説明

吸着剤

【課題】アルデヒド類に対する吸着性能に優れ、60〜80℃程度の高温環境下に曝された場合であっても、優れた耐再放出性を発揮することができ、各種分野で幅広く使用できるような吸着剤を提供する。
【解決手段】本発明の吸着剤は、アルデヒド類を吸着させるための吸着剤であって、熱的に安定な水酸基を持つ多孔質無機化合物を基材とし、この基材にヒドロキシルアミン類を添着させたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内用空気フィルター、自動車、建築材、塗料等、様々の分野で用いられる吸着剤に関するものであり、特にアルデヒド類の吸着性能を高めた吸着剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記各種分野においては、様々な吸着剤が使用されている。特に、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド類は、特異な刺激臭を持つ臭気成分であり、このような臭気成分を効果的に吸着除去するための吸着剤が望まれている。また、アルデヒド類を吸着除去するための吸着剤に求められる要求特性としては、選択吸着能が高いことは勿論のこと、使用状況によっては60〜80℃程度の高温環境下に曝されることから、こうした高温環境下においても、一旦吸着された臭気成分が再放出(離脱)しない特性が要求される。
【0003】
吸着剤の基本的な種別としては、活性炭、アルミナ、シリカゲル等の様に多孔質体による物理的吸着作用を利用した物理的吸着剤(例えば、非特許文献1)と、アミン化合物等を無機化合物等に添着させて化学的に反応させる化学的吸着剤(例えば、非特許文献2)が知られている。
【0004】
物理的吸着剤の代表例としては活性炭があり、この活性炭はあらゆる臭気成分を吸着する特性を備えていることが知られている。しかしながら、活性炭はアルデヒド類に対する吸着性能が他の吸着剤に比べて非常に低いという問題がある。また、物理的吸着を利用する吸着剤は、上記のような高温環境下では吸着した成分を再放出しやすいという欠点もあり、こうした環境下でも再放出しない特性(以下、「耐再放出性」と呼ぶことがある)を具備していることが必要である。
【0005】
一方、化学的吸着剤では、水溶液中では優れた吸着性能を発揮するが、固体状の吸着剤として用いた場合には、吸着性能が極端に低下するという問題がある。こうしたことから、化学的吸着を利用し、吸着性能および耐再放出性が良好な吸着剤を実現するべく、これまでにも様々な技術が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、層状リン酸塩にポリアミンをインターカレートさせたリン酸塩化合物からなる脱臭基材について開示されている。この技術では、特定のポリアミンを添着成分として用いるものである。しかしながら、ポリアミンを添着成分として用いた吸着剤では、吸着性能および耐再放出性のいずれもそれほど良好であるとは言い難い。
【0007】
また特許文献2には、アルミナペレットを基材とし、添着成分として、ヒドロキシルアミンのアミノ基と相互反応するポリスチレンスルホン酸で処理し、ヒドロキシルアミン類の耐熱性を向上させた技術について開示されている。しかしながら、この技術においても、ヒドロキシルアミンのアミノ基がポリスチレンスルホン酸と反応することによって、アルデヒドとの反応を阻害する方向に作用し、吸着性能が依然として低いものである。
【0008】
一方、物理的吸着と化学的吸着を利用したものとして、特許文献3には、活性炭等の多孔質体に芳香族アミンを添着し、物理的吸着では弱いアルデヒドの低濃度吸着や耐再放出性を改善する技術が提案されている。この技術では、吸着性能および耐再放出性が改善されたものとなるが、加熱時に一時的に再放出が生じることがあり、若干の改善すべき問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】活性炭の物理的吸着性能:活性炭工業、北川睦夫等、重化学工業通信社発行(1974)、274−275
【非特許文献2】Journal of Chromatography,370(1986)327−332、西川治光、Determination of micro amounts of acrolein in air by gas chromatography
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3654704号公報
【特許文献2】特開2008−259955号公報
【特許文献3】特許第3631353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、アルデヒド類に対する吸着性能に優れ、60〜80℃程度の高温環境下に曝された場合であっても、優れた耐再放出性を発揮することができ、各種分野で幅広く使用できるような吸着剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成することのできた、本発明の吸着剤とは、アルデヒド類を吸着させるための吸着剤であって、熱的に安定な水酸基を持つ多孔質無機化合物を基材とし、この基材にヒドロキシルアミン類を添着させたものである点に要旨を有するものである。
【0013】
