説明

吸入器

【課題】 長期間の使用による弁体の経年劣化や、長時間の使用による弁体の変形あるいは洗浄および消毒作業に起因する弁体の変形が生じた場合にも、呼気弁としての機能が低下しにくく、その結果エアロゾルの漏れ出しが防止可能な吸入器を提供する。
【解決手段】 マウスピース160は、流路を規定する壁面に設けられた凹部161Aを有し、この凹部161Aは、上方から見て一方向においての湾曲する湾曲面にて構成される。凹部161Aには、スリット状の連通孔162が設けられ、この連通孔162を閉塞するように弁体170が、凹部161Aの湾曲方向の略中央部において固定部材180によってマウスピース160に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯留部に貯留された液体を霧化部において霧化し、生成されたエアロゾルをマウスピース等を用いて使用者の口腔や鼻腔に吐出する吸入器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸入器は、主に気管支の消毒や治療等に用いられる装置であり、液体を霧化させる霧化部と、霧化された液体を吐出するマウスピース等の吐出部とを備え、霧化部にて生成されたエアロゾルをマウスピース等の吐出部を用いて口や鼻から吸入させるための装置である。このうち、治療目的で薬液をエアロゾル化させて吐出する吸入器を特に吸入治療装置と呼ぶ。
【0003】
一般に、この主の吸入器においては、使用者に負担をかけることなくかつエアロゾルの吸入がより効率的に行なえるように、装置本体に呼気弁や吸気弁が設けられる。呼気弁および吸気弁は、いずれも、装置内部に設けられた気流の流路を構成する壁部に設けられた連通孔と、この連通孔を閉塞するように壁部に取り付けられた弁体とを含む逆止弁にて構成される。ここで、呼気弁は、使用者が吐き出した呼気を流路から装置外部に排気するための弁であり、吸気弁は、使用者が流路中に分散したエアロゾルを含む空気を吸い込むために、装置外部から流路に外気を取り込むための弁である。
【0004】
上記呼気弁の構造としては、たとえば特開平7−185003号公報(特許文献1)に開示のものや、特開平11−276587号公報(特許文献2)に開示のものが知られている。また、上記吸気弁の構造としては、たとえば特開平11−137688号公報(特許文献3)に開示のものが知られている。
【0005】
上記特許文献1に開示の呼気弁は、マウスピースの平坦な外壁部分に、弾性部材からなる弁体を取り付けたものである。また、上記特許文献1に開示の呼気弁は、マウスピースに設けられたオリフィス部の平面形状を有する外壁面に、平坦な形状の弾性部材からなる弁体を取り付けたものである。一方、上記特許文献3に開示の吸気弁は、装置内部の平坦な内壁面に、弾性部材からなる弁体を取り付けたものである。
【特許文献1】特開平7−185003号公報
【特許文献2】特開平11−276587号公報
【特許文献3】特開平11−137688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1ないし3に記載の弁体の組付構造は、いずれも平坦な面に平坦な形状の弁体を取り付けてなるものである。したがって、長期間の使用によって弁体が経年劣化を起こした場合や、長時間の使用により弁体に変形が生じた場合に、十分に連通孔を閉塞する機能が得られなくなってしまうおそれがある。特に、吸入器においては、衛生面の観点から、使用後において上記弁体を含む各種部品を分解し、洗浄および消毒を行なう必要があり、分解時に上記弁体を手で取り扱う必要が生じるため、弁体が反ったり延びたりすることがある。このような弁体の変形が生じた場合には、使用時において逆止弁としての機能を十分に発揮することができず、結果として上記呼気弁の隙間からエアロゾルが漏れ出したり、使用者の吸い込みによって呼気弁の隙間から外気が導入されてしまい呼気弁と吐出口との間だけで気流が発生して流路中に分散したエアロゾルが吸入できなくなってしまったりする不具合や、あるいは吸気弁の隙間からエアロゾルが漏れ出したり、吸入量の比較的多い人の使用時に吸気弁の隙間から外気が導入されてしまい吸入量の制限が不十分となって過度のエアロゾルの吸入が生じてしまったりするという不具合が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、長期間の使用による弁体の経年劣化や、長時間の使用による弁体の変形あるいは洗浄および消毒作業に起因する弁体の変形が生じた場合にも、呼気弁あるいは吸気弁としての機能が低下しにくく、その結果エアロゾルの漏れ出しが防止可能な吸入器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に基づく吸入器は、気流が流動する流路と、上記流路に設けられ、貯留部に貯留された液体を霧化する霧化部と、上記霧化部にて生成されたエアロゾルを含む気流を装置外部に吐出する吐出部とを備えるものであって、上記流路を規定する壁面に、上記流路と装置外部とを連通する連通孔と、この連通孔を閉塞可能な可撓性部材からなる弁体とによって構成される逆止弁が設けられてなるものであり、上記弁体が上記壁部に対して付勢された状態で取り付けられていることを特徴とするものである。
