説明

吊り足場組立て方法と、吊り足場構造と、足場連結材

【課題】吊り足場の上に、吊り具がほとんどない作業スペースを確保して、吊り足場の上での資材運搬や各種作業が容易にできるようにする。
【解決手段】足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの足場連結材を、足場連結材の細幅方向側方に間隔をあけて二本以上吊下げ、吊下げられた足場連結材のうち隣り合う足場連結材の間に二枚以上の足場用パネルを配置して足場連結材の長軸方向に並べて配置し、二枚以上の足場用パネルの夫々の軸方向両端部を隣り合う足場連結材に連結し、二枚以上の足場用パネルをその横幅方向に連結するようにした。足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの足場連結材を支持部に吊下げ、足場連結材の細幅方向両側方に二枚以上の足場用パネルを配置して足場連結材の長軸方向に並べて配置し、二枚以上の足場用パネルの夫々の軸方向一端部を前記足場連結材に連結し、他端部を前記支持部又は他の支持部に吊下げ、足場連結材の長軸方向に並べて配置された二枚以上の足場用パネルをその横幅方向に連結するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、建築、土木工事、道路橋梁工事、プラント工事、タンク工事、鉄塔工事といった各種新設工事、保守、点検工事といった各種工事現場で使用される吊り足場組立て方法と、吊り足場構造と、吊り足場の組立てに用いられる足場連結材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記した各種工事現場では、図13に示すように、多数枚の足場用パネルAを前後左右に連結して吊り足場が組立てられている。足場用パネルの一例として特許文献1に開示されたものがある。この足場用パネルAは図10に示すように、2本の角材Bの長手方向(軸方向)両端側に丸パイプ(フレームパイプ)Cが設けられ、両フレームパイプCの間と両角材Bの間に補強材Dを設けた長方形の周枠の上面に、長方形の板材(例えば、金属平板、コンパネ材、エキスパンドメタル材、又はその他の板材)Eが配置固定されたものである。これら足場用パネルAを連結して吊り足場を組立てる場合、図13に示すように、橋桁や構造物の梁等の支持部Hをチェーン(吊り具)Gの上端に連結してあるクランプ13で保持して、その吊り具Gで足場用パネルAを吊るして水平に保持し、横幅方向に並べた多数枚の足場用パネルAの隣接する角材B及び丸パイプCに上下に二つ割りの横連結具K(図10)を差し込み、横連結具Kに止めピン34、37を差し込み、ボルト33をねじ込んで、横連結具Kを上下に拡げ、横連結具Kの外周面を丸パイプCの内周面に接触させて隣接する足場用パネルA同士を連結し、軸方向に並べた足場用パネルAのフレームパイプC同士を汎用のクランプFで連結している。クランプFには例えば図7に示すような二つの単クランプを背中合わせにして回転自在に連結したクランプ(通称自在クランプ)や、二つの単クランプを背中合わせにして両クランプが回転しないように連結したクランプ(出願人は平行クランプという。)などが使用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2647802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の足場組立て方法では、吊り足場の上の吊り具Gの間隔が狭い(例えば、660mm程度)ため、吊り足場の上で作業員が長尺資材を横向きにして持ち運ぶと、長尺資材が吊り具Gに当たることがあり作業し難いという難点があった。また、吊り具Gを係止した桁H(図13)に塗装をする場合、吊り具Gの係止部分が塗り残しになり、いわゆるダメ工事の一因となることがあった。
【0005】
本願発明の解決課題は、少ない本数の吊り具で足場用パネルを吊下げて、吊り足場の上の吊り具の本数を少なくして、足場上での長尺資材の持ち運びやその他の作業を容易にし、桁等への塗料の塗り残しを低減できる吊り足場組立て方法と、吊り足場構造と、足場連結材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の吊り足場組立て方法は、多数枚の足場用パネルをその前後方向(軸方向)及び左右方向(横幅方向)に並べ、それら足場用パネルをその軸方向及び横幅方向に連結して支持部の下に吊り足場を組立てる方法において、足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの足場連結材を当該足場連結材の細幅方向側方に間隔をあけて二本以上吊下げる工程と、前記吊下げられた足場連結材であって隣り合う足場連結材の間に二枚以上の足場用パネルを配置して当該足場連結材の長軸方向に並べて配置する工程と、当該二枚以上の足場用パネルの夫々の軸方向両端部を前記隣り合う足場連結材に連結する工程と、前記二枚以上の足場用パネルをその横幅方向に連結する工程を備えた方法である。
【0007】
