吸込口体および電気掃除機
【課題】ケース体の幅寸法よりも狭い隙間に対して効果的に掃除できる床ブラシを提供する。
【解決手段】横長のケース体31の開口部68に対してケース体31の後側から上側に亘って移動可能な管接続部81に接続開口82を形成する。管接続部81がケース体31の後側と上側のそれぞれの位置に移動した状態では、接続開口82が後部開口66または上部開口67に連通し、閉塞部32は接続開口82を除いて開口部68を閉塞する。通常の掃除の際には、管接続部81をケース体31の後側に位置させてケース体31の幅寸法を用い、狭い隙間の掃除の際には、管接続部81をケース体31の上側に位置させケース体31の前後寸法を用いる。いずれの掃除の際でも、共通の下部吸込口47を介する共通の吸込風路のみから空気とともに塵埃を吸い込んで真空度を保ち、ケース体31の幅寸法よりも狭い隙間に対して効果的に掃除できる。
【解決手段】横長のケース体31の開口部68に対してケース体31の後側から上側に亘って移動可能な管接続部81に接続開口82を形成する。管接続部81がケース体31の後側と上側のそれぞれの位置に移動した状態では、接続開口82が後部開口66または上部開口67に連通し、閉塞部32は接続開口82を除いて開口部68を閉塞する。通常の掃除の際には、管接続部81をケース体31の後側に位置させてケース体31の幅寸法を用い、狭い隙間の掃除の際には、管接続部81をケース体31の上側に位置させケース体31の前後寸法を用いる。いずれの掃除の際でも、共通の下部吸込口47を介する共通の吸込風路のみから空気とともに塵埃を吸い込んで真空度を保ち、ケース体31の幅寸法よりも狭い隙間に対して効果的に掃除できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横長のケース体を有する吸込口体およびこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気掃除機は、電動送風機を収容した掃除機本体を備えている。この掃除機本体には、電動送風機の吸込側に連通して本体集塵室が区画されており、この本体集塵室は、掃除機本体に開口形成された本体吸込口を介して外部と連通可能となっている。そして、本体吸込口には、ホース体、延長管および吸込口体としての床ブラシが順次接続され、この床ブラシを被掃除面である床面上で走行させることにより、電動送風機の駆動で発生した負圧によって床面上の塵埃を吸い込み、本体集塵室に集塵するように構成されている。
【0003】
ところで、床ブラシは、左右幅方向に長い、すなわち横長で、かつ、扁平なケース体と、このケース体に回動可能に接続された接続管とを有しており、ケース体の床面に対向する下面には、ケース体の形状に沿って横長の吸込口である下部吸込口が開口形成されている。このため、床ブラシは、比較的広い部分の掃除は容易であるものの、床ブラシの横幅よりも狭い隙間などの掃除には適さないという問題がある。
【0004】
そこで、ケース体の前側に、下部吸込口と連続する前部吸込口を形成し、この前部吸込口を前カバーにより開閉可能として、通常の掃除の際にはケース体の下部吸込口から塵埃を吸い込み、隙間を掃除する際には、ケース体の前部吸込口を床面に向けるようにケース体を立たせてケース体の左右幅寸法よりも小さいケース体の厚み寸法を利用する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−325782号公報(第7−9頁、図4−5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の床ブラシでは、隙間を掃除する際でも、ケース体の下部吸込口は依然として開口したままの状態であるため、前部吸込口からの吸込風路以外に、下部吸込口からの吸込風路が形成されることとなり、隙間を掃除する際の真空度の確保が容易でなく、塵埃を充分に吸い込むことができないという問題を有している。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ケース体の幅寸法よりも狭い隙間に対して効果的に掃除できる吸込口体およびこれを備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下面に開口した吸込口に連通し少なくとも側面側と上面側とに開口した開口部を備えた横長のケース体と、開口部に対してケース体の側面側から上面側に亘って移動可能な移動体、および、この移動体に開口形成された接続開口を備え、移動体が少なくともケース体の側面側と上面側とのそれぞれの位置に移動した状態では、接続開口が開口部に連通するとともにこの接続開口を除いて開口部を閉塞する閉塞部と、この閉塞部の接続開口に接続された接続管とを具備したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、横長のケース体の少なくとも側面側と上面側とに開口した開口部に対してケース体の側面側から上面側に亘って移動可能な移動体に、接続管を接続する接続開口を形成し、移動体が少なくともケース体の側面側と上面側とのそれぞれの位置に移動した状態では、接続開口が開口部に連通するとともにこの接続開口を除いて閉塞部で開口部を閉塞することにより、通常の掃除の際には、移動体をケース体の側面側に位置させてケース体の幅寸法を用い、ケース体の幅寸法よりも狭い隙間を掃除する際には、移動体をケース体の上面側に位置させケース体の幅寸法よりも小さい前後寸法を用いて、通常の掃除の際でも、狭い隙間の掃除の際でも、共通の吸込口を介する共通の吸込風路のみから空気とともに塵埃を吸い込んで真空度を保ち、ケース体の幅寸法よりも狭い隙間に対して効果的に掃除できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態の吸込口体の通常の掃除に用いる状態を示す斜視断面図である。
【図2】同上吸込口体の通常の掃除に用いる状態を示す斜視図である。
【図3】同上吸込口体の一部を拡大して後方から示す斜視図である。
【図4】同上吸込口体の隙間の掃除に用いる状態を示す斜視断面図である。
【図5】同上吸込口体の隙間の掃除に用いる状態を示す斜視図である。
【図6】同上吸込口体の固定手段近傍を、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図7】同上吸込口体の固定手段により移動体を固定した状態を、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図8】同上吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態の構成を図1ないし図8を参照して説明する。
【0012】
図8において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
【0013】
管部12は、掃除機本体13に接続される直管状の接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
【0014】
手元操作部17には、把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
【0015】
