説明

同軸ケーブル用F型コネクタ,テレビ接続ケーブル,及び,電子機器箱体。

【課題】接続が容易で引き抜け難い。
【解決手段】同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,同軸ケーブルを装着するための筒状のコネクタ本体と,該コネクタ本体の前方に形成された筒状嵌合部に回転可能に連結する連結部を後方に,接続対象のF型レセプタクルに形成した雄ネジの先端部分に螺合するための雌ネジを後方内部に備えた接続筒と,該接続筒の内面で前記雌ネジと前記接続筒の開口部との間に保持され,前記F型レセプタクルの雄ネジ部と挟着するための,接続筒の中心方向に向かって突設された複数のスプリング部が形成された筒状スプリングと,を備え,前記スプリング部は,前記筒状スプリングの前方開口端側の周面に等間隔に複数個と後方開口端側の周面に等間隔に複数個が配列される。前記接続筒に形成された雌ネジは,前記F型レセプタクルの雄ネジの先端部に略3回転で螺合するネジ山数にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,主にテレビ受信に使用される同軸ケーブル用のF型コネクタであり,詳しくは同軸ケーブルの端部に取付けられ,接続対象のF型レセプタクルとの接続に利用される同軸ケーブル用F型コネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブルF型コネクタとしては,同軸ケーブルの編組導体と接続されるケーブル連結部と,当該ケーブル連結部の基端部に軸方向に移動可能に且つ円周方向に回転可能に枢着したリング状係合部と,前記ケーブル連結部と前記係合部との間の弾性緩衝作用を行う弾性部材とを有し,前記係合部には端面近傍の内方に突設させた係止片を備え,当該係止片をF型コネクタ座のネジ面に設けた導入部,誘導部及び係止部の一連からなる溝に係合させて接続する構成となっていたので,この同軸ケーブルF型コネクタは前記リング状係合部を回転操作するだけでF型コネクタ座に接続でき,しかも強固に取付けできた。また,前記ケーブル連結部と係合部との間に設けた弾性部材による弾性緩衝作用によって円滑に脱着操作が行える構成となっていた。
(例えば,特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】特許3034534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし,従来の同軸ケーブルF型コネクタによると,リング状係合部の端面の内方に係止片を設けたことにより,この同軸ケーブルF型コネクタは取付けられるコネクタ座に係止用の溝が必要であり専用のF型コネクタ座でないと取付けができないことになり,前記F型コネクタ座は他の構成の同軸ケーブルF型コネクタを受け入れることが出来る汎用性を有していても,この実施例に示す同軸ケーブルF型コネクタは汎用性の点で問題があった。
また,接続の操作性の向上と,接続後の取付け強度向上のために備えられた弾性部材は,止リングによって保持された皿ばねや,F型コネクタ座の先端面に当接する菊型ばねと言った複数の構成部品から構成されているので,構造が複雑になると共に,延いては製品のコストアップになるといった問題があった。
そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,接続対象のF型コネクタに対して接続作業が容易で確実に接続できる同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,コストの安い同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,固着力の優れた接続を行うことのできる同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,同軸ケーブルを引っ張っても抜け難い同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,高周波特性の優れた同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,イミュニティーの優れた同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,一般的なコネクタ座に簡単且つ強固に取付け可能な同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,同軸ケーブルの端部に簡単に接続できる同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,一般的なコネクタ座に操作ミスなく取付け可能な同軸ケーブルFコネクタを提供することにある。
他の目的は,上記作用効果を有する同軸ケーブルF型コネクタを両端に備えたテレビ接続ケーブルを提供する事に有る。
他の目的は,上記作用効果を有する同軸ケーブルF型コネクタを備えた電子機器箱体を提供する事に有る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,同軸ケーブルを装着するための筒状のコネクタ本体と, 該コネクタ本体の前方に回転可能に連結され,接続対象のF型レセプタクルに形成した雄ネジの先端部分に螺合するための雌ネジを後方内面に備えた接続筒と,該接続筒の内面で前記雌ネジと前記接続筒の前方側開口部との間に保持され,前記F型レセプタクルの雄ネジと挟着するための,接続筒の中心方向に向かって突設された複数のスプリング部が形成された筒状スプリングと,を備え,前記スプリング部は,前記筒状スプリングの前方開口端側の周面に等間隔に複数個と後方開口端側の周面に等間隔に複数個とが相互に離れた位置に配列するように形成され,前記接続筒に形成された雌ネジは,前記F型レセプタクルの雄ネジの先端部との間において略3回転螺合するようなネジ山数に形成した。
