説明

名札付き結束用ベルト

【課題】旅行用かばん等のキャリーバッグ胴部と、キャリーバッグ上に乗せた別のバッグ等の荷物をそれぞれ迅速確実に結束と結束はずしができ、名札を任意位置に取りつけられるようにした名札付き結束用ベルトを提供する。
【解決手段】表面にループ面11裏面にフック面12を形成した両面ファスナーの一端部に通し環13を取りつけた通し環付き第1帯状面ファスナー10によりキャリーバッグ30胴部31を囲繞して着脱可能に接着して結束し、キャリーバッグ30の胴部31の上に乗せた別の荷物40を把手32に巻いた通し環付き両面ファスナーの第3帯状面ファスナー10Cの結束したものを介して通し環付き両面ファスナーの第2帯状面ファスナー10Dで囲繞し接着して着脱可能に結束し、名札20又は20B裏のフック面22又は22Bを前記各帯状面ファスナーのいずれかのループ面に着脱可能に接着して取りつけた名札付き結束用ベルト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリーバッグの胴部の結束や胴部の上に乗せた荷物の結束を着脱可能にできるようにすると共に、結束したベルトの表面の任意の位置に名札が取り付けられるようにした名札付き結束用ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例をスーツケースベルトに一例を挙げて説明すると、スーツケースベルトは、スーツケースが運搬時の衝撃などによって不用意に開くことを防止すると共に、名札を付けて自己のスーツケースを識別するための目印として使用されてきた。また、空港などでは、荷物の検査のため開錠してスーツケースを預けなければならない場合があって、スーツケースベルトは海外旅行の必需品となってきた。しかしながら、従来のスーツケースベルトには、長さ調節用のベルト金具と巻き締め用のベルト金具を備えたものがあったが、この種のものは、ベルト長さ調節と結束のためのベルト巻き締めやベルト開きに時間がかかる欠点があり、その上、名札がベルトの固定位置に取りつけられていたので、ベルトの締め方によっては見えにくくなり、名札の位置の変更ができない欠点があった。開閉施錠金具を備えたものは、その構造が複雑で、故障の場合応急処置ができにくく、また、高価につく欠点があった。
さらに、スーツケースが2輪又は4輪の走行用車輪を設けている場合は、別の荷物があるとき、スーツケースの上に乗せて走行したい要望があり、この場合、スーツケースの上に乗せて安定して走行できるようにする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−101940号公報
【特許文献2】特開2003−325223号公報
【特許文献3】特開2007−135765号公報
【特許文献4】特許第4798568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、キャリーバッグの胴部に簡単、迅速かつ着脱容易にベルト結束ができるようにした名札付き結束用ベルトを提供するものである。
また、本発明は、別の荷物をキャリーバッグの胴部の上に乗せて簡単、迅速かつ着脱容易にベルト結束して走行できるようにした名札付き結束用ベルトを提供するものである。
また、本発明は、ベルトをキャリーバッグの胴部や荷物に結束したのち、名札をベルトの任意の位置に簡単、迅速かつ着脱容易に取りつけることができるようにした名札付き結束用ベルトを提供するものである。
さらに、本発明は、構造簡単で、製作費安く、小型軽量な名札付き結束用ベルトを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の名札付き結束用ベルトは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項1の発明は、キャリーバッグの胴部に囲繞して着脱可能に結束できるようにした第1帯状面ファスナーであって、表面側にループ面を形成し、裏面側にフック面を形成し、一端部に通し環を取りつけたものと、表面側に名前面又はデザイン面を形成し、裏面側に面ファスナーのフック面を形成した名札とからなり、前記第1帯状面ファスナーのフック面を、前記キャリーバッグの胴部の表面に囲繞して、前記第1帯状面ファスナーの他端部を、前記一端部の通し環に挿入したのち、前記一端部の通し環を一方の手で保持して、挿入した前記第1帯状面ファスナーの他端部を他方の手で引張って、前記第1帯状面ファスナーのループ面に、前記第1帯状面ファスナーのフック面を着脱可能に結束すると共に、前記第1帯状面ファスナーのループ面の任意の位置に、前記名札のフック面を着脱可能に接着したものである。
