説明

吸込口体および電気掃除機

【課題】回転清掃体の振動の防振や、振れ回りを確実に抑制できるとともに、組立性、保守性に優れた吸込口体および電気掃除機を提案する。
【解決手段】吸込口体8は、底部に吸込口21を有する箱状のケース24と、ケース24よりも柔軟な材料で形成され、ケース24の側部に設けられたバンパ部25と、ケース24の内部に設けられた一対の軸受保持部26と、軸受保持部26に嵌着された軸受27と、吸込口21に配置され、軸受27に回動自在に軸支された回転清掃体28と、を備え、軸受保持部28は、軸受27を保持する部分の少なくとも一部がバンパ部25と一体に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転清掃体を有する吸込口体および電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底部に吸込口を有する箱状の本体部と、本体部に形成された軸受保持部と、軸受保持部に支持された軸受と、吸込口に配置され、軸受に回動自在に軸支された回転清掃体と、を備えた吸込口体が知られている。回転清掃体は、回転軸に沿う柱状の基部と、基部に螺旋帯状または放射帯状に設けられた毛ブラシやブレードとを備える。
【0003】
このように構成された吸込口体は、回転清掃体を回転させると、毛ブラシやブレードが被掃除面上の塵埃を掻き上げ、この掻き上げられた塵埃を吸込口に作用する負圧によって吸い込む。このとき、回転清掃体は、被掃除面に接触する毛ブラシやブレードから反力を受ける。そして、回転清掃体は、それ自体のアンバランスや、被掃除面から作用する反力によって振動したり、軸受保持部や軸受の隙間(ガタ)で振れ回ったりする。この回転清掃体の振動や振れ回りは、吸込口体を振動させ、騒音を発生させる。
【0004】
そこで、本体部に形成された一対の軸受保持部と、軸受保持部に支持された一対の軸受と、軸受に回転自在に軸支された回転清掃体と、軸受を本体部の吸込口方向に付勢するバネと、を備えた吸込口体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、本体部に形成された一対の軸受保持部と、軸受保持部に支持された一対の軸受と、軸受に回転自在に軸支された回転清掃体と、軸受保持部と軸受との間に設けられ、波形に形成されたバネと、を備えた吸込口体が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−84921号公報
【特許文献2】特開平4−322627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の吸込口体は、本体部とは別部材であるバネを用い、軸受保持部に設けられた軸受を弾性支持し、回転清掃体の防振や、振れ回りの抑制によって吸込口体の振動および騒音を低減させる。
【0008】
しかし、吸込口体の使用上の利便性を考慮した本体部の大きさの都合上、指先程度の大きさのバネを本体部の別部材とすることは、吸込口体の組立性や保守性の観点から問題がある。例えば、組み立てに係る作業量の増加や、回転清掃体を清掃のため本体部から離脱させた際のバネの紛失の虞や、組み立て異常時によってバネが脱落し掃除機本体に吸い込まれる虞などの問題がある。
【0009】
一方、近年、電動送風機が収容された掃除機本体は、電動送風機の支持構造や収容容器の進歩にともない電動送風機の駆動による振動を効果的に防振し、排気による騒音を低減させることに成功している。電気掃除機のユーザは、掃除機本体から発せられる騒音の大きさが小さくなることで、相対的に吸込口体が発生させる騒音を大きく感じるようになる。そこで、電気掃除機の全体として騒音を低減させるため、掃除機本体と同様に吸込口体の騒音を低減させる必要が生じている。
【0010】
本発明は、回転清掃体の振動の防振や、振れ回りを確実に抑制できるとともに、組立性、保守性に優れた吸込口体および電気掃除機を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するため本発明に係る吸込口体および電気掃除機は、底部に吸込口を有する箱状のケースと、前記ケースよりも柔軟な材料で形成され、前記ケースの側部に設けられたバンパ部と、前記ケースの内部に設けられた一対の軸受保持部と、前記軸受保持部に嵌着された軸受と、前記吸込口に配置され、前記軸受に回動自在に軸支された回転清掃体と、を備え、前記軸受保持部は、前記軸受を保持する部分の少なくとも一部が前記バンパ部と一体に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回転清掃体の振動の防振や、振れ回りを確実に抑制できるとともに、組立性、保守性に優れた吸込口体および電気掃除機を提案できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る電気掃除機の外観を示した図。
【図2】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体を部分的に切り欠いて示した平面図。