本発明の吸着剤において、用いる基材としてはゼオライトまたはヒドロキシアパタイトが好ましいものとして挙げられる。また前記ヒドロキシルアミン類としては、塩酸ヒドロキシルアミンまたはO−メチルヒドロキシルアンモニウムクロリドが好ましいものとして挙げられる。
【0014】
本発明の吸着剤におけるヒドロキシルアミン類の添着量は、吸着剤全体に対して0.2〜10質量%であることが好ましい。本発明の吸着剤は、60〜80℃の加熱においても吸着成分が離脱しないものとなる。
【0015】
上記のような本発明の吸着剤では、他の吸着剤を混合したものも、吸着剤の好ましい使用態様として挙げられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、熱的に安定な水酸基を持つ多孔質無機化合物を基材とし、この基材にヒドロキシルアミン類を添着させているので、アルデヒド類に対する吸着性能に優れ、60〜80℃程度の高温環境下に曝された場合であっても、優れた耐再放出性を発揮できるものとなり、こうした吸着剤は各種用途で用いる吸着剤として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】未処理の各基材におけるアセトアルデヒドの残留濃度の経時変化を示すグラフである。
【図2】5%のO−メチルヒドロキシルアンモニウムクロリド(MHAC)水溶液で処理した各基材におけるアセトアルデヒドの残留濃度の経時変化を示すグラフである。
【図3】基材としてヒドロキシアパタイト(HAP)を用いたときに、MHAC水溶液の濃度がアセトアルデヒドの残留濃度に与える影響を示すグラフである。
【図4】各吸着剤を80℃に加熱したときのアセトアルデヒドの残留濃度の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明者らは、前記課題を解決するために、様々な角度から検討を重ねた。その結果、熱的に安定な水酸基を持つ多孔質無機化合物を基材とし、この基材にヒドロキシルアミン類を添着させたものとすれば、アルデヒド類に対する吸着性能に優れ、60〜80℃程度の高温環境下に曝された場合であっても、優れた耐再放出性を発揮する吸着剤が実現できることを見出し、本発明を完成した。
【0019】
従来技術においては、アルデヒド類の分析にヒドロキシルアミン水溶液が用いられている(前記非特許文献1)。この分析法では、高めの既知濃度に設定したヒドロキシルアミン水溶液を、アルデヒドとシッフ反応させてオキシムにし、アルデヒド類を定量するものである。こうしたことから、ヒドロキシルアミン水溶液はアルデヒド類と非常に良く反応することは知られている。
【0020】
本発明者らは、上記のような知見に基づき、ヒドロキシルアミン類を用いて良好な吸着性能を発揮する吸着剤の実現に向けて研究を進めた。その研究の過程において、固体のヒドロキシルアミン類ではアルデヒドとは反応が進まず、水溶液でないと反応しないために、取り扱い分野が限定されてしまうという問題に遭遇した。そこで、本発明者らは、ヒドロキシルアミン類の利用用途の拡大を図るべく、更に検討を重ねた。
【0021】
本発明者らは、基材(担持体)として、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト(HAP)を用い、これらの基材をヒドロキシルアミン水溶液に浸漬し、基材中にヒドロキシルアミン類を添着させて吸着剤とし、得られた各吸着剤について吸着効果を調べた。
【0022】
その結果、いずれの基材を用いた場合であっても、吸着性能に関する限りでは良好であることが確認できた。しかしながら、活性炭を基材として用いた場合には、60〜80℃の加熱時に大きく再放出することが判明した。これは、活性炭は他の基材とは異なり、水酸基を持たないためであると考えられた。そこで、構造内または表面に水酸基を持つ基材(シリカゲル、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト)について更に検討を重ねた。
【0023】
しかしながら、その表面に水酸基を持つシリカゲルにおいても加熱時に吸着成分の再放出が生じることが確認できた。これは、水酸基を持っていても、熱的に不安定なものであれば、耐再放出性が悪くなるものと考えられる。
【0024】
また、基材と添着成分との結合力が強過ぎても、吸着性能を損なうことが判明した。これらの現象を考慮すれば、基材に要求される特性としては、添着成分(本発明ではヒドロキシルアミン類)との間に適度な結合力を持ち、且つアルデヒド基と効率良く反応するためにアミンが或る程度不安定な状態となっているものであること、および安定的な水酸基を持つ構造であること等が挙げられる。
【0025】
こうした観点からして、本発明の吸着剤で用いる基材は、熱的に安定な水酸基を持つ多孔質無機化合物が選ばれるが、これらの要求を満足するものとして、ゼオライトやヒドロキシアパタイトが好ましいものとして挙げられ、特に好ましい基材はヒドロキシアパタイトである。
【0026】
本発明の吸着剤では、添着成分としてヒドロキシルアミン類を用いるものであるが、このヒドロキシルアミン類としては、塩酸ヒドロキシルアミンまたはO−メチルヒドロキシルアンモニウムクロリドが好ましいものとして挙げられる。このうち、O−メチルヒドロキシルアンモニウムクロリドは、下記の化学式で示される化合物である。
【0027】