本願発明の吊り足場組立て方法は、足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの足場連結材を支持部に吊下げる工程と、前記足場連結材の細幅方向両側方に二枚以上の足場用パネルを配置して当該足場連結材の長軸方向に並べて配置する工程と、前記二枚以上の足場用パネルの夫々の軸方向一端部を前記足場連結材に連結し、他端部を前記支持部又は他の支持部に吊下げる工程と、前記足場連結材の長軸方向に並べて配置された二枚以上の足場用パネルをその横幅方向に連結する工程を備えた方法である。
【0008】
本願発明の吊り足場組立て方法は、前記吊り足場組立て方法の夫々において、二本以上の足場連結材を当該足場連結材の長軸方向に並べて支持部に吊下げる工程と、前記吊下げられた二本以上の足場連結材の長軸方向端部同士を連結する工程と、連結された足場連結材の細幅方向側方に二枚以上の足場用パネルを配置して当該足場連結材の長軸方向に並べて配置する工程を備えた方法とすることもできる。
【0009】
本願発明の吊り足場構造は、多数枚の足場用パネルが支持部に吊下げられて足場用パネルの軸方向及び横幅方向に並べられ、それら足場用パネルがその軸方向及び幅方向に連結された吊り足場において、足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さである二本以上の足場連結材が当該足場連結材の細幅方向に間隔をあけて吊り具により支持部に吊下げられ、前記吊下げられた足場連結材であって隣り合う二本の足場連結材の間に二枚以上の足場用パネルが足場連結材の長軸方向に並べて配置され、当該足場用パネルの軸方向両端部が前記足場連結材に連結され、足場連結材の長軸方向に並べて配置された前記二枚以上の足場用パネルがその横幅方向に連結されたものである。
【0010】
本願発明の吊り足場構造は、足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さである足場連結材の少なくとも長軸方向両端側が吊り具により支持部に吊下げられ、吊下げられた足場連結材の細幅方向両側方に二枚以上の足場用パネルが足場連結材の長軸方向に並べて配置され、当該二枚以上の足場用パネルの軸方向一端が前記足場連結材に連結され、軸方向他端部が吊り具により前記支持部又は他の支持部に吊下げられ、足場連結材の長軸方向に並べて配置された二枚以上の足場用パネルがその横幅方向に連結されたものである。
【0011】
本願発明の吊り足場構造は、前記吊り足場構造において、二本以上の足場連結材がその長軸方向に連結され、前記連結された足場連結材の細幅方向側方に二枚以上の足場用パネルが足場連結材の長軸方向に並べて配置され、長軸方向に並べて配置された足場用パネルがその横幅方向に連結されたものである。
【0012】
本願発明の足場連結材は、足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの長尺本体と、前記長尺本体にその長軸方向に沿って取付けられた長尺パイプと、吊り具を係止可能な係止部を備え、前記長尺パイプは、その幅方向側方に配置された足場用パネルの連結パイプと連結具(例えば、クランプ)で連結できるものであり、前記係止部は少なくとも長尺本体の長軸方向両端側に設けられたものである。
【0013】
本願発明の足場連結材は、前記足場連結材において、長尺パイプは長尺基材の上面に配置され、長尺基材の上面との間に連結具を差込み可能な差込空間を設けて前記長尺本体に取付けられ、前記係止部は少なくとも長尺本体の長軸方向両端側に設けられたものである。
【0014】
本願発明の足場連結材は、前記足場連結材において、係止部が、足場連結材の長軸方向に配置連結される複数枚の足場用パネルの最外側の足場用パネルよりも外側に突出するように長尺本体に設けられたものである。
【0015】
本願発明の足場連結材は、前記足場連結材において、長尺基材の細幅方向両側上面に、足場用パネルの軸方向端部を載せることのできる受部を備えたものである。
【0016】
本願発明の足場連結材は、前記足場連結材において、長尺基材の長軸方向端部に他の長尺基材の長軸方向端部と連結可能な基材連結部を備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本願発明の吊り足場組立て方法は、足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さである足場連結材を使用して、二枚以上の足場用パネルを吊下げて連結するので次のような効果がある。
(1)長い足場連結材の長軸方向両端側を吊り具で吊下げて、それに足場パネルを係止するので、従前のように、足場用パネルを一枚ずつ吊り具で吊るす必要がなく、吊り足場の上に多数本の吊り具が存在せず、吊り足場の上に広い空間を確保できるので、吊り足場の上での長尺資材の持ち運びや各種作業が容易になる。
(2)橋桁などの支持部に係止する吊り具の本数が少ないので、支持部への吊り具の吊下げ作業が容易になる。また、作業コストが低減する。
(3)支持部に多数本の吊り具が係止されると、支持部を塗装する場合に、吊り具が係止されている部分への塗装がし難いとか、その部分に塗装ができないといったことがある(塗り残しが生ずる)が、本願発明では支持部に係止する吊り具の数が少ないので、塗りにくいとか、塗り残しが出るといったことが低減する。
【0018】