【図3】本発明の実施形態に係る吸込口体のバンパ部および軸受保持部の一例を示した平面図。
【図4】本発明の実施形態に係る吸込口体のバンパ部および軸受保持部の一例を部分的に示した図。
【図5】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図。
【図6】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図。
【図7】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図。
【図8】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図。
【図9】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図。
【図10】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図。
【図11】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図。
【図12】本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る電気掃除機の実施形態について図1から図12を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の外観を示した図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除機1は、掃除機本体2と、集塵ホース3と、手元操作管4と、把持部5と、操作部6と、延長管7と、吸込口体8と、を備える。
【0017】
掃除機本体2は、塵埃分離集塵部10と、電動送風機12と、制御部13と、電動送風機12に電力を導く電源コード14と、を備える。塵埃分離集塵部10は、掃除機本体2に形成された集塵室2aに着脱自在に装着される。また、塵埃分離集塵部10は、紙パック方式や、遠心分離方式などの集塵方式で構成される。制御部13は、予め設定された複数の運転モードを有し、操作部6から入力される操作信号に基いて任意の運転モードを択一的に選択可能に構成される。それぞれの運転モードは、電動送風機12に供給される電力を互いに異ならせて設定される。制御部13は、選択された運転モードに対応する電力を電動送風機12に供給し、電動送風機12の運転出力を制御する。電源コード14は、その自由端部に電源プラグ15を備える。
【0018】
また、掃除機本体2は、集塵ホース3の一端が着脱自在に接続された接続口2bと、電動送風機12の排気を掃除機本体の外に吐出する排気口(図示省略)と、を有する。
【0019】
集塵ホース3は、可撓性を有し、湾曲自在な細長略円筒状に形成される。集塵ホース3の一端は、接続口2bに着脱自在に接続される。集塵ホース3は、掃除機本体2の内部に連通される。
【0020】
手元操作管4の一端は、集塵ホース3の他端に設けられる。手元操作管4は、集塵ホース3を介して掃除機本体2の内部に連通される。
【0021】
把持部5は、電気掃除機1の使用者が把持して電気掃除機1を操作するものである。把持部5は、手元操作管4の他端部に突設され、集塵ホース3が設けられた手元操作管4の一端部に向けて湾曲させて形成される。
【0022】
操作部6は、把持部5に設けられる。電気掃除機1のユーザは、操作部6を操作して電動送風機12の運転モードを選択できる。操作部6は、電動送風機12を停止させる停止スイッチ6aや、電動送風機12の運転を開始させる起動スイッチ6bなどを有する。起動スイッチ6bを繰り返し操作することで、電動送風機12の運転モードを択一的に選択できる。
【0023】
延長管7は、伸縮可能な細長略円筒状に形成される。延長管7は、複数の筒状体を重ね合わせてテレスコピック構造に構成される。延長管7の一端は、手元操作管4の他端に着脱自在に接続される。延長管7は、手元操作管4、および集塵ホース3を介して掃除機本体2の内部に連通される。
【0024】
吸込口体8は、延長管7の一端に着脱自在に接続される。吸込口体8は、延長管7、手元操作管4、および集塵ホース3を介して掃除機本体2の内部に連通される。
【0025】
電気掃除機1は、操作部6の起動スイッチ6bが操作されると、電動送風機12が運転を開始し、塵埃分離集塵部10に負圧が作用する。この負圧は掃除機本体2の接続口2bから集塵ホース3と手元操作管4と延長管7とを経て吸込口体8に作用する。そうすると、電気掃除機1は吸込口体8から床などの被掃除面に溜まった塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。吸込口体8に吸い込まれた含塵空気は、掃除機本体2に収容された塵埃分離集塵部10によって空気と塵埃とに分離される。分離された塵埃は塵埃分離集塵部10に集塵される。他方、分離された空気は、電動送風機12を通って排気口から掃除機本体2の外部へ吐出される。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体を部分的に切り欠いて示した平面図である。
