説明

吹送−引送システム

被験者を吹送−引送するシステム及び方法は、吹送―引送の間、強化されたセットの呼吸パラメータの監視及び/又は制御を可能にする。当該システム及び/又は方法は、自動トリガ及び/又は吹送―引送の介護者への通知を含む。被験者の吹送―引送は、軟化された分泌物を気道の上方へ動かすことなく被験者の気道内の分泌物を軟化する分泌物軟化ルーチンの後である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吹送―引送システム、特に患者の吹送―引送システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
気道内に蓄積する分泌物を除去するためにベンチレーション患者を吹送―引送するためのシステムは、既知である。一般に、これらのシステムは、患者を換気するために使用されるベンチレーションシステムとは別であり、患者は手動でベンチレーションシステムを切り離し、吹送―引送システムを接続し、吹送−引送し、その後、ベンチレーションシステムを再び取り付けなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の吹送―引送システムは、手動操作を必要とし、吹送―引送の間、患者への、また患者からのガスの流れにわたる制御をほとんど提供しない比較的初歩の装置である傾向がある。例えば、典型的な吹送―引送システムは、正圧が患者を吹送するために所定時間の間の患者の気道に付与され、負圧が患者を引送するために所定時間の間の患者の気道に付与される吹送―引送サイクルを、ユーザ(例えば、介護者)が開始可能にするためのインターフェイスを提供する。既定のタイミング並びに最大及び最小の圧力だけが、通常、患者の気道へのガスの送出又は患者の気道からのガスの引き出しのユーザにより設定可能であるパラメータである。吹送―引送の間の患者の気道の範囲内のガスの他のパラメータ(例えば、流れ(フロー)波形形状、最大の流れ(フロー)、呼吸ボリューム等)は、治療を最適化するためにユーザにより制御できない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、被験者の気道から分泌物を抽出するように設定されるシステムに関する。一つの実施例では、システムは、回路及びプロセッサを有する。当該回路は、圧力回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御するように設定される。当該プロセッサは、(i)軟化サイクルの間、被験者の気道内の圧力の変動が、被験者の気道上方へ分泌物を動かすことなく、被験者の気道内の分泌物を軟化させるような複数の軟化サイクルの間、被験者の気道内の圧力を上下に変動させ、(ii)所与の吹送―引送サイクルで患者を吹送及び引送させ、これにより分泌物を被験者の気道上方へ移動させるように、一つ以上の吹送―引送サイクルの間、被験者の気道内の圧力を変動させることにより、前記圧力制御回路により生成されるガスの流れが被験者の気道上方へ分泌物を動かすように前記圧力制御回路を制御するように設定される。
【0005】
本発明の他の観点は、分泌物を被験者の気道から抽出する方法に関する。一つの実施例では、当該方法は、被験者の気道内の圧力が、複数の軟化サイクルの間、上下に変動されるように、被験者の気道にガスを送ることにより分泌物を抽出することなく、被験者の気道内の分泌物を軟化するステップと、気道内の圧力は、一つ以上の吹送―引送サイクルの間、正圧と負圧との間で被験者の気道内の圧力を交替して、これにより、被験者の気道から分泌物を抽出するように、被験者の気道へガスを送ることにより、患者の気道から分泌物を抽出するために、被験者を吹送―引送するステップとを有する。
【0006】
本発明の更に他の観点は、分泌物を被験者の気道から抽出するシステムに関する。一つの実施例では、当該システムは、被験者の気道内の圧力が、複数の軟化サイクルの間、上下に変動されるように、被験者の気道にガスを送ることにより分泌物を抽出することなく、被験者の気道内の分泌物を軟化するための手段と、気道内の圧力は、一つ以上の吹送―引送サイクルの間、正圧と負圧との間で被験者の気道内の圧力を交替して、これにより、被験者の気道から分泌物を抽出するように、被験者の気道へガスを送ることにより、患者の気道から分泌物を抽出するために、被験者を吹送―引送するための手段とを有する。
【0007】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送するシステムに関する。一つの実施例では、当該システムは、回路と、一つ以上のセンサと、プロセッサとを有する。前記回路は、圧力制御回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御するように設定される。前記一つ以上のセンサは、前記圧力制御回路内のガスの圧力に関係する情報に加えて、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータに関係する情報を伝達する出力信号を生成する、前記圧力制御回路内のガスと連通する。前記プロセッサは、被験者を吹送−引送するため前記圧力制御回路を制御し、前記プロセッサは、前記一つ以上のセンサにより生成される前記出力信号を受信し、吹送―引送の間、前記圧力制御回路を制御する際に、前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータに関係する一つ以上の出力信号で伝達される情報を実行する。
【0008】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送する方法に関する。一つの実施例では、当該方法は、被験者を吹送−引送するために患者の気道内のガスの流れを制御する制御ステップであって、圧力制御回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御する前記圧力制御回路により、患者の気道内のガスの流れが制御される当該制御ステップと、前記圧力制御回路内のガスの圧力に関係する情報に加えて、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータを監視する監視ステップと、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータに基づいて、被験者の吹送―引送の間、前記圧力制御回路の動作を調整する調整ステップとを有する。
【0009】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送するシステムに関する。一つの実施例では、当該システムは、被験者を吹送−引送するために患者の気道内のガスの流れを制御する制御手段であって、圧力制御回路内のガスの圧力に関係する情報に加えて、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータにより、患者の気道内のガスの流れが制御される当該制御手段と、前記圧力制御回路内のガスの圧力に関係する情報に加えて、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータを監視する監視手段と、前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータに基づいて、被験者の吹送―引送の間、前記圧力制御回路の動作を調整する調整手段とを有する。
【0010】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送するシステムに関する。一つの実施例では、当該システムは、回路とプロセッサとを有する。前記回路は、前記回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御するように設定されている。前記プロセッサは、被験者の呼吸器系のガスの一つ以上のキーパラメータに対するベースライン測定値を決定し、被験者の呼吸器系のガスの前記一つ以上のキーパラメータが前記ベースライン測定値を超えないように被験者を吹送−引送するために前記回路を制御するように設定されている。
【0011】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送する方法に関する。一つの実施例では、当該方法は、被験者の呼吸器系内のガスの一つ以上のキーパラメータに対するベースライン測定値を決定するステップと、被験者の呼吸器系内のガスの前記一つ以上のキーパラメータが吹送―引送の間、前記ベースライン測定値を超えないように被験者を吹送−引送するステップとを有する。
