吸収性物品
【課題】陰部を清潔に保つことのできる女性用の吸収性物品を提供する。
【解決手段】人体との接触面側に設けられる表面シート20と、人体との接触面と反対面側に設けられる裏面シート30と、表面シート20と裏面シート30との間に人体の腹側部11から股間部13を通って背側部12にかけて介装される吸収体60とを備える吸収性物品1において、吸収体60は、股間部13の幅方向中央部において、吸収体60の長手方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第1突出部621と、股間部13の第1突出部621より背側部12側において、吸収体60の幅方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第2突出部622と、を備える。
【解決手段】人体との接触面側に設けられる表面シート20と、人体との接触面と反対面側に設けられる裏面シート30と、表面シート20と裏面シート30との間に人体の腹側部11から股間部13を通って背側部12にかけて介装される吸収体60とを備える吸収性物品1において、吸収体60は、股間部13の幅方向中央部において、吸収体60の長手方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第1突出部621と、股間部13の第1突出部621より背側部12側において、吸収体60の幅方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第2突出部622と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、おむつ、おむつカバー等の外装体の内側に取り付けられて使用される吸収パッドなどの吸収性物品が知られている。
吸収性物品においては、軟便等が排泄された際、排泄物が吸収されず表面シート上に残って拡散してしまうという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1には、軟便排泄時に便の勢いを阻止することで拡散を防ぐと共に、残留した軟便内の固形分を確実に捕捉すべく、表面シートに、長繊維の絡み合った束を毛羽立たせた繊維結束体を設ける吸収性物品が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−254562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の吸収性物品では、排泄物の拡散は防止されるものの、女性着用者の場合には排泄物が陰部に入り込んでしまう恐れがあり、頻繁に洗浄を行わないと陰部を清潔に保つことができないという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、陰部を清潔に保つことのできる女性用の吸収性物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
人体との接触面側に設けられる表面シートと、人体との接触面と反対面側に設けられる裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に人体の腹側部から股間部を通って背側部にかけて介装される吸収体とを備える吸収性物品において、
前記吸収体は、前記股間部の幅方向中央部において、前記吸収体の長手方向に沿って延在して前記表面シート側に突出する第1突出部と、
前記股間部の前記第1突出部より前記背側部側において、前記吸収体の幅方向に沿って延在して前記表面シート側に突出する第2突出部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸収性物品において、
前記第2突出部は、前記腹側部側に向けて凸となるように湾曲していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の吸収性物品において、
前記第1突出部と前記第2突出部とが繋がって一体的に設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品において、
前記吸収体の前記腹側部には、当該吸収体の長手方向に沿った複数の溝部が備えられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品において、
人体との接触面側の前記第1突出部と対向する位置には、不透液性の第1シート材が備えられていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の吸収性物品において、
人体との接触面側の前記第2突出部の前記腹側部側と対向する位置には、不透液性の第2シート材が備えられていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の吸収性物品において、
前記吸収体は、前記裏面シート側に配設される第1吸収体と、前記第1吸収体上に配置される第2吸収体とを、備え、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記第2吸収体により構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の吸収性物品において、
人体との接触面と反対面側の前記第1突出部と対向する位置に、前記第1突出部の位置を把握可能とする目印が備えられていることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の吸収性物品において、
前記目印は、目印部材により構成され、
前記目印部材には、前記吸収体の幅方向に沿って伸縮可能な伸縮部材が配されていることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の吸収性物品において、
前記目印は、目印部材により構成され、
前記目印部材には、人体との接触面と反対面側に突出した摘み部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、吸収体は、股間部の幅方向中央部において、吸収体の長手方向に沿って延在して表面シート側に突出する第1突出部と、股間部の第1突出部より背側部側において、吸収体の幅方向に沿って延在して表面シート側に突出する第2突出部と、を備えている。
このため、第1突出部が女性着用者の陰唇間に当接して陰唇間の隙間を塞ぐと共に、第2突出部が肛門より前方に位置して排泄物が第1突出部側へ侵入するのを防ぐため、女性着用者の陰部に排泄物が入り込むのを防止することができる。
よって、女性着用者に対して使用した場合に、陰部を清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】吸収性物品の装着時の状態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の吸収性物品の下側の平面展開図である。
【図3】図1の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】図3のV−V線における断面図である。
【図6】吸収性物品の作用を説明するための図である。
【図7】第1吸収体及び第2吸収体を一体にした場合の断面図である。
【図8】変形例1の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図9】変形例2の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図10】図9のX−X線における断面図である。
【図11】変形例3の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図12】図11のXII−XII線における断面図である。
【図13】変形例3の吸収性物品の別の態様を示す断面図である。
【図14】変形例4の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図15】図14のXV−XV線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0019】
なお、以下の説明では、本実施形態における吸収性物品1を展開した状態において、装着時に人体(着用者)の腹側に位置する側を前側、背側に位置する側を後側、着用者と接触する側を上側、着用者と接触する側の反対側を下側とし、前後方向と上下方向との双方に直交する方向を左右方向(幅方向)とする。
