説明

吐出装置

【課題】電源故障時や異常動作に安全を維持できるロック部材を備える媒体用吐出装置を提供する。
【解決手段】ハウジングと、それに対して手動で移動可能な操作部材88を有し、そしてロック部材52が終端位置への操作部材の移動を防止するロック位置と、前記ロック部材が終端位置への操作部材の移動を許容する解除位置との間でハウジングに対して移動可能である吐出装置において、第1のばね手段32が設けられ、この第1のばね手段により、ロック部材はその解除位置に向かって強制作動され、さらに、解除位置において、非動作開始位置から動作終端位置への操作部材のストローク移動、及び又は動作終端位置から開始位置への次の戻りストローク移動が、第1のばね手段へのエネルギーの供給を行う伝達機構62、94によって行われるように、操作部材およびロック部材が共に動作可能に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体用の吐出装置であって、ハウジングと、ハウジングに対して手動で移動可能な操作部材であって、吐出手段を動作させるために、動作方向において非動作開始位置から動作終端位置に移動させることができる操作部材と、ロック部材が終端位置への操作部材の移動を防止するロック位置と前記ロック部材が終端位置への操作部材の移動を許容する解除位置との間でハウジングに対して移動可能である前記ロック部材とを有する吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような吐出装置は従来技術から知られている。上記吐出装置は、例えば液体薬剤等の特に薬剤を吐出するために使用される。このような吐出装置は、吐出手段、例えばピストンポンプが設けられるハウジングを有し、この吐出手段は、操作部材の手動移動に反応して、薬剤を薬剤容器から吐出装置の吐出開口部に供給し、その結果、薬剤を周囲に供給することができる。操作目的で、吐出工程を起動するために、通常、使用者が所定の方法で手動でハウジングに対して押し下げる指支持部が設けられる。
【0003】
特に、使用および投与量により、有害な作用を有することもある薬剤の場合、操作者にのみ吐出の判断を任せないことが望ましい。したがって、このような吐出装置は、操作部材の動作を機械的に阻止することによって吐出工程を防止することができる移動可能なロック部材を有する。いくつかの要因に基づいて、例えば、数字コードまたは指紋による使用者の認証に反応して、あるいは2つの吐出工程間の所定の時間間隔の終了に反応して、上記ロック部材をその解除位置に移動させることができる。
【0004】
上記吐出装置は、例えば、特許文献1から知られており、この場合、下部の近傍には、電磁石によって解除位置とロック位置との間で前後に移動させることができるロック部材が設けられる。
【0005】
さらに、上記吐出装置が特許文献2に開示されている。その吐出装置には、ロック部材が設けられ、操作ハンドルに従って半径方向に移動されることができ、ロック位置への前記ロック部材の移動はばね張力によって行われ、これに対して、解除位置への移動は電動モータによって実現される。
【0006】
従来技術の吐出装置はいくつかの困難および欠点を被る。これらの困難および欠点とは、電源が故障した場合にロック位置を復元または維持することであり、一般に、高いエネルギー要求の問題であり、動作方向が異常である場合に動作を防止することであり、従来技術では、未だ上記問題を完全に解決することができていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1125637A2号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/095184A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、従来技術の欠点と比較して改善を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、このことは、ロック部材の解除位置の方向においてロック部材に力を加える第1のばね手段が設けられ、解除位置において、非動作開始位置から動作終端位置への操作部材のストローク移動、および/または動作終端位置から開始位置への次の戻りストローク移動が、第1のばね手段にエネルギーを供給する伝達機構によって行われるように、操作部材およびロック部材が共に動作可能に連結されることによって達成される。
【0010】
本発明による解決策により、ロック部材をロック位置に、さらには解除位置に移動させるためのエネルギーは、使用者の操作によって加えられたエネルギーから供給することができる。このようにして、ロック状態を解除するためのエネルギーが第1のばね手段に蓄積される。このエネルギーが解放されると、ロック部材がその解除位置に移動する。ロック部材の戻り移動は、使用者の操作によってシステムに導入されたエネルギーにより少なくとも部分的に行われる。好ましくは、操作部材の移動は、第1のばね手段の力に抗する、したがって、第1のばね手段の同時の引っ張りに対するロック位置へのまたはロック位置を越えるロック部材の連続移動を生じさせる。連続移動という用語は、好ましくは比例した大きさの操作部材の漸次移動がロック部材の同時の移動を生じさせる移動を意味すると理解される。
【0011】
この種の動作連結または作用連結は、使用者が加えた力によってロック部材をそのロック位置の方向に移動させることを可能にし、その結果、対応するモータなしにおよびロック位置の方向へのばね力の付加なしに、ロック位置が操作者によってのみ復元される。操作部材の移動は、吐出装置の所定の配向に対して、好ましくは線形に、特に垂直に行われる。ロック部材の移動方向は、好ましくは、操作部材の移動方向に略直交して配向され、動作連結は、対応するスライドベベルによってまたはレバー構成によって実現可能である。
【0012】
動作中のロック部材の直接的な連続移動に加えて、例えばばね手段として構成することもできる例えば別のエネルギー蓄積装置を使用して、第1のばね手段へのエネルギーの供給を間接的に行うこともできる。
【0013】
ロック部材の移動を行うために、適切な動作連結によって、操作部材のストローク移動および戻りストローク移動の両方を用いることができると特に有利である。ストローク移動中および戻りストローク移動中の両方において、第1のばね手段にはエネルギーが供給される。ハウジングに対する操作部材の両方の移動をこのように用いることによって、有利な伝達を達成することができ、その結果、操作部材の移動と同時に行われるばね手段の引っ張りは、使用者の身体の一部に対する作用力を著しく増加させることを必要としない。
【0014】
本発明の意味において、ばね手段は、機械的に蓄積されたエネルギーによって力の付加を行うことができる任意の構成要素を意味する。上記ばね手段は、好ましくは、エネルギーが弾性変形によって蓄積される構成要素、特に、金属製またはプラスチック製の螺旋ばねである。
【0015】
操作部材の移動によって生じるロック部材の移動は、ロック部材をロック位置に完全に移動させることを必要としない。ロック部材をそのロック位置に向かって距離の部分にわたり移動させる別の機構を設けることができる。
【0016】
操作部材は、吐出工程中に操作者が所定の方法で操作する部分と一体的に構成することができる。また好ましくは、操作部材は、別々の構成要素として構成され、共同移動のために操作ハンドルに連結される。
【0017】
操作部材を押し下げることによって、少なくとも間接的に吐出工程を行うことができるように、吐出手段が構成される。好ましくは、吐出手段は、操作ハンドルに機械的に連結された容積式ポンプである。ロック部材がロック位置にある吐出装置のロック状態において、吐出手段の動作を完全にまたはほぼ完全に防止するために、操作ハンドルまたはそれに連結された操作部材の移動自由度が十分に制限される。
【0018】
操作部材の移動により、ロック部材の移動が一時的にロック位置を越えて行われるように、操作部材およびロック部材が共に動作可能に連結されることが特に好ましい。このような構造では、第1のばね手段のばね張力に抗した操作部材のストローク移動および/または戻りストローク移動によりロック部材が進んだ距離は、ロック位置と解除位置との間でロック部材が進んだ距離よりも長い。このようにして、ロック部材がそのロック位置に移動する間、そのロック部材は、最初に、過剰なストロークに関連して前記ロック位置を越えて移動され、次に、例えば、第1のばね手段の作用によりロック位置に押し戻される。このような構造は、ロック部材のおよび操作部材のロック部を許容するために有利であることができ、これらのロック部は、ロック位置において、互いに通過して移動するロック作用を共に生じさせ、その結果、吐出工程後にロック位置を確実に再現することができる。
【0019】
好ましくは、連結リンクガイドを使用して、操作部材とロック部材との動作連結が実現され、前記連結リンクガイドを介して、操作部材のストローク移動および/または戻りストローク移動がロック部材の移動を生じさせる。
【0020】
連結リンクガイドは、操作部材およびロック部材が、異なる相互方向に移動する間に、ロック部材および操作部材の両方に固定して設けられた部分が互いに摺動する任意の機構を意味すると理解される。操作部材およびロック部材の移動方向は、好ましくは90φの角度をなす。好ましくは、連結リンクガイドは、係合目的のために設けられた操作部材のカムと協働する連結リンク溝をロック部材に有する。さらに、逆配列も実現可能である。
【0021】
特に好ましくは、連結リンクガイドは、ストローク移動中にカムが導入される第1の連結リンク溝部を有し、および/またはストローク移動の終点に向かってまたは戻りストローク移動になったときにカムが導入される第2の連結リンク溝部を有するように構成される。
【0022】
説明した2つの溝部の一方が設けられ、ストローク移動の終点において、次の戻りストローク移動中に、カムがロック部材に対して異なる移動経路を描くように、常に連結リンクガイドを構成すれば十分である。連結リンク溝部は、両側の接触面を有するスロットとして構成することができる。しかし、連結リンク溝部が片面にのみ接触面を有し、この面に対して、カムがばね手段の力で押圧されれば十分である。2つの連結リンク溝部を有する構造の場合、それらの連結リンク溝部は、好ましくは、操作部材の動作方向とは反対方向に傾斜し、その結果、操作部材のストローク移動および戻りストローク移動がロック部材の等方向の移動を生じさせる。