【0012】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送するシステムに関する。一つの実施例では、当該システムは、被験者の呼吸器系内のガスの一つ以上のキーパラメータに対するベースライン測定値を決定するための手段と、被験者の呼吸器系内のガスの前記一つ以上のキーパラメータが吹送―引送の間、前記ベースライン測定値を超えないように被験者を吹送−引送するための手段とを有する。
【0013】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送するシステムに関する。一つの実施例では、当該システムは、回路と、一つ以上のセンサと、プロセッサとを有する。前記回路は、前記回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御するように設定される。前記センサは、被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータに関係する情報を伝達する一つ以上の出力信号を生成するように設定される。前記プロセッサは、前記一つ以上の出力信号を受信し、被験者を吹送−引送するために前記回路を制御するように設定されている。幾つかの例では、前記プロセッサは、分泌物検出モジュールと吹送引送モジュールとを有する。前記分泌物検出モジュールは、被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータに関係する情報を監視し、被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータに関係する情報に基づいて被験者の気道内の分泌物の蓄積を識別する。前記吹送引送モジュールは、ユーザからの介入なしに吹送−引送ルーチンを開始するように前記回路を制御するために、前記分泌物検出モジュールによる被験者の気道内の分泌物の識別が吹送引送モジュールをトリガするように、前記分泌物検出モジュールにより被験者の気道内の蓄積された分泌物の識別に基づいて、被験者を吹送−引送する吹送−引送ルーチンを開始するために前記回路を制御するように設定されている。
【0014】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送する方法に関する。一つの実施例では、当該方法は、被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータを監視するステップと、被験者の気道内のガスの前記一つ以上のパラメータに基づいて、被験者の気道内の分泌物の蓄積を自動的に識別するステップと、ユーザからの介入なしに、被験者の気道内の蓄積された分泌物の識別に基づいて、被験者を吹送−引送する吹送−引送ルーチンをトリガするステップとを有する。
【0015】
本発明の更に他の観点は、被験者を吹送−引送するシステムに関する。一つの実施例では、当該システムは、被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータを監視するための手段と、被験者の気道内のガスの前記一つ以上のパラメータに基づいて、被験者の気道内の分泌物の蓄積を自動的に識別するための手段と、ユーザからの介入なしに、被験者の気道内の蓄積された分泌物の識別に基づいて、被験者を吹送−引送する吹送−引送ルーチンをトリガするための手段とを有する。
【0016】
本発明のこれら及び他の目的、特徴並びに特性だけでなく、動作方法、構造の関連要素の機能、部品の組み合わせ及び製造の経済性は、添付の図面を参照して、以下の説明及び添付の請求項を考慮してより明らかになり、これらの全ては、この明細書の一部を形成し、類似の参照符号は様々な図の対応する部品を示す。しかしながら、図面が図例及び説明のためだけであって、本発明の限界を規定するものとして意図されていないことは、はっきりと理解されるべきである。明細書及び請求項に用いられているような、「a」、「an」及び「the」の単数形は、明確に明示しない限り複数を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の一つ以上の実施例による、被験者を吹送−引送するように設定されるシステムを模式的に図示する。
【図2】図2は、本発明の一つ以上の実施例による、軟化及び吹送―引送ルーチンの間の患者の気道でのガスの圧力のプロット線を図示する。
【図3】図3は、本発明の一つ以上の実施例による、軟化及び吹送―引送ルーチンの間の患者の気道でのガスのフローレートのプロット線を図示する。
【図4】図4は、本発明の一つ以上の実施例による、被験者を吹送−引送する方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、被験者12を吹送−引送(吹引送)するように設定されるシステム10を図示する。システム10の部品の構成は、強化された効率、強化された精度、ユーザ(例えば、介護者等)に対する強化された便宜、及び/又は他の強化を持って、被験者12を吹引送可能にする。特に、システム10は、吹引送ルーチンを通じて、分泌物を気道の上方へ(例えば、口の方へ)動かす前に、被験者12内の分泌物を初めに軟化する既定のルーチンを実行するように設定される。
【0019】
第1の実施例では、システム10は、被験者12の気道を通るガスの流れのパラメータに基づいて、自動的に軟化ルーチン及び/又は吹引送ルーチンを開始する。第2の実施例では、システム10は、分泌物軟化及び/又は吹引送の間、被験者12の気道から引き出されるガスの流れのパラメータを監視する。第3の実施例では、システム10は、被験者12の吹引送の用途だけを供給する独立型吹引送装置である。第4の実施例では、システム10は、被験者12のために機械的に呼吸できるベンチレータに通常は起因する他の機能に関連した、吹引送機能を供給する。システム10は、被験者12が(例えば、システム10又は別のベンチレータにより)機械的に換気される事例で、及び/又は被験者12が機械的に換気されない事例で被験者12を吹引送するように実行される。第5の実施例では、システム10は、他の部品の中でも特に、インターフェイス回路14、正圧生成回路16、負圧生成回路18、電子的記憶装置20、ユーザインターフェイス22及びプロセッサ24を含む。
【0020】
インターフェイス回路14は、被験者12の気道へガスを運び、被験者12の気道からガスを受けるように設定される。一つの実施例では、インターフェイス回路14は、導管26及び被験者インターフェイス機器28を含む。導管26は、それを通じてガスを運ぶことができる可撓性の導管である。被験者インターフェイス機器28は、導管26と被験者12の気道との間でガスを通気するための侵襲性又は非侵襲性の機器を含む。例えば、被験者インターフェイス機器28は、鼻マスク、鼻/口のマスク、顔全体のマスク、鼻カニューレ、気管内チューブ又は気管チューブを含む。被験者インターフェイス機器28は、インターフェイス機器28を被験者12から取り外したり、被験者12に固定するための取付ストラップ又はハーネスのようなヘッドギアアセンブリを含んでもよい。
【0021】
正圧生成回路16は、正圧を制御可能に生成するように設定される。正圧生成回路16により生成される正圧は、インターフェイス回路14により被験者12の気道に供給され、結果的に被験者12の気道内を正圧にする。一つの実施例では、正圧生成回路16は、導管30及び正圧生成器32を含む。
【0022】
導管30は、正圧生成器32とインターフェイス回路14との間でガスを通気する導管(例えば、可撓性の導管)である。例えば、導管30は、両端部でインターフェイス回路14の導管26及び正圧生成器32に接続可能である。
【0023】
正圧生成器32は、導管30に供給される正圧を制御可能に生成する。一つの実施例では、正圧生成器32は、加圧ガスの一つ以上の源と、正圧生成器32から加圧ガスの開放を制御するための一つ以上のバルブとを含む。非限定的な例として、加圧ガスの一つ以上の源は、壁―ガス供給源、ブロワー、ガスの加圧タンク若しくは容器、ピストン、ダイアフラム及び/又はガスの他の加圧源の一つ以上を含む。一つの実施例では、加圧ガスの一つ以上の源は、正圧生成器32内で(例えば、既定の濃度で)混合される異なる成分を持つガスの2つ以上の別々の源を含む。例えば、加圧ガスの一つ以上の源は、空気及び酸素を含む。
【0024】
一つの実施例では、システム10は、正圧生成回路16内でガスと通気する一つ以上のセンサ34を含む。センサ34は、正圧生成回路16内でガスの一つ以上のパラメータに関係する情報を伝達する出力信号を生成するように設定される。一つ以上のパラメータは、圧力、フローレート、ガス内の一つ以上の分析物の濃度、流れのプロフィール、圧力プロフィール及び/又は他のパラメータの一つ以上を含む。センサ34が導管30に位置されるように図示されているが、これは単なる図示の目的のためである。一つの実施例では、少なくとも一つのセンサ34は、正圧生成器32内のガスと通気して配置される。