本願発明の吊り足場構造は、多数枚の足場用パネルが、足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの足場連結材を吊下げ、それに足場用パネルを連結して架設するので、吊り足場の上の作業スペースに吊り具(例えばチェーン)が存在せず、上方空間での作業がし易い吊り足場になる。
【0019】
本願発明の足場連結材は、複数枚の足場用パネルをその横幅方向に並べて連結できる長さであり、足場用パネルの連結パイプと連結できる長尺パイプがあるため次のような効果がある。
(1)長軸方向両端側を吊り具で吊下げた足場連結材に足場用パネルを連結できるので、個々の足場用パネルを吊り具で吊下げる必要がなく、少ない本数の吊り具で吊り足場を組立てることができ、組立て作業が容易になる。また、作業コストが低減する。
(2)足場用パネルを、既存のクランプを使用して長尺パイプに連結できるので、連結作業が容易になる。
(3)長尺パイプが、長尺基材の上に差込空間を設けて取付けられているので、長尺パイプにクランプを係止し易くなり、長尺パイプへの足場用パネルの取付けが容易になる。
(4)足場連結材の係止部が、足場連結材の長軸方向に並べて配列した多数枚の足場パネルのうち、最外側の足場用パネルの外側に突出する位置に設けられているので、その係止部を吊り具で吊下げれば、吊り足場の上の作業スペースに吊り具が存在せず、広い作業スペースを確保でき、作業スペースの上での長尺資材の持ち運びが容易になる。
(5)長尺基材の細幅方向両側上面に、足場用パネルの軸方向端部を載せることのできる受部があるため、その受部に足場用パネルを載せて足場用パネルを安定させることができ、足場用パネルの軸方向端部を足場連結材に連結し易い。
(6)足場連結材の長軸方向端部に、他の足場連結材の長軸方向端部と連結可能な連結部が設けられているので、長軸方向への足場連結材の連結が容易になる。この連結部を利用して足場連結材を連結すれば、連結された足場連結材の長軸方向に多数枚の足場用パネルを並べて配列することができ、作業スペースの広い吊り足場を容易に組立て可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本願発明の足場連結材を用いて組立てた吊り足場の一例を示す斜視図。
【図2】本願発明の足場連結材の一例を示す斜視図。
【図3】本願発明の足場連結材の長軸方向への連結構造の一例を示す斜視図。
【図4】図1に示す吊り足場の説明図。
【図5】(a)は図1に示す吊り足場の足場連結材部分の端面図、(b)は同吊り足場の足場連結材の長軸方向中間部の断面図。
【図6】本願発明の吊り足場組立て方法に使用される三連クランプの一例を示す斜視図。
【図7】本願発明の吊り足場組立て方法に使用される二連クランプ(平行クランプ)の一例を示す説明図。
【図8】本願発明の足場連結材を用いて組立てた吊り足場の他例を示す斜視図。
【図9】図8に示す吊り足場の説明図。
【図10】本願発明で使用される足場用パネルの横幅方向の連結説明図。
【図11】(a)は図10における横連結具の一例を示す側面図、(b)は(a)の右側面図。
【図12】(a)は図11(a)の横連結具を足場パネルのパイプ内に差し込んだ状態の縦断面図、(b)は(a)のb−b断面図、(c)は(a)のd−d断面図。
【図13】従来の吊り足場の組立て説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(吊り足場組立て方法1)
本願発明の吊り足場組立て方法の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。この吊り足場組立て方法は、次のようにして、図1に示す吊り足場を組立てる。
1.図1に示すように、細長の足場連結材1の長軸方向両端側を吊り具2で橋桁、構造体の梁等の支持部H(図4)に吊下げる。
2.前記1と同様にして、前記足場連結材1の横に間隔をあけて、他の足場連結材1を支持部H(図4)に吊下げる。
3.前記のように吊下げられた、隣り合う足場連結材1の間に一枚の足場用パネルAを配置し、その足場用パネルAの軸方向一端部を一方の足場連結材1に、軸方向他端部を他方の足場連結材1に連結する。その連結には図6に示す三連クランプ5や図7に示す平行クランプFを用いることができる。三連クランプ5を使用する場合は、図3、図5(a)、(b)に示すように中央クランプ5aで足場連結材1のパイプ材4をクランプし、両サイドの脇クランプ5b、5cで足場連結材1の両側に配置された足場用パネルAのフレームパイプCをクランプする。図7に示す平行クランプFを使用する場合はそれを二つ使用し、一方の平行クランプFで足場連結材1のパイプ材4をクランプし、他方の平行クランプFで足場連結材1の両側に配置された足場用パネルAのうち一方の足場用パネルAのフレームパイプCをクランプする。
4.前記3の工程と同様にして、隣り合う2本の足場連結材1の間に、それら足場連結材1の長軸方向に沿って所望枚数の足場用パネルAを配置する。この場合、後から配置する足場用パネルAを、先に配置した足場用パネルAの横に並べて配置する。
5.前記足場用パネルAの軸方向一端部を一方の足場連結材1に、軸方向他端部を他方の足場連結材1に連結する。横に並べて配置した足場用パネルAは隣接する足場用パネルAの横幅方向側面同士を図10のように互いに連結する。
