吸収体製品
【課題】寝たきりの患者及び介護者双方の負担を軽くすること。
【解決手段】吸収体製品は、便の捕集に供され、装着者の尿を外に排出する導出部2が形成された装着カバー1と、尿吸収カプセル5と、装着カバーと尿吸収カプセルを着脱可能に結合するコネクター3とを有する。便と尿の捕集が別々であり、便の捕集は装着カバーで行い、尿の捕集は尿吸収カプセルで行うので、排泄頻度の高い尿処理のためには尿吸収カプセルだけを交換すればよい。介護者はオムツ交換の負担が軽減する。尿吸収カプセルの交換が容易なので、施設や病院での介護者の負担が軽減し、自宅での家族の介護も容易になる。
【解決手段】吸収体製品は、便の捕集に供され、装着者の尿を外に排出する導出部2が形成された装着カバー1と、尿吸収カプセル5と、装着カバーと尿吸収カプセルを着脱可能に結合するコネクター3とを有する。便と尿の捕集が別々であり、便の捕集は装着カバーで行い、尿の捕集は尿吸収カプセルで行うので、排泄頻度の高い尿処理のためには尿吸収カプセルだけを交換すればよい。介護者はオムツ交換の負担が軽減する。尿吸収カプセルの交換が容易なので、施設や病院での介護者の負担が軽減し、自宅での家族の介護も容易になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に介護者が必要な寝たきり状態や車椅子利用状態等の患者が装着して使用する吸収体製品であって、排出の頻度が異なる便と尿を別々に捕集できるために装着者にとって装着感がよく、かつ吸収体製品の交換を行う介護者にとっても便又は尿を捕集する各部分について必要な限度で確認及び交換を行えば済むため作業負担が軽くてすむ吸収体製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自力で排泄の処置ができない要介護状態の患者が使用する吸収体製品としては、患者の腰部に装着して便と尿を捕集処理するフラップ状パルプや高分子吸収体(SAP)を吸収体成分として用いたテープタイプやパンツタイプのオムツが利用されている。そして、要介護状態にある患者の中でも、特に血管疾患系の病気を患っている患者の場合には、普段から水分を多く補給させるため、一回の排尿量はかなりの量となり、排尿回数も多くなるため、市販のオムツの中に大容量尿パッドを敷いて使用することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、このような患者の場合は、上述した通り一回の排尿量が多く、排尿回数も多いため、尿閉も重なると、特に夜間(睡眠時)には市販のオムツに大容量尿パッドを組合せて使用したとしても、溢れてしまうくらいの排尿量となって対応できなくなり、結果的に着衣、寝具等を汚染し、これら全てを交換せざるを得ないような事態が出来する。
【0004】
オムツの交換は非常に面倒な作業であり、排便の回数(一日平均0〜3回)と比べると排尿の回数(昼間平均5〜8回、夜間平均0〜2回)は多く、排尿の度にオムツを交換するのは、介護者にとってはかなりの負担となっている。
【0005】
しかも市販のオムツはサイズが大きく、総吸収量としては大きくても局所的には吸収量が十分ではない場合もあり、たとえ尿パッドを併用したところでも漏れてしまうおそれがある。漏れてしまった場合は、オムツ自体に加えてパジャマやベッドシーツなども併せて交換を余儀なくされ、患者の身体を清潔に保ちつつ、それらを全て交換することは、介護者にとってはかなりの重労働であるとともに心労を伴うものである。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、排便後はオムツを交換せざるを得ないとしても、尿に関しては、なるべくオムツとは別の手段を講じて確実に捕集し、容易に回収・交換ができるようにし、装着者(患者)及び介護者双方の負担を軽くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された吸収体製品は、
装着者の腰部に装着され、装着者の便の捕集に供されるとともに、装着者の尿を外に排出するための導出部が形成された装着カバーと、
前記装着カバーの外に設けられ、装着者の尿を入口部から受け入れて捕集する尿吸収カプセルと、
前記装着カバーの導出部と前記尿吸収カプセルの入口部が連通するように前記装着カバーと前記尿吸収カプセルを着脱可能に結合し、装着者の尿を前記尿吸収カプセルの内部に誘導するコネクターと、
を有することを特徴としている。
なお、上記コネクターは、装着カバーと尿吸収カプセルを着脱できるあらゆる連結手段を含み、その構成は、独立した部材、装着カバーと一体、尿吸収カプセルと一体のいずれの構成でもかまわない。
【0008】
請求項2に記載された吸収体製品は、請求項1記載の吸収体製品において、
前記コネクターが前記装着カバーと一体であり、前記尿吸収カプセルが、前記装着カバーと一体になった前記コネクターに対して着脱可能とされたことを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載された吸収体製品は、請求項1記載の吸収体製品において、
前記コネクターが前記尿吸収カプセルと一体であり、その前記尿吸収カプセルと一体となった前記コネクターが、前記装着カバーに対して着脱可能とされたことを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載された吸収体製品は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品において、
前記装着カバーにおいて、漏洩した尿を吸収するための吸収体が少なくとも前記導出部の周辺の内面側に設けられたことを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載された吸収体製品は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品において、
前記コネクターが、前記装着者の体表面に沿った立体形状を有することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載された吸収体製品は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品において、
前記コネクターが男性用であり、ぺニスの挿通する通孔部を有することを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載された吸収体製品は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品において、
前記コネクターが女性用であり、陰唇部位を被覆するようなカップ状の立体構造を有することを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載された吸収体製品は、請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品において、前記尿吸収カプセルが、液不透過性の材料からなる袋体と、前記袋体の内部に設けられて尿を吸収して固定化する吸収体とを有することを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載された吸収体製品は、請求項8に記載された吸収体製品において、前記尿吸収カプセルにおいて、前記袋体がタックをもって形成され、前記袋体と前記吸収体との間に設けられた液ガイド部を有することを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載された吸収体製品は、請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品において、前記尿吸収カプセルが、前記コネクタを介して前記装着カバーに結合された第1の尿吸収カプセルと、前記第1の尿吸収カプセルに管をもって連通し前記第1の尿吸収カプセルに流入した尿を受け入れて貯蔵する第2の尿吸収カプセルとを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載された吸収体製品によれば、便と尿の捕集を別々とし、便の捕集は装着カバーで行い、尿の捕集は尿吸収カプセルで行うこととし、両者はコネクターで着脱可能として尿吸収カプセルだけを交換することができる。
【0018】
すなわち、機能的には、装着カバーは主に便の捕集をし、尿吸収カプセルは排泄された尿を100%吸収することができ、仮に装着状態の不具合等で尿吸収カプセルから溢れてしまった液や、伝いモレ等でこぼれてしまう少量の液は、装着カバー内に流れて吸収されるのでカバー外へ漏れることはない。
【0019】
また、装着者にとっては、尿と便を分離し、尿と便の捕集場所を隔離することにより、尿と便が混ざり合うことによって生じる臭気の発生や、それらが直接肌に触れることによって生じる皮膚のカブレなど、様々な弊害が無くなる。また、尿吸収カプセルの容量やサイズを変更することにより、多量の尿や頻尿などにも柔軟に対応することができる。
【0020】
介護者にとっては、装着カバーの外に位置する装脱着が容易な尿吸収カプセルに尿の吸収部分を集中させることにより、オムツ交換の負担が軽減する。また、尿吸収カプセルの交換を容易にすることにより、施設や病院での介護者の負担が軽減するだけでなく、自宅での家族の介護も容易になる。また、現在介護者が行っているオムツの装着法をそのまま利用できるため、装着の失敗などもほとんど生じない。さらに、尿のみを尿吸収カプセル内に閉じこめて固定化することにより、交換時の不快な臭気の発生を防ぐことができる。
【0021】
請求項2に記載された吸収体製品によれば、請求項1記載の吸収体製品による効果に加え、コネクターが一体に取り付けられた装着カバーに対し、尿吸収カプセルを容易に着脱することができる効果が得られる。
【0022】
請求項3に記載された吸収体製品によれば、請求項1記載の吸収体製品による効果に加え、装着カバーに対し、コネクターが一体に取り付けられた尿吸収カプセルを容易に着脱することができる効果が得られる。
【0023】
請求項4に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、仮に装着状態の不具合等で尿吸収カプセルから溢れてしまった液や、伝いモレ等でこぼれてしまう少量の液が装着カバー内に流れこんでも、導出部の周辺にある吸収体がこれを吸収するのでカバー外へ漏れることはないという効果が得られる。
【0024】
請求項5に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、装着カバーと尿吸収カプセルを接続連通するコネクターが装着者の体表面にフィットするので、当該部分における尿漏れが起こりにくく、また装着感が向上するという効果が得られる。
【0025】
請求項6に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、装着者が男性である場合に、通孔部がぺニスを保持して尿を確実に尿吸収カプセルに導くことができるので、尿は装着カバーの内外に漏れにくい。
【0026】
請求項7に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、装着者が女性である場合に、尿道口から排出された尿はコネクターのカップ状の立体構造内から安定して尿吸収カプセルに導かれるので、尿は装着カバーの内外に漏れにくい。
【0027】
請求項8に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、尿吸収カプセルに導かれた尿は吸収体に伝わって効率的に吸収・固定化されるという効果が得られる。
【0028】
請求項9に記載された吸収体製品によれば、請求項8に記載された吸収体製品による効果に加え、尿吸収カプセルに導かれた尿は、液ガイド部により吸収体の全面に伝わって効率的に吸収・固定化され、またタックのある袋体により吸収前はコンパクトであるにも関わらず吸収後は膨らんで大容量となるという効果が得られる。
【0029】
請求項10に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、排泄された尿を装着カバーに接続された第1の尿吸収カプセルに溜めつつ、この尿を、これと管で接続され、装着カバーの外にある第2の尿吸収カプセルに移して捕集することができるので、大量の尿でも対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本願発明における最良の実施形態(以下本例とも呼ぶ)を説明する。
なお、実施形態は種々のバリエーションを含んでいるが、図面中に表した実施形態の構成要素に付す符号は、バリエーションの相違に係わらず、発明の構成要素として実質的に同等の場合は原則的として同一の符号を付して説明することとし、発明の種々の形態を統一的に説明するとともに参照符号の区別による煩雑を避けることとした。
【0031】
1.本例の概要
本例の吸収体製品は、主として便を捕集するために着用者の身体(腰部)に装着されるおむつ状の装着カバーと、専ら尿を捕集するために装着カバーの外側に設けられて尿吸収を行わしめる尿吸収カプセルと、その尿吸収カプセルを装着カバーに取り付けるためのコネクターから構成される。
【0032】
なお、後に詳述するように、連結手段としてのコネクターは、装着カバーと尿吸収カプセルを着脱可能に連結して尿を尿吸収カプセルに導く機能を有するものであればよく、コネクター付属型の装着カバーに対して尿吸収カプセルを接続する構造でもよいし、また装着カバーに対してコネクター付属型の尿吸収カプセルを接続する構造でもよい。さらに、装着カバーと、コネクターと、尿吸収カプセルをそれぞれ別体とし、装着時に互いに接続・連結される構造でもよい。
【0033】