【0009】
上記本発明に基づく吸入器にあっては、上記逆止弁が、上記弁体が上記壁部の外壁面に装置外部側から取り付けられることによって構成された呼気弁であってもよく、また、上記弁体が上記壁部の内壁面に上記流路側から取り付けられることによって構成された吸気弁であってもよい。ここで、呼気弁とは、上記流路に導入された呼気を装置外部に排気するための逆止弁のことであり、吸気弁とは、装置外部から上記流路に外気を導入するための逆止弁のことである。
【0010】
また、上記本発明に基づく吸入器にあっては、上記逆止弁が設けられた上記壁部の主面に凹部が形成されており、この凹部内に上記連通孔が設けられ、上記凹部の表面に上記弁体が取り付けられていることが好ましく、その場合に、上記凹部が弁体が取り付けられる側から見て縦方向または横方向のいずれか一方向においてのみ湾曲する表面を有していることが好ましい。上記凹部が弁体が取り付けられる側から見て縦方向または横方向のいずれか一方向に向かってのみ湾曲する表面を有している場合には、上記弁体の上記凹部の表面と接触する主面が、上記壁部への非取付状態において平面であるか、あるいは上記壁部への非取付状態において上記凹部の湾曲方向と平行な方向に向かってのみ湾曲し、かつその曲率が上記凹部の表面の曲率よりも小さいことが好ましい。
【0011】
また、上記本発明に基づく吸入器にあっては、上記弁体が上記凹部の上記表面の湾曲方向における略中央部において上記壁部に固定されているか、あるいは上記凹部の上記表面の湾曲方向における一端部において上記壁部に固定されていることが好ましい。その場合に、上記弁体は、上記壁部に対する上記弁体の固定部から遠ざかるにつれてその厚みが減じるように形成されていることが好ましく、また、上記壁部に対する上記弁体の固定は、上記弁体に設けられたスリットに上記壁部に設けられた突条部を挿し込むことによって行なわれていることが好ましい。
【0012】
さらに、上記本発明に基づく吸入器にあっては、上述のように、上記逆止弁が設けられた上記壁部の主面に凹部が形成されており、この凹部内に上記連通孔が設けられ、上記凹部の表面に上記弁体が取り付けられていることが好ましいが、その場合に、上記凹部が弁体が取り付けられる側から見て縦方向または横方向のいずれか一方向においてのみ屈曲する表面を有していてもよい。上記凹部が弁体が取り付けられる側から見て縦方向または横方向のいずれか一方向に向かってのみ屈曲する表面を有している場合には、上記弁体の上記凹部の表面と接触する主面が上記壁部への非取付状態において平面であるか、あるいは上記壁部への非取付状態において上記屈曲方向と平行な方向において屈曲し、かつその屈曲部における内角が上記凹部の表面に設けられた屈曲部の内角よりも大きいことが好ましい。
【0013】
また、上記本発明に基づく吸入器にあっては、上記弁体が上記凹部の表面に設けられた上記屈曲部に固定されていることが好ましい。その場合に、上記弁体は、上記壁部に対する上記弁体の固定部から遠ざかるにつれてその厚みが減じるように形成されていることが好ましく、また、上記壁部に対する上記弁体の固定は、上記弁体に設けられたスリットに上記壁部に設けられた突条部を挿し込むことによって行なわれていることが好ましい。
【0014】
また、上記本発明に基づく吸入器にあっては、上記壁部に設けられた上記連通孔を規定する連通孔形成面のうち、上記吐出部と対面する部分が、上記流路側から装置外部側に向かうにつれて上記吐出部からの距離が遠ざかるように傾斜して設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、流路を構成する壁部の壁面に向かって弁体が付勢された状態で取り付けられることになるため、長期間の使用による弁体の経年劣化や、長時間の使用による弁体の変形あるいは洗浄および消毒作業に起因する弁体の変形が生じた場合にも、呼気弁あるいは吸気弁としての機能が低下しにくくなり、その結果エアロゾルの漏れ出しが防止可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、吸入器としてコンプレッサ式の吸入器を例示して説明を行なう。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における吸入器の装置構成を示す外観図である。図2は、図1に示す吸入器のネブライザの組付構造を示す分解斜視図である。また、図3は、図2に示すネブライザの組付後の模式断面図である。なお、図3においては、図2に示すマウスピースの図示は省略している。まず、これらの図を参照して、本実施の形態における吸入器の構成およびその吸入器の一部であるネブライザの構造について説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態における吸入器1は、コンプレッサ10と、チューブ20と、ネブライザ100Aとを備えている。コンプレッサ10は、チューブ20を介して加圧した圧縮空気をネブライザ100Aに送出する。
【0019】
