説明

吸い殻入れ付ライター収納ケース

【課題】 大きさや形状の異なるライターを容易に且つ抜け出さないように収納することができる吸い殻入れ付ライター収納ケースを実現する。
【解決手段】 断面四角形の有底筒状体の上部および一側部に開口部5,6を有し、かつ上部の開口部13を開閉する蓋体11を備えた外ケース2と、上部を開口し、内部にライター3を挿脱可能に収納する内ケース4とからなり、この内ケース4が、前記外ケース2に、この外ケース2の側部の開口部6から引出し可能でかつ抜け止めされて収容され、前記外ケース2から前記内ケース4を引き出すことにより、前記外ケース2と前記内ケース4の外ケース2側の側壁とで形成される空間を吸い殻入れ部20とした吸い殻入れ付ライター収納ケース1であって、前記内ケース4の側壁に、弾性変形可能な素材で形成され、前記内ケース4内に収納されたライターに弾発的に圧接する保持部材26を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライターを収納することができる上に、吸い殻を入れることもできる吸い殻入れ付ライター収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
街の中や公園、野山などでタバコを吸う場合、吸い殻入れが近くにないことが多い。吸い殻入れが近くにない場合、喫煙者は、タバコを吸い終わった後、その吸い殻をそのまま投げ捨てざるを得ず、投げ捨てられた吸い殻により、街の美観が損なわれたり、火災が発生したりするおそれがある。
【0003】
吸い殻の投げ捨てを防止するためのものとして、携帯用の吸い殻入れがあるが、いちいちこれを持ち歩くことが面倒に感じる喫煙者も多く、また面倒に感じなくても持ち歩くのを忘れることもある。そこで、吸い殻の投げ捨てをより効果的に防止するため、吸い殻入れ兼外装用のケースにライターを引出可能でかつ抜け止めされた状態で格納し、前記ライターを引き出すことによって前記ケースに形成した空間に吸い殻を入れるようになっている吸い殻入れ付ライター収納ケースが提案されている(たとえば、特許文献1)。この吸い殻入れ付ライター収納ケースは、ライターのケースとしてだけではなく、吸い殻入れとしても利用することができ、ライターを持ち歩くのと同じ感覚で持ち歩くことができるので携帯しやすく、吸い殻の投げ捨てを減らすことに役立つという効果が期待される。
【特許文献1】特公平5−73970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1に記載の吸い殻入れ付ライター収納ケースでは、ケースに収納したライターが抜け落ちないように、ケースの内部がライターを密に収納する大きさに形成されている。
【0005】
このため、前記特許文献1に記載の吸い殻入れ付ライター収納ケースでは、特定の大きさ形状のライターでなければ収納することができないものとなっている。しかし、ライター市場では、大きさや形の異なるライターが多く出回っており、使用者にしてみれば、大きさや形状が異なるライターであっても、これを抜け落ちないように収納することができるようになっていれば便利である。
【0006】
この発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、大きさや形状の異なるライターを容易に且つ抜け出さないように収納することができる吸い殻入れ付ライター収納ケースを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、断面四角形の有底筒状体の上部および一側部に開口部を有し、かつ上部の開口部を開閉する蓋体を備えた外ケースと、上部を開口し、内部にライターを挿脱可能に収納する内ケースとからなり、この内ケースが、前記外ケースに、この外ケースの側部の開口部から引出し可能でかつ抜け止めされて収容され、前記外ケースから前記内ケースを引き出すことにより、前記外ケースと前記内ケースの外ケース側の側壁とで形成される空間を吸い殻入れ部とした吸い殻入れ付ライター収納ケースであって、前記内ケースの側壁に、弾性変形可能な素材で形成され、前記内ケース内に収納されたライターに弾発的に圧接する保持部材を設けたことを特徴とする。
【0008】
このように構成することにより、内ケース内に終納されたライターに、内ケースの側壁に設けた保持部材が弾発的に圧接し、これによって前記ライターが内ケース内に保持される。そして、前記内ケース内で保持部材により保持されるライターは、前記保持部材の弾性変形する範囲内であれば、大きさや形状が異なっていても、弾性変形する保持部材が弾発的に圧接し確実に保持される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記内ケースの内部は、この内ケースに収納しようとするライターのうちの最も大きいライターを収納できる大きさに形成され、前記保持部材は、前記内ケースに収納しようとするライターのうちの最も小さいライターを収容したとき、このライターにも弾発的に圧接するように前記内ケースの内部へ突出して設けられていることを特徴とする。
