説明

吸入器

吸入可能な組成物のリザーバ(5)を含む呼吸器。ハウジング(1)は、このリザーバを含み、アウトレット端部と反対側の端部とを含む。組成物の流動用経路(13)は、リザーバから流動用経路を通り、ハウジングのアウトレット(II)端にある組成物アウトレットから外側に延びる。ハウジング内の柔軟な隔壁(16)は、空気インレット(25)から、ハウジングのアウトレット端にある空気アウトレット(9)に至る、空気流動経路を規定する。この隔壁は、空気流動インレットのそばを通って反対側方向に延び、隔壁の一方の側における空気流動経路を、隔壁の反対側におけるハウジングの残りの部分から分離する。バルブ要素(15)は、隔壁(16)と共に動くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入器に関する。
【0002】
本発明は、特に、大略シガレット形状の本体を有する疑似シガレット装置(模倣されたシガレット装置、simulated cigarette device)のために設計(構成)されている。しかしながら、本発明は、吸入器、たとえば、喘息用吸入器等の経口薬を搬送するための医薬(薬物)用吸入器、の分野において広い用途(適用、応用)を有する、そのような装置のためのアウトレットバルブ(出口弁)の展開(進展、開発)に関するものである。
【背景技術】
【0003】
シガレット代替物の分野において、疑似シガレットを作るための多数の提案がなされてきている。そのような装置は、パッチやガム等の従来のニコチン代替薬治療に対して、数多くの利点を有している。なぜなら、それらは、喫煙者にとって心理的に重要である喫煙の物理的行為を再現し、そして、また、チェーンスモーカーが望むシガレットの薬物動態学的効果をより厳密に再現する、1回分のニコチンを搬送することができるからである。このようにして、喫煙者は、シガレットから馴染みになっている「ヒット」を生じないパッチやガムから徐々に解放されなければならないというよりは、むしろ、そのような「ヒット」を得ることが可能になる。上記「ヒット」は、予測できない投薬(薬注)と、芳しくない渇望成績(poor craving scores)と、芳しくない禁煙率とに導く。
【0004】
疑似シガレットは、吸入可能な組成物(composition)のリザーバと、たとえば、ボタンを押すか、或いは、シガレットの端部に噛むことにより、動かないようにされることができるアウトレットバルブと、を有している。しかしながら、このバルブを開くための好ましい構造(機構)は、呼吸により起動せしめられるバルブを提供することである。なぜなら、これは、使用者が通常のシガレットの方法でその装置を吸うときにのみ、そのシガレットが分注(dispense)するであろうことを確実なものとするからである。
【0005】
米国特許第4,393、884号明細書は、それを通して通過する流動経路を備えた大きく柔軟な「タング(舌)」を有する、1つのそのような装置を開示している。このタングは、それが、シガレットのアウトレット(出口)との整列から外れる第1の位置に付勢され、そして、それが、シガレットの上記アウトレット(出口)と整列して、リザーバから上記アウトレットへの流動経路を提供する、第2の位置に吸い込まれることができる。このような装置は、第1の位置における密閉(シール)が困難である。それは、また、保持スプリング(バネ)の作用に抗して(対して)、上記タングをその開き位置に吸い込むために、少なからぬ力を必要とするであろう。そして、そのタングの比較的大きな質量は、それが、吸い込み(吸入、吸引、suction)が除去された後に分注が続くであろうことを意味する閉じ位置に戻ることが困難であることを意味している。
【0006】
米国特許第6,889,687号明細書は、呼吸により起動せしめられるバルブを有する、疑似シガレットの更なる例を開示している。これは、多数の例を開示している。これらの中の1つは、1対のマグネットを有しており、その1つは、吸い込みが装置に適用された時に、そのマグネットを分離することを許容する柔軟な薄膜(membrane)によって、保持されている。しかしながら、この機構(構造)は、かなり複雑であり、そして、リザーバからの組成物(composition)の搬送を邪魔しそうな複雑な流動経路を有している。第2の例は、軸方向に移動して中央ロッド内の通路を開く、スプリングで付勢されているプランジャである。そのような軸方向に移動可能なプランジャは、事実上、望ましくない。