【0023】
好ましくは、ロック部材について、カムの戻りストローク移動が、ストローク移動の移動経路とは異なる移動経路で行われることを保証するために、対応する制御手段が設けられる。このことは、操作部材のストローク移動中に、カムが動作方向に対して横方向に弾性的に偏向され、段差がロック部材に設けられ、そして操作部材のストローク移動中に、それと同時に、カムの弾性偏向を低減する間に、前記カムが前記段差を乗り越えることによって実現することができる。ストローク移動中、カムは段差を乗り越えることができるが、反対方向の戻りストローク移動中には、カムは段差を乗り越えることができず、その結果、ストローク移動中にカムが乗り越えを行った後、ロック部材について、戻りストローク中のカム移動経路はストローク中の移動経路とは異なる。好ましくは、段差は、反転点の近傍に、すなわち、ストローク経路の最後の残りの40%、特に最後の残りの25%の近傍に配置される。カムの弾性偏向は、半径方向に、好ましくは傾斜面によって行われ、その面は操作部材の動作方向で30φ未満の鋭角をなすことが好ましい。弾性偏向は、好ましくは、カムまたはそれが設けられるウェブの弾性変形によって直接行われる。また代わりに、例えば金属ばね等の別々のばね手段を設けてもよい。
【0024】
段差は、好ましくは、2つの連結リンク溝部間の移行点を構成し、この移行点は、操作部材のストローク移動および戻りストローク移動によりロック部材の一方向移動を共に生じさせるように、動作方向とは反対方向に傾斜している。
【0025】
また、上記のように、1つのみの連結リンク溝部を有する構造も可能であり、ここで、操作部材のストローク移動はロック部材の移動を生じさせず、1つのみの第2の連結リンク溝部は、段差を乗り越えた後、または制御手段によるカムを伴ったある他の反転後、戻りストローク移動中にロック部材の移動を生じさせる。代わりに、第1の溝部による1つのみのストローク移動がロック部材の移動を生じさせてもよく、これに対して、前記第1の溝の端部には段差が設けられ、カムが段差を乗り越えたとき、ロック部材と操作部材との間の動作連結が排除される。
【0026】
ロック状態において、少なくとも1つのロック部材側ロック部が、少なくとも1つの操作部材側ロック部のストローク移動経路を遮断することによって、操作部材のストローク移動が好ましくは少なくとも部分的に防止され、そして操作部材側ロック部は連結リンクガイドのカムと同一であることが特に好ましい。したがって、このような構造では、操作部材のカムは二重機能を有する。ロック部材のロック位置において、そのロック部材は、操作部材の移動、したがって吐出を防止するロック部を形成する。解除位置において、カムは連結リンクガイドの操作部材側部分を形成する。
【0027】
さらに、本発明は、上記吐出装置によって、特に、上記吐出装置の別の発展形態として実現され、ここで、制御構成は、阻止状態でハウジングに対してロック部材の移動を阻止するために設けられ、電気信号で実現可能な起動動作によって、ロック位置から解除位置へのロック部材の移動を許容する。
【0028】
このようにして、上記制御構成は、例えばアクチュエータを一時的に通電するように作用することができる電気信号がこの阻止状態を解消するまで、ロック部材をロック位置に維持することを可能にする。解除位置の方向において少なくとも間接的にロック部材に力を加える第1のばね手段を有する上記構造では、起動動作は解除状態を生じさせる。
【0029】
電気信号は、好ましくは、ロック部材を解除位置に移動させるのに必要なエネルギーを利用可能にするようには意図されず、その代わりに、この目的のために、予め蓄積された機械的エネルギーの解放を許容する。
【0030】
制御構成は、ロック部材がロック位置に移動する間に、阻止状態に自動的に切り換えられるように構成されることが特に好ましい。
【0031】
これに関連して、阻止状態への自動切り換えとは、電子装置の介入なしに、特に、機械的にのみ作用する機構によって、ロック位置へのロック部材の移動が阻止状態を生じさせることを意味する。このことは、例えば、ロック位置に作用する戻り止め手段がロック部材に係合することによって実現することができる。さらに、ハウジングと、ロック部材またはそれに連結されたロック補助部材との間の磁力または接着力によって、阻止が実現される構造を有することが可能である。
【0032】
この別の発展形態により、非常に簡単な構造が得られるが、その理由は、吐出装置の電子装置によって意図されるような阻止状態を生じさせるように、ロック位置へのロック部材の移動を検知することが不要であるからである。
【0033】
本発明の特に好ましい別の発展形態では、制御構成の阻止状態において、ロック部材またはそれに動作可能に連結されたロック補助部材の移動を機械的に阻止するボルト部材が設けられる。本発明に関連して、ロック補助部材は、解除位置からロック位置へのロック部材の移動中に、ロック部材が第1の方向に移動され、そしてロック部材のロック位置から解除位置へのロック部材の移動中に、ロック部材が、第1の方向とは異なる他の方向に移動されるようにロック部材に連結された構成要素であることが理解される。ロック部材の各位置とロック補助部材の対応する位置との間に明確な関連があるように、ロック補助部材を強制的に連結することができる。また、ロック部材およびロック補助部材は、例えば、ばね構成によって減衰するように相互連結することもでき、その結果、基本的な動作連結にもかかわらず、ロック部材が移動していないときでも、ロック補助部材の制限された移動が存在する。ロック補助部材を使用する特定の利点は、ロック補助部材の移動がロック部材の移動とは異なり得ることである。このようにして、特にロック部材の回転運動を行うことができ、ロック部材はロック補助部材に動作可能に連結され、このロック補助部材自体は純粋に並進移動可能である。
【0034】
ボルト部材を有する上記別の発展形態は、阻止状態と起動動作の容易な実行とを特に確実に確保することを可能にする。ボルト部材は、好ましくは確動係合によってロック部材またはロック補助部材の移動を防止するために、ロック部材またはロック補助部材に機械的に係合させることができる構成要素を意味すると理解される。ばね手段は、阻止係合位置の方向においてまたはその位置とは反対方向においてロック部材に力を加えることができる。阻止状態を生じさせるために、ボルト部材は、好ましくは、ロック部材をそのロック位置に移動させることによって係合状態になるように配置および/または構成される。このことは、例えば、ロック部材またはロック補助部材がロック位置への移動時にボルト部材の延長部に係合し、前記ロック部材またはロック補助部材全体が前記ボルト部材を移動させ、より詳しくは旋回させることによって実現することができる。さらに、阻止状態の方向へのボルト部材のばねによる強制作動を行うことが可能である。ボルト部材は並進移動することができる。また、ボルト部材がハウジングに回転するように取り付けられることが特に有利であると考えられる。
【0035】
本発明の別の発展形態では、制御構成の阻止状態において、ロック部材またはその後部に連結されたロック補助部材は、永久磁石によって所定位置に保持することができ、その結果、ロック部材はそのロック位置に配置される。代わりに、ボルト部材またはそれに動作可能に連結されたボルト補助部材は、ボルト部材でロック部材の機械的な阻止を行う位置に永久磁石によって保持される。これらの2つの別の発展形態では、制御構成の阻止状態を生じさせるために、永久磁石がそれぞれ設けられる。ボルト部材なしの制御構成の場合、ロック部材自体またはロック補助部材は、ロック部材のロック位置に達すると、ハウジングに対して固定されるように永久磁石によって強制作動される。ボルト部材を有する構造では、ボルト部材は、上記ボルト部材であるかまたはそれに動作可能に連結されたボルト補助部材であることができ、このボルト部材またはボルト補助部材は、それが解除位置へのロック部材の移動を防止する位置において、永久磁石によりハウジングに対して固定される。
【0036】
これに関連して、永久磁石は、永久磁化された構成要素、さらには、電流が常時流れ、結果として磁界を発生させる導体の両方であることが理解される。好ましくは、対応する移動可能な部材の、およびロック部材、ロック補助部材、ボルト部材またはボルト補助部材の両方に、ならびにハウジングに、永久磁石がそれぞれ設けられる。またさらに、1つのみの永久磁石を有すれば十分であり、第2の永久磁石の代わりの磁化可能な構成要素を有すれば十分であり得る。本発明に関する永久磁石の特に有利な作用は、対応する部材が、ケーシングに固定された永久磁石から取り外された場合に、ロック部材、ロック補助部材、ボルト部材またはボルト補助部材に作用する永久磁石によって加えられた力が非常に急速に減少し、その結果、永久磁石の作用がロック状態と絶縁関係にあるが、解除状態への切り換え時に、非常に早く前記作用を無視できるようになることである。
【0037】
ロック部材のロック位置におけるロック部材の保持の役割を直接的または間接的に担う永久磁石を有する構造の場合、ロック部材のロック位置に関連する終端位置の1つまたは複数の永久磁石によって加えられた力が、ロック部材、ロック補助部材、ボルト部材またはボルト補助部材に対して反対方向に作用する、ロック部材のロック位置における吐出装置のばね手段からの力よりも大きいと特に好ましい。このような構造では、ロック部材がロック状態にある場合、ばね張力によって阻止作用を実現することができ、このばね張力は、直接的または間接的に、ロック部材を解除位置の方向に移動させるかまたはボルト部材をロック解除状態の方向に移動させ、この位置で永久磁石によって生じる力よりも小さい。このようにして、反対方向に作用するばね張力が解除位置へのロック部材の移動、またはボルト部材のロック解除位置へのボルト部材の移動を生じさせることができないような大きな力が、永久磁石によって対応する部材に加えられる。対応する部材が、追加の強制作動によって十分に遠くに移動されたときにのみ、永久磁石の作用領域よりもばね張力の方が勝り、したがって、ロック部材の解除位置へのロック部材の移動が直接的または間接的に生じる。
