説明

吸収性物品の製造方法

【課題】 ウエストバンドタイプおむつを連続生産する際の設備や制御の簡易化、低コスト化を図ることのできる使い捨ておむつの製造方法を提供すること。
【解決手段】 一対のウエストバンドを有する使い捨ておむつ1の製造方法であり、連続搬送されている帯状のウエストバンド原反60を、長手方向に、切断点P1.P2を幅方向に揺動させながら切断し、左右のウエストバンドがそれぞれ複数連なった構成の2本のウエストバンド連続体61,62を得、それらをウエストバンド部分の位置が一致するように重ね、重ねた状態の両連続体を、幅方向に順次切断してウエストバンド配置体6Aを得、各ウエストバンド配置体6Aを、本体の構成材52上に順次配置し各ウエストバンド部分の所定箇所9を該構成材52上に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、展開型の使い捨ておむつとして、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備し、背側部の両側縁部に、それぞれウエストバンドが連設され、左右の該ウエストバンドの少なくとも何れか一方における先端部にバンド止着部が設けられており、腹側部の両側部におむつ止着部が設けられ、バンド止着部により、左右のウエストバンドを着用者の腹側において止着した後、おむつ止着部により、腹側部を左右のウエストバンド又はそれらの基端近傍部に止着して着用するようになしてあるウエストバンドタイプの使い捨ておむつが知られている(特許文献1,2参照)。
【0003】
このようなウエストバンドタイプの使い捨ておむつは、着用者が立ったままでも容易に装着できる、ズボンを脱がずにおむつ替えができる、胴回りや脚周りのサイズ調整がそれぞれ可能である等の利点を有する。
【特許文献1】特開平10−5278号公報
【特許文献2】特開平09−285489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ウエストバンドタイプの使い捨ておむつは、主としてウエストバンドの長さに起因して、原反を切断して得たウエストバンドを所定箇所に固定する迄の工程、更にはその後の工程において、ウエストバンドの取り扱いに複雑な設備や制御が必要であり、そのため、連続生産の高速度化や低コスト化を図ることが困難であった。
【0005】
従って、本発明の目的は、ウエストバンドタイプおむつを連続生産する際の設備や制御の簡易化、低コスト化を図ることのできる使い捨ておむつの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液保持性の吸収体を具備する実質的に縦長の本体と、該本体の長手方向の両側部に接合された左右一対のウエストバンドを有し、少なくとも何れか一方のウエストバンドに、他方のウエストバンドに止着するためのバンド止着部が設けられている使い捨ておむつの製造方法において、連続搬送されている帯状のウエストバンド原反を、長手方向に、切断点を幅方向に揺動させながら切断し、左右のウエストバンドがそれぞれ複数連なった構成の2本のウエストバンド連続体を得る工程と、前記2本のウエストバンド連続体の搬送方向の相対位置を調節して、両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分の位置を一致させ、その状態で両ウエストバンド連続体同士を重ねる工程と、重ねた状態の両ウエストバンド連続体を、幅方向に順次切断して、左右のウエストバンド部分を各一つ含むウエストバンド配置体を得る工程と、各ウエストバンド配置体を、前記本体の構成材上に順次配置し、各ウエストバンド部分の所定箇所を、該構成材上に固定する工程とを具備することを特徴とする、使い捨ておむつの製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
また本発明は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、液保持性の吸収体とを備える実質的に縦長の本体と、該本体の長手方向の両側部に接合された左右一対のウエストバンドを有し、少なくとも何れか一方のウエストバンドに、他方のウエストバンドに止着するためのバンド止着部が設けられている使い捨ておむつの製造方法において、連続搬送されている帯状のウエストバンド原反を、長手方向に、切断点を幅方向に揺動させながら切断し、左右のウエストバンドがそれぞれ複数連なった構成の2本のウエストバンド連続体を得る工程と、前記2本のウエストバンド連続体の搬送方向の相対位置を調節して、両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分の位置を一致させ、その状態で両ウエストバンド連続体同士を重ねる工程と、重ねた状態の両ウエストバンド連続体を、幅方向に順次切断して、左右のウエストバンド部分を各一つ含むウエストバンド配置体を得る工程と、各ウエストバンド配置体を、前記表面シート上に順次配置し、各ウエストバンド部分の所定箇所を、前記表面シートと前記裏面シート間に挟み込まれる様に折り返し、該表面シートに固定する工程とを具備することを特徴とする、使い捨ておむつの製造方法を提供する事により、上記目的を達成したものである。