【0006】
請求項2の発明は,請求項1に記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,前記同軸ケーブル用F型コネクタを前記F型レセプタクルに螺合した状態で,該F型レセプタクルの先端面と前記コネクタ本体の前方端面とが当接するように構成した。
【0007】
請求項3の発明は,請求項1又は請求項2の何れか一項に記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,前記F型レセプタクルの先端面と,前記コネクタ本体の前方端面との間に導電性弾性材料からなる接続部材を設け,前記同軸ケーブル用F型コネクタを前記F型レセプタクルに螺合した状態で,該F型レセプタクルの先端面と前記コネクタ本体の前方端面とで前記接続部材を挟着するように構成した。
【0008】
請求項4の発明は,請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,前記接続筒の一部若しくは全ての外形形状を,断面略六角形状にした。
【0009】
請求項5の発明は,請求項1乃至請求項4の何れかに記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,前記接続筒の外周面の一部若しくは全てに,ローレットを形成した。
【0010】
請求項6の発明は,前記コネクタ本体は,同軸ケーブルを挿入して装着する筒状のコネクタ外環と,前記コネクタ外環内に装着する同軸ケーブルの内部絶縁体と外部導体との間に挿入されるスリーブ体と,同軸ケーブルの抜脱を阻止する抜け止め具と,から成り,前記接続筒は,前記コネクタ本体の前面に該接続筒を嵌合保持するように形成された筒状嵌合部に回転可能に嵌合保持され,前記筒状嵌合部には,装着した同軸ケーブルの内部絶縁体及び中心導体を挿通する挿通孔がスリーブ体から連続形成され,装着した同軸ケーブルの中心導体を前記挿通孔から突出させて,前記接続筒の中心軸上に配置させるように構成され,前記抜け止め具は,前記コネクタ本体内に,コネクタ本体に対する軸線方向の移動と該軸線を中心軸とする回転とを阻止して固定する係止手段を備えた,コネクタ本体と同一中心軸を有するように内設するリング形状の係止部と,該係止部からコネクタ本体の中心軸方向へ向けて突設した複数の爪部と,で構成され,同軸ケーブル端部を記前記コネクタ本体内へ後方から挿入操作することで,前記抜け止め具に形成された前記爪部が前記同軸ケーブル周囲を咬持して,同軸ケーブルの抜脱を阻止すると共に回転を阻止して装着できるように構成した。
【0011】
請求項7の発明は,請求項6に記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,挿入した同軸ケーブルの回転を阻止するための回転阻止手段を備えた。
【0012】
請求項8の発明は,所定長の同軸ケーブルの両端部に同軸ケーブル用F型コネクタを備えたテレビ接続ケーブルにおいて,該同軸ケーブル用F型コネクタは請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のF型コネクタで構成した。
【0013】
請求項9の発明は,外部から同軸ケーブルを装着する同軸ケーブル用F型コネクタと同軸ケーブル用F型レセプタクルを混在して有する電子機器用箱体において,該同軸ケーブル用F型コネクタは請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のF型コネクタで構成した。
【発明の効果】
【0014】
上記課題を解決するために,請求項1の発明によれば,同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,同軸ケーブルを装着するための筒状のコネクタ本体と,該コネクタ本体の前方に回転可能に連結され,接続対象のF型レセプタクルに形成した雄ネジの先端部分に螺合するための雌ネジを後方内面に備えた接続筒と,該接続筒の内面で前記雌ネジと前記接続筒の前方側開口部との間に保持され,前記F型レセプタクルの雄ネジと挟着するための,接続筒の中心方向に向かって突設された複数のスプリング部が形成された筒状スプリングと,を備え,前記スプリング部は,前記筒状スプリングの前方開口端側の周面に等間隔に複数個と後方開口端側の周面に等間隔に複数個とが相互に離れた位置に配列するように形成され,前記接続筒に形成された雌ネジは,前記F型レセプタクルの雄ネジの先端部との間において略3回転螺合するようなネジ山数に形成した。
これによれば,接続対象であるF型レセプタクルへの接続が,接続筒の挿入操作(第1ステップ)と接続筒2の回転操作(第2ステップ)によって行うので,接続筒内周全面に雌ネジを形成したものと比べると,その接続作業の工数を大幅に低減できるばかりでなく,簡単な接続操作であっても接続後の同軸ケーブルの引っ張り力に対して引き抜け難いF型コネクタを提供できるのである。更に本発明の構成であれば,接続対象に雌ねじが形成されたF型レセプタクルであれば,何れのF型レセプタクルにも対応可能な汎用性の高いF型コネクタを提供できる。