【0038】
本発明の別の発展形態では、起動動作を行うために、電気的に制御可能なアクチュエータ、好ましくは電磁石が設けられ、このアクチュエータによって、ロック部材またはそれに動作可能に連結されたロック補助部材に力を加えることができるので、結果として、ロック部材はその解除位置に向かって移動される。代わりに、ボルト部材またはそれに動作可能に連結されたボルト補助部材に力を加えるために、電気的に制御可能なアクチュエータを使用してもよく、ボルト部材によるロック部材の機械的な阻止の解消、したがって、ロック部材の解除位置へのロック部材の移動を行う方向に、強制作動が行われる。この別の発展形態によれば、対応する部材を解除位置に向かって移動させるために、または係合解除位置に向かうボルト部材の場合、吐出装置の制御装置による通電に反応して、対応する部材の強制作動を実行するために、アクチュエータが設けられる。上記永久磁石の強制作動とは反対方向の強制作動が、例えば、短時間、好ましくは50ms未満行われることによって、アクチュエータは、この目的のために必要な全ての機械的エネルギーを供給するためには使用されず、その代わりに、既に生じている阻止効果を単に克服する。対応する部材、例えば、ロック補助部材またはボルト補助部材が、一時的な力の付加により永久磁石から解放され、および/またはその作用範囲から十分に遠くに移動され、第1のばね手段および/または他のばね手段の強制作動により、ボルト部材の離脱位置へのボルト部材の引き続く移動、および/またはロック部材の解除位置へのロック部材の引き続く移動を行うことを可能にする。
【0039】
アクチュエータとしての電磁石の使用が特に有利であるが、その理由は、このような電磁石が非常に安価かつ小型であり得るからである。さらに、吐出装置の電子制御装置による上記電磁石の制御が非常に簡単であるが、その理由は、望ましい効果を得るには、ほんの短時間の通電で十分であるからである。
【0040】
上記目的を達成するために、電気的に制御可能なアクチュエータが、ロック部材、ロック補助部材、ボルト部材またはボルト補助部材に力を加えるように構成され、この力が、反対方向に作用する力、および対応する部材に作用する永久磁石の力から生じる力、好ましくは、前記部材に力を加えるばね手段の力よりも大きいと特に有利である。
【0041】
制御装置がアクチュエータの十分に高い所定の通電を行うこのような構造により、離脱位置または解除位置の方向において部材に作用する結果として生じた力が、反対方向に作用する永久磁石の力を上回るまで、永久磁石の力に抗した部材の対応する移動を行うことができる。
【0042】
さらに、本発明は、ロック部材が、ロック位置から解除位置に移動するように、動作方向に配向された回転軸線を中心に回転すべく構成され、前記ロック部材の周囲にわたって、少なくとも3つのロック部が分配され、操作部材のストローク移動が防止されるように、前記ロック部がロック部材のロック位置に配置される上記吐出装置によって実現される。
【0043】
このような構造は特に確実なロック位置を許容するが、その理由は、操作部材が所定の使用の動作方向に対して横方向に押し下げられているかどうかに関係なく、および操作部材がどの方向に押し下げられているかに関係なく、操作部材に関連する吐出工程で操作部材の移動を防止する少なくとも1つのロック部が常在するからである。ロック部材の回転は、比較的簡単な機械構造による特に確実なこのロック位置を実現することを可能にするが、その理由は、3つ以上の全てのロック部をロック位置に同時に移動させるには、一体ロックリングの回転で十分であるからである。少なくとも6つのロック部がロック部材に存在すること、および/またはロック部が円形経路にわたって均一に分配されることが特に好ましいと考えられる。
【0044】
回転軸線を中心とするロック部材の回転の回転角度を制限することができ、その結果、ロック位置から解除位置へのおよび解除位置からロック位置への切り換えを、相互に対向する方向に行うことができる。また代わりに、ボールペンに関連して知られているように、ロック部材の回転を制限できないようにし、その代わりに、前記ロック部材のその回転軸線を中心とする完全な回転を許容し、その結果、ロック位置への切り換えおよび解除位置への切り換えが同じ回転方向に常に行われ、操作部材およびロック部材の側面において、各解除サイクルおよびロックサイクルにより、ロック部材および操作部材が完全な360φの回転を互いに実行するまで、ロック部材のおよび操作部材の他のロック部が互いに接触する。
【0045】
ロック部材が操作部材全体を囲むこと、およびロック部材の回転軸線が動作方向に平行であり、好ましくは、吐出装置の中心軸線に同軸であることが特に好ましい。このことは、特にコンパクトな構造を許容する。このような構造では、ロック部材は略環状であり、中央凹部を有し、この中央凹部によって、操作部材または操作ハンドルが吐出装置の吐出手段に連結される。
【0046】
好ましくは、ロック部材側ロック部はロック部材の内面から半径方向内側に向いており、対応する操作部材側ロック部は半径方向外側に向いている。このような構造は、ロック部材の内部にロック部が設けられるロック部材の周面が、操作者による手動介入の保護を構成するので有利である。ロック位置への動作を防止するロック部はアクセスが困難であり、したがって、周面によって適切に保護される。
【0047】
本発明の別の発展形態では、ロック部材、ロック補助部材、ボルト部材またはボルト補助部材を移動させるために、圧電モータまたは電動モータが設けられる。このような圧電モータは非常に軽量であり、その構造容積と比較して高出力を有する。圧電モータは、好ましくは、ケーシングに固定され、アクチュエータを介して、対応する部材に係合する。アクチュエータとロック部材との間の動作連結は、ロック部材が保持力または維持力、例えば摩擦力に抗して圧電モータに対して移動可能であるようなものであることが好ましいが、その理由は、前記ロック部材が、例えば、解除位置を生じさせるために、圧電モータのみを使用することを可能にし、これに対して、操作ハンドルとロック部材への操作ハンドルの動作連結とにより、ロック位置が上記のように間接的に生じるからである。圧電モータのアクチュエータとロック部材との間の連結が摩擦係合によってのみ行われることが特に有利である。
【0048】
別の発展形態では、電動モータまたは圧電モータはカム部材を移動させるために、好ましくは、カムディスクを回転移動させるために設けられ、カム部材は、ロック部材のロック位置へのロック部材またはロック補助部材の移動を直接防止するように、あるいはロック部材のロック位置へのロック部材またはロック補助部材の移動を間接的にボルト部材で防止するように構成され、好ましくは、ばね力は、ボルト部材の解除位置または離脱位置の方向においてボルト部材に作用し、カム部材によっておよびカム部材の位置に基づいて阻止位置で保持される。
【0049】
その上、本発明は、当該種類の吐出装置、特に、上記形態による吐出装置に関する。この吐出装置には戻りロックが設けられ、この戻りロックは、開始位置から終端位置への操作部材の移動中に、規定された中間ロック位置に達した後、前記操作部材が終端位置に移動される間、開始位置への操作部材の戻りを防止する。
【0050】
このような戻りロックは、動作開始後に、およびこれにより結果として生じた中間ロック位置への進入後に、開始位置への操作部材の迅速な戻り移動が防止されることを行う。このような戻りは、操作部材が予め終端位置まで移動するまで許容されない。この発展した実施形態の関連において、終端位置とは、操作部材の解除後に上記ロック位置をもたらす操作部材の位置を意味する。2つの連結リンク溝部を有する実施形態の場合、例えば、カムが第2の連結リンク溝部に係合されると、終端位置に達する。
【0051】
上記形態は、不適切に多い液体量を吐出しようとする使用者による医療過誤を防止し、そして完全なストロークの実行によってロック部材がロック位置に移動することを防止する意図により、開始位置から始まる部分ストロークのみを行う。戻りロックは、操作部材の開始されたストローク移動の後、それに対して、引き続く新たなストロークの開始を許容するために、前記部材がさらにストローク終端位置まで移動されることを強制する。このようにして、ストローク移動の開始後に、ロック位置と共に開始位置のみを実現することができる。
【0052】
戻りロックの特定の実施形態は、終端位置に達しない限り、任意の戻りストローク移動を阻止するように配置される。その趣意で、終端位置に達するまで、連続的なストローク移動を常に保証し、したがって、部分戻りストロークも防止する例えば梯子型の戻り止め装置を設け得る。規定された中間ロック位置においてのみ、戻りロックの作用を許容するように、簡略化された形態が配置され、その結果、中間ロック位置を越えたストローク移動の後に、前記中間ロック位置への任意の戻りストロークも可能である。
【0053】
本発明の発展した実施形態では、吐出装置は、容積可変ポンプ室を有するポンプを含み、そのポンプは、規定された中間充填位置に達するまで、戻りストローク内のポンプ室の充填が行われないように構成され、操作部材が中間ロック位置と開始位置との間の位置に配置されたときにのみ中間充填位置に達するように、前記中間充填位置が配置される。
【0054】
したがって、このような形態にはポンプが設けられ、このポンプは、戻りストローク中に媒体容器から媒体を連続的に吸引せず、ポンプ室への入口弁が閉鎖されている間、例えば、最初にポンプ室内に負圧を発生させる。中間充填位置に達したときにのみ、発生された負圧により、入口弁が開放して、媒体容器からポンプ室内への媒体の急激な噴射を行う。操作部材よりも早く中間充填位置に達しなくてもよい構成は、中間ロック位置と開始位置との間に配置され、そして操作部材がストローク方向において中間ロック位置に進入した後、ストローク移動を終了することによって、操作部材がその終端位置まで予め移動されている場合にのみポンプ室の補充が可能であるという効果を有し、実際に、戻りストロークの方向で中間ロック位置への戻り進入を可能にする開始位置の方向において、引き続く戻りストローク移動がこのように許容される。このようにして、ポンプ室の補充がロック位置の到達に強制的に関連することが保証される。したがって、操作部材の中間ロック位置と終端位置との間における部分ストローク移動を行う使用者による不適切な使用では、媒体吐出は成功しない。
