説明

呈味持続組成物とそれを利用したチューインガム及びその製造方法

【課題】従来の呈味持続製品と比較して持続性が優れており、噛み心地を損ねること無く、また製造時の作業性も良好な、チューインガム製品、その製造方法を提供する。
【解決手段】酸味料、甘味料から選ばれる少なくとも一つの呈味物質をあらかじめ酢酸ビニル樹脂と混合することにより、呈味持続性組成物(前処理原料)を調製し、原料混練時に、ガムベース等の他の原料に、その組成物を添加することにより得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、咀嚼時の呈味が長時間持続するチューインガム、またはその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チューインガムの呈味を長時間持続させる方法として、呈味物質を油脂やワックスで被覆する方法がある(特許文献1)。しかしこれらの方法は被覆基材の柔軟性が低く咀嚼時に容易に被覆構造が崩壊する為、持続効果は低いものであった。
【0003】
また、呈味物質をシェラックでカプセル化することにより呈味の持続性を向上させる手段が開示されている(特許文献2)。しかしこれはチューインガム咀嚼時にシェラックがザラザラとした異物感を呈する為、心地よい噛み心地を妨げるものであった。
【0004】
また、呈味物質を混合した状態で酢酸ビニル樹脂を重合することにより呈味の持続性を向上させる手段が開示されている(特許文献3)。しかしこれは原料の製造が特殊であり、用途が限定されてしまうことから、現実性には困難な方法であった。
【0005】
さらに、酸味料、または甘味料にポリ酢酸ビニルと乳化剤を混合して、所定の粒径にした後、他の原料に混合して呈味の持続性を向上させる手段が開示されている(特許文献4、5、6、7)。この方法は、呈味の持続性は向上するものの、乳化剤が必須であるので原料コストが余計にかかりやすい上、さらに、所定の粒径にする工程が必要であることから、操作が煩雑であり、加工コストもかかってしまう欠点があった。
【特許文献1】特開平6−269248号公報
【特許文献2】特公昭63―39219号公報
【特許文献3】特公昭49―48750号公報
【特許文献4】特開昭63−245638号公報
【特許文献5】特開平2−186944号公報
【特許文献6】特開平5−38258号公報
【特許文献7】特開平6−14739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、従来の油脂、ワックスで呈味物質を被覆する方法、シェラックでカプセル化することにより被覆する方法、あらかじめビニルエステル類に呈味物質を重合させる方法と比較して、簡便な製造方法で呈味持続性の優れたチューインガムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、酢酸ビニル樹脂を加熱することにより流動化状態にし、そこに呈味物質を添加混合した後、室温で冷却固化することにより呈味持続性組成物を調製(以下、前処理原料)し、混練時に、前記、前処理原料を残りの原料に添加することにより、チューインガムを製造し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0008】
本発明において使用する前処理原料は、加温混合という方法で調整が可能であり、従来の方法に比較して、容易に、呈味持続性物質を得ることが可能となった。
また、これを原料混合時に添加することにより、呈味持続性の効果が、優れたチューインガムを簡便に得る事ができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明にいうチューインガムとは、ガムベースに必要に応じ甘味原料、酸味原料、香料などを混合し、さらに必要な場合、成型、糖衣を施したものをいい、例えば、糖衣ガム、板状ガム、ブロックガム、チューブ状ガム、棒状ガム等をいう。
【0010】
本発明に用いる酢酸ビニル樹脂とは酢酸ビニルモノマーをイソプロピルアルコールと混合した状態で重合させることにより合成したものである。
本発明における酢酸ビニル樹脂の製造方法は、上記の方法に限定されるものではないが、平均重合度が100〜200であることが望ましい。平均重合度が200を超えると、味の持続性の点で劣る上、製造時の溶解温度が高くなり、呈味物質との混合が困難になる点で好ましくなく、逆に、平均重合度が100より小さくなるものは、味の持続、混合しにくさなどの問題は発生時ないものの、現実の酢酸ビニル樹脂の生産が現段階では困難であるため、現実的ではない点で好ましくない。
