説明

向上した活性を示す農薬組成物及びその調製方法

向上した殺虫活性レベルを示す有害生物防除組成物、それらを調製するための方法が開示される。実施形態の1つでは、方法が、少なくとも1つの農薬、及び少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて組成物の殺虫活性を向上させる少なくとも1つの補助成分を含む液体組成物を提供する工程を含む。この少なくとも1つの補助成分が、少なくとも1つの金属酸化物、少なくとも1つの遷移金属塩及び少なくとも1つのタンパク性材料の組み合わせ、又は少なくとも1つのタンパク性材料及び少なくとも1つのポリマー性材料の組み合わせを含んでいてもよい。この方法がさらに、液体組成物を噴霧乾燥して、固体組成物を提供する工程を含む。この実施形態の1つの態様において、噴霧乾燥によって提供された固体組成物が、液体組成物に比較して向上した殺虫活性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その内容全体を参考として本明細書に組み込む2009年4月30日に出願された米国仮特許出願第61/214,989号、及びその内容全体を参考として本明細書に組み込む2009年10月1日出願された米国仮特許出願第61/277,974号の優先権を主張する。
【0002】
本文書にて開示される本発明は、農薬及びその有害生物防除における使用の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
有害生物は、毎年世界中で何百万人もの死をもたらす。さらに、農業に損失を生じる1万種を超える有害生物が存在する。これらの農業損失は、毎年数十億米ドルにも及ぶ。シロアリは、種々の構造物、例えば家屋に被害を与える。これらのシロアリによる被害損失は、毎年数十億米ドルにも及ぶ。最後に注目すべきことは、有害生物が多くの貯蔵食品を食し、貯蔵食品の品質を落とすことである。これらの貯蔵食品の損失は、毎年数十億米ドルにも及ぶが、さらに重要なことは、人々から必要な食品を奪うことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有害生物を駆除し、有害生物が生じる被害を軽減するために、多くの農薬組成物が長年にわたって開発されている。これらの組成物は、昆虫又はその他の有害生物が生息する環境、又はそれらの卵が存在する環境に適用されることが多く、こうした環境には、昆虫又はその他の有害生物の周りの空気、それらが食する餌又はそれらが接触する対象物が含まれる。これらの組成物のいくつかは、こうした環境に適用される場合に化学的及び物理的な劣化を受け易い。こうしたタイプの劣化が生じる場合、農薬の殺虫活性は、悪い影響を受ける場合があり、一般には農薬が適用される場所で濃度を増やす必要や、及び/又はより頻繁に農薬を適用する必要が生じる。結果として、使用者コスト及び消費者へのコストが上昇し得る。そのため、農薬組成物が、例えば有害生物を防除するために環境に適用される場合に、既存の農薬組成物に比べて増大した安定性及び向上した活性を示す新規な農薬組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、新規な農薬組成物、この組成物の調製方法、並びに昆虫及び特定の他の無脊椎動物の防除におけるそれらの使用に関する。実施形態の1つでは、本方法は、少なくとも1つの農薬、及び少なくとも1つの補助成分を含む液体組成物を提供する工程であって、前記少なくとも1つの補助成分は、当該少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて前記組成物の殺虫活性を向上させる、工程を含む。上記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つの金属酸化物、少なくとも1つの遷移金属塩と少なくとも1つのタンパク性材料との組み合わせ、又は少なくとも1つのタンパク性材料と少なくとも1つのポリマー性材料との組み合わせを含む。この方法はさらに、上記液体組成物を噴霧乾燥し、例えば粉末又は顆粒形態であってもよい固体組成物を提供する工程を含む。この方法の1つの形態において、少なくとも1つの農薬は、大環状ラクトン殺虫剤である。
【0006】
この方法の別の形態において、少なくとも1つの農薬はスピノシン、例えばスピネトラム又はスピノサドである。しかし、少なくとも1つの農薬に対する別の選択肢も考慮されることが理解される。この方法の1つの態様において、上記液体組成物はさらに水を含み、噴霧乾燥は、上記液体組成物が含む水の重量%が固体組成物よりも大きくなるように、少なくとも部分的に液体組成物を脱水又は乾燥する工程を含む。この方法のさらに別の態様において、少なくとも1つの農薬及び少なくとも1つの補助成分は、上記液体組成物中において、固体組成物中に存在する少なくとも1つの農薬と少なくとも1つの補助成分との重量比と実質的に等価である重量比で存在する。この方法のなお別の態様は、防除が所望される場所(locus)に、昆虫不活性化量の固体組成物を適用する工程を含む。
【0007】
別の実施形態において、方法は、少なくとも1つの農薬、及び少なくとも1つの補助成分を含む液体組成物を提供する工程であって、前記少なくとも1つの補助成分は、当該少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて上記組成物の殺虫活性を向上させる、工程を含む。この方法はさらに、上記液体組成物を噴霧乾燥して、上記液体組成物に比較して向上した殺虫活性を示す固体組成物を提供する工程を含む。この方法の1つの態様において、上記液体組成物は、固体組成物中の少なくとも1つの農薬と少なくとも1つの補助成分との重量比に実質的に等価な少なくとも1つの農薬と少なくとも1つの補助成分との重量比を含む。この方法の別の態様において、上記液体組成物はさらに水を含み、噴霧乾燥は、上記液体組成物を少なくとも部分的に脱水又は乾燥させる工程を含む。さらなる態様において、脱水又は乾燥は、上記液体組成物中の少なくとも約20重量%から、固体組成物中の約10重量%未満まで、水を低減する工程を含む。なお、上記液体組成物から固体組成物への水の低減においてさらなる変更も想定されることが理解されるべきである。
【0008】
1つの他の実施形態において、方法は、スピネトラム、酸化第二鉄及びポリビニルピロリドンを含むポリマー性材料を含む液体組成物を提供する工程を含む。この方法はさらに、液体組成物を噴霧乾燥して、固体組成物を提供する工程を含む。
【0009】
さらに別の実施形態において、組成物は、少なくとも1つの農薬、及び少なくとも1つの補助成分を含む固体材料であって、前記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて上記組成物の殺虫活性を向上させる、固体材料を含む。加えて、上記固体材料は、固体材料中の少なくとも1つの農薬と少なくとも1つの補助成分との重量比に実質的に等価な重量比にて少なくとも1つの農薬及び少なくとも1つの補助成分を含む液体組成物に比べて向上した殺虫活性を示す。
【0010】
本発明のなおさらなる実施形態、形態、特徴、態様、利益、目的、及び利点は、提供される詳細な説明及び実施例から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本文書を通して、特に指示のない限り、全ての温度はセ氏で与えられ、すべてのパーセンテージは重量%である。
【0012】
増大した安定性及び向上した殺虫活性を示す農薬組成物を本文書で説明する。より詳細には、1つ以上の実施形態において、本農薬組成物は、向上した残効殺虫活性を示す。農薬は、本明細書において、ある程度の殺虫又は殺生物活性を示すか、又はそうでなければ有害生物個体群の防除又は制限に関与するいずれかの化合物として定義される。こうした化合物としては、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺シロアリ剤、殺鼠剤、殺軟体動物剤、殺節足動物剤、除草剤、殺生物剤、並びにフェロモン及び誘引物質などが挙げられる。
【0013】
本明細書中に記載される組成物に含有されうる農薬の例としては、抗生物質系殺虫剤、大環状ラクトン系殺虫剤(例えば、アベルメクチン系殺虫剤、ミルベマイシン系殺虫剤及びスピノシン系殺虫剤)、ヒ素系殺虫剤、植物性殺虫剤、カルバメート系殺虫剤(例えば、ベンゾフラニルメチルカルバメート系殺虫剤、ジメチルカルバメート系殺虫剤、オキシムカルバメート系殺虫剤及びフェニルメチルカルバメート系殺虫剤)、ジアミド系殺虫剤、乾枯殺虫剤、ジニトロフェノール系殺虫剤、フッ素系殺虫剤、ホルムアミジン系殺虫剤、燻蒸剤殺虫剤、無機殺虫剤、昆虫成長調節因子(例えば、キチン合成阻害剤、幼若ホルモン模倣物、幼若ホルモン、脱皮ホルモンアゴニスト、脱皮ホルモン、脱皮阻害剤、プレコセン(precocenes)及び他の未分類の昆虫成長調節因子)、ネレイストキシンアナログ系殺虫剤、ニコチノイド系殺虫剤(例えば、ニトログアニジン系殺虫剤、ニトロメチレン系殺虫剤及びピリジルメチルアミン系殺虫剤)、有機塩素系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、オキサジアジン系殺虫剤、オキサジアゾロン系殺虫剤、フタルイミド系殺虫剤、ピラゾール系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤、ピリミジンアミン系殺虫剤、ピロール系殺虫剤、テトラミン酸(tetramic acid)系殺虫剤、テトロン酸系殺虫剤、チアゾール系殺虫剤、チアゾリジン系殺虫剤、チオ尿素系殺虫剤、尿素系殺虫剤、及び他の未分類の殺虫剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本文書に記載される組成物に使用できる特定の殺虫剤の一部としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:1,2−ジクロロプロパン、1,3ジクロロプロペン、アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アセチオン、アセトプロール、アクリナトリン、アクリロニトリル、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレスリン、アロサミジン、アリキシカルブ、α−シペルメトリン、α−エンドスルファン、アミジチオン、アミノカルブ、アミトン、アミトラズ、アナバシン、アチダチオン、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス−エチル、アジンホスメチル、アゾトエート、ヘキサフルオロケイ酸バリウム、バルトリン、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、β−シフルトリン、β−シペルメトリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ボラックス、ホウ酸、ホウ酸、ブロムフェンビンホス、ブロモシクレン、ブロモ−DDT、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトネート、ブトキシカルボキシム、カズサホス、ヒ酸カルシウム、多硫化カルシウム、カンフェクロル、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルビシクレン、クロルデン、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロホルム、クロロピクリン、クロルホキシム、クロルプラゾホス、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シスメトリン、クロエトカルブ、クロサンテル、クロチアニジン、アセト亜ヒ酸銅、ヒ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、クマホス、クミトエート、クロタミトン、クロトキシホス、クルホメート、クリオライト、シアノフェンホス、シアノホス、シアントエート、シクレトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シチオエート、DDT、デカルボフラン、デルタメトリン、デメフィオン、デメフィオン−O、デメフィオン−S、デメトン、デメトン−メチル、デメトン−O、デメトン−O−メチル、デメトン−S、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、珪藻土、ダイアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジクレシル、ジクロトホス、ジシクラニル、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジロール、ジメフルトリン、ジメホックス、ジメタン、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジネックス、ジノプロップ、ジノサム、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジオキサベンゾホス、ジオキサカルブ、ジオキサチオン、ジスルホトン、ジチクロホス、d−リモネン、DNOC、ドラメクチン、エクジステロン、エマメクチン、EMPC、エムペントリン、エンドスルファン、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エタホス、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトエート−メチル、エトプロホス、ギ酸エチル、エチル−DDD、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、エトフェンプロックス、エトリムホス、EXD、ファムフール、フェナミホス、フェナザフロル、フェンクロルホス、フェネタカルブ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンピリトリン、フェンプロパトリン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオンエチル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルコフロン、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホルムパラネート、ホスメチラン、ホスピレート、ホスチエタン、フラチオカルブ、フレトリン、γ−シハロトリン、γ−HCH、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロール、ヘプテノホス、ヘテロホス、ヘキサフルムロン、HHDN、ヒドラメチルノン、シアン化水素、ハイドロプレン、ヒキンカルブ、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、インドメタン、IPSP、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボホス、イソドリン、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオエート、イソキサチオン、イベルメクチン、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ヨードフェンホス、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、ケレバン、キノプレン、λ−シハロトリン、ヒ酸鉛、レピメクチン、レプトホス、リンデン、リリムホス、ルフェヌロン、リチダチオン、マラチオン、マロノベン、マジドックス、メカルバム、メカルホン、メナゾン、メホスホラン、塩化第一水銀、メスルフェンホス、メタフルミゾン、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトホス、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、臭化メチル、メチルクロロホルム、塩化メチレン、メトフルトリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、メキサカルベート、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム、ミパホックス、マイレックス、モノクロトホス、モルホチオン、モキシデクチン、ナフタロホス、ナレド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリラカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシジメトン−メチル、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、パラ−ジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオン−メチル、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペルメトリン、フェンカプトン、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスニクロル、ホスファミドン、ホスフィン、ホキシム、ホキシム−メチル、ピリメタホス、ピリミカルブ、ピリミホス−エチル、ピリミホスメチル、亜ヒ酸カリウム、チオシアン酸カリウム、pp’−DDT、プラレトリン、プレコセンI、プレコセンII、プレコセンIII、プリミドホス、プロフェノホス、プロフルトリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパホス、プロペタムホス、プロポクスル、プロチダチオン、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンブト、ピラクロホス、ピラフルプロール、ピラゾホス、ピレスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート、ピリプロール、ピリプロキシフェン、クアシア、キナルホス、キナルホスメチル、キノチオン、ラフォキサニド、レスメトリン、ロテノン、リアニア、サバジラ、シュラーダン、セラメクチン、シラフルオフェン、シリカゲル、亜ヒ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ソファミド、スピネトラム、スピノサド、スピロメシフェン、スピロテトラマット、スルコフロン、スルフルラミド、スルホテップ、フッ化スルフリル、スルプロホス、τ−フルバリネート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロロビンホス、テトラメトリン、θ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チクロホス、チオカルボキシム、チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオスルタップ、チューリンギエンシン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トランスペルメトリン、トリアラセン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロルメタホス−3、トリクロロナート、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、バミドチオン、バニリプロール、XMC、キシリルカルブ、ζ−シペルメトリン、ゾラプロホス、及びα−エクジソン。
【0015】