以上のように便と尿の捕集場所を分離した構成であるから、排便後は装着カバーを交換することとなるが、尿に関しては、装着カバーではなく装着カバーの外に別途設けた尿吸収カプセルだけで確実に捕集できるので尿カプセルだけを回収・交換することで対応できる。これは、介護者にとって負担の大きい従来のオムツに相当する装着カバーの交換作業を、排尿に比べて回数が少ない排便の頻度で行えることを意味し、介護者の負担を大幅に軽減するものである。
【0034】
すなわち、本例は、介護者による装着者への装着を前提とした製品であり、対象となる装着者としては、車椅子利用者や寝たきり患者、認知症患者等の要介護者が挙げられる。特に血管疾患系の病気(脳血管疾患、心疾患、糖尿病等)を患っている患者(一日または一回の排尿量の多い患者)や、現在尿瓶やオムツ等を利用している患者には特に適している。また、本例の製品は、使用場所としては自宅、施設、病院での利用に適しており、使用時間帯としては昼間の休養時や、夜間の睡眠時等のあらゆる時間帯での利用に適している。
以下、本例の製品を構成する装着カバー、コネクター、尿吸収カプセルの各構成要素と、各要素間の結合構造等について説明する。
【0035】
2.装着カバー(図1〜図14)
装着カバー1は、主として便の捕集のためのオムツとして装着者の腰部に装着するものであり、またこれに対して後述する別体の尿吸収カプセル又はコネクターを装脱着する対象となるものである。また、装着カバー1は、主として便の捕集のためではあるが、尿吸収カプセルから尿があふれ出てしまった場合には、後述するようにこれを吸収する機能も備えることが好ましい。従って通常の市販されている大人用オムツをこの装着カバーとして利用することも可能であるが、より薄くて通気性に優れ、蒸れにくく設計された専用の装着カバーを使用することが好ましい。本例では、装着カバー1の基本的構造として、前部開口型(パンツ型及びテープ型)と、前身頃無しコネクター固定型の2種類を例示する。
【0036】
(1) 前部開口型
前部開口型の装着カバー1は、従来のテープ型及びパンツ型のオムツの前身頃(局部付近)に、尿吸収カプセルを装着するための尿の導出部(開口部としての孔やスリット)が設けられたものである。
図1(a)に示すパンツ型の装着カバー1は、腰部両側端がシールされ袋体の底部に脚を通す2つの孔が形成された構造であり、寝たきり患者以外の要介護者用により適している。使用時の主な体位は立位、座位とするのがよい。図1(b)に示すように、この装着カバー1のスリット状の開口部である導出部2から筒状のコネクター3が突出するように取り付け、このコネクター3の外に袋状の尿吸収カプセル5を取り付ける。このコネクター3の通孔部4に装着者のペニスを通し、ペニスの先端を尿吸収カプセル5内に配置する。すなわち、この例は男性用である。
【0037】
これに対し、図2(a)に示すテープ型の装着カバー1は、着用時の腰部両側面において着脱可能な結束手段10により開閉自在とされた展開形状が略砂時計形の構造であり、主に寝たきり患者用に適している。使用時の主な体位は仰臥位、横臥位とするのがよい。図2(b)に示すように、この装着カバー1のスリット状の開口部である導出部2から筒状のコネクター3が突出するように取り付け、このコネクター3の外に袋状の尿吸収カプセル5を取り付ける。このコネクター3の通孔部4に装着者のペニスを通し、ペニスの先端を尿吸収カプセル5内に配置する。この例も男性用である。
【0038】
図3〜図6は、テープ型の装着カバー1の平面展開図であり、略砂時計形の展開形状の4隅には着用時の結束のために結束手段10(面ファスナー等)が設けられているが、パンツ型の装着カバー1も着用時の腰部の両側面で縦に切断して展開すれば同様の形状となる。図3〜図6に示すように、本例では、装着カバー1の導出部2(開口部)の周囲の少なくとも一部と、便の捕集位置である後方部分には、吸収体11が連続して設けられており、便からの水分を吸収する他、後述する尿吸収カプセル5に行くべき尿が誤って装着カバー1内に漏れた場合に吸収できるようになっている。
【0039】
図3の例では、長円状スリットである導出部2の全周囲を覆って矩形の吸収体11が設けられている。図4の例では長円状スリットである導出部2の全周囲を挟む両側に2本の矩形帯状の吸収体11が設けられている。図5の例では台形状の導出部2の前側以外の周囲、特に後側の広い範囲に前方2又後方矩形の吸収体11が設けられている。図6の例では長円状スリットである導出部2の周囲に所定の間隔を置くように長円状の孔12がくりぬかれた矩形の吸収体11が設けられている。
このように、導出部2の周辺には尿漏れの可能性があるので、少なくとも導出部2の周囲の一部分に吸収体11を設けておけば、仮に尿漏れが生じた場合でも吸収することができる。装着カバー内に用いられる吸収体としては市販オムツに用いられている吸収体、例えばフラップパルプ、フラップパルプとSAPの混合体あるいはSAP主成分のエアレイド吸収体等が使用可能であるが、後述するような導出部の加工を配慮すると図57及び図58に例示するような不織布面にライン状にSAPをコーティングした構造を持つシート状の吸収体を用いることによって、図58のようにSAPの存在しない部位にスリットを設けることによって導出部の形成も容易にすることができる。
【0040】
(2) 導出部2の形状
本例の装着カバー1に設けられた尿の導出部2の形状例について説明する。なお、装着カバーの形状は着用状態を模式的に示したものであり、パンツタイプであってもテープタイプであってもよい。
図7(a)〜(d)にそれぞれ示すように、装着カバー1の導出部2(開口部)は、直線型(a)、十字型(b)、曲線型(c)、複数スリット型(d)のように種々の形状とすることができる。装着者の体型の個人差や装着時の体位などにより、後述する尿吸収カプセル5及びこれと結合するためのコネクター3の位置は変化することがあるが、本例のように導出部2のスリット形状を工夫することによりコネクター3や尿吸収カプセル5の位置を微調整することが可能となる。
【0041】
図8(a)〜(d)にそれぞれ示すように、装着カバー1の導出部2(開口部)を、楕円形(a)、長方形(b)、三角形(c)、台形(d)のように種々の形状とすることができる。このようなくり抜き形状は図7に示したようなスリットに比べると穴の面積が広いため、尿吸収カプセル5やコネクター3の装着が比較的容易になる。
【0042】
当該前側に形成する導出部2は、図9に示すような折り返し構造とすることができる。
すなわち、図9(a)〜(d)にそれぞれ示すように、T字形(a)、十字形(b)、I字形(c)、逆U字形(d)のような各形状で、装着カバー1の導出部2(開口部)を、装着カバー1の前身頃にスリットを入れて形成し、その切り込み部分を装着カバー1の内側もしくは外側の方へと折り込み、その折り込んだ部分によって導出部の形成の際生ずる吸収体成分の外部への脱落を防止するとともにコネクターと装着カバーとの密着性を高めることにより、尿がコネクターを伝わって外部へ漏れるのを防止できる。
【0043】
例えば、図9(d)に示すように、逆U字形に切り開いて舌片状部分を装着カバー1の内側に折り込むと、仮に尿が漏れて舌片状部分に流れた場合、この尿は装着カバー1の底部分にある吸収体11の多い部分(導出部2周辺から便の捕集位置に至る領域)に集まるので、効率的に吸収されることとなる。
【0044】
(3) 導出部2の処理方法
図10(a)に示すように、装着カバー1が、内面の液透過性シート(トップシート12)と外側の液不透過性シート(バックシート13)の間に吸収体11を封入したシート材料からなり、その吸収体11が、便を受けるべき位置の他、導出部2を形成しようとする前側の位置にも設けられている場合には導出部を形成する際に吸収体も一緒に切断することになり吸収体成分であるパルプやSAPの脱落の危険性が生ずる。このような場合は、スリット状、くり抜き状の開口部である導出部2を形成するために、次に説明するような構造・方法を採用することができる。
【0045】
図10(a)〜(c)に示すのは熱圧着による方法・構造であり、バックシート13とトップシート12を中身の吸収体11ごと熱圧着して導出部2の縁辺を封着固定して内部の吸収体11が外に出ないようにする。導出部2をスリット状にする場合、装着カバー1内に使用する吸収体11としては、少なくともスリットを形成する圧着部分については図57及び図58に示したようなシート状吸収体例えばMegaThin(登録商標)など)を用いることが望ましい。
【0046】
図11(a)〜(c)に示すのは不織布14を両面に貼り付けによる方法・構造であり、装着カバー1の吸収体11の一部分を切断線で示すように切断してくり抜く、除去した後、開口が形成された不織布14を両面から張り合わせるものである。
【0047】
図12(a)〜(c)に示すのはバックシート13ごと折り返す方法・構造であり、装着カバー1に導出部2となるスリットを入れた後、バックシート13及びトップシート12ごと内側に折り返し、接着手段を介して接着するものである。
【0048】
図13(a)〜(d)に示すのは不織布14を片面に貼り付け、折り返す方法・構造であり、装着カバー1にスリットを入れるか、もしくはくり抜いた後、外側から不織布14A,14B(又はフィルム等)と2枚の不織布切片を貼り、これを内側に織り込んで内面に接着するものである。
【0049】
(4) 前身頃無しコネクター固定型
本例の装着カバーの基本的構造の他の例として、前身頃無しコネクター固定型を図14を参照して説明する。図14に示す装着カバー1は、主に股下部分から後身頃及び後身頃に連続する左右ウエスト部分1aを主体としており、左右ウエスト部分1aの間に横方向の横固定バンド15を設け、股下部分と横固定バンド15の中央との間にコネクター固定用の縦バンド16が接続された構造である。これを装着者の腰部に装着した場合、股下部分から後身頃の部分が装着者の便の捕集に供され、前身頃に相当する開放部分乃至縦バンド16の下方部に設けられたコネクター3の取り付け部分が装着者の尿を外に排出するための導出部2に相当することとなる。すなわち、縦バンド16は下方部において上下に分かれており、上下の縦バンド16の間にコネクター3が取り付けられるようになっている。このような構造でも、本例の吸収体製品の装着カバーとして使用することができる。
【0050】
3.コネクター3(図15〜図21)
コネクター3は、後述する尿専用の吸収部である尿吸収カプセル5を前記装着カバー1に対して確実に装着、固定し、尿吸収カプセル5の交換を簡潔にするための部材である。またコネクター3は、排泄された尿を尿吸収カプセル5内へと誘導するとともに、尿が溢れてしまった場合にはその尿を装着カバー1内へと誘導し、カバー外への漏れをなくすための部材でもある。
【0051】
上記の機能を達成するために、このコネクター3は、尿吸収カプセル5の取付部分と、装着カバー1の接続部分と、尿吸収カプセル5内への液誘導部分と、局部フィット部分(男性専用の場合はペニス挿入部分、女性専用の場合は陰唇をカバーする部分)の各部(構造)を有しており、全体的な形状としては構造の簡単な略板状の平面型と、装着者の身体の表面形状に沿った立体型のものとを例示する。一般的に表現すれば、男性用の場合は平面型でよいが、兼用の場合あるいは女性専用の場合は立体型になる。
【0052】
(1) 平面型
図15(a)〜(f)にそれぞ示すように、平面型のコネクター3の形状は、正方形(a)、逆三角形(b)、円形(c)、逆台形(d)、中央の円形と左右の矩形部分からなる形状(e)、下方凸形(f)とすることができる他、その他の所望の形状に設定することができる。図15の例においては、ペニスが相通する中央の通孔部4は挿入性と保持性に優れた多数のスリットを放射状に交差させた星型構造とされている。
【0053】
図16(a)〜(h)にそれぞ示すように、平面型のコネクター3の通孔部4の形状は、スリット状として横配置スリット状(a)、十文字状(b)、前記星型(c)、下に凸のU字形(d)、さらにくり抜き形としては丸型(e)、ひし形(f)、正方形(g)、逆三角形(h)とすることができる他、その他の所望の形状に設定することができる。図16の例においては、平面型のコネクター3の外形は正方形とされている。
【0054】
(2) 立体型
図17(a)〜(e)にそれぞれ示すように、立体型のコネクター3の形状は、貫通円錐台形(a)、円形の通孔部4があるファールカップ(又はグロインガード)様形状を持つ略半球形状(b)、筒状の2つの通孔部4が角度をもって開いて取り付けられた略半球形状(c)、装着者の下腹部の形状に沿った外形略三角形状で人体の局部を囲むべく枠状にくり抜かれたもの(d)及び(e)に設定することができる。図17の例においては、その形状に応じて男女兼用(a〜d)または女性専用(e)として用いることができる。
【0055】
図18は平面型と立体型の組み合わせからなる男性専用のコネクター3であり、いずれもペニスが挿通する通孔部4を有する。図18(a)〜(f)にそれぞ示すように、円板状のフランジ17を有する貫通円錐台形(a)、逆台形状のフランジ17を有する貫通円錐台形(b)、一部が下方に開放された貫通円筒形(c)、左右に張り出した矩形のフランジ17を有する貫通円錐台形(d)、下方凸形のフランジの下方凸部に貫通円錐台形が設けられたもの(e)、そして下方凸形のフランジを有するとともに(e)の構造よりも長い下方凸部の先端に下方が開放された貫通円筒形の通孔部を設けたもの(f)などの例が挙げられる。特に(f)の形状は先端を長くして装着者の体表面へのフィッティングを改良したものである。
【0056】
(3) 通孔部4の構造
図19はコネクター3の通孔部4が筒状である場合の形状・構造を例示するものであり、円筒形(a)、角筒形(b)、円錐台形(c)とすることができる。
【0057】
図20はコネクター3の通孔部4が前後に貫通した筒状であるが、さらにその他の一部においても開放された場合の構造を例示するものであり、前後に貫通しさらに下半分も開放した山形トンネル形状(a)、前後に貫通した山形に近似する略三角筒形状のさらに両側の2隅も開放した形状(b)、図18(c)と同一の構造であり前後に貫通した円筒形のさらに下半分も開放した形状(c)とすることができる。このように前後以外の部分でも開放された通孔部4の形状構造により、装着者がどのような体位をとっても、尿の流動方向を尿吸収カプセル5側へと集中させることができる。