ここで、平均重合度とは、JIS K 6725(ポリ酢酸ビニル試験方法)に準じて測定して得た平均重合度をいう。
【0011】
本発明における、呈味物質とは、チューインガム中において呈味を発揮する、あるいは香りの発現を助長する成分をいい、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸等の酸味料や、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、ステビア等の高甘味度甘味料がある。ここで、本発明にいう高甘味度甘味料は、砂糖の数百倍の甘味強度を持つ物質をいう。ここで、呈味物質の添加量は、酸味料の場合、酢酸ビニル樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜67重量部、好ましくは1.0〜50重量部であり、高甘味度甘味料の場合は、0.1重量部〜50重量部、好ましくは1.0〜33重量部である。酸味料が0.1重量部、あるいは高甘味度甘味料が0.1重量部より少ないと、呈味物質の呈味の出現が十分ではなく、認識しにくくなる。また、逆に、酸味料が67重量部、あるいは高甘味度甘味料が50重量部を超えると、呈味物質が酢酸ビニル樹脂に十分包含されず、呈味持続の効果が小さくなる。
【0012】
本発明における、呈味持続性組成物すなわち前処理原料は、酢酸ビニル樹脂に、呈味原料を混合したものをいい、例えば、酢酸ビニル樹脂を溶解し、加温し、流動状態にして、そこに呈味物質を添加混合した後、冷却固化させて得られる。ここで、溶解とは、酢酸ビニルを加温し、流動状態にすることをいう。
【0013】
得られた呈味持続性組成物(前処理原料)の製品中に占める比率は、前処理原料中の酸味料の添加量により決定される。すなわち、チューインガム中の前処理原料由来の酸味料の重量比(重量%)が0.01以上21以下、好ましくは0.1以上10以下である。0.01未満だと、製品全体に占める呈味物質の量が少ないため呈味の実感が希薄となり、21を超えると、酸味が強すぎ、また製品が硬くなるため、噛み心地を損なう恐れがある。
【0014】
同様に、高甘味度甘味料の場合は、チューインガム中の前処理原料由来の高甘味度甘味料の重量比(重量%)が0.001以上11以下、好ましくは0.01以上5以下である。0.001未満だと、製品全体に占める呈味物質の量が少ないため呈味の実感が希薄となり、11を超えると、甘味が強すぎ、また製品が硬くなるため、噛み心地を損なう恐れがある。
【0015】
前記、呈味持続組成物(前処理原料)は、ガムベース等のその他原料混練時に添加し、チューインガムを作製するが、このときの混練方法、添加方法は特に限定されず、混練後にチューインガム生地が均一になればよい。
【0016】
本発明における他の原料は、主にガムベース、糖質及び香料を指し、それら以外にも必要に応じて、呈味物質である、酸味料、高甘味度甘味料、着色料、軟化剤、各種機能性素材等を添加することができる。
前記、前処理原料に加えて、他の原料として、上記原料を組み合わせることで、呈味の発現が速く、しかも、呈味持続性のすぐれたチューインガムを製造することができる。
【実施例】
【0017】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において、呈味持続性、噛み心地に変更については専門パネラー4人による官能評価により総合的に判断した。
【0018】
(実施例1)
100℃に加温溶解した、平均重合度100の酢酸ビニル樹脂100重量部に対し、呈味物質として酸味料である、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸をそれぞれ100重量部混合し、室温で冷却固化して、前処理原料を得た。得られた前処理原料100重量部を他の原料990重量部(ガムベース368重量部、酸味料0重量部、甘味料6.5重量部、糖質579重量部、香料21重量部、着色料0.5重量部、ハーブ抽出物15重量部)に対し、原料混練時に添加し、その後、長辺19mm×短辺12mm×厚さ5.0mmに成型して、1.0gのチューインガムを調製した。得られたチューインガムについて酸味持続性、噛み心地を官能評価した結果、各酸味料とも、良好な結果であった。
またチューインガム調製時の作業性も良好であった。
【0019】
【表1】