【0027】
図2に示すように、吸込口体8は、略直方体形状の箱状の本体部17と、延長管7が着脱自在に接続される接続管部18と、を備える。
【0028】
ここで、吸込口体8の前進方向(図2中、実線矢X)を前方、その反対方向を後方とする。また、吸込口体8を床面などの略水平な被掃除面に配置した状態で、後から前を見たときの左側(図2中、実線矢Y)を左方、その反対方向を右方とする。さらに、吸込口体8の前後方向および左右方向に直交する右手座標系の+Z方向を上方とし、その反対方向を下方とする。
【0029】
本体部17は、前後方向に短辺、左右方向に長辺を有する。本体部17は、底部に吸込口21を有する吸込室22が区画されたケース24と、ケース24よりも柔軟な材料で形成され、ケース24の側部に設けられたバンパ部25と、ケース24の内部に設けられた一対の軸受保持部26と、軸受保持部26に嵌着された一対の軸受27と、吸込口21に配置され、軸受27に回動自在に軸支された回転清掃体28と、回転清掃体28を回動させる駆動部29と、を備える。
【0030】
ケース24は、例えばABS樹脂を用いて形成され、上方が開放された箱状の下ケース31と、下ケース31の後部を覆う上ケース32と、下ケースの前部を覆う蓋体33と、を備える。ケース24は、前側の内部に吸込口21を有する吸込室22が区画され、後側の左右の内部に機器収容室34a、34bが区画される。吸込室22は、本体部17の左右方向に幅広に形成されとともに、接続管部18に連通される。吸込口21は、本体部17の底面に配置される。また、吸込口21は、本体部17の左右方向に細長く形成された略長方形状の開口である。吸込室22は、吸込口体8を被清掃面に配置すると、吸込口21を通して被清掃面を臨む。上ケース32は、下ケース31とともに機器収容室34a、34bを区画する。蓋体33は、下ケース31に着脱自在に装着され、下ケース31とともに吸込室22を区画する。
【0031】
バンパ部25は、本体部17の前側の側部、左右の側部、および後側の側部の一部に渡って一体に形成される。また、バンパ部25は、ケース24に用いられる材料よりも柔軟な材料、例えばエラストマーを用いて形成される。
【0032】
軸受保持部26は、軸受27を介して回転清掃体28を吸込室22に保持するものであり、吸込室22内の左右それぞれに配置され、互いに対向させて設けられる。また、軸受保持部26は、軸受27を保持する部分の少なくとも一部がバンパ部25と一体に形成される。
【0033】
軸受27は、軸受保持部26に嵌脱自在に嵌着される。
【0034】
回転清掃体28は、吸込室22に収容され、軸受27を介して軸受保持部26に保持される。また、回転清掃体28は、回転軸35と、回転軸35の一方側の端部近傍に設けられたプーリ36と、回転軸35の周壁部から螺旋帯状に突設された複数のブラシ毛37と、を備える。なお、回転清掃体28は、ブラシ毛37の他にゴムなどの弾性体で形成されたブレード(図示省略)を備えるものでも良い。回転軸35の両端部には、軸受27が回転自在に設けられる。
【0035】
駆動部29は、左右いずれか、例えば左側の機器収容室34bに収容される。駆動部29は、回転清掃体28を回動させる駆動源としての電動機38と、電動機38の駆動力を回転清掃体28のプーリ36に伝達するベルト39と、を備える。なお、回転清掃体28の駆動源は、電動機38に換えて吸込口体8に作用する負圧を利用して回転力を発生させるタービンを用いても良い。なお、回転清掃体28を回動させる駆動源として、蓋体33の適宜の位置に、吸込室22に連通された孔(図示省略)を設けてもよい。この孔は、吸込室22に作用する負圧によって孔を通じて吸込室22に吸い込まれる空気が、回転清掃体28のブラシ毛37やブレードに吹き付けられるように配置される。このような駆動源によれば、ブラシ毛37やブレードに吹き付けられた空気の反作用によって回転清掃体28が回動される。
【0036】
接続管部18は、本体部17の後部側の幅方向略中央部に配置される。また、接続管部18は、回動接続管部41と、傾動接続管部42と、を備える。回動接続管部41は、本体部17の後部側の幅方向略中央部に配置され、かつ吸込口体8の前後方向に沿う軸(X軸)回りに回動自在に枢支される。傾動接続管部42は、回動接続管部41に傾動自在に設けられる。すなわち、傾動接続管部42は、回動接続管部41の回転軸(X軸)に直交する軸回りに揺動自在に構成される。また、傾動接続管部42は、延長管7の自由端部に着脱自在に接続される。
【0037】
このように構成された吸込口体8は、延長管7から接続管部18を経て吸込室22に負圧を作用させる。この負圧は、吸込口21に作用し、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸込室22に吸い込む。吸込室22に吸い込まれた含塵空気は、接続管部18を経て延長管7に案内される。
【0038】
図3は、本発明の実施形態に係る吸込口体のバンパ部および軸受保持部の一例を示した平面図である。