【0008】
さらに本発明は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、液保持性の吸収体とを備える実質的に縦長の本体と、該本体の長手方向の両側部に接合された左右一対のウエストバンドを有し、少なくとも何れか一方のウエストバンドに、他方のウエストバンドに止着するためのバンド止着部が設けられている使い捨ておむつの製造方法において、連続搬送されている帯状のウエストバンド原反を、長手方向に、切断点を幅方向に揺動させながら切断し、左右のウエストバンドがそれぞれ複数連なった構成の2本のウエストバンド連続体を得る工程と、前記2本のウエストバンド連続体の搬送方向の相対位置を調節して、両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分の位置を一致させ、その状態で両ウエストバンド連続体同士を重ねる工程と、重ねた状態の両ウエストバンド連続体を、幅方向に順次切断して、左右のウエストバンド部分を各一つ含むウエストバンド配置体を得る工程と、各ウエストバンド配置体を、前記表面シート上に順次配置し、各ウエストバンド部分の所定箇所を、前記裏面シートを巻き込む様に折り返し、該裏面シートに固定する工程とを具備することを特徴とする、使い捨ておむつの製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の使い捨ておむつの製造方法によれば、左右のウエストバンドを、両者を重ねた構成のウエストバンド配置体として、本体部分に精度良く安定した状態に固定することができ、ウエストバンドタイプおむつを連続生産する際の設備や制御の簡易化、低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
先ず、本実施形態の製造方法により製造する使い捨ておむつについて説明する。図1は、本実施形態の製造方法により連続生産される多数の同一構成の使い捨ておむつのうちの一つを示すものである。
【0011】
図1に示す使い捨ておむつ1は、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在する液保持性の吸収体4を具備する実質的に縦長の本体5と、該本体5の長手方向の両側部に接合された左右一対のウエストバンド6,6とを有する。一方のウエストバンド6には、他方のウエストバンド6に止着されるバンド止着部71が設けられている。バンド止着部71は、機械的面ファスナーの雄材からなり、他方のウエストバンド6に機械的面ファスナーの雌材を貼着して形成された、被止着部81に着脱自在に止着可能である。
【0012】
両ウエストバンド6,6は、本体5の長手方向の一端部近傍に設けられ、各ウエストバンドそれぞれの一端部が、本体5の一端部近傍における両側部に接合されている。
また、本体5の長手方向の他端部近傍の両側部には左右一対のパネル7,7が接合されており、各パネル7には、前記ウエストバンド6に止着されるおむつ止着部72,73が設けられている。おむつ止着部72,73も、機械的面ファスナーの雄材からなり、それぞれ、機械的面ファスナーの雌材を貼着して形成した、左右同じ側のウエストバンドにおける被止着部82,83に着脱自在に止着可能である。
【0013】
脚周りに配されるレッグ部には、レッグ部を着用者にフィットさせるためのレッグ部弾性部材8が配されている。また、本体5の表面シート側の面における両側部には、立体ガード形成用シート52が長手方向に沿って配されて立体ガード51が形成されている。バンド止着部71及びおむつ止着部72,73を構成する機械的面ファスナーの雄材としては、それぞれ、その表面に、多数の錨形や鉤形のオス型係合部材が配されたもの等を用いることができ、例えば、「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等の市販品を用いることができる。
【0014】