また、掃除機本体13は、電動送風機27を収容する図示しない電動送風機室と、この電動送風機室に連通する図示しない本体集塵室とを内部に備え、両側に設けられた走行輪28(一方のみ図示)によって被掃除面である床面上を走行可能となっている。さらに、本体集塵室には、管部12の基端側である接続管部15が接続可能となっている。そして、本体集塵室には、集塵袋である紙パック、あるいは集塵装置である集塵カップなどの図示しない集塵部が着脱可能に配置されている。
【0016】
電動送風機27は、掃除機本体13内に収容された図示しない二次電池、あるいは、図示しない電源コードを介して接続された商用交流電源などから給電され、掃除機本体13内の制御手段である図示しない制御回路により、設定ボタン22で設定された所定の動作モードで動作されて管部12を介して空気とともに塵埃を吸い込むものである。
【0017】
また、床ブラシ19は、図1および図2に示すように、例えば合成樹脂などにより形成されたケース体31と、このケース体31に取り付けられた閉塞部32と、この閉塞部32の一部に接続され延長管18(図8)に接続される接続管33と、回転清掃体としての回転ブラシ34とを備えている。
【0018】
ケース体31は、上側が開口した下ケース41と、この下ケース41の上側を覆う上ケース42と、これら下ケース41と上ケース42との前部に亘って形成された前部吸込口43に取り付けられた前カバー44とを備えている。また、このケース体31は、左右幅寸法L1が前後寸法L2よりも大きい、すなわち横長に形成されている。
【0019】
下ケース41は、平面視で四角形状の平板状に形成されており、前側に、床面に対向して開口する吸込口としての下部吸込口47が形成されている。この下部吸込口47は、ケース体31の左右幅方向に沿って長手状、すなわち横長に形成されており、前部吸込口43と連続している。
【0020】
上ケース42は、左右幅方向に沿って平坦状の前面部51と、この前面部51の左右幅方向両側部に前後方向に沿って連続する平坦状の両側面部52,52と、左右幅方向に沿って平坦状の側面である後面部53と、これら前面部51、両側面部52,52および後面部53の上部に連続する上面部54とを備え、下側が開口した箱状に形成されている。また、上ケース42の後面部53の左右幅方向の中心域には、前方へと窪んだ凹部56が形成されている。
【0021】
前面部51には、前部吸込口43の上側が切り欠き形成されている。
【0022】
上面部54は、前面部51の上部に連続して水平状に形成された横長の前側上面部61と、凹部56を除く後面部53の上部に連続して水平状に形成された横長の後側上面部62,62と、これら前側上面部61と後側上面部62,62との間に位置する略円筒状の閉塞部取付部としての中間上面部である湾曲部63とを有している。
【0023】
後側上面部62,62は、後面部53および凹部56との間で、図示しないが、回転ブラシ34を回転駆動させるための駆動手段であるモータ、および、このモータの回転を制御する制御部などをそれぞれ収容するための収容室をケース体31の内部に区画している。
【0024】
湾曲部63は、吸込口43,47と連通する吸込空間65を内部に区画するもので、前端側が前側上面部61の後端に連続し、後端側が凹部56に亘って連続している。すなわち、湾曲部63は、ケース体31の左右幅方向に沿って軸方向を有する、略円筒状に形成されている。また、湾曲部63には、左右幅方向の中心域に、凹部56に臨んで後方すなわちケース体31の側面側である後側に向けて開口した四角形状の後部開口66と、ケース体31の上側に向けて開口した上部開口67とを備えた開口部68が形成されている。そして、湾曲部63には、開口66,67の両側に沿って前後方向に、閉塞部32のガイド用のガイド部69,69がリブ状に形成されている。
【0025】
開口部68は、吸込空間65を介して、吸込口43,47と連通している。
【0026】
各ガイド部69は、前端部が前側上面部61に連続し、後端側が凹部56へと連続している。すなわち、各ガイド部69は、ケース体31の後側から上側に亘って連続している。また、各ガイド部69は、開口66,67側、すなわち互いに対向する内縁側に、ケース体31の後側から上側に亘って溝状に連続したガイド凹部71が形成されている(図6)。
【0027】
凹部56は、図3に示すように、後面部53にそれぞれ連続する上下方向に沿って平坦状の凹部側面部74,74と、これら凹部側面部74,74間に連続する水平状の凹部底面部75とを有している。そして、この凹部底面部75に、各ガイド部69の後端部が連続している。
【0028】
また、図1および図2に示す前部吸込口43は、図示しない壁際の床面上の塵埃を吸い込むためのもので、ケース体31の左右幅方向に沿って長手状に形成されている。
【0029】
前カバー44は、上端部が前部吸込口43の上端部にて上ケース42に軸支されており、下端側が前後方向へと回動可能となっている。そして、この前カバー44は、下端側がケース体31の前面部51よりも前方へと突出しており、この下端側が図示しない壁などに当接することでこの下端側が後方へと回動し、ケース体31の前側および下側の真空度を高めるように構成されている。
【0030】
閉塞部32は、各ガイド部69によりケース体31の後側から上側に亘って移動可能にガイドされる移動体としての管接続部81と、この管接続部81に開口形成された接続開口82と、後部開口66と上部開口67とのそれぞれに対応して配置された(一方の)閉塞部材としての後部シャッタ83と(他方の)閉塞部材としての上部シャッタ84とを備えている。
【0031】
管接続部81は、移動体本体としての横長の接続部本体81aと、この接続部本体81aから筒状に突出する突出部81bとを一体に有している。
【0032】
接続部本体81aは、湾曲部63の外周面に沿って湾曲した円弧状に形成されており、両側部がガイド凹部71,71(図3)に挿入されて、ガイド部69,69にガイドされることで、ケース体31の後側から上側に亘って湾曲部63の外周面に沿って摺動可能となっている。そして、この接続部本体81aは、ケース体31の後側と上側とのそれぞれの位置で、固定手段85,85により両側部が固定可能となっている。
【0033】
突出部81bは、先端側に接続管33が周方向に回転可能に接続される部分であり、接続開口82に連通している。
【0034】
接続開口82は、横長四角形状に形成されており、管接続部81を湾曲部63の外周面に沿って摺動させることにより、後部開口66と上部開口67とに選択的に連通可能である。
【0035】
また、図3、図6および図7に示すように、各固定手段85は、互いに離間された対をなす軸支部としての側板87,87間に、固定手段本体としての長手状の係止体88が回動可能に軸支されているとともに、この係止体88の一端側が固定手段付勢部材であるコイルばね89によって付勢されている。
【0036】
側板87,87は、それぞれ湾曲部63の各ガイド部69の外方の位置にそれぞれ形成されている。
【0037】