【0058】
図21(a),(b)は、いずれも女性専用に設計されたもので、女性局部の形状に添った曲面で構成された女性用のコネクター3aの一例である。以下、より詳細に説明する。いずれの例も、全体の形状としては、先端部分(P) から深く広がったドーム状の部分(Q) 、そして液の通過部となる円筒状の通孔部4をもつ後端部分(R) からなるカップ状の形状を有している。
【0059】
さらに、同図(b)の例では、形状保持材からなるドーム状の部分(Q) の外周に添って、さらに軟質ウレタンフォームからなるクッション効果のある縁部(E) を有している。
【0060】
いずれの例も、先端部分(P) は若干狭く浅い形状で、陰核の前方2〜3mmまで伸び、後端部分(R) は会陰の部分まで被覆するように伸び、装着時に違和感を感じさせないよう若干狭くなっている。ドーム状の部分(Q) の中央の部分は幅が広く深い部分で、大陰唇を被覆するようなサイズとされ、例えば深さが10〜20mm、幅は30mm前後となっている。
【0061】
図55に、女性の局部と前記コネクターとのフィッティング状態を示す説明図を示す。図55は、前記コネクターを女性が仰臥位にて装着した状態を側面側から示す断面図である。同図において、尿道口から排出された体液は、この身体に密着したカップ状の前記コネクターのドーム状の部分(Q) に捕集され、漏れることなく後端部分(R) にある通孔部4を通って、後述する尿吸収カプセルに捕集・吸収される。
【0062】
4.尿吸収カプセル5(図22〜図31)
前述した装着カバーが便の捕集を主目的としているのに対し、本例の尿吸収カプセル5は、尿のみを確実に捕集することを目的とし、尿を蓄え、吸収、固定化するものであって、液を漏らさず、ニオイも漏らさない構造とすることが好ましい。さらに、尿により吸収体の色等の状態が変化したことを外側から視認できる等、排尿のチェックが見た目で簡単に判断でき、交換のタイミングがわかりやす仕組みを備えていればなおよい。また、尿吸収カプセル5は、コンパクトでありながら大容量で大量の尿を吸収できる構造とすることが好ましい。さらに、吸収体11の使用効率を高くすれば無駄が省かれ一層好適である。このように、本例の尿吸収カプセル5によれば、従来の便と尿を分けないオムツ交換に比べ、コスト、ゴミの量が削減でき、介護者のオムツ交換作業効率が良くなる効果がある。
【0063】
上記の機能・効果を達成するための構造として、この尿吸収カプセル5は、尿を一時溜める袋体と、コネクター3との固定部分と、袋体に設けられたトラップ状の入口部(尿受容部分)と、袋体内に設けられて尿を吸収、固定化する吸収体11と、袋体の袋体内に設けられて尿を吸収体11に満遍なく行き渡らせるための液ガイド部と、さらに使用後に捨てる場合に袋体の入口部を封止するためのシール構造とを備えている。袋体は、外部への液漏れや臭気漏れを防ぐため、その外面をフィルムやフィルム/不織布の不透過性材料で構成し、内部にある吸収体11の膨張に伴って膨張しやすいようにタック25をとるように構成されていることが好ましい。
なお、尿吸収カプセル5の構造説明に当たって、図22、図23及び図30には吸収体11を図示しているが、図24〜図29では内部にある吸収体の図示は省略している。
【0064】
(1) 入口部の形状・構造
図22及び図23に示す袋体の入口部6(コネクター3の接続部)付近は、コネクター3のフック部分に接続可能となるようなループ構造(不織布等)を配置している。また、同図に示すように、入口部6の近傍の不織布を内方に折り返して、コネクター3や装着カバー1方向への尿の逆流防止の弁18としている。また、図24及び図25に示すように、コネクター3への装着性をより確実なものとするために、入口部6に糸ゴム19等の弾性手段で伸縮性を持たせてもよい。図24は入口部6の片面のみに糸ゴム19を設けて伸縮性を与えた例であり、図25は入口部6の両面に糸ゴム19を設けて伸縮性を与えた例である。
【0065】
(2) 接続手段付き
図26(a),(b)は、入口部6をコネクター3に取り付けて固定するための接続手段として紐20を有する場合であり、それぞれ装着の前後を示す図である。図27(a),(b)は、入口部6をコネクター3に取り付けて固定するための接続手段として巾着21を有する場合であり、それぞれ装着の前後を示す図である。図28(a),(b)は、入口部6をコネクター3に取り付けて固定するための接続手段として結束バンド22を有する場合であり、それぞれ装着の前後を示す図である。この結束バンドは、本願出願人が提案した発明に係る特開2006−14993号公報に詳細に記載されているが、例えば面ファスナーが設けられた一対の弾性帯体からなり、取付け対称であるコネクター3にかけ回して交差させて固定することができる。図29(a),(b)は、入口部6をコネクター3取にり付けて固定するための接続手段としてカギ状爪部23を有する場合であり、それぞれ装着の前後を示す図である。以上、いずれの接続手段によっても、入口部6をコネクター3に取り付けて確実に固定することができ、交換時の取外しも容易である。
【0066】
(3) カプセルの内部構造と吸収体の配置
図30(a)〜(c)に示すように、この尿吸収カプセル5は、液不透過性の材料からなりタック25をもって膨張可能(体積増大可能)に形成された袋体26と、袋体26の内側への返しであるトラップ部となる弁18を備えた袋体26の入口部6と、袋体26の内部に設けられて尿を吸収して固定化する複数の吸収体11と、袋体26と前記吸収体11の間に設けられて入口部6から入ってきた尿を吸収体11の全面に十分に伝わらせ、行き渡らせるための液ガイド部27とを有していることが望ましい。
【0067】
尿吸収カプセル5の重要な機能としては、
1)製品としてコンパクトであるが、十分な容量をもつこと、
2)液状の尿を固定しつつ、形状は安定していること、そして、
3)臭気の発散を防止すること、
が挙げられる。そのためには、パルプを含有せずSAPがその吸収体全量の50%以上を占めるようなSAP主体のパルプレス吸収体が好ましい。特に、図57で例示したようなシート状の吸収体がより望ましい。
【0068】
この尿吸収カプセル5によれば、液ガイド部27の作用により受け入れた尿はシート状の吸収体11の全面に十分に行き渡るため、シート状の吸収体11の吸収力は無駄なくすべて使用され、大量の尿を吸収することができる。また、タック25等の配置により、吸収前の袋体26はコンパクトだが、吸収後は袋体26が吸収体の膨張に対応して膨らみ、大容量となることがでできる。
【0069】
(4) 外部捕集型
図31に示すように、この尿吸収カプセルは、以上説明したような種々の構造によりコネクタを介して装着カバー1に結合された袋体26を本体とする第1の尿吸収カプセル5と、更にこの第1の尿吸収カプセル5に管28をもって連通し第1の尿吸収カプセル5に流入した尿を受け入れて貯蔵するタンク状の第2の尿吸収カプセル5aとを有している。
【0070】
この尿吸収カプセル5,5aによれば、コネクター3に接続された第1の尿吸収カプセル5内に排泄された尿を溜めつつ、接続された管28等で外部の第2の尿吸収カプセル5aに尿を移して捕集することができるので、大量の尿の排出にも容易に対応することができる。なお、この例の場合は、最終的にタンク状である第2の尿吸収カプセル5aに尿を移して捕集するので、最初に一時的に尿を溜めておく第1の尿吸収カプセル5には吸収体11を設けることは必ずしも必要ではなく、少なくとも尿が漏れない液体不通過性のシートで構成されたものであればよい。
【0071】
5.各要素間の結合構造(図32〜図53)
(1) 装着カバー1とコネクター3の接続
図32は、装着カバー1と装着者の身体との間にコネクター3を挟み、コネクター3の通孔部4を装着カバー1の導出部2から外に突出させて両パーツ1,3を組み合わせる構造を示している。この例によれば、装着者の体位等に応じてコネクター3がある程度移動可能であり、装着しやすいとともに装着後の位置調整等も容易である。
【0072】
図33は、装着カバー1と装着者の身体との間にコネクター3を挟み、コネクター3の通孔部4を装着カバー1の導出部2から外に突出させた状態で、コネクター3のフランジ17の前面に設けたフック構造29を装着カバー1の不織布に掛止させて両パーツ1,3を組み合わせる構造を示している。この例によれば、装着者の体位の変動によってコネクター3が大きく位置ずれしてしまうことがなく、装着状態が安定している。
【0073】
図34は、コネクター3のフランジ17の後面に設けたフック構造29を装着カバー1の前面の不織布に掛止させて装着カバー1の外側からコネクター3を取付け、装着カバー1の導出部2とコネクター3の通孔部4を連通させる構造を示している。この例によれば、コネクター3の取付けが容易であり、作業がしやすい。
【0074】
図35は、図14を参照して説明した前見頃無しの装着カバー1の縦バンド16にコネクター3を取り付ける構造を示している。ここでは、縦バンド16がループ機能を持つ不織布からなり、これに対してコネクター3の後面に設けたフック構造(図示せず)を掛止させることとしている。この例によれば、コネクター3の取付けが容易であり、作業がしやすい。
【0075】
(2) コネクター3と尿吸収カプセル5の接続
図36は、コネクター3の円筒部分に周状に設けたフック構造29と、尿吸収カプセル5の入口部6の内面に設けたループ機能を持つ不織布を用い、両者を密着、掛止させてコネクター3と尿吸収カプセル5を接続する構造を示す図である。
【0076】
図37は、不織布等のループ機能を有する尿吸収カプセル5の入口部6の外面の要所にフック構造29を設けておき、コネクター3の円筒部分に尿吸収カプセル5を装着して入口部6の周囲を折り畳み、フック構造29を尿吸収カプセル5の表面のループに掛止させてコネクター3と尿吸収カプセル5を接続する構造を示す図である。
【0077】
図38は、コネクター3と尿吸収カプセル5の接続構造を示す断面図であり、同図(a)は図18(a)のコネクター3の円筒部を尿吸収カプセル5の入口部6に挿入して前述したフック−ループ構造等により着脱可能に取り付けたものである。また、同図(b)は図18(c)のコネクター3の円筒部を尿吸収カプセル5の入口部6に挿入して前述したフック−ループ構造等により着脱可能に取り付けたものである。
【0078】
図39は、コネクター3と尿吸収カプセル5の接続構造を示す図であり、フランジ状の返しである係止構造30を備えたコネクター3の円筒部を尿吸収カプセル5の入口部6に挿入し、同入口部6に設けた紐20を結んで尿吸収カプセル5とコネクター3を着脱可能に取り付けたものである。
【0079】
図40は、コネクター3と尿吸収カプセル5の接続構造を示す図であり、フランジ状の返しである係止構造30を備えたコネクター3の円筒部を尿吸収カプセル5の入口部6に挿入し、同入口部6に設けた巾着21の紐を引いて縛り、尿吸収カプセル5とコネクター3を着脱可能に取り付けたものである。
【0080】
図41は、コネクター3と尿吸収カプセル5の接続構造を示す図であり、係止構造であるカギ状爪部23を備えたコネクター3の円筒部を、同じく係止構造であるカギ状爪部23を備えた尿吸収カプセル5の入口部6に挿入し、両係止構造を係合させて尿吸収カプセル5とコネクター3を着脱可能に取り付けたものである。
【0081】
(4) コネクター付属型の装着カバー1と尿吸収カプセル5の接続
装着カバー1とコネクター3を一体化することにより、さらに装着を容易にすることができる。この装着カバー1は、コネクター3と別体である以上説明した装着カバー1と基本的には同一の機能を有するものであり、便の捕集と、尿吸収カプセル5からあふれ出た尿の吸収を行う。そのため、便受け部と、比較的薄い尿吸収部と、導出部2とを有している。ただし、この導出部2がコネクター付である点が異なる。
【0082】
図42及び図43に示すように、装着カバー1の導出部2にはコネクター3が連通して一体に設けられており、コネクター3の表面にはフック構造が設けられている。図42は正面側から見た図、図43は図42の吸収体製品の側面側から見た断面図及び要部拡大断面図である。尿吸収カプセル5は上部側面に入口部6が開口しており、少なくともその周辺はループ構造を持っている。そして、コネクター3の通孔部4と尿吸収カプセル5の入口部6が連通するように両者を組み合わせ、フック構造とループ構造の係止により両者を結合する。
【0083】
図44は、装着カバー1の導出部2に女性専用のコネクター3aが連通して一体に設けられたものであり、図45はこのコネクターを用いた女性専用吸収体製品の尿吸収カプセル5の装着前と装着後を示す図である。女性専用のコネクター3aは、全体として略矩形の外形を有し、その中央に矩形の通孔部4を有し、これが装着カバー1の導出部2(開口部) に連通している。さらに女性専用コネクター3aは、装着者から見て通孔部4の前後の2つの位置に、装着者の側に突出した2つの突起部31を有している。図56に、女性の局部と図44に示す前記コネクター3aとのフィッティング状態を示す説明図を示す。この図に示すように、この2つの突起部31において前側の突起部は女性局部の陰核の前方に接触する位置にあり、この狭窄部に挟み込まれる。後ろ側の突起部31は会陰に接触する位置にあり、この狭窄部に挟み込まれる。通孔部4は小陰唇部が収容される大きさになっていて通孔部4を囲むフラットなゾーンには大陰唇部が接触するように設計されている。このような構造によって、尿道口から排出された尿が安定に尿カプセル5へと導かれしかも装着者に違和感を感じさせないように工夫されている。なお万が一尿がコネクターから漏れてもコネクター3aの通孔部4の周囲には吸収体11があるので外に漏れて下着を汚すような問題は生じない。
【0084】
(5) コネクター3付属型の尿吸収カプセル5と装着カバー1の接続
尿吸収カプセル5とコネクター3を一体化することにより、さらに装着性が向上し、介護者のオムツ交換作業効率が良くなり、装着カバー1外への尿の漏れを無くし、尿をより確実に捕集できる。この尿吸収カプセル5は、以上説明してきたコネクター3と別体である尿吸収カプセル5と基本的には同一の機能を有するものであり、専ら尿の捕集を行うが、入口部6にコネクター3が固定されている点が異なる。