更に,接続操作の第1ステップである接続筒2の挿入操作時には,接続筒内部に設けられた筒状スプリングの前方側に円形状に配列されたスプリング部と,後方側に円形状に配列されたスプリング部が,F型レセプタクルの前後2点を外周から中心に向かう均等の弾性力によって包み込むように挟着されることから,前記筒所スプリングの中心軸線(即ち,接続筒の中心軸線)とF型レセプタクルの中心軸線が相互にぶれることなく同一軸線上となる状態を維持しながら確実に挿入操作することができるので,続く回転作業において雌ネジと雄ネジとが噛んでしまってネジの螺合操作ができないと言ったことがなくなり,接続作用の容易性をさらに向上するばかりでなく,接続作業時間の更なる削減ができるのである。
【0015】
請求項2の発明によれば,請求項1に記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,前記同軸ケーブル用F型コネクタを前記F型レセプタクルに螺合した状態で,該F型レセプタクルの先端面と前記コネクタ本体の前方端面とが当接するように構成した。
これによれば,優れた高周波特性を有すると共に,妨害電波などに対するイミュニティー特性の優れた同軸ケーブル用F型コネクタとなる。
【0016】
請求項3の発明によれば,請求項1又は請求項2の何れか一項に記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,前記F型レセプタクルの先端面と,前記コネクタ本体の前方端面との間に導電性弾性材料からなる接続部材を設け,前記同軸ケーブル用F型コネクタを前記F型レセプタクルに螺合した状態で,該F型レセプタクルの先端面と前記コネクタ本体の前方端面とで前記接続部材を挟着するように構成した。
これによれば,接続対象のF型レセプタクル先端面の成形具合に影響されずに該F型レセプタクル先端面とコネクタ本体との接触が良くなるので,優れた高周波特性を有すると共に,妨害電波などに対するイミュニティー特性の優れた同軸ケーブル用F型コネクタとなる。また,接続部材の弾性力によってコネクタが振動等によって緩むことが防止できるのである。
【0017】
請求項4の発明によれば,請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,前記接続筒の一部若しくは全ての外形形状を,断面略六角形状にした。
これによれば,指先でも簡単に接続筒の回転操作をして螺合することができるし,レンチやスパナ等の一般的に市販されている工具でもって更に確実に固着することができるのである。
【0018】
請求項5の発明によれば,請求項1乃至請求項4の何れかに記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,前記接続筒の外周面の一部若しくは全てに,ローレットを形成した。
これによれば,指先でも簡単に回転操作をすることができる。
【0019】
請求項6の発明によれば,前記コネクタ本体は,同軸ケーブルを挿入して装着する筒状のコネクタ外環と,前記コネクタ外環内に装着する同軸ケーブルの内部絶縁体と外部導体との間に挿入されるスリーブ体と,同軸ケーブルの抜脱を阻止する抜け止め具と,から成り,前記接続筒は,前記コネクタ本体の前面に該接続筒を嵌合保持するように形成された筒状嵌合部に回転可能に嵌合保持され,前記筒状嵌合部には,装着した同軸ケーブルの内部絶縁体及び中心導体を挿通する挿通孔がスリーブ体から連続形成され,装着した同軸ケーブルの中心導体を前記挿通孔から突出させて,前記接続筒の中心軸上に配置させるように構成され,前記抜け止め具は,前記コネクタ本体内に,コネクタ本体に対する軸線方向の移動と該軸線を中心軸とする回転とを阻止して固定する係止手段を備えた,コネクタ本体と同一中心軸を有するように内設するリング形状の係止部と,該係止部からコネクタ本体の中心軸方向へ向けて突設した複数の爪部と,で構成され,同軸ケーブル端部を記前記コネクタ本体内へ後方から挿入操作することで,前記抜け止め具に形成された前記爪部が前記同軸ケーブル周囲を咬持して,同軸ケーブルの抜脱を阻止すると共に回転を阻止して装着できるように構成した。
これによれば,接続対象のF型レセプタクルに対する接続状態は上記と同じ効果を有するのであるが,このF型コネクタに対する同軸ケーブルの装着は,コネクタ本体に同軸ケーブルの抜脱を阻止する抜け止め具が備えられることによって,同軸ケーブル端部を該コネクタ本体内へ後方から挿入操作するだけで,同軸ケーブルの周囲が咬持され同軸ケーブルを引き抜け難く接続可能となるといった,組付け性に関しても優れた利便性を有する。
【0020】
請求項7の発明によれば,請求項6に記載の同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,挿入した同軸ケーブルの回転を阻止するための回転阻止手段を備えた。
これによれば,同軸ケーブルの引っ張り方向に対する抜脱を阻止するばかりでなく,同軸ケーブルの回転力に対しても回転し難いF型コネクタを提供できるのである。
【0021】
請求項8の発明によれば,所定長の同軸ケーブルの両端部に同軸ケーブル用F型コネクタを備えたテレビ接続ケーブルにおいて,該同軸ケーブル用F型コネクタは請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のF型コネクタで構成した。
これによれば,接続対象のF型レセプタクルに対して,接続しやすく且つ引き抜け難い,信頼性の高いテレビ接続ケーブルを提供できる。
【0022】
請求項9の発明によれば,外部から同軸ケーブルを装着する同軸ケーブル用F型コネクタと同軸ケーブル用F型レセプタクルを混在して有する電子機器用箱体において,該同軸ケーブル用F型コネクタは請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のF型コネクタで構成した。