係止体88は、この係止体88の長手方向に交差する方向に沿う回転軸88aの両端が側板87,87に穿設された軸支孔87a,87aに挿入されている。また、係止体88の先端側には、湾曲部63側へと突出する略円柱状の係止部88bが一体に形成されている。この係止部88bは、ガイド部69に形成されガイド凹部71に連通する円形状の挿入孔91に挿入されているとともに、ガイド凹部71を摺動する管接続部81の接続部本体81aの両側部に形成された溝である係止孔81cに対して先端側を挿入可能となっている。
【0038】
また、図3に示す後部シャッタ83は、横長で、かつ、湾曲部63の外周面に沿って湾曲した湾曲板状に形成されており、両側部がガイド凹部71,71に挿入されてガイド部69,69に沿って摺動可能に取り付けられている。また、この後部シャッタ83の下端部の両側には、ストッパ部83a,83aが厚み方向に交差する方向に突出している。これらストッパ部83a,83aには、後部シャッタ83を上方に向けて付勢する(一方の)付勢手段としてのコイルばね93,93の一端部である上端部が固定されており、これらコイルばね93,93の他端部である下端部が、凹部底面部75に形成された保持部94,94に固定されている。さらに、ストッパ部83a,83aは、ガイド部69,69の内縁部の後端部近傍に長手状に切り欠き形成された規制溝部95,95に摺動可能に嵌合しており、ストッパ部83a,83aが規制溝部95,95の一端部から他端部までの間を摺動することで、後部シャッタ83が後部開口66を開閉するように構成されている。
【0039】
図1および図2に示す上部シャッタ84は、基本的に後部シャッタ83と同様の構成を有している。すなわち、上部シャッタ84は、横長で、かつ、湾曲部63の外周面に沿って湾曲した湾曲板状に形成されており、両側部がガイド凹部71,71に挿入されてガイド部69,69に沿って摺動可能に取り付けられている。また、この上部シャッタ84の前端部の両側には、ストッパ部84a,84aが厚み方向に交差する方向に突出している。これらストッパ部84a,84aには、上部シャッタ84を後方に向けて付勢する(他方の)付勢手段としてのコイルばね96,96の一端部である上端部が固定されており、これらコイルばね96,96の他端部である下端部が、前側上面部61に形成された保持部97,97に固定されている。さらに、ストッパ部84a,84aは、ガイド部69,69の内縁部の前端部近傍に長手状に切り欠き形成された規制溝部98,98に摺動可能に嵌合しており、ストッパ部84a,84aが規制溝部98,98の一端部から他端部までの間を摺動することで、上部シャッタ84が上部開口67を開閉するように構成されている。
【0040】
なお、各シャッタ83,84は、管接続部81と同様の挿通孔などを両側部に設けて、それぞれ固定手段85によって固定可能に構成してもよい。
【0041】
また、接続管33は、閉塞部32の管接続部81の突出部81bの先端側に周方向に回転可能に接続される略円筒状の回転部101と、この回転部101に一端部が回動可能に軸支され他端部が延長管18(図8)の先端側に接続される長尺状の接続管本体102とを備えている。
【0042】
回転部101は、接続管本体102側の端部に、切欠部101aが切り欠き形成されている。この切欠部101aは、接続管本体102が回転部101に対して軸方向に交差する方向へと回動する際に接続管本体102との干渉を避けるための逃げ部である。さらに、回転部101は、ケース体31の前後寸法L2よりも最大径寸法が小さく設定されている。
【0043】
また、接続管本体102は、回転部101側に、球面状に拡径された摺動部である拡径部102aを有しているとともに、この拡径部102aが回転部101内に挿入され、回動軸102bにより回動可能に軸支されている。
【0044】
拡径部102aは、回動軸102bを中心として回転部101の軸方向に交差する方向へと接続管本体102を回動させた際に回転部101の内部に対して気密に摺動する部分である。
【0045】
したがって、接続管33は、左右方向に回転可能で、かつ、上下方向に傾動可能な傾動管となっている。また、この接続管33は、閉塞部32の管接続部81とともに、回転ユニットを構成している。
【0046】
また、回転ブラシ34は、両端部が図示しない軸受に回転可能に軸支される回転軸部106と、この回転軸部106の周囲に径方向に突出するように取り付けられたブレード、あるいは毛ブラシなどの複数の清掃部材107とを備えている。そして、回転ブラシ34は、例えば絨毯などの床面を掃除する際に、モータにより回転駆動されることで、床面から塵埃を掻き出すものである。
【0047】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0048】
掃除の際には、図8に示す掃除機本体13の本体集塵室に集塵部を取り付け、電源コードをコンセントに接続するなど、電動送風機27に給電可能な状態とし、作業者が設定ボタン22を操作することで、掃除機本体13内の制御回路が電動送風機27を駆動させる。
【0049】
通常の広い領域を掃除する際には、図1に示すように、管接続部81をケース体31の後側へと摺動させる。この管接続部81の後部は、後部シャッタ83の上端に当接し、さらにこの管接続部81をケース体31の後部へと摺動させることで、図3に示すコイルばね93,93の付勢に抗して後部シャッタ83が湾曲部63の外周面を下方へと摺動し、後部開口66を開口させる。さらに、ケース体31の後部の固定手段85,85の係止体88の基端側をコイルばね89の付勢に抗して押圧して係止部88b(図6)を持ち上げた状態で、管接続部81を、接続開口82が後部開口66に連通する位置、すなわちストッパ部83aが規制溝部95の下端部に当接する位置まで摺動させ、係止体88を開放することで、コイルばね89の付勢によって係止部88b(図6)を係止孔81cへと挿入させて、管接続部81を係止固定する。同時に、上部シャッタ84は、コイルばね96,96の付勢によって湾曲部63の外周面を上方へと摺動し、ストッパ部84aが規制溝部98の後端部に当接することで上部シャッタ84が上部開口67を閉塞する位置で停止する。この状態で、作業者は、接続管33を回転部101から周方向に回動させ、切欠部101aをケース体31の上方に向けた状態とすることにより、床ブラシ19が図2に示す状態となる。
【0050】
そして、作業者は、床面上に床ブラシ19を載置し、把持部21(図8)を把持して床ブラシ19を走行させる。
【0051】
一方、床ブラシ19のケース体31の左右幅寸法L1よりも狭い幅の壁、あるいは家具の間などの隙間S(図5)を掃除する際には、図4に示すように、管接続部81をケース体31の上側へと摺動させる。この管接続部81の前部は、上部シャッタ84の後端に当接し、さらにこの管接続部81をケース体31の上部へと摺動させることで、コイルばね96,96の付勢に抗して上部シャッタ84が湾曲部63の外周面を下方へと摺動し、上部開口67を開口させる。さらに、ケース体31の上部の固定手段85,85の係止体88の基端側をコイルばね89の付勢に抗して押圧して係止部88b(図6)を持ち上げた状態で、管接続部81を、接続開口82が上部開口67に連通する位置、すなわちストッパ部84aが規制溝部98の前端部に当接する位置まで摺動させ、係止体88を開放することで、コイルばね89の付勢によって係止部88b(図6)を係止孔81cへと挿入させて、管接続部81を係止固定する。同時に、後部シャッタ83は、コイルばね93,93の付勢によって湾曲部63の外周面を上方へと摺動し、ストッパ部83aが規制溝部95の上端部に当接することで後部シャッタ83が後部開口66を閉塞する位置で停止する。この状態で、作業者は、接続管33を回転部101から周方向に回動させ、切欠部101aをケース体31の幅方向に向けた状態として、接続管本体102をケース体31の側方へと回動させることにより、床ブラシ19が図5に示す状態となる。すなわち、接続管33全体がケース体31の上方に位置し、この接続管33がケース体31の前後方向に突出せず、ケース体31の左右幅方向に沿った状態となる。