図2および図3に示すように、ネブライザ100Aは、ケース体110と、霧化部形成体120と、流路形成体130と、弁体140と、キャップ体150とを備える。ケース体110は、略円筒状の形状を有しており、上記霧化部形成体120および流路形成体130が、このケース体110の内部に収容・配置される。弁体140は、キャップ体150の下面に取り付けられ、キャップ体150は、ケース体110の上端に設けられた開口を閉塞するようにケース体110に取り付けられる。
【0020】
ケース体110は、その周面の所定位置に接続部112を有しており、この接続部112にマウスピース160が接続される。マウスピース160には、弁体170と、この弁体170のマウスピース160に対する固定を実現する固定部材180とが取り付けられる。
【0021】
図3に示すように、ケース体110の底面には、圧縮空気導入管114が上下方向に延びるように配設されている。圧縮空気導入管114の下部先端部には、上述のチューブ20が取り付けられる。これにより、チューブ20を介してコンプレッサ10にて生成された圧縮空気が圧縮空気導入管114に導入されることになる。圧縮空気導入管114の上部先端部は、先細形状に形成されており、後述する霧化部形成体120に設けられたバッフル122に対面している。また、ケース体110の上記圧縮空気導入管114が形成された部分の周囲には、貯留部116が設けられている。この貯留部116は、水や食塩水あるいは薬液といった液体200を一時的に貯留する部位である。
【0022】
圧縮空気導入管114には、上方から霧化部形成体120の吸液管形成部124が対面配置される。この吸液管形成部124の内壁面は、圧縮空気導入管114の外壁面と所定の距離をもって位置決めして配置され、その下端は上述の貯留部116の底面近傍にまで達するように配置される。この吸液管形成部124と圧縮空気導入管114との間の隙間によって吸液管が構成され、毛管現象によって貯留部116に貯留された液体200が後述する霧化部近傍にまで吸い上げられる。
【0023】
上述のように、霧化部形成体120のバッフル122は、圧縮空気導入管114の上部先端部に対面配置されており、この部分において霧化部が形成されている。霧化部においては、コンプレッサ10によって圧縮空気導入管114に導入された圧縮空気が圧縮空気導入管114の上部先端部からバッフル122に向けて吹き付けられる。その際、毛管現象によって霧化部近傍にまで吸い上げられた液体200が上記霧化部にて生じる負圧によって吹き上げられ、圧縮空気とともにバッフル122に向けて吹き付けられることになる。この作用により、液体200はバッフル122に衝突して微細な液滴となり、この微細な液滴が流路101中を流動する気流に分散されてエアロゾルとなる。
【0024】
霧化部形成体120の上部には、流路形成体130が位置決めして配置されており、この流路形成体130によってケース体110の内部に気流が流動する流路101が形成される。流路101は、上述のケース体110の周面に形成された接続部112に連通しており、この接続部112を介して霧化部にて生成されたエアロゾルがマウスピース160へと導入される。
【0025】
上述のキャップ体150は、所定の位置に連通孔152を有している。キャップ体150の下面には、弁体140が取り付けられている。キャップ体150に対する弁体140の取り付けは、弁体140の略中央部に設けられた取付部142をキャップ体150に設けられた開口に挿し込むことによって行なわれる。連通孔152は、上述の流路101とネブライザ100Aの外部とを連通するように設けられるが、特定の使用状態を除き、上述の弁体140によって流路101側において閉塞されている。なお、これらキャップ体150に設けられた連通孔152とキャップ体150の下面に取り付けられた弁体140とにより、吸気弁としての逆止弁が構成されることになる。吸気弁は、使用者が流路中に分散したエアロゾルを含む空気を吸い込むために、ネブライザ100Aから流路101に外気を取り込むための弁である。
【0026】
図4は、本実施の形態における吸入器のマウスピースの形状を示す側面図であり、図5は、図4に示すマウスピースの分解斜視図である。また、図6は、図4に示すVI−VI線に沿ってマウスピースを切断した場合の模式断面図であり、図7は、図4に示すVII−VII線に沿ってマウスピースを切断した場合の模式断面図である。次に、これらの図を参照し、本実施の形態における呼気弁の構造について説明する。
【0027】
図4および図5に示すように、マウスピース160は、使用者の口腔にフィットするように扁平筒状の形態を有している。マウスピース160の内部には、ケース体110に対してマウスピース160が接続された状態において上述のケース体110に設けられた流路101に連通する流路160aが設けられている。この流路160aの先端部には、エアロゾルをネブライザ100Aの外部に吐出するための吐出部である吐出口が形成されている。マウスピース160の上面には、逆止弁構造の呼気弁が設けられている。この呼気弁は、使用者が吐き出した呼気を流路160aからネブライザ100Aの外部に排気するための弁である。
【0028】
