説明

吸収性物品

【課題】着用者の脚廻りに沿うように変形しやすく、漏れ防止性やフィット性に優れると共に、着用時の違和感を防止できる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品1は、液透過性の表面シート2、防漏シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された液保持性の吸収性コア5を有し、縦長である。吸収性コア5は、吸収性物品1の幅方向中央部に位置する中央吸収性コア51を有すると共に、該中央吸収性コア51の両側に配された側部吸収性コア52を有しており、側部吸収性コア52は、吸収性物品1の長手方向中央部に、該長手方向に相互に離間した複数のブロック状吸収性コア55aを有しており、吸収性物品1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域S又該領域Sの近傍に、弾性部材7が前記長手方向に配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿とりパッド、失禁パッド、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収性物品において、吸収性コアが、中央吸収性コアとその両側の側部吸収性コアとを有すると共に、吸収性物品の平面方向において側部吸収性コアと重なる領域又は該領域の近傍に弾性部材が配されたものが知られている。
例えば、使い捨ておむつにおいて、吸収体が中央部吸収体とその両側のサイド部吸収体とに隙間部分を設けて分設されており、前記隙間部分に連結部吸収体が複数間欠的に設けられて前記中央部吸収体と両サイド部吸収体とが梯子状に連結し、前記隙間部分の吸収体非設置部の少なくとも1つに弾性部材が配設されたものが知られている(特許文献1)。
特許文献2,3には、中央吸収体と、中央吸収体の左右両側に位置する第2吸収体を有し、第2吸収体の裏面シート側に、おむつ長手方向に沿って弾性部材が配された使い捨ておむつが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−142272号公報
【特許文献2】特開2002−200116号公報
【特許文献3】特開2002−113040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1〜3のおむつは、吸収体が幅広に形成されており、着用時には、サイド部吸収体(又は第2吸収体)の肌面側が着用者の大腿に密接する。しかしながら、サイド部吸収体(又は第2吸収体)の剛性が高く、このようなサイド部吸収体(又は第2吸収体)を着用者鼠蹊部に位置するように配する場合には、着用者の脚廻りに沿う変形性に課題を残している。
【0005】
従って、本発明の課題は、着用者の脚廻りに沿うように変形しやすく、漏れ防止性やフィット性に優れると共に、着用時の違和感を防止できる吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液透過性の表面シート、防漏シート、及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収性コアを有する縦長の吸収性物品であって、前記吸収性コアは、前記吸収性物品の幅方向中央部に位置する中央吸収性コアを有すると共に、該中央吸収性コアの両側に配された側部吸収性コアを有しており、前記側部吸収性コアは、前記吸収性物品の長手方向中央部に、該長手方向に相互に離間した複数のブロック状吸収性コアを有しており、吸収性物品の平面方向において該側部吸収性コアと重なる領域又は該領域の近傍に、弾性部材が前記長手方向に配されている、吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、着用者の脚廻りに沿うように変形しやすく、漏れ防止性やフィット性に優れると共に、着用時の違和感を防止できる吸収性物品を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の第1実施形態である尿とりパッドを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すパッドの伸長状態における肌当接面側(表面シート側)を模式的に示す平面図である。伸長状態とは、パッドを、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態を言う。
【図3】図3は、図1に示すパッドにおける吸収性コアの形状や寸法を説明するための模式図である。
【図4】図4は、図2のI−I線断面を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、着用時のおむつを、図2のI−I線で切断した断面を模式的に示す図である。
【図6】図6は、立体ギャザーの固定態様に係る変形例を示す一部拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態における吸収性コアの形状を説明するための模式図であり、図3相当図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態である尿とりパッドの幅方向に沿う断面を模式的に示す図であり、図4相当図である。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態である尿とりパッドの幅方向に沿う断面を模式的に示す図であり、図4相当図である。