【0055】
発展した実施形態では、戻りロックは、戻り止め手段を含むことが可能であり、戻り止め手段の第1の構成要素はハウジングに対して固定配置され、第1の構成要素と協働するように構成される戻り止め手段の第2の構成要素は、動作方向において操作部材に対して固定配置される。
【0056】
上記戻り止め手段は、操作部材に対して固定配置される戻り止め手段の第2の構成要素が、戻りストローク方向においてではなく、ストローク方向においてのみ第1の構成要素に進入することができるように配置される。このようにして、ストローク移動中、戻り止め手段の第2の構成要素、例えば、半径方向に偏向可能なスナップ部材は、第1の構成要素、例えば段差に沿って導かれ、これにより、断続的に偏向される。第2の構成要素が、戻り止め手段の上記第1の構成要素を乗り越えると、操作部材の終端位置の中間に達することなく、開始位置への任意の戻りが阻止される。戻り止め手段を有する形態は、製造が容易であり、特に費用効果的である。戻り止め手段の上記第2の構成要素として、連結リンク溝を係合させるための上記カムと同一であり得るかまたは前記連結リンク溝に対してオフセットされた位置に配置し得るカムを設け得る。例えば段差としての戻り止め手段の第1の構成要素は、上記連結リンク溝の近傍にまたはそれから分離して配置することが可能である。
【0057】
操作部材を部分ストローク位置から強制的に引っ張って開始位置に戻すことによって、戻りロックの作用が回避されることを防止するために、吐出装置の外側でアクセス可能な表面と、戻り止め手段の第2の構成要素との間に、安定化装置を設けることが可能であり、この安定化装置は、このような実力行使を受けて入れ子式にされ、したがって、戻り止め手段の分離を防止する。さらに、安定化装置は、実力行使を妨げ、このようにして、常時、別の作動操作を防止する所定の遮断部材として設けられることが考えられる。
【0058】
本発明の別の利点および特徴は、請求項、好ましい実施形態の以下の説明および添付図面から理解することができる。図2〜図5は、異なる使用段階における図1a〜図1fの吐出装置の詳細図である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1a】本発明による吐出装置の第1の実施形態の図である。
【図1b】本発明による吐出装置の第1の実施形態の図である。
【図1c】本発明による吐出装置の第1の実施形態の図である。
【図1d】本発明による吐出装置の第1の実施形態の図である。
【図1e】本発明による吐出装置の第1の実施形態の図である。
【図1f】本発明による吐出装置の第1の実施形態の図である。
【図2a】ロック状態の吐出装置の図である。
【図2b】ロック状態の吐出装置の図である。
【図2c】ロック状態の吐出装置の図である。
【図3a】解除状態の吐出装置の図である。
【図3b】解除状態の吐出装置の図である。
【図3c】解除状態の吐出装置の図である。
【図4a】ストローク移動後の吐出装置の図である。
【図4b】ストローク移動後の吐出装置の図である。
【図4c】ストローク移動後の吐出装置の図である。
【図5a】戻りストローク移動後の吐出装置の図である。
【図5b】戻りストローク移動後の吐出装置の図である。
【図5c】戻りストローク移動後の吐出装置の図である。
【図6a】本発明に必須の構成要素のみを示した本発明による吐出装置の第2の実施形態の図である。
【図6b】本発明に必須の構成要素のみを示した本発明による吐出装置の第2の実施形態の図である。
【図7a】図6a/図6bの実施形態の個々の構成要素の図である。
【図7b】図6a/図6bの実施形態の個々の構成要素の図である。
【図7c】図6a/図6bの実施形態の個々の構成要素の図である。
【図7d】図6a/図6bの実施形態の個々の構成要素の図である。
【図8a】異なる動作段階における図6aおよび図6bの実施形態のロック機構の図である。
【図8b】異なる動作段階における図6aおよび図6bの実施形態のロック機構の図である。
【図8c】異なる動作段階における図6aおよび図6bの実施形態のロック機構の図である。
【図9】本発明による吐出装置の第3の実施形態の部分図である。
【図10a】本発明による吐出装置の第4の実施形態の側面図である。
【図10b】本発明による吐出装置の第4の実施形態の側面図である。
【図10c】本発明による吐出装置の第4の実施形態の側面図である。
【図11a】動作中の異なる段階を示した本発明による吐出装置の第5の実施形態の図である。
【図11b】動作中の異なる段階を示した本発明による吐出装置の第5の実施形態の図である。
【図11c】動作中の異なる段階を示した本発明による吐出装置の第5の実施形態の図である。
【図12a】図11a〜図11cの実施形態のロック部材の図である。
【図12b】図11a〜図11cの実施形態のロック部材の図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1a〜図1fは、本発明による吐出装置の異なる詳細斜視図を示している。
【0061】
図1aは、電子モジュールが取り外された状態であり、動作時に前部に連結される装置全体を示している。図1bは、吐出装置のロック機構を詳細に示している。図1c〜図1fは、吐出装置の操作部材およびロック部材の断面斜視図を示している。上記部材はロック機構のコアを表す。
【0062】
図1a〜図1fは、吐出装置の個々の要素を示している。図2〜図5を参照して、相互作用について説明する。
【0063】
図1aの吐出装置は、図示していない媒体容器および図示していないポンプ装置に加えて、ロック機構20を有するハウジング10を有する。複数の構成要素を上端に備え、さらには剛性であるアプリケータサブアセンブリ80は、ロック機構20の上方でハウジング10に連結される。サブアセンブリ80は、出口開口部84を有するノーズオリーブ82に加えて、操作ハンドル86を有し、この操作ハンドル86は、図示していないポンプばねのばね張力に抗して、動作方向1aにおいてハウジング10に対して並進移動される。アプリケータサブアセンブリのこの移動は、図示していない方法で、ハウジング10に設けられたポンプの動作を生じさせ、このようにして、そのポンプ室容積が減少され、その結果、ポンプ室に予め存在する媒体が出口開口部84を介して吐出される。
【0064】
吐出装置の特別な特徴は、周囲パラメータに基づく動作方向1aへのアプリケータサブアセンブリ80の移動を許容または防止するために使用されるロック機構20によって構成される。このため、ロック機構20は、操作ハンドル86の下方のアプリケータサブアセンブリ80に、略環状の操作部材88を備え、この操作部材88は、図1cおよび図1dで別々に構成され、図1bに図示するために部分周面90で示されている。
【0065】
操作部材88aの周面90内において、合計6つのカム担体92が下方に垂直に延び、これらの各々の端部には、外側に向いたカム94が設けられる。カム94を有する6つのカム担体92は、円弧にわたって均等に配置され、結果として、それぞれ60φの間隔で並んでいる。操作部材88、したがって、カム94もアプリケータサブアセンブリ80の操作ハンドル86および他の要素に固定連結される。このようにして、操作ハンドル88のくぼみが常にカム94のくぼみを生じさせる。アプリケータサブアセンブリ80が動作方向1aにおいてハウジング10に対して移動可能である間、自由度はさらに大きくならない。したがって、アプリケータサブアセンブリ80は、ハウジング10に対する動作方向1aの軸線1を中心に回転させることができず、その代わりに、ハウジング10に対して明確に規定された角度位置に常に留まる。
【0066】
ロック部材52は、操作部材88に対応して設けられ、図1eおよび図1fに別々に示されており、そして図1bの図面にも見ることができる。
【0067】
操作部材88と同様に、上記ロック部材52は略環状であり、外周面54によって画定され、前記周面54の外径は操作部材88の周面90の内径よりも小さいので、周面54と90を入れ子式に嵌合することができる。操作部材88とは異なり、ロック部材52は、動作方向1aに移動不可能であり、その代わりに、常にハウジング10と同じ高さにある。しかし、ロック部材52は、動作方向1aと同軸に配向された主軸線1を中心に方向2a、2bに限定的に回転させることができる。操作部材88のカム94に対応して、ロック部材52には、同一に形成されかつ内側に向いた合計6つの機能部60が存在し、この機能部60は周面54から半径方向内側に延びる。上記機能部の上端には、略平坦な上部終端面62aを有するロック部62がそれぞれ設けられる。さらに、上記機能部は第1の連結リンク溝部64および第2の連結リンク溝部66をそれぞれ有する。第1の連結リンク溝部が、第1にロック部62によって、第2に隆起部68によって画定され、方向1aに半径方向内側に僅かに傾斜しているのに対して、第2の連結リンク溝部66は図1eの右側の機能部60の外縁によってのみ形成される。第1の連結リンク溝部64から第2の連結リンク溝部66への移行部は、機能部60の上記右側外縁の段差70によって形成される。
【0068】
図1bおよび図1fから明らかなように、ガイドフォーク72は、周面54から半径方向外側に延び、スリーブ要素76に一体的に嵌合されるピン74を案内する。スリーブ要素76はプッシュロッド78に浮動するように取り付けられる。本発明の意味において、スリーブ要素76、特にプッシュロッド78は、ロック部材52に関連するロック補助部材であることが理解される。
【0069】
ロック部材52の場合とは異なり、プッシュロッド78は、回転軸線1を中心に回転させることができず、その代わりに、回転ロック部材52に対して接線方向に配向された運動軸3に沿って方向3a、3bにのみ並進移動可能である。
【0070】
プッシュロッド78は両側に取り付けられる。第1に、ハウジングには、半円形の凹部24を有する収容部22が設けられ、図1bを参照すると、半円形の凹部24にはプッシュロッド78の左端が配置される。第2に、プッシュロッド78の右側にはストッパ面26が設けられ、そこからガイドマンドレル28が方向3bに延び、このガイドマンドレル28には、プッシュロッド78の図示していない孔を介してそのプッシュロッドが係合される。
【0071】