また、前後方向をX方向、左右方向をY方向、上下方向をZ方向とする。
【0020】
吸収性物品1は、例えば夜用又は長時間用の尿取りパッドであり、おむつやおむつカバー、パンツなどの人体に装着される外装体(図示省略)に着脱・交換自在に取り付けられて使用される。
【0021】
図1〜5に示すように、吸収性物品1は、装着時に着用者の股間を腹側から背側にかけて覆うように形成されている。
具体的には、吸収性物品1の一方の端部(前端部)が装着時に着用者の腹側に位置する腹側部11を形成し、他方の端部(後端部)が装着時に着用者の背側に位置する背側部12を形成し、腹側部11と背側部12との間が着用者の股間に位置する股間部13を形成する。
腹側部11及び背側部12は、左右方向の長さがほぼ等しく、股間部13よりも長く形成されている。背側部12は、前後方向の長さが腹側部11よりも長く形成されており、これにより、背側部12によって着用者の背側を広く覆うことができるようになっている。
また、股間部13の両縁部は、腹側部11から背側部12に亘って、装着時に着用者の脚周りに位置する二つの脚周り部14,14を形成する。脚周り部14,14には、糸ゴム等の平面ギャザー用弾性部材141がそれぞれ設けられ、この平面ギャザー用弾性部材141により平面ギャザーが形成されている。これにより、着用者の脚周りに伸縮自在にフィットするため、横漏れを抑制できるとともに、着用者の身体の動きに追従し易く吸収性物品1がズレ難くなっている。また、当該平面ギャザーによって、吸収性物品1が自然に湾曲するため、立体ギャザー(後述)を着用者の股間により密着させることができるようになっている。
【0022】
吸収性物品1は、装着時に着用者との接触面側(上側)に設けられる透液性の表面シート20と、装着時に着用者との接触面と反対面側(下側)に設けられる裏面シート30と、装着時に着用者との接触面と反対側の外部側に設けられる不織布からなるバックシート40と、表面シート20と裏面シート30との間に介装される吸収体60と、表面シート20側の吸収体60の幅方向両側縁部(左側縁部及び右側縁部)に、吸収性物品1の長手方向に沿って備えられたギャザーシート50,50と、バックシート40における股間部13に設けられる目印70と、バックシート40における腹側部11に設けられ、吸収性物品1を外装体に固定するための固定部材90と、により主に構成される。
また、表面シート20側の股間部13には、平面視略Y字状の凸部20Aが形成されている。
【0023】
表面シート20は、吸収性物品1を装着した際に着用者に接する面を形成し、吸収体60の上側に設けられ、尿などの水様成分を含む体液等を受けて、吸収体60まで輸送する役割を果たす、透液性のシートである。
透液性シートとしては、例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の糸を平織り等したネット状のシート素材、多数の透孔を形成したフィルムシート材、ポリエチレンやポリプロピレンなどのフィルムシート材、透液性を有する織布、不織布が適し、特に不織布が適する。不織布としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラなどの再生繊維、綿等の天然繊維を繊維素材として、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって加工したものを用い得る。
【0024】
裏面シート30は、吸収体60の下側に設けられ、体液等の吸収性物品1外部への染み出し、漏れ出しを防ぐ役割を果たす、不透液性のシートである。
不透液性シートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの少なくとも遮水性を有するシート材であって、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましい。この遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
またその他にも、不透液性を有するフィルム層と、通気性を有する不織布層と、からなるラミ不織布を用いても良い。ラミ不織布とは、例えばポリエチレンシート等に不織布を積層した、ラミネート不織布と呼ばれる不織布のことであり、不透液性と通気性を併せ持つ不織布である。
なお、裏面シート30は、必ずしも不透液性のシートでなくても良い。
【0025】
バックシート40は、吸収性物品1を装着した際に着用者に接する面と反対側の面を形成し、裏面シート30の表面シート20側の面と反対側の面(下面)を覆うように設けられた不織布である。これにより、裏面シート30の傷付きを防止できるようになっている。
また、クロスライクさが得られるため、見た目にムレ難い印象を与えることができるとともに、着用者の肌への負担を軽減させることができる。
バックシート40としては、例えば、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、メルトブローン不織布、ヒートロール不織布、エアスルー不織布、不透液性不織布、或いはこれらの組み合わせからなるシートが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0026】
ギャザーシート50,50は、表面シート20側において、吸収体60のX方向に沿った両側縁部に、腹側部11から背側部12に亘ってそれぞれ備えられている(図3参照)。
このギャザーシート50,50の左右方向外側の部分は、吸収体60の側方で表面シート20及び裏面シート30の上面に固着されている。また、このギャザーシート50,50の左右方向内側の部分は、表面シート20及び裏面シート30に固定されておらず、その前後方向に沿って糸ゴム等の立体ギャザー用弾性部材501が備えられており、起立して着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形可能な一対の立体ギャザーが形成されている。
【0027】
吸収体60は、裏面シート30側に配設される第1吸収体61と、表面シート20側の第1吸収体61上に配設される第2吸収体62とを備えて構成されている。
【0028】
第1吸収体61は、その長手方向の長さが、吸収性物品1の長手方向の長さとほぼ等しくなるように、腹側部11から股間部13を通り背側部12に亘る位置に配置され、吸収性物品1の使用時に体液等を吸収する役割を果たすものである。
第1吸収体61は、吸収性物品1の形状に対応させて、腹側部11側及び背側部12側に対して股間部13側が幅狭となるように内側に凹んで形成されている。
【0029】
第1吸収体61は、綿やパルプなどの吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材に、高吸収性ポリマーのような高吸水性樹脂を混入したものが使用される。
なお、高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、或いはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
また、第1吸収体61は、形状保持等のために、例えば、クレープ紙や透液性の不織布や孔開きシートなどの透液性のシート材によって囲繞することが望ましい。
【0030】
第2吸収体62は、股間部13の幅方向中央部において、吸収体60の長手方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第1突出部621と、股間部13の第1突出部621より背側部12側において、吸収体60の幅方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第2突出部622と、を備えている。
【0031】
第1突出部621は、平面視直線状を成し、その前端部が着用者の排尿口付近に配置され、女性着用者の陰唇間に当接されて陰唇間の隙間を埋めるように装着され、陰部へ排泄物が入り込むのを防止する機能を果たす。
【0032】
第2突出部622は、平面視において腹側部11側に向けて幅方向中央部が凸となるように湾曲した形状を成し、装着時に着用者の肛門よりも前方に位置するように配置され、排泄物が第1突出部621側へ侵入するのを防御する機能を果たす。