【0052】
そして、作業者は、床面上に床ブラシ19を載置し、把持部21(図8)を把持して床ブラシ19を隙間Sに挿入して走行させる。
【0053】
さらに、作業者は、床面の種類などに応じて、設定ボタン22(図8)を操作して回転ブラシ34を適宜回転させる。
【0054】
そして、電動送風機27(図8)の負圧の作用によって下部吸込口47(および前部吸込口43)から空気とともに塵埃を吸い込む。下部吸込口47(および前部吸込口43)から吸い込んだ空気は吸込風となり、塵埃とともに吸込空間65、接続管33、延長管18(図8)、ホース体16(図8)および接続管部15(図8)を介して掃除機本体13(図8)の本体集塵室へと吸い込まれ、この本体集塵室内の集塵部によって塵埃が捕集される。そして、この塵埃が捕集された吸込風は、電動送風機室内の電動送風機27(図8)の吸込側へと吸い込まれ、この電動送風機27(図8)内を冷却しつつ通過して排気風となり、掃除機本体13(図8)の排気孔からこの掃除機本体13(図8)の外部へと排気される。
【0055】
掃除が終了すると、作業者は設定ボタン22(図8)を適宜操作して電動送風機27(図8)の駆動を停止させる。
【0056】
上述したように、上記一実施の形態では、横長のケース体31の後側に開口した後部開口66と上側に開口した上部開口67とを備えた開口部68に対してケース体31の後側から上側に亘って移動可能な管接続部81に、接続管33を接続する接続開口82を形成し、管接続部81がケース体31の後側と上側とのそれぞれの位置に移動した状態では、接続開口82が後部開口66、あるいは上部開口67に連通するとともにこの接続開口82を除いて閉塞部32で開口部68を閉塞する構成とした。このため、通常の掃除の際には、図1および図2に示すように、管接続部81をケース体31の後側に位置させてケース体31の左右幅寸法L1を用いて広い面積を掃除することができ、図4および図5に示すように、ケース体31の左右幅寸法L1(図2)よりも狭い隙間Sを掃除する際には、管接続部81をケース体31の上側に位置させケース体31の左右幅寸法L1(図2)よりも小さい前後寸法L2(図2)を用いて隙間Sを掃除することができる。したがって、通常の掃除の際でも、狭い隙間Sの掃除の際でも、共通の下部吸込口47を介する共通の吸込風路のみから空気とともに塵埃を吸い込んで真空度を保ち、ケース体31の左右幅寸法L1(図2)よりも狭い隙間Sに対して効果的に掃除できる。
【0057】
すなわち、図1および図2に示す通常の掃除の際でも、図4および図5に示す隙間Sの掃除の際でも、電動送風機27(図8)の負圧が作用するのは下部吸込口47(および前部吸込口43)のみであり、他の吸込風路が何ら形成されることがないので、下部吸込口47から塵埃を効率よく吸い込むことができる。
【0058】
また、図4および図5に示す隙間Sの掃除の際には、接続管33の全体がケース体31の上方に位置するので、最小でケース体31の前後寸法L2(図2)までの隙間Sの掃除にまで床ブラシ19を対応させることができる。
【0059】
さらに、開口部68をケース体31の後側と上側とに開口させ、閉塞部32の管接続部81を摺動させて接続管33をケース体31の後側と上側とに移動させるように構成することにより、例えばケース体自体を2つに分割し、一方のケース体に吸込口を形成し、他方のケース体を一方のケース体に対して後側および上側に接続状態を保ったまま回動させることによってケース体の幅を可変させて隙間に挿入可能とする構成と比較して、ケース体31全体の大きさを必要以上に大きくすることなく下部吸込口47の開口面積を広く取ることができるので、通常の掃除の際、あるいは隙間Sの掃除の際などにも、塵埃を効率よく吸い込むことができ、掃除効率が向上する。
【0060】
そして、各開口66,67を開閉するシャッタ83,84を、管接続部81と別体とすることにより、これらを一体として形成する場合と比較して、閉塞部32の大きさを小さくできる。すなわち、管接続部81とシャッタ83,84とを一体とする場合、管接続部81を少なくとも後部開口66から上部開口67に亘って連続する大きさとしなければならないのに対して、管接続部81とシャッタ83,84とを別体として、管接続部81との当接によってシャッタ83,84を動作させる場合では、シャッタ83,84を、開口66,67を閉塞可能な最小限の大きさとし、管接続部81を、接続開口82を開口66,67に連通させることができる最小限の大きさとすることができるので、シャッタ83,84間で管接続部81を移動させる距離分、全体としての大きさを抑制でき、床ブラシ19のコンパクト化が可能になる。しかも、湾曲部63の外周面を摺動させる管接続部81の大きさを小さくできるので、湾曲部63の外周面との摺動抵抗を抑制でき、閉塞部32の操作性が良好になる。
【0061】
また、管接続部81をケース体31の後側と上側とでそれぞれ固定可能な固定手段85を設けることにより、掃除の際でも、接続開口82と後部開口66および上部開口67のいずれかとの連通状態を確実に維持できる。
【0062】
なお、上記一実施の形態において、開口部68は、ケース体の少なくとも側面側(後側)と上面側とのそれぞれに開口していれば、側面側と上面側との間で連続していてもよい。
【0063】
また、閉塞部32は、シャッタ83,84の少なくともいずれか一方を設けずに、管接続部81自体で開口部68の側面側、あるいは上面側を選択的に開閉してもよい。
【0064】
さらに、回転ブラシ34、前部吸込口43および前カバー44などは、必須の構成ではなく、回転ブラシ34を回転させる駆動手段は、例えばエアタービンなど任意の構成でよい。また、回転ブラシ34は、駆動手段により回転させる構成ではなく、床面との接触抵抗により回転するものでもよい。
【0065】
そして、電気掃除機11の構成は、上記構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
11 電気掃除機
13 掃除機本体
19 吸込口体としての床ブラシ
27 電動送風機
31 ケース体
32 閉塞部
33 接続管
47 吸込口としての下部吸込口
68 開口部
81 移動体としての管接続部
82 接続開口
85 固定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、横長のケース体を有する吸込口体およびこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気掃除機は、電動送風機を収容した掃除機本体を備えている。この掃除機本体には、電動送風機の吸込側に連通して本体集塵室が区画されており、この本体集塵室は、掃除機本体に開口形成された本体吸込口を介して外部と連通可能となっている。そして、本体吸込口には、ホース体、延長管および吸込口体としての床ブラシが順次接続され、この床ブラシを被掃除面である床面上で走行させることにより、電動送風機の駆動で発生した負圧によって床面上の塵埃を吸い込み、本体集塵室に集塵するように構成されている。