6.前記1〜5の組立てにより、隣り合う2本の足場連結材1の間へ多数枚の足場用パネルAを配置連結して、吊り足場を組立てる。
【0022】
前記6の後、前記2と同様にして、図4のように必要本数の足場連結材1を間隔をあけて吊り具2で支持部Hに吊下げる。左側の足場連結材1(1a)と中間の足場連結材1(1b)の間、中間の足場連結材1(1b)と右側の足場連結材1(1c)の間に、前記2〜4のようにして所望枚数の足場用パネルAを配置し、それら足場用パネルAの軸方向一端部を一方の足場連結材1に、軸方向他端部を他方の足場連結材1に連結して、足場連結材1の配置方向に所望長の吊り足場を組立てる。
【0023】
前記足場用パネルAには図10に示すものと同じもの又は他の構造のものを使用することができる。図10に示すものは2本の角材Bの長手方向(軸方向)両端側に丸パイプ(フレームパイプ)Cが設けられ、2本の角材Bと両フレームパイプCの間の空間に補強材Dを設けて長方形の周枠が形成され、その周枠の上面に長方形の板材(例えば、金属平板、コンパネ材、エキスパンドメタル材、又はその他の板材)Eが配置固定されたものである。
【0024】
足場用パネルAを横幅方向に連結するには各種方法や機構があるが、一例としては、図10に示すように一方の足場用パネルAから突出する横連結具Kを他方の足場用パネルAのフレームパイプCの孔内に差込み、止めピン34で受け孔に係止することにより連結することができる。
【0025】
横連結具Kは図11(a)、(b)、図12(a)〜(c)に示すように、大きさ(曲げ径)の異なる断面U字形の金具30、31を向かい合わせて上下に重ねて1本の細長いパイプ状にしてある。この金具30、31のうち上側の金具30の軸線方向中央部の内面にナット32を溶接してある。このナット32に金具30の外側からボルト33を螺合し、ボルト33の下端を下側の金具31の内周面と接触できるようにし、同ボルト33をナット32の下方に突き出る方向(時計方向)に回転させると、両金具30、31が互いに外周方向に押し広げられて両金具30、31の径が大きくなり(広がり)、前記ボルト33をナット32から引っ込む方向(半時計方向)に回転させると、両金具30、31の径が小さくなる(縮小する)ようにしてある。
【0026】
前記横連結具Kは図11(a)、(b)、図12(a)〜(c)のように、その軸方向一端が連結する一方の足場パネルAのフレームパイプC内に差し込まれて、止めピン34でフレームパイプCに取付けられている。止めピン34はフレームパイプCの外側から差し込まれて先端部がフレームパイプCの反対側に突出し、突き出た先端部34aにワッシャ35を被せ、その下に割ピン36を差し込んで止めピン34が抜けないようにしてある。
【0027】
前記横連結具Kで両足場パネルAを連結するには、横連結具Kの軸方向他端を連結する他方の足場パネルAのフレームパイプC内に差し込み、その横連結具Kのピン貫通孔37(図11(a))に連結ピン(例えば、汎用のグラビティロック連結ピン)38(図12(a))を差し込んでフレームパイプCから抜けないようにする。その状態で、足場用パネルの角材B(図10、図12(a)、(b))の上からボルト33をナット32に螺合し、ボルト33を時計方向に回転させてボルト33の先端を金具31に突き当て、その状態で更にネジ込むと両金具30、31が互いに外周方向に押し広げられて両金具30、31の径が大きくなり(広がって)両金具30、31の外周面がパイプCに圧接させる。
【0028】
(吊り足場組立て方法2)
本願発明の吊り足場組立て方法は、図9のように橋桁等の支持部Hに吊り具2で吊下げた1本の足場連結材1の細幅方向両側方に、図8、図9のように多数枚の足場用パネルAを配置し、それら足場用パネルAの軸方向一端部を足場連結材1に連結具で連結し、軸方向他端部を吊り具(例えば、チェーン)2で支持部H(図9)に吊下げる吊下げ方法である。この組立て方法でも、足場連結材1への足場用パネルAの連結、足場用パネルAの横幅方向への連結等は前記組立て方法と同様に行うことができる。また、足場用パネルAの構造も前記組立て方法で使用した足場用パネルAと同じものでも異なるものでもを使用できる。
【0029】
(吊り足場組立て方法3)
本願発明の吊り足場組立て方法は、図3に示すように2本の足場連結材1を吊り具2により長軸方向に一列に吊下げ、その2本の足場連結材1をその長軸方向に連結し、連結された足場連結材1の長手方向にも多数枚の足場用パネルAを配置して、吊り足場を横幅方向に広げることもできる。足場連結材1の長軸方向への連結は図3に示すように、吊り具2で2本の足場連結材1をそれらの長軸方向に一列に吊下げ、それら2本の足場連結材1の長軸方向端部同士を突き合わせて、図3のようにボルト等の連結具10aで連結することができる。この組立て方法でも、足場連結材1への足場用パネルAの連結、足場用パネルAの横幅方向への連結等は前記組立て方法と同様に行うことができる。また、足場用パネルAの構造も前記組立て方法で使用した足場用パネルAと同じものでも、異なるものでも使用できる。
【0030】
(吊り足場組立て方法4)