なお、第2突出部622は、少なくとも幅方向に延在する形状であれば良く、例えば、平面視直線状などに構成することも可能であるが、本実施形態のように湾曲した形状とすることで肛門周辺に好適にフィットし、上記した排泄物の第1突出部621側への侵入防御機能をより高めることができる。
【0033】
また、本実施形態においては、第1突出部621と第2突出部622とは、繋がって一体的に設けられており、このため第1突出部621により陰唇間の隙間をより確実に塞ぐことができるようになっている。
【0034】
このような第2吸収体62(第1突出部621及び第2突出部622)は、綿やパルプなどの吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材に、高吸収性ポリマーのような高吸水性樹脂を混入したものが使用される。
なお、高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、或いはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
また、第2吸収体62は、形状保持等のために、例えば、クレープ紙や透液性の不織布や孔開きシートなどの透液性のシート材によって囲繞することが望ましい。
本実施形態においては、第1突出部621と第2突出部622とは、繋がって一体的に設けられているため、第1突出部621と第2突出部622とは一体的に液性のシート材によって囲繞される。
なお、この第2吸収体62(第1突出部621及び第2突出部622)は、第1吸収体61上の所定位置に接着され固定されている。
また、このような第1吸収体61及び第2吸収体62上に表面シート20が備えられ、凸部20Aが形成されることとなる。
【0035】
目印70は、吸収性物品1の外面側の第1突出部621と対向する位置に備えられ、吸収性物品1の外面側から、吸収性物品1の内面側の第1突出部621の位置を把握可能とするものである(図2参照)。
かかる目印70を備えることにより、介護者等が被介護者に吸収性物品1を装着させる際に、第1突出部621の位置を容易に把握できることとなる。
【0036】
具体的に、目印70は、例えば、略矩形状をなす目印部材71により構成されている。
目印部材71には、吸収体60の幅方向に沿って伸縮可能な糸ゴム等の伸縮部材72が配されている。
これにより、吸収性物品1の股間部13を着用者の股間部に近い幅まで収縮した状態となるため、装着させるのが容易となる。
また、収縮させることにより、第1突出部621及び第2突出部622の凹凸形状が強調されるため、陰部へのフィット性を向上させることができる。
【0037】
また、目印部材71には、吸収体物品1の外面側に突出した摘み部73が設けられている。
これにより、第1突出部621の陰部への装着及び取り外しを容易にすることができる。
【0038】
また、目印部材71の幅方向中央部には、手指の挿入が可能な挿入口74が形成されている。
これにより、第1突出部621の陰部への当接を容易にすることができる。
【0039】
なお、目印としては、吸収性物品1の外面側から第1突出部621の位置を把握可能とするものであれば良く、上記目印部材71の代わりに、吸収性物品1の外面の第1突出部621と対向する位置に所定の図柄を印刷する等であっても良い。
この場合、裏面シート30の外側に目印として所定の図柄を印刷し、その上から当該図柄が透けて見えるように、バックシート40を設けることとしても良い。
また、上記目印部材71に、伸縮部材72、摘み部73、挿入口74の何れも設けない構成であっても良いし、伸縮部材72、摘み部73、挿入口74の何れか1つ又は2つを組み合わせた構成であっても良い。
【0040】
固定部材90は、吸収性物品1を外装体に接着させて固定する役割を果たす、粘着テープであり、剥離紙を剥がすと粘着部分が露出するようになっている。
固定部材90は、例えば、略矩形状をなしており(図2参照)、吸収性物品1を装着した際に着用者に接する面と反対側の面(バックシート40の下面)における腹側部11の中央部に備えられている。
固定部材90の配置位置は、吸収性物品1のめくれを抑制してズレ難くする等の観点から、腹側部11のより前側であることが好ましい。また、固定部材90のサイズは、吸収性物品1を外装体にしっかりと固定させることができる大きさであれば特に限定されない。
なお、固定部材90は、粘着テープに限ることはなく、吸収性物品1を外装体に固定させることができる部材であれば任意であり、例えば、面ファスナであっても良いが、できるだけやわらかい素材のものの方が着用者の身体の動きに追従し易く、好適である。
【0041】
次に、吸収性物品1の作用について説明する。
本実施形態の吸収性物品1は、図6に示すように、吸収体60は、第1吸収体61と第2吸収体62とを備え、第2吸収体62は、第1突出部621と第2突出部622とを備えた構成となっている。
この吸収性物品1は、第1突出部621の先端部近傍(図6のAで示す領域)が着用者の排尿口付近に配され、第1突出部621中央部(図6のBで示す領域)が着用者の陰唇間に当接するよう配され、第2突出部622の後方(図6のCで示す領域)に着用者の肛門が位置するように装着される。
これにより、第2突出部622により軟便等の排泄物が第2突出部622より前方に拡散されるのが阻止される。
また、第1突出部621により陰唇の隙間が塞がれるため、尿や軟便等の排泄物が陰部に入り込むのが防止される。
【0042】
かかる吸収性物品1の装着は、介護者により行われる。このとき、介護者は、吸収性物品1の外面に備えられた目印70により、第1突出部621の位置を把握することができる。
目印70には伸縮部材72が配され、その伸縮力により吸収性物品1の股間部13が着用者の股間幅に近い状態となっているため、装着作業がより簡単である。
また、目印70に摘み部73が設けられているため、介護者は摘み部73を摘まんで第1突出部621の装着及び取り外しを行う。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、表面シート20と、裏面シート30と、表面シート20と裏面シート30との間に介装される吸収体60と、を備える吸収性物品1において、吸収体60は、股間部13の幅方向中央部において、吸収体60の長手方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第1突出部621と、股間部13の第1突出部621より背側部12側において吸収体60の幅方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第2突出部622と、を備えて構成されている。
このため、第1突出部621が女性着用者の陰唇間に当接して陰唇間の隙間を塞ぐと共に、第2突出部622が肛門より前方に位置して排泄物が第1突出部621側へ侵入するのを防ぐため、女性着用者の陰部に排泄物が入り込むのを防止することができる。
よって、女性着用者に対して使用した場合に、陰部を清潔に保つことができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、第2突出部622は、腹側部11側に向けて凸となるように湾曲している。
このため、第2突出部622が着用者の肛門周辺に好適にフィットし、排泄物の拡散を効果的に防止することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、第1突出部621と第2突出部622とが繋がって一体的に設けられている。
このため、第1突出部621により陰唇間の隙間をより確実に塞ぐことができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、吸収体60は、裏面シート30側に配設される第1吸収体61と、第1吸収体61上に配置される第2吸収体62とを、備え、第1突出部621及び第2突出部622は、第2吸収体62により構成されている。
このため、第1吸収体61及び第2吸収体62を別々に作成できるため、これら第1吸収体61と第2吸収体62(第1突出部621及び第2突出部622)の内部組成を変えることができ、設計の自由度が広がる。
【0047】
また、本実施形態によれば、人体との接触面と反対面側の第1突出部621と対向する位置に、第1突出部621の位置を把握可能とする目印70が備えられている。
このため、介護者が吸収性物品1を女性着用者に装着させる際に、第1突出部621の位置を把握できるため、装着作業が容易となる。
