説明

吊り戸の下部振止装置

【課題】床面に設置されたケースとガイドピンの隙間に塵埃が入り込みにくく、ガイドピンを安定して動作させることができるようにした吊り戸の下部振止装置を提供すること。
【解決手段】床面Fに設置されるケース2及びこのケース2に上方に突出可能に収納されたガイドピン3を備えた床面設置部材1と、この床面設置部材1のガイドピン3が突出して挿入される吊り戸本体Dに配設した案内溝部材4とからなる吊り戸の下部振止装置において、ガイドピン3を入れ子式の多段構造にするとともに、最上段のガイドピン32の頭部32aの直径D1を、最上段のガイドピン32の頭部32a以外のガイドピン3の部位の直径D2よりも大きく形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り戸の下部振止装置に関し、特に、ガイドピンを安定して動作させることができるようにした吊り戸の下部振止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、天井レールにランナーを介して走行自在に吊り下げられた吊り戸に対し、床面に設置した床面設置部材に磁力によって突出可能に設けられたガイドピンが、吊り戸本体に配設した案内溝部材の案内溝内に挿入されることにより、吊り戸のガイドを行う吊り戸の下部振止装置が知られている。
この吊り戸の下部振止装置は、床に配設されるケースと、該ケースに上方に突出可能に収納されたガイドピンとを備え、ガイドピンを突出させた状態を磁力により維持しながら吊り戸のガイドを行うようにしている。
【0003】
また、特許文献2に開示されるように、吊り戸本体に配設した案内溝部材の案内溝内に挿入されたガイドピンを、溝幅を狭く形成した案内溝部材の開口端縁部に保持するようにした吊り戸の下部振止装置も知られている。
【0004】
また、特許文献3及び4に開示されるように、ガイドピンを入れ子式の多段構造(テレスコピック構造)にした吊り戸の下部振止装置も知られている。
【0005】
しかしながら、上記従来の吊り戸の下部振止装置は、床面に設置されたケースに突出可能に収納されたガイドピンの頭部の直径が、頭部以外のガイドピンの部位の直径と同じか、又は小さく形成されているため、ガイドピンが突出していないときに、床面に設置されたケースとガイドピンの隙間(摺接空間)に塵埃が入り込みやすく、ガイドピンの動作に支障が生じやすいという問題があった。
また、吊り戸本体に配設した案内溝部材の案内溝内に挿入されたガイドピンを、溝幅を狭く形成した案内溝部材の開口端縁部に保持するようにしたものにおいては、ガイドピンの頭部の直径と同じか、又は大きく形成されている頭部以外のガイドピンの部位が、溝幅を狭く形成した案内溝部材の開口端縁部の移行部に挟まりやすく、吊り戸の移動に支障をきたしたり、下部振止装置が破損する等の問題があった。
【特許文献1】特開平4−297687号公報
【特許文献2】特開平7−166757号公報
【特許文献3】特開2005−2770号公報
【特許文献4】特開2005−163384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の吊り戸の下部振止装置の有する問題点に鑑み、床面に設置されたケースとガイドピンの隙間に塵埃が入り込みにくく、ガイドピンを安定して動作させることができるようにした吊り戸の下部振止装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、頭部以外のガイドピンの部位が、溝幅を狭く形成した案内溝部材の開口端縁部の移行部に挟まることがなく、吊り戸を安定して移動させることができるようにした吊り戸の下部振止装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記第1の目的を達成するため、本発明の吊り戸の下部振止装置は、床面に設置されるケース及び該ケースに上方に突出可能に収納されたガイドピンを備えた床面設置部材と、該床面設置部材のガイドピンが突出して挿入される吊り戸本体に配設した案内溝部材とからなる吊り戸の下部振止装置において、前記ガイドピンを入れ子式の多段構造にするとともに、最上段のガイドピンの頭部の直径を、最上段のガイドピンの頭部以外のガイドピンの部位の直径よりも大きく形成したことを特徴とする。
【0008】
この場合において、床面設置部材の床面に設置されるケースの上面部に、最上段のガイドピンの頭部を収納する環状の凹部を形成することができる。
【0009】