【0085】
図46は、入口部6にコネクター3が付属している尿吸収カプセル5の図であり、コネクター3の表面には装着カバー1のループ構造に掛止するフック構造が設けられている。同図(a)〜(d)に変形例を示すようにコネクター3の形状は平板状(b)でもよいし、液の流れを尿吸収カプセル5内へと誘導しやすい曲面形状(c)(d)でもよい。
【0086】
図47〜図49は、入口部6にコネクター3が付属している尿吸収カプセル5の図であり、特にコネクター3が局部に沿った形状をもつ曲面コネクター3の場合を示している。図47は、図17(b)に示したコネクター3を利用するものであり、図48は、図17(e)に示したコネクター3を利用するものであり、図49は、図15(f)に示したコネクター3を利用するものである。いずれのコネクター付き尿吸収カプセル5においても、コネクター3の部分が身体の表面に沿った形状とされており、又はその形状に沿って適度に変形・密着可能なので、装着感に優れ、尿漏れも生じにくい。なお、コネクター3の形状により、男女兼用や女性専用としても用いることができる。
【0087】
図50(a),(b)及び図51(a),(b)は、平板型のコネクター3付きの尿吸収カプセル5と装着カバー1の接続前後の状態を示す正面側斜視図及び側面図である。この例の尿吸収カプセル5は図46に示すものと同一であり、尿吸収カプセル5と一体のコネクター3の表面にはフック構造が設けられており、装着カバー1の導出部2の外側に掛止させて取り付けることができる。
【0088】
図52(a),(b)及び図53(a),(b)は、立体型のコネクター3付きの尿吸収カプセル5と装着カバー1の接続前後の状態を示す正面側斜視図及び側面図である。この例の尿吸収カプセル5は図47に示すものと同一であり、尿吸収カプセル5と一体のコネクター3を、装着カバー1の導出部2から中に入れ込んで装着する。
【0089】
6.本例の製品における各要素の組み合わせ例(図54)
以上説明したように、本実施形態の吸収体製品は、基本的に装着カバー1と、尿吸収カプセル5と、これらを結合するコネクター3とによって構成され、これら各部品の組み合わせは本発明の目的が達成可能であることを条件として本明細書にて開示された種々のパターンを任意に組み合わせて実施することができる。
【0090】
図54は、本実施形態で開示した範囲における各構成部分の具体的な組み合わせ例を1例として示したものであり、図2に示したようなテープ型の装着カバー1と、図20(a)及び図18(e)に示す男性用の各コネクター3を合せたような逆T字型フランジ付きのコネクター3と、図24に示すような入口部6に糸ゴム19を有する尿吸収カプセル5とを組み合わせたものである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本例の吸収体製品の一構成例を示す斜視図である。
【図2】本例の吸収体製品の他の構成例を示す斜視図である。
【図3】本例の吸収体製品における装着カバーの一例の展開図である。
【図4】本例の吸収体製品における装着カバーの変形例の展開図である。
【図5】本例の吸収体製品における装着カバーの変形例の展開図である。
【図6】本例の吸収体製品における装着カバーの変形例の展開図である。
【図7】本例の吸収体製品の装着カバーにおけるスリット状の導出部(開口部)の形状例を示す図である。
【図8】本例の吸収体製品の装着カバーにおけるくり抜き状の導出部(開口部)の形状例を示す図である。
【図9】本例の吸収体製品の装着カバーにおける折り返し状の導出部(開口部)の形状例を示す図である。
【図10】本例の吸収体製品の装着カバーにおける導出部(開口部)の加工処理方法及び構造を示す模式的断面図である。
【図11】本例の吸収体製品の装着カバーにおける導出部(開口部)の加工処理方法及び構造を示す模式的断面図である。
【図12】本例の吸収体製品の装着カバーにおける導出部(開口部)の加工処理方法及び構造を示す模式的断面図である。
【図13】本例の吸収体製品の装着カバーにおける導出部(開口部)の加工処理方法及び構造を示す模式的断面図である。
【図14】本例の吸収体製品の装着カバーの変形例を示す斜視図である。
【図15】本例の吸収体製品の平板型のコネクターにおいて外形のバリエーションを示す正面図である。
【図16】本例の吸収体製品の平板型のコネクターにおいて通孔部の形状のバリエーションを示す正面図である。
【図17】本例の吸収体製品の立体型のコネクターにおいて曲面からなる外形のバリエーションを示す斜視図である。
【図18】本例の吸収体製品の立体型のコネクターにおいて曲面と平面からなる外形のバリエーションを示す斜視図である。
【図19】本例の吸収体製品のコネクターにおける通孔部の形状のバリエーションを示す斜視図である。
【図20】本例の吸収体製品のコネクターにおける通孔部の形状のバリエーションを示す斜視図である。
【図21】本例の吸収体製品のコネクターにおける通孔部の形状のバリエーションを示す斜視図である。
【図22】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの斜視図及び断面図である。
【図23】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの斜視図及び断面図である。
【図24】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの斜視図である。
【図25】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの斜視図である。
【図26】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前及び装着後の斜視図である。
【図27】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前及び装着後の斜視図である。
【図28】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前及び装着後の斜視図である。
【図29】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前及び装着後の斜視図である。
【図30】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの内部構造を示す透視正面図、縦断面図及び横断面図である。
【図31】本例の変形例である2つの尿吸収カプセルを使用する外部捕集型の吸収体製品を示す斜視図である。
【図32】本例の吸収体製品における装着カバーとコネクターの接続状態を示す斜視図及び側断面図である。
【図33】本例の吸収体製品における装着カバーとコネクターの接続状態を示す斜視図及び側断面図、横断面図である。
【図34】本例の吸収体製品における装着カバーとコネクターの接続状態を示す斜視図及び側断面図、横断面図である。
【図35】本例の吸収体製品における装着カバーとコネクターの接続状態を示す斜視図及び側断面図である。
【図36】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す斜視図である。
【図37】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す斜視図である。
【図38】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続状態を示す縦断面図である。
【図39】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す斜視図である。
【図40】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す斜視図である。
【図41】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す断面図である。
【図42】本例の吸収体製品におけるコネクター付きの装着カバーと尿吸収カプセルとの接続前後の状態を示す斜視図である。
【図43】本例の吸収体製品におけるコネクター付きの装着カバーと尿吸収カプセルとの接続前後の状態を示す側断面図及び要部拡大断面図である。
【図44】本例の吸収体製品における女性用コネクター付きの装着カバーの展開図である。
【図45】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す斜視図である。
【図46】本例の吸収体製品におけるコネクター付きの尿吸収カプセルの正面図と、その変形例を示す断面図である。
【図47】本例の吸収体製品における立体曲面型コネクター付きの尿吸収カプセルの斜視図及び側面図である。
【図48】本例の吸収体製品における立体曲面型コネクター付きの尿吸収カプセルの斜視図及び側面図である。
【図49】本例の吸収体製品における局部フット型コネクター付きの尿吸収カプセルの正面図及び側面図である。
【図50】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す斜視図である。
【図51】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す側面図である。
【図52】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す斜視図である。
【図53】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す側面図である。
【図54】本例の吸収体製品における装着カバーと、コネクターと、尿吸収カプセルの組合せの一例における組合せ装着手順を示す斜視図である。
【図55】女性の局部と図21に示す女性用のコネクターとのフィッティング状態を示す説明図である。
【図56】女性の局部と図44(b)に示す女性用のコネクターとのフィッティング状態を示す説明図である。
【図57】本例において好適に使用可能なシート状の吸収体を示す平面図及び同平面図のX−X’切断線における断面図である。
【図58】本例において好適に使用可能なシート状の吸収体の他の例を示す平面図及び同平面図のX−X’切断線における断面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 装着カバー 2 導出部(開口部)
3 コネクター
3a 女性用のコネクター
4 コネクターの通孔
5 尿吸収カプセル(第1の尿吸収カプセル)
5a タンク式の尿吸収カプセル(第2の尿吸収カプセル)
6 入口部
11 吸収体
26 袋体
27 液ガイド部
28 管
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に介護者が必要な寝たきり状態や車椅子利用状態等の患者が装着して使用する吸収体製品であって、排出の頻度が異なる便と尿を別々に捕集できるために装着者にとって装着感がよく、かつ吸収体製品の交換を行う介護者にとっても便又は尿を捕集する各部分について必要な限度で確認及び交換を行えば済むため作業負担が軽くてすむ吸収体製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自力で排泄の処置ができない要介護状態の患者が使用する吸収体製品としては、患者の腰部に装着して便と尿を捕集処理するフラップ状パルプや高分子吸収体(SAP)を吸収体成分として用いたテープタイプやパンツタイプのオムツが利用されている。そして、要介護状態にある患者の中でも、特に血管疾患系の病気を患っている患者の場合には、普段から水分を多く補給させるため、一回の排尿量はかなりの量となり、排尿回数も多くなるため、市販のオムツの中に大容量尿パッドを敷いて使用することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、このような患者の場合は、上述した通り一回の排尿量が多く、排尿回数も多いため、尿閉も重なると、特に夜間(睡眠時)には市販のオムツに大容量尿パッドを組合せて使用したとしても、溢れてしまうくらいの排尿量となって対応できなくなり、結果的に着衣、寝具等を汚染し、これら全てを交換せざるを得ないような事態が出来する。
【0004】
オムツの交換は非常に面倒な作業であり、排便の回数(一日平均0〜3回)と比べると排尿の回数(昼間平均5〜8回、夜間平均0〜2回)は多く、排尿の度にオムツを交換するのは、介護者にとってはかなりの負担となっている。
【0005】
しかも市販のオムツはサイズが大きく、総吸収量としては大きくても局所的には吸収量が十分ではない場合もあり、たとえ尿パッドを併用したところでも漏れてしまうおそれがある。漏れてしまった場合は、オムツ自体に加えてパジャマやベッドシーツなども併せて交換を余儀なくされ、患者の身体を清潔に保ちつつ、それらを全て交換することは、介護者にとってはかなりの重労働であるとともに心労を伴うものである。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、排便後はオムツを交換せざるを得ないとしても、尿に関しては、なるべくオムツとは別の手段を講じて確実に捕集し、容易に回収・交換ができるようにし、装着者(患者)及び介護者双方の負担を軽くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された吸収体製品は、
装着者の腰部に装着され、装着者の便の捕集に供されるとともに、装着者の尿を外に排出するための導出部が形成された装着カバーと、
前記装着カバーの外に設けられ、装着者の尿を入口部から受け入れて捕集する尿吸収カプセルと、
前記装着カバーの導出部と前記尿吸収カプセルの入口部が連通するように前記装着カバーと前記尿吸収カプセルを着脱可能に結合し、装着者の尿を前記尿吸収カプセルの内部に誘導するコネクターと、