【0003】
ところで、床ブラシは、左右幅方向に長い、すなわち横長で、かつ、扁平なケース体と、このケース体に回動可能に接続された接続管とを有しており、ケース体の床面に対向する下面には、ケース体の形状に沿って横長の吸込口である下部吸込口が開口形成されている。このため、床ブラシは、比較的広い部分の掃除は容易であるものの、床ブラシの横幅よりも狭い隙間などの掃除には適さないという問題がある。
【0004】
そこで、ケース体の前側に、下部吸込口と連続する前部吸込口を形成し、この前部吸込口を前カバーにより開閉可能として、通常の掃除の際にはケース体の下部吸込口から塵埃を吸い込み、隙間を掃除する際には、ケース体の前部吸込口を床面に向けるようにケース体を立たせてケース体の左右幅寸法よりも小さいケース体の厚み寸法を利用する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−325782号公報(第7−9頁、図4−5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の床ブラシでは、隙間を掃除する際でも、ケース体の下部吸込口は依然として開口したままの状態であるため、前部吸込口からの吸込風路以外に、下部吸込口からの吸込風路が形成されることとなり、隙間を掃除する際の真空度の確保が容易でなく、塵埃を充分に吸い込むことができないという問題を有している。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ケース体の幅寸法よりも狭い隙間に対して効果的に掃除できる吸込口体およびこれを備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下面に開口した吸込口に連通し少なくとも側面側と上面側とに開口した開口部を備えた横長のケース体と、開口部に対してケース体の側面側から上面側に亘って移動可能な移動体、および、この移動体に開口形成された接続開口を備え、移動体が少なくともケース体の側面側と上面側とのそれぞれの位置に移動した状態では、接続開口が開口部に連通するとともにこの接続開口を除いて開口部を閉塞する閉塞部と、この閉塞部の接続開口に接続された接続管とを具備したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、横長のケース体の少なくとも側面側と上面側とに開口した開口部に対してケース体の側面側から上面側に亘って移動可能な移動体に、接続管を接続する接続開口を形成し、移動体が少なくともケース体の側面側と上面側とのそれぞれの位置に移動した状態では、接続開口が開口部に連通するとともにこの接続開口を除いて閉塞部で開口部を閉塞することにより、通常の掃除の際には、移動体をケース体の側面側に位置させてケース体の幅寸法を用い、ケース体の幅寸法よりも狭い隙間を掃除する際には、移動体をケース体の上面側に位置させケース体の幅寸法よりも小さい前後寸法を用いて、通常の掃除の際でも、狭い隙間の掃除の際でも、共通の吸込口を介する共通の吸込風路のみから空気とともに塵埃を吸い込んで真空度を保ち、ケース体の幅寸法よりも狭い隙間に対して効果的に掃除できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態の吸込口体の通常の掃除に用いる状態を示す斜視断面図である。
【図2】同上吸込口体の通常の掃除に用いる状態を示す斜視図である。
【図3】同上吸込口体の一部を拡大して後方から示す斜視図である。
【図4】同上吸込口体の隙間の掃除に用いる状態を示す斜視断面図である。
【図5】同上吸込口体の隙間の掃除に用いる状態を示す斜視図である。
【図6】同上吸込口体の固定手段近傍を、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図7】同上吸込口体の固定手段により移動体を固定した状態を、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図8】同上吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態の構成を図1ないし図8を参照して説明する。
【0012】
図8において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
【0013】
管部12は、掃除機本体13に接続される直管状の接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
【0014】
手元操作部17には、把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
【0015】
また、掃除機本体13は、電動送風機27を収容する図示しない電動送風機室と、この電動送風機室に連通する図示しない本体集塵室とを内部に備え、両側に設けられた走行輪28(一方のみ図示)によって被掃除面である床面上を走行可能となっている。さらに、本体集塵室には、管部12の基端側である接続管部15が接続可能となっている。そして、本体集塵室には、集塵袋である紙パック、あるいは集塵装置である集塵カップなどの図示しない集塵部が着脱可能に配置されている。
【0016】
電動送風機27は、掃除機本体13内に収容された図示しない二次電池、あるいは、図示しない電源コードを介して接続された商用交流電源などから給電され、掃除機本体13内の制御手段である図示しない制御回路により、設定ボタン22で設定された所定の動作モードで動作されて管部12を介して空気とともに塵埃を吸い込むものである。
【0017】
また、床ブラシ19は、図1および図2に示すように、例えば合成樹脂などにより形成されたケース体31と、このケース体31に取り付けられた閉塞部32と、この閉塞部32の一部に接続され延長管18(図8)に接続される接続管33と、回転清掃体としての回転ブラシ34とを備えている。
【0018】
ケース体31は、上側が開口した下ケース41と、この下ケース41の上側を覆う上ケース42と、これら下ケース41と上ケース42との前部に亘って形成された前部吸込口43に取り付けられた前カバー44とを備えている。また、このケース体31は、左右幅寸法L1が前後寸法L2よりも大きい、すなわち横長に形成されている。
【0019】
下ケース41は、平面視で四角形状の平板状に形成されており、前側に、床面に対向して開口する吸込口としての下部吸込口47が形成されている。この下部吸込口47は、ケース体31の左右幅方向に沿って長手状、すなわち横長に形成されており、前部吸込口43と連続している。
【0020】
上ケース42は、左右幅方向に沿って平坦状の前面部51と、この前面部51の左右幅方向両側部に前後方向に沿って連続する平坦状の両側面部52,52と、左右幅方向に沿って平坦状の側面である後面部53と、これら前面部51、両側面部52,52および後面部53の上部に連続する上面部54とを備え、下側が開口した箱状に形成されている。また、上ケース42の後面部53の左右幅方向の中心域には、前方へと窪んだ凹部56が形成されている。