【0020】
(実施例2)
100℃に加温溶解した、平均重合度100の酢酸ビニル樹脂100重量部に対し、呈味物質として高甘度甘味料である、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、ステビアをそれぞれ12.6重量部混合し、呈味持続性組成物を得た。その組成物100重量部を他の原料1810重量部(ガムベース615重量部、酸味料103重量部、糖質1028重量部、香料37重量部、着色料1重量部、機能性素材26重量部)に対し、原料混練時に添加し、その後、長辺19mm×短辺12mm×厚さ5.0mmに成型して、1.0gのチューインガムを調製した。得られたチューインガムについて甘味持続性、噛み心地を官能評価した結果、各高甘度甘味料とも良好であった。
またチューインガム調製時の作業性も良好であった。
【0021】
【表2】

【0022】
(比較例1)
100℃に溶解した平均重合度100の酢酸ビニル樹脂50重量部と、呈味物質として酸味料である、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸それぞれ50重量部をその他原料990重量部(ガムベース368重量部、酸味料0重量部、高甘味度甘味料6.5重量部、糖質579重量部、香料21重量部、着色料0.5重量部、ハーブ抽出物15重量部)に対し、事前混合せず原料混練時に添加し、その後、長辺19mm×短辺12mm×厚さ5.0mmに成型して1.0gのチューインガムを調製した。得られたチューインガムについて酸味持続性、噛み心地を官能評価した結果、噛み心地は良好であったが、酸味持続性は不十分であった。
チューインガム調製時の作業性は良好であった。
【0023】
【表3】

【0024】
(比較例2)
100℃に溶解した平均重合度100の酢酸ビニル樹脂89重量部と、呈味物質として高甘味度甘味料である、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、ステビアそれぞれ11重量部をその他原料1810重量部(ガムベース615重量部、酸味料103重量部、糖質1028重量部、香料37重量部、着色料1重量部、ハーブ抽出物26重量部)に対し、事前混合せず原料混練時に添加し、その後、長辺19mm×短辺12mm×厚さ5.0mmに成型して1.0gのチューインガムを調製した。得られたチューインガムについて甘味持続性、噛み心地を官能評価した結果、噛み心地は良好であったが甘味持続性は不十分であった。
チューインガム調製時の作業性は良好であった。
【0025】
【表4】

【0026】
(実施例3A)
クエン酸または、リンゴ酸0.1重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0027】
(実施例3B)
クエン酸または、リンゴ酸0.1重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の30重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0028】
(実施例3C)
クエン酸または、リンゴ酸0.1重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0029】
(実施例4A)
クエン酸または、リンゴ酸1.0重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0030】
(実施例4B)
クエン酸または、リンゴ酸1.0重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。

【0031】
(実施例4C)
クエン酸または、リンゴ酸1.0重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の30重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0032】
(実施例4D)
クエン酸または、リンゴ酸1.0重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0033】
(実施例5A)
クエン酸または、リンゴ酸10重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0034】
(実施例5B)
クエン酸または、リンゴ酸10重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0035】
(実施例5C)
クエン酸または、リンゴ酸10重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0036】
(実施例5D)
クエン酸または、リンゴ酸10重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の30重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0037】
(実施例5E)
クエン酸または、リンゴ酸10重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0038】
(実施例6A)
クエン酸または、リンゴ酸33重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0039】
(実施例6B)
クエン酸または、リンゴ酸33重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0040】
(実施例6C)
クエン酸または、リンゴ酸33重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0041】
(実施例6D)
クエン酸または、リンゴ酸33重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の30重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0042】
(実施例6E)
クエン酸または、リンゴ酸33重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0043】
(実施例7A)
クエン酸または、リンゴ酸50重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0044】
(実施例7B)
クエン酸または、リンゴ酸50重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0045】
(実施例7C)
クエン酸または、リンゴ酸50重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0046】
(実施例7D)
クエン酸または、リンゴ酸50重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の30重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0047】
(実施例8A)
クエン酸または、リンゴ酸67重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0048】
(実施例8B)
クエン酸または、リンゴ酸67重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0049】
(実施例8C)
クエン酸または、リンゴ酸67重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0050】
(実施例8D)
クエン酸または、リンゴ酸67重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の30重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味持続効果があることがわかった。
【0051】
(比較例3A)
クエン酸または、リンゴ酸0.1重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味が弱く、酸味持続効果が確認できなかった。
【0052】
(比較例3B)
クエン酸または、リンゴ酸0.1重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味が弱く、酸味持続効果が確認できなかった。
【0053】
(比較例3C)
クエン酸または、リンゴ酸0.1重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味は良好であったが、食感が硬かった。
【0054】
(比較例4A)
クエン酸または、リンゴ酸1.0重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味が弱く、酸味持続効果が確認できなかった。
【0055】
(比較例4B)
クエン酸または、リンゴ酸1.0重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味は良好であったが、食感が硬かった。
【0056】
(比較例5A)
クエン酸または、リンゴ酸10重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味は良好であったが、食感が硬かった。
【0057】
(比較例6A)
クエン酸または、リンゴ酸33重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味が強すぎ嗜好レベルが低く、また、食感も硬かった。
【0058】
(比較例7A)
クエン酸または、リンゴ酸50重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味が強すぎ、嗜好レベルが低いものであった。

【0059】
(比較例7B)
クエン酸または、リンゴ酸50重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味が強すぎ嗜好レベルが低く、また、食感も硬かった。
【0060】
(比較例8A)
クエン酸または、リンゴ酸67重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味が強すぎ、嗜好レベルが低いものであった。
【0061】
(比較例8B)
クエン酸または、リンゴ酸67重量%を含む前処理原料を実施例1の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味持続効果について官能評価を行った結果、クエン酸、リンゴ酸とも、酸味が強すぎ嗜好レベルが低く、また、食感も硬かった。
【0062】
【表5】

