説明

周辺監視装置

【課題】レーダ装置の検出結果及び警告情報を、ナビゲーション装置やインストルメントパネルを用いずに視認性良くユーザに通知することができ、また、レーダ装置の検出精度を向上させるための車載専用の装置を設ける必要がない周辺監視装置を得る。
【解決手段】レーダ装置2と携帯型情報通信端末3を通信可能に接続し、レーダ装置2に関する各種設定情報、検出結果及び警告情報等を、ナビゲーション装置やインストルメントパネル等の車載装置を用いることなく、携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示するようにした。これにより、警告情報がナビゲーション装置の画面に割り込むような事態が発生することなく、必要な情報を視認性良くユーザに通知することができる。また、インストルメントパネルにレーダ装置2の各種設定情報や警告情報の表示領域を確保する必要がないため、車両の低価格化、小型化が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたレーダ装置により目標までの距離及び相対速度を算出し、衝突の可能性が有る場合にユーザに警告を通知する周辺監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載され、ミリ波レーダやマイクロ波レーダ、またはレーザレーダ等を用い目標までの距離及び相対速度を算出する周辺監視装置は、先行車との距離を監視し車速/車間制御を行うアダプティブ・クルーズ・コントロール(Adoptive Cruise Control:以下ACCと略す)や、衝突軽減制動装置等に用いられている。周辺監視装置により衝突の可能性が有ると判定された場合、その警告情報は表示または音声でユーザ(運転者)に通知される。
【0003】
例えばACCにおいて、自車速及び先行車との車間維持距離等の各種設定、または先行車追従状態の有無等をユーザに通知する場合、これらの情報は通常、インストルメントパネルに表示されていた。また、衝突軽減制動装置あるいは自車両の死角における障害物の接近を警告する装置においては、接近の状態や障害物の有無等をユーザに通知する必要があり、これらの情報も通常、ナビゲーション装置またはインストルメントパネルに表示されていた。
【0004】
周辺監視装置を用いた先行例として、特許文献1には、ミリ波レーダやカメラを用いて道路幅や障害物等の道幅決定要因を検出し、この道幅決定要因の種類に基づいて自車両が現に走行可能な路幅を決定し、通行可能であるか否かをナビゲーション装置に表示するようにした運転支援装置が提示されている。
【0005】
また、特許文献2には、同乗者検出の有無により運転者に報知する情報を制限し、同乗者が検出された場合には、その同乗者に対して運転者への警告内容よりも情報量が多い警告内容を警告し、運転者に煩わしさを感じさせないようにした車両用警告システムが提示されている。さらに、特許文献3には、車両の測方の物体までの距離を算出し、この距離が所定のしきい値以下の場合には、歩行者検出精度を上げるようにした周辺監視装置が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−326963号公報
【特許文献2】特開2008−143381号公報
【特許文献3】特開2009−116539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1〜特許文献3に提示された先行例では、その検出結果や警告情報を運転者に通知するために、ナビゲーション装置やインストルメントパネルのような車載装置が用いられている。しかし、警告情報をナビゲーション装置に表示する場合、本来のナビゲーション画面が表示されなくなるか、もしくは縮小され、ユーザにとって不都合なことがあった。
【0008】
例えば、高速道路を走行中の車両において、先行車への衝突直前警告情報は、ユーザにとって最も重要な情報である。一方、一般道を走行中の車両において、複雑な交差点の直前に、車両死角の障害物に関する警告情報がナビゲーション画面へ割り込んだために、ユーザが交差点をどのように進行するかを見逃してしまったとする。このケースでは、ユーザが既に障害物を認識していたり、緊急に通知する必要のない障害物であったりした場合、障害物に関する警告情報よりも、交差点のナビゲーション情報の方がユーザにとって重要な情報であったと言える。
【0009】
また、ナビゲーション装置を搭載していない車の場合には、警告通知手段としてインストルメントパネルを用いるが、インストルメントパネルには、速度メータやタコメータを始め、トリップメータや燃費等の様々な情報を表示しなければならないため、表示領域の確保に限界があり、視認性の低下や詳細な情報が表示しきれないという問題が発生していた。また、インストルメントパネルにACCの各種設定や警告情報等を表示する場合には、インストルメントパネルに対してそれらの表示領域を設定する必要があり、車両の低価格化、小型化を困難にしていた。
【0010】