また、本発明の名札付き結束用ベルトは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項2の発明は、前記キャリーバッグの胴部に囲繞して着脱可能に結束できるようにした前記第1帯状面ファスナーと、前記キャリーバッグの上に乗せた別の荷物の胴部に囲繞して着脱可能に結束できるようにした第2帯状面ファスナーであって、表面側にループ面を形成し、裏面側にフック面を形成し、一端部に通し環を取りつけたものと、前記キャリーバッグの把手に囲繞して着脱可能に結束できるようにした第3帯状面ファスナーであって、表面側にループ面を形成し、裏面側にフック面を形成し、一端部に通し環を取りつけたものと、1個又は複数個の前記名札とからなり、前記第1帯状面ファスナーのフック面を、前記キャリーバッグの胴部の表面に囲繞して、前記第1帯状面ファスナーの他端部を、前記一端部の通し環に挿入したのち、前記一端部の通し環を一方の手で保持して、挿入した前記第1帯状面ファスナーの他端部を他方の手で引張って、前記第1帯状面ファスナーのループ面に、前記第1帯状面ファスナーのフック面を着脱可能に結束し、前記別の荷物を前記キャリーバッグの上部に乗せ、前記キャリーバッグの把手に、前記第3帯状面ファスナーをループ面が表側になるように囲繞して、前記第3帯状面ファスナーの他端部を、前記通し環に挿入したのち、前記一端部の通し環を一方の手で保持して、挿入した前記第3帯状面ファスナーの他端部を引張って、前記第3帯状面ファスナーのループ面に、前記第3帯状面ファスナーのフック面を着脱可能に結束したのち、前記第2帯状面ファスナーをフック面が内側になるように、前記別の荷物の胴部の表面と前記結束した第3帯状面ファスナーの外側又は内側に囲繞して、前記第2帯状面ファスナーの他端部を前記一端部の通し環に挿入したのち、前記一方の通し環を一方の手で保持して、挿入した前記第2帯状面ファスナーの他端部を他方の手で引張って、前記第2帯状面ファスナーのループ面に、前記第2帯状面ファスナーのフック面を着脱可能に結束し、前記第1帯状面ファスナー、前記第2帯状面ファスナー又は前記第3帯状面ファスナーのループ面の任意の位置に、前記名札のフック面を着脱可能に接着したものである。
また、本発明の名札付き結束用ベルトは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記通し環が、漢字の日の字状又は漢字の口の字状のリングから形成されたものである。
さらに、本発明の名札付き結束用ベルトは、上記課題を達成するため、図示するように、請求項4の発明は、請求項1、2又は請求項3の発明において、前記名札の表面側のデザイン面が、形状、模様、色彩又はこれらの結合からなる物品が設けられたものである。
本発明において、キャリーバッグは、2輪又は4輪の車輪を底部に設け、上部に伸縮把手を設けて、走行できるようにした旅行かばん、スーツケース、トランク等をいう。前記各帯状面ファスナーの一端部に取りつけた通し環は、(1)通し環に前記帯状面ファスナーの他端部を挿入して前記通し環を一方の手で保持しながら、前記帯状面ファスナーの他端部を他方の手で引張れば、結束しやすいこと、(2)結束する場合、前記帯状面ファスナーの他端部を、通し環を通して一たん折り返して強く引張ったのち、フック面を戻してループ面に接着すればより強く結束されること、(3)通し環を取りつけることにより、結束するときに、裏側に隠れた帯状面ファスナーの一端部が見えやすくなること、(4)万一帯状面ファスナーの結束が緩んでも通し環を通った他端側に名札を接着していれば通し環から他端側が抜けてはずれることがないなどの理由による。名札の名前面は、氏名又は名称、住所又は居所、電話等が記載され、デザイン面は、平面デザイン物品、立体デザイン物品等が形成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、キャリーバッグの胴部や、キャリーバッグ胴部の上部に乗せた別の荷物が、簡単、迅速かつ着脱容易に強く結束されると共に、また、名札は、ベルトの任意の位置に即座に着脱容易に取りつけることができ、極めて便利である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1−1】本発明の実施例を示す使用状態の説明図である。
【図1−2】図1−1の第1帯状面ファスナーの拡大説明図である。
【図1−3】図1−1に使用した第1帯状面ファスナーの別の実施例を示す拡大説明図である。
【図2】図1−1の名札の裏面のフック面を示す説明図である。
【図3】名札の別の実施例を示す説明図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す使用状態の説明図である。