【0039】
図4は、本発明の実施形態に係る吸込口体のバンパ部および軸受保持部の一例を部分的に示した図である。
【0040】
図3および図4に示すように、吸込口体8のバンパ部25および軸受保持部26は、一体に形成される。軸受保持部26は、軸受27を保持する部分の全てをバンパ部25と一体に備えても良く、また、軸受27を保持する部分の少なくとも一部をバンパ部25と一体に備えても良い。
【0041】
軸受保持部26は、軸受27を介して伝達される回転清掃体28のラジアル方向およびスラスト方向の力に抗して回転清掃体28を保持可能なように、凹没させて形成される。すなわち、軸受保持部26は、軸受27を保持する部分として、軸受27の前側に位置する前側壁45aと、軸受27の後側に位置する後側壁45bと、軸受27の上側に位置する上側壁45cと、軸受27の下側に位置する下側壁45dと、軸受27のスラスト方向に位置する底壁45eと、を備える。前側壁45a、後側壁45b、上側壁45cおよび下側壁45dは、軸受27のラジアル方向に位置する。
【0042】
本実施形態に係る軸受保持部26は、前側壁45a、後側壁45b、上側壁45c、下側壁45dおよび底壁45eの全ての部分をバンパ部25と一体に備えるものであるが、軸受27を介して伝達される回転清掃体28のラジアル方向およびスラスト方向の力の軽重によって、各壁45a、45b、45c、45d、45eのいずれかの部分を残して他の部分をケース24と一体に形成することもできる。
【0043】
図5および図6は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図である。なお、図5は、吸込口体8をXZ平面に平行な面で切断した断面を示した図であり、吸込口体8の右側に配置された軸受保持部26aを示した図である。図6は、吸込口体8をYZ平面に平行な面で切断した断面を示した図であり、吸込口体8の右側に配置された軸受保持部26aを示した図である。
【0044】
図5および図6に示すように、吸込口体8の蓋体33は、下ケース31の前部に着脱自在に装着され、バンパ部25、および軸受保持部26aのうちバンパ部25と一体に形成された部分を下ケース31とともに挟持する。具体的には、軸受保持部26aは、軸受27の側面を保持する前側壁45a、後側壁45b、上側壁45cおよび下側壁45dがバンパ部25と一体に形成される。また、軸受保持部26aは、軸受27の端面を保持する底壁45eがバンパ部25と一体に形成される。さらに、軸受保持部26aは、下ケース31に形成された複数のリブ47によって前後部および下部を保持され、下ケース31の上方に着脱自在に装着された蓋体33によって上部を保持され、下ケース31と蓋体33とで挟持される。
【0045】
また、蓋体33は、回転清掃体28に形成された鍔部48から離間させて回転清掃体脱落防止リブ49を備える。
【0046】
図7および図8は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図である。なお、図7および図8は、吸込口体8をXZ平面に平行な面で切断した断面を示した図であり、吸込口体8の左側に配置された軸受保持部26bを示した図である。
【0047】
図7および図8に示すように、吸込口体8の軸受保持部26bは、少なくとも軸受27の駆動部29側の側面を保持する後側壁45bがバンパ部25と一体に形成される。
【0048】
そして、図7に示すように、軸受保持部26bは、後側壁45bの他に前側壁45a、上側壁45cおよび下側壁45dをバンパ部25と一体に形成しても良い。
【0049】
また、図8に示すように、軸受保持部26bは、後側壁45bの他に上側壁45cおよび下側壁45dをバンパ部25と一体に形成しても良い。すなわち、駆動部29に近い側の軸受保持部26bは、回転清掃体28のプーリ36と駆動部29との間に掛けられたベルト39の張力によって、駆動部29の方向に付勢されるため、その反対側に位置する前側壁45aを蓋体33(または下ケース31)に形成した軸受保持リブ51で構成することができる。なお、ベルト39の張力を増すことで、蓋体33に形成された軸受保持リブ(図示省略)で上側壁45cを構成し、下ケース31に形成された軸受保持リブ(図示省略)で下側壁45dを構成することもできる。
【0050】
図9および図10は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図である。
【0051】
図9に示すように、吸込口体8の軸受保持部26aは、バンパ部25と一体に形成された部分であり、かつ軸受27に対向する内面側に凹凸52を備える。
【0052】
本実施形態に係る軸受保持部26aは、バンパ部25と一体に形成された前側壁45a、後側壁45b、上側壁45cおよび下側壁45dであり、かつ軸受27に対向する内面側に凹凸52を備える。
【0053】
なお、他方側の軸受保持部26bも同様に凹凸52を備えることができる。
【0054】
図10に示すように、吸込口体8の軸受保持部26aは、バンパ部25と一体に形成された部分であり、かつケース24に対向する外面側に凹凸53を備える。