また、レーダ装置の検出精度を向上させるために運動状態情報や位置情報を必要とする場合には、運動状態検出手段であるジャイロセンサや加速度センサ等のモーションセンサや、位置情報取得手段であるGPS(Global Positioning System)を車両に設ける必要があり、車両の低価格化を困難にしていた。
【0011】
さらに、ナビゲーション装置やインストルメントパネルには、設置場所の制限があり、ユーザの好みの位置に設置できないという問題があった。比較的小型の液晶モニタであるPND(Personal Navigation Device)を用いた場合には、ユーザの好みの位置に設置可能であるが、警告情報の通知がナビゲーションの妨げになるという問題は依然として発生する。また、据付型ナビゲーション装置を有する車両において、警告情報通知のためにPNDを使用することは、ユーザにとって追加コストが発生するので問題の根本的な解決にはならない。
【0012】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、レーダ装置の検出結果及び警告情報を、ナビゲーション装置やインストルメントパネルを用いずに、視認性良くユーザに通知することができ、さらに車両の低価格化、小型化を図ることが可能な周辺監視装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、レーダ装置の検出精度を向上させるための車載専用の装置を設ける必要がなく、車両の低価格化を図ることが可能な周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る周辺監視装置は、車両に搭載され、該車両の先行車、周辺の障害物及び歩行者の少なくとも1つを目標として検出するレーダ装置と、ユーザが該車両を運転時にレーダ装置に接続され運転時以外には車外に持ち出し可能な携帯型情報通信端末を備えた周辺監視装置であって、レーダ装置は、目標を検出し、該目標までの距離及び相対速度を算出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づいて衝突の可能性を判定し衝突の可能性が有ると判定した場合に警告情報を生成、発信する警告判定手段と、携帯型情報通信端末と通信するための第1の通信手段を有し、携帯型情報通信端末は、各種情報を入力するための入力手段と、各種情報を表示する表示手段と、各種情報を音声出力する音声出力手段と、インターネット接続手段と、レーダ装置と通信するための第2の通信手段を有し、レーダ装置と携帯型情報通信端末は、第1の通信手段及び第2の通信手段を介して互いに通信可能に接続され、レーダ装置による検出結果及び警告情報を、携帯型情報通信端末の表示手段及び音声出力手段のいずれか一方または両方によりユーザに通知するものである。
【0015】
また、車両に搭載され、該車両の先行車、周辺の障害物及び歩行者の少なくとも1つを目標として検出するレーダ装置と、ユーザが該車両を運転時にレーダ装置に接続され運転時以外には車外に持ち出し可能な携帯型情報通信端末を備えた周辺監視装置であって、レーダ装置は、目標を検出し、該目標までの距離及び相対速度を算出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づいて衝突の可能性を判定し衝突の可能性が有ると判定した場合に警告情報を生成、発信する警告判定手段と、携帯型情報通信端末と通信するための第1の通信手段を有し、携帯型情報通信端末は、該端末の運動状態情報を検出する運動状態検出手段、該端末の位置情報を取得する位置情報取得手段、及び該端末近傍の画像情報を取得する撮像手段の少なくとも1つを有すると共に、各種情報を入力するための入力手段と、各種情報を表示する表示手段と、各種情報を音声出力する音声出力手段と、インターネット接続手段と、レーダ装置と通信するための第2の通信手段を有し、レーダ装置と携帯型情報通信端末は、第1の通信手段及び第2の通信手段を介して互いに通信可能に接続され、携帯型情報通信端末により得られた運動状態情報、位置情報、及び画像情報の少なくとも1つをレーダ装置に入力し、目標検出アルゴリズムとして用いるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に係る周辺監視装置によれば、レーダ装置と携帯型情報通信端末を通信可能に接続し、レーダ装置による検出結果及び警告情報を、携帯型情報通信端末の表示手段及び音声出力手段のいずれか一方または両方によりユーザに通知するようにしたので、ナビゲーション装置やインストルメントパネル等の従来の車載装置を用いることなく、必要な情報を視認性良くユーザに通知することができ、車両の低価格化、小型化が可能となる。
【0017】