【化1】

【0028】
添着成分としてのヒドロキシルアミン類は、上記のようにアルデヒド基と反応してオキシムを生成することになる。このとき、下記の反応式に示すように、NH2−基の部分が反応するため、この部分が基材と結合すれば、アルデヒドの吸着能力が阻害されることになる。例えば、基材としてヒドロキシアパタイト(HAP)を用いた場合には、ヒドロキシルアミン類の−O−と、ヒドロキシアパタイト[Ca10(PO46(OH)2]中のOHの間で水素結合が形成されるので、従来の基材と比べて安定的に添着できると共に、アルデヒドの吸着反応が阻害されることもない。
[R−C(=O)−H]+HONH2→[R−C(=NOH)−H]+H2
(但し、R:H、低級アルキル基)
【0029】
尚、上記低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等(Rを含む具体的化合物名:例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド等)が挙げられる。
【0030】
本発明の吸着剤においては、ヒドロキシルアミン類の添着量は、吸着剤全体に対して0.2〜10質量%であることが好ましく、0.2質量%未満では優れた吸着性能を発揮することが難しくなり、10質量%を超えると吸着速度が低下し、性能を悪くすることとなる。また、本発明の吸着剤は、60〜80℃の加熱においても吸着成分が離脱せず、耐再放出性が良好なものとなる。
【0031】
本発明の吸着剤は、単独で吸着剤として使用することができるが、アルデヒド類以外の汚染物質を併せて吸着したい等の用途もあるので、これらに応じて、従来から知られている他の吸着剤(例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル等)を混合したものを使用することができる。また、本発明の吸着剤は、室内用空気フィルター、自動車、建築材、塗料等の各種用途に適用できるものであり、例えば建築材や塗料の分野では、それらの素材に含有させて用いることもできる。
【実施例】
【0032】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0033】
[実施例1]
(1)合成
各種基材を10gずつ秤り取り、添着剤であるO−メチルヒドロキシルアンモニウムクロリド(一級試薬:和光純薬工業株式会社製:販売コード134−05934:MHAC)を種々の濃度で溶解した水溶液100mLの中に投入し、2時間攪拌させ、更に、濾過して120℃で2時間乾燥させたものをサンプルとした。
【0034】
このとき用いた基材としては、HAPと活性炭については、「第三リン酸カルシウム」と「ヤシコールMc」(いずれも、太平化学産業株式会社製)を使用し、シリカゲルとゼオライトについては、和光純薬工業株式会社の試薬の販売コード191−00445の「シリカゲル(小粒状、青色)」と、販売コード263−00575の「ゼオライトA−3」(平均細孔径:3Å、球状、平均粒径:1.40〜2.36mm)、および販売コード263−00655の「ゼオライトF−9」(平均細孔径:9Å、球状、平均粒径:1.40〜2.36mm)、層状リン酸塩についてはテイカ株式会社製の「K−FRESH」を使用して、実験を行なった。また、添着剤の処理濃度(添着量)については、各基剤の種類に応じた、MHAC溶液の濃度(0.5%、1%、5%、15%、40%)によって調整した。
【0035】
(2)吸着試験および再放出試験
上記の方法で作成したサンプルを0.1g精秤し、ポリエチレン容器(「MAJY CACE 型番S」商品名:株式会社マルエム社製)の中に入れ、蓋によって密閉した。これを容量:2Lのテドラーバック(アズワン株式会社製:製品コード1−6332−02)の中に入れてクリップ(「エージレスA−172」商品名:三菱ガス化学株式会社製:長さ240mm)で密閉し、テドラーバック中の空気をポンプにて真空引きした後、アセトアルデヒド標準ガス50ppmを1Lのテドラーバック(アズワン株式会社製:製品コード1−6332−01)で秤り取り、前出の2Lのテドラーバックの中に入れた。その後、ポリエチレン容器の蓋を開けてサンプルとアセトアルデヒドを接触させた。
【0036】
室温で、接触から0時間(接触時)、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間後の残留濃度を測定した。その後、引き続いて60℃に保持した恒温槽に移してから、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、22時間後の残留濃度を測定し、耐再放出性を評価した。残留濃度の測定には、気体採取器(「GV−100型」商品名:株式会社ガステック社製)と、アセトアルデヒド用検知管(「No.92M、92L」商品名:株式会社ガステック社製)を用いて測定した。
【0037】
このとき比較例として、MHAC固体のみ、5%MHAC溶液のみ、および各基材[シリカゲル、ゼオライト(ゼオライト(A−3)またはゼオライト(F−9)と表記)、ヤシコールMc(ヤシMcと表記)]の未処理品、および同様の化学吸着剤であるポリアミン化合物処理した層状リン酸塩についても、同様の実験を行なった(試験No.1〜17)。
【0038】