【図10】図10は、本発明の変形例を示す模式断面図であり、図4の一部に相当する図である。
【図11】図11は、本発明の変形例を示す模式平面図である。
【図12】図12は、本発明の変形例を示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
【0010】
本発明の一実施形態である尿とりパッド1(以下、パッド1ともいう)は、図2に示すように、液透過性の表面シート2と、防漏シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された液保持性の吸収性コア5を有しており、縦長である。吸収性コア5は、中央吸収性コア51を有すると共に、該中央吸収性コア51の両側に配された側部吸収性コア52を有しており、側部吸収性コア52は、尿とりパッド1の股下部C(長手方向中央部)に、長手方向に離間した複数のブロック状吸収性コア55aを有している。また、尿とりパッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに、弾性部材7が前記長手方向に配されている。
尿とりパッド(尿取りパッド)は、展開型やパンツ型の使い捨ておむつの交換の頻度や労力の低減を図るために、使い捨ておむつの肌対向面上に配して併用するものである。但し、下着上に配して単独で用いることを妨げるものではない。
【0011】
図2に示すように、尿とりパッド1は、長手方向において、腹側部A、股下部C、及び背側部Bに区分される。股下部Cは、パッド1の着用時に着用者の股間部に配される部位であり、該股下部Cが、本発明の吸収性物品の長手方向中央部に相当する。股下部Cは、パッド1を長手方向に3等分したときの中央領域、或いは当該中央領域を含んで該中央領域よりも広い領域である。腹側部Aは、着用時に着用者の腹側に配される部位であり、背側部Bは、着用時に着用者の背側に配される部位である。
【0012】
本発明の吸収性物品の長手方向とは、着用時に、着用者の前後方向と一致する方向であり、本実施形態のパッド1においては、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る方向又はその逆方向(図2中のY方向)である。また、本発明の吸収性物品の幅方向とは、吸収性物品の長手方向と直交する方向であり、本実施形態のパッド1においては、図2中のX方向である。以下、パッド1又は本発明の吸収性物品における長手方向をY方向、パッド1又は本発明の吸収性物品における幅方向をX方向ともいう。また、本明細書中、パッド1の幅方向を左右方向というときもある。
【0013】
以下、本実施形態のパッド1について、より詳細に説明する。
本実施形態の尿とりパッド1は、図2に示すように、尿とりパッド1は平面視においてY方向に長い略矩形状をしている。図1及び図2に示すように、表面シート2は、尿とりパッド1の肌当接面側に配されており、尿とりパッド1の肌当接面のうち幅方向中央部の全域を構成している。防漏シート3は、尿とりパッド1の非肌当接面側に配されており、尿とりパッド1の非肌当接面の全域を構成している。表面シート2と防漏シート3との間には、平面視においてY方向に長い略矩形状の吸収体4が介在している。ここで、「肌当接面側」とは、吸収性物品又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌当接面側」は、着用時に着用者の肌側とは反対側(通常、下着側)に向けられる面である。また、肌当接面側又は非肌当接面側からパッド1を見たときに、パッド1が拡がっている方向〔パッド1の幅方向(X方向)及び長手方向(Y方向)からなるXY平面と平行な方向〕を、パッド1の「平面方向」、肌当接面側から非肌当接面側へ向かう方向(「平面方向」と交差する方向)をパッド1の「厚み方向」と呼ぶ。
【0014】
表面シート2及び防漏シート3は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の形状を有している。表面シート2は、防漏シート3の幅方向中央部に配されており、吸収体4の肌当接面側のほぼ全域を被覆している。防漏シート3は、吸収体4の非肌当接面側のほぼ全域を被覆していると共に、図2及び図4に示すように、パッド1の両側部において幅方向(X方向)内方に折り返されている。具体的には、防漏シート3は、吸収体4の幅よりも幅が広く、吸収体4のX方向端縁よりも外側に延出する部分が、吸収性コア5の肌当接面側に折り返されている。図2に示す例では、折り返しにより吸収性コア5の肌当接面側に位置する部分である折り返し部31のX方向内側の側縁31aは、側部吸収性コア52のX方向外側の側縁52aよりX方向内側(X方向中央部側)に位置している。
【0015】
吸収体4は、尿とりパッド1の幅方向中央部に配されている。吸収体4は、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)からなるか又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コア5と、該吸収性コア5を被覆するコアラップシート6からなる。吸収体4も、Y方向に長い長方形状に形成されている。コアラップシート6としては、各種公知のものを用いることができ、例えばティッシュペーパのような薄紙や透水性の不織布(スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS)不織布等)等が好ましく用いられる。