これによって,接続対象のF型レセプタクルに対して,接続しやすく且つ引き抜け難い信頼性の高い電子機器箱体を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に,本発明を具体化した実施形態の例を,図面を基に詳細に説明する。
図1は本発明に係る同軸ケーブル用コネクタ(以下,単にコネクタと称する。)の第1実施形態を示し,同軸ケーブルに装着した状態のコネクタの要部を断面で示した説明図及びその一部拡大図を示している。図2はケーブル挿入前の状態を示し,図3は筒状スプリングの(a)は正面図であり,(b)はA−A線断面図であり,(c)は筒所スプリングの異なる実施例を示す。図4は本発明の第1実施形態の異なる実施例示し,同軸ケーブルに装着した状態のコネクタの要部を断面で示した説明図及びその一部拡大図を示している。図5は図4においてF型コネクタとF型レセプタクルとの相互に当接する端面の間に接続部材を備えた実施例を示す。図6(a)は図1に示す同軸ケーブル用コネクタを,接続対象のレセプタクルに接続した状態を示す説明図およびその一部を破断した拡大図であり,(b)は図5に示す同軸ケーブル用コネクタを,接続対象のレセプタクルに接続した状態を示す説明図およびその一部を破断した拡大図である。
【実施例1】
【0024】
図1及び図2において,15は同軸ケーブル(以下,単にケーブルと称する。)に装着する筒状のコネクタ本体であり,2はレセプタクル等の接続対象に接続する接続手段としての接続筒であり,コネクタ本体15の前方側に回転自在に連結されている。尚,以下,特に明記しない限り接続筒2が取付けられている方向を前方として説明する。
コネクタ本体15は,装着するケーブル20の内部絶縁体5と外部導体7の間に挿入するスリーブ体11と,ケーブルを装着したときにケーブルの端部を当接させるための挿入止着部12aを後方側に有する環状部材12からなる。
環状部材12は中心に透孔12bを有した環状に成形されており,該透孔12bにコネクタ本体11を圧入等の固着方法で固着することによって取付けられている。
尚,図において4は中心導体であり,6はアルミ箔,8は保護被覆である。
【0025】
前記スリーブ体11は,導電性材料から形成されており,内部に一体的に同一径で形成されている挿通孔13を有し,外周は先細の後方端部から前方にかけて肉厚を徐々に厚く成るように円錐状に形成されると共に,同軸ケーブル20に挿入する挿入部11aの後方先端部にテーパ状等挿入し易い形状に加工された隆起部11dを全周に備えた挿入先端部11bが形成されており,その挿入部11aは,同軸ケーブル20のアルミラミネート箔6と編組導体7との間に,保護被覆8の端部が挿入止着部12aに止着するまで挿入することで同軸ケーブル20の挿入完了し,その後,固着リング3で圧入固着が行われる。
また,スリーブ体11前方側の基端周りに形成された溝は,前記接続筒2が嵌め込まれる基端溝11cであり,更にスリーブ体11の前方には,前記基端溝11cから前方に連設させた前記接続筒2を装着するための細径の筒状嵌合部16が一体に形成されている。
【0026】
接続筒2は,前記コネクタ本体15の前方に形成された筒状嵌合部16に挿入嵌合する連結孔2bを有した連結部21を後方に備えると共に,接続筒の後方内周には,図6に示される,接続対象のF型レセプタクル50に形成した雄ネジ52の先端部分に螺合するための雌ネジ22が形成されている。本発明の実施例におけるコネクタの雌ネジ22は,コネクタを前記F型レセプタクル50に接続するときに,該F型レセプタクル50に形成された雄ネジ52の先端部に略3回転させることで接続が完了するようなネジ山数になるように形成されている。
尚,筒状嵌合部16は,接続筒2と嵌合した後に先端部16aが拡径され,接続筒2を筒状嵌合部16に回転可能に連結され,接続筒2が抜け落ちることはない。
【0027】
接続筒2の内面で前記雌ネジ22と前記接続筒2の開口部2aとの間には,前記F型レセプタクル50の雄ネジ52を挟着するための筒状スプリング30装着されている。
本発明における筒状スプリング30は,導電性を有する弾性材(例えば,板厚0.5mm前後のばね用のリン青銅)を筒状に成形したものである。そして,図3によく示されるように,この筒所スプリング30の周面には,筒所スプリング30の中心方向(即ち,接続筒の中心方向)に向かって突設された複数のスプリング部32が形成されている。本発明の実施例では,前記スプリング部32は,前記筒状スプリング30の前方開口端30a側の周方向に複数個のスプリング部32a・・・と,後方開口端30b側の周方向に複数個のスプリング部32b・・・が等間隔に形成されており,この筒状スプリング30によって,接続筒2を接続対象のF型レセプタクル50に接続した状態で,前記F型レセプタクル50の雄ネジ52と確実に挟着するのである。
尚,本発明における筒所スプリング30のスプリング部32は,所謂リーフスプリングと呼ばれる形状になるように形成したものであるが,筒所スプリングの前方開口端側と後方開口端側に相互に離れた位置に配設されておれば,図3(c)のように切起し状に形成したバネであってもよく特に実施例に示す形状に限定されるものではない。
【0028】
図4は本発明の第1実施例の異なる例を示すものである。この実施例では接続筒2内部から突出する中心導体がコンタクトピン41からなるように構成されたものである他は,前記第1実施例と同様の構成である。コネクタピン41は基部において同軸ケーブル20の中心導体4の先端部に固着されており,更にコンタクトピン41は,コネクタ本体11の挿通孔13の前方に連設して形成された,該挿通孔13より短径の絶縁体保持孔14に固着された絶縁体43に挿入保持されているのである。
【0029】