【0025】
負圧生成回路18は、負圧を制御可能に生成するように設定される。負圧は、インターフェイス回路14を介して被験者12の気道と通気され、これによって、被験者12の気道からガスの流れを引き出す。一つの実施例では、負圧生成回路18は、導管36及び負圧生成器38を含む。
【0026】
導管36は、負圧生成器38とインターフェイス回路14との間でガスを通気する導管(例えば、可撓性の導管)である。例えば、導管36は、両端部で、インターフェイス回路14の導管26及び負圧生成器38と接続可能である。図1はシステム10を2肢のベンチレーションシステムとして描いているにもかかわらず、幾つかの実施例では、システム10は、導管30及び36が同一の物理的導管で具現される単一肢のシステムとして実行されることも理解されるべきである。
【0027】
負圧生成器38は、導管36に通気される負圧を制御可能に生成する。一つの実施例では、負圧生成器38は、負圧の一つ以上の源及び/又は導管36への負圧の通気を制御する一つ以上のバルブを含む。非限定的な例として、負圧生成器38は、ブロワー、真空ポンプ、ベンチュリ管、ピストン、ダイアフラム、壁負圧源及び/又は負圧の他の源の一つ以上を含む。一つの実施例では、導管36は一方の端部で正圧生成器32の吸気口と接続され、負圧生成器38は正圧生成器32と同じ装置(例えば、ブロワー)を含む。
【0028】
一つの実施例では、システム10は、負圧生成回路18内のガスと通気する一つ以上のセンサ40を含む。センサ40は、負圧生成回路18内のガスの一つ以上のパラメータに関係する情報を伝達する出力信号を生成するように設定される。一つ以上のパラメータは、圧力、フローレート、ガス内の一つ以上の分析物の濃度、流れのプロフィール、圧力プロフィール及び/又は他のパラメータの一つ以上を含む。センサ40が導管36に位置されるように図示されているが、これは単なる図示の目的のためである。一つの実施例では、センサ40の少なくとも1つは、負圧生成器38内のガスと通気して配置される。更に、一つ以上のセンサ40又はセンサ34は、インターフェイス回路26内にあるガスと通気する。
【0029】
一つの実施例では、電子記憶装置20は、情報を電子的に格納する電子記憶メディアを有する。電子記憶装置20の電子記憶メディアは、システム10と一体的に(すなわち、実質的に取り外し不可能に)供給されるシステム記憶装置、及び/又は例えばポート(例えば、USBポート、ファイヤワイヤポート等)若しくはドライブ装置(例えば、ディスク駆動装置等)を介して、システム10に着脱自在に接続可能である着脱自在な記憶装置の一方又は両方を含む。電子記憶装置20は、光学的に読み取り可能な記憶メディア(例えば、光ディスク等)、磁気的に読み取り可能な記憶メディア(例えば、磁気テープ、磁気ハードディスク、フロッピー(登録商標)ドライブ等)、電気的充電ベースの記憶メディア(例えば、EEPROM、RAM等)、ソリッドステート記憶メディア(例えば、フラッシュドライブ等)及び/又は他の電子的に読み取り可能な記憶メディアの一つ以上を含む。電子記憶20は、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサ24により決定される情報、ユーザインターフェイス22を介して受け取られる情報、センサ34及び/若しくはセンサ40により生成される信号に関する情報、並びに/又はシステム10を適切に機能可能にする他の情報を格納する。電子記憶20は、システム10内の別々の部品でもよいし、又は電子記憶20は、システム10の一つ以上の他の部品(例えば、プロセッサ24)と一体的に供給されてもよい。
【0030】
ユーザインターフェイス22は、システム10とユーザ(例えば、被験者12に対する介護者、被験者12等)との間のインターフェイスを提供するように設定され、インターフェイスを介してユーザは、情報をシステム10に提供したり、システム10から情報を受け取る。これは、集合的に「情報」と呼ばれるデータ、結果及び/又は命令が、ユーザと、正圧生成回路32、負圧生成回路38、プロセッサ24及び/又はシステム10の他の部品の一つ以上との間を通信可能にする。ユーザインターフェイス22に含まれるのに適しているインターフェイス装置の例は、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイ画面、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロホン、指標ライト、可聴アラーム及びプリンタを含む。一つの実施例では、ユーザインターフェイス22は、実際に複数の別々のインターフェイスを含む。
【0031】
他の通信技術、有線又は無線もユーザインターフェイス22として本発明により考察されることは理解されるべきである。例えば、本発明は、ユーザインターフェイス22が電子記憶装置20により供給される着脱可能な記憶インターフェイスと一体化されることを考察する。この例では、システム10の実行をユーザがカスタマイズ可能にする着脱可能な記憶装置(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、着脱可能なディスク等)からの情報が、システム10にロードされる。ユーザインターフェイス22としてシステム10との使用に適応する他の例示的な入力装置及び技術は、RS―232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル又はその他)を含むが、これに限定されるものではない。要するに、システム10と情報を通信するための任意の技術は、ユーザインターフェイス22として、本発明により考察される。
【0032】
プロセッサ24は、システム10内の情報処理機能を提供するように設定される。このように、プロセッサ24は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態マシーン及び/又は情報を電子的に処理するための他のメカニズムの一つ以上を含む。プロセッサ24は単一の構成要素として図1に示されるが、これは単なる例示目的である。幾つかの実行において、プロセッサ24は、複数の処理ユニットを含む。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に位置されてもよいし、又はプロセッサ24は協働して動作する複数の装置の処理機能を表してもよい。
【0033】
図1に示されるように、一つの実施例では、プロセッサ24は、陽のフローパラメータモジュール42、負のフローパラメータモジュール44、気道パラメータモジュール46、分泌物軟化モジュール48、吹引送モジュール50、ベースラインモジュール52、分泌物検出モジュール54及び/又は他のモジュールを含む。モジュール42、44、46、48、50、52及び/又は54は、ソフトウェアか、ハードウェアか、ファームウェアか、ソフトウェア、ハードウェア及び/若しくはファームウェアの幾つかの組合せか、並びに/又はそれ以外で実行されてもよい。モジュール42、44、46、48、50、52及び54は単一の処理ユニット内で同じ位置に配置されて図1に図示されるが、プロセッサ24が複数の処理ユニットを含む実行では、モジュール42、44、46、48、50、52及び/又は54が他のモジュールから遠隔に位置されてもよいことは、理解されるべきである。更に、モジュール42、44、46、48、50、52及び/又は54の何れかのモジュールが説明されているよりも多少の機能を供給してもよいので、以下に説明される異なるモジュール42、44、46、48、50、52及び/又は54により供給される機能の説明は、例示目的であって、限定する意図はない。例えば、モジュール42、44、46、48、50、52及び/又は54の一つ以上は除去されてもよく、その機能の一部又は全ては、モジュール42、44、46、48、50、52及び/又は54の他のモジュールにより供給されてもよい。別の例として、プロセッサ24は、モジュール42、44、46、48、50、52及び/又は54の1つに属する下記の機能の一部又は全てを実施する一つ以上の追加モジュールを含んでもよい。
【0034】
陽のフローパラメータモジュール42は、正圧生成回路16又は被験者12の気道内のガスの一つ以上のパラメータを決定するように設定される。正圧生成回路16内のガスの一つ以上のパラメータの決定は、センサ34により生成される出力信号に基づいて決定され、当該出力信号はセンサ34からプロセッサ24までシステム10内で通信される。陽のフローパラメータモジュール42により決定される一つ以上のパラメータは、圧力、フローレート、ガス内の一つ以上の分析物の濃度、流れのプロフィール、圧力プロフィール、気道抵抗、肺圧縮率、呼吸ボリューム及び/又は他のパラメータの一つ以上を含む。