【0016】
図4に示すように、コアラップシート6は、吸収性コア5の肌当接面側の面(表面シート2側の面)を被覆するコアラップシート61と、該吸収性コア5の非肌当接面側の面(防漏シート3側の面)を被覆するコアラップシート62からなる。肌当接面側のコアラップシート61は、吸収性コア5の肌当接面側のほぼ全域を被覆している。非肌当接面側のコアラップシート62は、吸収性コア5の非肌当接面側のほぼ全域を被覆していると共に、吸収性コア5の両側部において幅方向(内方)に折り返されている。
【0017】
本実施形態の吸収性コア5の形状等について詳述する。
図3に示すように、吸収性コア5も、吸収体4と同様に、Y方向に長い形状を有している。
吸収性コア5は、幅方向(X方向)に分割されており、中央吸収性コア51と、該中央吸収性コア51の両側に配された側部吸収性コア52,52とに有する。両側の側部吸収性コア52,52どうしは、左右対称の形状を有している。
本実施形態においては、吸収性コア5は、Y方向全長に亘ってX方向に3分割されており、中央吸収性コア51のY方向両端部と側部吸収性コア52のY方向両端部とがほぼ同位置にある。また、中央吸収性コア51の幅L51は、Y方向全長に亘って略一定であり、中央吸収性コア51はY方向に長い略長方形状をしている。
股下部Cにおいて、中央吸収性コア51のX方向の幅L51は、好ましくは60〜180mmであり、より好ましくは、80〜160mmである。また、前記幅L51は、Y方向の同位置における吸収性コア5の幅Lxに対して、好ましくは、30〜75%であり、より好ましくは35〜66%である。
また、吸収性コア5は、後述する隙間部分54及び隙間部分53以外の部分において、厚みが略一定であるが、略一定でなくても良く、例えば中央吸収性コアの厚みが側部吸収性コアの厚みよりも厚くても良い。
【0018】
中央吸収性コア51と側部吸収性コア52,52との間には隙間部分53が形成されている。隙間部分53,54は、吸収性コアの構成材料が存在しない部分であるか、又は中央吸収性コア51及び側部吸収性コア52,52に比して、吸収性コアの構成材料の坪量が顕著に低い部分(例えば、パルプ繊維等の繊維材料の坪量が1/3以下)である。
前記隙間部分53のX方向の幅(中央吸収性コア51と側部吸収性コア52との間隔に同じ)L53は、5〜60mmであることが好ましく、より好ましくは10〜40mmである。また、前記幅L53は、吸収性コア5の幅Lxに対して、好ましくは1〜10%であり、更に好ましくは2〜8%である。
前記隙間部分53の幅L53は、少なくとも股下部C(吸収性物品の長手方向中央部)において、上記の数値範囲であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、図3に示すように、隙間部分53の前記幅L53が、吸収性コア5のY方向の全長に亘って略一定である。
【0019】
側部吸収性コア52は、Y方向において複数に分割されており、パッド1の長手方向の両側それぞれに、Y方向に分割され且つ相互に離間した複数の分割吸収性コア55が形成されている。複数の分割吸収性コア55間には、隙間部分54が形成されている。
また、側部吸収性コア52は、股下部C(長手方向中央部)に、Y方向に相互に離間した複数のブロック状吸収性コア55a,55aを有している。ブロック状吸収性コア55aは、分割吸収性コア55のうち、Y方向の前後に隙間部分54を有するものである。
ブロック状吸収性コア55aは、パッド1の両側それぞれに、2〜10個設けられていることが好ましく、より好ましくは3〜8個形成されている。
図3に示す例では、股下部Cにおける、パッド1の両側それぞれに、隙間部分54が4つ設けられ、ブロック状吸収性コア55aが3個ずつ設けられている。
【0020】
なお、側部吸収性コア52は、股下部CにおけるX方向幅L52(特にブロック状吸収性コア55aの股下部CにおけるX方向幅)が10〜60mmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60mmである。また、股下部Cにおいて、当該幅L52は、吸収性コア5のX方向幅Lxに対して5〜30%であることが好ましく、更に好ましくは10〜25%である。
【0021】
ブロック状吸収性コア55aの前後に存する隙間部分54の間隔L54(隙間部分54のY方向長さが最短となる部分のY方向長さ)は、好ましくは2〜20mmであり、更に好ましくは5〜20mmである。前記間隔L54は、吸収性コア5のY方向の全長Ly(図3参照)に対して、好ましくは0.5〜5%であり、より好ましくは1〜3%である。0.5%以上であることは、パッド1の後述する変形しやすさの観点から好ましく、5%以下であることは、パッド装着時の吸収性コア5の股下部分のフィット性を維持し、隙間モレを防止する観点から好ましい。
【0022】
また、ブロック状吸収性コア55aのY方向の全長(Y方向長さL55が最大となる部分の長さ)は、好ましくは15〜90mmであり、更に好ましくは25〜70mmである。また、前記全長は、吸収性コア5のY方向の全長Ly(図3参照)に対して、好ましくは4〜20%であり、より好ましくは6〜16%である。4%以上であることは、ブロック状吸収コア55aの加工時の成形安定性や側部に流れ出てきた尿を吸収しモレを防ぐ観点から好ましく、20%以下であることは、パッド着用時の股下部のフィット性や柔軟性を維持する観点から好ましい。
【0023】