【0055】
本実施形態に係る軸受保持部26aは、バンパ部25と一体に形成された前側壁45a、後側壁45b、上側壁45cおよび下側壁45dであり、かつケース24に対向する外面側に凹凸53を備える。
【0056】
なお、他方側の軸受保持部26bも同様に凹凸53を備えることができる。
【0057】
図11は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図である。
【0058】
図11に示すように、吸込口体8の軸受保持部26aは、軸受27の端面を保持する部分、すなわち底壁45eに凹凸54を備える。
【0059】
なお、他方側の軸受保持部26bも同様に凹凸54を備えることができる。
【0060】
図12は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の吸込口体の軸受保持部を示した断面図である。
【0061】
図12に示すように、吸込口体8の軸受保持部26は、バンパ部25と一体に形成された部分がバンパ部25に対し回転変位自在に設けられる。本実施形態に係る軸受保持部26は、バンパ部25と一体に形成された前側壁45a、後側壁45b、上側壁45c、下側壁45dおよび底壁45eの全体がバンパ部25に対し回転変位自在に設けられる。
【0062】
バンパ部25および軸受保持部26のうちバンパ部25と一体に形成された部分は、柔軟な材料を用いて形成されているので容易に変形が可能であり、軸受保持部26のうちバンパ部25と一体に形成された部分をバンパ部25に対して回転させることができる。
【0063】
ここで、回転清掃体28は、使用にともない繊維状の塵埃が絡まったり、綿埃がブラシ毛37に纏わり付くため、ケース24から取り外した状態で清掃し、再使用のためにケース24内に戻す必要がある。
【0064】
そこで、先ず、ケース24から蓋体33を離脱し、回転清掃体28を露出させる。次に、軸受27とともに回転清掃体28の一端を軸受保持部26bから抜き取る。例えば、図8に示すように構成された軸受保持部26bは、蓋体33を離脱することで、その前側壁45aが蓋体33とともに無くなり、軸受27を容易に抜き取ることができる。これにより、回転清掃体28の一端側の拘束が解かれる。
【0065】
そうすると、図12に示すように、軸受保持部26aは、その全体がバンパ部25に対し回転変位自在に設けられるので、軸受27を軸受保持部26aから容易に抜き取れる方向へ回転清掃体28および軸受27を適宜に指向できる。この状態で、軸受保持部26aから軸受27が抜き取られ、回転清掃体28をケース24から取り出すことができる。
【0066】
また、ケース24に回転清掃体28を戻すときは、この逆の方法で軸受27を軸受保持部26a、26bにそれぞれ嵌め込み、回転清掃体28をケース24内に納めることができる。
【0067】
本実施形態に係る吸込口体8によれば、ケース24と軸受27との間にケース24よりも柔軟な材料で形成された軸受保持部26(または軸受保持部26の一部)を介在させて回転清掃体28の回転による振動、振れ回りを低減し、かつケース24への振動の伝搬を抑制して騒音を小さくできる。これにより、吸込口体8は、近年の騒音が低減された掃除機本体2とともに騒音の小さい静寂な電気掃除機1を構成できる。
【0068】
また、本実施形態に係る吸込口体8によれば、軸受保持部26(または軸受保持部26の一部)をバンパ部25と一体に形成することが可能であり、従来の吸込口体のようにバネなどの別部材を必要とせず、当該別部材の脱落、紛失および掃除機本体2に吸い込んでしまうなどの不都合が生じる虞がない。
【0069】
さらに、本実施形態に係る吸込口体8によれば、軸受保持部26(または軸受保持部26の一部)をバンパ部25と一体に形成することにより、従来の吸込口体のようにバネなどの別部材をケース24(またはケース24に一体に形成された従来の軸受保持部)と軸受27との間に組み付け、または清掃のために分解、再組み立てするといった煩わしさがなく、組立性、保守性に優れた構造を有することができる。
【0070】
さらにまた、本実施形態に係る吸込口体8によれば、従来の吸込口体のようにバネなどの別部材をケース24(またはケース24に一体に形成された従来の軸受保持部)と軸受27との間に組み付ける場合に比べて、軸受保持部26のうち回転清掃体28の防振上、重要な部分を選択的にバンパ部25と一体に形成することが可能となり、より効果的に回転清掃体28の回転による振動、振れ回りを低減し、かつケース24への振動の伝搬を抑制して騒音を小さくできる。
【0071】
また、本実施形態に係る吸込口体8によれば、バンパ部25と一体に形成された軸受保持部26(または軸受保持部26の一部)の内面または外面に凹凸を設けることによってケース24または軸受27との間の支持剛性を適宜に設定し回転清掃体28の回転による振動、振れ回りを低減し、かつケース24への振動の伝搬を抑制して騒音を小さくできる。
【0072】