【0010】
このように構成することにより、内ケース内にライターを挿入すると、ライターは、内ケースの内部へ突出して設けられている保持部材を弾発力に抗して押し広げながら挿入され、内ケース内に収納される。内ケース内に収納されたライターに、前記押し広げられた保持部材が、その復元力により弾発的に圧接し、これによって前記ライターが内ケース内に保持される。そして、前記内ケース内で保持部材により保持されるライターは、前記保持部材の弾性変形する範囲内であれば、大きさや形状が異なっていても、弾性変形する保持部材が弾発的に圧接し確実に保持される。
【発明の効果】
【0011】
この発明にかかる吸い殻入れ付ライター収納ケースによれば、ライターを収納する内ケースに、大きさや形状が異なるライターであっても、これを抜け落ちないように収納することができ、便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明に係る吸い殻入れ付ライター収納ケースを実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1乃至図7は、この発明の実施の形態の第1例を示すものであり、図1は、本例の吸い殻入れ付ライター収納ケースを示す斜視図、図2は、図1に示す吸い殻入れ付ライター収納ケースから内ケースを引き出した状態を示す斜視図、図3は、内ケースにライターを収納していないときの図2におけるA−A線断面図、図4は、内ケースにライターを収納したときの図2におけるA−A線断面図(ライターは一点鎖線で示されている)、図5は、内ケースにライターを収納していないときの図2におけるB−B線断面図、図6は、ライターを収納しているときの図2におけるB−B線断面図(ライターは一点鎖線で示されている)、図7は、図1に示す吸い殻入れ付ライター収納ケースから内ケースを引き出した状態で蓋体を閉じたときの状態を示す斜視図である。
【0014】
本例の吸い殻入れ付ライター収納ケース1は、外ケース2と、ライター3を挿脱可能に収納する内ケース4とで構成されている。前記外ケース2と内ケース4にあっては、本例ではいずれも合成樹脂製となっている。
【0015】
前記外ケース2にあっては、断面四角形の有底筒状体からなり、その上部および一側部に、それぞれ上部開口部5および側部開口部6を有している。
【0016】
即ち、外ケース2は、前記側部開口部6を挟んで対向する左側壁7、右側壁8と、前記側部開口部6と対向し、前記側部開口部6を前側としたとき後側となる後側壁9と、底板10とから構成されている。このように構成される外ケース2は、上部開口部5を開閉する蓋体11を備えており、この蓋体11はヒンジ12を介して前記後側壁9に取り付けられている。
【0017】
前記内ケース4にあっては、前記外ケース2と相似形でこれよりも小さく、上部に開口部13を有する有底の略筒状体からなり、前記外ケース2内に、前記側部開口部6から引出し可能でかつ抜け止めされて収容されている。
【0018】
更に詳細には、前記内ケース4は、前記外ケース2からの引出方向と直交し前記外ケース2の後側壁9と平行に対向する前側壁14、後側壁15と、前記外ケース2の左側壁7、右側壁8と平行に対向する左側壁16、右側壁17と、外ケース2の底板10と平行に対向する底板18とから構成されている。
【0019】
そして、内ケース4を外ケース2に収容した状態で、内ケース4の前側壁14が前記外ケース2の側部開口部6を閉じ且つ外ケース2の前側壁19を構成する(図1参照)。また、内ケース4を外ケース2から引き出した状態で、内ケース4の後側壁15が前記外ケース2の側部開口部6を閉じ且つ外ケース2の前側壁19を構成するとともに、外ケース2の左側壁7、右側壁8、後側壁9、底板10と、前記内ケース4の後側壁15とで形成される外ケース2の側部開口部6側の間で吸い殻入れ部20を構成している(図2参照)。
【0020】
そして、内ケース4を外ケース2に収容した状態および内ケース4を外ケース2から引き出した状態のいずれのときも、前記外ケース2に備えた蓋体11により、外ケース2の上部開口部5を閉じることができるように構成されている。
【0021】