図3に示すように、分割吸収性コア55(特にブロック状吸収性コア55a)は、Y方向の長さL55が、パッド1のX方向中央側からX方向外側に向かうにつれて短くなる形状であることが、後述するカップ形状の形成しやすさの観点から好ましい。
本実施形態においては、ブロック状吸収性コア55aは、X方向中央側(中央吸収性コア51側)に位置する辺dが、X方向外側(パッド側縁1a側)に位置する辺cよりも長い台形状をしている。前記辺dは台形の下底に相当し、前記辺cは台形の上底に相当する。台形状には、4つの角のうちの総て又は一部が丸みを帯びているものも含む。4つの角のうち、少なくともX方向外側の2つ角が丸みを帯びていると、パッド1の着用時において、パッド1の側部の肌(特に大腿の肌)への刺激を低減して、パッド1の側部の肌触りを良くする点から好ましい。
【0024】
なお、分割吸収性コア55(特にブロック状吸収性コア55a)が台形状である場合、下底dと斜辺eとがなす角の角度aは、好ましくは45〜90度であり、より好ましくは60〜85度である。なお、当該角度aは、下底dと斜辺eとがなす角が丸みを帯びている場合、底辺dと斜辺eとを延長して形成される角の角度とする。
【0025】
また、図2〜図4に示すように、本実施形態においては、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに、弾性部材7が、パッド1のY方向に延びて配されている。しかしながら、後述するように、弾性部材7は、側部吸収性コア52と重なる領域Sの近傍に配されていてもよい。なお、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sは、図2に示すように、伸長状態のパッド1を平面視した場合に側部吸収性コア52と重なる領域である。
本実施形態においては、弾性部材7は、パッド1の長手方向の両側それぞれに、複数本ずつ(図4では2本ずつ)配されている。好ましくは、弾性部材7は、パッド1の平面方向においてブロック状吸収性コア55aと重なる領域又は該領域の近傍に配されている。
弾性部材7は、パッド1の長手方向の両側それぞれに、1〜6本ずつ配されていることが好ましく、より好ましくは2〜4本ずつ配されている。
【0026】
本実施形態においては、図2〜図4に示すように、いずれの弾性部材7も、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに配されている。
また、それらの弾性部材7は、側部吸収性コア52と重なる領域Sの非肌当接面側に配されており、より具体的には、防漏シート3と、吸収性コア5の非肌当接面側を覆うコアラップシート62との間に、ホットメルト接着剤等の接着剤を介して接合固定されている。また、弾性部材7は、Y方向に伸長させた状態で固定されており、使用状態のパッド1においては、Y方向に収縮して、ブロック状吸収性コア55aどうし間の隙間部分54を狭める。
【0027】
図3に示すように、弾性部材7は、少なくとも股下部C(長手方向中央部)に配設されている。弾性部材7は、Y方向において、複数のブロック状吸収性コア55a間に亘るように配されていることが好ましく、複数のブロック状吸収性コア55aを挟んでその前後に位置する分割吸収性コア55,55に亘るように形成されていることがより好ましい。本実施形態においては、弾性部材7のY方向両端部は、腹側部A及び背側部Bに位置している。
弾性部材7を、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域S又は領域Sの近傍に位置するように配することで、後述するカップ形状を形成することができ、弾性部材7の両端が、腹側部A及び背側部Bに位置するように配すると、後述するカップ形状をより確実に形成することができる。
弾性部材7のY方向の長さL7(図3参照)は、好ましくは、吸収性コア5のY方向の全長Ly(図3参照)に対して30〜80%であり、更に好ましくは40〜70%である。
本明細書に記載の好ましい寸法や比は、特に明示のない限り、図3に示すような伸長状態のパッド1や吸収性物品における寸法や比である。
【0028】
図2に示すように、本実施形態のパッド1の長手方向の両側には、一対の立体ギャザー9,9が設けられている。より具体的には、パッド1の長手方向両側部それぞれには、Y方向に亘って一定の幅を有する立体ギャザー形成用シート10が、Y方向の全長に亘って配されている。図4に示すように、立体ギャザー形成用シート10は、X方向内側の側縁部がY方向に沿って折り返されて二重になっており、その折り返し部のX方向内側の先端が、立体ギャザー9の自由端93を形成している。この折り返し部は内方に1本の弾性部材91が、または必要により複数本の弾性部材が配設されている。立体ギャザー9は、弾性部材91の伸縮により、吸収性コア5の長手方向両側縁近傍の上方に起立するようになっている。立体ギャザー9(弾性部材91)の伸縮方向は、Y方向に一致している。弾性部材91は、少なくとも股下部Cに配されていることが好ましく、更に腹側部A及び/又は背側部B側にも延びて配されていることが好ましい。
【0029】
図4に示すように、立体ギャザー形成用シート10のX方向外側の側縁部は、接着剤等の公知の接合手段によって、表面シート2の肌当接面側に接合されており、それによって、立体ギャザー9の固定端92が形成されている。立体ギャザー9の固定端92は、立体ギャザー9の立ち上がり基端部となっている。図4に示す例では、シート10におけるX方向外側の側縁及びその近傍は、表面シート2と防漏シート3の折り返し部31との間に挟まれており、立体ギャザー9の固定端92近傍は、防漏シート3の折り返し部31との接合により補強されている。