本使い捨ておむつ1を着用する際には、本体5の長手方向両端部のうちのウエストバンド6,6を有する側を、着用者の背中側に当接させ、両ウエストバンド6,6を着用者の腹側にもってくる。そして、一方のウエストバンド6におけるバンド止着部71を有する部分を、他方のウエストバンド6の被止着部81に重ねるようにして、両ウエストバンドを、バンド止着部71と被止着部81との係合によって連結する。次いで、本体5の長手方向両端部のうちのウエストバンド6,6を有する側とは反対側を、着用者股間を通して腹側に引き上げる。そして、おむつ止着部72を、一方のウエストバンド6の被止着部82、おむつ止着部73を、他方のウエストバンド6の被止着部83にそれぞれ係合させ止着する。本使い捨ておむつ1は、前後逆向きに装着することもできる。即ち本体5の長手方向両端部のうちのウエストバンド6,6を有する側を着用者の腹側に当接させて使用することもできる。
【0015】
次に、上記の使い捨ておむつ1を多数連続的に製造する本実施形態の製造方法について、図2及び図3を参照して説明する。
本実施形態においては、ロール状に巻回した原反ロール(図示せず)から、帯状のウエストバンドの原反60を連続的に繰り出し、公知の搬送機構により、該原反60を連続的に搬送させる。そして、図2に示されるように、連続搬送されている原反60に対し、図2中のA1部において、機械的面ファスナーの雄材71〜73、及び機械的面ファスナーの雌材81〜83を、接着剤を介してそれぞれ所定の間隔を開けて接合固定する。図2の絵において、雄材71〜73は原反60の表側、雌材81〜83は原反60の裏側の面に固定する。
【0016】
次いで、図2中のA2部において、ウエストバンドの原反60を、その長手方向に、切断点P1,P2を幅方向に揺動させながら切断する。この切断は、原反60を幅方向に2分割し、使い捨ておむつ1における左右のウエストバンド6,6がそれぞれ複数連なった構成の2本のウエストバンド連続体61,62を得るために行う。切断には、ロール周面に切断刃を有するカッターロール等を用いることができる。その際、ウエストバンドのトリムロスを最小にし、且つ製品に取り付けられるウエストバンドが機能的に優れた形状とすることが望まれる。
【0017】
本実施形態においては、ロールの周方向に、刃がロールの軸方向に2重に形成された部分と刃が1つの部分とを有するカッターロールを用いて切断しており、刃が2重に形成された部分が原反60が当たる部分は、原反60の幅方向に離間した2カ所の切断点P1,P2で原反60が切断され刃が1つの部分が当たる部分は、原反60の幅方向における1カ所の切断点で原反60が切断されている。幅方向に離間した2カ所の切断点P1,P2で切断する部分を有することにより、トリム63が発生するが、このトリム63は、図2中のA3部において、吸引除去装置等で除去される。原反60の切断は、原反60の流れ方向に離間配置された2本のカッターロールを用いて切断したり、レーザーカッター等を用いて切断することもできる。
本実施形態では、上記の切断により、2本のウエストバンド連続体61,62として、ウエストバンド部分61aとパネル部分61bとが長手方向に交互に配置された構成のウエストバンド連続体61と、ウエストバンド部分62aとパネル部分62bとが交互に連結された構成のウエストバンド連続体62を得ている。
【0018】
次いで、2本のウエストバンド連続体61,62をそれぞれ連続搬送しつつ、両者の搬送方向の相対位置を調節して、両ウエストバンド連続体61,62におけるウエストバンド部分61a,62aの位置を一致させる。即ち、両者に分割した段階では、図2中のA2部やA3部に示されるように、一方のウエストバンド連続体61のウエストバンド部分61aの位置と他方のウエストバンド連続体62のウエストバンド部分62aの位置とは半ピッチ分ずれているが、図2中のA4部において、それを、両者の搬送経路の長さを異ならせる等の公知の手法により、両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分61a,62aの位置を一致させる。そして、その状態で、両ウエストバンド連続体61,62を互いに重ねる。両ウエストバンド連続体61,62を重ねるという場合、ウエストバンド部分の少なくとも一部同士が重なっていれば良いが、ウエストバンドの全長(おむつ幅方向の全長)の半分以上の長さ、更には2/3以上の長さが互いに重なっていることが好ましい。
【0019】