前記した吊り足場組立て方法1〜3は、先に、足場連結材1を橋桁などの支持材H(図4)に吊下げてから、その足場連結材1の細幅方向側方に二枚以上の足場用パネルAを並べて配置し、それら足場用パネルAをその横幅方向に連結する方法であるが、本願発明では可能であれば、足場連結材1を吊下げる前に、足場連結材1に二以上の足場用パネルAをクランプで連結しておき、その足場連結材1を足場用パネルAと共に吊り具2で桁等の支持部H(図4)などに吊下げて吊り足場を組立てることもできる。この場合の足場連結材1及び足場用パネルAの吊下げには、クレーンとか他の機器を使用すると便利である。この組立て方法でも足場連結材1への足場用パネルAの連結、足場用パネルAの横幅方向への連結等は、前記組立て方法と同様に行うことができる。また、足場用パネルAの構造も前記組立て方法で使用した足場用パネルAと同じものでも異なるものでも使用できる。
【0031】
(足場連結材の実施形態)
本願発明の足場連結材1の一例を、図面を参照して説明する。図2に示す足場連結材1は長尺の基材3と、基材3の上に基材3の長軸方向に間隔をあけて設けられたブラケット6と、そのブラケット6上に配置固定された長尺のパイプ材4を備え、基材3の長手方向両端部には吊り具2を係止するための係止具14が設けられている。足場連結材1は足場用パネルAの横幅寸法数枚分の長さの細長である。
【0032】
基材3には長尺なH形鋼が使用され、そのウエブ3bを縦向きにして使用し、上フランジ3aと下フランジ3cの間に縦向きに配置した補強リブ8を、ウエブ3bの側面に溶接固定してある。補強リブ8は基材3の撓みを防止するものであり、金属板が使用されている。基材3にはI形鋼、その他の鋼材を使用することができる。補強リブ8の形状、サイズ、枚数、固定方法などは任意に変更することができる。
【0033】
基材3の長軸方向両端には連結材9(図2、図3)が取り付けられている。連結材9は他の足場連結材1とその長軸方向に連結するためのものである。連結材9は金属板であり、基材3の長軸方向端面に宛がって、上下のフランジ3a、3cとウエブ3bの端面に溶接固定されている。連結材9には他の足場連結材1との連結時に使用する連結ボルト10a(図3)を挿入するためのボルト孔11が開口されている。
【0034】
図2に示すように、上フランジ3aの上面にはパイプ材4を支持するための複数枚のブラケット6が均等間隔で溶接固定されている。ブラケット6は金属薄板であり、その上部にパイプ材4の外周形状に適合する円弧状の受部6aが形成されている。ブラケット6の形状、サイズ、枚数、固定方法、固定位置(例えば、基材の側方や下方)などは任意に変更することができる。
【0035】
基材3の長軸方向両端部にはチェーン等の吊り具2を係止可能な係止具14(図2)が設けられている。ここで両端部とは、基材3の長軸方向最端部に限らず、連結される足場用パネルAよりも外側に突出する箇所(突出部)3d(図1)を含む概念である。係止具14は資材の持ち運び作業の邪魔にならない範囲で基材3の長手方向3箇所以上に設けることもできる。この場合、係止具14は吊下げられる足場連結材1が安定するように均等間隔で設けることが好ましい。係止具14は図5(a)に示すように正面視下向きU字状であり、下向きの2本の脚部14aが基材3の上フランジ3aに差し込まれてその根元部分が上フランジ3aに溶接固定されている。係止具14は他の形状であってもよい。係止具14は基材3の上フランジ3aの上に突出させて固定することもできるが、不使用時は自重で基材3内に下がり、使用時に基材3の上方に引き上げ可能なスライド式にすることもできる。
【0036】
係止具14には吊り具2を常時連結しておくことも、使用時に装着することもできる。いずれの場合も係止具14に吊り具2を連結するには、例えば、図3に示すように吊り具2の下端に取り付けられているフック15(図3)を係止具14に係止することができる。フック15にはシャックルとか他の係止具を使用することができる。吊り具2にはターンバックルを取付けて、ターンバックルの操作により吊り具2の長さ調節可能としておくと吊り具2にテンションを持たせることができる。吊り具2の上端には図4のように橋桁などの支持部Hを挟着保持可能な吊り具クランプ13を取付けておくと、支持部Hへの取り付けが容易になる。
【0037】
前記パイプ材4は長方形の足場用パネルAの横幅寸法数枚分の長さの(長尺の)丸パイプである。パイプ材4の長さは基材3と同じ又は同程度としてあるが、基材3の長さに応じた各種サイズのものを用意しておくことが好ましい。パイプ材4は、三連クランプ5や平行クランプFで把持できるよう、足場用パネルAのフレームパイプC(図7)と同じ又は同程度の太さにしてある。
【0038】
本願発明の足場連結材1は、図3のように長手方向に連結して使用することもできる。この場合は、足場連結材1の長手方向端部の連結材9同士を突き合わせ、連結材9に設けられたボルト孔11の位置合わせし、そのボルト孔11に連結ボルト10aを通し、その連結ボルト10aに連結ナット10bを螺合して固定する。この場合、連結ナット10bを連結ボルト10aに溶接して両者が不用意に外れないようにしておくこともできる。連結した足場連結材1のパイプ材4には図1のように複数枚の足場用パネルAを配置連結することができる。足場用パネルAの連結には前述の三連クランプ5や平行クランプFを用いることができる。
【0039】