図4に示すように、立体ギャザー9の固定端92は、側部吸収性コア52の上方に位置する。
【0030】
図1に示すように、立体ギャザー形成用シート10のY方向両端部は、パッド1の長手方向(Y方向)両端部近傍において、表面シート2上に接合されている。
立体ギャザー9の自由端93は、パッド1のY方向両端部近傍で表面シート2に固定されており、股下部Cを含め、当該固定箇所以外の部分では他のシート材に固定されていない。また図2に示すように、好ましくは、パッド1のY方向両端部近傍において立体ギャザー9の自由端93は、吸収性コア5のX方向両端部5aよりもX方向内側に位置している。更に好ましくは、パッド1のY方向両端部近傍において、立体ギャザー9の自由端93は、側部吸収性コア52のX方向内側の側縁52bよりもX方向内側に位置している。
【0031】
本実施形態のパッド1によれば、側部吸収性コア52が、パッド1の股下部C(Y方向の中央部)に、Y方向に相互に離間した複数のブロック状吸収性コア55a,55aを有し、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに弾性部材7がY方向に延びて配されているため、パッド1の着用時に、図5に示すように、弾性部材7の伸縮により、側部吸収性コア52が、着用者の肌側に向かって起立する。また、分割吸収性コア55(特にブロック状吸収性コア55a)が、隙間部分54の幅を狭めるように寄り集まる。
これにより、本実施形態のパッド1は、股下部Cに、長手方向及び幅方向それぞれの断面が凹状となったボウル状(カップ状)の形状を形成しやすい。また、パッドにおける着用者の鼠径部に当たる部分が、着用者の鼠径に沿うように容易に変形して、着用者の肌との間に隙間が生じにくい。また、着用者の股下部分にパッドがボウル形状にあたることで排泄された体液を一時的に受け止め保持することができる。そのため、実施形態のパッド1は、漏れ防止性及びフィット性に優れている。
特に、側部吸収性コア52の分割により脚廻りの伸縮性が増す点も、フィット性向上に寄与する。また、着用者の鼠径部に沿う変形容易性は、着用者の違和感の低減にも繋がる。
【0032】
また、上述したように、弾性部材7は、吸収性コア5の非肌当接面側の面を被覆するコアラップシート62に固定されているため、弾性部材7の伸縮力が側部吸収性コア52に伝わりやすく、更にパッド1の上記変形が起こりやすい。
ここで、本実施形態のように、弾性部材7がコアラップシート62に接合されている場合に、コアラップシート62が不織布であると、尿排泄時等に不織布が湿潤しても、弾性部材7のコアラップシート62への接着強度が低下しにくいため好ましい。また、コアラップシート62が不織布であることは、柔軟で伸縮性がよいため、パッド1の変形性を高める点で好ましい。
【0033】
また、上述したように、弾性部材7は、一本以上がパッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに配されているため、弾性部材7の伸縮により、側部吸収性コア52が上方に持ち上げられて起立しやすい。このため、パッド1のカップ形状が、より形成されやすい。また、上述したように、弾性部材7は、側部吸収性コア52と重なる領域Sにおける側部吸収性コア52の非肌当接面側に位置しているため、側部吸収性コア52が、更に上方に持ち上げられやすい。
【0034】
また、上述したように側部吸収性コア52が、パッド1の股下部C(長手方向中央部)に、該長手方向の長さL55がパッド1の幅方向(X方向)中央側から幅方向(X方向)外側に向かうにつれて短くなる形状のブロック状吸収性コア55aを有する。このため、弾性部材7の伸縮により、分割吸収性コア55におけるX方向外側の端部同士が寄り集まりやすく、パッド1がよりカップ形状を形成しやすい。また、着用者の肌面(大腿)に、台形状のブロック状吸収性コア55の平坦な上底部分が対向するため、着用者の肌への刺激が少なく、パッド1の側部の肌触りを良くする。
【0035】
また、パッド1は、Y方向両側に一対の立体ギャザー9,9が設けられており、股下部Cにおいて、立体ギャザー9,9の固定端92は、側部吸収性コア52の上側に位置している。このため、側部吸収性コア52は、立体ギャザー9(弾性部材91)の伸縮にも助けられて更に起立しやすいと共に、分割吸収性コア52が寄り集まりやすく、より大きなカップ形状が形成されやすい。
【0036】
また、図4に示すように、パッド1は、防漏シート3がパッド1の両側部において、表面シート2側に折り返されている。このため、排出された尿等が吸収性コア5の隙間部分53,54内を通って防漏シート3上に滲出しても、パッド1の両側部から外側に漏れにくい。更に本実施形態のように、パッド1が立体ギャザー9を有している場合は、防漏シート3の折り返し部31を、立体ギャザー形成用シート10に接合させて、立体ギャザー9の付け根である固定端92を防漏シート3により補強することができる。これにより、立体ギャザー9による防漏効果が向上する。
なお、上述したように、本実施形態においては、防漏シート3の折り返し部31を立体ギャザー形成シート10の肌当接面側(外面側)に接合させていた。しかしながら、折り返し部31を、図6に示すように、立体ギャザー形成用シート10の非肌当接面側(内面側)に接合させてもよい。これは第2実施形態においても同様である。