また、外ケース2と内ケース4には、外ケース2から内ケース4を引き出したときの抜け止め手段が講じられている。本例では、外ケース2の左側壁7と右側壁8の側部開口部6側の端縁に内向きの係止部21が設けられ、また、前記内ケース4の後側壁15の両側縁に係止段部22が設けられており、内ケース4を外ケース2から引き出したとき、係止段部22が係止部21の内側に係止し、外ケース2から内ケース4が抜け出るのを防止している。
【0022】
また、外ケース2と内ケース4には、外ケース2からの内ケース4の引き出しや外ケース2への内ケース4の収容を容易にするためのガイド手段が講じられている。本例では、外ケース2の左側壁7と右側壁8の内面にガイド溝23が設けられ、内ケース4の左側壁16と右側壁17の外面にガイド突状部24が設けられており、前記外ケース2のガイド溝23に内ケース4のガイド突状部24が摺動自在に嵌合している。
【0023】
更に、前記内ケース4にあっては、ライター3を挿脱可能に収納するようになっており、内部が前記ライター3を挿脱可能に収納するライター収納空間部25となっている。このライター収納空間部25は、このライター収納空間部25に収納しようとするライター3のうちで最大のものを収納できる大きさに形成されている。
【0024】
そして、左側壁16と右側壁17に、弾性変形可能な素材で形成され、前記ライター収納空間部25に収納されたライター3に弾発的に圧接する保持部材26を設けている。前記保持部材26は、前記ライター収納空間部25に収納しようとするライター3のうちの最も小さいライター3を収容したとき、このライター3にも弾発的に圧接するように前記内ケース4の内部、即ちライター収納空間部25の内部へ突出して設けられている。
【0025】
本例では、前記保持部材26が一対の第1保持片27と一対の第2保持片28から構成されている。更に詳細には、本例では、前記左側壁16と右側壁17は、開口部13から内ケース4の高さの略1/3の長さに形成され、この左側壁16と右側壁17のそれぞれの下端から前記第1保持片27がそれぞれ内側に向かって所定の角度を持って突出するように延設されている。また、前側壁14と後側壁15の対角線上の側端から前記第2保持片28がそれぞれ内側に向かって所定の角度を持って突出するように延設されている
前記一対の第1保持片27の先端の間隔と、一対の第2保持片28の先端の間隔は、ライター収納空間部25に収納しようとするライター3のうちの最も小さいライター3の厚さより狭い間隔に設定されている。
【0026】
従って、内ケース4のライター収納空間部25にライター3を挿入すると、ライター3は前記保持部材26を構成する一対の第1保持片27と一対の第2保持片28とをそれぞれ弾発力に抗するように押し広げながらライター収納空間部25に収納され、収納されたライター3に、前記押し広げられた一対の第1保持片27と一対の第2保持片28が、その復元力により弾発的に圧接し、これによって前記ライター3が内ケース4内に保持されることになる。そして、前記内ケース4内で保持部材26により保持されるライター3は、前記保持部材26を構成する一対の第1保持片27と一対の第2保持片28の弾性変形する範囲内であれば、大きさや形状が異なっていても、弾性変形する一対の第1保持片27と一対の第2保持片28が弾発的に圧接し確実に保持される。
【0027】
図8乃至図10は、この発明の実施の形態の第2例を示すものであり、図8は、内ケースを引き出した状態の吸い殻入れ付ライター収納ケースを示す斜視図、図9は、内ケースにライターを収納していないときの図8におけるC−C線断面図、図10は、内ケースにライターを収納したときの図8におけるC−C線断面図(ライターは一点鎖線で示されている)である。
【0028】
本例の吸い殻入れ付ライター収納ケース30について、前記第1例と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
【0029】
本例の吸い殻入れ付ライター収納ケース30は、内ケース4の左側壁16と右側壁17には、第1例と同様に、弾性変形可能な素材で形成され、前記ライター収納空間部25に収納されたライター3に弾発的に圧接する保持部材26を設けている。前記保持部材26は、前記ライター収納空間部25に収納しようとするライター3のうちの最も小さいライター3を収容したとき、このライター3にも弾発的に圧接するように前記内ケース4の内部、即ちライター収納空間部25の内部へ突出して設けられている。
【0030】
本例では、前記保持部材26が一対の保持突起部31で構成されている。更に詳細には、本例では、前記左側壁16と右側壁17の上下方向略中間位置で且つ対向する位置に、それぞれ上下方向に2条の切り込みを入れ、2条の切り込みの間の部分を前記ライター収納空間部25内へ弾性変形可能にアーチ状に突出させることにより前記一対の保持突起部31を形成している。前記一対の保持突起部31の先端の間隔は、ライター収納空間部25に収納しようとするライター3のうちの最も小さいライター3の厚さより狭い間隔に設定されている。