本実施形態においては、両ウエストバンド連続体同士を重ねる工程の前に、上述したように、ウエストバンド原反60における一方のウエストバンドに対応する部分にバンド止着部71を形成してあり、両ウエストバンド連続体同士を重ねる際に、バンド止着部71を介して両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分同士が仮着される。より具体的には、図2のA4部に矢印11で示すように、一方のウエストバンド部分のバンド止着部71と他方のウエストバンド部分の被止着部83とが係合して両ウエストバンド部分同士が着脱自在に仮着される。尚、本実施形態におけるように、ウエストバンドの原反60におけるウエストバンドに対応する部分にバンド止着部71を設けるのに代えて、ウエストバンド連続体に分割した後に、該ウエストバンド連続体のウエストバンドに対応する部分にバンド止着部71を設けても同様である。また、互いに重ねた両ウエストバンド連続体61,62の仮着補強として、両ウエストバンド連続体61,62間で部分的な圧着シール、HMシール、超音波シール等を行うこともできる。
【0020】
そして、互いに重ねた状態の両ウエストバンド連続体61,62を、図2中のA5部で、幅方向に順次切断して、左右のウエストバンド部分61a,62aを各一つ含むウエストバンド配置体6Aを得る。
左右のウエストバンド部分を各一つ含むとは、使い捨ておむつ1の左右のウエストバンド6,6となる部分61a,62aを一つづつ含むという意味である。本実施形態におけるウエストバンド配置体6Aは、左右のウエストバンド部分61a,62aを各一つ含むとともに、左右のパネル部分(使い捨ておむつのパネル7,7となる部分)61b,62bを各一つ含んでいる。
【0021】
そして、このようにして得られたウエストバンド配置体6Aを、別に製造され、連続搬送されている本体5の連続体5’の肌当接面上に、図2中のA6部において、間欠的に順次配置する。そして、図2中のA7部において、各ウエストバンド部分61a,62aの所定箇所9を、本体5の連続体5’の構成材上に、ヒートシール、超音波シール、接着剤等の公知の接合方法を用いて固定する。本実施形態においては、連続体5’の両側部は、立体ガード形成用のシート材52により形成されており、該シート材52上に固定している。このときの接合方法は、肌と当たる部分での違和感を軽減するため、シールであれば必要強度を維持しつつ、硬くならない様な工夫をする必要がある。この時の必要接合強度としては、おむつを構成する材料の破壊が起きる程度に大きければ大きい程好ましいので、特に制限されない。
【0022】
本実施形態においては、ウエストバンド配置体6Aとして、ウエストバンド部分61a,62aとパネル部分61b,62bとからなるものを用いており、ウエストバンド配置体6Aを本体5の構成材52上に配置する際には、それぞれ、二つのおむつに跨るように配置固定し、その後、図2中のA8部において、ウエストバンド部分61a,62aとパネル部分61b,62bとが分離されるように、各ウエストバンド配置体6Aを本体5の構成材52とともに切断している。
【0023】
このようにして、図1に示す使い捨ておむつ1が多数連続的に得られる。ウエストバンド配置体6Aにおけるウエストバンド部分61a,62aは、左右のウエストバンド6,6を構成し、パネル部分61a,62aは、左右のパネル7,7を構成する。使い捨ておむつ1は、図2の右下に示されるように、両ウエストバンドが幅方向内側に折り畳まれた状態で安定しているため、その後の工程、例えば、使い捨ておむつを折り畳んだり、多数枚積層して包装袋に収納するまでの工程等においても取り扱い性に優れている。
【0024】
本実施形態の使い捨ておむつの製造方法によれば、このようにして、左右のウエストバンドを、両者を重ねた構成のウエストバンド配置体6Aとして、本体部分に精度良く安定した状態に固定することができるため、ウエストバンドタイプおむつを連続生産する際に、ウエストバンドの取り扱いが容易であり、そのため、設備や制御の簡易化、低コスト化を図ることができる。
特にバンド止着部71を介してウエストバンド連続体のウエストバンド部分同士を仮着させておくことにより、ウエストバンド配置体6Aの搬送中に、両ウエストバンド部分同士間にずれ等が一層生じにくくなる。
【0025】
更に、ウエストバンド部分とパネル部分とが一体化されたウエストバンド配置体6Aを用い、それを2つのおむつに跨るように配置した後、切断するようにしたため、おむつ本体の長手方向の両端部にそれぞれウエスト部分とパネル部分を精度良く配置する事が可能となる。
【0026】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。以下に示す第2及び第3実施形態について、特に説明しない点については、上述した実施形態と同様であり、上述した説明が適宜適用される。