【図5−1】図4の把手を、通し環を介して結束した第3帯状面ファスナーの使用状態の拡大説明図である。
【図5−2】図4の把手を別の通し環を介して結束した第3帯状面ファスナーの使用状態の拡大説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明名札付き結束用ベルトを実施するための形態が実施例1及び2に示されている
【実施例1】
【0009】
本発明の実施例1が図1−1乃至図3に示されている。実施例1の名札付き結束用ベルトは、第1帯状面ファスナー10と名札20とからなる。
第1帯状面ファスナー10は、表面側にループ面11を形成し、裏面側にループ面11に対応するフック面12を形成し、一端部に通し環13又は13Bを取りつけている。通し環13は、図1−2に示すように、漢字日の字状のリングで口131と口132とがあるが、第1帯状面ファスナー10の他端部が、通し環13の口132に挿入される。別の実施例の通し環13Bの場合は、漢字口の字状のリングで、1個の口131Bに第1帯状面ファスナー10の他端部が挿入される点が相違する。100はカシメ金具である。
名札20は、表面側に名前面21、裏面側にフック面22を設けて、フック面22は第1帯状面ファスナー10のループ面11に着脱可能に接着できるように形成されている。
従って、第1帯状面ファスナー10の裏面のフック面12をキャリーバッグ30の胴部31に囲繞して、一端部に取りつけた通し環13又は13Bに面ファスナー10の他端部を挿入したのち、第1帯状面ファスナー10の一端部の通し環13又は13Bを一方の手で保持し、他方の手により面ファスナー10の他端部のフック面12を引張ってループ面11に重なるように接着して結束するか、或は他方の手により第1帯状面ファスナー10の他端部を一端部に取りつけた通し環13を通したのち、折り返して締め付けてから戻して、面ファスナー10のフック面12をループ面11に重ねるように接着すれば、キャリーバッグ30の胴部31は着脱可能に強く結束されることになる。名札20は、裏面のフック面22を面ファスナー10のループ面11の任意の位置に着脱可能に接着すればよい。名札20の代りに、図3に示すように、表側にデザイン物品を設けたデザイン面21B、裏側に、第1帯状面ファスナー10のループ面11に着脱可能に接着するフック面22Bを設けた名札20Bを使用してもよい。
【実施例2】
【0010】
本発明の実施例2が図4、図5−1及び図5−2に示されている。実施例2の名札付き結束用ベルトは、第3帯状面ファスナー10Cと第2帯状面ファスナー10Dと第1帯状面ファスナー10と2個の名札20からなっている。
第3帯状面ファスナー10Cは、表面側にループ面11C、裏面側にフック面12Cを形成し、一端部に通し環13又は13Bを取りつけたものからなり、キャリーバッグ30の把手32に、面ファスナー10Cのループ面11Cが把手32の表面側にくるように囲繞されて、図5−1又は図5−2に示すように、第3帯状面ファスナー10Cの一端部の通し環13又は13Bに、第3帯状面ファスナー10Cの他端部が挿入されたのち、通し環13又は13Bを一方の手で保持して、挿入した前記第3帯状面ファスナー10Cの他端部を他方の手で引張ってループ面11Cがフック面12Cに重なるように接着して着脱可能に結束する。第2帯状面ファスナー10Dは、表面側にループ面11D、裏面側にフック面12Dが形成され、一端部に通し環13又は13Bが取りつけられている。第2帯状面ファスナー10Dは、キャリーバッグ30の上部にのせられたバッグ等の荷物40の胴部41と、把手32に結束された第3帯状面ファスナー10Cの外側10D(1)又は内側10D(2)を囲繞するように巻いて、通し環13の口132又は13Bの口131Bを通したのち、折り返して引張って締めてから戻してループ面11Dにフック面12Dを重ね合わすように接着して着脱可能に強く結束する。
第1帯状面ファスナー10は、実施例1の帯状面ファスナー10と同一のもので、詳細説明は省略する。
名札20は、実施例1の名札20と同一のもので、詳細説明は省略する。
従って、荷物40をキャリーバッグ30の上にのせて走行したいときは、把手32に第3帯状面ファスナー10Cを結束したのち、キャリーバッグ30の上にのせた荷物40と、結束した第3帯状面ファスナー10Cとを、第2帯状面ファスナー10Dで囲繞して結束し、またキャリーバッグ30の胴部31に第1帯状面ファスナー10を結束したのち、名札20を第2帯状面ファスナー10Dのループ面11D及び第1帯状面ファスナー10のループ面11のそろぞれの任意の位置に着脱可能に接着してキャリーバッグ30を把手32を持って走行すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明品は、小型、軽量、製作容易で安価に量産できる。