図5に示すように、マウスピース160の上面には、凹部161Aが形成されている。凹部161Aは、後述する弁体170が取り付けられる側から見て、一方向においてのみ湾曲する表面を有している。図示する凹部161Aにおいては、その表面が図中矢印X方向においてのみ湾曲し、図中矢印Y方向には湾曲していない。すなわち、凹部161Aは、断面U字状の表面を有する溝にて形成されている。また、凹部161Aの内部には、連通孔162が設けられている。図示するマウスピース160にあっては、凹部161A内に複数個のスリット状の連通孔162が形成されており、隣接する連通孔162の間には、桟163が形成されている。スリット状の連通孔162および桟163は、いずれも図中矢印X方向に向かって延びている。凹部161Aの表面の湾曲方向(すなわち図中矢印X方向)の略中央部には、上記湾曲方向と交差する方向(すなわち図中矢印Y方向)に向かって延びる突条部164が設けられている。
【0029】
連通孔162が設けられた凹部161Aの表面には、たとえばシリコンやエラストマなどのような可撓性に優れたゴムや樹脂にて形成された弁体170が取り付けられる。弁体170は、中央部にスリット172を有している。スリット172は、図中矢印Y方向に向かって延びており、上述した突条部164の外形よりも僅かに大きく形成されている。弁体170に設けられたスリット172には、凹部161Aの表面の略中央部に形成された突条部164が挿し込まれ、これにより弁体170がマウスピース160に位置決めして取り付けられる。
【0030】
弁体170の上方からは、弁体170をマウスピース160に固定するための固定部材180が取り付けられる。固定部材180は、上述のマウスピース160に設けられた凹部161Aに嵌め込まれ、その側面に設けられた係合突起188が凹部161Aの側面に設けられた係合穴168に係止されることによって取り付けられる。この状態において弁体170は、マウスピース160と固定部材180とによって挟持されることになる。なお、固定部材180には、マウスピース160と同様に複数個のスリット状の連通孔182が形成されており、隣接する連通孔182の間には、桟183が設けられている。なお、スリット状の連通孔182および桟183は、いずれも図中矢印X方向に向かって延びている。
【0031】
図6に示すように、桟163が形成された部分の断面においては、弁体170は、固定部材180の下面に設けられた押さえ部184によって凹部161Aの表面に押圧されている。すなわち、弁体170は、スリット172の周縁においてマウスピース160に押圧固定され、その固定部以外の部分においては、自身の有する弾性力によって凹部161Aの湾曲した表面に付勢された状態で取り付けられることになる。また、図7に示すように、連通孔162が形成された部分の断面においては、弁体170は、上述の付勢力によって連通孔162の周縁に密着しており、連通孔162を閉塞することになる。
【0032】
以上の構成とすることにより、使用者がエアロゾルを吸入するためにマウスピース160を咥えて息を吸い込む際には、流路160a内の圧力に比べてネブライザ100Aの外部の圧力(通常は大気圧)の方が高くなるため、また、弁体170の有する弾性力に基づく付勢力により、弁体170は凹部161Aの表面に密着することになり、連通孔162を閉塞して当該連通孔162からのエアロゾルの漏出が防止される。一方、使用者がマウスピース160を咥えた状態で息を吐き出した場合には、流路160aの内圧によって弁体170の有する付勢力に抗して弁体170が押し上げられることになり、連通孔162が開放されて流路160aとネブライザ100Aの外部とが連通することになる。このため、流路160a内に含まれる呼気がネブライザ100Aの外部へと排気されるようになり、流路160a内のエアロゾルの濃度が高く維持されるともに、使用者が息をスムーズに吐き出せるようになる。
【0033】
したがって、上述の如くの構成とすることにより、流路160aを構成するマウスピース160の壁部の壁面に向かって弁体170が付勢された状態で取り付けられることになるため、長期間の使用による弁体170の経年劣化や、長時間の使用による弁体の変形あるいは洗浄および消毒作業に起因する弁体の変形が生じた場合にも、呼気弁としての機能が低下しにくくなり、その結果エアロゾルの漏れ出しが防止可能になる。また、弁体170のマウスピース160に対する取付構造も簡素な構成で実現されるため、洗浄および消毒作業時における分解および組付け作業も容易に行なえる。
【0034】
図8は、上述の弁体の組付構造を模式的に表わした図であり、図8(A)は弁体の組付け前の状態を示す図であり、図8(B)は、弁体の組付け後を示す図である。図8(A)に示すように、本実施の形態における吸入器1に使用される弁体170は、組付け前の状態において平坦な形状に成形されている。一方、弁体170が取り付けられる凹部161Aの表面は、弁体170が取り付けられる側から見て、一方向にのみ湾曲する形状となっている。この湾曲形状の表面を有する凹部161Aに弁体170を取り付けた場合には、図8(B)に示すように、弁体170が凹部161Aの湾曲面にフィットし、密閉状態が確実に維持されるようになる。そのため、弁体170を立体的な形状に成形する必要がなく、製造コストを削減しつつ高性能の呼気弁とすることができる。なお、上述の付勢状態を良好に維持可能な弁体170と凹部161Aの固定部位としては、凹部161Aの表面の湾曲方向における略中央部(図8(B)において鎖線Aで示す部分)か、あるいは凹部161Aの表面の湾曲方向における一端部(図8(B)において鎖線B1または鎖線B2で示す部分)が挙げられる。