第2の実施形態においては、ウエストバンド配置体6Aを本体5の連続体5’に固定するときに、図4に示すように、ウエストバンド配置体6Aの所定箇所(流れ方向に直交する方向の両端部)を表面シート2と裏面シート3の間に挟み込み固定する。この場合、ウエストバンドの本体側側縁が両シート間に挟み込まれるため、着用中、内側及び外側からの違和感を無くすことができると共に、本体との接合固定部にT剥離方向の力が加わらないため、接合強度を出しやすくなる。尚、図4に示すように、表面シート2の両側部に、立体ガード形成用シート52が接合されている場合、該シート52からなる部分も含めて表面シートと考える。また、表面シート2の両側部に他のシート(撥水性シートや液不透過性シート)が連結されて一枚のシート状をなしている場合も同様である。
【0027】
第3の実施形態においては、ウエストバンド配置体6Aを本体5の連続体5’に固定するときに、図5に示すように、ウエストバンド配置体6Aの所定箇所を裏面シート側で固定する。このとき、ウエストバンドの本体側側縁は、身体側とは反対側に折り返され、着用中、違和感を感じにくいと共に、本体との接合固定部にT剥離方向の力が加わらないため、接合強度を出しやすくなる。
【0028】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、ウエストバンド部分とパネル部分とが一体化されたウエストバンド配置体6Aを製造し、これを本体の連続体5’上に配置固定したが、ウエストバンド部分のみが連続したウエストバンド配置体を製造し、これを本体の連続体5’等に配置固定しても良い。この場合、パネル部分は、別のパネルようのより細幅な原反から製造して適宜の方法で本体5の連続体5’や切断後の本体5等に接合しても良い。また、パネル7におむつ止着部72,73を設けるのに代えて、本体5部分に同様のおむつ止着部を設けても良い。この場合、パネル7自体が不要となる。また、ウエストバンド配置体6Aは、本体の肌当接面側に固定するのに代えて、本体の非肌当接面側に固定することもできる。
【0029】
更に、ウエストバンド配置体6Aは、本体5の連続体5’に固定するのに代えて、個々のおむつの寸法に切断した後の本体5に固定しても良い。本明細書において、本体の構成材という場合、切断前の本体連続体の構成材と、切断後の本体の構成材の両者を含む。ウエストバンド及びパネルの構成材料、即ち原反60の構成材料としては、従来のウエストバンドタイプのおむつのウエストバンドに用いられている各種の材料を用いることができ、例えば、各種製法による不織布や、不織布と樹脂フィルムのラミネート体等を用いることができる。また、ウエストバンドの構成材料として係合性に富む不織布を用い、機械的面ファスナーの雌材を貼着せずに、該不織布自体に、バンド止着部やおむつ止着部を止着させるようにしても良い。また、ウエストバンド原反60からウエストバンド連続体61,62を得るための切断は、単一の切断点を幅方向に揺動させて切断しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明により製造される使い捨ておむつの一例を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図3】図3は、図2のX−X断面図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態における図3相当図である。
【図5】図5は、本発明の更に別の実施形態における図3相当図である。
【符号の説明】
【0031】
1 使い捨ておむつ
6 ウエストバンド
6A ウエストバンド配置体
61,62 ウエストバンド連続体
7 パネル
71 バンド止着部
72,73 おむつ止着部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液保持性の吸収体を具備する実質的に縦長の本体と、該本体の長手方向の両側部に接合された左右一対のウエストバンドを有し、少なくとも何れか一方のウエストバンドに、他方のウエストバンドに止着するためのバンド止着部が設けられている使い捨ておむつの製造方法において、
連続搬送されている帯状のウエストバンド原反を、長手方向に、切断点を幅方向に揺動させながら切断し、左右のウエストバンドがそれぞれ複数連なった構成の2本のウエストバンド連続体を得る工程と、
前記2本のウエストバンド連続体の搬送方向の相対位置を調節して、両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分の位置を一致させ、その状態で両ウエストバンド連続体同士を重ねる工程と、