【0048】
また、本実施形態によれば、目印70は、目印部材71により構成され、目印部材71には、吸収体60の幅方向に沿って伸縮可能な伸縮部材72が配されている。
このため、吸収性物品1の股間部13を人体の股間部に近い状態まで収縮させることができ、装着作業がより容易となる。また、吸収性物品1の股間部13を収縮させることにより第1突出部621と第2突出部622との凹凸形状を強調することとなるため、陰部へのフィット性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、目印70は、目印部材71により構成され、人体との接触面と反対面側に突出した摘み部73が設けられている。
このため、介護者が摘み部73を摘まんで作業できるので、吸収性物品1を着用者に装着させ易く、取り外しやすい。
【0050】
なお、上記実施形態においては、吸収体60は、第1吸収体61と第2吸収体62とを備えている構成を例示して説明したが、図7に示すように、第1吸収体61と第2吸収体62とを一体的に形成することとしても良い。
なお、この場合には、第1吸収体61と第2吸収体62とは一体的に透液性のシート材によって囲繞される。
また、かかる構成によれば、第1吸収体61上の所定の位置に第2吸収体62を接着する手間を省くことができる。
【0051】
また、上記実施形態においては、第1突出部621と第2突出部622とが繋がって一体的に設けられている構成を例示して説明したが、第1突出部621と第2突出部622とを別体とすることもできる。こうすることで、設計の自由度を広げることができる。
【0052】
<変形例1>
変形例1の吸収性物品1Aは、図8に示すように、吸収体60Aは、その腹側部11に吸収体60Aの長手方向に沿った複数(図8では5本)の溝部Sが形成された第1吸収体61Aを備えて構成されている。
なお、溝部Sの数や幅に特に制限はなく、適宜設定可能である。
溝部Sは、腹側部11における尿などの液体の拡散性を向上させるものである。即ち、溝部Sは、第1吸収体61Aの装着時に着用者の排尿口より前方に位置することとなるため、排尿時にこれを素早く広範囲に拡散させる。
このように、変形例1によれば、吸収体60A(第1吸収体61A)の腹側部11に、当該吸収体60Aの長手方向に沿った複数の溝部Sが備えられているため、尿の拡散性が向上し、使用感を快適にすることができる。
【0053】
なお、変形例1の構成においても第1吸収体61A及び第2吸収体62を一体にすることが可能である。
【0054】
<変形例2>
変形例2の吸収性物品1Bは、図9、10に示すように、吸収体60Bは、第1吸収体61Bと、第2吸収体62とを備え、第1吸収体61Bには、その腹側部11から背側部12にかけて、吸収体60Bの長手方向に沿った複数(図9、10では5本)の溝部Sが形成されている。
この場合、腹側部11の溝部Sにより尿の拡散性を高めることができると共に、背側部12の溝部Sにより、軟便中の水溶成分の拡散を高めることができるため、使用感をより快適にすることができる。
【0055】
<変形例3>
変形例3の吸収性物品1Cは、図11、12に示すように、表面シート20の上面(人体との接触面)において、第1突出部621と対向する位置(図11のDで示す領域)に不透液性の不織布等からなる第1シート材81が備えられている。
このようにすることで、第1突出部621を伝って陰唇間に尿などの液体が進入するのを防ぐことができるため、陰部をより清潔な状態に保つことが可能となる。
なお、第1突出部621を伝って陰唇間に液体が進入するのを防ぐためには、図13に示すように、表面シート20と第1突出部621との間に第1シート材81を備える構成とすることも可能であるが、表面シート20の上面に第1シート材81を備えることで、表面シート20を伝う液体の進入も防ぐことができるため、好ましい。
また、第1シート材81を表面シート20の上面に備える代わりに、表面シート20の一部(図11のDで示す領域)を不透液性に形成することとしても良い。
【0056】
<変形例4>
変形例4の吸収性物品1Dにおいては、図14、15に示すように、表面シート20の上面(人体との接触面)には、第1シート材81に加え、第2突出部622の腹側部11側と対向する位置(図14のEで示す領域)に第2シート材82が備えられている。
この第2シート材82は、第1シート材81と一体に形成することとしても良い。
第1突出部621を伝って陰唇間に液体が進入するのを防ぐためには、少なくとも第1シート材81を備えていれば良いが、第2シート材82を備えることで、より確実に陰唇間への液体の進入を防ぐことができ、また、背側部12側からの液体の進入を好適に防ぐことができる。
なお、第1シート材81及び第2シート材82を、表面シート20と第1突出部621との間に備える構成とすることも可能であるが、変形例3と同様に、表面シート20の上面に備えることが好ましい。
また、図示は省略するが、第2シート材82を、表面シート20の上面における第2突出部622と対向する位置全体に設けることとしても良いのは勿論である。
また、第1シート材81及び第2シート材82を表面シート20の上面に備える代わりに、表面シート20の一部(図14のD及びEで示す領域)を不透液性に形成することとしても良い。
【0057】
なお、上記実施形態及び変形例1〜4においては、吸収性物品として尿取りパッドを例示して説明しているが、吸収性物品は、例えば紙おむつ等であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
1、1A、1B、1C、1D 吸収性物品
11 腹側部
12 背側部
13 股間部
14,14 脚周り部
141 平面ギャザー用弾性部材
20 表面シート
20A 凸部
30 裏面シート
40 バックシート
50,50 ギャザーシート
501 立体ギャザー用弾性部材
60、60A、60B 吸収体
S 溝部
61、61A、61B 第1吸収体
621 第1突出部
622 第2突出部
62 第2吸収体
70 目印
71 目印部材
72 伸縮部材
73 摘み部
74 挿入口
81 第1シート材
82 第2シート材
90 固定部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、おむつ、おむつカバー等の外装体の内側に取り付けられて使用される吸収パッドなどの吸収性物品が知られている。
吸収性物品においては、軟便等が排泄された際、排泄物が吸収されず表面シート上に残って拡散してしまうという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1には、軟便排泄時に便の勢いを阻止することで拡散を防ぐと共に、残留した軟便内の固形分を確実に捕捉すべく、表面シートに、長繊維の絡み合った束を毛羽立たせた繊維結束体を設ける吸収性物品が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−254562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の吸収性物品では、排泄物の拡散は防止されるものの、女性着用者の場合には排泄物が陰部に入り込んでしまう恐れがあり、頻繁に洗浄を行わないと陰部を清潔に保つことができないという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、陰部を清潔に保つことのできる女性用の吸収性物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
人体との接触面側に設けられる表面シートと、人体との接触面と反対面側に設けられる裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に人体の腹側部から股間部を通って背側部にかけて介装される吸収体とを備える吸収性物品において、
前記吸収体は、前記股間部の幅方向中央部において、前記吸収体の長手方向に沿って延在して前記表面シート側に突出する第1突出部と、
前記股間部の前記第1突出部より前記背側部側において、前記吸収体の幅方向に沿って延在して前記表面シート側に突出する第2突出部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸収性物品において、
前記第2突出部は、前記腹側部側に向けて凸となるように湾曲していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の吸収性物品において、