図3のように足場連結材1の長手方向端部同士を連結する場合は、一方の足場連結材1の長手方向一端の下フランジ3cの底面に受け具17をボルト18とナット19で固定して、受け具17の一部をその足場連結材1の長手方向端部から外側に突出させておき、その突出部17aの上に他方の足場連結材1を載せて固定すると両足場連結材1の連結が確実強固になる。受け具17は溶接により固定することもできる。この場合、ボルト18とナット19とが不用意に外れないようにナット19をボルト18に溶接することができる。
【0040】
(足場連結材の使用例1)
本願発明の足場連結材の使用例を図4に基づいて説明する。図4は、複数枚の足場用パネルAを3本の足場連結材1a〜1cを用いて連結する場合の例である。
(1)図4のように、吊り具クランプ13を橋桁などの支持具Hに取り付けて、足場連結材1a〜1cを吊り具2で吊下げる。
(2)図4の二本の足場連結材1a、1bの上に足場用パネルA1の軸方向両端部を配置する。この軸方向両端部は足場連結材1a、1bの受部(基材3の上フランジ3a:図3)の上に載せても良く、図5(a)、(b)のように浮かせても良い。
(3)図4の足場用パネルA1のうち右側のフレームパイプCと足場連結材1bのパイプ材4とを三連クランプにより図5(a)、(b)のように連結する。この場合、フレームパイプCを脇クランプ5bで、足場連結材1bのパイプ材4を三連クランプ5の中央クランプ5aでクランプする。
(4)図4の足場用パネルA1の左側のフレームパイプCと、左側の足場連結材1aのパイプ材4とを平行クランプF(図7)で連結する。
(5)図4の中央の足場連結材1bとその右側の足場連結材1cの上に、足場用パネルA2の軸方向両端部を載せる。この場合も、軸方向両端部は足場連結材1b、1cの受部(基材3の上フランジ3a:図3)の上に載せても良く浮かせても良い。
(6)図4の足場用パネルA2のうち左側のフレームパイプCと足場連結材1bのパイプ材4とを三連クランプ5(図6)により図5(a)、(b)のように連結する。この場合、フレームパイプCを脇クランプ5bで、足場連結材1bのパイプ材4を三連クランプ5の中央クランプ5aでクランプする。
(7)図4の足場用パネルA2の右側のフレームパイプCと、右側の足場連結材1cのパイプ材4とを平行クランプF(図7)で連結する。
(8)前記(2)〜(7)の繰り返しで、平行に吊下げられた3本の足場連結材1a〜1cの長軸方向に足場用パネルA1、A2を並べて配置する。足場連結材1a〜1cの長軸方向に並べて配置された足場用パネルA1の横幅側面同士、A2の横幅側面同士は、例えば図10の横連結具Kを使用して連結する。
【0041】
前記(8)までの作業により3本の足場連結材1a〜1bの長軸方向全長に足場用パネルA1、A2を配置固定し終えたら、新たな3本の足場連結材を、前記(1)の方法で、前記足場連結材1a又は1cの側方に平行に吊下げる。これら新たな足場連結材に前記(2)〜(8)の手順で足場用パネルA1、A2を配置固定する。前記(1)〜(8)の手順で、多数枚の足場用パネルを吊下げて吊り足場を組立てる。
【0042】
(足場連結材の使用例2)
本願発明の足場連結材の使用例を図9に基づいて説明する。図9は複数枚の足場用パネルAを1本の足場連結材1と複数本の吊り具21を用いて連結する場合の例である。
(1)図9のように、吊り具クランプ13を橋桁などの支持具Hに取り付けて、足場連結材1を吊り具2で吊下げる。
(2)図9の足場連結材1の上に足場用パネルA1の軸方向右端部を配置する。この右端部は足場連結材1の受部(基材3の上フランジ3a:図3)の上に載せても良く、図5(a)、(b)のように浮かせても良い。
(3)図9の足場用パネルA1の右側のフレームパイプCと足場連結材1のパイプ材4とを三連クランプ5(図6)により図5(a)、(b)のように連結する。この場合、フレームパイプCを脇クランプ5bで、足場連結材1のパイプ材4を三連クランプ5の中央クランプ5aでクランプする。
(4)図9の足場用パネルA1の左側のフレームパイプCを、チェーン等の吊り具2により支持具Hに吊下げる
(5)図9の足場連結材1の上に足場用パネルA2の軸方向左端部を配置する。この左端部も足場連結材1の受部(基材3の上フランジ3a:図3)の上に載せても良く、図5(a)、(b)のように浮かせても良い。
(6)図9の足場用パネルA2の左側のフレームパイプCと足場連結材1のパイプ材4とを三連クランプ5(図6)により図5(a)、(b)のように連結する。この場合、フレームパイプCを脇クランプ5bで、足場連結材1のパイプ材4を三連クランプ5の中央クランプ5aでクランプする。
(7)図9の足場用パネルA2の右側のフレームパイプCを、チェーン等の吊り具2により支持具Hに吊下げる。
(8)前記(2)〜(7)の繰り返しで、吊下げられた1本の足場連結材1の細幅方向両側方に足場用パネルA1、A2を配置し、その足場連結材1の長軸方向に多数枚の足場用パネルA1、A2を並べて配置する。足場連結材1の長軸方向に並べて配置された足場用パネルA1の横幅方向側面同士、A2の横幅方向側面同士は、例えば図10の横連結具Kを使用して連結する。
【0043】
前記(8)までの作業により1本の足場連結材1の長軸方向全長に足場用パネルA1、A2を配置固定し終えて、吊り足場を更に広げるためには、新たな1本の足場連結材1を、前記(1)の方法で、先に吊下げてある足場連結材1の側方に吊下げる。この新たな足場連結材に前記(2)〜(8)の手順で足場用パネルA1、A2を配置固定する。