さらに、上記第2の目的を達成するため、本発明の吊り戸の下部振止装置は、案内溝部材の開口端縁部の溝幅を、吊り戸本体の端部側において最上段のガイドピンの頭部の直径より広く形成するとともに、吊り戸本体の端部側を除く部位において最上段のガイドピンの頭部の直径より狭く、かつ、最上段のガイドピンの頭部以外のガイドピンの部位の直径よりも広く形成し、吊り戸本体の端部側から案内溝部材内に挿入した最上段のガイドピンの頭部を、案内溝部材の吊り戸本体の端部側を除く部位において保持するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の吊り戸の下部振止装置によれば、ガイドピンを入れ子式の多段構造にするとともに、最上段のガイドピンの頭部の直径を、最上段のガイドピンの頭部以外のガイドピンの部位の直径よりも大きく形成することにより、最上段のガイドピンの頭部によってケースとガイドピンの隙間が覆い隠されるため、床面に設置されたケースとガイドピンの隙間に塵埃が入り込みにくく、ガイドピンを安定して動作させることができ、また、意匠性を向上することができる。
【0011】
また、床面設置部材の床面に設置されるケースの上面部に、最上段のガイドピンの頭部を収納する環状の凹部を形成することにより、ガイドピンの収納性を向上することができる。
【0012】
また、案内溝部材の開口端縁部の溝幅を、吊り戸本体の端部側において最上段のガイドピンの頭部の直径より広く形成するとともに、吊り戸本体の端部側を除く部位において最上段のガイドピンの頭部の直径より狭く、かつ、最上段のガイドピンの頭部以外のガイドピンの部位の直径よりも広く形成し、吊り戸本体の端部側から案内溝部材内に挿入した最上段のガイドピンの頭部を、案内溝部材の吊り戸本体の端部側を除く部位において保持するようにすることにより、頭部以外のガイドピンの部位が、溝幅を狭く形成した案内溝部材の開口端縁部の移行部に挟まることがなく、吊り戸を安定して移動させることができるとともに、下部振止装置が破損する等の事故を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の吊り戸の下部振止装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1〜図4に、本発明の吊り戸の下部振止装置の一実施例を示す。
この吊り戸の下部振止装置は、床面Fに設置されるケース2及びこのケース2に上方に突出可能に収納されたガイドピン3を備えた床面設置部材1と、この床面設置部材1のガイドピン3が突出して挿入される吊り戸本体Dに配設した案内溝部材4とからなる吊り戸の下部振止装置において、ガイドピン3を入れ子式の多段構造にするとともに、最上段のガイドピン(以下、「第2ガイドピン32」という。)の頭部32aの直径D1を、第2ガイドピン32の頭部32a以外のガイドピン3の部位の直径D2よりも大きく形成するようにしている。
【0015】
ケース2は、金属製又は合成樹脂製で、鍔部21を備えた円筒体からなる。
また、ケース2の上面部には、第2ガイドピン32の頭部32aを収納することができる環状の凹部22を形成するようにしている。
これにより、ガイドピン3、特に、第2ガイドピン32の頭部32aの収納性を向上することができる。
【0016】
ガイドピン3は、金属製又は合成樹脂製の円筒体からなり、ケース2に直接摺動可能に収納された第1ガイドピン31と、この第1ガイドピン31の内部に摺動可能に収納された第2ガイドピン32とを備え、ケース2、第1ガイドピン31及び第2ガイドピン32は、3段の入れ子式の多段構造(テレスコピック構造)に形成されるとともに、ピン33や突起部34等の適宜の抜け止め手段を設けることによって、ケース2から抜け出ないようにされている。
なお、ガイドピン3は、本実施例においては、第1ガイドピン31及び第2ガイドピン32の2個のガイドピンで構成したが、3個以上のガイドピンで構成することもできる。
【0017】
最上段のガイドピンとなる第2ガイドピン32は、有蓋の円筒体からなり、頭部32aを鉄等の磁性体材料で形成するようにしている。
なお、案内溝部材4に磁石を配設しない場合等には、頭部32aに磁石を配設するようにすることもできる。
【0018】
なお、本実施例の吊り戸の下部振止装置においては、ガイドピン3をケース2に同心状に配設するようにしたが、ガイドピン3をケース2に対して偏心して配設することにより、ケース2を床面Fに設置する際に、ケース2を回転することによって、ガイドピン3の吊り戸本体Dの案内溝部材4に対する位置を調整することができる。
【0019】
さらに、本実施例の吊り戸の下部振止装置においては、ケース2を床面Fに設置するに当たり、ケース2を合成樹脂製のアウター部材5を介して床面Fに設置するようにしている。
アウター部材5には、図2に示すように、ケース2の外周面に形成した抜け止め用溝23に嵌合する抜け止め用突起51を形成するようにする。
これにより、ケース2を床面Fに一旦設置した後でも、アウター部材5内でケース2を回転することが可能となり、ケース2の設置状態が緩むことなく、ガイドピン3の吊り戸本体Dの案内溝部材4に対する位置調整を、容易に、かつ、何度でも行うことができる。