なぜなら、スプリングの付勢力に打ち勝つのに要求される吸い込みのレベルが高過ぎて、事実上、使用できないことが見出されているからである。また、開き位置における、その流動経路は、ロッドから外れ、プランジャ内に位置し、そして、ロッド内に戻るようになっており、従って、それは、また、かなり、複雑である(入り組んでいる)。第3の例は、それに対する力が、装置の軸を中心として回転する羽根(vanes)のシステムにより克服されるようになっており、これにより、カム面に沿って移動して、そのマグネットバルブ部材をそのシート(座)から引くようになっている、マグネット式インターフェースである。再び、これには、複雑、制御の欠如、及び、複雑な流動経路、という問題がある。
【0007】
米国特許第5,027,808号明細書は、マウスピース上の吸引が柔軟な隔壁(隔膜、ダイアフラム)を引っぱり、これにより、それが吸入器内のマウスピース側に吸い込まれるようになっている、吸入器を開示している。これは、順次、スプリングがキャニスター(缶)に対する押圧力を提供してその材料を分注するところの、スプリング荷重(負荷)機構を解放するリンケージ機構を移動させる。このリンケージ機構は、その分注機構に対して、かなりの複雑性と、嵩と、を導入する。そのディスペンサ(分注装置)は、可変制御を提供しない。なぜなら、それは、オン又はオフのいずれかであり得るからである。そして、それは、プッシュボタンを押す使用者によって、リセットされる必要がある。
【0008】
我々自身が以前に出願した国際公開第2009/001082号パンフレットは、呼吸により起動せしめられる、2つの異なった装置を開示している。これらの第1のものは、1つのオリフィスを、リザーバからのアウトレットオリフィスと整列させて分注を可能にするべく、装置の主軸に直角である軸の回りで回転する1対の羽根システムを有している。これらの第2のものは、流動経路を開くために、リターンスプリング(戻りバネ)の作用に抗して(対して)下方に吸い込まれるようになっている、ヒンジで動く1対のフラップを有している。これは、単純な機構(構造)と、軸方向の流動経路と、を提供するという点で、幾つかの問題を解決している。その一方で、その装置をトリガーする吸い込み(吸入、吸引、suction)として必要とされる力は、比較的大きく、その結果、その使用者は、吸入摂取量に従って変動する、少量若しくは多量の、一回分の投与量(服用量、投薬量、dose)を解放するべく、システムに対する制御があまり行えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,393、884号明細書
【特許文献2】米国特許第6,889,687号明細書
【特許文献3】米国特許第5,027,808号明細書
【特許文献4】国際公開第2009/001082号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、呼吸で動作せしめられる、呼吸器用の改良された弁、特に、疑似シガレット(模倣されたシガレット、simulated cigarette)、の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、吸入器であって、吸入可能な組成物のリザーバと、上記リザーバを含むハウジングであって、アウトレット端部と、反対側の端部と、を有するハウジングと、組成物流動経路であって、リザーバから、該流動経路に沿って、ハウジングのアウトレット端部に位置する組成物アウトレットの外側に、組成物を流動させるための組成物流動経路と、ハウジング内に位置し、空気インレットからハウジングのアウトレット端部に位置する空気アウトレットに至る空気流動経路を形成する、柔軟な隔壁(ダイアフラム)であって、上記空気流動インレットのそばを通って、その反対側方向に延在する隔壁にして、隔壁の一方の側における上記空気流動経路を、隔壁の反対の側におけるハウジングの残りの部分から分離する隔壁と、隔壁と共に可動であるバルブ要素であって、付勢力により、上記組成物流動経路を閉じる位置に付勢されているバルブ要素と、を備え、上記アウトレット端部を吸入することにより、上記空気流動チャンバ内の圧力は減じられ、これにより、上記付勢圧に抗し、上記バルブ要素は持ち上げられて、上記組成物流動経路が開くようになっており、上記付勢圧は、上記吸入が終わるとすぐに、上記組成物流動経路を閉じるようになっている、吸入器、が提供される。
【0012】