【0063】
(実施例9A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.1重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0064】
(実施例9B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.1重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の5.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0065】
(実施例9C)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.1重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0066】
(実施例9D)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.1重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0067】
(実施例10A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.5重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0068】
(実施例10B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.5重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の5.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0069】
(実施例10C)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.5重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0070】
(実施例10D)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.5重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0071】
(実施例11A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK10重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0072】
(実施例11B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK10重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0073】
(実施例11C)
アスパルテームまたは、アセスルファムK10重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の5.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0074】
(実施例11D)
アスパルテームまたは、アセスルファムK10重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0075】
(実施例11E)
アスパルテームまたは、アセスルファムK10重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0076】
(実施例12A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK33重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0077】
(実施例12B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK33重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0078】
(実施例12C)
アスパルテームまたは、アセスルファムK33重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の5.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0079】
(実施例12D)
アスパルテームまたは、アセスルファムK33重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0080】
(実施例13A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK50重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0081】
(実施例13B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK50重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の1.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0082】
(実施例13C)
アスパルテームまたは、アセスルファムK50重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の5.0重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0083】
(実施例13D)
アスパルテームまたは、アセスルファムK50重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の15重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、同様の配合で比較例2の方法で作製したチューインガムに比較して、甘味持続効果があることがわかった。
【0084】
(比較例9A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.1重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味が弱く、甘味持続効果が確認できなかった。
【0085】
(比較例9B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.1重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味は良好であったが、食感が硬かった。
【0086】
(比較例10A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.5重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の0.1重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味が弱く、甘味持続効果が確認できなかった。
【0087】
(比較例10B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK0.5重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味は良好であったが、食感が硬かった。
【0088】
(比較例11A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK10重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味は良好であったが、食感が硬かった。
【0089】
(比較例12A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK33重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味が強すぎ嗜好レベルの低いものであった。
【0090】
(比較例12B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK33重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味が強すぎ嗜好レベルが低く、また食感も硬かった。
【0091】
(比較例13A)
アスパルテームまたは、アセスルファムK50重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の50重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味が強すぎ嗜好レベルの低いものであった。
【0092】
(比較例13B)
アスパルテームまたは、アセスルファムK50重量%を含む前処理原料を実施例2の方法により作製した。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の70重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの甘味持続効果について官能評価を行った結果、アスパルテーム、アセスルファムKとも、甘味が強すぎ嗜好レベルが低く、また食感も硬かった。
【0093】
【表6】

【0094】
(実施例14)
100℃に加温溶解した、平均重合度100の酢酸ビニル樹脂65重量部に対し、呈味物質として酸味料である、クエン酸25重量部と、高甘味度甘味料である、アスパルテーム10重量部を混合し、室温で冷却固化して、前処理原料を得た。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の10重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味、甘味持続効果について官能評価を行った結果、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味、甘味とも持続効果があることがわかった。
【0095】
(実施例15)
100℃に加温溶解した、平均重合度100の酢酸ビニル樹脂65重量部に対し、呈味物質として酸味料である、クエン酸25重量部と、高甘味度甘味料である、アセスルファムK10重量部を混合し、室温で冷却固化して、前処理原料を得た。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の10重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味、甘味持続効果について官能評価を行った結果、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味、甘味とも持続効果があることがわかった。
【0096】
(実施例16)
100℃に加温溶解した、平均重合度100の酢酸ビニル樹脂65重量部に対し、呈味物質として酸味料である、リンゴ酸25重量部と、高甘味度甘味料である、アスパルテーム10重量部を混合し、室温で冷却固化して、前処理原料を得た。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の10重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味、甘味持続効果について官能評価を行った結果、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味、甘味とも持続効果があることがわかった。
【0097】
(実施例17)
100℃に加温溶解した、平均重合度100の酢酸ビニル樹脂65重量部に対し、呈味物質として酸味料である、リンゴ酸25重量部と、高甘味度甘味料である、アセスルファムK10重量部を混合し、室温で冷却固化して、前処理原料を得た。この前処理原料を他の原料に対して、全重量の10重量%となるように加え、チューインガムを作製した。得られた、チューインガムの酸味、甘味持続効果について官能評価を行った結果、同様の配合で比較例1の方法で作製したチューインガムに比較して、酸味、甘味とも持続効果があることがわかった。
【0098】
【表7】