加えて、上記殺虫剤のいずれかの組み合わせが、本明細書に記載される組成物に使用できることが想定される。さらなる情報に関しては、http://www.alanwood.net/pesticides/index.htmlにおける「COMPENDIUM OF PESTICIDE COMMON NAMES」を参照のこと。また、「THE PESTICIDE MANUAL」(第14版、C D S Tomlin編、著作権2006、British Crop Production Councilによる)参照のこと。
【0016】
種々の農薬は、特定の環境影響、例えば熱及び/又は光の存在下で、化学的及び物理的劣化を受け易い。これらの影響のうち光に関して劣化を受け易い農薬は、一般に「光不安定性」と称される。少なくとも一部の光不安定性農薬に関して、それらの劣化は、一重項酸素との反応が原因となり得ると考えられている。一重項酸素と反応する農薬の例としては、特定のオレフィン、芳香族化合物、フェノール類、ナフトール類、フラン類、ピラン類及び他の酸素含有複素環類;ピロール類、オキサゾール類、イミダゾール類、インドール類及び他の窒素含有複素環類:脂肪族、脂環式及び芳香族アミン類;アミノ酸、ペプチド及びタンパク質;並びに硫黄含有化合物、例えばメルカプタン類及びスルフィド類などが挙げられるが、これらに限定されない。農薬が一重項酸素と反応性であるかどうかを決定することに関してさらなる詳細は、国際特許公開番号国際公開第2007/053760号に与えられる。上述の光不安定性の一重項酸素と反応性の農薬のいずれか1つ又は組み合わせは、本明細書に記載される組成物に含まれることができることが理解される。
【0017】
本明細書に記載される組成物中において、単独又は互いの組み合わせのいずれかにおいて含まれることができる光不安定性の一重項酸素反応性農薬のより詳細な例としては、微生物、微生物産物、及び植物、動物又は鉱物含有岩石から誘導されるか又は抽出される材料である天然産物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの天然産物としては、天然に誘導される泥居住性生命体、例えば放線菌から誘導される産物、例えば大環状ラクトン殺虫剤が挙げられる。1つの例示的な大環状ラクトン殺虫剤としては、アベルメクチン及びそれらの誘導体、例えばアバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン及びセラメクチンが挙げられる。別の例示的な大環状ラクトン殺虫剤としては、ミルベマイシン及びそれらの誘導体、例えばレピメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム及びモキシデクチンが挙げられる。さらに別の例示的な大環状ラクトン殺虫剤としては、スピノシン、例えばスピノサド及びそれらの誘導体、例えば合成的に製造されたスピネトラムが挙げられ、それらは米国特許第5,227,295号、同第5,670,364号、同第5,591,606号、同第6,001,981号、同第6,143,526号、同第6,455,504号、同第6,585,990号、同第6,919,464号、同第5,362,634号、同第5,539,089号及び同第5,202,242号に開示され、それらはすべて参考として本明細書に組み込まれる。他の天然産物には、サバジラ又はベラトリン、ジョチュウギク又はピレトリン、ニーム油又はアザジラクチン、ロテノン、リアニア又はリアノジン、バチルス・チューリンゲンシス(B.t.)、枯草菌、フェロモン、天然誘引物質などが挙げられる。本明細書に記載される組成物に含まれることができる他の農薬としては、一重項酸素に反応性の、合成的に生成される農薬も含まれることができる。その例には、インドキサカルブ、イマザリル及びフェンプロピモルフが挙げられるが、それらに限定されない。上記に加えて、本明細書に記載される組成物はまた、光不安定性又は一重項酸素と反応性である少なくとも1つの農薬、及び一重項酸素と反応性でないか、又はそうでなければ光不安定性でない少なくとも1つの他の農薬を含むこともできることが理解される。
【0018】
上述の農薬の少なくとも1つ又は混合物、及び少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて組成物の殺虫活性を向上させる少なくとも1つの補助成分を含む組成物が、近年見出された。例えば、組成物の活性又は半減期が延長され、そのため、少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて、同じ活性を低量の組成物で達成できることが想定される。さらに、またはあるいは、少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて、経時的に改善された殺虫防除は、少なくとも1つの補助成分を含む組成物を用いて達成されることが想定される。
【0019】
実施形態の1つでは、上記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つの金属酸化物を含み、この組成物は、金属酸化物を有していないことだけが相違する組成物に比べて、向上した殺虫活性を示す。本明細書に使用される場合、「金属酸化物」という用語は、少なくとも1個の酸素原子及び少なくとも1個の金属原子を含有する化合物を表すために使用される。1つの形態において、この金属酸化物は、水に不溶性である。さらに、またはあるいは、金属酸化物は、遷移金属酸化物であってもよいことが想定される。遷移金属酸化物の非限定例としては、酸化亜鉛;酸化鉄、例えば酸化第一鉄(酸化鉄(II))又は酸化第二鉄(酸化鉄(III))、並びに酸化鉄(II,III);酸化銅、例えば酸化第一銅(酸化銅(I))又は酸化第二銅(酸化銅(II));酸化チタン、例えば二酸化チタン(酸化チタン(IV))、酸化チタン(II)及び酸化チタン(III);酸化コバルト、例えば酸化コバルト(II)及び酸化コバルト(III);酸化ニッケル、例えば酸化ニッケル(II)又は酸化ニッケル(III);酸化マンガン、例えば酸化マンガン(II,III);酸化クロム、例えば酸化クロム(III)又は酸化クロム(IV);酸化銀;酸化パラジウム;及び酸化ランタンが挙げられる。1つ以上の形態において、金属酸化物はまた、水酸化物又は水和物錯体の一部であってもよい。これらの例としては、水酸化亜鉛、部分的に脱水された水酸化亜鉛又は水酸化酸化亜鉛、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、水酸化酸化鉄、無水又は水和された酸化鉄及び水酸化酸化鉄、水酸化マグネシウム、水酸化酸化マンガン、水和された水酸化マンガン又は水酸化酸化マンガン、水酸化銅、部分的に脱水された水酸化銅又は水酸化酸化銅、水酸化チタン、水酸化酸化チタン、水和された水酸化チタン又は水酸化酸化チタンが挙げられ、これらはいくつかの可能性を挙げたに過ぎない。1つ以上の上述の金属酸化物の組み合わせが、本明細書に記載される組成物に使用できることが理解される。1つの特定形態において、金属酸化物は、酸化亜鉛、酸化第二鉄、酸化第二銅、二酸化チタン及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0020】
金属酸化物は、通常、活性向上量にて、この実施形態の組成物内に存在する。活性向上量は、本組成物の半減期を増大させるか、あるいは金属酸化物の不存在下での本組成物の同じ殺虫性の防御又は防除に必要な量より少ないレベルで組成物が有害生物を同様に防除できるようにする量である。換言すれば、金属酸化物は、防御のために必要な割合を低減するか、又は組成物の残効性を延ばす。
【0021】
別の実施形態において、上記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つの金属酸化物及び少なくとも1つのタンパク性材料を含む。この実施形態において、金属酸化物は、上記で同定された例の1つ又は混合物であることができることが理解される。本明細書で使用される場合、用語「タンパク性材料」は、タンパク質によって定義される材料、組成物又は化合物を表すために使用され、それらは、少なくとも1つのタンパク質を含み、又はタンパク質の基本要素である。1つの形態において、タンパク性材料としては、水溶性タンパク質が挙げられる。タンパク性材料のさらなる非限定例としては、アルブミン、例えば卵白又はウシ血清アルブミン(BSA);カゼイン;ゼラチン;ゼイン;乳清組成物、例えばラクトース及び乳清タンパク質の混合物;乳清タンパク質及びアミノ酸、例えば、システイン、メチオニン、トリプトファン、ヒスチジン、チロシン、アルギニン、リジン、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、セリン及びアスペリジン(asperigine)が挙げられるが、これらはいくつかの可能性を挙げたに過ぎない。上記補助成分は、前述のタンパク性材料の非限定例の2つ以上を含むことができることも想定される。この実施形態の1つの態様において、本組成物は、少なくとも1つの金属酸化物及び少なくとも1つのタンパク性材料を有していないだけが相違する組成物に比べて、向上した殺虫活性を示す。
【0022】
上記少なくとも1つの金属酸化物及び少なくとも1つのタンパク性材料は、通常、活性向上量にて、この実施形態の組成物内に存在する。活性向上量は、本組成物の半減期を延ばす、あるいは金属酸化物及びタンパク性材料の不存在下での本組成物の同じ殺虫防御又は防除に必要な量より少ないレベルで本組成物が有害生物を同様に防除できるようにする量である。換言すれば、金属酸化物及びタンパク性材料は、防御のために必要な割合を低減するか、又は組成物の残効性を延ばす。
【0023】
さらに別の実施形態において、上記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つの金属酸化物及び少なくとも1つのポリマー性材料を含む。この実施形態において、金属酸化物は、1つ以上の上記で同定された例の1つ以上であることができることが理解される。本明細書で使用される場合、「ポリマー性材料」という用語は、少なくとも1つのポリマー又はそれらの誘導体によって定義される又はそれらを含む材料、化合物又は組成物を表すために使用される。1つの非限定例において、ポリマー性材料としては、ポリビニルアルコールが挙げられる。他の例において、ポリマー性材料としては:ポリビニルアルコールの誘導体;ポリビニルピロリドン及び/又は1つ以上のそれらの誘導体;天然又は合成ラテックス;多糖類及び/又は1つ以上のそれらの誘導体、又はポリビニルアセテート及び/又は1つ以上のそれらの誘導体を挙げることができる。1つの特定例において、ポリマー性材料は、高分子量ビニル−アクリル系ラテックス、例えばThe Dow Chemical Company,2030 Dow Center,Midland,Michigan 48674から市販のUCAR(商標)ラテックス379Gであってもよい。別の特定例において、ポリマー性材料は、テルペンポリマー、例えばMiller Chemical and Fertilizer Corporation,P.O.Box333,120Radio Road,Hanover,Pennsylvania17331から市販のNU FILM17(登録商標)であってもよい。なお別の例において、ポリマー性材料は、多糖類又は加工多糖類、例えば水溶性デンプン、ポテトデンプン及びその他の加工処理されたデンプンを含むデンプン、キトサン又はメチルセルロースであってもよい。別の例において、ポリマー性材料は、ハイプロメルロースポリマー、例えばThe Dow Chemical Companyから市販のMETHOCEL(商標)K4Mであってもよい。補助成分は、ポリマー性材料の前述の非限定例のうち2つ以上を含むことができることも理解されたい。この実施形態の1つの態様において、本組成物は、少なくとも1つの金属酸化物及び少なくとも1つのポリマー性材料を有していないことだけが相違する組成物に比べて、向上した殺虫活性を示す。
【0024】
少なくとも1つの金属酸化物及び少なくとも1つのポリマー性材料は、通常、活性向上量で、この実施形態の組成物内に存在する。活性向上量は、本組成物の半減期を延ばし、又は別の可能性として金属酸化物及びポリマー性材料の不存在下での組成物の同じ殺虫防御又は防除に必要な量より少ないレベルで本組成物が有害生物を同様に防除できるようにする量である。換言すれば、金属酸化物及びポリマー性材料は、防御のために必要な割合を低減するか、又は本組成物の残効性を延ばす。
【0025】
なお別の実施形態において、上記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つの金属酸化物、少なくとも1つのタンパク性材料及び少なくとも1つのポリマー性材料を含む。この特定実施形態において、金属酸化物、タンパク性材料及びポリマー性材料は、それぞれについて上記で定義されたそれぞれの例の1つ以上であることができることが理解される。この実施形態の1つの態様において、組成物は、金属酸化物、タンパク性材料及びポリマー性材料を有していないことだけが相違する組成物に比べて、向上した殺虫活性を示す。
【0026】
上記少なくとも1つの金属酸化物、少なくとも1つのタンパク性材料及び少なくとも1つのポリマー性材料は、通常、活性向上量で、この実施形態の本組成物内に存在する。活性向上量は、組成物の半減期を延ばし、又は金属酸化物、タンパク性材料及びポリマー性材料の不存在下での組成物の同じ殺虫防御又は防除に必要な量より少ないレベルで本組成物が有害生物を同様に防除できるようにする量である。換言すれば、金属酸化物、タンパク性材料及びポリマー性材料は、防御のために必要な割合を低減するか、又は本組成物の残効性を延ばす。
【0027】
さらに別の実施形態において、上記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つのタンパク性材料及び少なくとも1つのポリマー性材料を含む。この特定実施形態において、少なくとも1つのタンパク性材料及び少なくとも1つのポリマー性材料は、それぞれについて上記で定義されたそれぞれの例の1つ以上であることができることが理解される。この実施形態の1つの態様において、本組成物は、タンパク性材料及びポリマー性材料を有していないことだけが相違する組成物に比べて、向上した殺虫活性を示す。
【0028】
上記少なくとも1つのタンパク性材料及び少なくとも1つのポリマー性材料は、活性向上量で、この実施形態の本組成物内に存在する。活性向上量は、本組成物の半減期を延ばし、又はタンパク性材料及びポリマー性材料の不存在下での組成物の同じ殺虫防御又は防除に必要な量より少ないレベルで本組成物が有害生物を同様に防除できるようにする量である。換言すれば、タンパク性材料及びポリマー性材料は、防御のために必要な割合を低減するか、又は本組成物の残効性を延ばす。
【0029】
別の実施形態において、上記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つのポリマー性材料を含む。ポリマー性材料は、上記で記載されたポリマー性材料の1つ又はそれらの複数の混合物であってもよく、通常、活性向上量で、この実施形態の本組成物内に存在する。活性向上量は、本組成物の半減期を延ばし、又はポリマー性材料の不存在下での組成物の同じ殺虫防御又は防除に必要な量より少ないレベルで本組成物が有害生物を同様に防除できるようにする量である。換言すれば、ポリマー性材料は、防御のために必要な割合を低減するか、又は本組成物の残効性を延ばす。
【0030】
なお別の実施形態において、上記少なくとも1つの補助成分は、少なくとも1つの金属塩及び少なくとも1つのタンパク性材料を含む。この実施形態において、本組成物は、金属塩及びタンパク性材料を有していないことだけが相違する組成物に比べて向上した殺虫活性を示す。本明細書で使用される場合、「金属塩」という用語は、酸の水素が金属で置き換えられ、同時に酸と同じ有機又は無機部分を保持したままである化合物を指す。非限定例として、金属塩の一部を形成できる有機及び無機部分としては、酢酸塩、アセチルアセトネート、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩及びハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、フッ化物及びヨウ化物が挙げられる。
【0031】
1つ以上の形態において、金属塩は、遷移金属塩であることができる。遷移金属塩の非限定例としては、遷移金属アセテート、遷移金属アセチルアセトネート、遷移金属ニトレート、遷移金属スルフェート、遷移金属カルボナート、及びクロライド、フルオライド、ブロマイド及びヨージドを含む遷移金属ハライドが挙げられる。遷移金属アセテートのより詳細な例としては、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄(鉄(II))、酢酸第二鉄(鉄(III))、酢酸コバルト(II)及び酢酸第二銅(銅(II))が挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属アセチルアセトネートについては、より詳細ではあるが非限定例としては、第一銅(銅(I))アセチルアセトネート、第二銅(銅(II))アセチルアセトネート、ニッケル(II)アセチルアセトネート及び亜鉛アセチルアセトネートが挙げられる。遷移金属ニトレートのより詳細な例としては、硝酸亜鉛、硝酸第二銅(銅(II))、硝酸マンガン(II)、硝酸第二鉄(鉄(III))、硝酸コバルト(II)及び硝酸ニッケル(II)が挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属スルフェートの非限定例としては、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄(鉄(II))、硫酸第二鉄(鉄(III))、硫酸マンガン(II)、硫酸コバルト(II)、硫酸ニッケル(II)、及び硫酸第二銅(銅(II))が挙げられる。遷移金属カルボナートのいくつかの特定ではあるが、非限定の例としては、炭酸亜鉛、炭酸マンガン(II)、炭酸鉄、炭酸ニッケル(II)、炭酸コバルト(II)及び炭酸第二銅(銅(II))が挙げられる。遷移金属フルオライドのより詳細な例としては、フッ化第一銅(銅(I))、フッ化第二銅(銅(II))、フッ化亜鉛、フッ化マンガン(II)、フッ化マンガン(III)及びフッ化第二鉄(鉄(III))が挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属クロライドの非限定例としては、塩化亜鉛、塩化第一銅(銅(I))、塩化第二銅(銅(II))、塩化マンガン(II)、塩化ニッケル(II)、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄(鉄(II))、及び塩化第二鉄(鉄(III))が挙げられる。遷移金属ブロマイドに関して、いくつかの例としては、臭化亜鉛、臭化第一銅(銅(I))、臭化第二銅(銅(II))、臭化コバルト(II)、臭化第一鉄(鉄(II))、臭化第二鉄(鉄(III))、臭化マンガン(II)、及び臭化ニッケル(II)が挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属ヨージドのいくつかのより詳細であるが、非限定例としては、ヨウ化マンガン(II)、ヨウ化ニッケル(II)、ヨウ化第一銅(銅(I))及びヨウ化亜鉛が挙げられる。加えて、少なくとも1つの補助成分は、上記遷移金属塩のいずれかの組み合わせを含むことができることが想定される。
【0032】