プッシュロッド78に浮動するように取り付けられたスリーブ76の左側において、周辺プッシュロッドフランジ78aがプッシュロッド78に一体的に設けられる。螺旋ばねとして構成されたプッシュロッドばね30がプッシュロッドフランジ78aとスリーブ26との間に設けられる。スリーブ76の右端とストッパ面26との間には解除ばね32が設けられる。解除ばね32によって囲まれたプッシュロッド78の右端78bは、図示していない方法で永久磁石で構成されている。プッシュロッド78の上記永久磁石端部78bとストッパ面26の右側とを協働させるために、磁石ユニット40は、ケーシングに固定して設けられ、方向3aにおいてプッシュロッドに力を加える図1bで一点破線状に示した永久磁石42を有し、さらに、矢印方向3bへの通電時にプッシュロッド78に力を加えるように構成される一点破線状に示した電磁石44を有する。
【0072】
図1a〜図1fに示した本発明による吐出装置の実施形態は、ロック部材および操作部材により、所望に応じて、吐出工程を特に確実にエネルギー効率的に停止または許容することを可能にする。
【0073】
図2〜図5を参照して、動作についてより詳細に説明する。
【0074】
図2a〜図2cは、吐出工程が停止される初期状態を示している。図2aから理解できるように、この状態においてプッシュロッド78はストッパ面26に係合する。プッシュロッド78を方向3bに作動させるばね30、32のばね力またはばね張力にもかかわらず、プッシュロッド78はストッパ面26から分離されないが、その理由は、マグネットユニット40のおよびプッシュロッド76の右端の永久磁石78b、42が、反対方向3bへのばね30、32の力の付加よりも大きなプッシュロッド78への力の付加を方向3aに生じさせるからである。結果として、スリーブ要素76の位置はばね30、32の力の平衡から得られる。
【0075】
既に説明した図1bから明らかなように、ピン74およびガイドフォーク72を介したスリーブ要素76の位置は、ロック部材52の回転位置を規定する。図2bおよび図2cは、図2aの状態のカム94に対する回転位置を示している。この回転位置において、カム94がロック部62の真上にその都度配置されるかは明らかではない。
【0076】
図2a〜図2cの状態において、操作者が操作を行った場合、非常に制限された範囲でのみ、操作部材88を方向1aに移動させることができる。カム94がロック部62の頂面62aに係合すると、操作部材88の移動が終了する。ロック部材52は方向1aに移動不可能であるので、操作部材88の別の拡張移動、したがって媒体の吐出は不可能である。
【0077】
動作方向1aに直交した操作部材88の規定されない激しい強制作動でも、周方向に分配される6つのカム94により、ロック部62の表面62aからの全てのカム94の滑りが生じない。このような滑りが1つの側で生じたとしても、このことは、決して全てのカム94に対して生じることはない。したがって、吐出装置のロック状態は完全に確実である。
【0078】
例えば、医師によって予め決定可能でありかつ吐出装置の電子装置に記憶された先使用に続く時間間隔後に、吐出装置をそのロック位置からその解除位置に再び移動させることができるように、前記吐出装置が構成される。図3a〜図3cを参照して、解除状態およびその実現について以下に説明する。
【0079】
磁石ユニット40の電磁石44を通電することによって、解除が生じる。この通電は、図示していない制御装置によって引き起こされ、この制御装置は、指示された周囲パラメータに基づいて解除状態への切り換えを開始する。通電は方向3bへのプッシュロッド78の右端の強制作動を生じさせる。ばね30、32のばね張力を伴う、方向3bにおいてプッシュロッド78に作用する結果として生じる力は、反対方向3aに作用する永久磁石7b、42の力を超える。このようにして、プッシュロッド78は、ストッパ面26から離され、ばね30、32のばねエネルギーが与えられると、プッシュロッドフランジ78aが収容部22に当たるまで、方向3bに移動する。
【0080】
永久磁石76b、42の作用は局部的に非常に制限され、その結果、プッシュロッド78とストッパ面26との間に小さな空間があるときでも、前記作用を無視できるようになる。結果として、プッシュロッド78を移動させる間、磁石ユニット40の電磁石44の通電を維持することが不要であるが、その理由は、永久磁石78b、42およびばね30、32の対応する構造の場合、プッシュロッド78を、図3aに示した位置に移動させるには、短いパルスで十分であるからである。
【0081】
プッシュロッド78の図示した終端位置において、ばね30と32からそれぞれ生じる力が同一であるように、スリーブ要素76が再び配置される。右側解除ばね32がはるかに硬質であることにより、スリーブ76は方向3bに比較的遠くに移動される。図3bおよび図3cは、操作部材88およびロック部材52の結果として得られた相対位置を示している。図3bを参照すると、ロック部材が方向2bに右側に移動され、その結果、カム94が、もはやロック部62の上方にはなく、その代わりに、第1の連結リンク溝部64の入口領域の上方にあることが明らかである。したがって、上記解除位置へのカム94の下方移動自由度は制限されない。図3aおよび図3cの上記解除状態に基づき、ストローク移動を生じさせて、媒体吐出を行うことが可能である。方向1aへの操作部材88の上記下方移動中に、上記カム94は、第1の連結リンク溝部64内を通過し、その溝部の傾斜位置により、図3bを参照すると、ロック部材52を方向2aに左側に回転させる。結果として、ロック位置の方向へのロック部材52の移動と同時に、吐出工程に関連する操作部材88の押し下げが行われる。カム担体92およびカム94のL字状の構造は、カム担体92が図3aの状態から図4aの状態への移動中にロック部60に衝突しないことを保証する。
【0082】
方向1aへの操作部材88の下方移動中に、カム担体92で弾性張力状態が発生されるが、その理由は、第1の溝部64の形状により、カム94が半径方向内側にますます偏向されるからである。カム94は、部分64の溝の下端に達すると、端部形成段差70を介して押し出され、このことは、引っ張られたカム担体92の急激な解除を生じさせ、その結果、カム94は半径方向外側に再び移動される。
【0083】
図4a〜図4cは、ストローク移動と戻りストローク移動との間の反転点をほぼ表す結果として生じた状態を示している。ロック部材52の既に行われた回転運動により、再び、プッシュロッド78がストッパ面26に係合する状態に達する。したがって、上記のように、上記プッシュロッドが永久磁石78bと42によって再びこの状態に保持される。
【0084】
図4a〜図4cの状態に達したときに、吐出工程は既に終了している。図4a〜図4cの状態を基にして、操作者が方向1aへの下方への操作部材88の強制作動を排除したとき、戻りストローク移動が行われる。このことが行われると、アプリケータサブアセンブリ80全体が、操作部材88と共に、ポンプ装置の図示していない戻りばねによって方向1aとは反対方向に上方に移動される。カム94が段差70を越えて移動していることによって、カム94の反対側の移動経路が第1の連結リンク溝部64に沿って存在することが不可能である。代わりに、カム94は、第2の連結リンク溝部66に沿って、すなわち、機能部60の右側縁に沿って上方に移動し、その結果、図4bを参照すると、ロック部材52の回転が方向2aに左側に継続される。方向3aへのプッシュロッド78の対応する移動がもはや不可能であるが、その理由は、この段階において、プッシュロッド78がストッパ面26に既に係合しているからであり、方向2aへのロック部材52のこのさらなる回転により、スリーブ要素76の共同移動のみが生じる。同時に、右側解除ばね32がスリーブ要素76とストッパ面26との間でさらに圧縮される。
【0085】
図5a〜図5cは、戻りストロークの最後の段階を示している。図5aに見ることができるように、その間、解除ばね32は非常に圧縮された状態に達し、図5bおよび図5cに示したように、カム94がロック部62の右側先端の近傍の機能部の外縁に沿って摺動したときに、前記状態に達する。
【0086】
カム94が、ロック部62から離され、したがって、第2の連結リンク溝部66から離れた時点において、非常に圧縮された解除ばね32は、スリーブを内側に急激に押圧し、このことは、図5bおよび図5cを参照すると、方向2aとは反対方向のロック部材52の右側への回転を生じさせる。この移動は、ばね30、32で力の平衡が再び生じると終了する。その移動により、カム94は、ロック部62に対して再び移動され、その結果、前記部分62の上方のそれらのロック位置をとり、これにより、再び図2a〜図2cの状態が生じる。
【0087】
説明した構造は吐出装置用のロック機構を提供し、このロック機構では、対応するロック部材を移動させるのに吐出装置のエネルギー源が不要であるが、その理由は、ロック位置への切り換えが、操作者によって導入されたエネルギーで直接行われ、そして例えば電磁石44の形態の起動手段が設けられるからである。しかし、上記電磁石44の機能は、ロック部材を移動させるのに必要なエネルギーを供給せず、その代わりに、プッシュロッドへの一時的な制限された追加の力の付加のみを行い、この力の付加と、ばね30、32の力とにより、プッシュロッドがストッパ面26から離される。
【0088】
図6aおよび図6bは、本発明による吐出装置の第2の実施形態を示している。多数の特徴および構成要素に関して、上記第2の実施形態は第1の実施形態に一致する。特に、操作部材188およびロック部材152は上記実施形態と略同一である。
【0089】
より詳しくは、ロック機構120について相違がある。これらの相違については図6aおよび図6bを参照して説明し、個々の部分については図7a〜図7dを参照して説明する。
【0090】