また,図5はF型コネクタとF型レセプタクルとの相互に当接する端面の間に接続部材19を備えた実施例を示す。この接続部材19は少なくとも導電性材料から成形されたものである。本発明の接続部材19は例えばリング状に形成されており,接続筒2内部の雌ネジ22の後方に,前後方向にはその位置を僅かに移動でき,軸心を回転軸として回転自在となるように所定の方法で係止されて抜け落ちることがない。
即ち,この実施例によれば,F型コネクタとF型レセプタクルを接続した状態において,コネクタ本体15の前方端面とレセプタクル50の先端面50aとの間で,前記接続部材19を挟着するように構成されていることから,例えば,F型レセプタクル50の先端面50aの加工精度が悪くてもコネクタとレセプタクルの接続状態を安定したものとすることができるのである。
この実施例における接続部材19は,導電性を有する材料から構成されてもよいが,加えて弾性を有するもので形成すれば更によい。
尚,上記実施例に示す同軸ケーブルF型コネクタを同軸ケーブルの端部に接続する方法は,特に実施例に示す方法に限定されるものではなく,周知の方法で固着できるようにすればよい。
【0030】
次に図1に示す第1実施形態の同軸ケーブル用F型コネクタをF型レセプタクルに接続したときの状態について図6(a)を用いて説明する。先ず第1ステップとして,接続筒2の開口部2aからF型レセプタクル50を挿入操作する。このときF型レセプタクル50の周面に形成された雄ネジ52が,接続筒2に形成された雌ネジ22に当接するまでスプリング部32を弾性変形により拡径しながら摺動装着されるのである。
【0031】
本発明の実施例では,前記スプリング部32は,前記筒状スプリング30の前方開口端30a側の周方向に均等間隔で形成された複数個のスプリング部32a・・・と,後方開口端30b側の周方向に均等間隔で形成された複数個のスプリング部32b・・・とが,筒状スプリング30の前後方向に,適宜に離すように配設されていることによって,接続操作の第1ステップである接続筒2の挿入操作時には,前方側のスプリング部32a・・・と,後方側のスプリング部32b・・・との前後の2点で,F型レセプタクル50の外周から中心に向かう均等の弾性力によって包み込むように挟着されながら挿入されるので,前記筒所スプリング30の中心軸線(即ち,接続筒2の中心軸線)とF型レセプタクル50の中心軸線が相互にぶれることなく同一軸線上となるように確実に挿入操作することができる。
【0032】
次に第1ステップとしての摺動装着が完了したなら,第2ステップである接続筒2の回転操作によって前記雄ネジ52と雌ネジ22とを螺合するのであるが,本発明の実施例では接続筒2をF型レセプタクル50の雄ネジ52に対して略3回転螺合させることで接続完了となるように雌ネジ22のネジ山数及びネジ山位置が形成されている共に,この接続完了時点で,前記F型レセプタクル50の先端面50aが,コネクタ本体11に形成された筒状嵌合部16の前方端部16aの前方側端面と必ず密着するように,接続筒2の内部の軸線方向寸法が形成されている。また,前記接続筒2の雌ネジ22を前記F型レセプタクル50の雄ネジ52に螺合し締付けた状態で,前記F型レセプタクル50の先端面50aと,前記接続筒2の連結孔2bの内面側周縁とで,前記コネクタ本体11に形成された筒状嵌合部16先端部16aを挟着するよう構成されている。
図6(b)には図4に示す接続部材19を設けた同軸ケーブル用F型コネクタのF型レセプタクルに対する接続状態が示されており,該接続部材19がF型レセプタクル50の先端面50aとコネクタ本体11の前方側端面との間に挟着されている。
尚,接続筒2の一部若しくは全ての外形形状を,断面略六角形状にすれば,上記のような取付け操作が,指先でも簡単にすることができるし,レンチやスパナ等の一般的に市販されている工具を用いれば,更に確実に固着することができるのである。また,ローレットを備えさせてもよい。
【0033】
以上,本発明の同軸ケーブル用F型コネクタによれば,接続対象であるF型レセプタクル50への接続が,接続筒2の挿入操作(第1ステップ)と接続筒2の回転操作(第2ステップ)によって行うので,接続筒内周全面に雌ネジを形成したものと比べると,その接続作業の工数を大幅に低減できるばかりでなく,簡単な接続操作であっても接続後の同軸ケーブルの引っ張り力に対して引き抜け難いF型コネクタを提供できるのである。
更に本発明の構成であれば,接続対象に雄ネジが形成されたF型レセプタクルであれば何れのF型レセプタクルにも対応可能な汎用性の高いF型コネクタを提供できるのである。
【0034】
更に,接続操作の第1ステップである接続筒2の挿入操作時には,前方側に円形状に配列されたスプリング部32a・・・と,後方側に円形状に配列されたスプリング部32b・・・との,筒状スプリングの前後に適宜に離して形成されたスプリング部が,F型レセプタクルの前後2点を外周から中心に向かう均等の弾性力によって包み込むように挟着されながら挿入されることから,前記筒所スプリング30の中心軸線(即ち,接続筒2の中心軸線)とF型レセプタクル50の中心軸線が相互にぶれることなく同一軸線上となるように確実に挿入操作することができるので,続く回転作業において雌ネジ22と雄ネジ52とが噛んでしまってネジの螺合操作ができないと言ったことがなくなり,接続作用の容易性をさらに向上するばかりでなく,接続作業時間の更なる削減ができるのである。
【0035】
更に,本発明の構成であれば,接続対象であるF型レセプタクルに接続した状態で,該F型レセプタクルの周面は前記筒状スプリング30の前方と後方側に形成されたスプリング部32a・・・,32b・・・によって挟着されると共に,F型レセプタクルの先端面は筒状嵌合部16の前方端部と密着するように接続されることによって,優れた高周波特性を有すると共に,妨害電波などに対するイミュニティー特性の優れた同軸ケーブル用F型コネクタとなる。