この実施形態の別の形態において、上記少なくとも1つの遷移金属塩は水溶性であることが想定される。水溶性遷移金属塩の非限定例としては、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硝酸亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化第二銅(銅(II))、臭化第二銅(銅II))、臭化第一銅(銅(I))、硝酸第二銅(銅(II))、酢酸第二銅(銅(II))、硝酸ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、硝酸コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)、臭化コバルト(II)、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄(鉄(II))、塩化第二鉄(鉄(III))、硫酸第一鉄(鉄(II))、硫酸第二鉄(鉄(III))、酢酸第一鉄(鉄(II))、硝酸第二鉄(鉄(III))、臭化第一鉄(鉄(II))、硫酸マンガン(II)及び塩化マンガン(II)が挙げられる。
【0033】
少なくとも1つの金属塩及び少なくとも1つのタンパク性材料は、通常、活性向上量で、この実施形態の本組成物内に存在する。活性向上量は、本組成物の半減期を延ばし、又は金属塩及びタンパク性材料の不存在下での組成物の同じ殺虫防御又は防除に必要な量より少ないレベルで本組成物が有害生物を同様に防除できるようにする量である。換言すれば、金属塩及びタンパク性材料は、防御のために必要な割合を低減するか、又は本組成物の残効性を延ばす。
【0034】
上述の組成物のさらなる詳細及び例は、米国特許出願第12/768,057号、同第12/767,970号、及び同第12/768,084号に見出されることができ、それぞれの名称は「PESTICIDE COMPOSITIONS EXHIBITING ENHANCED ACTIVITY」であり、主題出願として同日に出願された。これらの出願は、2009年4月30日に出願された米国仮特許出願第61/214,953号、61/214,952及び同第61/214,965号、並びに2009年10月1日に出願された米国仮特許出願第61/278,006号の優先権を主張し、これらに関連する。上記で同定された出願それぞれの内容は、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。
【0035】
上記で記載された組成物は、いずれかの好適な様式で調製及び提供されることができ、さらに他の構成成分を含むことができ、それらのさらなる詳細を以下に与える。1つの代表的な形態において、本農薬、本農薬の殺虫活性を向上させる少なくとも1つの補助成分、水及び存在するならばいずれかの他の構成成分は、共に混合され、均質化され、液体組成物として提供される。今般、驚くべきことに、本液体組成物は、噴霧乾燥され、この液体組成物よりも向上した殺虫活性を示す固体組成物を提供することを見出した。本固体組成物は、いくつかの非限定的な可能性としてではあるが、粉末又は顆粒の形態であってもよい。
【0036】
当業者には理解されるように、他の可能性のうち供給割合、ノズル圧力、入口温度及び出口温度を含む噴霧乾燥プロセスの種々のパラメータは、行われるそれぞれのプロセスについて調節されてもよい。例えば、1つの非限定形態において、噴霧乾燥プロセスは、約200〜約500ml/hrの供給割合、約2bar〜約8barのノズル圧力、約95℃〜約180℃の入口温度及び約30℃〜約120℃の出口温度を利用してもよいことが想定される。別の非限定形態において、噴霧乾燥プロセスは、約250〜約450ml/hrの供給割合、約3bar〜約7barのノズル圧力、約105℃〜約150℃の入口温度及び約40℃〜約110℃の出口温度を利用してもよいことが想定される。さらに別の非限定形態において、噴霧乾燥プロセスは、約300〜約400ml/hrの供給割合、約4bar〜約6barのノズル圧力、約115℃〜約140℃の入口温度及び約50℃〜約100℃の出口温度を利用してもよいことが想定される。しかし、噴霧乾燥プロセスが行われる供給割合、ノズル圧力、入口温度及び出口温度の追加の値が想定される。さらに、噴霧乾燥プロセスの間に利用されるパラメータは、各組成物の特定製剤に依存し、噴霧乾燥される各組成物に含まれる成分の上限及び下限劣化限度によって制限されることが理解される。
【0037】
噴霧乾燥の間、本液体組成物は、少なくとも部分的に脱水され、又は乾燥され、こうした脱水又は乾燥は、本液体組成物を、それよりも水重量%が少ない固体組成物へ転化させる。1つ以上の形態において、噴霧乾燥は、固体組成物に転化されるときに、液体組成物から水のすべて又は実質的にすべてを除去する。しかし、残留水は、1つ以上の形態の固体組成物に存在してもよいことが理解される。
【0038】
1つの形態において、噴霧乾燥は、水を本液体組成物中の少なくとも約20重量%から、固体組成物中の約15重量%未満に低減する。さらに別の形態において、噴霧乾燥は、水を本液体組成物中の少なくとも約40重量%から、固体組成物中の約10重量%未満に低減する。なお別の形態において、噴霧乾燥は、水を本液体組成物中の少なくとも約50重量%から、固体組成物中の約5重量%未満に低減する。別の形態において、噴霧乾燥は、水を本液体組成物中の少なくとも約50重量%から、固体組成物中の約0.001%〜約2重量%に低減する。なお、本液体組成物から固体組成物に低減される水の量に関して別の可能性としての値が想定される。例えば、別の形態において、噴霧乾燥は、水を、本液体組成物中の約20%〜約90重量%から、固体組成物中の約0.001〜約15重量%に低減する。
【0039】
別の形態において、本固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001%〜約20重量%の水を含む。さらに別の形態において、本固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001%〜約15重量%の水を含む。なお別の形態において、本固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001%〜約10重量%の水を含む。別の形態において、本固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001%〜約5重量%の水を含む。さらに別の形態において、本固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001%〜約4重量%の水を含む。なお、別の形態において、本固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001%〜約2重量%の水を含む。別の形態において、本固体組成物は、噴霧乾燥後に約0.001%〜約1重量%の水を含む。しかし、噴霧乾燥後の本固体組成物中の水の重量%に関する別の可能性としての値が想定されることが理解される。
【0040】
先行して述べられていないが、水以外のいずれかの他の揮発性材料が本液体組成物中に存在する場合、それは通常、本液体組成物が噴霧乾燥中に固体組成物に転化されるときに全体的に又は実質的に除去される。しかし、水以外の残留揮発性材料は、噴霧乾燥後に固体組成物中に存在し得ることが想定される。加えて、本農薬及び本組成物の殺虫活性を向上させる少なくとも1つの補助成分は、一般に揮発性ではなく、一般に噴霧乾燥によって影響を受けない。故に、噴霧乾燥後の本固体組成物は、本液体組成物中の農薬と少なくとも1つの補助成分との重量比と同じ又は実質的に等価な、農薬と少なくとも1つの補助成分との重量比を含むことが理解される。
【0041】
有害生物
1つ以上の追加の実施形態において、本文書に開示される本発明は、有害生物の防除のために使用できる。
実施形態の1つでは、本文書に開示される本発明は、線形動物門(Phylum Nematoda)有害生物を防除するために使用できる。
別の実施形態では、本文書に開示される本発明は、節足動物門(Phylum Arthropoda)の有害生物を防除するために使用できる。
別の実施形態では、本文書に開示される本発明は、鋏角亜門(Subphylum Chelicerata)の有害生物を防除するために使用できる。
別の実施形態では、本文書に開示される本発明は、クモ綱(Class Arachnida)の有害生物を防除するために使用できる。
別の実施形態では、本文書に開示される本発明は、多足亜門(Subphylum Myriapoda)の有害生物を防除するために使用できる。
別の実施形態では、本文書に開示される本発明は、コムカデ綱(Class Symphyla)の有害生物を防除するために使用できる。
別の実施形態では、本文書に開示される本発明は、六脚亜門(Subphylum Hexapoda)の有害生物を防除するために使用できる。
別の実施形態では、本文書に開示される本発明は、昆虫綱(Class Insecta)の有害生物を防除するために使用できる。
【0042】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、鞘翅目(Coleoptera)(カブトムシ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アカントセリデス属種(Acanthoscelides spp.)(ゾウムシ)、アカントセリデス・オブテクツス、(Acanthoscelides obtectus)(インゲンマメゾウムシ)、アグリルス・プラニペンニス(Agrilus planipennis)(アオナガタマムシ)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)(ハリガネムシ)、アノプロフォラ・グラブリペンニス(Anoplophora glabripennis)(ツヤハダゴマダラカミキリ)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)(ゾウムシ)、アントノムス・グランディス(Anthonomus grandis)(ワタミゾウムシ)、アブラバチ亜科種(Aphidius spp.)、アピオン属種(Apion spp.)(ゾウムシ)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)(ジムシ)、アテニウス・スプレチュルス(Ataenius spretulus)(ブラックターフグラスアテニウス)、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)(ピグミーマンゴールドビートル(pygmy mangold beetle)、ウリハムシ属種(Aulacophore spp.)、ボチノデレス・パンクチベントリス(Bothynoderes punctiventris)(ビートルートゾウムシ(beet root weevil))、ブルクス属種(Bruchus spp.)(ゾウムシ)、ブルクス・ピソルム(Bruchus pisorum)(エンドウマメゾウムシ)、カコエキア属種(Cacoesia spp.)、カロソブルクス・マキラツス(Callosobruchus maculatus)(ヨツモンマメゾウムシ)、カルポフィルス・ヘミプテラス(Carpophilus hemipteras)(クリヤケシキスイ)、カッシダ・ビッタータ(Cassida vittata)、セロステルナ属種(Cerosterna spp)、セロトマ属種(Cerotoma spp.)(ハムシ)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)(ビーンリーフビートル)、シュートリンクス属種(Ceutorhynchus spp.)(ゾウムシ)、シュートリンクス・アシミリス(Ceutorhynchus assimilis)(キャベツ莢ゾウムシ)、シュートリンカス・ナピ(Ceutorhynchus napi)(キャベツシギゾウムシ)、チェトクネマ属種(Chaetocnema spp.)(サンゴジュハムシ)、コラスピス属種(Colaspis spp.)(ソイルビートル(soil beetles))、コノデルス・スカラリス(Conoderus scalaris)、コノデルス・スチグモサス(Conoderus stigmosus)、コノトラケルス・ネヌファー(Conotrachelus nenuphar)(スモモゾウムシ)、コティニス・ニティディス(Cotinus nitidis)(グリーンジューンビートル(Green June beetle))、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)(アスパラガスハムシ)、クリプトレステス・フェルギネウス(Cryptolestes ferrugineus)(サビカクムネヒラタムシ)、クリプトレステス・プシルス(Cryptolestes pusillus)(カクムネチビヒラタムシ)、クリプトレステス・ターシクス(Cryptolestes turcicus)(トルコカクムネヒラタムシ)、クテニセラ属種(Ctenicera spp.)(ハリガネムシ)、カーキュリオ属種(Curculio spp.)(シギゾウムシ)、コガネカブト属種(Cyclocephala spp.)(ジムシ)、シリンドロコプツルス・アドスペルスス(Cylindrocopturus adspersus)(ヒマワリノミキゾウムシ(sunflower stem weevil))、デポラウス・マルギナツス(Deporaus marginatus)(マンゴーリーフカッティングウィービル(mango leaf-cutting weevil))、デルメステス・ラルダリウス(Dermestes lardarius)(オビカツオブシムシ)、デルメステス・マキュラツス(Dermestes maculatus)(ハラジロカツオブシムシ)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)(ハムシ)、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)(インゲンテントウ)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ヒロビウス・パレス(Hylobius pales)(パレス・ウィービル(pales weevil))、ヒペラ属種(Hypera spp.)(ゾウムシ)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)(アルファルファゾウムシ)、ヒペルドス属種(Hyperdoes spp.)(ヒペルデスウィービル(Hyperodes weevil)、ヒポテネムス・ハムペイ(Hypothenemus hampei)(コーヒーノミキクイムシ)、イプス属種(Ips spp.)(キクイムシ)、ラシオデルマ・セリコルネ(Lasioderma serricorne)(タバコシバンムシ)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)(コロラドハムシ)、リオゲニス・フスクス(Liogenys fuscus)、リオゲニス・スツラリス(Liogenys suturalis)、リソルホプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)(イネミズゾウムシ)、リクツス属種(Lyctus spp.)(ヒラタキクイムシ)、マエコラスピス・ジョリベチ(Maecolaspis joliveti)、メガセリス属種(Megascelis spp.)、メラノツス・コンムニス(Melanotus communis)、メリゲテス属種(Meligethes spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)(ブロッサムビートル(blossom beetle))、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)(ヨーロッパコフキコガネ)、オベレア・ブレビス(Oberea brevis)、オベレア・リネアリス(Oberea linearis)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)(タイワンカブトシ)、オリザエフィルス・メルカトール(Oryzaephilus mercator)(オオメノコギリヒラタムシ)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)(ノコギリヒラタムシ)、オチオリンクス属種(Otiorhynchus spp.)(ゾウムシ)、オウレマ・メラノプス(Oulema melanopus)(穀類ハムシ)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パントモルス属種(Pantomorus spp.)(ゾウムシ)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)(メイ/ジューンビートル(May/June beetle))、フィロファガ・クヤバナ(Phyllophaga cuyabana)、フィロトレタ属種(Phyllotreta spp.)(ハムシ)、フィンキテス属種(Phynchites spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)(マメコガネ)、プロステファヌス・トルンカツス(Prostephanus truncates)(オオコナナガシンクイ)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)(コナナガシンクイ)、リゾトログス属種(Rhizotrogus spp.)(ヨーロピアンコガネムシ)、リンコフォルス属種(Rhynchophorus spp.)(ゾウムシ)、スコリツス属種(Scolytus spp.)(キクイムシ)、スフェノフォルス属種(Shenophorus spp.)(シバオサゾウムシ)、シトナ・リネアツス(Sitona lineatus)(アカアシチビコフキゾウムシ)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)(コクゾウムシ)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)(グラナリアコクゾウムシ)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)(ココクゾウムシ)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)(ジンサンシバンムシ)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)(フラワービートル(flour beetles))、トリボリウム・カスタネウム(Tribolium castaneum)(コクヌストモドキ)、トリボリウム・コンフスム(Tribolium confusum)(ヒラタコクヌストモドキ)、トロゴデルマ・バリアブル(Trogoderma variabile)(キマダラカツオブシムシ)、及びザブルス・テネビオイデス(Zabrus tenebioides)を含むが、これらに限定されない。
【0043】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、革翅目(Dermaptera)(ハサミムシ)を防除するために使用できる。
別の実施形態では、本文書に開示される本発明は、網翅目(Dictyoptera)(ゴキブリ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)(チャバネゴキブリ)、ブラタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)(トウヨウゴキブリ)、パルコブラタ・ペンシルバニカ(Parcoblatta pennylvanica)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)(ワモンゴキブリ)、ペリプラネタ・オーストラロアシアエ(Periplaneta australoasiae)(コワモンゴキブリ)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)(トビイロゴキブリ)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)(クロゴキブリ)、ピクノセルス・スリナメンシス(Pycnoselus suninamensis)(スリナムコックローチ(Surinam cockroach))、及びスペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)(チャオビゴキブリ)を含むが、これらに限定されない。