特に図6bから理解できるように、回転するように取り付けられたロック部材152は、第2の本実施形態において、半径方向外側に向けられたガイドフォーク172も有し、このガイドフォーク172によって、ロック部材154とロック機構120の並進可動部との間の連結が実現される。先の図面の実施形態とは異なり、第2の実施形態では、ガイドフォーク172は、剛性のプッシュロッド構成要素178をロック補助部材として含み、このことは図7aに詳細に示されている。上記プッシュロッド構成要素178は、2つのピン174によってガイドフォーク172に挿入され、さらに、ハウジング側面の2つの軸受ブッシュ122a、122bに取り付けられ、その結果、プッシュロッド構成要素178を単に並進移動させることができる。プッシュロッド構成要素178の裏面にはロックカム175が設けられ、このロックカム175は、ロック機構120の以下に示す別の構成要素と協働するために、ハウジング110の頂部を閉鎖しかつ図7bに詳細に示したプレート112の隙間114を通過する。解除ばね132は、プッシュロッド構成要素178を方向6aに左側に、すなわち、解除位置方向に常時強制作動させる。
【0091】
プッシュロッド構成要素178とロック部材152との強制連結から明らかなように、前記構成要素178の位置によって、吐出装置が解除状態またはロック状態にあるかどうかを制御することが可能である。解除状態を実現するために、プッシュロッド構成要素178をその左側終端位置に移動させなければならず、これに対して、その右側終端位置では、プッシュロッド構成要素178が吐出装置の動作を防止する。
【0092】
プレート112の下方には、ロックカム175と所定の方法で協働する制御構成140が設けられる。上記制御構成140は、回転軸線4を中心にハウジングプレート112に関節結合される旋回可能なボルト142を備える。図7cに示したように、ボルト142は、下方に向いた動作部142と、図6aおよび図6bで左側に向いた係合部142と、右側に向いた戻り部142cとを有する。特に図6aおよび図6bから理解できるように、ボルト142は動作部142aにより、軸線5に沿って並進移動可能なボルト補助部材144に連結され、その結果、前記ボルト補助部材144の並進移動がボルト142の旋回運動を生じさせる。ボルト補助部材144を強制作動させるために、図示していない方法で永久磁石146と電磁石147とが設けられ、永久磁石146はボルト補助部材144を矢印方向5aに強制作動させるように構成され、電磁石147は通電時にボルト補助部材144を矢印方向5に強制作動させるように構成される。
【0093】
ボルト142の係合部142bはロックカム175と協働するように機能する。図6aおよび図6bに示した吐出装置のロック状態において、係合部142は、矢印方向6aへの左側へのプッシュロッドアセンブリ178の移動を阻止する。ボルト142が回転軸線4を中心に矢印方向4aに旋回したときにのみ、ボルト構成要素178の阻止が排除され、その結果、その構成要素の解除位置に達することができる。ボルト142は、図7bに示したばねクリップ148によって矢印方向4aに常時モーメントで作動され、このことは、図6aおよび図6bの位置において、ボルト142を旋回させるには不十分であるが、その理由は、ボルト142が、ボルト補助部材144によって、図6aおよび図6cに示したそのボルト補助部材の位置に保持されるからである。
【0094】
図8a〜図8cを参照して、動作について以下に詳細に説明する。
【0095】
図8aは、図6aおよび図6bにも示した吐出装置のロック開始状態を示している。既に説明したように、プッシュロッド構成要素178のこの位置では、方向6aへの移動が不可能であるが、その理由は、係合部142bにより、制御カム175が、方向6aへの制限された移動自由度を有するからである。このロック状態142では、ボルト142はばね148によって矢印方向4aに明らかにモーメントで作動されるが、図示した状態においておよび図示していない方法において、ボルト補助部材144が永久磁石146に係合し、ボルト142の結果として生じた保持モーメントが、ばね148によって発生されたモーメントを超えるので、前記モーメント作動はボルト142を回転させるには不十分である。
【0096】
図8aのロック状態において、吐出装置の動作が、図1〜図5の実施形態に関連して説明した理由により不可能である。操作部材188を押し下げたときに、この第2の実施形態に関連して図示していない操作部材188のカムは、ロック部材152のロック部の側で、吐出工程に必要な移動を防止する。
【0097】
図示していない電子制御装置によって電磁石147を通電したときにのみ、吐出装置を解除状態にすることが可能である。電磁石147の通電により、ボルト補助部材144が方向5bに右側に一時的に強制作動される。電磁石147による強制作動は、非常に強力である必要がないが、その理由は、ばねクリップ148によるボルト補助部材144の強制作動と共に、永久磁石146によって発生された反対方向への保持力を克服すればよいからである。電磁石147の通電から生じる方向5bへのボルト補助部材144の移動は、ボルト補助部材144とボルト142との動作連結により、矢印方向4aへのボルト142の旋回を同時に生じさせる。結果として、係合部142bとロックカム175との間の係合が終了するので、ロックカムが、図示していない方法で凹部114の端部に当たるまで、プッシュロッド構成要素178が方向6aに左側に移動される。プッシュロッド構成要素178を移動させるのに必要なエネルギーは、図8aには単に簡略化して示されている解除ばね132から供給される。
【0098】
図8bの状態は、吐出装置の結果として生じた解除状態を示している。プッシュロッド構成要素178を移動させることによって、方向2bへのロック部材152の回転も生じ、その結果、前記ロック部材152は、今や、操作部材188のカムが吐出工程を可能にするようにロック部材152のロック部を通過して移動されることができる位置にある。このことは、第1の実施形態の図3a〜図3cの状態に対応する。
【0099】
第1の実施形態に関連して既に説明したように、ストローク移動および戻りストローク移動の範囲内の吐出工程は、再び、矢印方向2aへのロック部材152の回転を生じさせる。ロック部材152とプッシュロッド構成要素178との強制連結により、そのプッシュロッド構成要素も矢印方向6bに移動される。第1の部分では、上記移動は最初にボルト142の位置に関する結果を有しない。ロックカム175がボルト142の戻り部142cの近傍に達したときにのみ、ボルト補助部材144が、再び、永久磁石146によって保持される位置に達するまで、戻り部142cがばねクリップ148の張力に抗して方向4bに戻るように旋回される。結果として生じた状態が図8cに示されている。ロック部材152と操作部材188とについて、この状態が図5a〜図5cの状態と同様である。
【0100】
第1の実施形態に関連して説明したのと同様に、操作部材188のストローク移動および戻りストローク移動に関連するロック部材152の移動が、プッシュロッド構成要素178のロック位置を越えて方向6bに右側に継続し、ここで、操作部材188のカムがロック部材のロック部から離された場合、反対方向6aへのプッシュロッド構成要素178の移動が生じ、これにより、前記構成要素178が図6a、図6bおよび図8aのロック位置に戻される。このロック位置において、ロックカム175は再びボルト部材142の係合部142bに係合し、その結果、電磁石147の通電によって再び引き起こされるまで吐出工程が停止される。
【0101】
図9に示した上記第2の実施形態の別形態では、方向4aのボルト部材142をモーメントで作動させるばねクリップ148が存在しない。代わりに、ボルト部材142のモーメント作動は、ボルト部材142が、もはやロックカム275を阻止しない位置で、そのロックカムと解除ばね232とにより行われる。このため、図示したロック位置の接触領域がボルト部材242を常時モーメントで作動させるように、ロックカム275の接触領域が形成される。電磁石247による等方向のモーメント作動に関連して、このことは、電磁石247が通電されると、永久磁石246の力を克服し、ボルト部材242を旋回させる。
【0102】
図10a〜図10cは、本発明による吐出装置の別の実施形態の側面図を示している。第2の実施形態と比較した相違は、ボルト342が、図示していないばねによってボルト342の阻止位置に向かって、すなわち、矢印方向7aにモーメントで作動され、結果として、図10のロック状態でロックカム375を阻止することである。
【0103】
ロックカム375を解除するために、ボルト342がカムディスク344によって旋回される。上記カムディスク344を矢印方向8aに回転させることによって、ロックカム375、したがって、プッシュロッド構成要素375が離され、解除ばね332の作用下で方向9aに右側に移動されることができる程度に、ボルト342が矢印方向7bに旋回される。離脱直前の状態が図10bに示されている。離脱により、図10cに示した解除状態に達する。
【0104】
上記離脱後に、カムディスク344は、再び図10aのカムディスク344の基本位置に達するまで矢印方向8aに回転される。吐出動作により、プッシュロッド378が再び方向9bに移動されると、図10cの解除状態を基にして、ボルト342は、方向7aへのボルト342のばねモーメント作動により、再びロックカム375に係合し、その結果、図9aのロック状態が再び生じる。
【0105】
先の実施形態以外に、この実施形態では、離脱、したがって、解除状態の発生は、電磁石によって生じず、その代わりに、カムディスク344を回転させるために設けられている任意に構成されたモータによって生じる。このようなモータは、例えば電動モータまたは好ましくは圧電モータであり得る。先の実施形態と同様に、上記モータは、ロック部材352をその解除位置またはロック位置に移動させるための機械的エネルギーを利用可能にするようには機能せず、単にロック部材352をその解除位置に移動させるように機能し、その結果、モータは高い出力レベルを必要としない。
【0106】
図11a〜図12bは、本発明による吐出装置の他の実施形態を示している。図11a〜図11cには、構成要素の大部分に関連する図1〜図5の実施形態に一致する吐出装置の部分図が示されている。吐出装置は、図1〜図5に示したロック機構20に一致し得るロック機構420を含む。さらに、図6〜図8に示したロック機構120、または図9および図10に示したロック機構を使用することも可能である。
【0107】