【0037】
上述したパッド1の各部の形成材料について説明する。
表面シート2、防漏シート3、吸収体4及び立体ギャザー形成用シート10等としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。防漏シート3としては、樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。防漏シート3は、透湿性を有するものでも有しないものでも良いが、透湿性を有する方が好ましく、特に、透湿性フィルムと不織布を積層した複合シートであり、複合シートの不織布面が非肌当接面とすることがパッドの肌触りや装着時のムレを防止する観点から好ましい。さらに、折り返し部31では、複合シートの不織布面が肌当接面となるため、着用者の肌との必要以上の密着を防ぐことができ尿とりパッドの装着感を良好に保つことができる。防漏シート3が、樹脂フィルムと不織布の積層体である場合や透湿性フィルムと不織布の積層体である場合、不織布のX方向幅が、フィルムのX方向幅よりも大きいことが好ましい。これは防漏シートの折り返し部31を立体ギャザー形成用シート10に接合させる際に、フィルムより通気性の高い不織布を、シート10の高い位置に接合させることができ、立体ギャザー9の通気性を損ねずに耐水性を高めモレを防止することができ、さらにその付け根を補強できるためである。
【0038】
弾性部材(レッグ弾性部材)7,弾性部材91の形成素材としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、楕円形又は多角形状等の糸状(糸ゴム等)、若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
【0039】
次に、本発明の尿とりパッド1の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、上述した第1実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の点については、同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
【0040】
図7及び図8には、第2実施形態の尿とりパッド1Aが示されている。第2実施形態の尿とりパッド1Aは、図7に示すように、吸収性コア5AのX方向幅が、股下部Cにおいて、狭く形成されている。このため、図7に示すように、股下部Cにおいて、パッド1の側縁1aに位置する防漏シート3と、側部吸収性コア52とのX方向距離が広がりやすい。これにより、股下部Cの側部吸収性コア52のX方向の側部より立体ギャザー9の自由端93までの距離がより長くなり、立体ギャザー9の起立高さが高まり、より大きなカップ形状を設けることができるため好ましい。なお、図7に示す例では、側部吸収性コア52のうち股下部Cに位置するブロック状吸収性コア55aのX方向の幅が、背側部B及び腹側部Aに位置する分割吸収性コア55のX方向の幅に対して狭く形成されており、これにより、吸収性コア5のX方向幅が、股下部Cにおいて狭く形成されている。
なお、図8に示すように、第2実施形態において、吸収性コア5の肌当接面側を被覆するコアラップシート61、及び非肌当接面側を被覆するコアラップシート62は、いずれも吸収性コア5の周縁よりも外方に延出している延出部を有しており、その延出部において重なりあっている。
【0041】
また、図8に示すパッド1Aにおいては、立体ギャザー9の固定端92は側部吸収性コア52のX方向外側に位置している。より具体的には、表面シート2のうち吸収体4よりもX方向外側に延出した部分が肌当接面側に折り返されており、立体ギャザー形成用シート10のX方向外側の側縁部が、表面シート2のうち、前記延出部分に接合固定されている。防漏シート3の折り返し部3が立体ギャザー形成用シート10の肌当接面側に接合されている。なお、表面シート2は非肌当接面側に折り返されていても良い。
このように立体ギャザー9の固定端92が、側部吸収性コア52のX方向外側に位置している場合、側部吸収性コア52の上方に位置している場合と同様に、立体ギャザー9(弾性部材91)の伸縮により側部吸収性コア52が起立しやすいと共に分割吸収性コア55が寄り集まりやすく、大きなカップ形状が形成されやすい。
【0042】
また、パッド1Aは、側部吸収性コア52のX方向外側に、弾性部材7及び立体ギャザー9の弾性部材91とは別に、Y方向に配されてY方向に伸縮する弾性部材81を備えている。弾性部材81は、側部吸収性コア52よりも上方に位置している。該弾性部材81の伸縮によって、側部吸収性コア52が更に起立しやすく、また分割吸収性コア55が寄り集まりやすく、上記のカップ形状が形成されやすい。パッド1Aにおいては、弾性部材81は、立体ギャザー形成用シート10と、防漏シート3の折り返し部31との間に接合固定されている。しかしながら、弾性部材81は、表面シート2と、防漏シート3の折り返し部31又は立体ギャザー形成用シート10との間に接合固定されているのでもよい。
以上説明したように、第2実施形態のパッド1Aにおいても、第1実施形態のパッド1と同様の構成を有しているため、第1実施形態のパッド1と同様の効果が奏される。
【0043】