【0044】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、双翅目(Diptera)(ハエ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アエデス属種(Aedes spp.)(カ)、アグロミザ・フロンテラ(Agromyza frontella)(アルファルファブロッチリーフマイナー(alfalfa blotch leafminer))、アグロミザ属種(Agromyza spp.)(リーフマイナーフライ(leaf miner flies))、アナストレファ属種(フルーツフライ(fruit flies))、アナストレファ・サスペンサ(Anastrepha suspensa)(カリブミバエ)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)(ハマダラカ)、バクトロセラ属種(Batrocera spp.)(果実ミバエ)、バクトロセラ・ククルビタエ(Bactrocera cucurbitae)(ウリミバエ)、バクトロセラ・ドーサリス(Bactrocera dorsalis)(オリエンタルミバエ)、セラチチス属種(Ceratitis spp.)(果実ミバエ)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)(チチュウカイミバエ)、クリソプス属種(Chrysops spp.)(メクラアブ)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)(ラセンウジバエ)、コンタリニア属種(Contarinia spp.)(タマバエ)、クレクス属種(Culex spp.)(イエカ)、ダシネウラ属種(Dasineura spp.)(ノイバラハオレタマバエ)、ダシネウラ・ブラッシカ(Dasineura brassicae)(キャベツタマバエ(cabbage gall midge))、デリア属種(Delia spp.)、デリア・プラツラ(Delia platura)(タネバエ)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)(ショウジョウバエ)、ファニア属種(Fannia spp.)(ゴミハエ)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)(ヒメイエバエ)、ファニア・スカラリス(Fannia scalaris)(コブアシヒメイエバエ)、ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)(ウマバエ)、グラシリア・ペルセアエ(Gracillia perseae)、ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)(ノサシバエ)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)(ネクイムシ)、ヒポデルマ・リネアツム(Hypoderma lineatum)(キスジウシバエ)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)(ハモグリバエ)、リリオミザ・ブラッシカ(Liriomyza brassica)(マメハモグリバエ)、メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus)(ヒツジシラミバエ)、ムスカ属種(Musca spp.)(イエバエ)、ムスカ オータムナリス(Musca autumnalis)(非刺咬性バエ)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)(イエバエ)、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)(ヒツジバエ)、オシネラ・フリット(Oscinella frit)(ミバエ)、ペゴミイア・ベタエ(Pegomyia betae)(テンサイハモグリハナバエ)、フォルビア属種(Phorbia spp.)、プシラ・ロサエ(Psila rosae)(ニンジンサビバエ)、ラゴレチス・セラシ(Rhagoletis cerasi)(オウトウミバエ)、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)(リンゴウジ)、シトディプロシス・モセラナ(Sitodiplosis mosellana)(ムギアカタマバエ)、ストモキス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)(サシバエ)、タバヌス属種(Tabanus spp.)(アブ)、及びチプラ属種(Tipula spp.)(ガガンボ)を含むが、これらに限定されない。
【0045】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、半翅目(Hemiptera)(半翅目の昆虫(true bugs))を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare)(アヤナミカメムシ)、ブリッスス・ロイコプテルス(Blissus leucopterus)(アメリカコバネナガカメムシ)、カロコリス・ノルウェギクス(Calocoris norvegicus)(ポテトミリド(potato mirid))、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)(タイワントコジラミ)、シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)(トコジラミ)、ダグベルツス・ファスシアツス(Dagbertus fasciatus)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ディスデルクス・スツレルス(Dysdercus suturellus)(コットンスタイナー)、エデッサ・メディタブンダ(Edessa meditabunda)、エウリガスター・マウラ(Eurygaster maura)(チャイロカメムシ)、エウスキスツス・ヘロス(Euschistus heros)、エウスキスツス・セルブス(Euschistus servus)(カッショクカメムシ)、ヘロペルチス・アントニイ(Helopeltis antonii)、ヘロペルチス・テイボラ(Helopeltis theivora)(ティーブライトプラントバグ(tea blight plantbug))、ラギノトムス属種(Lagynotomus spp.)(カメムシ)、レプトコリサ・アラトリウス(Leptocorisa aratorius)、レプトコリサ・ヴァリコルニス(Leptocorisa varicornis)、リグス属種(Lygus spp.)(メクラカメムシ)、リグス・ヘスペルス(Lygus hesperus)(ウエスタン・ターニッシュト・プラントバグ(western tarnished plant bug))、マコネリコックス・ヒルスツス(Maconellicoccus hirsutus)、ニューロコルプス・ロンギロストリス(Neurocolpus longirostris)、ネザラ・ビリヅラ(Nezara viridula)(ミナミアオカメムシ)、フィトコリス属種(Phytocoris spp.)(メクラカメムシ)、フィトコリス・カロフォルニクス(Phytocoris californicus)、フィトコリス・レラチブス(Phytocoris relativus)、ピエゾドラス・ギルディンギ(Piezodorus guildingi)、ペシロカプスス・リネアツス(Poecilocapsus lineatus)(フォーラインドプラントバグ(fourlined plant bug))、プサルス・ヴァクシニコラ(Psallus vaccinicola)、プセウダシスタ・ペルセアエ(Pseudacysta perseae)、スカプトコリス・カスタネア(Scaptocoris castanea)、及びトリアトマ属種(Triatoma spp.)(吸血サシガメ)を含むが、これらに限定されない。
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、同翅目(Homoptera)(アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミ、ヨコバイ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アクリトシフォン・ピスム(Acrythosiphon pisum)(エンドウヒゲナガアブラムシ)、アデルゲス属種(Adelges spp.)(カサアブラムシ)、アレウロデス・プロレテラ(Aleurodes proletella)(タマナコナジラミ)、アレウロディクス・ディスペルセス(Aleurodicus disperses)、アレウロトリクウス・フロッコスス(Aleurothrixus floccosus)(ウーリーコナジラミ)、アルアカスピス属種(Aluacaspis spp.)、アムラスカビグテラビグテラ(Amrasca bigutella bigutella)、アフロフォラ属種(Aphrophora spp.) (ヨコバイ)、アオニディエラ・アウランティ(Aonidiella aurantii)(アカマルカイガラムシ)、アフィス属種(Aphis spp.)(アブラムシ)、アフィス・ゴッシピイ(Aphis gossypii)(ワタアブラムシ)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)(リンゴアブラムシ)、アウラコルサム・ソラニ(Aulacorthum solani)(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、ベミシア属種(Bemisia spp.)(コナジラミ)、ベミシア・アルジェンチフォリイ(Bemisia argentifolii)、ベミシア・タバキ(Bemisia tabaci)(タバココナジラミ)、ブラキコルス・ノキウス(Brachycolus noxius)(ロシアンアフィッド(Russian aphid))、ブラキコリネラ・アスパラギ(Brachycorynella asparagi)(アスパラガスアブラムシ(asparagus aphid))、ブレヴェンニア・レヒ(Brevennia rehi)、ブレビコリネ・ブラッシカ(Brevicoryne brassicae)(ダイコンアブラムシ)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)(カイガラムシ)、セロプラステス・ルベンス(Ceroplastes rubens)(ルビーロウカイガラムシ)、キオナスピス属種(Chionaspis spp.)(カイガラムシ)、クリソムファルス属種(Chrysomphalus spp.)(カイガラムシ)、コックス属種(Coccus spp.)(カイガラムシ)、ディサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)(オオバコアブラムシ)、エムポアスカ属種(Empoasca spp.)(ヨコバイ)、エリオソマ・ラニゲルム(Eriosoma lanigerum)(リンゴワタムシ)、イセリア・プルチャシ(Icerya purchasi)(ワタフキカイガラムシ)、イディオスコプス・ニチデゥルス(Idioscopus nitidulus)(マンゴーリーフホッパー(mango leafhopper))、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)(ヒメトビウンカ)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マクロシフム・ユーフォルビアエ(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、マクロシフム・グラナリウム(Macrosiphum granarium)(ムギヒゲナガアブラムシ)、マクロシフム・ロザエ(Macrosiphum rosae)(イバラヒゲナガアブラムシ)、マクロステレス・クアドリリネアツス(Macrosteles quadrilineatus)(フタテンヨコバイ)、マハナルバ・フリムビオラタ(Mahanarva frimbiolata)、メトポロフィウム・ジルホヅム(Metopolophium dirhodum)(ムギウスイロアブラム)、ミクチス・ロンギコルニス(Mictis longicornis)、ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)(モモアカアブラムシ)、ネフォティクス属種(Nephotettix spp.)(ヨコバイ)、ネフォテティクス・シンクチセプス(Nephotettix cincticeps)(ツマグロヨコバイ)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)(トビイロウンカ)、パルラトリア・ペルガンデイ(Parlatoria pergandii)(マルクロホシカイガラムシ)、パルラトリア・ジジフィ(Parlatoria ziziphi)(ヒメクロカイガラムシ)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)(トウモロコシウンカ)、フィラエヌス属種(Philaenus spp.)(アワフキムシ)、フィロキセラ・ヴィチフォリアエ(Phylloxera vitifoliae)(ブドウネアブラムシ)、フィソケルメス・ピセアエ(Physokermes piceae)(スプールスバッドスケール(spruce bud scale))、プラノコックス属種(Planococcus spp.)(コナカイガラムシ)、プセウドコックス属種(Pseudococcus spp.)(コナカイガラムシ)、プセウドコックス・ブレヴィペス(Pseudococcus brevipes)(パイナップルコナカイガラムシ)、クアドラスピディオツス・ペルニシオサス(Quadraspidiotus perniciosus)(ナシマルカイガラムシ)、ロラパロシフム属種(Rhapalosiphum spp.)(アブラムシ)、ラパロシフム・マイダ(Rhapalosiphum maida)(トウモロコシアブラムシ)、ラパロシフム・パディ(Rhapalosiphum padi)(ムギクビレアブラムシ)、サイセチア属種(Saissetia spp.)(カイガラムシ)、サイセチア・オレアエ(Saissetia oleae)(オリーブカタカイガラムシ)、スキザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)(ムギミドリアブラムシ)、シトビオン・アヴェナエ(Sitobion avenae)(ムギヒゲナガアブラムシ)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)(セジロウンカ)、テリオアフィス属種(Therioaphis spp.)(アブラムシ)、トウメイエラ属種(Toumeyella spp.)(カイガラムシ)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)(アブラムシ)、トリアレウロデス属種(Trialeurodes spp.)(コナジラミ)、トリアレウロデス・ヴァポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)(オンシツコナジラミ)、トリアレウロデス・アブチロネウス(Trialeurodes abutiloneus)(バンデッドウイングホワイトフライ(bandedwing whitefly))、ウナスピス属種(Unaspis spp.)(カイガラムシ)、ウナスピス・ヤノネンシス(Unaspis yanonensis)(ヤノネカイガラムシ)、及びズリア・エントレリアナ(Zulia entreriana)を含むが、これらに限定されない。
【0046】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、膜翅目(Hymenoptera)(アリ、カリバチ、及びハナバチ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アクロミルメクス属種(Acromyrrmex spp.)、アタリア・ロザエ(Athalia rosae)、アッタ属種(Atta spp.)(ハキリアリ)、カムポノツス属種(Camponotus spp.)(オオアリ)、ディプリオン属種(Diprion spp.)(ハバチ)、フォルミカ属種(Formica spp.)(ヤマアリ)、 イリドミルメクス・フミリス(Iridomyrmex humilis)(アルゼンチンアリ)、モノモリウム属種(Monomorium ssp.)、モノモリウム・ミニマム(Monomorium minumum)(イエヒメアリ(little black ant))、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)(イエヒメアリ(Pharaoh ant))、ネオディプリオン属(Neodiprion spp.)(ハバチ)、ポゴノミルメクス属種(Pogonomyrmex spp.)(収穫アリ)、ポリステス属種(Polistes spp.)(アシナガバチ)、ソレノプシス属種(Solenopsis spp.)(ファイアーアント(fire ants))、タピノマ・セシレ(Tapinoma sessile)(オドラスハウスアント)、テトラノモリウム属種(Tetranomorium spp.)(ペイブメントアント)、ヴェスプラ属種(Vespula spp.)(スズメバチ)、及びキシロコパ属種(Xylocopa spp.)(クマバチ)を含むが、これらに限定されない。