【0036】
更に加えて,図5に示す如く,これらに示す実施例に,導電性弾性材で形成された前記接続部材19を,F型コネクタとF型レセプタクルの相互に当接する端面の間に介挿させれば,F型レセプタクルの先端面の加工精度が悪くてもコネクタとレセプタクルの電気的な接続状態を良好に維持することができる。更には,その接続部材19の弾性による付勢力がF型コネクタとF型レセプタクルの相互に当接する端面間に加わることになり,F型コネクタが振動等によって緩んでしまうことのない信頼性の高い接続ができるのである。
【実施例2】
【0037】
次に本発明の第2の実施形態として図7乃至図10を参照して説明する。図7は本発明に係る同軸ケーブル用コネクタ100(以下,単にコネクタと称する。)の第2実施形態を示し,同軸ケーブルに装着した状態のコネクタの要部を断面で示した説明図及びその一部拡大図を示している。図8はケーブル挿入前の状態を示す。図9は抜け防止具の実施例を示し,(a)は正面図,(b)はB−B線断面図である。図10(a)は図8の抜け止め具に対応するケーブル挿通孔の一部拡大斜視図を示し,(b)はその他のケーブル挿通孔の実施例を示す一部拡大斜視図を示す。尚,以下の説明では,上記第1実施形態と同様の構成要素については同一符号を付与し,詳細な説明は省略する。
この実施例は,接続筒2や筒状スプリング30の構成は第1実施例と同じ構成を有したものであるが,コネクタ本体には同軸ケーブルの抜脱を阻止する抜け止め具が備えられ,同軸ケーブル端部を該コネクタ本体内へ後方から挿入操作するだけで,同軸ケーブル周囲を咬持するように構成されたものである。
【0038】
図7及び図8において,65は同軸ケーブルに外嵌する筒状のコネクタ本体,2はレセプタクル等の接続対象に接続する接続筒である。コネクタ本体65は,装着したケーブルの抜けを防止する抜け止め具130,抜け止め具130を固定するキャップ153,装着するケーブル20の内部絶縁体5と外部導体7の間に挿入するスリーブ体11,同軸ケーブル20を挿入して装着する筒状のコネクタ外環10とからなる。
この実施例によると,コネクタ本体65の前方には,前記スリーブ体11を固着する為の嵌合孔66が,後方には同軸ケーブルを挿入するためのケーブル挿通孔143が形成されている。尚,コネクタ本体65は円筒形状としてもよいし,他の形状,例えば6角柱形状としてもよい。
【0039】
抜け止め具130は,図9(a)の正面図に示すように,略円盤状に形成され,弾性を有する金属,例えばバネ用ステンレスで形成されている。
この抜け止め具130は,コネクタ本体65の中心軸と同一の中心軸を有するリング状の係止部130bと,該リング状の係止部130bに内側に係止部130bの中心線方向に向けて突設させた複数の爪部130aとから成る。
係止部130bには,130cで示される係止爪が形成されている。この係止爪130cは,係止部130bからコネクタ前方に突出するように係止部の周縁に1又は複数個,折り曲げ形成されている。
尚,この係止爪130cが請求孔に記載の係止手段であり,係止部130bと係止爪130cとで請求孔に記載の係止部を構成している。
爪部130aの先端部の形状は本願の実施例においては台形形状をしているが,ケーブルの挿入を容易とするならば先端分を鋭角的に尖らせてもよいし,更にはケーブルの引き抜き方向の力に対する耐力をより強くするためには,爪部130aが形成する内径が装着するケーブル20の外径より小さな径で形成され,その先端はケーブル20に線接触するように,内周がケーブルの径に合わせたアールを設けて形成してもよく,特に限定されるものではなく,ケーブルを保持するに要求される所定の保持力に対して最適な形状をなすようにすればよい。
【0040】
更には,爪部130aは,図9(b)のB−B線端面図に示すように,コネクタ前方となるコネクタ本体1の内部方向に,折り曲げ角θを例えば約45°として折り曲げ形成され,抜け止め具130全体は前方に窄み形成した略円錐形状としてもよい。
このように折り曲げることで,ケーブルの挿入操作の際爪部130aは容易に拡径するので,挿入操作をスムーズに実施できる。また,このように形成した場合であっても挿入したケーブルに引っ張り応力が加わった場合,爪部130aがケーブルに確実に食い込むので,抜け落ちることがない。
【0041】
図10(a)に示すように,コネクタ本体65のコネクタ外環10の後部に形成されたケーブル挿入口143には,前記抜け止め具130に対応するように,前記抜け止め具130の嵌合部が形成されている。
このケーブル挿入孔143には開口部内部に段部143aが形成されている。この段部143aは,周径が前記抜け止め具3の係止部130bが内接される大きさに形成されていると共に,前記抜け止め具130の係止部130bを段部143aに当接するように載置したときに,前記係止部130bに備えた係止爪130cが挿入されて嵌合する嵌合溝143cが,前記係止爪130cに対向する位置に形成されている。更にコネクタ外環10の後方側端部の外周縁には,雄ねじ143bが形成されている。
153は,図8によく示されるように,中心に同軸ケーブルを挿通するための挿通孔152を有すると共に,内部には前記コネクタ外環10の後方側端部に形成された雄ねじに螺合するように形成された雌ねじ153bが形成され,前記コネクタ外環10のケーブル挿通孔143に着脱自在に構成されたキャップである。このキャップ153は,コネクタ抜け止め具130をコネクタ本体内に固定するためのものであり,抜け止め具130はこのキャップ153と段部143aとの間に,軸線方向の移動と,軸線を中心軸とした回転を阻止されて取付けられるのである。