を有することを特徴としている。
なお、上記コネクターは、装着カバーと尿吸収カプセルを着脱できるあらゆる連結手段を含み、その構成は、独立した部材、装着カバーと一体、尿吸収カプセルと一体のいずれの構成でもかまわない。
【0008】
請求項2に記載された吸収体製品は、請求項1記載の吸収体製品において、
前記コネクターが前記装着カバーと一体であり、前記尿吸収カプセルが、前記装着カバーと一体になった前記コネクターに対して着脱可能とされたことを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載された吸収体製品は、請求項1記載の吸収体製品において、
前記コネクターが前記尿吸収カプセルと一体であり、その前記尿吸収カプセルと一体となった前記コネクターが、前記装着カバーに対して着脱可能とされたことを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載された吸収体製品は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品において、
前記装着カバーにおいて、漏洩した尿を吸収するための吸収体が少なくとも前記導出部の周辺の内面側に設けられたことを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載された吸収体製品は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品において、
前記コネクターが、前記装着者の体表面に沿った立体形状を有することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載された吸収体製品は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品において、
前記コネクターが男性用であり、ぺニスの挿通する通孔部を有することを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載された吸収体製品は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品において、
前記コネクターが女性用であり、陰唇部位を被覆するようなカップ状の立体構造を有することを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載された吸収体製品は、請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品において、前記尿吸収カプセルが、液不透過性の材料からなる袋体と、前記袋体の内部に設けられて尿を吸収して固定化する吸収体とを有することを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載された吸収体製品は、請求項8に記載された吸収体製品において、前記尿吸収カプセルにおいて、前記袋体がタックをもって形成され、前記袋体と前記吸収体との間に設けられた液ガイド部を有することを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載された吸収体製品は、請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品において、前記尿吸収カプセルが、前記コネクタを介して前記装着カバーに結合された第1の尿吸収カプセルと、前記第1の尿吸収カプセルに管をもって連通し前記第1の尿吸収カプセルに流入した尿を受け入れて貯蔵する第2の尿吸収カプセルとを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載された吸収体製品によれば、便と尿の捕集を別々とし、便の捕集は装着カバーで行い、尿の捕集は尿吸収カプセルで行うこととし、両者はコネクターで着脱可能として尿吸収カプセルだけを交換することができる。
【0018】
すなわち、機能的には、装着カバーは主に便の捕集をし、尿吸収カプセルは排泄された尿を100%吸収することができ、仮に装着状態の不具合等で尿吸収カプセルから溢れてしまった液や、伝いモレ等でこぼれてしまう少量の液は、装着カバー内に流れて吸収されるのでカバー外へ漏れることはない。
【0019】
また、装着者にとっては、尿と便を分離し、尿と便の捕集場所を隔離することにより、尿と便が混ざり合うことによって生じる臭気の発生や、それらが直接肌に触れることによって生じる皮膚のカブレなど、様々な弊害が無くなる。また、尿吸収カプセルの容量やサイズを変更することにより、多量の尿や頻尿などにも柔軟に対応することができる。
【0020】
介護者にとっては、装着カバーの外に位置する装脱着が容易な尿吸収カプセルに尿の吸収部分を集中させることにより、オムツ交換の負担が軽減する。また、尿吸収カプセルの交換を容易にすることにより、施設や病院での介護者の負担が軽減するだけでなく、自宅での家族の介護も容易になる。また、現在介護者が行っているオムツの装着法をそのまま利用できるため、装着の失敗などもほとんど生じない。さらに、尿のみを尿吸収カプセル内に閉じこめて固定化することにより、交換時の不快な臭気の発生を防ぐことができる。
【0021】
請求項2に記載された吸収体製品によれば、請求項1記載の吸収体製品による効果に加え、コネクターが一体に取り付けられた装着カバーに対し、尿吸収カプセルを容易に着脱することができる効果が得られる。
【0022】
請求項3に記載された吸収体製品によれば、請求項1記載の吸収体製品による効果に加え、装着カバーに対し、コネクターが一体に取り付けられた尿吸収カプセルを容易に着脱することができる効果が得られる。
【0023】
請求項4に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、仮に装着状態の不具合等で尿吸収カプセルから溢れてしまった液や、伝いモレ等でこぼれてしまう少量の液が装着カバー内に流れこんでも、導出部の周辺にある吸収体がこれを吸収するのでカバー外へ漏れることはないという効果が得られる。
【0024】
請求項5に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、装着カバーと尿吸収カプセルを接続連通するコネクターが装着者の体表面にフィットするので、当該部分における尿漏れが起こりにくく、また装着感が向上するという効果が得られる。
【0025】
請求項6に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、装着者が男性である場合に、通孔部がぺニスを保持して尿を確実に尿吸収カプセルに導くことができるので、尿は装着カバーの内外に漏れにくい。
【0026】
請求項7に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、装着者が女性である場合に、尿道口から排出された尿はコネクターのカップ状の立体構造内から安定して尿吸収カプセルに導かれるので、尿は装着カバーの内外に漏れにくい。
【0027】
請求項8に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、尿吸収カプセルに導かれた尿は吸収体に伝わって効率的に吸収・固定化されるという効果が得られる。
【0028】
請求項9に記載された吸収体製品によれば、請求項8に記載された吸収体製品による効果に加え、尿吸収カプセルに導かれた尿は、液ガイド部により吸収体の全面に伝わって効率的に吸収・固定化され、またタックのある袋体により吸収前はコンパクトであるにも関わらず吸収後は膨らんで大容量となるという効果が得られる。
【0029】
請求項10に記載された吸収体製品によれば、請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品による効果に加え、排泄された尿を装着カバーに接続された第1の尿吸収カプセルに溜めつつ、この尿を、これと管で接続され、装着カバーの外にある第2の尿吸収カプセルに移して捕集することができるので、大量の尿でも対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本願発明における最良の実施形態(以下本例とも呼ぶ)を説明する。
なお、実施形態は種々のバリエーションを含んでいるが、図面中に表した実施形態の構成要素に付す符号は、バリエーションの相違に係わらず、発明の構成要素として実質的に同等の場合は原則的として同一の符号を付して説明することとし、発明の種々の形態を統一的に説明するとともに参照符号の区別による煩雑を避けることとした。
【0031】
1.本例の概要
本例の吸収体製品は、主として便を捕集するために着用者の身体(腰部)に装着されるおむつ状の装着カバーと、専ら尿を捕集するために装着カバーの外側に設けられて尿吸収を行わしめる尿吸収カプセルと、その尿吸収カプセルを装着カバーに取り付けるためのコネクターから構成される。
【0032】
なお、後に詳述するように、連結手段としてのコネクターは、装着カバーと尿吸収カプセルを着脱可能に連結して尿を尿吸収カプセルに導く機能を有するものであればよく、コネクター付属型の装着カバーに対して尿吸収カプセルを接続する構造でもよいし、また装着カバーに対してコネクター付属型の尿吸収カプセルを接続する構造でもよい。さらに、装着カバーと、コネクターと、尿吸収カプセルをそれぞれ別体とし、装着時に互いに接続・連結される構造でもよい。
【0033】
以上のように便と尿の捕集場所を分離した構成であるから、排便後は装着カバーを交換することとなるが、尿に関しては、装着カバーではなく装着カバーの外に別途設けた尿吸収カプセルだけで確実に捕集できるので尿カプセルだけを回収・交換することで対応できる。これは、介護者にとって負担の大きい従来のオムツに相当する装着カバーの交換作業を、排尿に比べて回数が少ない排便の頻度で行えることを意味し、介護者の負担を大幅に軽減するものである。
【0034】
すなわち、本例は、介護者による装着者への装着を前提とした製品であり、対象となる装着者としては、車椅子利用者や寝たきり患者、認知症患者等の要介護者が挙げられる。特に血管疾患系の病気(脳血管疾患、心疾患、糖尿病等)を患っている患者(一日または一回の排尿量の多い患者)や、現在尿瓶やオムツ等を利用している患者には特に適している。また、本例の製品は、使用場所としては自宅、施設、病院での利用に適しており、使用時間帯としては昼間の休養時や、夜間の睡眠時等のあらゆる時間帯での利用に適している。
以下、本例の製品を構成する装着カバー、コネクター、尿吸収カプセルの各構成要素と、各要素間の結合構造等について説明する。
【0035】
2.装着カバー(図1〜図14)
装着カバー1は、主として便の捕集のためのオムツとして装着者の腰部に装着するものであり、またこれに対して後述する別体の尿吸収カプセル又はコネクターを装脱着する対象となるものである。また、装着カバー1は、主として便の捕集のためではあるが、尿吸収カプセルから尿があふれ出てしまった場合には、後述するようにこれを吸収する機能も備えることが好ましい。従って通常の市販されている大人用オムツをこの装着カバーとして利用することも可能であるが、より薄くて通気性に優れ、蒸れにくく設計された専用の装着カバーを使用することが好ましい。本例では、装着カバー1の基本的構造として、前部開口型(パンツ型及びテープ型)と、前身頃無しコネクター固定型の2種類を例示する。
【0036】
(1) 前部開口型
前部開口型の装着カバー1は、従来のテープ型及びパンツ型のオムツの前身頃(局部付近)に、尿吸収カプセルを装着するための尿の導出部(開口部としての孔やスリット)が設けられたものである。
図1(a)に示すパンツ型の装着カバー1は、腰部両側端がシールされ袋体の底部に脚を通す2つの孔が形成された構造であり、寝たきり患者以外の要介護者用により適している。使用時の主な体位は立位、座位とするのがよい。図1(b)に示すように、この装着カバー1のスリット状の開口部である導出部2から筒状のコネクター3が突出するように取り付け、このコネクター3の外に袋状の尿吸収カプセル5を取り付ける。このコネクター3の通孔部4に装着者のペニスを通し、ペニスの先端を尿吸収カプセル5内に配置する。すなわち、この例は男性用である。
【0037】
これに対し、図2(a)に示すテープ型の装着カバー1は、着用時の腰部両側面において着脱可能な結束手段10により開閉自在とされた展開形状が略砂時計形の構造であり、主に寝たきり患者用に適している。使用時の主な体位は仰臥位、横臥位とするのがよい。図2(b)に示すように、この装着カバー1のスリット状の開口部である導出部2から筒状のコネクター3が突出するように取り付け、このコネクター3の外に袋状の尿吸収カプセル5を取り付ける。このコネクター3の通孔部4に装着者のペニスを通し、ペニスの先端を尿吸収カプセル5内に配置する。この例も男性用である。
【0038】
図3〜図6は、テープ型の装着カバー1の平面展開図であり、略砂時計形の展開形状の4隅には着用時の結束のために結束手段10(面ファスナー等)が設けられているが、パンツ型の装着カバー1も着用時の腰部の両側面で縦に切断して展開すれば同様の形状となる。図3〜図6に示すように、本例では、装着カバー1の導出部2(開口部)の周囲の少なくとも一部と、便の捕集位置である後方部分には、吸収体11が連続して設けられており、便からの水分を吸収する他、後述する尿吸収カプセル5に行くべき尿が誤って装着カバー1内に漏れた場合に吸収できるようになっている。
【0039】
図3の例では、長円状スリットである導出部2の全周囲を覆って矩形の吸収体11が設けられている。図4の例では長円状スリットである導出部2の全周囲を挟む両側に2本の矩形帯状の吸収体11が設けられている。図5の例では台形状の導出部2の前側以外の周囲、特に後側の広い範囲に前方2又後方矩形の吸収体11が設けられている。図6の例では長円状スリットである導出部2の周囲に所定の間隔を置くように長円状の孔12がくりぬかれた矩形の吸収体11が設けられている。