また、アウター部材5を有底(少なくとも、部分的に有底)に形成するとともに、アウター部材5の内底面及びこれに当接する床面設置部材1のケース2の底面を、ケース2とアウター部材5とが任意の回転位置で嵌合できる嵌合構造(本実施例においては、凹凸形状)24、52に形成することもできる。
これにより、ケース2とアウター部材5との位置関係を正確に保持することができ、ケース2の設置状態が緩むことなく、ガイドピン3の吊り戸本体Dの案内溝部材4に対する位置調整を、容易に、かつ何度でも行うことができる。
【0020】
一方、吊り戸本体Dは、天井レールにランナー(図示省略)を介して走行自在に吊り下げられている。
そして、吊り戸本体Dの下面には、床面設置部材1の突出したガイドピン3が挿入される案内溝部材4が配設されている。
【0021】
この案内溝部材4は、図3〜図4に示すように、吊り戸本体Dの端部側4Aから案内溝部材4内に挿入した最上段のガイドピンとなる第2ガイドピン32の頭部32aを、案内溝部材4の吊り戸本体Dの端部側4Aを除く部位4Bにおいて保持することができるように、吊り戸本体Dの端部側4Aを、第2ガイドピン32の頭部32aの直径D1より広く形成した導入部4A1と、この導入部4A1と端部側4Aを除く部位4Bとをなだらかに接続する(具体的には、案内溝部材4のフランジ状に形成した開口端縁部41の溝幅Wが、端部側4Aを除く部位4Bに向けて漸次狭くなるように形成する)ことにより、ガイドピン3が円滑に移行するようにする移行部4A2とで構成するようにしている。
なお、第2ガイドピン32の頭部32aが移行する案内溝部材4の案内溝42は、第2ガイドピン32の頭部32aの直径D1より広い一定の寸法に形成するようにする。
【0022】
より具体的には、吊り戸本体Dに配設した案内溝部材4は、その開口端縁部41の溝幅Wを、吊り戸本体Dの端部側4Aにおいて第2ガイドピン32の頭部32aの直径D1より広く形成するとともに、吊り戸本体Dの端部側4Aを除く部位4Bにおいて第2ガイドピン32の頭部32aの直径D1より狭く、かつ、第2ガイドピン32の頭部32a以外のガイドピン3の部位の直径D2よりも広く形成し、吊り戸本体Dの端部側4Aから案内溝部材4内に挿入した第2ガイドピン32の頭部32aを、案内溝部材4の吊り戸本体Dの端部側4Aを除く部位4Bにおいて保持することができるようにしている。
これにより、第2ガイドピン32の頭部32a以外のガイドピン3の部位が、溝幅Wを狭く形成した案内溝部材4の開口端縁部41の移行部4A2に挟まることがなく、吊り戸本体Dを安定して移動させることができるとともに、下部振止装置が破損する等の事故を防止することができる。
【0023】
そして、本実施例においては、吊り戸本体Dに配設した案内溝部材4の吊り戸本体Dの端部側4Aにのみ、第2ガイドピン32の頭部32aを吸着するための磁石43を配設するようにしている。
なお、第2ガイドピン32の頭部32aに磁石を配設する場合には、案内溝部材4には磁石43に代えて、鉄等の磁性体材料からなる適宜の吸着片を配設するようにすることもできる。
【0024】
本実施例においては、案内溝部材4を分割して形成しているが、分割位置は限定されず、また、全体を一体に形成することもできる。
【0025】
この吊り戸の下部振止装置は、吊り戸本体Dが、床面Fに設置された床面設置部材1の上方位置に来ると、ガイドピン3がケース2内に収納された図1(b)に示す状態から、案内溝部材4の吊り戸本体Dの端部側4Aに配設した磁石43によって、第2ガイドピン32の頭部32aが吸着されることによって、ガイドピン3(第1ガイドピン31及び第2ガイドピン32)は、ケース2内から上方に突出し、吊り戸本体Dの案内溝部材4の案内溝42内に挿入された図1(a)に示す状態に変化する。
そして、さらに吊り戸本体Dが移動することにより、吊り戸本体Dの端部側4Aから案内溝部材4の案内溝42内に挿入した第2ガイドピン32の頭部32aを、第2ガイドピン32の頭部32aの直径D1より狭く、かつ、第2ガイドピン32の頭部32a以外のガイドピン3の部位の直径D2よりも広く形成した吊り戸本体Dの端部側4Aを除く部位4Bにおいて保持するようにする。
これにより、ガイドピン3を吸着する磁石が存在しない吊り戸本体Dの端部側4Aを除く部位4Bにおいて、ガイドピン3を確実に保持することができる。
なお、吊り戸本体Dが、床面Fに設置された床面設置部材1の上方位置から去ると、ガイドピン3(第1ガイドピン31及び第2ガイドピン32)は重力によりケース2内に退入する。
【0026】