【0044】
(足場連結材の使用例3)
本願発明の足場連結材1はその長軸方向に連結して使用することもできる。連結する足場連結材1の本数は所望数とする。長軸方向に連結する場合は、例えば、次のようにする。
(1)図3に示すように、2本の足場連結材1を吊下げて長軸方向に一列に並べる。
(2)吊下げた二本の足場連結材1の端部同士を付き合わせ、連結材9に設けられたボルト孔11を位置合わせし、そのボルト孔11に連結ボルト10aを通し、その連結ボルト10aに連結ナット10bを螺合して固定する。このとき、連結ナット10bで固定した部分を溶接し、連結ボルト10aと連結ナット10bとが不用意に外れないようにすることができる。
(3)受け具17を両足場連結材1の下フランジ3bの長軸方向端部に跨がせて配置し、ボルト18とナット19を用いて両足場連結材1の下フランジ3bに固定する。
(4)前記のように連結した足場連結材1には、前記使用例1又は2の使用例と同様の方法で足場用パネルを配置して連結することができる。
【0045】
(吊り足場構造1)
本願発明の吊り足場構造の一例として図1に示すものは、足場用パネルAの横幅寸法数枚分の長さである二本以上の細長の足場連結材1が当該足場連結材1の細幅方向に間隔をあけて吊り具2により橋桁などの支持部に吊下げられ、その足場連結材1であって隣り合う二本の足場連結材1の間に二枚以上の足場用パネルAが足場連結材1の長軸方向に並べて配置され、その足場用パネルAの軸方向両端部が足場連結材1に連結され、その足場連結材1の長軸方向に並べて配置された二枚以上の足場用パネルがその横幅方向に連結されたものである。
【0046】
(吊り足場構造2)
本願発明の吊り足場構造の他例として図8に示すものは、足場用パネルAの横幅寸法数枚分の長さである足場連結材1の少なくとも長軸方向両端側が吊り具により支持部に吊下げられ、その足場連結材1の細幅方向両側方に二枚以上の足場用パネルAが足場連結材1の長軸方向に並べて配置され、当該二枚以上の足場用パネルAの軸方向一端が足場連結材1に連結され、軸方向他端部が吊り具2により橋桁などの支持部又は他の支持部に吊下げられ、足場連結材1の長軸方向に並べて配置された二枚以上の足場用パネルAがその横幅方向に連結されたものである。
【0047】
(吊り足場構造3)
本願発明の吊り足場構造は、前記吊り足場構造において、二本以上の足場連結材1が図3のように長軸方向に連結され、連結された足場連結材1の細幅方向側方に二枚以上の足場用パネルAが足場連結材1の長軸方向に並べて配置され、長軸方向に並べて配置された足場用パネルAがその横幅方向に連結されたものである。
【0048】
前記吊り足場組立て工法、足場連結材、及び吊り足場構造の実施例は一例であり、本願発明の課題を解決することができる限り、前記実施例以外の工法、構成、構造とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
前記実施形態は主として橋桁に吊下げる場合を例示して説明したが、本願発明の吊り足場組立て工法、吊り足場構造、足場連結材は、それ橋梁工事以外の工事現場、例えば、高速道路工事、建築工事、土木工事、プラント工事、タンク工事、鉄塔工事といった各種工事現場で利用できるので、それら現場での利用に適した方法で使用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 足場連結材
1a、1b、1c 足場連結材
2 吊り具
3 基材
3a 上フランジ
3b ウエブ
3c 下フランジ
3d 基材の突出部
4 パイプ材
5 三連クランプ
5a 中央クランプ
5b 脇クランプ
5c 脇クランプ
6 ブラケット
6a 受部
8 補強リブ
9 連結材
10a 連結ボルト
10b 連結ナット
11 ボルト孔
13 吊り具クランプ
14 係止具
14a 係止具の脚部
15 フック
16 ターンバックル
17 受け具
17a 突出部
18 ボルト
19 ナット
30、31 金具
32 ナット
33 ボルト
34 止めピン
34a 止めピンの先端部
35 ワッシャ
36 割ピン36
37 ピン貫通孔
38 連結ピン(グラビティロック連結ピン)
A 足場用パネル
B 角材
C フレームパイプ
D 補強材
E 板材
F 平行クランプ
G 吊り具
H 支持部
K 横連結具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数枚の足場用パネルをその前後方向(軸方向)及び左右方向(横幅方向)に並べ、それら足場用パネルをその軸方向及び横幅方向に連結して支持部の下に吊り足場を組立てる方法において、
足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの足場連結材を当該足場連結材の細幅方向側方に間隔をあけて二本以上吊下げる工程と、前記吊下げられた足場連結材であって隣り合う足場連結材の間に二枚以上の足場用パネルを配置して当該足場連結材の長軸方向に並べて配置する工程と、当該二枚以上の足場用パネルの夫々の軸方向両端部を前記隣り合う足場連結材に連結する工程と、前記二枚以上の足場用パネルをその横幅方向に連結する工程を備えたことを特徴とする吊り足場組立て方法。