さらに、ポンプ室415を含みかつ吐出装置のハウジングの内部に配置されたポンプ414が図示されている。上記ポンプ414は、ピストンポンプであり、操作部材488と共にポンプ室415の容積変化を行うように矢印方向1に手動で移動可能である、前記ピストンポンプ内のピストン416であり、ノーズオリーブ482であり、そして操作ハンドル(図示せず)である。上記ポンプの特定の特徴は入口弁417の構造である。上記入口弁417は、弁体418において、内側に向きかつその弁体の下端に設けられた周辺弁リップ418aと、ポンプ室に固定された対応する入口ポート417aとを含み、その入口ポートの外周は弁リップ418aの内周に適合される。
【0108】
上記ポンプ414の動作原理は以下のようなものである。方向1aへの操作部材488のストローク移動中、最初に、ピストン415および弁体418が移動される。弁リップ418aが入口ポート417aに接触して、前記ポートを押圧すると、ポンプ室415は入口ダクト414aの方向にシールされる。次に、ピストン416のさらなる移動が、方向1aへの弁体418の圧力制御された移動を生じさせ、前記移動が、同じ方向のピストン416の移動よりも速く生じる。結果として、弁体418のテーパ状先端418bとピストン416の出口ダクト416aとによって構成されるポンプ出口弁419が開放する。吐出動作が開始する。次に、操作部材488による手動の力の付加が生じなかったとき、ピストン416および弁体418はポンプばねによって、戻りストローク方向1bに移動され、これにより、弁リップ418aは、戻りストローク経路の主な部分の入口ポート417aに当接するので、最初に、ポンプ室415の補充が行われない。代わりに、ポンプ室415内には負圧が発生される。弁リップ418aが入口ポート417aから離れ、したがって、入口弁417を開放してから、上記負圧により、入口ダクト414aを介した媒体の急激な吸引が生じる。操作部材488とロック部材452とが離れると、弁リップ418aと入口ポート417aとの上記分離が戻りストロークの終了近くで生じる。
【0109】
戻りストロークの大部分にわたってポンプ室415を補充せず、そしてピストンの中間充填位置に達したときにのみ前記補充を実行する上記ポンプ414の使用は、図12aおよび図12bの実施例と組み合わせて明らかになる。上記図は、図11aによる吐出装置のロックリング452の異なる図を示している。上記ロックリング452は、特徴の大部分について図1eおよび図1fに示したロックリングに対応する。上記ロックリングは、半径方向外側に延びる突出部471を有する横壁454を有し、突出部471には、図1eおよび図1fに示した実施形態のガイドフォーク72の機能に一致するガイドピン472が設けられる。図1eおよび図1fの形態とは対照的に、合計6つの機能部が存在せず、その代わりに、横壁454の内側に形成された連結リンク溝464、466を有する3つのみの機能部460が存在する。上記3つの機能部460の各々の間には、それぞれのロック段差461が配置され、これらのロック段差461は、それらの上面に面取り部461aを有し、そして下面には、本質的に半径方向に導かれたロックエッジ461bを有する。
【0110】
上記ロック段差461の作用は以下のようなものである。操作部材488が、図11aによる非ロック開始位置から矢印方向1aに押し下げられた場合、前記動作により、最初に、上記実施形態で説明したようにロックリング452の回転が生じ、同時に媒体吐出が開始される。操作部材488のカム494は、ロック段差461の近傍に達すると、面取り部461aによって半径方向内側に偏向され、ロックエッジ461bの近傍のロック段差461を乗り越えた後に非偏向状態に戻る。上記状態に達した後、図11bに示したように、カム94は、戻り段差461を横切って、戻りストローク方向1bに導かれることができないので、既に占有された開始位置への操作部材488の戻りが当分阻止される。結果として、操作部材488をその非動作開始位置に再び移動させる唯一の方法は、方向1aへの開始されたストローク移動を終了することであり、したがって、上記のように第2の連結リンク溝部466に沿ったカム494の戻りを行うことである。さらに、上記手順により、上記のようにロック状態の配置替えが強制的に生じる。
【0111】
図11bの中間位置に達した後、図11cによる終端位置を通過することによってのみ、図11aの開始位置への戻りを許容する形態は、ポンプ414の上記構造に関連して、使用者が、繰り返される部分ストローク移動を行うことによって吐出装置を誤用してしまうことを防止し、この場合、カム494はロックエッジ461bとロック部材452の底縁452aとの間で往復運動する。このような動作は、ポンプ414の入口弁417の構造により、ポンプ室415の補充が実行不可能であるので成功しない。上記のように、方向1bへの戻りストローク移動がほぼ終了するかまたは終了してしまうまで、ポンプ室415は補充されない。そのため、カム494をロックエッジ461bに当接させるための方向1bへの操作部材488の移動では不十分である。カムが、方向1bにおいて第2の連結リンク溝部466に沿ってロック部材452に対して移動されると、ポンプ室415の上記補充が実現される。さらに、上記手順により、ロック状態も強制的に再構成されるので、誤用が阻止される。
【0112】
図11a〜図12bの実施形態の図示していない別形態では、カム494毎の対応する1つのみのロック段差461の代わりに、複数の段差がストローク移動1aに沿って連続して設けられ、その結果、ストローク方向1aで乗り越えが行われた後、ストローク移動の進行と同様の戻りストロークはほぼ完全に防止され、梯子型の戻り止め装置を形成する前記ロック段差は、戻りストローク方向1bへの後退を防止する。
【符号の説明】
【0113】
1 主軸線
1 回転軸線
1a 動作方向
1a 矢印方向
1a ストローク移動
1a ストローク方向
1b 戻りストローク方向
2a 矢印方向
2b 方向
3 運動軸
3a 方向
3b 矢印方向
4 回転軸線
4a 矢印方向
5 軸線
5 矢印方向
5a 矢印方向
6a 矢印方向
6b 矢印方向
7a 矢印方向
7b 矢印方向
8a 矢印方向
9a 方向
9b 方向
10 ハウジング
20 ロック機構
22 収容部
24 半円形の凹部
26 ストッパ面
28 ガイドマンドレル
30 プッシュロッドばね
32 右側解除ばね
40 磁石ユニット
42 永久磁石
44 電磁石
52 回転ロック部材
54 外周面
60 機能部
62 ロック部
62a 上部終端面
62a 頂面
64 第1の連結リンク溝部
66 第2の連結リンク溝部
68 隆起部
70 端部形成段差
72 ガイドフォーク
74 ピン
76 スリーブ要素
78 プッシュロッド
78a 周辺プッシュロッドフランジ
78b 右端
78b 永久磁石端部
80 アプリケータサブアセンブリ
82 ノーズオリーブ
84 出口開口部
86 操作ハンドル
88 略環状の操作部材
90 部分周面
92 カム担体
94 カム
110 ハウジング
112 ハウジングプレート
114 隙間
114 凹部
120 ロック機構
122a 軸受ブッシュ
122b 軸受ブッシュ
132 解除ばね
140 制御構成
142 旋回可能なボルト
142 ボルト部材
142a 動作部
142b 係合部
142c 戻り部
144 ボルト補助部材
146 永久磁石
147 電磁石
148 ばねクリップ
152 ロック部材
172 ガイドフォーク
174 ピン
175 ロックカム
178 剛性のプッシュロッド構成要素
188 操作部材
232 解除ばね
242 ボルト部材
246 永久磁石
247 電磁石
275 ロックカム
332 解除ばね
342 ボルト
344 カムディスク
352 ロック部材
375 ロックカム
378 プッシュロッド構成要素
414 ポンプ
414a 入口ダクト
415 ポンプ室
416 ピストン
416a 出口ダクト
417 入口弁
417a 入口ポート
418 弁体
418a 周辺弁リップ
418b テーパ状先端
419 ポンプ出口弁
420 ロック機構
452 ロック部材
452 ロックリング
452a 底縁
454 横壁
460 機能部
461 ロック段差
461 戻り段差
461a 面取り部
461b ロックエッジ
464 連結リンク溝
466 第2の連結リンク溝
471 突出部
472 ガイドピン
482 ノーズオリーブ
488 操作部材
494 カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体用の吐出装置であって、
−ハウジング(10)と、
−前記ハウジング(10)に対して手動で移動可能な操作部材(88;188;288;488)であって、吐出手段(414)を動作させるために、動作方向(1a)において非動作開始位置から動作終端位置に移動させることができる操作部材(88;188;288;488)と、
−ロック部材(52;152;252;452)が前記終端位置への前記操作部材(88;188;288;488)の移動を防止するロック位置と、前記ロック部材が前記終端位置への前記操作部材(88;188;288;488)の移動を許容する解除位置との間で前記ハウジング(10)に対して移動可能であるロック部材(52;152;252;452)と、
を有する吐出装置において、
−前記ロック部材(52;152;252;452)の前記解除位置の方向において前記ロック部材に力を加える第1のばね手段(32;132;232;332)が設けられ、
−前記解除位置において、前記非動作開始位置から前記動作終端位置への前記操作部材(88;188;288;488)のストローク移動、および/または前記動作終端位置から前記開始位置への次の戻りストローク移動が、前記第1のばね手段(32;132;232;332)へのエネルギーの供給を行う伝達機構(64、66、94;464、466、494)によって行われるように、前記操作部材(88;188;288;488)および前記ロック部材(52;152;252;452)が共に動作可能に連結されることを特徴とする吐出装置。
【請求項2】