【0035】
図9は、弁体の組付構造の他の例を模式的に表わした図であり、図9(A)は弁体の組付け前の状態を示す図であり、図9(B)は、弁体の組付け後を示す図である。図9(A)に示すように、弁体170の形状が湾曲形状となるように立体成形した場合にも、弁体170の曲率が、凹部161Aの表面の曲率よりも小さい場合には、図9(B)に示すように、弁体170の凹部161Aの表面に対する密着状態が維持可能である。この場合の弁体170の凹部161Aに対する付勢力は、上述の図8に示す組付構造の場合よりも小さくなり、使用者の呼気の量が相対的に少ない場合にもスムーズに弁体170の開閉が実現されるようになる。
【0036】
図10は、弁体の組付構造のさらに他の例を模式的に表わした図であり、弁体の組付け後を示す図である。図10に示す組付構造においては、弁体170が、凹部161Aに対する弁体170の固定部から遠ざかるにつれてその厚みが減じるように形成されている。このように構成した場合には、固定部から相対的に遠い位置における弁体170の凹部161Aに対する付勢力が、固定部近傍におけるそれに比べて小さくなるため、弁体170の端部における開閉動作がよりスムーズになり、使用者の呼気の量が相対的に少ない場合にも確実に弁体170の開閉が実現できるようになる。
【0037】
図11は、本実施の形態における吸入器のマウスピースの図5に示す矢印Y方向における模式断面図である。図11に示すように、本実施の形態におけるマウスピース160においては、エアロゾルを含んだ気流の流動方向(図中矢印D方向)および呼気の流動方向(図中矢印E方向)と交差する方向に連通孔162が設けられている。そのため、桟163の側面は、連通孔162を規定する連通孔形成面となっており、この連通孔形成面である桟163の側面のうち、吐出口と対面する側の側面163a(すなわちエアロゾルを含んだ気流の流動方向(図中矢印D方向)の下流側に位置する方の側面)は、傾斜面にて構成されている。より具体的には、上記側面163aは、流路160a側からネブライザ100Aの外部側に向かうにつれてその吐出口からの距離が遠ざかるように傾斜して設けられている。この側面163aは、流路160a側における連通孔162の開口面積が、ネブライザ100Aの外部側における連通孔162の開口面積に比して小さくなるように形成されたものである。このように構成することにより、呼気の連通孔162内への流入が促進され、反対にエアロゾルを含んだ気流の連通孔162内への流入が防止されるため、呼気弁を介したエアロゾルのネブライザ100A外部への漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0038】
図12は、本実施の形態における吸入器のマウスピースの変形例を示す模式断面図である。図12に示すように、本変形例においては、マウスピース160に設けられる凹部161Aが、流路の延伸方向と直交する方向においてのみ湾曲する表面を有しており、この凹部161Aの表面に弁体170が付勢状態で取り付けられている。上記凹部161Aは、流路160aの吐出口側において流路高さが高くかつ接続部112側において流路高さが低くなるように段差を構成するように形成されている。そして、弁体170のマウスピース160に対する取り付けは、凹部161Aの湾曲方向における吐出口側の一端部において行なわれており、具体的には弁体170に設けられた孔にマウスピース160の表面に設けられた突起部が挿し込まれ、その上から押さえ部材174が突起部に嵌め込まれることによって行なわれている。このように構成した場合にも、弁体170が取り付けられる凹部161Aの内壁面が、吐出口と対面するように配置されるため、呼気の連通孔162内への流入が促進され、反対にエアロゾルを含んだ気流の連通孔162内への流入が防止され、呼気弁を介したエアロゾルのネブライザ100A外部への漏れ出しを効果的に抑制することができる。
【0039】
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2における吸入器のマウスピースの形状を示す分解斜視図である。また、図14は、図13に示すマウスピースの桟が設けられた部分を切断した場合の模式断面図であり、図15は、図13に示すマウスピースのスリット状の連通孔が形成された部分を切断した場合の模式断面図である。なお、上述の実施の形態1と同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
【0040】