【0021】
前面部51には、前部吸込口43の上側が切り欠き形成されている。
【0022】
上面部54は、前面部51の上部に連続して水平状に形成された横長の前側上面部61と、凹部56を除く後面部53の上部に連続して水平状に形成された横長の後側上面部62,62と、これら前側上面部61と後側上面部62,62との間に位置する略円筒状の閉塞部取付部としての中間上面部である湾曲部63とを有している。
【0023】
後側上面部62,62は、後面部53および凹部56との間で、図示しないが、回転ブラシ34を回転駆動させるための駆動手段であるモータ、および、このモータの回転を制御する制御部などをそれぞれ収容するための収容室をケース体31の内部に区画している。
【0024】
湾曲部63は、吸込口43,47と連通する吸込空間65を内部に区画するもので、前端側が前側上面部61の後端に連続し、後端側が凹部56に亘って連続している。すなわち、湾曲部63は、ケース体31の左右幅方向に沿って軸方向を有する、略円筒状に形成されている。また、湾曲部63には、左右幅方向の中心域に、凹部56に臨んで後方すなわちケース体31の側面側である後側に向けて開口した四角形状の後部開口66と、ケース体31の上側に向けて開口した上部開口67とを備えた開口部68が形成されている。そして、湾曲部63には、開口66,67の両側に沿って前後方向に、閉塞部32のガイド用のガイド部69,69がリブ状に形成されている。
【0025】
開口部68は、吸込空間65を介して、吸込口43,47と連通している。
【0026】
各ガイド部69は、前端部が前側上面部61に連続し、後端側が凹部56へと連続している。すなわち、各ガイド部69は、ケース体31の後側から上側に亘って連続している。また、各ガイド部69は、開口66,67側、すなわち互いに対向する内縁側に、ケース体31の後側から上側に亘って溝状に連続したガイド凹部71が形成されている(図6)。
【0027】
凹部56は、図3に示すように、後面部53にそれぞれ連続する上下方向に沿って平坦状の凹部側面部74,74と、これら凹部側面部74,74間に連続する水平状の凹部底面部75とを有している。そして、この凹部底面部75に、各ガイド部69の後端部が連続している。
【0028】
また、図1および図2に示す前部吸込口43は、図示しない壁際の床面上の塵埃を吸い込むためのもので、ケース体31の左右幅方向に沿って長手状に形成されている。
【0029】
前カバー44は、上端部が前部吸込口43の上端部にて上ケース42に軸支されており、下端側が前後方向へと回動可能となっている。そして、この前カバー44は、下端側がケース体31の前面部51よりも前方へと突出しており、この下端側が図示しない壁などに当接することでこの下端側が後方へと回動し、ケース体31の前側および下側の真空度を高めるように構成されている。
【0030】
閉塞部32は、各ガイド部69によりケース体31の後側から上側に亘って移動可能にガイドされる移動体としての管接続部81と、この管接続部81に開口形成された接続開口82と、後部開口66と上部開口67とのそれぞれに対応して配置された(一方の)閉塞部材としての後部シャッタ83と(他方の)閉塞部材としての上部シャッタ84とを備えている。
【0031】
管接続部81は、移動体本体としての横長の接続部本体81aと、この接続部本体81aから筒状に突出する突出部81bとを一体に有している。
【0032】
接続部本体81aは、湾曲部63の外周面に沿って湾曲した円弧状に形成されており、両側部がガイド凹部71,71(図3)に挿入されて、ガイド部69,69にガイドされることで、ケース体31の後側から上側に亘って湾曲部63の外周面に沿って摺動可能となっている。そして、この接続部本体81aは、ケース体31の後側と上側とのそれぞれの位置で、固定手段85,85により両側部が固定可能となっている。
【0033】
突出部81bは、先端側に接続管33が周方向に回転可能に接続される部分であり、接続開口82に連通している。
【0034】
接続開口82は、横長四角形状に形成されており、管接続部81を湾曲部63の外周面に沿って摺動させることにより、後部開口66と上部開口67とに選択的に連通可能である。
【0035】
また、図3、図6および図7に示すように、各固定手段85は、互いに離間された対をなす軸支部としての側板87,87間に、固定手段本体としての長手状の係止体88が回動可能に軸支されているとともに、この係止体88の一端側が固定手段付勢部材であるコイルばね89によって付勢されている。
【0036】
側板87,87は、それぞれ湾曲部63の各ガイド部69の外方の位置にそれぞれ形成されている。
【0037】
係止体88は、この係止体88の長手方向に交差する方向に沿う回転軸88aの両端が側板87,87に穿設された軸支孔87a,87aに挿入されている。また、係止体88の先端側には、湾曲部63側へと突出する略円柱状の係止部88bが一体に形成されている。この係止部88bは、ガイド部69に形成されガイド凹部71に連通する円形状の挿入孔91に挿入されているとともに、ガイド凹部71を摺動する管接続部81の接続部本体81aの両側部に形成された溝である係止孔81cに対して先端側を挿入可能となっている。
【0038】
また、図3に示す後部シャッタ83は、横長で、かつ、湾曲部63の外周面に沿って湾曲した湾曲板状に形成されており、両側部がガイド凹部71,71に挿入されてガイド部69,69に沿って摺動可能に取り付けられている。また、この後部シャッタ83の下端部の両側には、ストッパ部83a,83aが厚み方向に交差する方向に突出している。これらストッパ部83a,83aには、後部シャッタ83を上方に向けて付勢する(一方の)付勢手段としてのコイルばね93,93の一端部である上端部が固定されており、これらコイルばね93,93の他端部である下端部が、凹部底面部75に形成された保持部94,94に固定されている。さらに、ストッパ部83a,83aは、ガイド部69,69の内縁部の後端部近傍に長手状に切り欠き形成された規制溝部95,95に摺動可能に嵌合しており、ストッパ部83a,83aが規制溝部95,95の一端部から他端部までの間を摺動することで、後部シャッタ83が後部開口66を開閉するように構成されている。
【0039】
図1および図2に示す上部シャッタ84は、基本的に後部シャッタ83と同様の構成を有している。すなわち、上部シャッタ84は、横長で、かつ、湾曲部63の外周面に沿って湾曲した湾曲板状に形成されており、両側部がガイド凹部71,71に挿入されてガイド部69,69に沿って摺動可能に取り付けられている。また、この上部シャッタ84の前端部の両側には、ストッパ部84a,84aが厚み方向に交差する方向に突出している。これらストッパ部84a,84aには、上部シャッタ84を後方に向けて付勢する(他方の)付勢手段としてのコイルばね96,96の一端部である上端部が固定されており、これらコイルばね96,96の他端部である下端部が、前側上面部61に形成された保持部97,97に固定されている。さらに、ストッパ部84a,84aは、ガイド部69,69の内縁部の前端部近傍に長手状に切り欠き形成された規制溝部98,98に摺動可能に嵌合しており、ストッパ部84a,84aが規制溝部98,98の一端部から他端部までの間を摺動することで、上部シャッタ84が上部開口67を開閉するように構成されている。