前記操作部材(88;188;288;488)およびロック部材(52;152;252;452)が連結リンクガイド(94、64、66;464、466、494)によって共に連結され、該連結リンクガイドにより、前記操作部材(88;188;288;488)の前記ストローク移動および/または戻りストローク移動が前記ロック部材(52;152;252)の移動を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記連結リンクガイド(94、64、66;464、466、494)が、ロック部材(52;152;252;452)には、少なくとも1つの連結リンク溝(64、66)を有し、そして操作部材(88;188;288;488)には、前記連結リンク溝(64、66;464、466)に係合させるための少なくとも1つのカム(94;494)を有し、前記連結リンクガイド(94、64、66;464、466、494)は、前記ストローク移動中に前記カム(94;494)が導入される第1の連結リンク溝部(64;464)、および/または前記ストローク移動の終点に向かってまたは前記戻りストローク移動になったときに前記カム(94;494)を導入することができる第2の連結リンク溝部(66;466)を有するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の吐出装置。
【請求項4】
少なくとも1つのロック部材側ロック部(62;462)が、少なくとも1つの操作部材側ロック部(94;494)のストローク移動経路を遮断し、前記操作部材側ロック部(94;494)が、好ましくは、前記連結リンクガイド(64、66、94;464、466、494)の前記操作部材側カム(94;494)と同一であることによって、前記ロック部材(52;152;252;452)の前記ロック位置への前記操作部材(88;188;288;488)のストローク移動が少なくとも部分的に防止されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項5】
−制御構成(20;120;240)が設けられ、阻止状態において前記ハウジングに対する前記ロック部材(52;152;252;452)の前記移動を阻止するように構成され、
−電気信号によって実現可能な起動動作により、前記ロック位置から前記解除位置への前記ロック部材(52;152;252;452)の移動を許容することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のまたは請求項1の上位概念に記載の吐出装置。
【請求項6】
前記制御構成が、前記ロック位置への前記ロック部材(52;152;252;452)の移動時に、前記阻止状態に自動的に切り換えられるように構成されることを特徴とする請求項5に記載の吐出装置。
【請求項7】
前記制御構成の前記阻止状態において、前記ロック部材(152;252;452)、または前記ロック部材に動作可能に連結されたロック補助部材(178;278;378)の移動を機械的に阻止するボルト部材(142;242;342)が設けられることを特徴とする請求項5または6に記載の吐出装置。
【請求項8】
前記制御構成の前記阻止状態において、
−前記ロック部材、または前記ロック部材(52;452)に動作可能に連結されたロック補助部材(78)が、永久磁石(42)によって、前記ロック部材(52;452)を前記ロック部材のロック位置に配置する位置に保持され、
−前記ボルト部材、または前記ボルト部材に動作可能に連結されたボルト補助部材(144;244)が、永久磁石(146;246)によって、前記ロック部材(152;252;452)を前記ボルト部材(142;242;452)で機械的に阻止する位置に保持されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項9】
ロック部材(52;152;252;452)の前記ロック位置において、前記永久磁石(42;146;246)により、ロック部材(52;152;252;452)、ロック補助部材(78;178;278)、ボルト部材(142;242)および/またはボルト補助部材(144;244)に対して加えられる力が、前記ロック部材の前記ロック位置において、前記吐出装置のばね手段(30、32;132;232)により、前記ロック部材、前記ロック補助部材、前記ボルト部材または前記ボルト補助部材に対して反対方向に加えられる力よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の吐出装置。
【請求項10】
前記起動動作を行うために、電気的に制御可能なアクチュエータ(44;147;247)、好ましくは電磁石が設けられ、前記電気的に制御可能なアクチュエータによって、
−前記ロック部材、または前記ロック部材に動作可能に連結された前記ロック補助部材(78)を強制作動させることができ、その結果、前記ロック部材(52)が前記ロック部材の解除位置の方向に移動されるかまたは、
−ボルト部材、または該ボルト部材に動作可能に連結されたボルト補助部材(144;244)が、前記ボルト部材(142;242)による前記ロック部材(152;252;452)の機械的な阻止、したがって、前記ロック部材の解除位置に向かう前記ロック部材(152;252;452)の移動を排除する方向(5b)に強制作動されることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項11】
前記電気的に制御可能なアクチュエータ(44;147;247)が、前記ロック部材、ロック補助部材(78)、ボルト部材またはボルト補助部材(144;244)に力を加えるように構成され、該力が、前記対応する部材の前記永久磁石(42;146;246)の力から生じる反対方向(3a;5a)の力、好ましくは、前記部材を強制作動させるばね手段(30、32;132;232)の力よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の吐出装置。
【請求項12】
前記ロック位置から前記解除位置への切り換えのために、前記ロック部材(52;152;252;452)が、前記動作方向(1a)に配向された回転軸線(1)を中心に回転するように構成され、前記ロック部材の周囲にわたって、少なくとも3つのロック部(62;462)が分配され、該ロック部は、前記操作部材(88;188;288;488)のストローク移動が防止されるように、前記ロック部材(52;152;252;452)の前記ロック位置に配置されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のまたは請求項1の上位概念に記載の吐出装置。
【請求項13】
前記ロック部材(52;152;252;452)が操作部材(88;188;288;488)全体を囲み、前記ロック部材(52;152;252;452)の前記回転軸線(1)が、前記動作方向(1a)に平行に、好ましくは、前記吐出装置の中心軸線(1)と同軸に配向されることを特徴とする請求項12に記載の吐出装置。
【請求項14】
前記ロック部材側ロック部(62;462)が前記ロック部材(52;152;252;452)の内面から半径方向内側に向いており、前記対応する操作部材側ロック部(94;494)が半径方向外側に向いていることを特徴とする請求項12または13に記載の吐出装置。
【請求項15】
電動モータまたは圧電モータが、前記ロック部材、ロック補助部材、ボルト部材(342)またはボルト補助部材を移動させるために設けられることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項16】
前記モータが、カム部材(344)を移動させるために、好ましくは、カムディスク(344)を回転移動させるために設けられ、前記カム部材(344)が、
−前記ロック部材の前記ロック位置への前記ロック部材またはロック補助部材(378)の前記移動を直接防止するようにあるいは、
−前記ロック部材の前記ロック位置への前記ロック部材またはロック補助部材の前記移動を間接的にボルト部材で防止し、好ましくは、前記ボルト部材が、離脱位置の方向にばねで強制作動され、前記カム部材により、カム部材位置に基づいて阻止位置に保持されるように構成されることを特徴とする請求項15に記載の吐出装置。
【請求項17】
戻りロック(461)が設けられ、該戻りロックは、前記開始位置から前記終端位置の方向への前記操作部材(488)の移動中に、規定された中間ロック位置に達した後、前記操作部材(488)が前記終端位置に移動される間、前記開始位置への前記操作部材(488)の戻りを防止することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のまたは請求項1の上位概念に記載の吐出装置。
【請求項18】
前記吐出手段(414)が、容積可変ポンプ室(415)を有するポンプ(414)であり、該ポンプ(414)は、規定された中間充填位置に達するまで、戻りストローク内の前記ポンプ室(415)の充填が行われないように構成され、前記操作部材(488)が前記中間ロック位置と前記開始位置との間の位置に配置されたときに前記中間充填位置に達するように、前記中間充填位置が配置されることを特徴とする請求項17に記載の吐出装置。
【請求項19】
前記戻りロック(461)が戻り止め手段(461b、494)を有し、該戻り止め手段(461b、494)の第1の構成部材(461b)が、動作方向(1a)において前記ハウジングに対して固定配置され、前記第1の構成部材(461b)と協働するように構成される前記戻り止め手段の第2の構成要素(494)が、前記動作方向(1a)において前記操作部材(488)に対して固定配置されることを特徴とする請求項17または18に記載の吐出装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図12a】
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【図12b】
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【公開番号】特開2010−89085(P2010−89085A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−221787(P2009−221787)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(595154764)インジ エリッヒ プファイファ ゲーエムベーハ (16)