図13に示すように、本実施の形態における吸入器のマウスピース160は、上述の実施の形態1における吸入器のマウスピースとほぼ同様の構造を有しているが、マウスピース160の上面に設けられた凹部161Bの表面の形状において異なっている。上述の実施の形態1におけるマウスピースにあっては、凹部161Aの表面の形状が弁体170が取り付けられる側から見て一方向にのみ湾曲する断面U字状に形成されたものであったが、本実施の形態におけるマウスピース160においては、凹部161Bの表面の形状が弁体170が取り付けられる側から見て一方向にのみ屈曲する断面V字状に形成されている。すなわち、凹部161Bの表面が、図中矢印X方向においてのみ屈曲し、図中矢印Y方向には屈曲していない。そして、その屈曲部上に屈曲方向(すなわち図中矢印Y方向)と交差するように延びる突条部164が設けられている。
【0041】
本実施の形態におけるマウスピース160にあっても、上述の実施の形態1におけるマウスピースと同様に、弁体170に設けられたスリット172には、凹部161Bの表面の略中央部に形成された突条部164が挿し込まれ、これにより弁体170がマウスピース160に位置決めして取り付けられる。また、弁体170の上方からは、弁体170をマウスピース160に固定するための固定部材180が取り付けられる。
【0042】
図14に示すように、桟163が形成された部分の断面においては、弁体170は、固定部材180の下面に設けられた押さえ部184によって凹部161Bの表面に押圧されている。すなわち、弁体170は、スリット172の周縁においてマウスピース160に押圧固定され、その固定部以外の部分においては、自身の有する弾性力によって凹部161Bの屈曲した表面に付勢された状態で取り付けられることになる。また、図15に示すように、連通孔162が形成された部分の断面においては、弁体170は、上述の付勢力によって連通孔162の周縁に密着しており、連通孔162を閉塞することになる。
【0043】
以上の構成とすることにより、上述の実施の形態1と同様に、流路160aを構成するマウスピース160の壁部の壁面に向かって弁体170が付勢された状態で取り付けられることになるため、長期間の使用による弁体170の経年劣化や、長時間の使用による弁体の変形あるいは洗浄および消毒作業に起因する弁体の変形が生じた場合にも、呼気弁としての機能が低下しにくくなり、その結果エアロゾルの漏れ出しが防止可能になる。また、弁体170のマウスピース160に対する取付構造も簡素な構成で実現されるため、洗浄および消毒作業時における分解および組付け作業も容易に行なえる。
【0044】
図16は、上述の弁体の組付構造を模式的に表わした図であり、図16(A)は弁体の組付け前の状態を示す図であり、図16(B)は、弁体の組付け後を示す図である。図16(A)に示すように、本実施の形態における吸入器1に使用される弁体170は、組付け前の状態において平坦な形状に成形されている。一方、弁体170が取り付けられる凹部161Bの表面は、弁体170が取り付けられる側から見て一方向にのみ屈曲する形状となっている。この屈曲形状の表面を有する凹部161Bに弁体170を取り付けた場合には、図16(B)に示すように、弁体170が凹部161Bの表面にフィットし、密閉状態が確実に維持されるようになる。そのため、弁体170を立体的な形状に成形する必要がなく、製造コストを削減しつつ高性能の呼気弁とすることができる。なお、上述の付勢状態を良好に維持可能な弁体170と凹部161Bの固定部位としては、凹部161Bの表面の屈曲方向における略中央部(図16(B)において鎖線Cで示す部分)、すなわち凹部161Bの表面の屈曲部が挙げられる。
【0045】
図17は、弁体の組付構造の他の例を模式的に表わした図であり、図17(A)は弁体の組付け前の状態を示す図であり、図17(B)は、弁体の組付け後を示す図である。図17(A)に示すように、弁体170の形状が屈曲形状となるように立体成形した場合にも、弁体170の屈曲部における内角が、凹部161Bの屈曲部の内角よりも大きい場合には、図17(B)に示すように、弁体170の凹部161Bの表面に対する密着状態が維持可能である。この場合の弁体170の凹部161Bに対する付勢力は、上述の図16に示す組付構造の場合よりも小さくなり、使用者の呼気の量が相対的に少ない場合にもスムーズに弁体170の開閉が実現されるようになる。
【0046】
図18は、弁体の組付構造のさらに他の例を模式的に表わした図であり、弁体の組付け後を示す図である。図18に示す組付構造においては、弁体170が、凹部161Bに対する弁体170の固定部から遠ざかるにつれてその厚みが減じるように形成されている。このように構成した場合には、固定部から相対的に遠い位置における弁体170の凹部161Bに対する付勢力が、固定部近傍におけるそれに比べて小さくなるため、弁体170の端部における開閉動作がよりスムーズになり、使用者の呼気の量が相対的に少ない場合にも確実に弁体170の開閉が実現できるようになる。
【0047】
(実施の形態3)
図19は、本発明の実施の形態3における吸入器のネブライザの模式断面図である。本実施の形態は、本発明の逆止弁の組付構造を、吸入器のネブライザに設けられる吸気弁に適用したものである。なお、上述の実施の形態1における吸入器のネブライザと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
【0048】