その結果を、試料の種類、濃度と共に下記表1に示す。また、下記表1には残留濃度が0ppmになるまでの時間を「吸着速度」として示した。尚、下記表1の「耐再放出性」および「吸着速度」の評価基準は下記の通りである。
【0039】
[耐再放出性の評価基準]
◎:再放出なし
○:0超〜5ppm(再放出量)
△:5超〜10ppm(再放出量)
×:10ppm超(再放出量)
[吸着速度]
◎:15分以内
○:15分超〜1時間(1hr)以内
△:1時間超〜2時間以内
×:2時間超(0ppmにはならず)
【0040】
【表1】

【0041】
この結果に基づき、未処理の各基剤におけるアセトアルデヒドの残留濃度の経時変化(試験No.1、3、7、13、15)を図1に示す。この結果から明らかなように、いずれも60℃加熱時の耐再放出性が悪いことが分かる。
【0042】
また、5%のMHAC水溶液で処理した各基剤におけるアセトアルデヒドの残留濃度の経時変化(試験No.4、10、14、16)を、MHAC固体(試験No.1)、5%MHAC水溶液(試験No.2)、未処理HAP(試験No.3)および層状リン酸塩((試験No.17)の場合と共に図2に示す。この結果から明らかなように、基材としてゼオライトおよびヒドロキシアパタイト(HAP)を用いたときには5%MHAC水溶液で処理したものは優れた吸着性能および耐再放出性を発揮していることが分かる。
【0043】
基材としてヒドロキシアパタイトを用いたときに、MHAC水溶液の濃度が、アセトアルデヒドの残留濃度に与える影響(試験No.4〜6)を、未処理HAPの場合(試験No.3)と共に図3に示す。図3から明らかなように、基材としてHAPを用いた場合には、添着成分の濃度がいずれの場合においても吸着成分の残留濃度が低減されており、優れた吸着性能および耐再放出性を発揮していることが分かる。
【0044】
[実施例2]
実施例1で得られた試料の一部について、室温で、接触から2時間後の残留濃度を測定すると共に、その後、引き続いて80℃に保持してから(試験No.18〜24)、0.25時間、0.5時間、2時間、22時間後の残留濃度を測定し、80℃での耐再放出性を評価した。その結果を、下記表2に示す。またこの結果に基づき、各吸着剤を80℃に加熱したときのアセトアルデヒドの残留濃度の経時変化を図4に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
これらの結果から明らかなように、本発明の要件を満足する吸着剤(試験No.19〜22)は、80℃の加熱においても優れた耐再放出性を示していることが分かる。
【0047】
[実施例3]
下記表3に示す各種吸着剤について(試験No.25〜36)、各添着成分の添着量を確認するべく、ASTM E−1019(Standard Test Methods for Determination of Carbon,Sulfur,Nitrogen,and Oxygen in Steel,Iron,Nickel,and Cobalt Alloys by Various Combustion and Fusion Techniques.)に準じた方法によって各吸着剤中のN量を測定し、その値に基づいて、添着成分の添着量に換算した(その原理は、不活性ガス雰囲気中で融解により放出された窒素を熱伝導度検出器によって測定する)。また未処理の基材(未添着基材)中のN量によって、補正した。
【0048】
その結果を、下記表3に併記するが、添着量に換算して0.2〜10質量%のときに(即ち、MHAC水溶液濃度が5〜40%のときに)、優れた添着効果が発揮されていることが分かる。
【0049】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルデヒド類を吸着させるための吸着剤であって、熱的に安定な水酸基を持つ多孔質無機化合物を基材とし、この基材にヒドロキシルアミン類を添着させたものであることを特徴とする吸着剤。
【請求項2】
前記基材は、ゼオライトまたはヒドロキシアパタイトである請求項1に記載の吸着剤。
【請求項3】
前記ヒドロキシルアミン類は、塩酸ヒドロキシルアミンまたはO−メチルヒドロキシルアンモニウムクロリドである請求項1または2に記載の吸着剤。
【請求項4】
ヒドロキシルアミン類の添着量が、吸着剤全体に対して0.2〜10質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の吸着剤。
【請求項5】
60〜80℃の加熱においても吸着成分が離脱しないものである請求項1〜4のいずれかに記載の吸着剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の吸着剤と、他の吸着剤を混合したものである吸着剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−173070(P2011−173070A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39166(P2010−39166)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(391016842)岐阜県 (70)
【出願人】(591040557)太平化学産業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】