前記第1突出部と前記第2突出部とが繋がって一体的に設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品において、
前記吸収体の前記腹側部には、当該吸収体の長手方向に沿った複数の溝部が備えられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品において、
人体との接触面側の前記第1突出部と対向する位置には、不透液性の第1シート材が備えられていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の吸収性物品において、
人体との接触面側の前記第2突出部の前記腹側部側と対向する位置には、不透液性の第2シート材が備えられていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の吸収性物品において、
前記吸収体は、前記裏面シート側に配設される第1吸収体と、前記第1吸収体上に配置される第2吸収体とを、備え、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記第2吸収体により構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の吸収性物品において、
人体との接触面と反対面側の前記第1突出部と対向する位置に、前記第1突出部の位置を把握可能とする目印が備えられていることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の吸収性物品において、
前記目印は、目印部材により構成され、
前記目印部材には、前記吸収体の幅方向に沿って伸縮可能な伸縮部材が配されていることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の吸収性物品において、
前記目印は、目印部材により構成され、
前記目印部材には、人体との接触面と反対面側に突出した摘み部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、吸収体は、股間部の幅方向中央部において、吸収体の長手方向に沿って延在して表面シート側に突出する第1突出部と、股間部の第1突出部より背側部側において、吸収体の幅方向に沿って延在して表面シート側に突出する第2突出部と、を備えている。
このため、第1突出部が女性着用者の陰唇間に当接して陰唇間の隙間を塞ぐと共に、第2突出部が肛門より前方に位置して排泄物が第1突出部側へ侵入するのを防ぐため、女性着用者の陰部に排泄物が入り込むのを防止することができる。
よって、女性着用者に対して使用した場合に、陰部を清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】吸収性物品の装着時の状態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の吸収性物品の下側の平面展開図である。
【図3】図1の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】図3のV−V線における断面図である。
【図6】吸収性物品の作用を説明するための図である。
【図7】第1吸収体及び第2吸収体を一体にした場合の断面図である。
【図8】変形例1の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図9】変形例2の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図10】図9のX−X線における断面図である。
【図11】変形例3の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図12】図11のXII−XII線における断面図である。
【図13】変形例3の吸収性物品の別の態様を示す断面図である。
【図14】変形例4の吸収性物品の上側の平面展開図である。
【図15】図14のXV−XV線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0019】
なお、以下の説明では、本実施形態における吸収性物品1を展開した状態において、装着時に人体(着用者)の腹側に位置する側を前側、背側に位置する側を後側、着用者と接触する側を上側、着用者と接触する側の反対側を下側とし、前後方向と上下方向との双方に直交する方向を左右方向(幅方向)とする。
また、前後方向をX方向、左右方向をY方向、上下方向をZ方向とする。
【0020】
吸収性物品1は、例えば夜用又は長時間用の尿取りパッドであり、おむつやおむつカバー、パンツなどの人体に装着される外装体(図示省略)に着脱・交換自在に取り付けられて使用される。
【0021】
図1〜5に示すように、吸収性物品1は、装着時に着用者の股間を腹側から背側にかけて覆うように形成されている。
具体的には、吸収性物品1の一方の端部(前端部)が装着時に着用者の腹側に位置する腹側部11を形成し、他方の端部(後端部)が装着時に着用者の背側に位置する背側部12を形成し、腹側部11と背側部12との間が着用者の股間に位置する股間部13を形成する。
腹側部11及び背側部12は、左右方向の長さがほぼ等しく、股間部13よりも長く形成されている。背側部12は、前後方向の長さが腹側部11よりも長く形成されており、これにより、背側部12によって着用者の背側を広く覆うことができるようになっている。
また、股間部13の両縁部は、腹側部11から背側部12に亘って、装着時に着用者の脚周りに位置する二つの脚周り部14,14を形成する。脚周り部14,14には、糸ゴム等の平面ギャザー用弾性部材141がそれぞれ設けられ、この平面ギャザー用弾性部材141により平面ギャザーが形成されている。これにより、着用者の脚周りに伸縮自在にフィットするため、横漏れを抑制できるとともに、着用者の身体の動きに追従し易く吸収性物品1がズレ難くなっている。また、当該平面ギャザーによって、吸収性物品1が自然に湾曲するため、立体ギャザー(後述)を着用者の股間により密着させることができるようになっている。
【0022】
吸収性物品1は、装着時に着用者との接触面側(上側)に設けられる透液性の表面シート20と、装着時に着用者との接触面と反対面側(下側)に設けられる裏面シート30と、装着時に着用者との接触面と反対側の外部側に設けられる不織布からなるバックシート40と、表面シート20と裏面シート30との間に介装される吸収体60と、表面シート20側の吸収体60の幅方向両側縁部(左側縁部及び右側縁部)に、吸収性物品1の長手方向に沿って備えられたギャザーシート50,50と、バックシート40における股間部13に設けられる目印70と、バックシート40における腹側部11に設けられ、吸収性物品1を外装体に固定するための固定部材90と、により主に構成される。
また、表面シート20側の股間部13には、平面視略Y字状の凸部20Aが形成されている。
【0023】
表面シート20は、吸収性物品1を装着した際に着用者に接する面を形成し、吸収体60の上側に設けられ、尿などの水様成分を含む体液等を受けて、吸収体60まで輸送する役割を果たす、透液性のシートである。
透液性シートとしては、例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の糸を平織り等したネット状のシート素材、多数の透孔を形成したフィルムシート材、ポリエチレンやポリプロピレンなどのフィルムシート材、透液性を有する織布、不織布が適し、特に不織布が適する。不織布としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラなどの再生繊維、綿等の天然繊維を繊維素材として、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって加工したものを用い得る。
【0024】
裏面シート30は、吸収体60の下側に設けられ、体液等の吸収性物品1外部への染み出し、漏れ出しを防ぐ役割を果たす、不透液性のシートである。
不透液性シートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの少なくとも遮水性を有するシート材であって、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましい。この遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