【0035】
負のフローパラメータモジュール44は、負圧生成回路18内のガスの一つ以上のパラメータを決定するように設定される。負圧生成回路18内のガスの一つ以上のパラメータの決定は、センサ40により生成される出力信号に基づいて決定され、当該出力信号はセンサ40からプロセッサ24へシステム10内で通信される。負のフローパラメータモジュール44により決定される一つ以上のパラメータは、圧力、フローレート、ガス内の一つ以上の分析物の濃度、流れのプロフィール、圧力プロフィール、気道抵抗、肺圧縮率、呼吸ボリューム及び/又は他のパラメータの一つ以上を含む。
【0036】
気道パラメータモジュール46は、被験者12の気道内のガスの一つ以上のパラメータを決定するように設定される。気道パラメータモジュール46により作られる一つ以上のパラメータの決定は、正圧生成回路16及び/若しくは負圧生成回路48の一方又は両方の中のガスのパラメータに基づいて、センサ34及び/又は40により生成される出力信号に基づいて、被験者12(図示せず)の気道若しくはその近くに配置されたセンサの直接の測定に基づいてなされるか、又はそれ以外で決定される。気道パラメータモジュール46により決定される一つ以上のパラメータは、圧力、フローレート、ガス内の一つ以上の分析物の濃度、流れのプロフィール、圧力プロフィール、気道抵抗、肺圧縮率、呼吸ボリューム及び/又は他のパラメータの一つ以上を含む。
【0037】
分泌物軟化モジュール48は、既定の軟化ルーチンに従って被験者12の気道へガスを送出するか、及び/又はガスを引き出すために、正圧生成回路16及び負圧生成回路18を自動制御するように設定される。軟化ルーチンは、被験者12の気道上方へ分泌物の実質的な量を移動させることなく、被験者12の気道内の分泌物を軟化するように設計されている。分泌物を軟化させるために、本発明の一つの実施例は、ガスを被験者12の気道内で前後に流し、これによって、分泌物を軟化させるように、被験者12の気道内のガスの圧力及び/又は流れが、複数の軟化サイクルの間、周期的な態様で変化する軟化ルーチンを供給することを考察する。
【0038】
一つの実施例では、分泌物軟化モジュール48は、所与の軟化サイクルの間、最小圧力及び最大圧力並びに/又は最小限のフローレート及び最大フローレートがサイクル期間にわたって達成されるように、被験者12の気道のガスの圧力及び/若しくはフローレートの一方又は両方を自動制御する。軟化ルーチンのサイクル期間は、既定されている。一つの実施例では、所与の軟化サイクルで、最小フローレートと最大フローレートとの間のフロー及び/若しくは最小圧力と最大圧力との間の圧力の一方又は両方のプロフィールは、既定されている。
【0039】
吹引送モジュール50は、吹引送ルーチンに従って被験者12の気道へガスを送出し、及び/又はガスを取り出すため、正圧生成回路16及び負圧生成回路18を自動制御するように設定される。吹引送ルーチンは、分泌物が被験者12の気道から除去できるように、被験者12の気道から上方へ(例えば、口の方へ)分泌物を動かすように設計されている。軟化された分泌物を気道の上方へ動かすために、吹引送モジュール50は、被験者12の気道内のガスの圧力及び/又はガスの流れを一つ以上の吹引送サイクルの間、周期的な態様で変化させる。
【0040】
1つの例示的な実施例では、吹引送モジュール50は、所与の吹引送サイクルの間、最小圧力及び/若しくは最大圧力、並びに/又は最小のフローレート及び最大フローレートがサイクル期間で達成されるように、被験者12の気道のガスの圧力及び/若しくはフローレートの一方又は両方を自動制御する。吹引送ルーチンの吹引送サイクルのサイクル期間は、既定されている。一つの実施例では、所与の吹引送サイクルで、最小フローレートと最大フローレートとの間のフロー及び/若しくは最小圧力と最大圧力との間の圧力の一方又は両方のプロフィールは、既定されている。理解されるように、吹引送サイクルの間、最小圧力と最大圧力との間の差は、被験者12の気道の上方に分泌物を引き出す被験者12の気道から外への過渡状態流れ(すなわち、負の流れ)を引き起こす。この流れが吹引送サイクルの移動力を供給するので、一つの実施例では、ガスの最小のフローレートは、既定されていて(例えば、より高いフローレートは、より多くの分泌物を気道の上方に更に引き出す傾向がある)、最大フローレートは問題とはならない。
【0041】
吹引送サイクルが、軟化サイクルでのような単なる軟化分泌物よりはむしろ、気道の上方に分泌物を動かすように設計されているので、吹引送サイクルの間の被験者12の気道のガスの圧力及び/又はフローレートの変化は、軟化サイクルの間の振動よりもより大きく、及び/又は延長されるだろう。特に、負の流れは、通常は、想定された咳を生成することにより、気道に沿って分泌物を動かすために、より大きいだろう。実例として、図2は、被験者の気道のガスの圧力プロフィールのプロット線を示す。このプロフィールは、軟化ルーチン58及び吹引送ルーチン60の間、被験者の気道に存在する圧力を含む。
【0042】
図2で分かるように、軟化ルーチン58は、複数の軟化サイクル62を含み、各軟化サイクルは、最小圧力及び最大圧力を含み、サイクル期間の間に起こる。同様に、吹引送ルーチン60は、複数の吹引送サイクル64を含む。各吹引送サイクル64で、最大圧力及び最小圧力が、サイクル期間で達成される。
【0043】
軟化ルーチン58の比較的短いサイクル期間は、被験者の気道内の分泌物を圧力の変動と気道内でのガスの対応する前後の流れとにより軟化されるように設計されている。しかしながら、軟化ルーチン58の間に生成される圧力により生じる流れが比較的低く、正の流れと負の流れとの間でバランスされているので、かなりの量の軟化された分泌物は、軟化ルーチン58の間、気道の上方に移動されない。吹引送ルーチン60を始める前に、この態様で分泌物を軟化することは、最終的に被験者の気道から引き出される分泌物の量を強化する。
【0044】
対照的に、吹引送ルーチン60のサイクル期間は、比較的長くなり、吹引送サイクル64の間に達成される最小圧力及び/又は最大圧力は、軟化サイクル62の間に達成されるものより極度に大きい傾向がある。長くなったサイクル期間及び極度に大きな圧力の最小及び最大は、気道を通って流れるガスにより、軟化された分泌物を被験者12の気道の上方へ実際に引き上げ可能にする一連の高い咳のようなガスの流れを作る。特に、これが被験者の気道から外へ分泌物を動かすために必要な過渡状態の高い流れをもたらすので、被験者の気道の圧力差は、吹引送ルーチン60に対して極度に大きいか(例えば、最大と最小との間で大きな差がある)、及び/又はより長くなっている。
【0045】
図3は、軟化ルーチン58及び吹引送ルーチン60の間、患者の気道を通るガスのフローレートのプロフィールのプロット線を示す。図3で分かるように、各軟化サイクル62は、最小のフローレート及び最大のフローレートを含む。同様に、各吹引送サイクル64で、最大のフローレート及び最小のフローレートは、サイクル期間で達成される。圧力の場合、フローレートの極度の大きさ、特に、被験者の肺から呼気される流れのガスである最小のフローレートは、軟化サイクル62の間よりも、吹引送サイクル64の間で、極度な大きさである。分泌物が、吹引送ルーチン60の間に作られる比較的極度の最小のフローレートにより抽出される前に、軟化ルーチン58の間で先ず軟化されるので、これは、被験者の気道の上方への分泌物の動きを強化する。
【0046】
図1へ戻ると、軟化ルーチン及び吹引送ルーチンに従って、正圧生成回路16及び/又は負圧生成回路18を制御する際、分泌物軟化モジュール48及び/又は吹引送モジュール50は、正の流れパラメータモジュール42、負の流れパラメータモジュール44及び/又は気道パラメータモジュール46の一つ以上により決定される一つ以上のガスパラメータを実行する。特に、負の流れパラメータモジュール44により決定される及び/又は気道パラメータモジュール46により決定されるパラメータの実行は、これらのパラメータの正確な決定を可能にするセンサを含まない従来のシステムを超えた強化を提供する。
【0047】