また、本発明の請求項2に係る周辺監視装置によれば、レーダ装置と携帯型情報通信端末を通信可能に接続し、携帯型情報通信端末により得られた運動状態情報、位置情報、及び画像情報の少なくとも1つをレーダ装置に入力し、目標検出アルゴリズムとして用いることにより、レーダ装置の目標検出精度を向上させることができ、さらに、携帯型情報通信端末が有する運動状態検出手段、位置情報取得手段、及び撮像手段を利用するため、車載専用のそれらの手段を設ける必要がなく、車両の低価格化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る周辺監視装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る周辺監視装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る周辺監視装置のキャリブレーション動作を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る周辺監視装置におけるレーダ装置の観測一周期の動作を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る周辺監視装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る周辺監視装置におけるレーダ装置の障害物誤検出による警告防止のための動作を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る周辺監視装置におけるレーダ装置の誤検出地点登録手段への登録操作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1に係る周辺監視装置について、図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態1に係る周辺監視装置の構成を示している。周辺監視装置1は、車両(図示せず)に搭載され、該車両の先行車、車両周辺の障害物及び歩行者の少なくとも1つを目標として検出するレーダ装置2と、ユーザが該車両を運転時にレーダ装置2に接続され運転時以外には車外に持ち出し可能な携帯型情報通信端末3を含んで構成される。また、図1に示す車載入力手段4は、車両に搭載されたスイッチで、例えばステアリングスイッチやコンソールスイッチである。
【0020】
レーダ装置2は、検出手段21、警告判定手段22、及び携帯型情報通信端末3と通信するための第1の通信手段である通信手段23を有している。検出手段21は、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、またはレーザレーダ等により先行車、障害物及び歩行者等の目標を検出し、検出された目標までの距離、相対速度及び角度等を算出する。警告判定手段22は、検出手段21による検出結果に基づいて該目標との衝突の可能性を判定し衝突の可能性が有ると判定した場合に警告情報を生成、発信する。
【0021】
携帯型情報通信端末3は、一般に市販されているスマートフォンのような携帯電話やタブレット型コンピュータ等のユーザが携帯可能な通信端末である。スマートフォンは、携帯電話(PHS)機能と携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)機能が付いた携帯端末である。また、タブレット型コンピュータは、平板状の外形を備え、タッチパネル式の表示/入力部を有する携帯可能なパーソナルコンピュータである。タブレット型コンピュータは、電話機能を有していないため通話はできないが、スマートフォンと同様の機能を備えている。
【0022】
携帯型情報通信端末3には、様々な機能が予め装備されている。例えば、各種情報を表示する表示手段31として液晶ディスプレイ、各種情報を音声出力する音声出力手段32としてスピーカーを備えている。また、各種情報を入力するための入力手段33としてタッチパネルやボタンを備えている。
【0023】
また、携帯型情報通信端末3の運動状態情報を検出する運動状態検出手段34として、ジャイロセンサや加速度センサ等のモーションセンサを備えている。また、携帯型情報通信端末3の位置情報を取得する位置情報取得手段35としてGPSを、さらに該端末3近傍の画像情報を取得する撮像手段36として可視光カメラ、赤外線カメラ等のカメラを備えている。ただし、本実施の形態1に係る周辺監視装置1においては、携帯型情報通信端末3は、運動状態検出手段34、位置情報取得手段35、及び撮像手段36を備えていなくても良い。
【0024】
携帯型情報通信端末3は、レーダ装置2と通信するための第2の通信手段である通信手段37を備えている。レーダ装置2と携帯型情報通信端末3は、それぞれの通信手段23、37を介して互いに通信可能に接続され、レーダ装置2による目標検出結果及び警告情報は、携帯型情報通信端末3の表示手段31及び音声出力手段32のいずれか一方または両方によりユーザに通知される。
【0025】
また、レーダ装置2の検出手段21に関する各種設定情報は、車載入力手段4からレーダ装置2に入力され、通信手段23、37を介して携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示される。なお、検出手段21に関する各種設定情報は、車載入力手段4からではなく、携帯型情報通信端末3の入力手段33から入力するようにしても良い。