図19に示すように、本実施の形態における吸入器のネブライザ100Bにあっては、キャップ体150の下面に凹部151が形成されている。この凹部151は、一方向においてのみ湾曲する表面を有しており、この湾曲面に沿うように弁体140が凹部151の表面に付勢された状態で取り付けられている。この弁体140の凹部151に対する組付構造としては、上述の実施の形態1および2において開示した組付構造(たとえば図8ないし図10および図16ないし図18に示されるような組付構造)が適用可能である。
【0049】
以上の構成とすることにより、使用者がエアロゾルを吸入するためにマウスピース160を咥えて息を吸い込む際には、流路101内の圧力に比べてネブライザ100Bの外部の圧力(通常は大気圧)の方が高くなるため、弁体140が押し下げられることになり、外気が効率的に流路101内に導入されるようになり、スムーズなエアロゾルの吸入が可能となる。一方、使用者がマウスピース160を咥えた状態で息を吐き出した場合には、弁体140の付勢力と流路101の内圧とによって弁体140が凹部151の表面に密着することになり、連通孔152を閉塞して当該連通孔152からのエアロゾルの漏出が防止される。
【0050】
したがって、上述の如くの構成とすることにより、流路101を構成するキャップ体150の壁部の壁面に向かって弁体140が付勢された状態で取り付けられることになるため、長期間の使用による弁体140の経年劣化や、長時間の使用による弁体の変形あるいは洗浄および消毒作業に起因する弁体の変形が生じた場合にも、吸気弁としての機能が低下しにくくなり、その結果エアロゾルの漏れ出しが防止可能になる。また、弁体140のキャップ体150に対する取付構造も簡素な構成で実現されるため、洗浄および消毒作業時における分解および組付け作業も容易に行なえる。
【0051】
上述の実施の形態1および2においては、本発明が適用された呼気弁がマウスピースに設けられた場合を例示して説明を行なったが、必ずしもマウスピースに呼気弁が設けられている必要はなく、ネブライザのケース体に設けられていてもよく、またマウスピースの代わりに用いられるマスクやノーズピース等に適用することも可能である。また、上述の実施の形態3においては、本発明が適用された吸気弁をネブライザのケース体上部に取り付けられるキャップ体に設けた場合を例示して説明を行なったが、必ずしもこのキャップ体に吸気弁が設けられている必要はなく、ネブライザのケース体やマウスピース、マスク、ノーズピース等に設けられていてもよい。しかしながら、より効率的なエアロゾルの吸入を実現するためには、上述の各実施の形態の如くの構成がもっとも好適である。
【0052】
また、上述の実施の形態においては、コンプレッサ式の吸入器に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、超音波式の吸入器や超音波振動式と呼ばれる形式の吸入器にも当然に本発明を適用することは可能である。
【0053】
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態1における吸入器の装置構成を示す外観図である。
【図2】図1に示す吸入器のネブライザの組付構造を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示すネブライザの組付後の模式断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における吸入器のマウスピースの形状を示す側面図である。
【図5】図4に示すマウスピースの分解斜視図である。
【図6】図4に示すVI−VI線に沿ってマウスピースを切断した場合の模式断面図である。
【図7】図4に示すVII−VII線に沿ってマウスピースを切断した場合の模式断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における弁体の組付構造を模式的に表わした図である。
【図9】本発明の実施の形態1における弁体の組付構造の他の例を模式的に表わした図である。
【図10】本発明の実施の形態1における弁体の組付構造のさらに他の例を模式的に表わした図である。
【図11】本発明の実施の形態1における吸入器のマウスピースの模式断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1における吸入器のマウスピースの変形例を示す模式断面図である。
【図13】本発明の実施の形態2における吸入器のマウスピースの形状を示す分解斜視図である。
【図14】図13に示すマウスピースの桟が設けられた部分を切断した場合の模式断面図である。
【図15】図13に示すマウスピースのスリット状の連通孔が形成された部分を切断した場合の模式断面図である。
【図16】本発明の実施の形態2における弁体の組付構造を模式的に表わした図である。
【図17】本発明の実施の形態2における弁体の組付構造の他の例を模式的に表わした図である。
【図18】本発明の実施の形態2における弁体の組付構造のさらに他の例を模式的に表わした図である。