このように、導出部2の周辺には尿漏れの可能性があるので、少なくとも導出部2の周囲の一部分に吸収体11を設けておけば、仮に尿漏れが生じた場合でも吸収することができる。装着カバー内に用いられる吸収体としては市販オムツに用いられている吸収体、例えばフラップパルプ、フラップパルプとSAPの混合体あるいはSAP主成分のエアレイド吸収体等が使用可能であるが、後述するような導出部の加工を配慮すると図57及び図58に例示するような不織布面にライン状にSAPをコーティングした構造を持つシート状の吸収体を用いることによって、図58のようにSAPの存在しない部位にスリットを設けることによって導出部の形成も容易にすることができる。
【0040】
(2) 導出部2の形状
本例の装着カバー1に設けられた尿の導出部2の形状例について説明する。なお、装着カバーの形状は着用状態を模式的に示したものであり、パンツタイプであってもテープタイプであってもよい。
図7(a)〜(d)にそれぞれ示すように、装着カバー1の導出部2(開口部)は、直線型(a)、十字型(b)、曲線型(c)、複数スリット型(d)のように種々の形状とすることができる。装着者の体型の個人差や装着時の体位などにより、後述する尿吸収カプセル5及びこれと結合するためのコネクター3の位置は変化することがあるが、本例のように導出部2のスリット形状を工夫することによりコネクター3や尿吸収カプセル5の位置を微調整することが可能となる。
【0041】
図8(a)〜(d)にそれぞれ示すように、装着カバー1の導出部2(開口部)を、楕円形(a)、長方形(b)、三角形(c)、台形(d)のように種々の形状とすることができる。このようなくり抜き形状は図7に示したようなスリットに比べると穴の面積が広いため、尿吸収カプセル5やコネクター3の装着が比較的容易になる。
【0042】
当該前側に形成する導出部2は、図9に示すような折り返し構造とすることができる。
すなわち、図9(a)〜(d)にそれぞれ示すように、T字形(a)、十字形(b)、I字形(c)、逆U字形(d)のような各形状で、装着カバー1の導出部2(開口部)を、装着カバー1の前身頃にスリットを入れて形成し、その切り込み部分を装着カバー1の内側もしくは外側の方へと折り込み、その折り込んだ部分によって導出部の形成の際生ずる吸収体成分の外部への脱落を防止するとともにコネクターと装着カバーとの密着性を高めることにより、尿がコネクターを伝わって外部へ漏れるのを防止できる。
【0043】
例えば、図9(d)に示すように、逆U字形に切り開いて舌片状部分を装着カバー1の内側に折り込むと、仮に尿が漏れて舌片状部分に流れた場合、この尿は装着カバー1の底部分にある吸収体11の多い部分(導出部2周辺から便の捕集位置に至る領域)に集まるので、効率的に吸収されることとなる。
【0044】
(3) 導出部2の処理方法
図10(a)に示すように、装着カバー1が、内面の液透過性シート(トップシート12)と外側の液不透過性シート(バックシート13)の間に吸収体11を封入したシート材料からなり、その吸収体11が、便を受けるべき位置の他、導出部2を形成しようとする前側の位置にも設けられている場合には導出部を形成する際に吸収体も一緒に切断することになり吸収体成分であるパルプやSAPの脱落の危険性が生ずる。このような場合は、スリット状、くり抜き状の開口部である導出部2を形成するために、次に説明するような構造・方法を採用することができる。
【0045】
図10(a)〜(c)に示すのは熱圧着による方法・構造であり、バックシート13とトップシート12を中身の吸収体11ごと熱圧着して導出部2の縁辺を封着固定して内部の吸収体11が外に出ないようにする。導出部2をスリット状にする場合、装着カバー1内に使用する吸収体11としては、少なくともスリットを形成する圧着部分については図57及び図58に示したようなシート状吸収体例えばMegaThin(登録商標)など)を用いることが望ましい。
【0046】
図11(a)〜(c)に示すのは不織布14を両面に貼り付けによる方法・構造であり、装着カバー1の吸収体11の一部分を切断線で示すように切断してくり抜く、除去した後、開口が形成された不織布14を両面から張り合わせるものである。
【0047】
図12(a)〜(c)に示すのはバックシート13ごと折り返す方法・構造であり、装着カバー1に導出部2となるスリットを入れた後、バックシート13及びトップシート12ごと内側に折り返し、接着手段を介して接着するものである。
【0048】
図13(a)〜(d)に示すのは不織布14を片面に貼り付け、折り返す方法・構造であり、装着カバー1にスリットを入れるか、もしくはくり抜いた後、外側から不織布14A,14B(又はフィルム等)と2枚の不織布切片を貼り、これを内側に織り込んで内面に接着するものである。
【0049】
(4) 前身頃無しコネクター固定型
本例の装着カバーの基本的構造の他の例として、前身頃無しコネクター固定型を図14を参照して説明する。図14に示す装着カバー1は、主に股下部分から後身頃及び後身頃に連続する左右ウエスト部分1aを主体としており、左右ウエスト部分1aの間に横方向の横固定バンド15を設け、股下部分と横固定バンド15の中央との間にコネクター固定用の縦バンド16が接続された構造である。これを装着者の腰部に装着した場合、股下部分から後身頃の部分が装着者の便の捕集に供され、前身頃に相当する開放部分乃至縦バンド16の下方部に設けられたコネクター3の取り付け部分が装着者の尿を外に排出するための導出部2に相当することとなる。すなわち、縦バンド16は下方部において上下に分かれており、上下の縦バンド16の間にコネクター3が取り付けられるようになっている。このような構造でも、本例の吸収体製品の装着カバーとして使用することができる。
【0050】
3.コネクター3(図15〜図21)
コネクター3は、後述する尿専用の吸収部である尿吸収カプセル5を前記装着カバー1に対して確実に装着、固定し、尿吸収カプセル5の交換を簡潔にするための部材である。またコネクター3は、排泄された尿を尿吸収カプセル5内へと誘導するとともに、尿が溢れてしまった場合にはその尿を装着カバー1内へと誘導し、カバー外への漏れをなくすための部材でもある。
【0051】
上記の機能を達成するために、このコネクター3は、尿吸収カプセル5の取付部分と、装着カバー1の接続部分と、尿吸収カプセル5内への液誘導部分と、局部フィット部分(男性専用の場合はペニス挿入部分、女性専用の場合は陰唇をカバーする部分)の各部(構造)を有しており、全体的な形状としては構造の簡単な略板状の平面型と、装着者の身体の表面形状に沿った立体型のものとを例示する。一般的に表現すれば、男性用の場合は平面型でよいが、兼用の場合あるいは女性専用の場合は立体型になる。
【0052】
(1) 平面型
図15(a)〜(f)にそれぞ示すように、平面型のコネクター3の形状は、正方形(a)、逆三角形(b)、円形(c)、逆台形(d)、中央の円形と左右の矩形部分からなる形状(e)、下方凸形(f)とすることができる他、その他の所望の形状に設定することができる。図15の例においては、ペニスが相通する中央の通孔部4は挿入性と保持性に優れた多数のスリットを放射状に交差させた星型構造とされている。
【0053】
図16(a)〜(h)にそれぞ示すように、平面型のコネクター3の通孔部4の形状は、スリット状として横配置スリット状(a)、十文字状(b)、前記星型(c)、下に凸のU字形(d)、さらにくり抜き形としては丸型(e)、ひし形(f)、正方形(g)、逆三角形(h)とすることができる他、その他の所望の形状に設定することができる。図16の例においては、平面型のコネクター3の外形は正方形とされている。
【0054】
(2) 立体型
図17(a)〜(e)にそれぞれ示すように、立体型のコネクター3の形状は、貫通円錐台形(a)、円形の通孔部4があるファールカップ(又はグロインガード)様形状を持つ略半球形状(b)、筒状の2つの通孔部4が角度をもって開いて取り付けられた略半球形状(c)、装着者の下腹部の形状に沿った外形略三角形状で人体の局部を囲むべく枠状にくり抜かれたもの(d)及び(e)に設定することができる。図17の例においては、その形状に応じて男女兼用(a〜d)または女性専用(e)として用いることができる。
【0055】
図18は平面型と立体型の組み合わせからなる男性専用のコネクター3であり、いずれもペニスが挿通する通孔部4を有する。図18(a)〜(f)にそれぞ示すように、円板状のフランジ17を有する貫通円錐台形(a)、逆台形状のフランジ17を有する貫通円錐台形(b)、一部が下方に開放された貫通円筒形(c)、左右に張り出した矩形のフランジ17を有する貫通円錐台形(d)、下方凸形のフランジの下方凸部に貫通円錐台形が設けられたもの(e)、そして下方凸形のフランジを有するとともに(e)の構造よりも長い下方凸部の先端に下方が開放された貫通円筒形の通孔部を設けたもの(f)などの例が挙げられる。特に(f)の形状は先端を長くして装着者の体表面へのフィッティングを改良したものである。
【0056】
(3) 通孔部4の構造
図19はコネクター3の通孔部4が筒状である場合の形状・構造を例示するものであり、円筒形(a)、角筒形(b)、円錐台形(c)とすることができる。
【0057】
図20はコネクター3の通孔部4が前後に貫通した筒状であるが、さらにその他の一部においても開放された場合の構造を例示するものであり、前後に貫通しさらに下半分も開放した山形トンネル形状(a)、前後に貫通した山形に近似する略三角筒形状のさらに両側の2隅も開放した形状(b)、図18(c)と同一の構造であり前後に貫通した円筒形のさらに下半分も開放した形状(c)とすることができる。このように前後以外の部分でも開放された通孔部4の形状構造により、装着者がどのような体位をとっても、尿の流動方向を尿吸収カプセル5側へと集中させることができる。
【0058】
図21(a),(b)は、いずれも女性専用に設計されたもので、女性局部の形状に添った曲面で構成された女性用のコネクター3aの一例である。以下、より詳細に説明する。いずれの例も、全体の形状としては、先端部分(P) から深く広がったドーム状の部分(Q) 、そして液の通過部となる円筒状の通孔部4をもつ後端部分(R) からなるカップ状の形状を有している。
【0059】
さらに、同図(b)の例では、形状保持材からなるドーム状の部分(Q) の外周に添って、さらに軟質ウレタンフォームからなるクッション効果のある縁部(E) を有している。
【0060】
いずれの例も、先端部分(P) は若干狭く浅い形状で、陰核の前方2〜3mmまで伸び、後端部分(R) は会陰の部分まで被覆するように伸び、装着時に違和感を感じさせないよう若干狭くなっている。ドーム状の部分(Q) の中央の部分は幅が広く深い部分で、大陰唇を被覆するようなサイズとされ、例えば深さが10〜20mm、幅は30mm前後となっている。
【0061】
図55に、女性の局部と前記コネクターとのフィッティング状態を示す説明図を示す。図55は、前記コネクターを女性が仰臥位にて装着した状態を側面側から示す断面図である。同図において、尿道口から排出された体液は、この身体に密着したカップ状の前記コネクターのドーム状の部分(Q) に捕集され、漏れることなく後端部分(R) にある通孔部4を通って、後述する尿吸収カプセルに捕集・吸収される。
【0062】
4.尿吸収カプセル5(図22〜図31)
前述した装着カバーが便の捕集を主目的としているのに対し、本例の尿吸収カプセル5は、尿のみを確実に捕集することを目的とし、尿を蓄え、吸収、固定化するものであって、液を漏らさず、ニオイも漏らさない構造とすることが好ましい。さらに、尿により吸収体の色等の状態が変化したことを外側から視認できる等、排尿のチェックが見た目で簡単に判断でき、交換のタイミングがわかりやす仕組みを備えていればなおよい。また、尿吸収カプセル5は、コンパクトでありながら大容量で大量の尿を吸収できる構造とすることが好ましい。さらに、吸収体11の使用効率を高くすれば無駄が省かれ一層好適である。このように、本例の尿吸収カプセル5によれば、従来の便と尿を分けないオムツ交換に比べ、コスト、ゴミの量が削減でき、介護者のオムツ交換作業効率が良くなる効果がある。
【0063】
上記の機能・効果を達成するための構造として、この尿吸収カプセル5は、尿を一時溜める袋体と、コネクター3との固定部分と、袋体に設けられたトラップ状の入口部(尿受容部分)と、袋体内に設けられて尿を吸収、固定化する吸収体11と、袋体の袋体内に設けられて尿を吸収体11に満遍なく行き渡らせるための液ガイド部と、さらに使用後に捨てる場合に袋体の入口部を封止するためのシール構造とを備えている。袋体は、外部への液漏れや臭気漏れを防ぐため、その外面をフィルムやフィルム/不織布の不透過性材料で構成し、内部にある吸収体11の膨張に伴って膨張しやすいようにタック25をとるように構成されていることが好ましい。
なお、尿吸収カプセル5の構造説明に当たって、図22、図23及び図30には吸収体11を図示しているが、図24〜図29では内部にある吸収体の図示は省略している。
【0064】
(1) 入口部の形状・構造
図22及び図23に示す袋体の入口部6(コネクター3の接続部)付近は、コネクター3のフック部分に接続可能となるようなループ構造(不織布等)を配置している。また、同図に示すように、入口部6の近傍の不織布を内方に折り返して、コネクター3や装着カバー1方向への尿の逆流防止の弁18としている。また、図24及び図25に示すように、コネクター3への装着性をより確実なものとするために、入口部6に糸ゴム19等の弾性手段で伸縮性を持たせてもよい。図24は入口部6の片面のみに糸ゴム19を設けて伸縮性を与えた例であり、図25は入口部6の両面に糸ゴム19を設けて伸縮性を与えた例である。
【0065】
(2) 接続手段付き