【0040】
なお、各シャッタ83,84は、管接続部81と同様の挿通孔などを両側部に設けて、それぞれ固定手段85によって固定可能に構成してもよい。
【0041】
また、接続管33は、閉塞部32の管接続部81の突出部81bの先端側に周方向に回転可能に接続される略円筒状の回転部101と、この回転部101に一端部が回動可能に軸支され他端部が延長管18(図8)の先端側に接続される長尺状の接続管本体102とを備えている。
【0042】
回転部101は、接続管本体102側の端部に、切欠部101aが切り欠き形成されている。この切欠部101aは、接続管本体102が回転部101に対して軸方向に交差する方向へと回動する際に接続管本体102との干渉を避けるための逃げ部である。さらに、回転部101は、ケース体31の前後寸法L2よりも最大径寸法が小さく設定されている。
【0043】
また、接続管本体102は、回転部101側に、球面状に拡径された摺動部である拡径部102aを有しているとともに、この拡径部102aが回転部101内に挿入され、回動軸102bにより回動可能に軸支されている。
【0044】
拡径部102aは、回動軸102bを中心として回転部101の軸方向に交差する方向へと接続管本体102を回動させた際に回転部101の内部に対して気密に摺動する部分である。
【0045】
したがって、接続管33は、左右方向に回転可能で、かつ、上下方向に傾動可能な傾動管となっている。また、この接続管33は、閉塞部32の管接続部81とともに、回転ユニットを構成している。
【0046】
また、回転ブラシ34は、両端部が図示しない軸受に回転可能に軸支される回転軸部106と、この回転軸部106の周囲に径方向に突出するように取り付けられたブレード、あるいは毛ブラシなどの複数の清掃部材107とを備えている。そして、回転ブラシ34は、例えば絨毯などの床面を掃除する際に、モータにより回転駆動されることで、床面から塵埃を掻き出すものである。
【0047】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0048】
掃除の際には、図8に示す掃除機本体13の本体集塵室に集塵部を取り付け、電源コードをコンセントに接続するなど、電動送風機27に給電可能な状態とし、作業者が設定ボタン22を操作することで、掃除機本体13内の制御回路が電動送風機27を駆動させる。
【0049】
通常の広い領域を掃除する際には、図1に示すように、管接続部81をケース体31の後側へと摺動させる。この管接続部81の後部は、後部シャッタ83の上端に当接し、さらにこの管接続部81をケース体31の後部へと摺動させることで、図3に示すコイルばね93,93の付勢に抗して後部シャッタ83が湾曲部63の外周面を下方へと摺動し、後部開口66を開口させる。さらに、ケース体31の後部の固定手段85,85の係止体88の基端側をコイルばね89の付勢に抗して押圧して係止部88b(図6)を持ち上げた状態で、管接続部81を、接続開口82が後部開口66に連通する位置、すなわちストッパ部83aが規制溝部95の下端部に当接する位置まで摺動させ、係止体88を開放することで、コイルばね89の付勢によって係止部88b(図6)を係止孔81cへと挿入させて、管接続部81を係止固定する。同時に、上部シャッタ84は、コイルばね96,96の付勢によって湾曲部63の外周面を上方へと摺動し、ストッパ部84aが規制溝部98の後端部に当接することで上部シャッタ84が上部開口67を閉塞する位置で停止する。この状態で、作業者は、接続管33を回転部101から周方向に回動させ、切欠部101aをケース体31の上方に向けた状態とすることにより、床ブラシ19が図2に示す状態となる。
【0050】
そして、作業者は、床面上に床ブラシ19を載置し、把持部21(図8)を把持して床ブラシ19を走行させる。
【0051】
一方、床ブラシ19のケース体31の左右幅寸法L1よりも狭い幅の壁、あるいは家具の間などの隙間S(図5)を掃除する際には、図4に示すように、管接続部81をケース体31の上側へと摺動させる。この管接続部81の前部は、上部シャッタ84の後端に当接し、さらにこの管接続部81をケース体31の上部へと摺動させることで、コイルばね96,96の付勢に抗して上部シャッタ84が湾曲部63の外周面を下方へと摺動し、上部開口67を開口させる。さらに、ケース体31の上部の固定手段85,85の係止体88の基端側をコイルばね89の付勢に抗して押圧して係止部88b(図6)を持ち上げた状態で、管接続部81を、接続開口82が上部開口67に連通する位置、すなわちストッパ部84aが規制溝部98の前端部に当接する位置まで摺動させ、係止体88を開放することで、コイルばね89の付勢によって係止部88b(図6)を係止孔81cへと挿入させて、管接続部81を係止固定する。同時に、後部シャッタ83は、コイルばね93,93の付勢によって湾曲部63の外周面を上方へと摺動し、ストッパ部83aが規制溝部95の上端部に当接することで後部シャッタ83が後部開口66を閉塞する位置で停止する。この状態で、作業者は、接続管33を回転部101から周方向に回動させ、切欠部101aをケース体31の幅方向に向けた状態として、接続管本体102をケース体31の側方へと回動させることにより、床ブラシ19が図5に示す状態となる。すなわち、接続管33全体がケース体31の上方に位置し、この接続管33がケース体31の前後方向に突出せず、ケース体31の左右幅方向に沿った状態となる。
【0052】
そして、作業者は、床面上に床ブラシ19を載置し、把持部21(図8)を把持して床ブラシ19を隙間Sに挿入して走行させる。
【0053】
さらに、作業者は、床面の種類などに応じて、設定ボタン22(図8)を操作して回転ブラシ34を適宜回転させる。
【0054】
そして、電動送風機27(図8)の負圧の作用によって下部吸込口47(および前部吸込口43)から空気とともに塵埃を吸い込む。下部吸込口47(および前部吸込口43)から吸い込んだ空気は吸込風となり、塵埃とともに吸込空間65、接続管33、延長管18(図8)、ホース体16(図8)および接続管部15(図8)を介して掃除機本体13(図8)の本体集塵室へと吸い込まれ、この本体集塵室内の集塵部によって塵埃が捕集される。そして、この塵埃が捕集された吸込風は、電動送風機室内の電動送風機27(図8)の吸込側へと吸い込まれ、この電動送風機27(図8)内を冷却しつつ通過して排気風となり、掃除機本体13(図8)の排気孔からこの掃除機本体13(図8)の外部へと排気される。
【0055】
掃除が終了すると、作業者は設定ボタン22(図8)を適宜操作して電動送風機27(図8)の駆動を停止させる。
【0056】