この吊り戸の下部振止装置によれば、ガイドピン3を入れ子式の多段構造にするとともに、最上段のガイドピンとなる第2ガイドピン32の頭部32aの直径D1を、第2ガイドピン32の頭部32a以外のガイドピン3の部位の直径D2よりも大きく形成することにより、第2ガイドピン32の頭部32aによってケース2とガイドピン3の隙間(摺接空間)が覆い隠されるため、床面Fに設置されたケース2とガイドピン3の隙間に塵埃が入り込みにくく、ガイドピン3を安定して動作させることができ、また、意匠性を向上することができる。
【0027】
以上、本発明の吊り戸の下部振止装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明の吊り戸の下部振止装置は、実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、ガイドピンを案内溝部材の案内溝に単に挿入して使用される吊り戸の下部振止装置(特許文献1参照)にも適用する等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することが可能である。
また、この吊り戸の下部振止装置は、特に材料を限定していない部材については、合成樹脂のほか、金属等の任意の材料で構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の吊り戸の下部振止装置は、床面に設置されたケースとガイドピンの隙間に塵埃が入り込みにくく、ガイドピンを安定して動作させることができる等の特性を有することから、鉄筋コンクリートの建物等において床スラブ等が障害となって深い埋め込み孔を形成することが困難な場合等を含め、吊り戸の下部振止の用途に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の吊り戸の下部振止装置の一実施例を示し、(a)はガイドピンがケース内から上方に突出した状態、(b)はガイドピンがケース内に収納された状態である。
【図2】同吊り戸の下部振止装置を示し、(a)はアウター部材の平面図、(b)は同正面図、(c)は床面設置部材(ケース)の正面図である。を、それぞれ。
【図3】同吊り戸の下部振止装置の吊り戸本体を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図4】同吊り戸の下部振止装置の案内溝部材を示し、(a)は左(開口側)側面図、(b)は一部破断した正面図、(c)は右(中央部側)側面図、(d)は底面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 床面設置部材
2 ケース
21 鍔部
22 凹部
3 ガイドピン
31 第1ガイドピン
32 第2ガイドピン
4 案内溝部材
4A1 導入部
4A2 移行部
41 開口端縁部
42 案内溝
43 磁石
5 アウター部材
D 吊り戸本体
F 床
D1 最上段のガイドピンの頭部の直径
D2 最上段のガイドピンの頭部以外のガイドピンの部位の直径
W 開口端縁部の溝幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設置されるケース及び該ケースに上方に突出可能に収納されたガイドピンを備えた床面設置部材と、該床面設置部材のガイドピンが突出して挿入される吊り戸本体に配設した案内溝部材とからなる吊り戸の下部振止装置において、前記ガイドピンを入れ子式の多段構造にするとともに、最上段のガイドピンの頭部の直径を、最上段のガイドピンの頭部以外のガイドピンの部位の直径よりも大きく形成したことを特徴とする吊り戸の下部振止装置。
【請求項2】
床面設置部材の床面に設置されるケースの上面部に、最上段のガイドピンの頭部を収納する環状の凹部を形成したことを特徴とする請求項1記載の吊り戸の下部振止装置。
【請求項3】
案内溝部材の開口端縁部の溝幅を、吊り戸本体の端部側において最上段のガイドピンの頭部の直径より広く形成するとともに、吊り戸本体の端部側を除く部位において最上段のガイドピンの頭部の直径より狭く、かつ、最上段のガイドピンの頭部以外のガイドピンの部位の直径よりも広く形成し、吊り戸本体の端部側から案内溝部材内に挿入した最上段のガイドピンの頭部を、案内溝部材の吊り戸本体の端部側を除く部位において保持するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の吊り戸の下部振止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−297868(P2008−297868A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147987(P2007−147987)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(503444057)