図26(a),(b)は、入口部6をコネクター3に取り付けて固定するための接続手段として紐20を有する場合であり、それぞれ装着の前後を示す図である。図27(a),(b)は、入口部6をコネクター3に取り付けて固定するための接続手段として巾着21を有する場合であり、それぞれ装着の前後を示す図である。図28(a),(b)は、入口部6をコネクター3に取り付けて固定するための接続手段として結束バンド22を有する場合であり、それぞれ装着の前後を示す図である。この結束バンドは、本願出願人が提案した発明に係る特開2006−14993号公報に詳細に記載されているが、例えば面ファスナーが設けられた一対の弾性帯体からなり、取付け対称であるコネクター3にかけ回して交差させて固定することができる。図29(a),(b)は、入口部6をコネクター3取にり付けて固定するための接続手段としてカギ状爪部23を有する場合であり、それぞれ装着の前後を示す図である。以上、いずれの接続手段によっても、入口部6をコネクター3に取り付けて確実に固定することができ、交換時の取外しも容易である。
【0066】
(3) カプセルの内部構造と吸収体の配置
図30(a)〜(c)に示すように、この尿吸収カプセル5は、液不透過性の材料からなりタック25をもって膨張可能(体積増大可能)に形成された袋体26と、袋体26の内側への返しであるトラップ部となる弁18を備えた袋体26の入口部6と、袋体26の内部に設けられて尿を吸収して固定化する複数の吸収体11と、袋体26と前記吸収体11の間に設けられて入口部6から入ってきた尿を吸収体11の全面に十分に伝わらせ、行き渡らせるための液ガイド部27とを有していることが望ましい。
【0067】
尿吸収カプセル5の重要な機能としては、
1)製品としてコンパクトであるが、十分な容量をもつこと、
2)液状の尿を固定しつつ、形状は安定していること、そして、
3)臭気の発散を防止すること、
が挙げられる。そのためには、パルプを含有せずSAPがその吸収体全量の50%以上を占めるようなSAP主体のパルプレス吸収体が好ましい。特に、図57で例示したようなシート状の吸収体がより望ましい。
【0068】
この尿吸収カプセル5によれば、液ガイド部27の作用により受け入れた尿はシート状の吸収体11の全面に十分に行き渡るため、シート状の吸収体11の吸収力は無駄なくすべて使用され、大量の尿を吸収することができる。また、タック25等の配置により、吸収前の袋体26はコンパクトだが、吸収後は袋体26が吸収体の膨張に対応して膨らみ、大容量となることがでできる。
【0069】
(4) 外部捕集型
図31に示すように、この尿吸収カプセルは、以上説明したような種々の構造によりコネクタを介して装着カバー1に結合された袋体26を本体とする第1の尿吸収カプセル5と、更にこの第1の尿吸収カプセル5に管28をもって連通し第1の尿吸収カプセル5に流入した尿を受け入れて貯蔵するタンク状の第2の尿吸収カプセル5aとを有している。
【0070】
この尿吸収カプセル5,5aによれば、コネクター3に接続された第1の尿吸収カプセル5内に排泄された尿を溜めつつ、接続された管28等で外部の第2の尿吸収カプセル5aに尿を移して捕集することができるので、大量の尿の排出にも容易に対応することができる。なお、この例の場合は、最終的にタンク状である第2の尿吸収カプセル5aに尿を移して捕集するので、最初に一時的に尿を溜めておく第1の尿吸収カプセル5には吸収体11を設けることは必ずしも必要ではなく、少なくとも尿が漏れない液体不通過性のシートで構成されたものであればよい。
【0071】
5.各要素間の結合構造(図32〜図53)
(1) 装着カバー1とコネクター3の接続
図32は、装着カバー1と装着者の身体との間にコネクター3を挟み、コネクター3の通孔部4を装着カバー1の導出部2から外に突出させて両パーツ1,3を組み合わせる構造を示している。この例によれば、装着者の体位等に応じてコネクター3がある程度移動可能であり、装着しやすいとともに装着後の位置調整等も容易である。
【0072】
図33は、装着カバー1と装着者の身体との間にコネクター3を挟み、コネクター3の通孔部4を装着カバー1の導出部2から外に突出させた状態で、コネクター3のフランジ17の前面に設けたフック構造29を装着カバー1の不織布に掛止させて両パーツ1,3を組み合わせる構造を示している。この例によれば、装着者の体位の変動によってコネクター3が大きく位置ずれしてしまうことがなく、装着状態が安定している。
【0073】
図34は、コネクター3のフランジ17の後面に設けたフック構造29を装着カバー1の前面の不織布に掛止させて装着カバー1の外側からコネクター3を取付け、装着カバー1の導出部2とコネクター3の通孔部4を連通させる構造を示している。この例によれば、コネクター3の取付けが容易であり、作業がしやすい。
【0074】
図35は、図14を参照して説明した前見頃無しの装着カバー1の縦バンド16にコネクター3を取り付ける構造を示している。ここでは、縦バンド16がループ機能を持つ不織布からなり、これに対してコネクター3の後面に設けたフック構造(図示せず)を掛止させることとしている。この例によれば、コネクター3の取付けが容易であり、作業がしやすい。
【0075】
(2) コネクター3と尿吸収カプセル5の接続
図36は、コネクター3の円筒部分に周状に設けたフック構造29と、尿吸収カプセル5の入口部6の内面に設けたループ機能を持つ不織布を用い、両者を密着、掛止させてコネクター3と尿吸収カプセル5を接続する構造を示す図である。
【0076】
図37は、不織布等のループ機能を有する尿吸収カプセル5の入口部6の外面の要所にフック構造29を設けておき、コネクター3の円筒部分に尿吸収カプセル5を装着して入口部6の周囲を折り畳み、フック構造29を尿吸収カプセル5の表面のループに掛止させてコネクター3と尿吸収カプセル5を接続する構造を示す図である。
【0077】
図38は、コネクター3と尿吸収カプセル5の接続構造を示す断面図であり、同図(a)は図18(a)のコネクター3の円筒部を尿吸収カプセル5の入口部6に挿入して前述したフック−ループ構造等により着脱可能に取り付けたものである。また、同図(b)は図18(c)のコネクター3の円筒部を尿吸収カプセル5の入口部6に挿入して前述したフック−ループ構造等により着脱可能に取り付けたものである。
【0078】
図39は、コネクター3と尿吸収カプセル5の接続構造を示す図であり、フランジ状の返しである係止構造30を備えたコネクター3の円筒部を尿吸収カプセル5の入口部6に挿入し、同入口部6に設けた紐20を結んで尿吸収カプセル5とコネクター3を着脱可能に取り付けたものである。
【0079】
図40は、コネクター3と尿吸収カプセル5の接続構造を示す図であり、フランジ状の返しである係止構造30を備えたコネクター3の円筒部を尿吸収カプセル5の入口部6に挿入し、同入口部6に設けた巾着21の紐を引いて縛り、尿吸収カプセル5とコネクター3を着脱可能に取り付けたものである。
【0080】
図41は、コネクター3と尿吸収カプセル5の接続構造を示す図であり、係止構造であるカギ状爪部23を備えたコネクター3の円筒部を、同じく係止構造であるカギ状爪部23を備えた尿吸収カプセル5の入口部6に挿入し、両係止構造を係合させて尿吸収カプセル5とコネクター3を着脱可能に取り付けたものである。
【0081】
(4) コネクター付属型の装着カバー1と尿吸収カプセル5の接続
装着カバー1とコネクター3を一体化することにより、さらに装着を容易にすることができる。この装着カバー1は、コネクター3と別体である以上説明した装着カバー1と基本的には同一の機能を有するものであり、便の捕集と、尿吸収カプセル5からあふれ出た尿の吸収を行う。そのため、便受け部と、比較的薄い尿吸収部と、導出部2とを有している。ただし、この導出部2がコネクター付である点が異なる。
【0082】
図42及び図43に示すように、装着カバー1の導出部2にはコネクター3が連通して一体に設けられており、コネクター3の表面にはフック構造が設けられている。図42は正面側から見た図、図43は図42の吸収体製品の側面側から見た断面図及び要部拡大断面図である。尿吸収カプセル5は上部側面に入口部6が開口しており、少なくともその周辺はループ構造を持っている。そして、コネクター3の通孔部4と尿吸収カプセル5の入口部6が連通するように両者を組み合わせ、フック構造とループ構造の係止により両者を結合する。
【0083】
図44は、装着カバー1の導出部2に女性専用のコネクター3aが連通して一体に設けられたものであり、図45はこのコネクターを用いた女性専用吸収体製品の尿吸収カプセル5の装着前と装着後を示す図である。女性専用のコネクター3aは、全体として略矩形の外形を有し、その中央に矩形の通孔部4を有し、これが装着カバー1の導出部2(開口部) に連通している。さらに女性専用コネクター3aは、装着者から見て通孔部4の前後の2つの位置に、装着者の側に突出した2つの突起部31を有している。図56に、女性の局部と図44に示す前記コネクター3aとのフィッティング状態を示す説明図を示す。この図に示すように、この2つの突起部31において前側の突起部は女性局部の陰核の前方に接触する位置にあり、この狭窄部に挟み込まれる。後ろ側の突起部31は会陰に接触する位置にあり、この狭窄部に挟み込まれる。通孔部4は小陰唇部が収容される大きさになっていて通孔部4を囲むフラットなゾーンには大陰唇部が接触するように設計されている。このような構造によって、尿道口から排出された尿が安定に尿カプセル5へと導かれしかも装着者に違和感を感じさせないように工夫されている。なお万が一尿がコネクターから漏れてもコネクター3aの通孔部4の周囲には吸収体11があるので外に漏れて下着を汚すような問題は生じない。
【0084】
(5) コネクター3付属型の尿吸収カプセル5と装着カバー1の接続
尿吸収カプセル5とコネクター3を一体化することにより、さらに装着性が向上し、介護者のオムツ交換作業効率が良くなり、装着カバー1外への尿の漏れを無くし、尿をより確実に捕集できる。この尿吸収カプセル5は、以上説明してきたコネクター3と別体である尿吸収カプセル5と基本的には同一の機能を有するものであり、専ら尿の捕集を行うが、入口部6にコネクター3が固定されている点が異なる。
【0085】
図46は、入口部6にコネクター3が付属している尿吸収カプセル5の図であり、コネクター3の表面には装着カバー1のループ構造に掛止するフック構造が設けられている。同図(a)〜(d)に変形例を示すようにコネクター3の形状は平板状(b)でもよいし、液の流れを尿吸収カプセル5内へと誘導しやすい曲面形状(c)(d)でもよい。
【0086】
図47〜図49は、入口部6にコネクター3が付属している尿吸収カプセル5の図であり、特にコネクター3が局部に沿った形状をもつ曲面コネクター3の場合を示している。図47は、図17(b)に示したコネクター3を利用するものであり、図48は、図17(e)に示したコネクター3を利用するものであり、図49は、図15(f)に示したコネクター3を利用するものである。いずれのコネクター付き尿吸収カプセル5においても、コネクター3の部分が身体の表面に沿った形状とされており、又はその形状に沿って適度に変形・密着可能なので、装着感に優れ、尿漏れも生じにくい。なお、コネクター3の形状により、男女兼用や女性専用としても用いることができる。
【0087】
図50(a),(b)及び図51(a),(b)は、平板型のコネクター3付きの尿吸収カプセル5と装着カバー1の接続前後の状態を示す正面側斜視図及び側面図である。この例の尿吸収カプセル5は図46に示すものと同一であり、尿吸収カプセル5と一体のコネクター3の表面にはフック構造が設けられており、装着カバー1の導出部2の外側に掛止させて取り付けることができる。
【0088】
図52(a),(b)及び図53(a),(b)は、立体型のコネクター3付きの尿吸収カプセル5と装着カバー1の接続前後の状態を示す正面側斜視図及び側面図である。この例の尿吸収カプセル5は図47に示すものと同一であり、尿吸収カプセル5と一体のコネクター3を、装着カバー1の導出部2から中に入れ込んで装着する。
【0089】
6.本例の製品における各要素の組み合わせ例(図54)
以上説明したように、本実施形態の吸収体製品は、基本的に装着カバー1と、尿吸収カプセル5と、これらを結合するコネクター3とによって構成され、これら各部品の組み合わせは本発明の目的が達成可能であることを条件として本明細書にて開示された種々のパターンを任意に組み合わせて実施することができる。
【0090】
図54は、本実施形態で開示した範囲における各構成部分の具体的な組み合わせ例を1例として示したものであり、図2に示したようなテープ型の装着カバー1と、図20(a)及び図18(e)に示す男性用の各コネクター3を合せたような逆T字型フランジ付きのコネクター3と、図24に示すような入口部6に糸ゴム19を有する尿吸収カプセル5とを組み合わせたものである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本例の吸収体製品の一構成例を示す斜視図である。
【図2】本例の吸収体製品の他の構成例を示す斜視図である。
【図3】本例の吸収体製品における装着カバーの一例の展開図である。
【図4】本例の吸収体製品における装着カバーの変形例の展開図である。
【図5】本例の吸収体製品における装着カバーの変形例の展開図である。
【図6】本例の吸収体製品における装着カバーの変形例の展開図である。
【図7】本例の吸収体製品の装着カバーにおけるスリット状の導出部(開口部)の形状例を示す図である。
【図8】本例の吸収体製品の装着カバーにおけるくり抜き状の導出部(開口部)の形状例を示す図である。
【図9】本例の吸収体製品の装着カバーにおける折り返し状の導出部(開口部)の形状例を示す図である。
【図10】本例の吸収体製品の装着カバーにおける導出部(開口部)の加工処理方法及び構造を示す模式的断面図である。
【図11】本例の吸収体製品の装着カバーにおける導出部(開口部)の加工処理方法及び構造を示す模式的断面図である。
【図12】本例の吸収体製品の装着カバーにおける導出部(開口部)の加工処理方法及び構造を示す模式的断面図である。
【図13】本例の吸収体製品の装着カバーにおける導出部(開口部)の加工処理方法及び構造を示す模式的断面図である。
【図14】本例の吸収体製品の装着カバーの変形例を示す斜視図である。