【0047】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、等翅目(Isoptera)(シロアリ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、コプトテルメス属種(Coptotermes spp.)、コプトテルメス・クルビグナタス(Coptotermes curvignathus)、コプトテルメス・フレンチ(Coptotermes frenchii)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus)(イエシロアリ)、コルニテルメス属種(Cornitermes spp.)(ムカシテングシロアリ)、クリプトテルメス属種(Cryptotermes spp.)(乾材シロアリ)、ヘテロテルメス属種(Heterotermes spp.)(デザート・サブテラニアン・ターマイト)、ヘテロテルメス・アウレウス(Heterotermes aureus)、カロテルメス属種(Kalotermes spp.)(乾材シロアリ)、インシスティテルメス属種(Incistitermes spp.)(乾材シロアリ)、マクロテルメス属種(Macrotermes spp.)(キノコシロアリ)、マルギニテルメス属種(Marginitermes spp.)(乾材シロアリ)、ミクロセロテルメス属種(Microcerotermes spp.)(収穫シロアリ)、ミクロテルメス・オベシ(Microtermes obesi)、プロコルニテルメス属種(Procornitermes spp.)、レティキュリテルメス属種(Reticulitermes spp.)(サブテラニアンターマイト)、レティキュリテルメス・バニュレンシス(Reticulitermes banyulensis)、レティキュリテルメス・グラッセイ(Reticulitermes grassei)、レティキュリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)(イースタンサブテラニアンターマイト)、レティキュリテルメス・ハゲニ(Reticulitermes hageni)、レティキュリテルメス・ヘスペルス(Reticulitermes hesperus)(ウエスタン・サブテラニアン・ターマイト)、レティキュリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レティキュリテルメス・スペラタス(Reticulitermes speratus)、レティキュリテルメス・チビアリス(Reticulitermes tibialis)、レティキュリテルメス・ビルギニクス(Reticulitermes virginicus)、シェドリノテルメス属種(Schedorhinotermes spp.)及びズーテルモプシス属種(Zootermopsis spp.)(ロットンウッドターマイト(rotten-wood termites))を含むが、これらに限定されない。
【0048】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、鱗翅目(Lepidoptera)(ガ及びチョウ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アコエア・ジャナタ(Achoea janata)、アドキソフィエス属種(Adoxophyes spp.)、アドキソフィエス・オラナ(Adoxophyes orana)、アグロチス属種(Agrotis spp.)(ヨトウムシ)、アグロチス・イプシロン(Agrotis ipsilon)(タマナヤガ)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)(コットンリーフワーム)、アモルビア・クネアナ(Amorbia cuneana)、アミエロシス・トランシテラ(Amyelosis transitella)(クルミマダラメイガ)、アナカムプトデス・デフェクタリア(Anacamptodes defectaria)、アナルシア・リネアテラ(Anarsia lineatella)(スモモゾウムシ)、アノミス・サブリフェラ(Anomis sabulijera)(ジュートルーパー(jute looper))、アンチカルシア・ゲムマタリス(Anticarsia gemmatalis)(ベルベットビーンキャタピラー)、アルキプス・アルギロスピラ(Archips argyrospila)(果樹ハマキムシ)、アルキプス・ロサナ(Archips rosana)(バラハマキムシ(rose leaf roller))、アルギロテニア属種(Argyrotaenia spp.)(ハマキガ)、アルギロテニア・シトラナ(Argyrotaenia citrana)(オレンジハマキガ)、オートグラファ・ガンマ(Autographa gamma)、ボナゴタ・クラナオデス(Bonagota cranaodes)、ボルボ・シンナラ(Borbo cinnara)(ユウレイセセリ)、ブッカラトリクス・スルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)(ウスマダラムグリガ)、カロプチリア属種(Caloptilia spp.)(ハモグリムシ)、カプア・レチキュラナ(Capua reticulana)、カルポシナ・ニポネンシス(Carposina niponensis)(モモシンクイガ)、チロ属種(Chilo spp.)、クルメチア・トランベルサ(Chlumetia transversa)(マンゴーフサヤガ)、コリストネウラ・ロサセアナ(Choristoneura rosaceana)(ハスオビハマキ)、クリソデイキス属種(Chrysodeixis spp.)、クナファロセルス・メディナリス(Cnaphalocerus medinalis)(グラスリーフローラー)、コリアス属種(Colias spp.)、コンポモルファ・クラメレラ(Conpomorpha cramerella)、コッサス・コッサス(Cossus cossus)(ヒメボクトウ)、クラムバス属種(Crambus spp.)(ソッドウエブワーム(Sod webworms))、シディア・フネブラナ(Cydia funebrana)(スモモヒメハマキ)、シディア・モレスタ(Cydia molesta)(ナシヒメシンクイ)、シディア・ニグニカナ(Cydia nignicana)(エンドウシンクイ)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)(コドリンガ)、ダルナ・ディダクタ(Darna diducta)、ジアファニア属種(Diaphania spp.)(ステムボーラー)、ジアトラエア属種(Diatraea spp.)(ストークボーラー)、ジアトラエア・サッカリス(Diatraea saccharalis)(シュガーケーンボーラー)、ジアトラエア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella)(サウスウエスタンコーンボーラー)、エアリアス属種(Earias spp.)(ボールワーム((bollworms))、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)(ミスジアオリンガ)、エアリアス・ビテラ(Earias vitella)(ラフノーザンボールワーム(rough northern bollworm))、エクジトポファ・アウランチアヌム(Ecdytopopha aurantianum)、エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus)(モロコシマダラメイガ)、エピフィシアス・ポストルッターナ(Epiphysias postruttana)(ライトブラウンアップルモス)、エフェスチア属種(Ephestia spp.)(フラウアーモス(flour moths))、エフェスチア・カウテラ(Ephestia cautella)(スジマダラメイガ)、エフェスチア・エルテラ(Ephestia elutella)(タバコメイガ)、エフェスチア・クエニエラ(Ephestia kuehniella)(スジコナマダラメイガ)、エピメシス属種(Epimecis spp.)、エピノチア・アポレマ(Epinotia aporema)、エリオノタ・トゥラクス(Erionota thrax)(バナナセセリ)、エウポエシリア・アムビグエラ(Eupoecilia ambiguella)(ブドウホソハマキ)、ユーキソア・アウキシリアリス(Euxoa auxiliaris)(アーミーカットワーム(army cutworm))、フェルチア属種(Feltia spp.)(ヨトウムシ)、ゴルチナ属種(Gortyna spp.)(ステムボーラー)、グラフォリタ・モレスタ(Grapholita molesta)(ナシノヒメシンクイ)、ヘディレプタ・インディカタ(Hedylepta indicata)(マエウスキノメイガ)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)(ノクチュイドモス(noctuid moths))、ヘリコベルパ・アルミゲラ(Helicoverpa armigera)(オオタバコガ)、ヘリコベルパ・ゼア(Helicoverpa zea)(ボールワーム/アメリカタバコガ)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)(ノクチュイドモス)、ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)(タバコバドワーム)、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)(ハイマダラノメイガ)、インダルベラ属種(Indarbela spp.)(ネクイムシ)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)(トマトピンワーム)、ロイシノデス・オルボナリス(Leucinodes orbonalis)(ナスノメイガ)、ロイコプテラ・マリフォリエラ(Leucoptera malifoliella)、リソコレチクス属種((Lithocollectis spp.)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)(グレイプフルーツモス(grape fruit moth))、ロキサグロチス属種(Loxagrotis spp.)(ノクチュイドモス)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)(ウエスタンビーンカットワーム(western bean cutworm))、リマントリア・ディスパル(Lymantria dispar)(マイマイガ)、リオネチア・クレルケラ(Lyonetia clerkella)(モモハモグリガ)、マハセナ・コルベッティ(Mahasena corbetti)(アブラヤシミノムシ)、マラコソマ属種(Malacosoma spp.)(テンマクケムシ)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)(ヨトウガ)、マルカ・テスチュラリス(Maruca testulalis)(マメノメイガ)、メチサ・プラナ(Metisa plana)(ミノムシ)、ミチムナ・ユニプンクタ(Mythimna unipuncta)(トゥルーアーミーワーーム(true armyworm))、ネオロイシノデス・エレガンタリス(Neoleucinodes elegantalis)(トマトスモールボーラー)、ニムフラ・デプンクタリス(Nymphula depunctalis)(イネミズメイガ)、オペロフテラ・ブルマータ(Operophthera brumata)(ナミスジフユナミシャク)、オストリナ・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)(ヨーロッパアワノメイガ)、オクシジア・ベスリア(Oxydia vesulia)、パンデミス・セラサナ(Pandemis cerasana)(ヤマトビハマキ)、パンデミス・ヘパラナ(Pandemis heparana)(トビハマキ)、パピリオ・デモドクス(Papilio demodocus)(アフリカオナシアゲハ)、ペクチノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)(ワタアカミムシガ)、ペリドローマ属種(Peridroma spp.)(ネキリムシ)、ペリドローマ・サウシア(Peridroma saucia)(ニセタマナヤガ)、ペリロイコプテラ・コフェエラ(Perileucoptera coffeella)(ホワイトコーヒーリーフマイナー(white coffee leaf miner))、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)(ジャガイモキバガ)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、フィロノリクテル属種(Phyllonorycter spp.)(ハモグリバエ)、ピエリス・ラパエ(Pieris rapae)(モンシロチョウ)、プラチペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、プロディア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)(ノシメマダラメイガ)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(コナガ)、ポリクロシス・ビテアナ(Polychrosis viteana)(ブドウヒメハマキ)、プライス・エンドカルパ(Prays endocarpa)、プライス・オレアエ(Prays oleae)(オリーブモス(olive moth))、シューダレチア属種(Pseudaletia spp.)(ノクチュイドモス)、シューダレチア・ユニプンクタ(Pseudaletia unipuncta)(ヨトウムシ)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)(キンウワバ)、ラキプルシア・ヌ(Rachiplusia nu)、シルポファガ・インセルチュラス(Scirpophaga incertulas)、セサミア属種(Sesamia spp.)(ステムボーラー)、セサミア・インフェレンス(Sesamia inferens)(イネヨトウ)、セサミア・ノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides)、セトラ・ニテンス(Setora nitens)、シトトロガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella)(バクガ)、スパルガノチス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)(アーミーワーム)、スポドプテラ・エクシグア(Spodoptera exigua)(シロイチモジヨトウ)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(アキアワヨトウ)、スポドプテラ・オリダニア(Spodoptera oridania)(サザンアーミーワーム)、シナンテドン属種(Synanthedon spp.)(ネクイムシ)、テクラ・バシリデス(Thecla basilides)、テルミシア・ゲムマタリス(Thermisia gemmatalis)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)(コイガ)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)(イラクサギンウワバ)、ツタ・アブソルータ(Tuta absoluta)、イポノメウタ属種(Yponomeuta spp.)、ゼウゼラ・コフィアエ(Zeuzera coffeae)(コーヒーゴマフボクトウ)、及びゼウゼラ・ピリナ(Zeuzera pyrina)(レオパードモス(leopard moth))を含むが、これらに限定されない。
【0049】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、食毛目(Mallophaga)(ハジラミ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、ボビコラ・オビス(Bovicola ovis)(ヒツジハジラミ)、メナカンサス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)(ニワトリオオハジラミ)、及びメノポン・ガリナ(Menopon gallinea)(ニワトリハジラミ)を含むが、これらに限定されない。
【0050】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、直翅目(Orthoptera)(バッタ、イナゴ及びコオロギ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アナブラス・シンプレクス(Anabrus simplex)(モルモンクリケット)、グリロタルピダエ(Gryllotalpidae)(ケラ)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)(バッタ)、ミクロセントラム・レチネルベ(Microcentrum retinerve)(アンギュラーウイングドケイティディド(angular winged katydid))、プテロフィラ属種(Pterophylla spp.)(キリギリス)、シストセルカ・グレガリア(chistocerca gregaria)、スカデリア・フルカタ(Scudderia furcata)(フォークテイルドブッシュケイティディド(forktailed bush katydid))、及びヴァランガ・ニグリコルニ(Valanga nigricorni)を含むが、これらに限定されない。
【0051】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、フチラプテラ目(Phthiraptera)(吸血シラミ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、ヘマトピヌス属種(Haematopinus spp.)(ウシ及びブタのシラミ)、リノグナサス・オビラス(Linognathus ovillus)(ヒツジ体幹寄生ホソジラミ)、ペディキュラス・ヒューマナス・カピチス(Pediculus humanus capitis)(アナマジラミ)、ペディキュラス・ヒューマナス・ヒューマナス(Pediculus humanus humanus)(コロモジラミ)、及びプチルス・プビス(Pthirus pubis)(ケジラミ)を含むが、これらに限定されない。
【0052】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、シフォナプテラ目(Siphonaptera)(ノミ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalidees canis)(イヌノミ)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalidees felis)(ネコノミ)、及びプレクス・イリタンス(Pulex irritans)(ヒトノミ)を含むが、これらに限定されない。
【0053】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、総翅目(Thysanoptera)(アザミウマ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)(タバコアザミウマ)、フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis)(ミカンキイロアザミウマ)、フランクリニエラ・シュルツェイ(Frankliniella shultzei)、フランクリニエラ・ウィリアムジ(Frankliniella williamsi)(コーンスリップ(corn thrips))、ヘリオスリップス・ヘモロイダリス(Heliothrips haemorrhoidalis)(クロトンアザミウマ)、リフィフォロスリップス・クルエンタツス(Riphiphorothrips cruentatus)、シルトスリップス属種(Scirtothrips spp.)、シルトスリップス・シトリ(Scirtothrips citri)(シトラススリップ(citrus thrips))、シルトスリップス・ドルサリス(Scirtothrips dorsalis)(イエローティースリップ(yellow tea thrips))、テニオスリップス・ロパランテナリス(Taeniothrips rhopalantennalis)、及びスリップス属種(Thrips spp.)を含むが、これらに限定されない。