またその他にも、不透液性を有するフィルム層と、通気性を有する不織布層と、からなるラミ不織布を用いても良い。ラミ不織布とは、例えばポリエチレンシート等に不織布を積層した、ラミネート不織布と呼ばれる不織布のことであり、不透液性と通気性を併せ持つ不織布である。
なお、裏面シート30は、必ずしも不透液性のシートでなくても良い。
【0025】
バックシート40は、吸収性物品1を装着した際に着用者に接する面と反対側の面を形成し、裏面シート30の表面シート20側の面と反対側の面(下面)を覆うように設けられた不織布である。これにより、裏面シート30の傷付きを防止できるようになっている。
また、クロスライクさが得られるため、見た目にムレ難い印象を与えることができるとともに、着用者の肌への負担を軽減させることができる。
バックシート40としては、例えば、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、メルトブローン不織布、ヒートロール不織布、エアスルー不織布、不透液性不織布、或いはこれらの組み合わせからなるシートが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0026】
ギャザーシート50,50は、表面シート20側において、吸収体60のX方向に沿った両側縁部に、腹側部11から背側部12に亘ってそれぞれ備えられている(図3参照)。
このギャザーシート50,50の左右方向外側の部分は、吸収体60の側方で表面シート20及び裏面シート30の上面に固着されている。また、このギャザーシート50,50の左右方向内側の部分は、表面シート20及び裏面シート30に固定されておらず、その前後方向に沿って糸ゴム等の立体ギャザー用弾性部材501が備えられており、起立して着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形可能な一対の立体ギャザーが形成されている。
【0027】
吸収体60は、裏面シート30側に配設される第1吸収体61と、表面シート20側の第1吸収体61上に配設される第2吸収体62とを備えて構成されている。
【0028】
第1吸収体61は、その長手方向の長さが、吸収性物品1の長手方向の長さとほぼ等しくなるように、腹側部11から股間部13を通り背側部12に亘る位置に配置され、吸収性物品1の使用時に体液等を吸収する役割を果たすものである。
第1吸収体61は、吸収性物品1の形状に対応させて、腹側部11側及び背側部12側に対して股間部13側が幅狭となるように内側に凹んで形成されている。
【0029】
第1吸収体61は、綿やパルプなどの吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材に、高吸収性ポリマーのような高吸水性樹脂を混入したものが使用される。
なお、高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、或いはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
また、第1吸収体61は、形状保持等のために、例えば、クレープ紙や透液性の不織布や孔開きシートなどの透液性のシート材によって囲繞することが望ましい。
【0030】
第2吸収体62は、股間部13の幅方向中央部において、吸収体60の長手方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第1突出部621と、股間部13の第1突出部621より背側部12側において、吸収体60の幅方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第2突出部622と、を備えている。
【0031】
第1突出部621は、平面視直線状を成し、その前端部が着用者の排尿口付近に配置され、女性着用者の陰唇間に当接されて陰唇間の隙間を埋めるように装着され、陰部へ排泄物が入り込むのを防止する機能を果たす。
【0032】
第2突出部622は、平面視において腹側部11側に向けて幅方向中央部が凸となるように湾曲した形状を成し、装着時に着用者の肛門よりも前方に位置するように配置され、排泄物が第1突出部621側へ侵入するのを防御する機能を果たす。
なお、第2突出部622は、少なくとも幅方向に延在する形状であれば良く、例えば、平面視直線状などに構成することも可能であるが、本実施形態のように湾曲した形状とすることで肛門周辺に好適にフィットし、上記した排泄物の第1突出部621側への侵入防御機能をより高めることができる。
【0033】
また、本実施形態においては、第1突出部621と第2突出部622とは、繋がって一体的に設けられており、このため第1突出部621により陰唇間の隙間をより確実に塞ぐことができるようになっている。
【0034】
このような第2吸収体62(第1突出部621及び第2突出部622)は、綿やパルプなどの吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材に、高吸収性ポリマーのような高吸水性樹脂を混入したものが使用される。
なお、高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、或いはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
また、第2吸収体62は、形状保持等のために、例えば、クレープ紙や透液性の不織布や孔開きシートなどの透液性のシート材によって囲繞することが望ましい。
本実施形態においては、第1突出部621と第2突出部622とは、繋がって一体的に設けられているため、第1突出部621と第2突出部622とは一体的に液性のシート材によって囲繞される。
なお、この第2吸収体62(第1突出部621及び第2突出部622)は、第1吸収体61上の所定位置に接着され固定されている。
また、このような第1吸収体61及び第2吸収体62上に表面シート20が備えられ、凸部20Aが形成されることとなる。
【0035】
目印70は、吸収性物品1の外面側の第1突出部621と対向する位置に備えられ、吸収性物品1の外面側から、吸収性物品1の内面側の第1突出部621の位置を把握可能とするものである(図2参照)。
かかる目印70を備えることにより、介護者等が被介護者に吸収性物品1を装着させる際に、第1突出部621の位置を容易に把握できることとなる。
【0036】
具体的に、目印70は、例えば、略矩形状をなす目印部材71により構成されている。
目印部材71には、吸収体60の幅方向に沿って伸縮可能な糸ゴム等の伸縮部材72が配されている。
これにより、吸収性物品1の股間部13を着用者の股間部に近い幅まで収縮した状態となるため、装着させるのが容易となる。
また、収縮させることにより、第1突出部621及び第2突出部622の凹凸形状が強調されるため、陰部へのフィット性を向上させることができる。
【0037】
また、目印部材71には、吸収体物品1の外面側に突出した摘み部73が設けられている。
これにより、第1突出部621の陰部への装着及び取り外しを容易にすることができる。
【0038】
また、目印部材71の幅方向中央部には、手指の挿入が可能な挿入口74が形成されている。
これにより、第1突出部621の陰部への当接を容易にすることができる。
【0039】
なお、目印としては、吸収性物品1の外面側から第1突出部621の位置を把握可能とするものであれば良く、上記目印部材71の代わりに、吸収性物品1の外面の第1突出部621と対向する位置に所定の図柄を印刷する等であっても良い。
この場合、裏面シート30の外側に目印として所定の図柄を印刷し、その上から当該図柄が透けて見えるように、バックシート40を設けることとしても良い。
また、上記目印部材71に、伸縮部材72、摘み部73、挿入口74の何れも設けない構成であっても良いし、伸縮部材72、摘み部73、挿入口74の何れか1つ又は2つを組み合わせた構成であっても良い。
【0040】
固定部材90は、吸収性物品1を外装体に接着させて固定する役割を果たす、粘着テープであり、剥離紙を剥がすと粘着部分が露出するようになっている。
固定部材90は、例えば、略矩形状をなしており(図2参照)、吸収性物品1を装着した際に着用者に接する面と反対側の面(バックシート40の下面)における腹側部11の中央部に備えられている。