【符号の説明】
【0012】
10、10C、10D 帯状の面ファスナー
11、11C、11D ループ面
12、12C、12D フック面
13、13B 通し環
20、20B 名札
21 名前面
21B デザイン面
22、22B フック面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリーバッグの胴部に囲繞して着脱可能に結束できるようにした第1帯状面ファスナーであって、表面側にループ面を形成し、裏面側にフック面を形成し、一端部に通し環を取りつけたものと、表面側に名前面又はデザイン面を形成し、裏面側に面ファスナーのフック面を形成した名札とからなり、前記第1帯状面ファスナーのフック面を、前記キャリーバッグの胴部の表面に囲繞して、前記第1帯状面ファスナーの他端部を、前記一端部の通し環に挿入したのち、前記一端部の通し環を一方の手で保持して、挿入した前記第1帯状面ファスナーの他端部を他方の手で引張って、前記第1帯状面ファスナーのループ面に、前記第1帯状面ファスナーのフック面を着脱可能に結束すると共に、前記第1帯状面ファスナーのループ面の任意の位置に、前記名札のフック面を着脱可能に接着したことを特徴とした名札付き結束用ベルト。
【請求項2】
前記キャリーバッグの胴部に囲繞して着脱可能に結束できるようにした前記第1帯状面ファスナーと、前記キャリーバッグの上に乗せた別の荷物の胴部に囲繞して着脱可能に結束できるようにした第2帯状面ファスナーであって、表面側にループ面を形成し、裏面側にフック面を形成し、一端部に通し環を取りつけたものと、前記キャリーバッグの把手に囲繞して着脱可能に結束できるようにした第3帯状面ファスナーであって、表面側にループ面を形成し、裏面側にフック面を形成し、一端部に通し環を取りつけたものと、1個又は複数個の前記名札とからなり、前記第1帯状面ファスナーのフック面を、前記キャリーバッグの胴部の表面に囲繞して、前記第1帯状面ファスナーの他端部を、前記一端部の通し環に挿入したのち、前記一端部の通し環を一方の手で保持して、挿入した前記第1帯状面ファスナーの他端部を他方の手で引張って、前記第1帯状面ファスナーのループ面に、前記第1帯状面ファスナーのフック面を着脱可能に結束し、前記別の荷物を前記キャリーバッグの上部に乗せ、前記キャリーバッグの把手に、前記第3帯状面ファスナーをループ面が表側になるように囲繞して、前記第3帯状面ファスナーの他端部を、前記通し環に挿入したのち、前記一端部の通し環を一方の手で保持して、挿入した前記第3帯状面ファスナーの他端部を引張って、前記第3帯状面ファスナーのループ面に、前記第3帯状面ファスナーのフック面を着脱可能に結束したのち、前記第2帯状面ファスナーをフック面が内側になるように、前記別の荷物の胴部の表面と前記結束した第3帯状面ファスナーの外側又は内側に囲繞して、前記第2帯状面ファスナーの他端部を、前記一端部の通し環に挿入したのち、前記一方の通し環を一方の手で保持して、挿入した前記第2帯状面ファスナーの他端部を他方の手で引張って、前記第2帯状面ファスナーのループ面に、前記第2帯状面ファスナーのフック面を着脱可能に結束し、前記第1帯状面ファスナー、前記第2帯状面ファスナー又は前記第3帯状面ファスナーのループ面の任意の位置に、前記名札のフック面を着脱可能に接着したことを特徴とした名札付き結束用ベルト。
【請求項3】
前記通し環が、漢字の日の字状又は漢字の口の字状のリングから形成されたことを特徴とした請求項1又は2記載の名札付き結束用ベルト。
【請求項4】
前記名札の表面側のデザイン面が、形状、模様、色彩又はこれらの結合からなる物品が設けられたことを特徴とした請求項1、2又は3記載の名札付き結束用ベルト。



【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【公開番号】特開2013−94531(P2013−94531A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242187(P2011−242187)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【特許番号】特許第5070440号(P5070440)
【特許公報発行日】平成24年11月14日(2012.11.14)
【出願人】(391042232)ワタナベ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】