【0042】
更に,コネクタ本体65の内面から中心軸方向に向かって,コネクタ本体65に形成された同軸ケーブルの収納空間の前方から後方部に亘り回転阻止手段としての直線状の帯状突起67が複数形成されている。この帯状突起67は,例えば断面形状を四角形状や3角形状に形成されており,本願の実施例では前方側が先端に向けて徐々に低く形成されている。このように,コネクタ本体65の内部に帯状突起465を形成したので,同軸ケーブル挿入操作により,内部絶縁体と外部導体の間にスリーブ体が進入し,保護被覆がスリーブ体周囲にせり上がって行くことになり,帯状突起45が確実に保護被覆に食い込む。
【0043】
即ちこの第2実施例に示す同軸ケーブル用F型コネクタ100によれば,F型レセプタクル50に対する接続は第1実施形態と同じ作用効果を有するばかりでなく,このF型コネクタに接続する同軸ケーブルは,その保護被覆がコネクタ本体65の後方端部において抜け止め具130の爪部130aによって咬持されることによって,同軸ケーブルの軸線方向に対する抜脱及び軸線を中心軸とした回転を阻止するように構成された,同軸ケーブルの接続を簡単に行うことができるF型コネクタを提供することができるのである。また,コネクタ本体65の内部に帯状突起67を備えることによって,同軸ケーブルの先端部は内部からはスリーブ体11,外部からは帯状突起67とで挟持されることとなり,更に優れた保持力を有すると共に確実に同軸ケーブルの回転を阻止することができる。
尚,帯状突起は設けなくてもよい。
【0044】
更に,抜け止め具131の係止部131bは,外周方向に所定の平面部が形成されると共に,この平面部131bが配設されるコネクタ本体65内部において,段部143aとキャップ153の内面とで,係止部131bの前後方向への動きが制限されるように形成されているので,ケーブルに大きな応力が加わることによって,係止部131bが前方向にも後方向にも反り返ることがないので係止部131bが変形することがなく,抜け止め具130の爪部131aの折り曲げ角θは維持され,良好に咬持動作する。
加えて,前記係止爪130cと嵌合溝143aとで抜け止め具の回転をも阻止されることに成り,同軸ケーブルに対する引っ張り力に対して強いばかりでなく,同軸ケーブルに加わる回転力に対しても信頼性の高い取付け性を有する。
【0045】
更に加えて,この実施例においては,抜け止め具の固定用キャップが着脱自在に構成されていることから,コネクタの出荷の時点で,キャップをケーブル挿通孔に螺合した状態にしておけば,ユーザーは同軸ケーブルを挿入操作することで簡単且つ素早く取付することができるのであるが,もしこの取付作業においてケーブルの挿着ミスがあった場合,一般的な工具を使ってキャップを取り外すことができ,これによって抜け止め具を簡単にコネクタ本体から取り外すことができ,同軸ケーブルの再装着が簡単にできるのである。また,長期的な使用を考えると,システムの変更等による同軸ケーブルの再配線にも簡単に対応できるのである。

尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。また,図11(a)に示すように可曲性のよいしなやかな細径の同軸ケーブルを用いたテレビ接続ケーブルに応用しても良いし,(b)に示すような例えば分岐器や分配器に利用される電子機器箱体に応用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る同軸ケーブル用コネクタ(以下,単にコネクタと称する。)の第1実施形態を示し,同軸ケーブルに装着した状態のコネクタの要部を断面で示した説明図及びその一部拡大図を示している。
【図2】図1のケーブル挿入前の状態を示す。
【図3】筒状スプリングの(a)は正面図であり,(b)はA−A線断面図であり,(c)は筒所スプリングの異なる実施例を示す。
【図4】本発明の第1実施形態の異なる実施例示し,同軸ケーブルに装着した状態のコネクタの要部を断面で示した説明図及びその一部拡大図を示している。
【図5】図4においてF型コネクタとF型レセプタクルとの相互に当接する端面に接続部材を備えた実施例を示す。
【図6】(a)は図1の同軸ケーブル用コネクタを接続対象のレセプタクルに接続した状態を示す説明図およびその一部を破断した拡大図であり,(b)は図5の同軸ケーブル用コネクタを接続対象のレセプタクルに接続した状態を示す説明図およびその一部を破断した拡大図であり
【図7】本発明に係る同軸ケーブル用コネクタ(以下,単にコネクタと称する。)の第2実施形態を示し,同軸ケーブルに装着した状態のコネクタの要部を断面で示した説明図及びその一部拡大図を示している。
【図8】図7のケーブル挿入前の状態を示す。
【図9】抜け防止具の実施例を示し,(a)は正面図,(b)はB−B線断面図である。
【図10】(a)は図8の抜け止め具に対応するケーブル挿通孔の一部拡大斜視図を示し,(b)はその他のケーブル挿通孔の実施例を示す一部拡大斜視図を示す。
【図11】(a)はテレビ接続ケーブルの概略構成を示す正面図である。(b)は分波器などに代表される電子回路を収納するための電子機器箱体の概略構成を示す正面図である。
【符号の説明】
【0047】