【請求項2】
多数枚の足場用パネルをその軸方向及び横幅方向に並べ、それら足場用パネルをその軸方向及び横幅方向に連結して支持部の下に吊り足場を組立てる方法において、
足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの足場連結材を支持部に吊下げる工程と、前記足場連結材の細幅方向両側方に二枚以上の足場用パネルを配置して当該足場連結材の長軸方向に並べて配置する工程と、前記二枚以上の足場用パネルの夫々の軸方向一端部を前記足場連結材に連結し、他端部を前記支持部又は他の支持部に吊下げる工程と、前記足場連結材の長軸方向に並べて配置された二枚以上の足場用パネルをその横幅方向に連結する工程を備えたことを特徴とする吊り足場組立て方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の吊り足場組立て方法において、
二本以上の足場連結材を当該足場連結材の長軸方向に並べて支持部に吊下げる工程と、前記吊下げられた二本以上の足場連結材の長軸方向端部同士を連結する工程と、連結された足場連結材の細幅方向側方に二枚以上の足場用パネルを配置して当該足場連結材の長軸方向に並べて配置する工程を備えたことを特徴とする吊り足場組立て方法。
【請求項4】
多数枚の足場用パネルが支持部に吊下げられて足場用パネルの軸方向及び横幅方向に並べられ、それら足場用パネルがその軸方向及び幅方向に連結された吊り足場構造において、
足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さである二本以上の足場連結材が当該足場連結材の細幅方向に間隔をあけて吊り具により支持部に吊下げられ、前記吊下げられた足場連結材であって隣り合う二本の足場連結材の間に二枚以上の足場用パネルが足場連結材の長軸方向に並べて配置され、当該足場用パネルの軸方向両端部が前記足場連結材に連結され、足場連結材の長軸方向に並べて配置された前記二枚以上の足場用パネルがその横幅方向に連結されたことを特徴とする吊り足場構造。
【請求項5】
多数枚の足場用パネルが支持部に吊下げられて足場用パネルの軸方向及び横幅方向に並べられ、それら足場用パネルがその軸方向及び幅方向に連結された吊り足場構造において、
足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さである足場連結材の少なくとも長軸方向両端側が吊り具により支持部に吊下げられ、吊下げられた足場連結材の細幅方向両側方に二枚以上の足場用パネルが足場連結材の長軸方向に並べて配置され、当該二枚以上の足場用パネルの軸方向一端が前記足場連結材に連結され、軸方向他端部が吊り具により前記支持部又は他の支持部に吊下げられ、足場連結材の長軸方向に並べて配置された二枚以上の足場用パネルがその横幅方向に連結されたことを特徴とする吊り足場構造。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の吊り足場構造において、二本以上の足場連結材がその長軸方向に連結され、前記連結された足場連結材の細幅方向側方に二枚以上の足場用パネルが足場連結材の長軸方向に並べて配置され、長軸方向に並べて配置された足場用パネルがその横幅方向に連結されたことを特徴とする吊り足場構造。
【請求項7】
足場用パネルの横幅寸法数枚分の長さの長尺本体と、前記長尺本体にその長軸方向に沿って取付けられた長尺パイプと、吊り具を係止可能な係止部を備え、前記長尺パイプは、その幅方向側方に配置された足場用パネルの連結パイプと連結具で連結できるものであり、前記係止部は少なくとも長尺本体の長軸方向両端側に設けられたことを特徴とする足場連結材。
【請求項8】
請求項7記載の足場連結材において、長尺パイプは長尺基材の上面に配置され、長尺基材の上面との間に連結具を差込み可能な差込空間を設けて前記長尺本体に取付けられ、前記係止部は少なくとも長尺本体の長軸方向両端側に設けられたことを特徴とする足場連結材。
【請求項9】
請求項7又は請求項8記載の足場連結材において、係止部が、足場連結材の長軸方向に配置連結される複数枚の足場用パネルの最外側の足場用パネルよりも外側に突出するように長尺本体に設けられたことを特徴とする足場連結材。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の足場連結材において、長尺基材の細幅方向両側上面に、足場用パネルの長軸方向端部を載せることのできる受部を備えたことを特徴とする足場連結材。
【請求項11】
請求項7乃至請求項10のいずれか1項記載の足場連結材において、長尺基材の長軸方向端部に他の長尺基材の長軸方向端部と連結可能な基材連結部を備えたことを特徴とする足場連結材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−233301(P2012−233301A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100568(P2011−100568)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(394014490)株式会社新成工業 (3)