【図15】本例の吸収体製品の平板型のコネクターにおいて外形のバリエーションを示す正面図である。
【図16】本例の吸収体製品の平板型のコネクターにおいて通孔部の形状のバリエーションを示す正面図である。
【図17】本例の吸収体製品の立体型のコネクターにおいて曲面からなる外形のバリエーションを示す斜視図である。
【図18】本例の吸収体製品の立体型のコネクターにおいて曲面と平面からなる外形のバリエーションを示す斜視図である。
【図19】本例の吸収体製品のコネクターにおける通孔部の形状のバリエーションを示す斜視図である。
【図20】本例の吸収体製品のコネクターにおける通孔部の形状のバリエーションを示す斜視図である。
【図21】本例の吸収体製品のコネクターにおける通孔部の形状のバリエーションを示す斜視図である。
【図22】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの斜視図及び断面図である。
【図23】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの斜視図及び断面図である。
【図24】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの斜視図である。
【図25】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの斜視図である。
【図26】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前及び装着後の斜視図である。
【図27】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前及び装着後の斜視図である。
【図28】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前及び装着後の斜視図である。
【図29】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前及び装着後の斜視図である。
【図30】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの内部構造を示す透視正面図、縦断面図及び横断面図である。
【図31】本例の変形例である2つの尿吸収カプセルを使用する外部捕集型の吸収体製品を示す斜視図である。
【図32】本例の吸収体製品における装着カバーとコネクターの接続状態を示す斜視図及び側断面図である。
【図33】本例の吸収体製品における装着カバーとコネクターの接続状態を示す斜視図及び側断面図、横断面図である。
【図34】本例の吸収体製品における装着カバーとコネクターの接続状態を示す斜視図及び側断面図、横断面図である。
【図35】本例の吸収体製品における装着カバーとコネクターの接続状態を示す斜視図及び側断面図である。
【図36】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す斜視図である。
【図37】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す斜視図である。
【図38】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続状態を示す縦断面図である。
【図39】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す斜視図である。
【図40】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す斜視図である。
【図41】本例の吸収体製品におけるコネクターと尿吸収カプセルとの接続手順及び接続状態を示す断面図である。
【図42】本例の吸収体製品におけるコネクター付きの装着カバーと尿吸収カプセルとの接続前後の状態を示す斜視図である。
【図43】本例の吸収体製品におけるコネクター付きの装着カバーと尿吸収カプセルとの接続前後の状態を示す側断面図及び要部拡大断面図である。
【図44】本例の吸収体製品における女性用コネクター付きの装着カバーの展開図である。
【図45】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す斜視図である。
【図46】本例の吸収体製品におけるコネクター付きの尿吸収カプセルの正面図と、その変形例を示す断面図である。
【図47】本例の吸収体製品における立体曲面型コネクター付きの尿吸収カプセルの斜視図及び側面図である。
【図48】本例の吸収体製品における立体曲面型コネクター付きの尿吸収カプセルの斜視図及び側面図である。
【図49】本例の吸収体製品における局部フット型コネクター付きの尿吸収カプセルの正面図及び側面図である。
【図50】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す斜視図である。
【図51】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す側面図である。
【図52】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す斜視図である。
【図53】本例の吸収体製品における尿吸収カプセルの装着前と装着後を示す側面図である。
【図54】本例の吸収体製品における装着カバーと、コネクターと、尿吸収カプセルの組合せの一例における組合せ装着手順を示す斜視図である。
【図55】女性の局部と図21に示す女性用のコネクターとのフィッティング状態を示す説明図である。
【図56】女性の局部と図44(b)に示す女性用のコネクターとのフィッティング状態を示す説明図である。
【図57】本例において好適に使用可能なシート状の吸収体を示す平面図及び同平面図のX−X’切断線における断面図である。
【図58】本例において好適に使用可能なシート状の吸収体の他の例を示す平面図及び同平面図のX−X’切断線における断面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 装着カバー 2 導出部(開口部)
3 コネクター
3a 女性用のコネクター
4 コネクターの通孔
5 尿吸収カプセル(第1の尿吸収カプセル)
5a タンク式の尿吸収カプセル(第2の尿吸収カプセル)
6 入口部
11 吸収体
26 袋体
27 液ガイド部
28 管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の腰部に装着され、装着者の便の捕集に供されるとともに、装着者の尿を外に排出するための導出部が形成された装着カバーと、
前記装着カバーの外に設けられ、装着者の尿を入口部から受け入れて捕集する尿吸収カプセルと、
前記装着カバーの導出部と前記尿吸収カプセルの入口部が連通するように前記装着カバーと前記尿吸収カプセルを着脱可能に結合し、装着者の尿を前記尿吸収カプセルの内部に誘導するコネクターと、
を有することを特徴とする吸収体製品。
【請求項2】
前記コネクターが前記装着カバーと一体であり、前記尿吸収カプセルが、前記装着カバーと一体になった前記コネクターに対して着脱可能とされたことを特徴とする請求項1記載の吸収体製品。
【請求項3】
前記コネクターが前記尿吸収カプセルと一体であり、その前記尿吸収カプセルと一体となった前記コネクターが、前記装着カバーに対して着脱可能とされたことを特徴とする請求項1記載の吸収体製品。
【請求項4】
前記装着カバーにおいて、漏洩した尿を吸収するための吸収体が少なくとも前記導出部の周辺の内面側に設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項5】
前記コネクターが、前記装着者の体表面に沿った立体形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項6】
前記コネクターが男性用であり、ぺニスの挿通する通孔部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項7】
前記コネクターが女性用であり、陰唇部位を被覆するようなカップ状の立体構造を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項8】
前記尿吸収カプセルが、液不透過性の材料からなる袋体と、前記袋体の内部に設けられて尿を吸収して固定化する吸収体とを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項9】
前記尿吸収カプセルにおいて、前記袋体がタックをもって形成され、前記袋体と前記吸収体との間に設けられた液ガイド部を有することを特徴とする請求項8に記載された吸収体製品。
【請求項10】
前記尿吸収カプセルが、前記コネクタを介して前記装着カバーに結合された第1の尿吸収カプセルと、前記第1の尿吸収カプセルに管をもって連通し前記第1の尿吸収カプセルに流入した尿を受け入れて貯蔵する第2の尿吸収カプセルとを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項1】
装着者の腰部に装着され、装着者の便の捕集に供されるとともに、装着者の尿を外に排出するための導出部が形成された装着カバーと、
前記装着カバーの外に設けられ、装着者の尿を入口部から受け入れて捕集する尿吸収カプセルと、
前記装着カバーの導出部と前記尿吸収カプセルの入口部が連通するように前記装着カバーと前記尿吸収カプセルを着脱可能に結合し、装着者の尿を前記尿吸収カプセルの内部に誘導するコネクターと、
を有することを特徴とする吸収体製品。
【請求項2】
前記コネクターが前記装着カバーと一体であり、前記尿吸収カプセルが、前記装着カバーと一体になった前記コネクターに対して着脱可能とされたことを特徴とする請求項1記載の吸収体製品。
【請求項3】
前記コネクターが前記尿吸収カプセルと一体であり、その前記尿吸収カプセルと一体となった前記コネクターが、前記装着カバーに対して着脱可能とされたことを特徴とする請求項1記載の吸収体製品。
【請求項4】
前記装着カバーにおいて、漏洩した尿を吸収するための吸収体が少なくとも前記導出部の周辺の内面側に設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項5】
前記コネクターが、前記装着者の体表面に沿った立体形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項6】
前記コネクターが男性用であり、ぺニスの挿通する通孔部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項7】
前記コネクターが女性用であり、陰唇部位を被覆するようなカップ状の立体構造を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項8】
前記尿吸収カプセルが、液不透過性の材料からなる袋体と、前記袋体の内部に設けられて尿を吸収して固定化する吸収体とを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【請求項9】
前記尿吸収カプセルにおいて、前記袋体がタックをもって形成され、前記袋体と前記吸収体との間に設けられた液ガイド部を有することを特徴とする請求項8に記載された吸収体製品。
【請求項10】
前記尿吸収カプセルが、前記コネクタを介して前記装着カバーに結合された第1の尿吸収カプセルと、前記第1の尿吸収カプセルに管をもって連通し前記第1の尿吸収カプセルに流入した尿を受け入れて貯蔵する第2の尿吸収カプセルとを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載された吸収体製品。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図52】
【図54】
【図55】
【図57】
【図58】
【図1】
【図14】
【図22】
【図23】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図42】
【図43】
【図50】
【図51】
【図53】
【図56】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
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【図10】
【図11】
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【図40】
【図41】
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【図52】
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【図55】
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【図1】
【図14】
【図22】
【図23】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図42】
【図43】
【図50】
【図51】
【図53】
【図56】
【公開番号】特開2007−325717(P2007−325717A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158539(P2006−158539)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(592034744)株式会社日本吸収体技術研究所 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(592034744)株式会社日本吸収体技術研究所 (28)
【Fターム(参考)】
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