固定部材90の配置位置は、吸収性物品1のめくれを抑制してズレ難くする等の観点から、腹側部11のより前側であることが好ましい。また、固定部材90のサイズは、吸収性物品1を外装体にしっかりと固定させることができる大きさであれば特に限定されない。
なお、固定部材90は、粘着テープに限ることはなく、吸収性物品1を外装体に固定させることができる部材であれば任意であり、例えば、面ファスナであっても良いが、できるだけやわらかい素材のものの方が着用者の身体の動きに追従し易く、好適である。
【0041】
次に、吸収性物品1の作用について説明する。
本実施形態の吸収性物品1は、図6に示すように、吸収体60は、第1吸収体61と第2吸収体62とを備え、第2吸収体62は、第1突出部621と第2突出部622とを備えた構成となっている。
この吸収性物品1は、第1突出部621の先端部近傍(図6のAで示す領域)が着用者の排尿口付近に配され、第1突出部621中央部(図6のBで示す領域)が着用者の陰唇間に当接するよう配され、第2突出部622の後方(図6のCで示す領域)に着用者の肛門が位置するように装着される。
これにより、第2突出部622により軟便等の排泄物が第2突出部622より前方に拡散されるのが阻止される。
また、第1突出部621により陰唇の隙間が塞がれるため、尿や軟便等の排泄物が陰部に入り込むのが防止される。
【0042】
かかる吸収性物品1の装着は、介護者により行われる。このとき、介護者は、吸収性物品1の外面に備えられた目印70により、第1突出部621の位置を把握することができる。
目印70には伸縮部材72が配され、その伸縮力により吸収性物品1の股間部13が着用者の股間幅に近い状態となっているため、装着作業がより簡単である。
また、目印70に摘み部73が設けられているため、介護者は摘み部73を摘まんで第1突出部621の装着及び取り外しを行う。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、表面シート20と、裏面シート30と、表面シート20と裏面シート30との間に介装される吸収体60と、を備える吸収性物品1において、吸収体60は、股間部13の幅方向中央部において、吸収体60の長手方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第1突出部621と、股間部13の第1突出部621より背側部12側において吸収体60の幅方向に沿って延在して表面シート20側に突出する第2突出部622と、を備えて構成されている。
このため、第1突出部621が女性着用者の陰唇間に当接して陰唇間の隙間を塞ぐと共に、第2突出部622が肛門より前方に位置して排泄物が第1突出部621側へ侵入するのを防ぐため、女性着用者の陰部に排泄物が入り込むのを防止することができる。
よって、女性着用者に対して使用した場合に、陰部を清潔に保つことができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、第2突出部622は、腹側部11側に向けて凸となるように湾曲している。
このため、第2突出部622が着用者の肛門周辺に好適にフィットし、排泄物の拡散を効果的に防止することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、第1突出部621と第2突出部622とが繋がって一体的に設けられている。
このため、第1突出部621により陰唇間の隙間をより確実に塞ぐことができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、吸収体60は、裏面シート30側に配設される第1吸収体61と、第1吸収体61上に配置される第2吸収体62とを、備え、第1突出部621及び第2突出部622は、第2吸収体62により構成されている。
このため、第1吸収体61及び第2吸収体62を別々に作成できるため、これら第1吸収体61と第2吸収体62(第1突出部621及び第2突出部622)の内部組成を変えることができ、設計の自由度が広がる。
【0047】
また、本実施形態によれば、人体との接触面と反対面側の第1突出部621と対向する位置に、第1突出部621の位置を把握可能とする目印70が備えられている。
このため、介護者が吸収性物品1を女性着用者に装着させる際に、第1突出部621の位置を把握できるため、装着作業が容易となる。
【0048】
また、本実施形態によれば、目印70は、目印部材71により構成され、目印部材71には、吸収体60の幅方向に沿って伸縮可能な伸縮部材72が配されている。
このため、吸収性物品1の股間部13を人体の股間部に近い状態まで収縮させることができ、装着作業がより容易となる。また、吸収性物品1の股間部13を収縮させることにより第1突出部621と第2突出部622との凹凸形状を強調することとなるため、陰部へのフィット性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、目印70は、目印部材71により構成され、人体との接触面と反対面側に突出した摘み部73が設けられている。
このため、介護者が摘み部73を摘まんで作業できるので、吸収性物品1を着用者に装着させ易く、取り外しやすい。
【0050】
なお、上記実施形態においては、吸収体60は、第1吸収体61と第2吸収体62とを備えている構成を例示して説明したが、図7に示すように、第1吸収体61と第2吸収体62とを一体的に形成することとしても良い。
なお、この場合には、第1吸収体61と第2吸収体62とは一体的に透液性のシート材によって囲繞される。
また、かかる構成によれば、第1吸収体61上の所定の位置に第2吸収体62を接着する手間を省くことができる。
【0051】
また、上記実施形態においては、第1突出部621と第2突出部622とが繋がって一体的に設けられている構成を例示して説明したが、第1突出部621と第2突出部622とを別体とすることもできる。こうすることで、設計の自由度を広げることができる。
【0052】
<変形例1>
変形例1の吸収性物品1Aは、図8に示すように、吸収体60Aは、その腹側部11に吸収体60Aの長手方向に沿った複数(図8では5本)の溝部Sが形成された第1吸収体61Aを備えて構成されている。
なお、溝部Sの数や幅に特に制限はなく、適宜設定可能である。
溝部Sは、腹側部11における尿などの液体の拡散性を向上させるものである。即ち、溝部Sは、第1吸収体61Aの装着時に着用者の排尿口より前方に位置することとなるため、排尿時にこれを素早く広範囲に拡散させる。
このように、変形例1によれば、吸収体60A(第1吸収体61A)の腹側部11に、当該吸収体60Aの長手方向に沿った複数の溝部Sが備えられているため、尿の拡散性が向上し、使用感を快適にすることができる。
【0053】
なお、変形例1の構成においても第1吸収体61A及び第2吸収体62を一体にすることが可能である。
【0054】
<変形例2>
変形例2の吸収性物品1Bは、図9、10に示すように、吸収体60Bは、第1吸収体61Bと、第2吸収体62とを備え、第1吸収体61Bには、その腹側部11から背側部12にかけて、吸収体60Bの長手方向に沿った複数(図9、10では5本)の溝部Sが形成されている。
この場合、腹側部11の溝部Sにより尿の拡散性を高めることができると共に、背側部12の溝部Sにより、軟便中の水溶成分の拡散を高めることができるため、使用感をより快適にすることができる。
【0055】
<変形例3>
変形例3の吸収性物品1Cは、図11、12に示すように、表面シート20の上面(人体との接触面)において、第1突出部621と対向する位置(図11のDで示す領域)に不透液性の不織布等からなる第1シート材81が備えられている。
このようにすることで、第1突出部621を伝って陰唇間に尿などの液体が進入するのを防ぐことができるため、陰部をより清潔な状態に保つことが可能となる。
なお、第1突出部621を伝って陰唇間に液体が進入するのを防ぐためには、図13に示すように、表面シート20と第1突出部621との間に第1シート材81を備える構成とすることも可能であるが、表面シート20の上面に第1シート材81を備えることで、表面シート20を伝う液体の進入も防ぐことができるため、好ましい。
また、第1シート材81を表面シート20の上面に備える代わりに、表面シート20の一部(図11のDで示す領域)を不透液性に形成することとしても良い。
【0056】
<変形例4>