空気流動インレットを越えて延在し、空気流動経路をなす、負圧下で移動する、隔壁の使用は、信頼性があり、簡単で、感度が高い(鋭敏な、sensitive)バルブ機構を提供する。
【0013】
更に、試験により、この機構は、従来装置よりも、使用者によって操作されるところの必要とされる力がより小さいものとなるように構成されることができ、これにより、高速応答と同様、装置に対する使用者の大幅な制御が可能になり、これにより、従来のシガレットに対して、より類似した経験が提供されることが、示されている。
【0014】
好ましくは、上記組成物流動経路は、実質的に、曲がりがない、直線経路である。これにより、組成物アウトレットに対して、組成物の最も効率的(効果的)な搬送が提供される。
【0015】
最も効率的(効果的)に機能するために、上記柔軟な隔壁は、空気インレットに隣接する領域において、特に、柔軟であるべきであり、また、その長さの残りの部分(箇所)に沿って、より硬くあるべきである。これは、単純に、空気インレットの領域において上記柔軟な隔壁を薄く形成すると共に、その長さの残りの部分(箇所)を厚く形成することにより、実現され得る。それは、その全体巾に亘って、より厚くあることができ、或いは、それは、長手方向に延在するリブと共に成形されることができる。しかしながら、好ましくは、付加的な補強(強化)が、その隔壁の長手沿いに与えられる。これは、内部硬化リブの形態を取り得るが、好ましくは、上記柔軟な隔壁の大部分の長さに沿って延在する羽根である。
【0016】
上記バルブ要素は、上記羽根から分離したものであり得るが、羽根と一体であるのが便利であり(都合がよく)、単純(簡単)なアセンブリを確保するために、一緒に成形されることができる。
【0017】
この羽根は、両端部において、自由(フリー)であることができ、これにより、それは、単純に、1つの位置から他の位置へ、並進(直動)することができる。しかしながら、好ましくは、上記羽根は、上記空気インレットから隔てられた端部において回動自在に設けられ、これにより、それは、開き位置と、閉じ位置と、の間で移動する。これにより、上記羽根は、そのトルクに影響を及ぼす軸(ピボット)を中心として、最大限の正接方向の力を作用させることができ、従って、使用者の呼吸に対する応答性が増加する。
【0018】
上記装置の感度(感受性、sensitivity)は、主に、(もし存在する場合には、上記羽根を含む)上記隔壁の表面積であって、上記空気流動経路に露出されている隔壁の表面積、により、決定される。従って、その薄膜は、好ましくは、吸入器の全体長さの少なくとも4分の1の長さに亘って延在し、好ましくは吸入器の全体長さの少なくとも3分の1の長さに亘って延在する。
【0019】
上記可動バルブ要素は、上記隔壁により移動せしめられるとき、それが、選択的に、上記組成物流動経路を開閉することができるあらゆる方法において、構成されることができる。それは、磁気装置、或いは電磁装置であることができ、或いは、単純に、上記組成物流動経路に対して選択的に整列する貫通オリフィス(貫通孔)を有することができる。しかしながら、好ましくは、上記組成物流動経路の少なくとも一部は、上記バルブ要素により、選択的に、挟まれ、そして、解放されるようになっている、変形可能な管である。
【0020】
単一の隔壁及び関連するバルブ(弁)要素が好ましいが、本発明は、また、上記組成物流動経路を開くため、吸入(吸引)が上記アウトレット端部に適用されたときに、相互に隔てられる方向に移動する1対の対向する隔壁及びバルブ要素によっても、実行されることができる。
【0021】
好ましくは、上記柔軟な隔壁は、必要とされる起動力が2Nと20Nの間、より好ましくは、2Nと10Nの間、最も好ましくは、実質的に5Nであるように、構成される。
【0022】
(上記羽根により覆われるあらゆるパーツを含み、取り囲む上記ハウジングに対して締めつけられるあらゆるパーツを除外する)上記空気流動経路に対して露出される上記柔軟な隔壁の、図における(平面図における、in plan)、全面積は、100mmと500mmの間、より詳しくは、150mm〜250mm、そして、最も好ましくは、実質的に200mmである。これは、減じられた圧力が、もし存在する場合には上記羽根を含む、上記隔壁に作用する、効率的(効果的、有効)な面積である。妥当な大きさの面積を提供することで、上記バルブを開くために要求される吸入力(吸引力)は、減じられる。
【0023】