【0031】
従って、内ケース4のライター収納空間部25にライター3を挿入すると、ライター3は前記保持部材26を構成する一対の保持突起部31を弾発力に抗するように押し潰しながらライター収納空間部25に収納され、収納されたライター3に、前記押し潰された一対の保持突起部31が、その復元力により弾発的に圧接し、これによって前記ライター3が内ケース4内に保持されることになる。そして、前記内ケース4内で保持部材26により保持されるライター3は、前記保持部材26を構成する一対の保持突起部31の弾性変形する範囲内であれば、大きさや形状が異なっていても、弾性変形する一対の保持突起部が弾発的に圧接し確実に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明に係る殻入れ付ライター収納ケースの実施の形態の第1例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す吸い殻入れ付ライター収納ケースから内ケースを引き出した状態を示す斜視図である。
【図3】内ケースにライターを収納していないときの図2におけるA−A線断面図である。
【図4】内ケースにライターを収納したときの図2におけるA−A線断面図である。
【図5】内ケースにライターを収納していないときの図2におけるB−B線断面図である。
【図6】ライターを収納しているときの図2におけるB−B線断面図である。
【図7】図1に示す吸い殻入れ付ライター収納ケースから内ケースを引き出した状態で蓋体を閉じたときの状態を示す斜視図である。
【図8】この発明に係る殻入れ付ライター収納ケースの実施の形態の第2例を示し、内ケースを引き出した状態の吸い殻入れ付ライター収納ケースを示す斜視図である。
【図9】内ケースにライターを収納していないときの図8におけるC−C線断面図である。
【図10】内ケースにライターを収納したときの図8におけるC−C線断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 吸い殻入れ付ライター収納ケース
2 外ケース
3 ライター
4 内ケース
5 上部開口部
6 側部開口部
7 左側壁
8 右側壁
9 後側壁
10 底板
11 蓋体
12 ヒンジ
13 開口部
14 前側壁
15 後側壁
16 左側壁
17 右側壁
18 底板
19 前側壁
20 吸い殻入れ部
21 係止部
22 係止段部
23 ガイド溝
24 ガイド突状部
25 ライター収納空間部
26 保持部材
27 第1保持片
28 第2保持片
30 吸い殻入れ付ライター収納ケース
31 保持突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面四角形の有底筒状体の上部および一側部に開口部を有し、かつ上部の開口部を開閉する蓋体を備えた外ケースと、上部を開口し、内部にライターを挿脱可能に収納する内ケースとからなり、この内ケースが、前記外ケースに、この外ケースの側部の開口部から引出し可能でかつ抜け止めされて収容され、前記外ケースから前記内ケースを引き出すことにより、前記外ケースと前記内ケースの外ケース側の側壁とで形成される空間を吸い殻入れ部とした吸い殻入れ付ライター収納ケースであって、前記内ケースの側壁に、弾性変形可能な素材で形成され、前記内ケース内に収納されたライターに弾発的に圧接する保持部材を設けたことを特徴とする吸い殻入れ付ライター収納ケース。
【請求項2】
前記内ケースの内部は、この内ケースに収納しようとするライターのうちの最も大きいライターを収納できる大きさに形成され、前記保持部材は、前記内ケースに収納しようとするライターのうちの最も小さいライターを収容したとき、このライターにも弾発的に圧接するように前記内ケースの内部へ突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吸い殻入れ付ライター収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−24383(P2007−24383A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206284(P2005−206284)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(391044166)玉川衛材株式会社 (10)
【Fターム(参考)】