重ねた状態の両ウエストバンド連続体を、幅方向に順次切断して、左右のウエストバンド部分を各一つ含むウエストバンド配置体を得る工程と、
各ウエストバンド配置体を、前記本体の構成材上に順次配置し、各ウエストバンド部分の所定箇所を、該構成材上に固定する工程とを具備することを特徴とする、使い捨ておむつの製造方法。
【請求項2】
前記両ウエストバンド連続体同士を重ねる工程の前に、ウエストバンド原反又はウエストバンド連続体のウエストバンドに対応する部分に前記バンド止着部を形成し、両ウエストバンド連続体同士を重ねる際に、前記バンド止着部を介して、両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分同士を仮着させる請求項1記載の使い捨ておむつの製造方法。
【請求項3】
前記使い捨ておむつは、前記本体の長手方向の一端部近傍に前記ウエストバンドを有し、他端部近傍の両側部に左右一対のパネルが接合されており、各パネルに、前記ウエストバンド又はその近傍に止着されるおむつ止着部が設けられている使い捨ておむつであり、
前記2本のウエストバンド連続体を得る工程において、各ウエストバンド連続体として、ウエストバンド部分とパネル部分とが交互に配置された構成のウエストバンド連続体を得、前記ウエストバンド配置体を得る工程において、左右のウエストバンド部分及び左右のパネル部分を各一つ含むウエストバンド配置体を得、前記各ウエストバンド配置体を本体の構成材上に配置し各ウエストバンドを該構成材上に固定する工程においては、各ウエストバンド配置体を、二つのおむつに跨るように配置固定し、その後の工程において、ウエストバンド部分とパネル部分とが分離されるように、ウエストバンド配置体を前記本体の構成材とともに切断する請求項1又は2記載の使い捨ておむつの製造方法。
【請求項4】
液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、液保持性の吸収体とを備える実質的に縦長の本体と、該本体の長手方向の両側部に接合された左右一対のウエストバンドを有し、少なくとも何れか一方のウエストバンドに、他方のウエストバンドに止着するためのバンド止着部が設けられている使い捨ておむつの製造方法において、
連続搬送されている帯状のウエストバンド原反を、長手方向に、切断点を幅方向に揺動させながら切断し、左右のウエストバンドがそれぞれ複数連なった構成の2本のウエストバンド連続体を得る工程と、
前記2本のウエストバンド連続体の搬送方向の相対位置を調節して、両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分の位置を一致させ、その状態で両ウエストバンド連続体同士を重ねる工程と、
重ねた状態の両ウエストバンド連続体を、幅方向に順次切断して、左右のウエストバンド部分を各一つ含むウエストバンド配置体を得る工程と、
各ウエストバンド配置体を、前記表面シート上に順次配置し、各ウエストバンド部分の所定箇所を、前記表面シートと前記裏面シート間に挟み込まれる様に折り返し、該表面シートに固定する工程とを具備することを特徴とする、使い捨ておむつの製造方法。
【請求項5】
液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、液保持性の吸収体とを備える実質的に縦長の本体と、該本体の長手方向の両側部に接合された左右一対のウエストバンドを有し、少なくとも何れか一方のウエストバンドに、他方のウエストバンドに止着するためのバンド止着部が設けられている使い捨ておむつの製造方法において、
連続搬送されている帯状のウエストバンド原反を、長手方向に、切断点を幅方向に揺動させながら切断し、左右のウエストバンドがそれぞれ複数連なった構成の2本のウエストバンド連続体を得る工程と、
前記2本のウエストバンド連続体の搬送方向の相対位置を調節して、両ウエストバンド連続体のウエストバンド部分の位置を一致させ、その状態で両ウエストバンド連続体同士を重ねる工程と、
重ねた状態の両ウエストバンド連続体を、幅方向に順次切断して、左右のウエストバンド部分を各一つ含むウエストバンド配置体を得る工程と、
各ウエストバンド配置体を、前記表面シート上に順次配置し、各ウエストバンド部分の所定箇所を、前記裏面シートを巻き込む様に折り返し、該裏面シートに固定する工程とを具備することを特徴とする、使い捨ておむつの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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