上記羽根は、好ましくは、5mm〜10mm、最も好ましくは、8mmの高さを有すると共に、10mm〜40mmの長さ、最も好ましくは、25mmの長さを有する。
【0024】
その最も狭い点(ポイント)において、上記隔壁の厚さは、好ましくは、1mm未満であることができ、より好ましくは、0.1mmと0.4mmの間であり、最も好ましくは、0.1mmである。上記隔壁の相対的な硬さ(剛性)と柔軟性(可撓性)は、また、圧力降下と、タバコの喫煙の抵抗に対する装置の抵抗と、を平均化(equate)するために、較正(換算、calibrated)される必要がある。好ましくは、その材料は、20〜80Aショアのショアレイティング、最も好ましくは、30〜40Aのショアレイティングを有する。
【0025】
上記吸入器は、吸入可能なあらゆる薬剤組成物(pharmaceutical composition)用の薬剤搬送吸入器であることができる。しかしながら、その吸入器は、好ましくは、大略シガレット形状の本体を有する、疑似シガレット装置である。この場合、その吸入可能な組成物は、好ましくは、ニコチン、又は、ニコチン誘導体、又は、その塩(塩類)、を含む。一方、それは、その組成物内にニコチンを必要とすることなく喫煙の物理的行為を再現(replicate)する、疑似シガレットであることができる。或いは、その組成物は、患者がコントロールする、鎮痛剤、抗炎症剤、鎮座薬(anti-spasmodics)、気管支拡張剤、センティコステロイド(centicosteroids)、レトロバイラル(retro-virals)、又は、鎮静剤を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】閉じ位置にある第1の吸入器の斜視断面図である。
【図2】開き位置にある、同様の図である。
【図3】図1及び図2の吸入器の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る吸入器の例は、添付図面を参照して、記載される。
【0028】
本発明は、呼吸で起動せしめられるシガレット用のアウトレットバルブ(出口弁)の改良に関し、本発明のこのアスペクトのみが、特に、ここに記載される。シガレット装置の残りの部分と、そのリフィル機構と、の構造の詳細については、国際公開第2009/001078号パンフレットが参照される。
【0029】
本発明に係る吸入器の第1の例は、図1〜図3に示される。
【0030】
この装置は、図1に示されているように、メインシャーシ2からなるハウジング1と、クロージャ部材3とを有する。これは、ラベル4によって、所定位置に保持(支持)されている。このハウジング内に、吸入可能な組成物(composition)を収容するリザーバ5がある。これは、好ましくは、加圧(予圧)されるが、しかし、これは、また、リザーバに高められた吸い込み力(吸引力、吸入力、suction force)を生じさせるべくベンチュリーノズルと組み合わされる加圧(予圧)されないリザーバと共に、或いは、室温で蒸発する傾向がある物質を収容する加圧(予圧)されないリザーバと共に、動作し得る。これは、国際公開第2009/001082号パンフレットに記載されているように、その補充バルブを通して、リフィル可能(補充可能、再充填可能、refillable)であり、或いは、この装置は、単一使用装置(使い捨て装置)であることができ、或いは、この装置は、リザーバ5が置換可能なコンポーネントであるように、構成されることができる。
【0031】
この、呼吸で起動せしめられるバルブ7は、アウトレット端部(出口端部)8と、上記リザーバ5と、の間に位置決めされている。この、呼吸で起動せしめられるバルブは、使用者がアウトレット端部8を吸ったときに、当該呼吸で起動せしめられるバルブ7が開き、これにより、リザーバ5からの吸入可能な組成物が吸入され得るように、構成されている。
【0032】
アウトレット端部におけるハウジングは、2つのオリフィス(開口、孔、穴)を有している。これらのうちの第1のものは、以下に詳細に記載する、チャンバ10に連痛しているサクションオリフィス(吸入オリフィス)9であり、第2のものは、以下に、また、詳細に記載する、吸入可能な組成物が分注されるアウトレットオリフィス(出口オリフィス)11である。図3から明かなように、このアウトレットオリフィス11は、分離した(別の)コンポーネント12に備えられている。
【0033】