【0026】
それぞれの通信手段23、37による通信は、無線通信、有線通信のどちらであっても良い。無線通信の場合は、通信手段23、37として例えば無線LAN、bluetooth、赤外線通信機等が用いられ、有線通信の場合は例えばUSBコントローラが用いられる。また、レーダ装置2と携帯型情報通信端末3との通信の仲介を行うインターフェース装置(図示せず)を介して通信手段23、37を接続してもよい。
【0027】
次に、本実施の形態1に係る周辺監視装置1の動作について、ACCを行う場合を例に挙げて説明する。まず準備段階としてユーザは、携帯型情報通信端末3において、レーダ装置2と通信しACCに関する各種設定を行うための専用のアプリケーションソフトを、インターネットを介してダウンロードし、携帯型情報通信端末3にインストールする。これにより、携帯型情報通信端末3の表示手段31には、ユーザインタフェースが表示される。
【0028】
次に、携帯型情報通信端末3を車両内の所定位置に搭載し、レーダ装置2と接続する。この接続は、それぞれの通信手段23、37が通信可能となるように行うもので、前述のように無線、有線どちらであっても良い。続いて、車載入力手段4により、ACCのON/OFF設定、最高速度、及び車間距離を含む各種設定情報の入力を行う。これらの各種設定情報は、通信手段23、37を介して携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示される。なお、これらの各種設定情報の入力を、携帯型情報通信端末3の入力手段33から行うようにしても良い。
【0029】
その後、走行中の車両において、レーダ装置2の検出手段21は、車両前方の先行車を検出する。検出手段21は、先行車を検出すると、先行車と自車両との距離、相対速度、角度等を算出する。また、レーダ装置2の警告判定手段22は、検出手段21から取得した検出結果と、ECU(Engine Controle Unit)から取得した自車両の車速に基づいて衝突の可能性を判定し、衝突の可能性が有ると判定した場合には、警告情報を生成、発信する。この警告情報は、通信手段23、37を介して携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示され、ユーザに通知される。
【0030】
また、警告情報の他にも、ACCの各種設定情報、先行車の有無等の検出手段21の検出結果、さらにはレーダ装置2が故障した際の故障内容を示す故障情報等、ユーザに通知する必要のある情報は、携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示される。また、警告情報については、より確実にユーザに通知するために、携帯型情報通信端末3の音声出力手段32による音声出力も同時に行われることが望ましい。
【0031】
以上のように、本実施の形態1に係る周辺監視装置1によれば、レーダ装置2と携帯型情報通信端末3を通信可能に接続し、レーダ装置2の目標検出に関する各種設定情報や検出結果、及び警告情報等を、ナビゲーション装置やインストルメントパネル等の車載装置を用いずに、携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示するようにしたので、警告情報がナビゲーション装置の画面に割り込むような事態が発生することなく、ユーザに必要な情報を視認性良く通知することができる。また、インストルメントパネルにACCの各種設定情報や警告情報の表示領域を確保する必要がないため、車両の低価格化、小型化が可能となる。
【0032】
また、車外でも利用され、表示手段31、音声出力手段32、入力手段33及び通信手段37等が装備された状態で市販されている携帯型情報通信端末3を用いることにより、車載専用の表示装置を追加する必要がなく、車両の低価格化が可能となる。さらに、携帯型情報通信端末3は、車両内のユーザの好みの位置に設置することができるため、視認性を向上させることができる。
【0033】
また、携帯型情報通信端末3の音声出力手段32を用いて警告情報をユーザに通知することにより、警告情報を通知するための車載スピーカーが不要となり、車両の低価格化が図られる。さらに、本実施の形態1では、レーダ装置2の各種設定情報をユーザが車載入力手段4により入力する例を示したが、携帯型情報通信端末3の入力手段33を用いて入力しても良く、その場合、コンソールあるいはステアリングに車載入力手段4(例えばACCの各設定のためのスイッチ)を設ける必要がなく、車両の低価格化が図られる。
【0034】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る周辺監視装置の構成を示している。なお、図2中、図1と同一、相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。本実施の形態2に係る周辺監視装置1aは、携帯型情報通信端末3の運動状態検出手段34により検出された運動状態情報をレーダ装置2aに入力し、目標(ここでは先行車)検出アルゴリズムとして用いるようにしたものである。なお、運動状態情報とは、携帯型情報通信端末3の運動方向や該車両への搭載向きに関する情報である。