変形例4の吸収性物品1Dにおいては、図14、15に示すように、表面シート20の上面(人体との接触面)には、第1シート材81に加え、第2突出部622の腹側部11側と対向する位置(図14のEで示す領域)に第2シート材82が備えられている。
この第2シート材82は、第1シート材81と一体に形成することとしても良い。
第1突出部621を伝って陰唇間に液体が進入するのを防ぐためには、少なくとも第1シート材81を備えていれば良いが、第2シート材82を備えることで、より確実に陰唇間への液体の進入を防ぐことができ、また、背側部12側からの液体の進入を好適に防ぐことができる。
なお、第1シート材81及び第2シート材82を、表面シート20と第1突出部621との間に備える構成とすることも可能であるが、変形例3と同様に、表面シート20の上面に備えることが好ましい。
また、図示は省略するが、第2シート材82を、表面シート20の上面における第2突出部622と対向する位置全体に設けることとしても良いのは勿論である。
また、第1シート材81及び第2シート材82を表面シート20の上面に備える代わりに、表面シート20の一部(図14のD及びEで示す領域)を不透液性に形成することとしても良い。
【0057】
なお、上記実施形態及び変形例1〜4においては、吸収性物品として尿取りパッドを例示して説明しているが、吸収性物品は、例えば紙おむつ等であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
1、1A、1B、1C、1D 吸収性物品
11 腹側部
12 背側部
13 股間部
14,14 脚周り部
141 平面ギャザー用弾性部材
20 表面シート
20A 凸部
30 裏面シート
40 バックシート
50,50 ギャザーシート
501 立体ギャザー用弾性部材
60、60A、60B 吸収体
S 溝部
61、61A、61B 第1吸収体
621 第1突出部
622 第2突出部
62 第2吸収体
70 目印
71 目印部材
72 伸縮部材
73 摘み部
74 挿入口
81 第1シート材
82 第2シート材
90 固定部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体との接触面側に設けられる表面シートと、人体との接触面と反対面側に設けられる裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に人体の腹側部から股間部を通って背側部にかけて介装される吸収体とを備える吸収性物品において、
前記吸収体は、前記股間部の幅方向中央部において、前記吸収体の長手方向に沿って延在して前記表面シート側に突出する第1突出部と、
前記股間部の前記第1突出部より前記背側部側において、前記吸収体の幅方向に沿って延在して前記表面シート側に突出する第2突出部と、
を備えることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記第2突出部は、前記腹側部側に向けて凸となるように湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第1突出部と前記第2突出部とが繋がって一体的に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体の前記腹側部には、当該吸収体の長手方向に沿った複数の溝部が備えられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
人体との接触面側の前記第1突出部と対向する位置には、不透液性の第1シート材が備えられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
人体との接触面側の前記第2突出部の前記腹側部側と対向する位置には、不透液性の第2シート材が備えられていることを特徴とする請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収体は、前記裏面シート側に配設される第1吸収体と、前記第1吸収体上に配置される第2吸収体とを、備え、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記第2吸収体により構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
人体との接触面と反対面側の前記第1突出部と対向する位置に、前記第1突出部の位置を把握可能とする目印が備えられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記目印は、目印部材により構成され、
前記目印部材には、前記吸収体の幅方向に沿って伸縮可能な伸縮部材が配されていることを特徴とする請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記目印は、目印部材により構成され、
前記目印部材には、人体との接触面と反対面側に突出した摘み部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項1】
人体との接触面側に設けられる表面シートと、人体との接触面と反対面側に設けられる裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に人体の腹側部から股間部を通って背側部にかけて介装される吸収体とを備える吸収性物品において、
前記吸収体は、前記股間部の幅方向中央部において、前記吸収体の長手方向に沿って延在して前記表面シート側に突出する第1突出部と、
前記股間部の前記第1突出部より前記背側部側において、前記吸収体の幅方向に沿って延在して前記表面シート側に突出する第2突出部と、
を備えることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記第2突出部は、前記腹側部側に向けて凸となるように湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第1突出部と前記第2突出部とが繋がって一体的に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体の前記腹側部には、当該吸収体の長手方向に沿った複数の溝部が備えられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
人体との接触面側の前記第1突出部と対向する位置には、不透液性の第1シート材が備えられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
人体との接触面側の前記第2突出部の前記腹側部側と対向する位置には、不透液性の第2シート材が備えられていることを特徴とする請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収体は、前記裏面シート側に配設される第1吸収体と、前記第1吸収体上に配置される第2吸収体とを、備え、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記第2吸収体により構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
人体との接触面と反対面側の前記第1突出部と対向する位置に、前記第1突出部の位置を把握可能とする目印が備えられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記目印は、目印部材により構成され、
前記目印部材には、前記吸収体の幅方向に沿って伸縮可能な伸縮部材が配されていることを特徴とする請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記目印は、目印部材により構成され、
前記目印部材には、人体との接触面と反対面側に突出した摘み部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−13431(P2013−13431A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146108(P2011−146108)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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