上記リザーバ5と上記アウトレットオリフィス11との間には、アウトレット経路13が形成されている。
【0034】
アウトレット経路13の一部は、変形可能な管状部材14により形成されている。この管状部材は、今、説明される機構(メカニズム)により、図1に示される、閉じ位置と、図2に示される、開き位置と、の間で移動せしめられる。
【0035】
この機構は、枢動可能に設けられた羽根(vane)15と、薄膜16と、を有している。この薄膜は、好ましくは、射出成形で成形された、たとえば、TPU材料、若しくはTPE材料、たとえば、クライバーグ・ファーマシューティカル・グレード(Kraiburg Pharmaceutical grade)のTPE、若しくは、メディプレン(mediprene)、サントプレン(Santoprene)、若しくは、ネオプレン(Neoprene)である。上記枢動可能に設けられた羽根は、アウトレット端部8に最も近接する端部においてピボット(旋回軸)17を有すると共に、その長さ方向沿いに延在し且つアウトレット端部から隔てられる方向に先細になる中央補強リブ18を有している。或いは、2つ、或いは、それ以上の、隔てられたリブが存在していても良い。その中心点辺りにおいて、上記羽根15には、スプリング(バネ)20を受け入れるための凹部19が設けられている。このスプリング(バネ)20は、それを、図1に示される閉じ位置に付勢している。この凹部19の下には、羽根15から与えられる力を上記変形可能な管14に対して狭い範囲(領域)で適用するように構成されている、三角形状の断面を有するジョー(あご部)21がある。この羽根15は、隔壁(隔膜、ダイアフラム)16の開口(アパーチャ)を通してジョー21がフィット(適合)することにより、また、隔壁上のボス16Aが羽根15の開口(アパーチャ)内にフィットすることにより、該隔壁16によって支持されている。この隔壁16は、その端部22,23において、ハウジングに対して密閉(密封、シール)されている。これは、上記サクションオリフィス9に対して以外に、チャンバ10を密閉する。上記端部23において、隔壁16は、波形が形成されており、これにより、上記開き位置と閉じ位置との間で、その端部の動き(移動)ができるようになっている。
【0036】
図面には示されていないが、上記ハウジング1を通して漏れ経路が存在しており、上記薄膜16の下側24は、大気圧に対して開放している。それは、アウトレット経路1の回りに延在しており、従って、図1及び図2の平面には示されていない。
【0037】
図1に示された構成における装置に関して、使用者が、アウトレット端部8を吸引すると、空気は、インレットオリフィス(入口オリフィス)25を介してチャンバ10内に吸引され、そして、サクションオリフィス9から出て行く。これにより、このチャンバ内の圧力は、隔壁16の下の圧力に対して、低下する。隔壁16上に生じるこの差圧は、その流動経路を閉じるのに十分である。たとえば、それは、スプリング20の作用に抗して(対して)、羽根15を図2に示す位置に持ち上げることができる。これは、上記隔壁を、図2に示す位置(配置)になるように変形し、上記ジョー21を持ち上げる。これにより、上記変形可能な管が開く(開口する)ことを許容する。これにより、吸入可能な組成物は、リザーバ5から、アウトレット経路13に沿って変形可能な管14を通り、そして、アウトレットオリフィス11を通って外側に出ることを許容する。使用者によって適用される吸引の程度は、羽根15が移動する程度(限度、範囲)を決定し、従って、その使用者が受ける組成物の量を決定するであろう。
【0038】
使用者が吸引を停止すると、すぐに、大気圧は、サクションオリフィス9を介して上記チャンバ10内に戻り、そして、スプリング20は、羽根15を図1の位置に戻すであろう。これにより、上記管14は、挟まれ(締めつけられ)て、閉じられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器であって、
吸入可能な組成物のリザーバと、
上記リザーバを含むハウジングであって、アウトレット端部と、反対側の端部と、を有するハウジングと、
組成物流動経路であって、リザーバから、該流動経路に沿って、ハウジングのアウトレット端部に位置する組成物アウトレットの外側に、組成物を流動させるための組成物流動経路と、