また、図9に示す第3実施形態の尿とりパッド1Bにおいては、防漏シート3は、表面シート2側に折り返されていない。表面シート2及び防漏シート3はそれぞれ、吸収体4の周縁よりも外方に延出している延出部を有しており、その延出部において表面シート2と防漏シート3とが接着剤やヒートシール等により接合されている。立体ギャザー形成用シート10のX方向外側の側縁側は、防漏シート3及び該防漏シート3上に接合された表面シート2上に接合されており、表面シート2に接合された接合部が、立体ギャザー9の固定端92となっている。該固定端92は、側部吸収性コア52のX方向外側に位置している。
このように、第3実施形態のパッド1Bは、防漏シート3がパッド1の両側部において表面シート2側に折り返されていることによる効果は有しないが、その他は第1実施形態と同様の構成を有するから、第1実施形態と同様の効果を有している。
【0044】
以上、本発明の吸収性物品について好ましい実施形態を複数説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
【0045】
例えば、弾性部材7の配設箇所は、上記実施形態のような側部吸収性コア52の非肌当接面側に限られない。
例えば、上記実施形態において、弾性部材7がパッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに配されているとは、弾性部材7が側部吸収性コア52に配されている場合を含む。弾性部材7が側部吸収性コア52に配されている実施態様としては、弾性部材7が、側部吸収性コア52の内部を貫通して配されている場合や、側部吸収性コア52の肌当接面や非肌当接面等の表面に固定された状態で配されている場合が挙げられる。
【0046】
また、弾性部材7の一部又は総てがパッド平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sの近傍に配されている実施態様は、弾性部材7が、図10(a)〜(d)に示す位置や固定態様で配されていてもよい。
図10(a)に示す例では、複数本の弾性部材7はいずれも、領域Sの近傍に配されている。具体的には、弾性部材7はいずれも、側部吸収性コア52よりもX方向外側(パッド側縁1a側)の近傍に配設されている。図10(b)に示す例では、複数の弾性部材7の一部(各図では1本の弾性部材7)が、側部吸収性コア52と重なる領域Sにあり、残りの弾性部材7が、側部吸収性コア52よりもX方向外側におけるパッド側縁1aに配されている。図10(c)に示す例では、パッド1の平面方向において、弾性部材7の一部(各図では1本の弾性部材7)が側部吸収性コア52と重なる領域Sに配されており、残りの弾性部材7が、側部吸収性コア52の中央吸収性コア51側近傍に配されている。
なお、弾性部材7が、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに配されていない場合、股下部Cにおいて、該弾性部材7と、側部吸収性コア52のX方向端部とのX方向距離L57(図10(a),(c)参照)は、吸収性コア5のX方向の幅Lx(図3参照)に対して、好ましくは10%以下であり、更に好ましくは、5%以下である。また、いずれの場合においても、弾性部材7が、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52のブロック状吸収性コア55aと重なる領域に存在していることが好ましい。弾性部材7が複数本の場合には、パッド1の平面方向において少なくとも1本がブロック状吸収コア55aと重なる領域に存在することが好ましく、弾性部材7の全本数が重なる領域に存在することが特に好ましい。
【0047】
また、上述した第1〜第3実施形態においては、弾性部材7は、コアラップシート62と防漏シート3との間に接合固定されていた。しかしながら、弾性部材7は図10(d)の例で示すように、コアラップシート62の肌当接面側の面にのみ接合されて、防漏シート3とは接合されていなくてもよい。このような固定態様であると、弾性部材7がより伸縮しやすいため、好ましい。図10(d)のように、弾性部材7が側部吸収性コア52の非肌当接面側に位置する場合には、弾性部材7を側部吸収コア55aと接合しないようにし、隙間部分54や腹側部A、背側部Bの位置で接合することが望ましい。
【0048】
なお、図示しないが、弾性部材7は、必ずしも側部吸収性コア52よりも非肌当接面側に位置している必要はない。例えば、中央吸収性コア51と側部吸収性コア52との隙間部分53や、側部吸収性コア52よりパッド側縁1a側において、弾性部材7をコアラップシート61,62間に接合固定することにより、弾性部材7を側部吸収性コア52の側方に配設してもよい。また、弾性部材7は、吸収性コア5の肌当接面側を覆うコアラップシート61又は/及び表面シート2に接合固定させることにより、側部吸収性コア52の上方に配してもよい。また、弾性部材7を、側部吸収性コア52よりも非肌当接面側に配設する場合であっても、弾性部材7の固定態様は上記実施形態や図10に示す例に限定される訳ではない。例えば、コアラップシート62と防漏シート3との間に弾性部材7を配しつつ、コアラップシート62のみ、又は防漏シート3のみに弾性部材7を接合固定させるのでもよい。また、パッド1にコアラップシート62を設けずに、防漏シート3の肌当接面側の面に弾性部材7を接合固定させるのでもよい。
【0049】