例として、一つの実施例では、負圧パラメータモジュール44は、負圧生成回路18内のガスのフローレート及び/又は圧力を決定する。これは、分泌物軟化モジュール48及び/又は吹引送モジュール50が、負圧生成回路18を介して被験者12の気道から取り出されるガスの圧力、圧力プロフィール、フローレート、流れのプロフィール、及び/又はボリュームを正確に制御可能にする。対照的に、従来の吹引送システムは、被験者12から取り出されるガスのこれらのパラメータを決定せず、既定のタイミング(例えば、既定量の時間の正の圧力、既定量の時間の負の圧力)に基づいて制御される吹引送サイクルを供給するだけであり、正及び負の圧力をプリセットする。分泌物軟化モジュール48及び/又は吹引送モジュール50に利用可能である負圧生成回路18内のガスのパラメータのおかげで、軟化モジュール48及び/又は吹引送モジュール50により実行される軟化ルーチン及び/又は吹引送ルーチンは、より効果的で快適で及び/又は自動化された態様で、分泌物を取り出すために、被験者12の気道へガスを供給し、被験者12の気道からガスを取り出すために調整される。
【0048】
ベースラインモジュール52は、システム10内のガス及び/又は被験者12の呼吸器系内のガスのキーパラメータがベースライン測定値を交差しないことを保証するように設定される。例えば、キーパラメータは、被験者12の呼吸器系内の圧力、被験者12の気道でのフローレート、被験者12の呼吸器系内のボリューム、及び/又は他のパラメータの一つ以上を含む。システム10内のガス及び/又は被験者12の呼吸器系内のガスのキーパラメータがベースライン測定値を交差させないことは、患者の快適さ、吹引送の効果、換気の効果、並びに/又は吹引送及び/若しくは換気の他の観点を強化する。
【0049】
ベースラインモジュール52は、キーパラメータがベースライン測定値と交差しないことを保証するように、分泌物軟化モジュール48及び/又は吹引送モジュール50により実行される軟化ルーチン及び/又は吹引送ルーチンを設定する。一つの実施例では、ベースラインモジュール52は、最大圧力、最小圧力、最大フローレート(例えば、最大吹送フローレート)、最小フローレート(例えば、最大引送フローレート)、圧力プロフィール、流れのプロフィール、吹送ボリューム、引送ボリューム、及び/又はキーパラメータがベースライン測定値と交差しないように、軟化ルーチン及び/又は吹引送ルーチンの他のパラメータの一つ以上を含む軟化ルーチン及び/又は吹引送ルーチンを決定する。
【0050】
キーパラメータが被験者12の肺内の最小圧力である非限定的例により、ベースラインモジュール52は、軟化及び/又は吹引送のサイクルの間、被験者12の肺へ供給されるガスのボリュームが、軟化及び/又は吹引送の同じサイクルの間、被験者12の肺から除去されるガスのボリュームと所定の関係を持つように、軟化ルーチン及び/又は吹引送ルーチンを設定する。例えば、供給されるガスのボリュームは、除去されるガスのボリュームより(例えば、既定の量だけ)大きいか、除去されるガスのボリュームと実質的に等しいか、又はベースライン圧力に関係して制御される圧力を被験者12の肺が保持可能にする既定の量だけ、除去されるガスのボリュームより少ない。
【0051】
ベースラインモジュール52は、分泌物軟化モジュール48及び/又は吹引送モジュール50による軟化及び/又は吹引送の間、被験者12への治療の供与を監視し、圧力、フローレート、及び/又はベースライン測定値が交差しないことを保証するために被験者12へ供給されるガス及び/又は被験者12から引き出されるガスの他のパラメータの一つ以上を動的に調整する。例えば、キーパラメータが被験者12の肺内の最小圧力である場合、ベースラインモジュール52は、被験者12へ供給されるガス及び/又は被験者12から引き出されるガスのボリューム(例えば、フローレートを通じて)を監視する。この監視に基づいて、ベースラインモジュール52は、被験者12へ供給される治療を変えて、被験者12の気道から引き出されるガスのボリュームは、被験者12の気道へ以前供給されたガスのボリュームとのある既定の関係に達する(近づく)べきである。被験者12の気道へ供給されるガスのボリュームと、被験者12の気道から引き出されるガスのボリュームとの間の既定の関係は、既定の差(例えば、気道へ供給されるボリュームが気道から引き出されるボリュームを超える既定の量)であるか、又は実質的に等しい。
【0052】
ベースラインモジュール52の機能の幾つか又は全てがモジュール42、44及び/又は46の一つ以上により決定されるパラメータにより促進されることは、理解されるべきである。特に、負圧生成回路18と関連する、センサ40により生成される出力信号に基づいて決定される(例えば、モジュール44及び/又は46の一方又は両方により決定される)パラメータは、従来の吹引送システムで利用可能ではない情報をベースラインモジュール52へ供給する。
【0053】
一つの実施例では、キーパラメータ及び/又はベースライン測定値は、被験者毎に及び/又は処置毎に基づいて変化する。これを実行するため、キーパラメータ及び/又はベースライン測定値の一方又は両方が、ユーザ(例えば、介護者)により選択的に設定可能である。ユーザは、ユーザインターフェイス22を通じて、キーパラメータ及び/又はベースライン測定値を設定するためのメカニズムを具備する。例えば、ユーザインターフェイス22は、ユーザが、キーパラメータ及び/又は入力を選択できるようにするか、又はキーパラメータに対するベースライン測定値を調整可能にするグラフィカルユーザインターフェイスを含む。上記キーパラメータの議論は、対応するベースライン測定値を持つ複数のキーパラメータがベースラインモジュール52により実行されるという点で、限定する意図はないことは理解されるべきである。
【0054】
分泌物検出モジュール54は、被験者12の気道内の分泌物の蓄積を自動的に識別するため換気の間、被験者12の気道へ供給され、被験者12の気道から受けられるガスの一つ以上のパラメータを監視するように設定される。一つの実施例では、システム10は、分泌物検出モジュール54による被験者12の気道内の分泌物の蓄積の識別が、識別された分泌物を気道の上方へ移動させる吹引送ルーチンをトリガするように設定される。例えば、被験者12の気道内の分泌物の蓄積は、分泌物軟化モジュール48により実行される軟化ルーチンの活動をトリガし、吹引送モジュール50により実行される吹引送ルーチンが後続する。一つの実施例では、被験者12の気道内の分泌物の蓄積は、更に、吹引送ルーチンが実施されたという通知を介護者にトリガし、当該ルーチンの間上方へ移動された分泌物が、除去される必要があるだろう。一つの実施例では、被験者12の気道内の分泌物の識別による吹引送ルーチンのトリガは、ユーザ(例えば、被験者12、介護者等)にトリガを通知することを含み、吹引送ルーチンを開始する前にユーザからの手動の認可を要求する。例えば、通知及び/又は認可は、ユーザインターフェイス22を介して、ユーザとプロセッサ24との間で通信される。
【0055】
分泌物検出モジュール54により監視される一つ以上のパラメータは、気道抵抗、肺圧縮率、フローレート、流れのプロフィール、圧力プロフィール、最大圧力、呼吸音、及び/又は他のパラメータの一つ以上を含む。一つの実施例では、分泌物検出モジュール54は、パラメータと所定の閾値との間の比較に基づいて、被験者12の気道内の分泌物の蓄積を識別する。閾値は、(例えば、ユーザインターフェイス22を介して)ユーザにより設定可能である。一つの実施例では、検出モジュール54は、パラメータ(例えば、流れのプロフィール、圧力プロフィール等)の一つ以上を所定のパターン又は波形と整合するデータ整合閾値に基づいて、被験者12の気道内の分泌物の蓄積を識別する。
【0056】
図4は、被験者を吹送する方法66を図示する。以下に提示される方法66の操作は、例示目的である。幾つかの実施例では、方法66は、説明されていない一つ以上の追加の操作、及び/又は一つ以上の説明された操作なしに、実行されてもよい。また、方法66の操作が図4に例示され以下に説明される順番は、限定の意図ではない。
【0057】
幾つかの実施例では、方法66は、(図1に示される)システム10に関して上述されたものと類似の部品を持つシステムにより実行される。しかしながら、方法66が前述の様々な他の段落及び/又はシステムで実行されるように、これは下記の開示を限定するものではない。
【0058】
操作68では、被験者が換気(ベンチレーション)される。ベンチレーションは、挿管、マスク、又は他のインターフェイス機器を通じてなされる。一つの実施例では、ベンチレーションは、(図1に示され上述された)正圧生成回路16と同一又は類似である正圧生成回路により実施される。正圧生成回路は、被験者を吹送するために最終的に使用される同一のシステム内に含まれるか、又は正圧生成回路から被験者の気道へガスを送るインターフェイス回路とリリース可能に接続される分離システムの一部でもよい。
【0059】
操作70では、キーパラメータ及び/又は当該キーパラメータに対するベースライン測定値が得られる。キーパラメータのベースライン測定値が、被験者の吹送の間、交差しないであろうキーパラメータのレベルと一致する。一つの実施例では、(図1に示され、上述された)ベースラインモジュール52と同じ又は類似するベースラインモジュールにより実施される。