【0054】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、総尾目(Thysanura)(シミ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、レピスマ属種(Lepisma spp.)(セイヨウシミ)、及びテルモビア属種(Thermobia spp.)(マダラシミ)を含むが、これらに限定されない。
【0055】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、アカリナ目(Acarina)(ダニ及びマダニ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アカラピス・ウッディ(Acarapis woodi)(アカリンダニ)、アカルス属種(Acarus spp.)(フードマイト(food mites))、アカルス・シロ(Acarus siro)(アシブトコナダニ)、アセリア・マンギフェラエ(Aceria mangiferae)(マンゴーバッドマイト(mango bud mite))、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクロプス・リコペルシシ(Aculops lycopersici)(トマトサビダニ)、アクロプス・ペレカジ(Aculops pelekasi)、アクルス・ペレカッシイ(Aculus pelekassi)(ミカンサビダニ)、アクルス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)(リンゴサビダニ)、アムブリオマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)(アメリカキララマダニ)、ブーフィルス属種(Boophilus spp.)(マダニ)、ブレビパルプス・オボバツス(Brevipalpus obovatus)(ナシマルカイガラムシ)、ブレビパルプス・フェニシス(Brevipalpus phoenicis)(ミナミヒメハダニ)、デモデクス属種(Demodex spp.)(顔ダニ)、デルマセントール属種(Dermacentor spp.)(カクマダニ)、デルマセントール・バリアビリス(Dermacentor variabilis)(アメリカイヌダニ)、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス(Dermatophagoides pteronyssinus)(ヤケヒョウヒダニ)、エオテトラニカス属種(Eotetranycus spp.)、エオテトラニカス・カルピニ(Eotetranychus carpini)(イエローマイト)、エピチメラス属種(Epitimerus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)(マダニ)、メタテトラニクス属種(Metatetranycus spp.)、ノトエドレス・カチ(Notoedres cati)(ネコショウセンコウヒゼンダニ)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オリゴニクス・コフィー(Oligonychus coffee)、オリゴニクス・イリクス(Oligonychus ilicus)(チビコブツメハダニ)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)(ミカンハダニ)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)(リンゴハダニ)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)(ミカンサビダニ)、ポリファゴタルソネムン・ラツス(Polyphagotarsonemun latus)(ブロードマイト(broad mite))、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)(クリイロコイタマダニ)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)(バルブマイト(bulb mites))、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)(セゼンダニ)、テゴロフス・ペルセアフロラエ(Tegolophus perseaflorae)、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)、テトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)(ナミハダニ)、及びバロア・デストルクトール(Varroa destructor)(ミツバチヘギイタダニ)を含むが、これらに限定されない。
【0056】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、線形動物門(Nematoda)(線虫)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)(芽及び葉の線虫及びマツノザイセンチュウ(bud and leaf & pine wood nematodes))、ベロノライムス属種(Belonolaimus spp.)(スティングネマトード(sting nematodes))、クリコネメラ属種(Criconemella spp.)(ワセンチュウ)、ジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)(犬糸状虫)、ジチレンクス属種(Ditylenchus spp.)(葉柄と鱗茎の線虫(stem and bulb nematodes))、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)(シスト線虫)、ヘテロデラ・ゼアエ(Heterodera zeae)(コーンシスト線虫)、ヒルシュマンニエラ属種(Hirschmanniella spp.)(ネモグリセンチュウ)、ホプロライムス属種(Hoplolaimus spp.)(ヤリセンチュウ)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)(ネコブセンチュウ)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)(ネコブセンチュウ)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)(回旋糸状虫)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)(根ぐされ線虫)、ラドフォラス属種(Radopholus spp.)(ネモグリセンチュウ)、及びロチレンクス・レニフォルミス(Rotylenchus reniformis)(ニセフクロセンチュウ)を含むが、これらに限定されない。
【0057】
別の実施形態において、本文書に開示される本発明は、コムカデ綱(Symphyla)(コムカデ)を防除するために使用できる。これらの有害生物の非網羅的なリストは、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata)を含むが、これらに限定されない。
【0058】
より詳細な情報については、「Handbook of Pest Control - The Behavior, Life History, and Control of Household Pests」(Arnold Mallisによる、第9版、著作権2004、GIE Media Inc.による)を参照のこと。
【0059】
混合物
本文書に開示される組成物はまた、経済的理由や相乗作用の理由により、ダニ駆除剤、殺藻剤、摂食阻害剤、殺鳥剤、殺菌剤、鳥忌避剤、不妊剤、防カビ剤、除草剤解毒剤、除草剤、昆虫誘引物質、昆虫忌避剤、哺乳類忌避剤、交信撹乱剤、軟体動物駆除剤、他の殺虫剤、他の農薬、植物活性化剤、植物成長調節剤、殺鼠剤、共力剤、枯れ葉剤、乾枯剤、消毒剤、情報物質及び殺ウィルス剤(これらの分類は、必ずしも互いに排他的ではない)と共に使用できる。
【0060】
製剤
本文書に記載される組成物はまた、植物学的に許容される不活性担体と共に提供されてもよく、例えば、餌、濃縮エマルション、ダスト、乳化性濃縮物、燻蒸物、ゲル、顆粒、ミクロカプセル化、シード処理、懸濁濃縮物、サスポエマルション、錠剤、水溶性液体、水分散性顆粒又は乾燥流動物、湿潤性粉末、及び超低体積溶液に配合されることができる。
【0061】
製剤のタイプに関するさらなる情報に関しては、「CATALOGUE OF PESTICIDE FORMULATION TYPES AND INTERNATIONAL CODING SYSTEM」(Technical Monograph n2、第5版、CropLife International(2002)による)を参照のこと。
【0062】
農薬組成物は、多くの場合、こうした組成物の濃縮製剤から調製される水性懸濁物又はエマルションとして適用されることができる。こうした水溶性、水懸濁性、又は乳化性製剤は、普通は湿潤性粉末又は水分散性顆粒として既知の固体、又は普通は乳化性濃縮物又は水性懸濁物として既知の液体のいずれかである。湿潤性粉末は、水分散性顆粒を形成するために圧縮されてもよく、農薬組成物、担体、及び界面活性剤の均質混合物を含む。この担体は、普通は、アタパルジャイト粘土、モンモリロナイト粘土、珪藻土、又は精製されたケイ酸塩から選択される。有効な界面活性剤は、湿潤性粉末の約0.5%〜約10%を構成でき、スルホン化リグニン、縮合されたナフタレンスルホネート、ナフタレンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルフェート、及び非イオン性界面活性剤、例えばアルキルフェノールのエチレンオキシド付加体から見出される。
【0063】
乳化性濃縮物は、水混和性溶媒又は水−不混和性有機溶媒及び乳化剤の混合物のいずれかである担体中に溶解される農薬組成物を都合の良い濃度で含む。有用な有機溶媒は、芳香族物質、特にキシレン及び石油画分、特に石油の高沸点ナフタレン性及びオレフィン性部分、例えば重質芳香族ナフサを含む。他の有機溶媒、例えばテルペン系溶媒(ロジン誘導体、脂肪族ケトン、例えばシクロヘキサノンを含む)、及び複合アルコール、例えば2−エトキシエタノールが使用されてもよい。乳化性濃縮物に好適な乳化剤は、従来のアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤から選択される。
【0064】
水性懸濁物は、水性担体に分散される水不溶性農薬組成物の懸濁物を含む。懸濁物は、農薬組成物を細砕し、水及び界面活性剤を含む担体に激しく混合させることによって調製される。成分、例えば無機塩及び合成又は天然ガムも添加されてもよく、水性担体の密度及び粘度を増大させてもよい。多くの場合、水性混合物を調製し、サンドミル、ボールミル、又はピストンタイプのホモジナイザーのような器具において均質化することによって、農薬組成物を同時に粉砕及び混合するのが最も有効である。
【0065】
農薬組成物はまた、土壌に適用するために特に有用な顆粒製剤として適用されてもよい。顆粒製剤は、粘度又は同様の物質を含む担体中に分散される農薬組成物を含有する。こうした製剤は、普通は、農薬組成物を好適な溶媒に溶解し、それを約0.5〜3mmの範囲の適切な粒径に予備形成された顆粒状の担体に適用することによって調製される。こうした製剤はまた、担体及び農薬組成物のドー又はペーストを製造し、粉砕し、乾燥して、所望の顆粒粒径を得ることによって配合されてもよい。
【0066】
農薬組成物を含有するダストは、粉末形態の農薬組成物を好適なダスト状農業担体、例えばカオリン粘土、粉砕火山岩などと均質混合することによって調製される。ダストは、種子粉衣又はダストブロワー装置による茎葉適用として適用できる。
【0067】
農業化学において広く使用されている適切な有機溶媒、通常は石油中の溶液の形態で農薬組成物、例えば噴霧オイルを適用することも同様に実用的である。
【0068】
農薬組成物はまた、エアロゾル製剤の形態で適用することもできる。そのような製剤では、農薬組成物が、圧を発生させる噴射剤混合物である担体に溶解又は分散している。エアロゾル製剤は容器内に収められており、そこから噴霧弁を通して混合物が分配される。
【0069】
農薬殺虫餌は、農薬組成物を食品又は誘引物質又はその両方と混合する場合に形成される。有害生物が餌を食した場合、同時に農薬組成物も消費することになる。餌は、顆粒、ゲル、流動性の粉末、液体又は固体の形態をとり得る。それらは有害生物の生息場所(pest harborages)で又は生息場所付近に使用されてもよい。
【0070】
燻蒸剤は比較的高い蒸気圧を有する農薬であり、それ故土壌中又は狭い場所の有害生物を殺傷するのに十分な濃度のガスとして存在し得る。燻蒸剤の毒性はその濃度と暴露時間とに比例する。それらは、良好な分散能力を特徴とし、有害生物の呼吸器系に浸透するか又は有害生物のクチクラを通して吸収されることによって作用する。燻蒸剤は、ガスを通さないシートの下で、ガス気密室若しくは建物内で、又は特殊なチャンバー内で貯蔵製品有害生物を防除するために適用される。
【0071】
油剤濃縮物は、農薬組成物を、それを溶液中に保持する溶媒に溶解することによって製造される。農薬組成物の油剤は、通常、溶媒自体が殺虫作用を有すること及び農薬の吸収の速度を高める、外皮のろう様被膜の溶解によって、他の製剤よりも迅速な有害生物のノックダウン及び死滅を提供する。油剤の他の利点は、より良好な貯蔵安定性、より良好な隙間浸透性、及び油っぽい表面へのより良好な付着を含む。
【0072】
別の実施形態は水中油型エマルションであり、このエマルションは、各々がラメラ液晶コーティングを備えた、水相に分散している油性小球を含み、各々の油性小球は、農業的に活性である少なくとも1つの化合物を含有し、(1)少なくとも1つの非イオン性親油性表面活性剤、(2)少なくとも1つの非イオン性親水性表面活性剤及び(3)少なくとも1つのイオン性表面活性剤を含むモノラメラ層又はオリゴラメラ層で個別にコーティングされており、小球は800ナノメートル未満の中間粒子直径を有する。この実施形態に関するさらなる情報は、米国特許出願第11/495,228号を有する、2007年2月1日公開の米国特許出願公開第20070027034号に開示されている。使用の容易さのためにこの実施形態は「OIWE」と称される。
【0073】
さらなる情報については、「Insect Pest Management」(第2版、D.Dent編、著作権CAB International(2000))を参照。加えて、より詳細な情報に関しては、「Handbook of Pest Control - The Behavior, Life History, and Control of Household Pests」(Arnold Mallisによる、第9版、著作権2004、GIE Media Inc.による)を参照。
【0074】
他の製剤成分
一般に、本文書に開示される本発明が製剤中で使用される場合、そのような製剤は他の構成成分も含有し得る。これらの構成成分は(これは非網羅的及び非相互排他的なリストである)、湿潤剤、展着剤、固着剤、浸透剤、緩衝剤、金属イオン封鎖剤、ドリフト低減剤、相溶剤、消泡剤、洗浄剤及び乳化剤を含むが、これらに限定されない。いくつかの構成成分を以下に記載する。
【0075】
湿潤剤は、液体に添加された場合、液体と液体が広がっている表面との間の界面張力を低下させることによって液体の展着力又は浸透力を高める物質である。湿潤剤は、農薬製剤における2つの主要な機能、すなわち加工処理と製造の間、可溶性液体用の濃縮物又は懸濁濃縮物を製造するために水中での粉末の湿潤速度を高めるため、及びスプレータンク内で製品を水と混合する間、湿潤性粉末の湿潤時間を低減し、水分散性顆粒への水の浸透を改善するために使用される。湿潤性粉末、懸濁濃縮物及び水分散性顆粒製剤において使用される湿潤剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;アルキルフェノールエトキシレート;及び脂肪族アルコールエトキシレートである。
【0076】
分散剤は、粒子の表面に吸着して、粒子の分散状態を維持するのを助け、粒子が再凝集するのを防ぐ物質である。分散剤は、製造の間の分散と懸濁とを促進し、粒子をスプレータンク内で確実に再分散させるために農業製剤に添加される。それらは、湿潤性粉末、懸濁濃縮物及び水分散性顆粒において広く使用される。分散剤として使用される界面活性剤は、粒子表面に強く吸着し、粒子の再凝集に対する電荷障害又は立体障害を与える能力を有する。最も一般的に使用される界面活性剤は、アニオン性、非イオン性又はその2つのタイプの混合物である。湿潤性粉末製剤については、最も一般的な分散剤はリグノスルホン酸ナトリウムである。懸濁濃縮物については、高分子電解質、例えばナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物を使用して非常に良好な吸着と安定化が得られる。トリスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステルも使用される。非イオン性物質、例えばアルキルアリールエチレンオキシド縮合物及びEO−POブロックコポリマーは、場合によっては懸濁濃縮物のための分散剤としてアニオン性物質と組み合わされる。近年、新しいタイプの非常に高い分子量のポリマー界面活性剤が分散剤として開発されてきた。これらは、非常に長い疎水性「骨格」及び「櫛型」界面活性剤の「歯」を形成する多数のエチレンオキシド鎖を有する。これらの高分子量ポリマーは、疎水性骨格が粒子表面への多くの係留点を有するので、懸濁濃縮物に非常に良好な長期安定性を与えることができる。農業製剤において使用される分散剤の例は、リグノスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物;トリスチリルフェノールエトキシレートのリン酸エステル;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルエトキシレート;EO−POブロックコポリマー;及びグラフトコポリマーである。
【0077】
乳化剤は、1つの液相の液滴の、別の液相への懸濁を安定化する物質である。乳化剤が存在しなければ、2つの液体は2つの不混和性液相に分離する。最も一般的に使用される乳化剤ブレンドは、12又はそれ以上のエチレンオキシド単位を有するアルキルフェノール又は脂肪族アルコール及びドデシルベンゼンスルホン酸の油溶性カルシウム塩を含有する。8〜18の一連の親水親油バランス(「HLB」)値は、通常、良好な安定性のエマルションを提供する。エマルションの安定性は、時として少量のEO−POブロックコポリマー界面活性剤の添加によって改善され得る。
【0078】
可溶化剤は、臨界ミセル濃度を上回る濃度で水中にてミセルを形成する界面活性剤である。ミセルは、その後、ミセルの疎水性部分の内部の水不溶性物質を溶解又は可溶化することができる。可溶化のために通常使用される界面活性剤のタイプは、非イオン性界面活性剤;モノオレイン酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタンエトキシレート;及びオレイン酸メチルエステルである。
【0079】
界面活性剤は、時として、標的に対する農薬の生物学的性能を改善するためにスプレータンクミックスへの補助剤として、単独で又は他の添加物、例えば鉱油又は植物油と共に使用される。生物学的増強のために使用される界面活性剤のタイプは、一般に農薬の性質と作用機構に依存する。しかし、それらはしばしば非イオン性物質、例えばアルキルエトキシレート;直鎖状脂肪族アルコールエトキシレート;脂肪族アミンエトキシレートである。
【0080】