【0099】
(実施例18)
平均重合度100〜250の酢酸ビニル樹脂、呈味物質としてクエン酸を用いて、実施例1の方法でチューインガムを作製した。得られたチューインガムについて、成形性を評価した結果、以下のようになり、平均重合度が100〜200の範囲で良好であることがわかった。
【0100】
【表8】

【0101】
(実施例19)
平均重合度100〜250の酢酸ビニル樹脂、呈味物質としてアスパルテームを用いて、実施例2の方法でチューインガムを作製した。得られたチューインガムについて、成形性を評価した結果、以下のようになり、平均重合度が100〜200の範囲で良好であることがわかった。
【0102】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0103】
実施例で具体的に述べたように、本発明によって従来に比較して、呈味持続性の優れたチューインガム製品を容易に、作業性を低下させことなく、製造することが可能となるため、チューインガム製品の品質向上に寄与するところが大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶解させた酢酸ビニル樹脂と、酸味料、高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも一の呈味物質とを予め混合し、固化することにより成る前処理原料を、原料混合の際に他の原料と共に混合することを特徴とするチューインガム。
【請求項2】
前記、呈味物質が、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸から選ばれる酸味料、または、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、ステビアから選ばれる高甘味度甘味料のうち、少なくとも一の呈味物質を添加する請求項1記載のチューインガム。
【請求項3】
チューインガム中の前処理原料由来の酸味料の重量比(重量%)が0.01以上21以下であり、
(i)前処理原料中の酸味料の重量比(重量%)が0.1以上67以下で、
(ii)当該酸味料を含む前処理原料がチューインガムの全重量中に占める重量比(重量%)が0.1以上50以下である、
請求項1記載のチューインガム。
【請求項4】
チューインガム中の前処理原料由来の高甘味度甘味料の重量比(重量%)が0.001以上11以下であり、
(i)前処理原料中の高甘味度甘味料の重量比(重量%)が0.1以上50以下で、
(ii)当該高甘味度甘味料を含む前処理原料がチューインガムの全重量中に占める重量比(重量%)が0.1以上50以下である、
請求項1記載のチューインガム。
【請求項5】
前記、酢酸ビニル樹脂の平均重合度が100〜200である請求項1記載のチューインガム。
【請求項6】
溶解させた酢酸ビニル樹脂と、酸味料、高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも一の呈味物質とを予め混合し、固化することにより成る前処理原料を、原料混合の際に他の原料に添加することを特徴とするチューインガムの製造方法。
【請求項7】
前記、呈味物質が、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸から選ばれる酸味料、または、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、ステビアから選ばれる高甘味度甘味料のうち、少なくとも一の呈味物質を添加する請求項6記載のチューインガムの製造方法。
【請求項8】
チューインガム中の前処理原料由来の酸味料の重量比(重量%)が0.01以上21以下であり、
(i)前処理原料中の酸味料の重量比(重量%)が0.1以上67以下で、
(ii)当該酸味料を含む前処理原料がチューインガムの全重量中に占める重量比(重量%)が0.1以上50以下である、
請求項6記載のチューインガムの製造方法。
【請求項9】
チューインガム中の前処理原料由来の高甘味度甘味料の重量比(重量%)が0.001以上11以下であり、
(i)前処理原料中の高甘味度甘味料の重量比(重量%)が0.1以上50以下で、
(ii)当該高甘味度甘味料を含む前処理原料がチューインガムの全重量中に占める重量比(重量%)が0.1以上50以下である、
請求項6記載のチューインガムの製造方法。
【請求項10】
前記、酢酸ビニル樹脂の平均重合度が100〜200である、請求項6記載のチューインガムの製造方法。
【請求項11】
溶解させた酢酸ビニル樹脂と、酸味料、甘味料から選ばれる少なくとも一の呈味物質とを予め混合し、固化することにより成る呈味持続組成物。
【請求項12】
前記、呈味物質が、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸から選ばれる酸味料、または、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、ステビアから選ばれる高甘味度甘味料のうち、少なくとも一の呈味物質を添加する請求項11記載の呈味持続組成物。
【請求項13】
溶解させた酢酸ビニル樹脂と、酸味料、甘味料から選ばれる少なくとも一の呈味物質とを予め混合し、固化することにより成る呈味持続組成物の製造方法。
【請求項14】
前記、呈味物質が、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸から選ばれる酸味料、または、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、ステビアから選ばれる高甘味度甘味料のうち、少なくとも一の呈味物質を添加する請求項13記載の呈味持続組成物の製造方法。

【公開番号】特開2007−143411(P2007−143411A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338376(P2005−338376)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000000228)江崎グリコ株式会社 (187)
【Fターム(参考)】