【0060】
操作72では、ベンチレーションの間、被験者の気道へ送られる、及び/又は被験者の気道から受け取られるガスの一つ以上のパラメータが、監視される。一つ以上のパラメータは、気道抵抗、フローレート、流れのプロフィール、圧力プロフィール及び/又は他のパラメータの一つ以上を含む。一つの実施例では、操作72は、分泌物軟化モジュール54と同じ又は類似する分泌物軟化モジュールにより実施される。
【0061】
操作74では、被験者の気道内で分泌物の累積の識別が、操作72で監視されるパラメータに基づいて識別される。一つの実施例では、操作74は、分泌物識別モジュールにより実施される。
【0062】
操作76では、軟化ルーチンが、操作74で作られた識別に応じて開始される。軟化ルーチンは、分泌物の実質的な量の移動なしに、蓄積された分泌物を軟化するために、被験者の気道で圧力及び/又は流れを自動的に振動させる。一つの実施例では、操作76は、(図1に示され、上述された)分泌物軟化モジュール48と同じ又は類似する分泌物軟化モジュールにより実施される。
【0063】
操作78では、吹送ルーチンが、操作74で作られた識別に応じて開始される。吹送ルーチンは、蓄積された分泌物を抽出するために、被験者の気道での圧力及び/又は流れを自動的に制御する。一つの実施例では、操作78は、(図1に示され、上述された)吹送モジュール50と同じ又は類似する吹送モジュールにより実施される。
【0064】
操作76及び/又は78の一方又は両方を通じて、被験者の気道へ供給される及び/又は気道から除去されるガスの一つ以上のパラメータは、操作70で得られるキーパラメータのベースライン測定値が交差されないことを保証するために監視される。操作76及び/又は操作78の間この機能は、ベースラインモジュールにより供給される。
【0065】
本発明は、最も実際的で好ましい実施例であると現在考察されているものに基づいて、例示の目的のため詳細に説明されてきたが、斯様な詳細な説明は、その目的のためだけであり、本発明は、開示された実施例に限定されず、添付の請求項の趣旨及び範囲内にある変更及び等価の装置をカバーすることを意図するものであることは理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な程度まで何れの実施例の一つ以上の特徴が他の何れの実施例の一つ以上の特徴と組み合わせることを意図することは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の気道から分泌物を抽出するシステムであって、
(a)圧力回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御する前記圧力制御回路と、
(b)(1)軟化サイクルの間、被験者の気道内の圧力の変動が、被験者の気道上方へ分泌物を動かすことなく、被験者の気道内の分泌物を軟化させるような複数の軟化サイクルの間、被験者の気道内の圧力を上下に変動させ、
(2)所与の吹送―引送サイクルで患者を吹送及び引送させ、これにより分泌物を被験者の気道上方へ移動させるように、一つ以上の吹送―引送サイクルの間、被験者の気道内の圧力を変動させることにより、前記圧力制御回路により生成されるガスの流れが被験者の気道上方へ分泌物を動かすように前記圧力制御回路を制御するプロセッサとを有するシステム。
【請求項2】
所与の軟化サイクルは、前記所与の軟化サイクルの間の幾つかのポイントで、被験者の気道内に最小のフローレートでガスを流し、所与の吹送―引送サイクルは、前記所与の吹送―引送サイクルの間の幾つかのポイントで、被験者の気道内に最小のフローレートでガスを流し、前記複数の軟化サイクルの任意のサイクルの最も低い最小のフローレートが、一つ以上の吹送―引送サイクルの任意のサイクルの最も高い最小のフローレートより大きいように、前記プロセッサは前記圧力制御回路を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記所与の軟化サイクルが、前記所与の軟化サイクルの間の幾つかのポイントで被験者の気道内に最大フローレートでガスを流すように、前記プロセッサは前記圧力制御回路を制御し、前記所与の軟化サイクルの最小及び最大フローレートで、被験者の気道を通って移動するガスが、被験者の気道内の軟化された分泌物を実質的に動かすことなく被験者の気道内の分泌物を軟化させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
所与の軟化サイクルが所与の軟化サイクルに対応するサイクル期間にわたって起こり、所与の吹送―引送サイクルが所与の吹送―引送サイクルに対応するサイクル期間にわたって起こり、前記複数の軟化サイクルの何れのサイクルに対応するサイクル期間も、一つ以上の吹送―引送サイクルの何れのサイクルに対応するサイクル期間よりも短いように、前記プロセッサは前記圧力制御回路を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の軟化サイクルの後すぐに、前記一つ以上の吹送―引送サイクルが起こるように、前記プロセッサは前記圧力制御回路を制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
被験者の気道内の圧力が、複数の軟化サイクルの間上下に変動されるように被験者の気道にガスを送ることにより、分泌物を抽出することなく被験者の気道内の分泌物を軟化するステップと、気道内の圧力は、一つ以上の吹送―引送サイクルの間、正圧と負圧との間で被験者の気道内の圧力を交替して、これにより、被験者の気道から分泌物を抽出するように、被験者の気道へガスを送ることにより、患者の気道から分泌物を抽出するために、被験者を吹送―引送するステップとを有する、分泌物を被験者の気道から抽出する方法。
【請求項7】
所与の軟化サイクルが所与の軟化サイクルの間の幾つかのポイントで被験者の気道内に最小のフローレートでガスを流し、所与の吹送―引送サイクルが所与の吹送―引送サイクルの間の幾つかのポイントで被験者の気道内に最小のフローレートでガスを流し、前記複数の軟化サイクルの任意のサイクルの最も低い最小のフローレートが、一つ以上の吹送―引送サイクルの任意のサイクルの最も高い最小のフローレートより大きい、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所与の軟化サイクルが、前記所与の軟化サイクルの間の幾つかのポイントで被験者の気道内に最大フローレートでガスを流し、前記所与の軟化サイクルの最小及び最大フローレートで、被験者の気道を通って移動するガスが、被験者の気道内の軟化された分泌物を実質的に動かすことなく被験者の気道内の分泌物を軟化させる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
所与の軟化サイクルが所与の軟化サイクルに対応するサイクル期間にわたって起こり、所与の吹送―引送サイクルが所与の吹送―引送サイクルに対応するサイクル期間にわたって起こり、前記複数の軟化サイクルの何れのサイクルに対応するサイクル期間も、一つ以上の吹送―引送サイクルの何れのサイクルに対応するサイクル期間よりも短い、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の軟化サイクルの後すぐに、前記一つ以上の吹送―引送サイクルが起こる、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
被験者の気道内の圧力が、複数の軟化サイクルの間、上下に変動されるように、被験者の気道にガスを送ることにより分泌物を抽出することなく、被験者の気道内の分泌物を軟化するための手段と、気道内の圧力は、一つ以上の吹送―引送サイクルの間、正圧と負圧との間で被験者の気道内の圧力を交替して、これにより、被験者の気道から分泌物を抽出するように、被験者の気道へガスを送ることにより、患者の気道から分泌物を抽出するために、被験者を吹送―引送するための手段とを有する、分泌物を被験者の気道から抽出するシステム。
【請求項12】
所与の軟化サイクルが所与の軟化サイクルの間の幾つかのポイントで被験者の気道内に最小のフローレートでガスを流し、所与の吹送―引送サイクルが所与の吹送―引送サイクルの間の幾つかのポイントで被験者の気道内に最小のフローレートでガスを流し、前記複数の軟化サイクルの任意のサイクルの最も低い最小のフローレートが、一つ以上の吹送―引送サイクルの任意のサイクルの最も高い最小のフローレートより大きい、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記所与の軟化サイクルが、前記所与の軟化サイクルの間の幾つかのポイントで被験者の気道内に最大フローレートでガスを流し、前記所与の軟化サイクルの最小及び最大フローレートで、被験者の気道を通って移動するガスが、被験者の気道内の軟化された分泌物を実質的に動かすことなく被験者の気道内の分泌物を軟化させる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