有機溶媒は、主として乳化性濃縮物の製剤、ULV製剤、及びより低い頻度で顆粒製剤に使用される。時として溶媒の混合物が使用される。溶媒の最初の主要な群は、脂肪族パラフィンオイル、例えばケロセン又は精製パラフィンである。2番目の主要群であり、最も一般的な群は、芳香族溶媒、例えばキシレン及びC9及びC10芳香族溶媒のより高い分子量画分を含む。塩素化炭化水素は、製剤を水に乳化する際に農薬の結晶化を防ぐための共溶媒として有用である。アルコールは、溶媒力を高めるために時として共溶媒として使用される。
【0081】
増粘剤又はゲル化剤は、液体のレオロジー又は流動特性を変化させるため及び分散粒子又は液滴の分離と沈降を防ぐために主として懸濁濃縮物、エマルション及びサスポエマルションの製剤において使用される。増粘剤、ゲル化剤及び沈降防止剤は、一般に2つのカテゴリー、すなわち水不溶性粒子と水溶性ポリマーに分類される。粘土及びケイ酸塩を使用して懸濁濃縮物の製剤を製造することが可能である。これらのタイプの物質の例としては、モンモリロナイト、例えばベントナイト;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;及びアタパルジャイトを含むが、これらに限定されない。水溶性多糖類は、長年にわたって増粘−ゲル化剤として使用されてきた。最も一般的に使用される多糖類のタイプは、種子及び海藻の天然抽出物であるか又はセルロースの合成誘導体である。これらのタイプの物質の例としては、グアーガム;ローカストビーンガム;カラゲナン;アルギネート;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC);ヒドロキシメチルセルロース(HEC)を含むが、これらに限定されない。他のタイプの沈降防止剤は、加工デンプン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール及びポリエチレンオキシドに基づく。別の良好な沈降防止剤はキサンタンガムである。
【0082】
微生物は配合された製品の腐敗を引き起こす。それ故、それらの作用を排除するか又は低減するために防腐剤が使用される。そのような防腐剤の例としては、プロピオン酸及びそのナトリウム塩;ソルビン酸及びそのナトリウム又はカリウム塩;安息香酸及びそのナトリウム塩;p−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム塩;メチルp−ヒドロキシ安息香酸塩;並びに1,2−ベンズイソチアザリン−3−オン(BIT)を含むが、これらに限定されない。
【0083】
界面張力を低下させる界面活性剤の存在は、しばしば製造及びスプレータンクを通しての適用における混合操作の間に水ベースの製剤の発泡を生じさせる。発泡傾向を低減するため、消泡剤が製造段階の間又はビンへの充填の前に添加されることが多い。一般に、2つのタイプの消泡剤、すなわちシリコーンと非シリコーンがある。シリコーンは通常ジメチルポリシロキサンの水性エマルションであり、非シリコーン消泡剤は水不溶性オイル、例えばオクタノール及びノナノール、又はシリカである。どちらの場合も、消泡剤の機能は界面活性剤を空気−水界面から移動させることである。
【0084】
さらなる情報については、「Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations」(D.A.Knowles編、著作権、1998、Kluwer Academic Publishersによる)を参照。また、「Insecticides in Agriculture and Environment - Retrospects and Prospects」(A.S.Perry、I.Yamamoto、I.Ishaaya、及びR.Perryによる、著作権1998、Springer−Verlagによる)も参照のこと。
【0085】
適用
有害生物の存在場所に適用される農薬組成物の実際の量は一般に重要ではなく、当業者によって容易に決定され得る。一般に、1ヘクタール当たり約0.01グラムの農薬から1ヘクタール当たり約5000グラムまでの農薬の濃度が良好な防除を提供すると予想される。
【0086】
農薬組成物を適用する場所は、有害生物が生息するいずれかの場所、例えば野菜作物、果実及び堅果の成る木、ブドウの木、観賞植物、家畜、建物の内部又は外部表面、並びに建物の周囲の土壌であり得る。有害生物の防除は、一般に、有害生物個体群、活性又はその両方を、当該場所で低減することを意味する。これは、有害生物個体群が当該場所から撃退される場合;有害生物が当該場所に又は当該場所付近にて行動不能になる場合;又は有害生物が全体として又は部分的に、当該場所にて又は当該場所付近で根絶される場合に生じる。もちろん、これらの結果の組み合わせも生じ得る。一般に、有害生物個体群、活性又はその両方は、50%を超えて、好ましくは90%を超えて低減される。
【0087】
一般に、餌に関しては、地面、例えばシロアリが餌と接触し得る地面に餌を置く。餌はまた、例えばアリ、シロアリ、ゴキブリ及びハエが餌と接触し得る、建物の表面(水平、垂直又は斜平面)にも適用できる。
【0088】
農薬組成物に抵抗する一部の有害生物の卵の独特の能力のために、新たに出現した幼虫を防除するには反復適用が望ましい場合がある。
【0089】
植物における農薬の浸透性移動は、植物のある部分に存在する有害生物を植物の異なる部分に農薬組成物を適用することによって防除するために利用され得る。例えば、茎葉摂食昆虫の防除は、点滴灌漑又はうね間適用によって、又は植付けの前に種子を処理することによって実施できる。種子処理は、特殊な形質を発現するように遺伝的に形質転換された植物が発芽する種子を含む、すべてのタイプの種子に適用できる。代表的な例としては、無脊椎動物有害生物に対して毒性であるタンパク質、例えばバチルス・チューリンゲンシス又は他の殺虫性毒素を発現するもの、除草剤耐性を発現するもの、例えば「Roundup Ready」種子、又は殺虫剤毒性、除草剤耐性、栄養強化若しくは何らかの他の有益な形質を発現する「積層(stacked)」外来遺伝子を有するものを含む。さらに、本文書に開示される本発明によるそのような種子処理は、ストレスの多い生育条件によりよく耐える植物の能力をさらに向上させることができる。これは、より健康で、より強い植物を生じさせ、収穫時により高い収率を導き得る。
【0090】
本発明が、特殊な形質、例えばバチルス・チューリンゲンシス又は他の殺虫性毒素を発現するように遺伝的に形質転換された植物、又は除草剤耐性を発現するもの、又は殺虫剤毒性、除草剤耐性、栄養強化若しくは何らかの他の有益な形質を発現する「積み重なった」外来遺伝子を有するものに関して使用できることは容易に明白であるはずである。
【0091】
本文書に開示される本発明は、獣医学部門又は動物飼育の分野において内部寄生生物及び外部寄生生物を防除することに適する。組成物は、既知の様式、例えば錠剤、カプセル、飲料、顆粒の形態での経口投与によって、例えば浸漬、噴霧、注ぎかけ(pouring on)及び散粉の形態での経皮適用によって、並びに例えば注射の形態での非経口投与によって適用される。
【0092】
本文書に開示される本発明はまた、家畜の飼育、例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ及びガチョウに有利に使用できる。適切な製剤を飲料水又は食餌と共に動物に経口投与する。適切な投与量及び製剤は種に依存する。
【0093】
農薬組成物が使用又は市販され得る前に、そのような組成物は様々な政府当局(地方、地域、州、国、国際的)による長期にわたる評価過程を受ける。膨大なデータ要件が規制当局によって規定されており、製品登録者による又は製品登録者の代理人によるデータの作成と提出を通してそれらの要件に対応しなければならない。次に政府当局がそのようなデータを精査し、安全性の決定が下されれば、潜在的な使用者又は販売者に製品登録の認可が与えられる。その後、製品登録が許諾され、支持された地域において、そのような使用者又は販売者はそのような農薬を使用し、販売し得る。
【実施例】
【0094】
以下の実施例は、本文書に開示される本発明を例示することを目的とし、これらの実施例に開示される実施形態だけに本発明を限定するものとして構成されるものではない。
【0095】
実施例組成物
それぞれ以下に記載される実施例組成物AからHは、スピネトラムを含む。スピネトラムは、50〜90%の(2R,3aR,5aR,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bR)−2−(6−デオキシ−3−O−エチル−2,4−ジ−O−メチル−α−L−マンノピラノシルオキシ)−13−[(2R,5S,6R)−5−(ジメチルアミノ)テトラヒドロ−6−メチルピラン−2−イルオキシ]−9−エチル−2,3,3a,4,5,5a,5b,6,9,10,11,12,13,14,16a,16b−ヘキサデカヒドロ−14−メチル−1H−as−インダセノ[3,2−d]オキサシクロドデシン−7,15−ジオン及び50〜10%の(2R,3aR,5aS,5bS,9S,13S,14R,16aS,16bS)−2−(6−デオキシ−3−O−エチル−2,4−ジ−O−メチル−α−L−マンノピラノシルオキシ)−13−[(2R,5S,6R)−5−(ジメチルアミノ)テトラヒドロ−6−メチルピラン−2−イルオキシ]−9−エチル−2,3,3a,5a,5b,6,9,10,11,12,13,14,16a,16b−テトラデカヒドロ−4,14−ジメチル−1H−as−インダセノ[3,2−d]オキサシクロドデシン−7,15−ジオンの混合物である。スピネトラムは、天然産物から合成誘導され、通常種々の不純物が付随する。従って、以下の実施例AからHにて調製される組成物のそれぞれについて、不純物の存在を決定するために使用されるアッセイをスピネトラムに対して行った。
【0096】
各アッセイに関して、較正原液サンプルは、分析標準形態のスピネトラム約43mgを10.0mLの精製水と共に、125mLガラス瓶に添加することによって調製した。ガラス瓶は、スピネトラムが精製水中に分散するまで優しく旋回させた。次いで100.0mLのメタノールをガラス瓶中の水/スピネトラム混合物に添加した。10mLの精製水及び実施例AからHのそれぞれにおいて使用される約50mgのスピネトラム生成物を125mLガラス瓶に添加することによって第2の溶液を調製した。ガラス瓶を、スピネトラムが精製水に分散するまで優しく旋回させた。次いで100.0mLのメタノールをこの混合物に添加した。次いで各サンプルを、以下の器具類を用いて以下の条件下で行われる液体クロマトグラフィを用いて分析した:
クロマトグラフ:Agilent(正式にはHewlett Packard)モデル1100又は等価品
カラム:Phenomenex Luna,C8(2)3μm、150m×4.6mmカラム
移動相A:2g/Lアンモニウムアセテートを有する水、酢酸により5.5にpH調整
移動相B:アセトニトリル/メタノール(80:20,v:v)
等張溶出:20%A/80%B
フロー:1.0mL/分
注入体積:10.0μL
検出器:UV@250nm
実行時間:20分
積分器:Agilent EZChrom Eliteデータ蓄積システム、又は等価品。
液体クロマトグラフィの結果に基づいて、実施例AからHに使用されるスピネトラム生成物のそれぞれの純粋なスピネトラム構成成分の重量%を計算した。次いで不純物の重量%は、純粋なスピネトラム構成成分の重量%を100から差し引くことによって計算した。各実施例AからHにおいてスピネトラム不純物の重量%を、これらの計算に基づいて以下に与える。
【0097】
実施例A:
他の成分のうち特にスピネトラム、酸化亜鉛及び卵白を含む液体組成物を、次のように調製した。スピネトラム、Reax(登録商標)88A(MeadWestvaco Corporation,P.O.Box118005,Charleston,SC29423から市販の分散剤である)、Geropon(登録商標)SDS(Rhodia,Inc.,8Cedar Brook Drive,Cranbury,NJ08512から市販の界面活性剤である)、及び25〜50%w/wのスピネトラムを有する懸濁濃縮物を与えるようなバランス量の水を、共に混合した。得られた混合物をEiger Mini Motormill媒体ミルにて、粒径1〜10μm(体積加重中間直径)にミル加工した。粒径を、Malvern Mastersizer2000レーザー回折粒子分析器を用いて測定した。ミル加工の後、Nanox(登録商標)500(Elementis Specialties,Inc.,P.O.Box700,329Wyckoffs Mill Road,Hightstown,NJ08520から市販の酸化亜鉛製品である)及びGradeII鶏卵の白身由来の卵白(Sigma Aldrich Corporation,3050 Spruce St.,St.Louis,MO63103)を、撹拌下で混合物に添加した。混合物の総固体濃度を、水を添加することによって20〜50重量%の範囲に調節した。次いで混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザーを用いて約15〜30分間均質化した。前述の成分の重量%を、液体組成物の総重量に対する各成分の重量を比較することによって計算し、表1に示す。表1はまた、上述のアッセイ手順によって決定される値に基づく液体組成物中のスピネトラム不純物の重量%を示す。
【表1】

【0098】
実施例Aの液体組成物を後で生物学的効力の実験に関して使用したが、アッセイは、試験用の適切な濃度を調製可能にするように、純粋なスピネトラムの重量による割合を予め決定するために行った。このアッセイ手順に関して、較正原液サンプルを、精製水10.0mL中の分析標準形態スピネトラム約43mgを、125mLガラス瓶に添加することによって調製した。ガラス瓶をスピネトラムが精製水中に分散するまで優しく旋回させた。次いで100.0mLのメタノールをガラス瓶中の水/スピネトラム混合物に添加した。第2の溶液を、10mLの精製水及び約130mgの液体組成物を、125mLガラス瓶に添加することによって調製した。ガラス瓶を組成物が精製水中に分散するまで優しく旋回させた。次いで100.0mLのメタノールをこの混合物に添加し、この混合物を機械的振とう器で少なくとも約5分間振とうした。次いで混合物のアリコートを0.45μmナイロン・シリンジ・フィルターを通してろ過したが、最初の数滴のろ液を捨て、残りのろ液を液体クロマトグラフィ用のサンプルとして提供した。次いで各サンプルを、次の器具類及び次の条件下で行う液体クロマトグラフィを用いて分析した:
クロマトグラフ:Agilent(正式にはHewlett Packard)モデル1100又は等価品
カラム:Phenomenex Luna,C8(2)3μm、150m×4.6mmカラム
移動相A:2g/Lアンモニウムアセテートを有する水、酢酸により5.5にpH調整
移動相B:アセトニトリル/メタノール(80:20,v:v)
等張溶出:20%A/80%B
フロー:1.0mL/分
注入体積:10.0μL
検出器:UV@250nm
実行時間:20分
積分器:Agilent EZChrom Eliteデータ蓄積システム、又は等価品。
液体クロマトグラフィの結果に基づいて、実施例Aの液体組成物に関して純粋なスピネトラム構成成分の重量%が3.1%であると計算された。
【0099】
実施例B:
実施例Aにて調製された液体組成物の一部をBuchi(登録商標)Model190ベンチトップ噴霧乾燥器(Buchi Corporation,19 Lukens Drive,Suite400,New Castle,DE19720)を用いて約300〜400ml/hrの供給割合、4〜6barのノズル圧力、115〜140℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度にて噴霧乾燥し、固体組成物としての実施例Bを与えた。噴霧乾燥プロセスは、実施例Bの固体組成物に転化されるときに、実施例Aの液体組成物からの水及びその他の揮発性成分のすべて又は実質的にすべてを除去すると考えられる。水を除いた実施例Aの液体組成物中の成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、実施例Bの固体組成物中の各成分に関する重量%は、噴霧乾燥中の実施例Aの液体組成物から除去されたすべての水に基づいて決定された。これらの重量%を表2に示す。
【表2】

【0100】
実施例Bの固体組成物を後で生物学的効力の実験に関して使用したので、アッセイは、試験用の適切な濃度を調製可能にするように、純粋なスピネトラムの重量による割合を予め決定するために行った。このアッセイ手順に関して、較正原液サンプルを、精製水10.0mL中の分析標準形態スピネトラム約43mgを125mLガラス瓶に添加することによって調製した。ガラス瓶をスピネトラムが精製水中に分散するまで優しく旋回させた。次いで100.0mLのメタノールをガラス瓶中の水/スピネトラム混合物に添加した。第2の溶液を、10mLの精製水及び約130mgの実施例Bの固体組成物を、125mLガラス瓶に添加することによって調製した。ガラス瓶を固体組成物が精製水中に分散するまで優しく旋回させた。次いで100.0mLのメタノールをこの混合物に添加し、この混合物を機械的振とう器上で少なくとも約5分間振とうした。次いで混合物のアリコートを0.45μmナイロン・シリンジ・フィルターを通してろ過したが、最初の数滴のろ液を捨て、残りのろ液を液体クロマトグラフィ用のサンプルとして提供した。次いで各サンプルを、実施例Aにて上記で示した器具類を用い、それらに示されたパラメータに従って行う液体クロマトグラフィを用いて分析した。液体クロマトグラフィの結果に基づいて、実施例Bの固体組成物に関して純粋なスピネトラム構成成分の重量%が11.4%であると計算された。
【0101】
実施例C:
他の成分のうち特にスピネトラム、卵白及びポリビニルアルコールを含む液体組成物を、次のように調製した。スピネトラム、Reax(登録商標)88A、Geropon(登録商標)SDS、及び25〜50%w/wのスピネトラムを有する懸濁濃縮物を与えるようなバランス量の水を、共に混合した。得られた混合物をEiger Machinery,Inc.からのEiger Mini Motormill媒体ミルにて、粒径1〜10μm(体積加重中間直径)にミル加工した。粒径を、Malvern Mastersizer2000レーザー回折粒子分析器(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて測定した。ミル加工の後、GradeII鶏卵の白身由来の卵白及びCelvol(登録商標)205(Celanese Corporation,1601 West LBJ Freeway,Dallas,Texas,75234)のポリビニルアルコール15%w/w水溶液を、撹拌下で混合物に添加した。Celvol(登録商標)205ポリビニルアルコールの15%w/w水溶液は、製造者の指示に従って調製した。混合物の総固体濃度を、水を添加することによって20〜50重量%の範囲に調節した。次いで混合物を、Silverson L4RT−Aホモジナイザー(Silverson Machines Inc.製)を用いて約15〜30分間均質化した。前述の成分の重量%を、液体組成物の総重量に対する各成分の重量を比較することによって計算し、表3に示す。表3はまた、上述のアッセイ手順によって決定される値に基づく液体組成物中のスピネトラム不純物の重量%を示す。
【表3】

【0102】
実施例Cの液体組成物を後で生物学的効力の実験に関して使用したが、アッセイは、試験用の適切な濃度を調製可能にするように、純粋なスピネトラムの重量による割合を予め決定するために行った。このアッセイを実施例Aに関して上述された手順に従って行い、液体組成物に関して純粋なスピネトラム構成成分の重量%が4.0%であると計算された。
【0103】
実施例D:
実施例Cにて調製された液体組成物の一部をBuchi CorporationからのBuchi(登録商標)Model190ベンチトップ噴霧乾燥器を用いて約300〜400ml/hrの供給割合、4〜6barのノズル圧力、115〜140℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度にて噴霧乾燥し、固体組成物としての実施例Dを与えた。噴霧乾燥プロセスは、実施例Dの固体組成物に転化されるときに、実施例Cの液体組成物からの水及びその他の揮発性成分のすべて又は実質的にすべてを除去すると考えられる。水を除いた実施例Cの液体組成物中の成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、実施例Dの固体組成物中の各成分に関する重量%は、噴霧乾燥中の実施例Cの液体組成物から除去されたすべての水に基づいて決定された。これらの重量%を表4に示す。
【表4】

【0104】
実施例Dの固体組成物を後で生物学的効力の実験に関して使用したが、アッセイは、試験用の適切な濃度を調製可能にするように、純粋なスピネトラムの重量による割合を予め決定するために行った。このアッセイを実施例Bに関して上述された手順に従って行い、実施例Dの粉末組成物に関して純粋なスピネトラム構成成分の重量%が9.6%であると計算された。
【0105】
実施例E:
他の成分のうち特にスピネトラム、酸化鉄(III)及びポリビニルピロリドン製品を含む液体組成物を次のように調製した。スピネトラム、Kraftsperse(登録商標)25M(MeadWestvaco Corporation,P.O.Box118005,Charleston,SC29423から市販の分散剤である)、Soprophor(登録商標)3D33(Rhodia,Inc.,8Cedar Brook Drive,Cranbury,NJ08512から市販の界面活性剤である)、Dow Corning(登録商標)200(Dow Corning Corporation,P.O.Box994,Midland,MI48686から市販の消泡剤である)、Proxel(登録商標)GXL(Arch Chemicals,Inc.,1955 Lake Park Drive,Suite100,Smyrna,Georgia30080から市販の静菌剤溶液である)及び25〜50%w/wのスピネトラムを有する懸濁濃縮物を与えるようなバランス量の水を、共に混合した。得られた混合物をEiger Mini Motormill媒体ミルにて、粒径1〜10μm(体積加重中間直径)にミル加工した。粒径を、Malvern Mastersizer2000レーザー回折粒子分析器を用いて測定した。ミル加工の後、500Mの酸化鉄(III)製品(Magnetics International,Inc.,Foster Plaza No.7,661 Andersen Drive,Pittsburgh,PA15220から市販)及びAgrimerVA6(International Specialty Products,Inc.,1361Alps Road,Wayne,New Jersey 07470から市販)の4:6比ビニルピロリドン/ビニルアセテートコ−ポリマーの5%w/w水溶液(ロット番号5600168453)を、撹拌下で混合物に添加した。AgrimerVA6の5%w/w水溶液は、適切な量のAgrimerVA6と水とを混合することによって調製した。混合物の総固体濃度を、水を添加することによって20〜50重量%の範囲に調節した。次いで混合物を、SilversonL4RT−Aホモジナイザーを用いて約15〜30分間均質化した。前述の成分の重量%を、液体組成物の総重量に対する各成分の重量を比較することによって計算し、表5に示す。表5はまた、上述のアッセイ手順によって決定される値に基づく組成物中のスピネトラム不純物の重量%を示す。
【表5】

【0106】
実施例Eの液体組成物を後で生物学的効力の実験に関して使用したが、アッセイは、試験用の適切な濃度を調製可能にするように、純粋なスピネトラムの重量による割合を予め決定するために行った。このアッセイを実施例Aに関して上述された手順に従って行い、液体組成物に関して純粋なスピネトラム構成成分の重量%が6.2%であると計算された。
【0107】
実施例F:
実施例Eにて調製された液体組成物の一部をBuchi CorporationからのBuchi(登録商標)Model190ベンチトップ噴霧乾燥器を用いて約300〜400ml/hrの供給割合、4〜6barのノズル圧力、115〜140℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度にて噴霧乾燥し、固体組成物としての実施例Fを与えた。噴霧乾燥プロセスは、実施例Fの固体組成物に転化されるときに、実施例Eの液体組成物からの水及びその他の揮発性成分のすべて又は実質的にすべてを除去すると考えられる。水を除いた実施例Eの液体組成物中の成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、実施例Fの固体組成物中の各成分に関する重量%は、噴霧乾燥中の実施例Eの液体組成物から除去されたすべての水に基づいて決定された。これらの重量%を表6に示す。
【表6】

【0108】
実施例Fの固体組成物を後で生物学的効力の実験に関して使用したが、アッセイは、試験用の適切な濃度を調製可能にするように、純粋なスピネトラムの重量による割合を予め決定するために行った。このアッセイを実施例Bに関して上述された手順に従って行い、実施例Fの粉末組成物に関して純粋なスピネトラム構成成分の重量%が31.3%であると計算された。
【0109】
実施例G:
実施例Eにて調製された液体組成物の別の一部をBuchi Corporation製Buchi(登録商標)Model190ベンチトップ噴霧乾燥器を用いて約300〜400ml/hrの供給割合、4〜6barのノズル圧力、150℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度にて噴霧乾燥し、固体組成物としての実施例Gを与えた。噴霧乾燥プロセスは、実施例Gの固体組成物に転化されるときに、実施例Eの液体組成物からの水及びその他の揮発性成分のすべて又は実質的にすべてを除去すると考えられる。水を除いた実施例Eの液体組成物中の成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、実施例Gの固体組成物中の各成分に関する重量%は、噴霧乾燥中の実施例Eの液体組成物から除去されたすべての水に基づいて決定された。これらの重量%を表7に示す。
【表7】

【0110】
実施例Eの固体組成物は、後で生物学的効力の実験に関して使用したが、アッセイは、試験用の適切な濃度を調製可能にするように、純粋なスピネトラムの重量による割合を予め決定するために行った。このアッセイを実施例Bに関して上述された手順に従って行い、実施例Gの粉末組成物に関して純粋なスピネトラム構成成分の重量%が34.57%であると計算された。
【0111】
実施例H
実施例Eにて調製された液体組成物の別の一部をBuchi CorporationからのBuchi(登録商標)Model190ベンチトップ噴霧乾燥器を用いて約300〜400ml/hrの供給割合、4〜6barのノズル圧力、170℃の入口温度及び50〜100℃の出口温度にて噴霧乾燥し、固体組成物としての実施例Hを与えた。噴霧乾燥プロセスは、実施例Hの固体組成物に転化されるときに、実施例Eの液体組成物からの水及びその他の揮発性成分のすべて又は実質的にすべてを除去すると考えられる。水を除いた実施例Eの液体組成物中の成分はいずれも揮発性でないと考えられるので、実施例Hの固体組成物中の各成分に関する重量%は、噴霧乾燥中の実施例Eの液体組成物から除去されたすべての水に基づいて決定された。これらの重量%を表8に示す。
【表8】

【0112】
実施例Hの固体組成物は、後で生物学的効力の実験に関して使用したが、アッセイは、試験用の適切な濃度を調製可能にするように、純粋なスピネトラムの重量による割合を予め決定するために行った。このアッセイを実施例Bに関して上述された手順に従って行い、実施例Hの粉末組成物に関して純粋なスピネトラム構成成分の重量%が35.33%であると計算された。
【0113】
上記で示されるように、噴霧乾燥後に与えられた固体組成物は、液体組成物中の農薬と少なくとも1つの補助成分との重量比と同じ又は実質的に等価な農薬と少なくとも1つの補助成分との重量比を含む。例えば、実施例A及びBに関して、実施例Aは、酸化亜鉛とスピネトラムとの重量比3.2:1、卵白とスピネトラムとの重量比5.1:1及び卵白と酸化亜鉛との重量比1.6:1を含み、一方で実施例Bは、酸化亜鉛とスピネトラムとの重量比3.3:1、卵白とスピネトラムとの重量比5.1:1及び卵白と酸化亜鉛との重量比1.6:1を含む。実施例C及びDに関して、実施例Cは、卵白とスピネトラムとの重量比7.1:1、ポリビニルアルコールとスピネトラムとの重量比1.6:1及び卵白とポリビニルアルコールとの重量比4.4:1を含み、一方で実施例Dは、卵白とスピネトラムとの重量比7.1:1、ポリビニルアルコールとスピネトラムとの重量比1.6:1及び卵白とポリビニルアルコールとの重量比4.4:1を含む。実施例E並びにF、G及びHに関して、実施例Eは、酸化鉄(III)とスピネトラムとの重量比1.7:1、AgrimerVA6とスピネトラムとの重量比0.2:1及びAgrimerVA6と酸化鉄(III)との重量比0.1:1を含み、一方で実施例F、G及びHはそれぞれ、酸化鉄(III)とスピネトラムとの重量比1.7:1、AgrimerVA6とスピネトラムとの重量比0.2:1及びAgrimerVA6と酸化鉄(III)との重量比0.1:1を含む。このパラグラフに上記で示したそれぞれの重量比は、少数第2位を四捨五入した。
【0114】
生物学的効力試験
生物学的効力実験は、次のパラメータに従って行った。スピネトラムコントロール溶液を、スピネトラムの懸濁濃縮製剤であるRadiant(登録商標)、又はスピネトラムの水分散性顆粒製剤であるDelegate(登録商標)のいずれかを水中で利用して、125ppmの溶液中のスピネトラム濃度を得るように調製した。Radiant(登録商標)及びDelegate(登録商標)は、Dow AgroSciences LLC,9330Zionsville Road,Indianapolis,IN,46268から市販されている。試験溶液も、実施例A、C及びEの液体組成物、並びに実施例B、D及びFからHの固体組成物(集合的に実施例AからHの溶液)を水中で利用して、各溶液において125ppmのスピネトラム濃度を得るように調製した。これらの溶液と、水だけのコントロールとを、鉢植えのトウガラシ植物(カプシカム・アンニューム(Capsicum annuum))に、200L/Haの噴霧当量を送達するように較正されたMandelトラック噴霧器を用いて適用した。処理された植物を乾燥させ、次いで自然光にて屋外で又は自然光に匹敵するレベルで紫外光を発する一組のランプの下で経年させた。処理後の適切な時間にて、すなわち処理の4、7及び10日後;4、7及び11日後;又は5及び10日後、2.5cm直径のディスクを、処理された葉から切断した。1つの葉ディスクを、湿分を与えるために寒天薄層も含有する32ウェルのプラスチックトレイの各ウェルに配置した。処理あたり8個の複製ディスクがあった。各ウェルは、3匹の二齢のシロイチモンジョトウの幼虫(Spodoptera exigua)を侵入させ、ウェルをプラスチックフィルムで密封した。幼虫を、25℃/40%相対湿度の環境チャンバーに保持した。侵入後48時間にて、幼虫を死亡率に関して格付けした。幼虫がつつかれた後に動かない場合は死んだと見なし、死亡率(防除%)を計算した。
【0115】
実施例IからIVに関して、以下の表9に、未処理の標準に対するスピネトラムコントロール溶液に関連する昆虫の防除%を示す。実施例AからH溶液に関して、表9は、スピネトラムコントロール溶液に対する防除%(すなわち、(実施例AからH溶液による防除%)−(スピネトラムコントロール溶液による防除%))における改善を示す。表9は、スピネトラムコントロール溶液に対する平均改善を示し、それはそれぞれの日に関して、コントロールに対する個々の改善を合計し、次いで測定数で除することによって計算した。表9に示されるように、実施例B、D及びFからH溶液は、噴霧乾燥によって与えられた固体組成物を利用したものであり、実施例A、C及びE溶液それぞれに対して向上した殺虫活性を示した。
【表9】


本文書における見出しは、便宜上だけのものであり、それらの部分的な解釈に使用されてはならない。
【0116】
本明細書に記載されるいずれかの理論、操作機構、証明又は見解は、本発明の理解をさらに深めるためのものであり、こうした理論、操作機構、証明又は見解に依存したいかなる方法によっても本発明が成されることを意図するものではない。上記の説明において好ましい(preferable)、好ましくは(preferably)又は好ましい(preferred)という言語の使用は、そのように記載された特徴が、より望ましい場合があるが、それにもかかわらず、それが必要ではない場合もあり、それらを欠いた実施形態は、以下の特許請求の範囲によって定義された範囲である本発明の範囲内であると想定されることが理解される。特許請求の範囲を読む際に、「1つの」(a、an)、「少なくとも1つの」、「少なくとも一部分」のような言語が使用される場合、請求項に反対のことが特に記載されない限り、1つのみと請求項を限定することを意図していないことを意図する。さらに、文言「少なくとも一部分」及び/又は「一部分」が使用される場合、そのアイテムは、反対のことが特に記載されない限り、一部分及び/又は全体のアイテムを含み得る。本発明は、図面及び前述の説明に詳細に例示され、記載されているが、それらはチャプターにおいて例示として考慮され、制限ではないものとして考えられるべきであり、選択された実施形態だけが示され、記載されていること、本明細書に規定されるような又は次の請求項のいずれかによって本発明の趣旨内にあるすべての変化、変更及び等価が保護されるのが望ましいことが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの大環状ラクトン殺虫剤、及び少なくとも1つの補助成分を含む液体組成物を提供する工程であって、前記少なくとも1つの補助成分は、前記少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて前記組成物の殺虫活性を向上させ、前記少なくとも1つの補助成分が、少なくとも1つの金属酸化物、少なくとも1つの遷移金属塩及び少なくとも1つのタンパク性材料の組み合わせ、又は少なくとも1つのタンパク性材料及び少なくとも1つのポリマー性材料の組み合わせからなる群から選択される成分を含む、工程;及び
前記液体組成物を噴霧乾燥して、固体組成物を提供する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの補助成分の成分が、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化銅、酸化マンガン及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの金属酸化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの補助成分がさらに、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン誘導体、ラテックス、テルペンポリマー、多糖類、多糖類誘導体、ポリビニルアセテート、及びポリビニルアセテート誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む少なくとも1つのポリマー性材料を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの補助成分がさらに、アミノ酸、ウシ血清アルブミン、卵白、乳清、ゼラチン及びゼインからなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む少なくとも1つのタンパク性材料を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの補助成分の成分が、少なくとも1つの遷移金属塩及び少なくとも1つのタンパク性材料の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの遷移金属塩の遷移金属が、亜鉛、鉄、銅及びマンガンからなる群から選択され、前記少なくとも1つのタンパク性材料が、ウシ血清アルブミン、卵白、乳清、ゼラチン及びゼインからなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの補助成分の成分が、前記少なくとも1つのタンパク性材料及び前記少なくとも1つのポリマー性材料の組み合わせを含み、前記少なくとも1つのタンパク性材料は、ウシ血清アルブミン、卵白、乳清、ゼラチン及びゼインからなる群から選択される少なくとも1つの成分を含み、前記少なくとも1つのポリマー性材料が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ラテックス、及びテルペンポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
スピネトラム、酸化第二鉄及びポリビニルピロリドンを含むポリマー性材料を含む液体組成物を提供する工程;及び
前記液体組成物を噴霧乾燥し、固体組成物を提供する工程
を含む、方法。
【請求項9】
前記固体組成物が、前記液体組成物に比べて向上した殺虫活性を示す、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記噴霧乾燥が、前記液体組成物中の少なくとも約50重量%から、前記固体組成物中の約5重量%未満に水を低減する工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの農薬、及び少なくとも1つの補助成分を含む固体材料を含む組成物であって、前記少なくとも1つの補助成分は、前記少なくとも1つの補助成分を有していないことだけが相違する組成物に比べて前記組成物の殺虫活性を向上させ、前記固体材料は、前記個体材料中の前記少なくとも1つの農薬及び前記少なくとも1つの補助成分の重量比に実質的に等価な重量比で前記少なくとも1つの農薬及び前記少なくとも1つの補助成分を含む液体組成物に比べて、向上した殺虫活性を示す、組成物。
【請求項12】
前記固体材料が、約10重量%未満の水を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記固体材料が、約0.001重量%〜約2重量%の水を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの農薬がスピネトラムを含み、前記少なくとも1つの補助成分が、少なくとも1つの金属酸化物及び少なくとも1つのポリマー性材料を含み、前記少なくとも1つの金属酸化物が酸化第二鉄を含み、前記少なくとも1つのポリマー性材料がポリビニルピロリドンを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
防除が所望される場所に、請求項11から14のいずれか一項に記載の昆虫不活性化量の組成物を適用する工程を含む、昆虫を防除する方法。

【公表番号】特表2012−525382(P2012−525382A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508473(P2012−508473)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/001238
【国際公開番号】WO2010/126583
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】