ハウジング内に位置し、空気インレットからハウジングのアウトレット端部に位置する空気アウトレットに至る空気流動経路を形成する、柔軟な隔壁であって、上記空気流動インレットのそばを通って、その反対側方向に延在する隔壁にして、隔壁の一方の側における上記空気流動経路を、隔壁の反対の側におけるハウジングの残りの部分から分離する隔壁と、
隔壁と共に可動であるバルブ要素であって、付勢力により、上記組成物流動経路を閉じる位置に付勢されているバルブ要素と、を備え、
上記アウトレット端部を吸入することにより、上記空気流動チャンバ内の圧力は減じられ、これにより、上記付勢圧に抗し、上記バルブ要素は持ち上げられて、上記組成物流動経路が開くようになっており、
上記付勢圧は、上記吸入が終わるとすぐに、上記組成物流動経路を閉じるようになっている、吸入器。
【請求項2】
上記組成物流動経路は、実質的に、曲がりがない、直線経路である、請求項1記載の吸入器。
【請求項3】
更に、上記柔軟な隔壁の大部分の長さに沿って延在する羽根を有する、請求項1又は2記載の吸入器。
【請求項4】
上記羽根は、上記空気インレットから隔てられた端部において回動自在に設けられている、請求項3記載の吸入器。
【請求項5】
上記バルブは、上記羽根と一体化されている、請求項3又は4記載の吸入器。
【請求項6】
上記薄膜は、吸入器の全体長さの少なくとも4分の1の長さに亘って延在する、請求項1〜5のいずれかに記載の吸入器。
【請求項7】
上記薄膜は、吸入器の全体長さの少なくとも3分の1の長さに亘って延在する、請求項1〜6のいずれかに記載の吸入器。
【請求項8】
上記組成物流動経路の少なくとも一部は、上記バルブ要素により、選択的に、挟まれ、そして、解放されるようになっている、変形可能な管である、請求項1〜7のいずれかに記載の吸入器。
【請求項9】
上記柔軟な隔壁は、必要とされる起動力が2Nと20Nの間にあるように、構成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の吸入器。
【請求項10】
上記柔軟な隔壁は、必要とされる起動力が7Nと10Nの間にあるように、構成されている、請求項1〜9のいずれかに記載の吸入器。
【請求項11】
上記柔軟な隔壁は、必要とされる起動力が実質的に5Nであるように、構成されている、請求項1〜10のいずれかに記載の吸入器。
【請求項12】
上記柔軟な隔壁は、ショアAスケールで、20〜80Aの硬さを有している、請求項1〜11のいずれかに記載の吸入器。
【請求項13】
上記柔軟な隔壁は、ショアAスケールで、30〜40Aの硬さを有している、請求項1〜12のいずれかに記載の吸入器。
【請求項14】
上記羽根により覆われるあらゆるパーツを含む上記空気流動経路であって、取り囲む上記ハウジングに対して締めつけられるあらゆるパーツを除外する上記空気流動経路、に露出される上記柔軟な隔壁の、図における、全面積は、100mmと150mmの間にある、請求項1〜13のいずれかに記載の吸入器。
【請求項15】
上記羽根により覆われるあらゆるパーツを含む上記空気流動経路であって、取り囲む上記ハウジングに対して締めつけられるあらゆるパーツを除外する上記空気流動経路、に露出される上記柔軟な隔壁の、図における、全面積は、150mmと250mmの間にある、請求項1〜14のいずれかに記載の吸入器。
【請求項16】
上記羽根により覆われるあらゆるパーツを含む上記空気流動経路であって、取り囲む上記ハウジングに対して締めつけられるあらゆるパーツを除外する上記空気流動経路、に露出される上記柔軟な隔壁の、図における、全面積は、実質的に200mmである、請求項1〜15のいずれかに記載の吸入器。
【請求項17】
上記吸入器は、疑似シガレットである、請求項1〜16のいずれかに記載の吸入器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−500809(P2013−500809A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523380(P2012−523380)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001488
【国際公開番号】WO2011/015826
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(510000482)カインド・コンシューマー・リミテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】KIND CONSUMER LIMITED