対する複数の作業工程を一人の作業者が担うことができるセル生産を行うためのセル生産設備であって、
予め定められた走行ルートと、
該走行ルートに沿って配設され、前記作業者に対して前記ワークの受け渡し、工具、部品を供給するための複数のステーションと、
上記走行ルート上を自動走行可能であるとともに、前記ワークを保持するワーク保持部と、該ワーク保持部に保持された該ワークに対して作業可能な状態で前記作業者を乗車させることができる搭乗部とを備え、前記ステーション間において前記ワークを搬送する作業台車と、からなるセル生産設備において、
該作業台車本体に前記基台を固定した、請求項1〜3に記載の吊り上げ装置を備えたことを特徴とする作業台車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−62964(P2007−62964A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252495(P2005−252495)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)