上述したように、上記一実施の形態では、横長のケース体31の後側に開口した後部開口66と上側に開口した上部開口67とを備えた開口部68に対してケース体31の後側から上側に亘って移動可能な管接続部81に、接続管33を接続する接続開口82を形成し、管接続部81がケース体31の後側と上側とのそれぞれの位置に移動した状態では、接続開口82が後部開口66、あるいは上部開口67に連通するとともにこの接続開口82を除いて閉塞部32で開口部68を閉塞する構成とした。このため、通常の掃除の際には、図1および図2に示すように、管接続部81をケース体31の後側に位置させてケース体31の左右幅寸法L1を用いて広い面積を掃除することができ、図4および図5に示すように、ケース体31の左右幅寸法L1(図2)よりも狭い隙間Sを掃除する際には、管接続部81をケース体31の上側に位置させケース体31の左右幅寸法L1(図2)よりも小さい前後寸法L2(図2)を用いて隙間Sを掃除することができる。したがって、通常の掃除の際でも、狭い隙間Sの掃除の際でも、共通の下部吸込口47を介する共通の吸込風路のみから空気とともに塵埃を吸い込んで真空度を保ち、ケース体31の左右幅寸法L1(図2)よりも狭い隙間Sに対して効果的に掃除できる。
【0057】
すなわち、図1および図2に示す通常の掃除の際でも、図4および図5に示す隙間Sの掃除の際でも、電動送風機27(図8)の負圧が作用するのは下部吸込口47(および前部吸込口43)のみであり、他の吸込風路が何ら形成されることがないので、下部吸込口47から塵埃を効率よく吸い込むことができる。
【0058】
また、図4および図5に示す隙間Sの掃除の際には、接続管33の全体がケース体31の上方に位置するので、最小でケース体31の前後寸法L2(図2)までの隙間Sの掃除にまで床ブラシ19を対応させることができる。
【0059】
さらに、開口部68をケース体31の後側と上側とに開口させ、閉塞部32の管接続部81を摺動させて接続管33をケース体31の後側と上側とに移動させるように構成することにより、例えばケース体自体を2つに分割し、一方のケース体に吸込口を形成し、他方のケース体を一方のケース体に対して後側および上側に接続状態を保ったまま回動させることによってケース体の幅を可変させて隙間に挿入可能とする構成と比較して、ケース体31全体の大きさを必要以上に大きくすることなく下部吸込口47の開口面積を広く取ることができるので、通常の掃除の際、あるいは隙間Sの掃除の際などにも、塵埃を効率よく吸い込むことができ、掃除効率が向上する。
【0060】
そして、各開口66,67を開閉するシャッタ83,84を、管接続部81と別体とすることにより、これらを一体として形成する場合と比較して、閉塞部32の大きさを小さくできる。すなわち、管接続部81とシャッタ83,84とを一体とする場合、管接続部81を少なくとも後部開口66から上部開口67に亘って連続する大きさとしなければならないのに対して、管接続部81とシャッタ83,84とを別体として、管接続部81との当接によってシャッタ83,84を動作させる場合では、シャッタ83,84を、開口66,67を閉塞可能な最小限の大きさとし、管接続部81を、接続開口82を開口66,67に連通させることができる最小限の大きさとすることができるので、シャッタ83,84間で管接続部81を移動させる距離分、全体としての大きさを抑制でき、床ブラシ19のコンパクト化が可能になる。しかも、湾曲部63の外周面を摺動させる管接続部81の大きさを小さくできるので、湾曲部63の外周面との摺動抵抗を抑制でき、閉塞部32の操作性が良好になる。
【0061】
また、管接続部81をケース体31の後側と上側とでそれぞれ固定可能な固定手段85を設けることにより、掃除の際でも、接続開口82と後部開口66および上部開口67のいずれかとの連通状態を確実に維持できる。
【0062】
なお、上記一実施の形態において、開口部68は、ケース体の少なくとも側面側(後側)と上面側とのそれぞれに開口していれば、側面側と上面側との間で連続していてもよい。
【0063】
また、閉塞部32は、シャッタ83,84の少なくともいずれか一方を設けずに、管接続部81自体で開口部68の側面側、あるいは上面側を選択的に開閉してもよい。
【0064】
さらに、回転ブラシ34、前部吸込口43および前カバー44などは、必須の構成ではなく、回転ブラシ34を回転させる駆動手段は、例えばエアタービンなど任意の構成でよい。また、回転ブラシ34は、駆動手段により回転させる構成ではなく、床面との接触抵抗により回転するものでもよい。
【0065】
そして、電気掃除機11の構成は、上記構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
11 電気掃除機
13 掃除機本体
19 吸込口体としての床ブラシ
27 電動送風機
31 ケース体
32 閉塞部
33 接続管
47 吸込口としての下部吸込口
68 開口部
81 移動体としての管接続部
82 接続開口
85 固定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面に開口した吸込口、および、この吸込口に連通し少なくとも側面側と上面側とに開口した開口部を備えた横長のケース体と、
前記開口部に対して前記ケース体の側面側から上面側に亘って移動可能な移動体、および、この移動体に開口形成された接続開口を備え、前記移動体が少なくとも前記ケース体の側面側と上面側とのそれぞれの位置に移動した状態では、前記接続開口が前記開口部に連通するとともにこの接続開口を除いて前記開口部を閉塞する閉塞部と、
この閉塞部の前記接続開口に接続された接続管と
を具備したことを特徴とした吸込口体。
【請求項2】
移動体を、少なくともケース体の側面側と上面側とのそれぞれの位置で固定可能な固定手段を具備した
ことを特徴とした請求項1記載の吸込口体。
【請求項3】
電動送風機を収容した掃除機本体と、
前記電動送風機の吸込側に連通可能な請求項1または2記載の吸込口体と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。
【請求項1】
下面に開口した吸込口、および、この吸込口に連通し少なくとも側面側と上面側とに開口した開口部を備えた横長のケース体と、
前記開口部に対して前記ケース体の側面側から上面側に亘って移動可能な移動体、および、この移動体に開口形成された接続開口を備え、前記移動体が少なくとも前記ケース体の側面側と上面側とのそれぞれの位置に移動した状態では、前記接続開口が前記開口部に連通するとともにこの接続開口を除いて前記開口部を閉塞する閉塞部と、
この閉塞部の前記接続開口に接続された接続管と
を具備したことを特徴とした吸込口体。
【請求項2】
移動体を、少なくともケース体の側面側と上面側とのそれぞれの位置で固定可能な固定手段を具備した
ことを特徴とした請求項1記載の吸込口体。
【請求項3】
電動送風機を収容した掃除機本体と、
前記電動送風機の吸込側に連通可能な請求項1または2記載の吸込口体と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−200801(P2010−200801A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46440(P2009−46440)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
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