【図19】本発明の実施の形態3における吸入器のネブライザの模式断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 吸入器、10 コンプレッサ、20 チューブ、100A,100B ネブライザ、101 流路、110 ケース体、112 接続部、114 圧縮空気導入管、116 貯留部、120 霧化部形成体、122 バッフル、124 吸液管形成部、130 流路形成体、140 弁体、142 取付部、150 キャップ体、151 凹部、152 連通孔、160 マウスピース、160a 流路、161A,161B 凹部、162 連通孔、163a 側面、163 桟、164 突条部、168 係合穴、170 弁体、172 スリット、174 押さえ部材、180 固定部材、182 連通孔、183 桟、184 押さえ部、188 係合突起、200 液体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流が流動する流路と、
前記流路に設けられ、貯留部に貯留された液体を霧化する霧化部と、
前記霧化部にて生成されたエアロゾルを含む気流を装置外部に吐出する吐出部とを備えた吸入器であって、
前記流路を規定する壁部には、前記流路と装置外部とを連通する連通孔と、前記連通孔を閉塞可能な可撓性部材からなる弁体とを含む逆止弁が設けられ、
前記弁体は、前記壁部に対して付勢された状態で取り付けられている、吸入器。
【請求項2】
前記逆止弁は、前記流路に導入された呼気を装置外部に排気するための呼気弁であり、
前記弁体は、前記壁部の外壁面に装置外部側から取り付けられている、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記逆止弁は、装置外部から前記流路に外気を導入するための吸気弁であり、
前記弁体は、前記壁部の内壁面に前記流路側から取り付けられている、請求項1に記載の吸入器。
【請求項4】
前記逆止弁が設けられた前記壁部の主面には、凹部が設けられており、
前記連通孔が前記凹部内に設けられ、
前記凹部の表面に前記弁体が取り付けられている、請求項1から3のいずれかに記載の吸入器。
【請求項5】
前記凹部は、前記弁体が取り付けられる側から見て、縦方向または横方向のいずれか一方向においてのみ湾曲する表面を有し、
前記弁体の前記凹部の表面と接触する主面は、前記壁部への非取付状態において、平面である、請求項4に記載の吸入器。
【請求項6】
前記凹部は、前記弁体が取り付けられる側から見て、縦方向または横方向のいずれか一方向においてのみ湾曲する表面を有し、
前記弁体の前記凹部の表面と接触する主面は、前記壁部への非取付状態において、前記凹部の湾曲方向と平行な方向に向かってのみ湾曲し、かつその曲率は前記凹部の表面の曲率よりも小さい曲率である、請求項4に記載の吸入器。
【請求項7】
前記弁体は、前記凹部の前記表面の湾曲方向における略中央部において前記壁部に固定されている、請求項5または6に記載の吸入器。
【請求項8】
前記弁体は、前記凹部の前記表面の湾曲方向における一端部において前記壁部に固定されている、請求項5または6に記載の吸入器。
【請求項9】
前記弁体は、前記壁部に対する前記弁体の固定部から遠ざかるにつれてその厚みが減じるように形成されている、請求項7または8に記載の吸入器。
【請求項10】
前記壁部に対する前記弁体の固定は、前記弁体に設けられたスリットに前記壁部に設けられた突条部を挿し込むことによって行なわれている、請求項7から9のいずれかに吸入器。
【請求項11】
前記凹部は、前記弁体が取り付けられる側から見て、縦方向または横方向のいずれか一方向においてのみ屈曲する表面を有し、
前記弁体の前記凹部の表面と接触する主面は、前記壁部への非取付状態において、平面である、請求項4に記載の吸入器。
【請求項12】
前記凹部は、前記弁体が取り付けられる側から見て、縦方向または横方向のいずれか一方向においてのみ屈曲する表面を有し、
前記弁体の前記凹部の表面と接触する主面は、前記壁部への非取付状態において、前記凹部の屈曲方向と平行な方向において屈曲し、かつその屈曲部における内角は前記凹部の表面に設けられた屈曲部の内角よりも大きい角度である、請求項4に記載の吸入器。
【請求項13】
前記弁体は、前記凹部の表面に設けられた前記屈曲部に固定されている、請求項11または12に記載の吸入器。
【請求項14】
前記弁体は、前記弁体の前記壁部に対する固定部から遠ざかるにつれてその厚みが減じるように形成されている、請求項13に記載の吸入器。
【請求項15】
前記弁体の前記壁部に対する固定は、前記弁体に設けられたスリットに前記壁部に設けられた突条部を挿し込むことによって行なわれている、請求項13または14に記載の吸入器。
【請求項16】
前記壁部に設けられた前記連通孔を規定する連通孔形成面のうち、前記吐出部と対面する部分は、前記流路側から装置外部側に向かうにつれて前記吐出部からの距離が遠ざかるように傾斜して設けられている、請求項1ないし15のいずれかに記載の吸入器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−255307(P2006−255307A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79990(P2005−79990)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)