所与の軟化サイクルが所与の軟化サイクルに対応するサイクル期間にわたって起こり、所与の吹送―引送サイクルが所与の吹送―引送サイクルに対応するサイクル期間にわたって起こり、前記複数の軟化サイクルの何れのサイクルに対応するサイクル期間も、一つ以上の吹送―引送サイクルの何れのサイクルに対応するサイクル期間よりも短い、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の軟化サイクルの後すぐに、前記一つ以上の吹送―引送サイクルが起こる、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
圧力制御回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御する前記圧力制御回路と、
前記圧力制御回路内のガスの圧力に関係する情報に加えて、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータに関係する情報を伝達する出力信号を生成する、前記圧力制御回路内のガスと連通する一つ以上のセンサと、被験者を吹送−引送するため前記圧力制御回路を制御するプロセッサとを有し、前記プロセッサは、前記一つ以上のセンサにより生成される前記出力信号を受信し、吹送―引送の間、前記圧力制御回路を制御する際に、前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータに関係する一つ以上の出力信号で伝達される情報を実行する、被験者を吹送−引送するシステム。
【請求項17】
前記一つ以上のガスの付加的なパラメータが、フローレート、ボリューム、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータの少なくとも一つを制御するため、前記一つ以上の付加的なパラメータに関係する一つ以上の出力で伝達される情報を実行する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
ガスの前記一つ以上の付加的なパラメータの前記少なくとも一つが、フローレート、フローボリューム、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
(a)被験者を吹送−引送するために患者の気道内のガスの流れを制御する制御ステップであって、圧力制御回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御する前記圧力制御回路により、患者の気道内のガスの流れが制御される当該制御ステップと、
(b)前記圧力制御回路内のガスの圧力に関係する情報に加えて、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータを監視する監視ステップと、
(c)前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータに基づいて、被験者の吹送―引送の間、前記圧力制御回路の動作を調整する調整ステップとを有する、被験者を吹送−引送する方法。
【請求項21】
前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータが、フローレート、ボリューム、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
被験者の吹送―引送の間、前記圧力制御回路の動作を調整する前記調整ステップは、前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータの少なくとも1つを制御するために、前記圧力制御回路の動作を調整するステップを有する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記プロセッサにより制御されるガスの流れの前記一つ以上の付加的なパラメータの少なくとも一つが、フローレート、フローボリューム、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
被験者を吹送−引送するために患者の気道内のガスの流れを制御する制御手段であって、圧力制御回路内のガスの圧力に関係する情報に加えて、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータにより、患者の気道内のガスの流れが制御される当該制御手段と、
前記圧力制御回路内のガスの圧力に関係する情報に加えて、前記圧力制御回路内のガスの一つ以上の付加的なパラメータを監視する監視手段と、前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータに基づいて、被験者の吹送―引送の間、前記圧力制御回路の動作を調整する調整手段とを有する、被験者を吹送−引送するシステム。
【請求項25】
前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータが、フローレート、ボリューム、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
被験者の吹送―引送の間、前記圧力制御回路の動作を調整することは、前記圧力制御回路内のガスの前記一つ以上の付加的なパラメータの少なくとも1つを制御するために、前記圧力制御回路の動作を調整することを有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記プロセッサにより制御されるガスの前記一つ以上の付加的なパラメータの少なくとも一つが、フローレート、フローボリューム、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項26のシステム。
【請求項28】
圧力制御回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御する前記圧力制御回路と、被験者の呼吸器系のガスの一つ以上のキーパラメータに対するベースライン測定値を決定し、被験者の呼吸器系のガスの前記一つ以上のキーパラメータが前記ベースライン測定値を超えないように被験者を吹送−引送するために前記圧力制御回路を制御するプロセッサとを有する被験者を吹送−引送するシステム。
【請求項29】
前記ベースライン測定値を前記プロセッサにユーザが入力可能にするユーザインターフェイスを更に有する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記一つ以上のキーパラメータが、圧力及び/若しくはボリュームの一方又は両方を含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記圧力制御回路内のガスと連通する一つ以上のセンサを更に有し、前記一つ以上のセンサは、被験者の呼吸器系内のガスの前記一つ以上のキーパラメータに関係する情報を伝達する出力信号を生成し、前記プロセッサは、前記出力信号を受信し、前記出力信号により伝達される情報に基づいて前記圧力制御回路を制御する、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
被験者の呼吸器系内のガスの一つ以上のキーパラメータに対するベースライン測定値を決定するステップと、被験者の呼吸器系内のガスの前記一つ以上のキーパラメータが吹送―引送の間、前記ベースライン測定値を超えないように被験者を吹送−引送するステップとを有する、被験者を吹送−引送する方法。
【請求項33】
前記一つ以上のキーパラメータが、圧力及び/若しくはボリュームの一方又は両方を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ベースライン測定値を決定するステップが、前記ベースライン測定値をユーザに入力可能にするステップを有する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
吹送―引送の間、被験者の気道へ供給されるガスの流れの一つ以上のパラメータを監視するステップを更に有し、前記一つ以上のパラメータは、被験者の呼吸器系内のガスの前記一つ以上のキーパラメータが、吹送―引送の間、前記ベースライン測定値を超えないことを確実にするように実行される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