したがって、本発明に係る電気掃除機1および吸込口体8によれば、回転清掃体28の振動の防振や、振れ回りを確実に抑制できるとともに、組立性、保守性に優れた構成を備えることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 電気掃除機
2 掃除機本体
2a 集塵室
2b 接続口
3 集塵ホース
4 手元操作管
5 把持部
6 操作部
6a 停止スイッチ
6b 起動スイッチ
7 延長管
8 吸込口体
10 塵埃分離集塵部
12 電動送風機
13 制御部
14 電源コード
15 電源プラグ
17 本体部
18 接続管部
21 吸込口
22 吸込室
24 ケース
25 バンパ部
26、26a、26b 軸受保持部
27 軸受
28 回転清掃体
29 駆動部
31 下ケース
32 上ケース
33 蓋体
34a、34b 機器収容室
35 回転軸
36 プーリ
37 ブラシ毛
38 電動機
39 ベルト
41 回動接続管部
42 傾動接続管部
45a 前側壁
45b 後側壁
45c 上側壁
45d 下側壁
45e 底壁
47 リブ
48 鍔部
49 回転清掃体脱落防止リブ
51 軸受保持リブ
52、53、54 凹凸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に吸込口を有する箱状のケースと、
前記ケースよりも柔軟な材料で形成され、前記ケースの側部に設けられたバンパ部と、
前記ケースの内部に設けられた一対の軸受保持部と、
前記軸受保持部に嵌着された軸受と、
前記吸込口に配置され、前記軸受に回動自在に軸支された回転清掃体と、を備え、
前記軸受保持部は、前記軸受を保持する部分の少なくとも一部が前記バンパ部と一体に形成されたことを特徴とする吸込口体。
【請求項2】
前記ケースに着脱自在に装着され、前記軸受保持部のうち前記バンパ部と一体に形成された部分を前記ケースとともに挟持する蓋体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項3】
前記回転清掃体を回動させる駆動部と、
前記駆動部から前記回転清掃体に駆動力を伝達するベルトと、を備え、
前記軸受保持部は、前記軸受の前記駆動部側の側面を保持する部分が前記バンパ部と一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項4】
前記軸受保持部は、前記軸受の側面の全周を保持する部分が前記バンパ部と一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項5】
前記ケースに着脱自在に装着され、一方の前記軸受保持部のうち前記バンパ部と一体に形成された部分を前記ケースとともに挟持する蓋体を備え、
他方の前記軸受保持部は、前記軸受の側面の全周を保持する部分が前記バンパ部と一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項6】
前記回転清掃体を回動させる駆動部と、
前記駆動部から前記回転清掃体に駆動力を伝達するベルトと、を備え、
前記ベルトに近い側の前記軸受保持部は、前記軸受の前記駆動部側の側面を保持する部分が前記バンパ部と一体に形成され、
他方の前記軸受保持部は、前記軸受の側面の全周を保持する部分が前記バンパ部と一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項7】
前記軸受保持部は、前記軸受保持部のうち前記バンパ部と一体に形成された部分であり、かつ前記軸受に対向する内面側または前記ケースに対向する外面側に凹凸を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の吸込口体。
【請求項8】
前記軸受は前記軸受保持部に嵌脱自在に嵌着され、
前記軸受保持部は、前記軸受保持部のうち前記バンパ部と一体に形成された部分が前記バンパ部に対し回転変位自在に設けられ、
前記ケースから前記回転清掃体を着脱するに際し、前記軸受を前記軸受保持部に嵌脱可能な方向へ前記回転清掃体を指向可能なことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項9】
前記軸受保持部は、前記軸受の端面を保持する部分が前記バンパ部と一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項10】
前記軸受保持部は、前記軸受の端面を保持する部分に凹凸を備えたことを特徴とする請求項9に記載の吸込口体。
【請求項11】
掃除機本体と、
請求項1から10のいずれか1項に記載の吸込口体と、を備えたことを特徴とする電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−273965(P2010−273965A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131005(P2009−131005)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】