1…同軸ケーブル用F型コネクタ,2…接続筒,2a…開口部(前方側),2b…連結孔,3…固着リング,4…中心導体,5…内部絶縁体,6…アルミ箔,7…外部導体,8…保護被覆,10…コネクタ外環,11…スリーブ体,11a…挿入部,11b…挿入先端部,11c…基端溝,11d…隆起部,12…環状部材,12a…挿入止着部,12b…透孔,13…透孔,14…絶縁体保持孔,15…コネクタ本体,16…筒所嵌合部,16a…先端部,19…接続部材,20…同軸ケーブル,21…連結部,22…雌ネジ,30…筒所スプリング,30a…前方開口部,30b…後方開口部,32…スプリング部,41…コンタクトピン,43…絶縁体,50…同軸ケーブル用F型レセプタクル,50a…先端面,52…雄ネジ,65…コネクタ本体,62…嵌合孔,67…帯状突起,130…抜け止め具,130a…爪部,130b…係止部,130c…係止爪,143…ケーブル挿入孔,143a…段部4,143b…雄ねじ,143c…嵌合溝,152…挿通孔,153…キャップ,153b…雌ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブル用F型コネクタにおいて,
同軸ケーブルを装着するための筒状のコネクタ本体と,
該コネクタ本体の前方に回転可能に連結され,接続対象のF型レセプタクルに形成した雄ネジの先端部分に螺合するための雌ネジを後方内面に備えた接続筒と,
該接続筒の内面で前記雌ネジと前記接続筒の前方側開口部との間に保持され,前記F型レセプタクルの雄ネジと挟着するための,接続筒の中心方向に向かって突設された複数のスプリング部が形成された筒状スプリングと,を備え,
前記スプリング部は,前記筒状スプリングの前方開口端側の周面に等間隔に複数個と後方開口端側の周面に等間隔に複数個とが相互に離れた位置に配列するように形成され,
前記接続筒に形成された雌ネジは,前記F型レセプタクルの雄ネジの先端部との間において略3回転螺合するようなネジ山数に形成され,
たことを特徴とした同軸ケーブル用F型コネクタ。
【請求項2】
前記同軸ケーブル用F型コネクタを前記F型レセプタクルに螺合した状態で,該F型レセプタクルの先端面と前記コネクタ本体の前方端面とが当接するように構成した,
ことを特徴とした請求項1に記載の同軸ケーブル用F型コネクタ。
【請求項3】
前記F型レセプタクルの先端面と,前記コネクタ本体の前方端面との間に導電性弾性材料からなる接続部材を設け,前記同軸ケーブル用F型コネクタを前記F型レセプタクルに螺合した状態で,該F型レセプタクルの先端面と前記コネクタ本体の前方端面とで前記接続部材を挟着するように構成した,
ことを特徴とした請求項1又は請求項2の何れか一項に記載の同軸ケーブル用F型コネクタ。
【請求項4】
前記接続筒の一部若しくは全ての外形形状を,断面略六角形状にしたことを特徴とした請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の同軸ケーブル用F型コネクタ。
【請求項5】
前記接続筒の外周面の一部若しくは全てに,ローレットを形成したことを特徴とした請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の同軸ケーブル用F型コネクタ。
【請求項6】
前記コネクタ本体は,同軸ケーブルを挿入して装着する筒状のコネクタ外環と,前記コネクタ外環内に装着する同軸ケーブルの内部絶縁体と外部導体との間に挿入されるスリーブ体と,同軸ケーブルの抜脱を阻止する抜け止め具と,から成り,
前記接続筒は,前記コネクタ本体の前面に該接続筒を嵌合保持するように形成された筒状嵌合部に回転可能に嵌合保持され,
前記筒状嵌合部には,装着した同軸ケーブルの内部絶縁体及び中心導体を挿通する挿通孔がスリーブ体から連続形成され,装着した同軸ケーブルの中心導体を前記挿通孔から突出させて,前記接続筒の中心軸上に配置させるように構成され,
前記抜け止め具は,前記コネクタ本体内に,コネクタ本体に対する軸線方向の移動と該軸線を中心軸とする回転とを阻止して固定する係止手段を備えた,コネクタ本体と同一中心軸を有するように内設するリング形状の係止部と,
該係止部からコネクタ本体の中心軸方向へ向けて突設した複数の爪部と,で構成され,
同軸ケーブル端部を記前記コネクタ本体内へ後方から挿入操作することで,前記抜け止め具に形成された前記爪部が前記同軸ケーブル周囲を咬持して,同軸ケーブルの抜脱を阻止すると共に回転を阻止して装着できる,
ことを特徴とした請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の同軸ケーブル用F型コネクタ。
【請求項7】
挿入した同軸ケーブルの回転を阻止するための回転阻止手段を備えた請求項6に記載の同軸ケーブル用F型コネクタ。
【請求項8】
所定長の同軸ケーブルの両端部に同軸ケーブル用F型コネクタを備えたテレビ接続ケーブルにおいて,
該同軸ケーブル用F型コネクタは請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のF型コネクタで構成したことを特徴としたテレビ接続ケーブル。
【請求項9】
外部から同軸ケーブルを装着する同軸ケーブル用F型コネクタと同軸ケーブル用F型レセプタクルを混在して有する電子機器用箱体において,
該同軸ケーブル用F型コネクタは請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のF型コネクタで構成したことを特徴とした電子機器箱体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−122929(P2007−122929A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−310382(P2005−310382)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(000113665)マスプロ電工株式会社 (395)