被験者の呼吸器系内のガスの一つ以上のキーパラメータに対するベースライン測定値を決定するための手段と、被験者の呼吸器系内のガスの前記一つ以上のキーパラメータが吹送―引送の間、前記ベースライン測定値を超えないように被験者を吹送−引送するための手段とを有する、被験者を吹送−引送するシステム。
【請求項37】
前記一つ以上のキーパラメータが、圧力及び/若しくはボリュームの一方又は両方を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記ベースライン測定値を決定するための手段が、前記ベースライン測定値をユーザに入力可能にする、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
吹送―引送の間、被験者の気道へ供給されるガスの流れの一つ以上のパラメータを監視するための手段を更に有し、前記一つ以上のパラメータは、被験者の呼吸器系内のガスの前記一つ以上のキーパラメータが、吹送―引送の間、前記ベースライン測定値を超えないことを確実にするように実行される、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
(a)圧力制御回路を被験者の気道と連通させる気道インターフェイス回路により被験者の気道に送られる、制御された圧力を持つガスの流れを生成することにより、被験者の気道での圧力を制御する前記圧力制御回路と、
(b)被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータに関係する情報を伝達する一つ以上の出力信号を生成する一つ以上のセンサと、
(c)前記一つ以上の出力信号を受信し、被験者を吹送−引送するために前記圧力制御回路を制御するプロセッサとを有し、前記プロセッサは、
(1)被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータに関係する情報を監視し、被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータに関係する情報に基づいて被験者の気道内の分泌物の蓄積を識別する分泌物検出モジュールと、
(2)ユーザからの介入なしに吹送−引送ルーチンを開始するように前記圧力制御回路を制御するために、前記分泌物検出モジュールによる被験者の気道内の分泌物の識別が吹送引送モジュールをトリガするように、前記分泌物検出モジュールにより被験者の気道内の蓄積された分泌物の識別に基づいて、被験者を吹送−引送する吹送−引送ルーチンを開始するために前記圧力制御回路を制御する前記吹送引送モジュールとを有する、被験者を吹送−引送するシステム。
【請求項41】
前記プロセッサが、更に、介護者に前記吹送―引送ルーチンのトリガされた開始を通知する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
ユーザインターフェイスを更に有し、前記プロセッサは、前記ユーザインターフェイスを介して被験者の気道内の分泌物の蓄積の識別の通知をユーザに供給し、前記ユーザインターフェイスを介してユーザが手動で通知を肯定応答するまで、吹送―引送ルーチンの開始を保留する、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記分泌物検出モジュールにより監視される被験者の気道内のガスの前記一つ以上のパラメータが、気道抵抗、流れ、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項44】
前記分泌物検出モジュールは、既定の閾値と、被験者の気道内のガスのパラメータの一つ以上との比較に基づいて、被験者の気道内の分泌物の蓄積を識別する、請求項40に記載のシステム。
【請求項45】
前記既定の閾値がユーザにより設定可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記分泌物検出モジュールは、既定のプロフィールと、一つ以上のパラメータのプロフィールとを整合させるデータ整合アルゴリズムに基づいて、被験者の気道内の分泌物の蓄積を識別する、請求項40に記載のシステム。
【請求項47】
被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータを監視するステップと、
被験者の気道内のガスの前記一つ以上のパラメータに基づいて、被験者の気道内の分泌物の蓄積を自動的に識別するステップと、ユーザからの介入なしに、被験者の気道内の蓄積された分泌物の識別に基づいて、被験者を吹送−引送する吹送−引送ルーチンをトリガするステップとを有する、被験者を吹送−引送する方法。
【請求項48】
トリガされた吹送―引送ルーチンを介護者に通知するステップを更に有する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
吹送−引送ルーチンをトリガするステップは、分泌物の蓄積の前記識別の通知をユーザに供給するステップと、ユーザから前記通知の肯定応答を受信するステップとを有し、前記通知の前記肯定応答が吹送―引送ルーチンをトリガする、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記分泌物検出モジュールにより監視される被験者の気道内のガスの前記一つ以上のパラメータが、気道抵抗、流れ、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
被験者の気道内の分泌物の蓄積の識別は、既定の閾値と、被験者の気道内のガスのパラメータの一つ以上との比較に基づく、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記既定の閾値がユーザにより設定可能である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
被験者の気道内の分泌物の蓄積の識別は、既定のプロフィールと、一つ以上のパラメータのプロフィールとを整合させるデータ整合アルゴリズムに基づく、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
被験者の気道内のガスの一つ以上のパラメータを監視するための手段と、被験者の気道内のガスの前記一つ以上のパラメータに基づいて、被験者の気道内の分泌物の蓄積を自動的に識別するための手段と、ユーザからの介入なしに、被験者の気道内の蓄積された分泌物の識別に基づいて、被験者を吹送−引送する吹送−引送ルーチンをトリガするための手段とを有する、被験者を吹送−引送するシステム。
【請求項55】
トリガされた吹送―引送ルーチンを介護者に通知するための手段を更に有する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
吹送−引送ルーチンをトリガするための手段は、分泌物の蓄積の前記識別の通知をユーザに供給するための手段と、ユーザから前記通知の肯定応答を受信するための手段とを有し、前記通知の前記肯定応答が吹送―引送ルーチンをトリガする、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記分泌物検出モジュールにより監視される被験者の気道内のガスの前記一つ以上のパラメータが、気道抵抗、流れ、流れのプロフィール又は圧力プロフィールの一つ以上を含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項58】
被験者の気道内の分泌物の蓄積を識別は、既定の閾値と、被験者の気道内のガスのパラメータの一つ以上との比較に基づく、請求項54に記載のシステム。
【請求項59】
前記既定の閾値がユーザにより設定可能である、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
被験者の気道内の分泌物の蓄積の識別は、既定のプロフィールと、一つ以上のパラメータのプロフィールとを整合させるデータ整合アルゴリズムに基づく、請求項54に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−509160(P2012−509160A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543847(P2011−543847)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054810
【国際公開番号】WO2010/058308
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)