また上記に挙げた吸収性コア5,5Aは、図11(a)〜(d)に示す形状の吸収性コア5B〜5Eに置き換えてもよい。例えば、図11(a)に示す吸収性コア5Bは、分割吸収性コア55が、股下部Cにおいてのみならずパッドの全体において、第1実施形態のブロック状吸収性コア55aと同様の台形状をしている。また、図11(b)に示す吸収性コア5Cは、中央吸収性コア51の両側それぞれに側部吸収性コア52が2列配されており、いずれの列の側部吸収性コア52もY方向に複数に分割されている。また、図11(c)に示す吸収性コア5Dは、側部吸収性コア52が股下部Cにおいて細かく分割されて、股下部Cに位置するブロック状吸収性コア55aを多数(図11(c)では5つ)有している。また、図11(d)に示す吸収性コア5Eにおいては、中央吸収性コア51が、股下部Cの両側縁が幅方向内側に凹む凹状に形成されており、全体として長手方向中央部が括れた砂時計状の形状を有している。側部吸収性コア52は、股下部Cにおける中央吸収性コア51の凹んだ部分に配されており、複数のブロック状吸収性コア55aに分割され離間した状態で配されている。
【0050】
また、ブロック状吸収性コアの形状は、図12(a)〜(b)に示すような形状であっても良い。例えば、図12(a)に示すブロック状吸収性コア55Bは半円状であり、図12(b)に示すブロック状吸収性コア55Cは先端が丸味を帯びた三角形状である。これらの形状のブロック状吸収性コアも、パッドのX方向外側に向かうにつれてY方向の長さが短くなるように配することができ、弾性部材7の伸縮により、ブロック状吸収性コアのX方向外側の端部同士が近づきやすいため、好ましい。図12(b)に示す三角形状の場合も、先端が丸味を帯びることにより着用者の肌への刺激をなくすことができる。
【0051】
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
また、本発明の吸収性物品は、尿とりパッドに限られず、失禁パッドや、生理用ナプキン、使い捨ておむつ(パンツ型紙おむつ及びテープ型紙おむつ)等であっても良い。中でも、尿とりパッドや使い捨ておむつ等の吸収体が比較的大きな吸収性物品であることが好ましい。
【符号の説明】
【0052】
1,1A,1B 尿とりパッド(吸収性物品)
2 表面シート
3 防漏シート
4 吸収体
5,5A〜5E 吸収性コア
51 中央吸収性コア
52 側部吸収性コア
55 分割吸収性コア
55a ブロック状吸収性コア
53 隙間部分
54 隙間部分
6(61,62) コアラップシート
7 弾性部材
9 立体ギャザー
92 固定端
93 自由端
C 股下部(長手方向中央部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シート、防漏シート、及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収性コアを有する縦長の吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、前記吸収性物品の幅方向中央部に位置する中央吸収性コアを有すると共に、該中央吸収性コアの両側に配された側部吸収性コアを有しており、前記側部吸収性コアは、前記吸収性物品の長手方向中央部に、該長手方向に相互に離間した複数のブロック状吸収性コアを有しており、吸収性物品の平面方向において該側部吸収性コアと重なる領域又は該領域の近傍に、弾性部材が前記長手方向に配されている、吸収性物品。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記吸収性コアの非肌当接面側の面を被覆するコアラップシートに固定されている、請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記弾性部材は、少なくとも一本が、前記側部吸収性コアと重なる領域に配されている、請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記側部吸収性コアと重なる領域に配された前記弾性部材は、前記側部吸収性コアの非肌当接面側に配されている、請求項3記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記側部吸収性コアは、前記長手方向の長さが前記吸収性物品の幅方向中央側から幅方向外側に向かうにつれて短くなる形状のブロック状吸収性コアを、前記長手方向中央部に有している、請求項1〜4のいずれか1項記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性物品の長手方向両側に一対の立体ギャザーが設けられており、
前記長手方向中央部において、前記立体ギャザーの固定端が、前記側部吸収性コアより前記吸収性物品の幅方向外側、又は該側部吸収性コアの上側に位置している、請求項1〜5の何れか1項記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記防漏シートは、前記吸収性物品の両側部において、前記吸収性コアの肌当接面側に折り返されている、請求項1〜6の何れか1項記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収性物品が尿とりパッドである、請求項1〜7の何れか1項記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−238(P2013−238A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132559(P2011−132559)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】