【0035】
図2に示すように、レーダ装置2aは、記憶手段であるメモリ24、上り坂走行判定手段25、先行車保持手段26、及び上り坂頂点位置推定手段27を備えている。メモリ24は、運動状態検出手段34のキャリブレーションの結果であるキャリブレーション値を記憶する。上り坂走行判定手段25は、運動状態検出手段34から運動状態情報を取得し、これに基づいて該車両が上り坂を走行中であるか否かを判定する。具体的には、運動状態検出手段34の出力値からメモリ24に記憶されたキャリブレーション値を減算した結果が閾値以上の場合に、上り坂走行中であると判定する。
【0036】
先行車保持手段26は、上り坂走行判定手段25により該車両が上り坂走行中であると判定され、且つ検出手段21の前回観測周期に検出されていたが今回観測周期では検出されていない先行車がある場合に、該上り坂の傾斜角度が閾値以下になるまで該先行車と自車両との距離及び相対速度の予測を行う(これを「先行車を保持する」と呼ぶ)。具体的には、前回観測周期における先行車と自車両との距離、相対速度、及び観測周期の時間に基づいて、今回観測周期における先行車と自車両との距離及び相対速度等を予測する。
【0037】
先行車保持手段26による先行車の保持は、該上り坂の傾斜角度が閾値以下になるまで続けられる。ただし、先行車保持手段26は、予測中の先行車Aとの距離内に、検出手段21が別の先行車Bを検出した場合には、該先行車Aの予測を停止し、先行車Bを追従する。先行車保持手段26の動作については、後に図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0038】
また、上り坂頂点位置推定手段27は、上り坂走行判定手段25により該車両が上り坂走行中であると判定されている最中に、検出手段21が該車両の前方に検出していた目標を喪失(ロスト)した場合、その目標をロストした位置を該上り坂の頂点であると推定する。なお、上り坂頂点位置推定手段27は、検出手段21が該車両の前方に検出していた所定数(例えば3個)以上の目標をロストした位置を、該上り坂の頂点であると推定するようにしても良い。上り坂頂点位置推定手段27により推定された頂点位置に車両が接近した際には、その旨を携帯型情報通信端末3の表示手段31及び音声出力手段32のいずれか一方または両方によりユーザに通知する。
【0039】
周辺監視装置1aの携帯型情報通信端末3は、車両内の所定位置に搭載されレーダ装置2aと接続された後、運動状態検出手段34の搭載位置に関するキャリブレーションを実行する。このキャリブレーション動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップ1(S1)において、レーダ装置2aと、車両内の所定位置に搭載された携帯型情報通信端末3を接続する。
【0040】
次に、ステップ2(S2)において、レーダ装置2aは、携帯型情報通信端末3に対してキャリブレーションの実行を要求し、レーダ装置2aと接続された時点での運動状態検出手段34の検出結果の初期値を、レーダ装置2aのメモリ24に記憶する。続いて、ステップ3(S3)において、携帯型情報通信端末3は、運動状態検出手段34の搭載位置に関するキャリブレーションを実行する。具体的には、メモリ24に記憶されている検出結果初期値をキャリブレーション初期値とし、一定期間、運動状態検出手段34の検出結果を積分する。
【0041】
続いて、ステップ4(S4)において、キャリブレーションの結果(積分結果)をレーダ装置2aのメモリ24に記憶し、キャリブレーション値を更新する。その後、ステップ5(S5)において、キャリブレーションを実行する所定の時間が経過したかどうか判定し、所定の時間経過していた場合(Yes)、処理を終了する。所定の時間経過していない場合(No)はS3に戻り、キャリブレーションを続ける。
【0042】
なお、S2において、検出結果の初期値として、レーダ装置2aと接続した時点での運動状態検出手段34の検出結果ではなく、車両が動き出し所定の速度に達した時の運動状態検出手段34の検出結果をメモリ24に記憶するようにしても良い。さらに、S2以降のキャリブレーション動作は、携帯型情報通信端末3がレーダ装置2aと接続された時のみならず、運動状態検出手段34が検出した運動状態情報の変化が所定値以上であった場合にも実行することが望ましい。これにより、携帯型情報通信端末3が搭載位置から落下した場合やユーザが搭載位置を変えた場合にその都度キャリブレーションが実行されるため、搭載位置が制限されない。
【0043】
次に、本実施の形態2に係る周辺監視装置1aにおけるレーダ装置2aの観測一周期の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップ11(S11)において、レーダ装置2aの検出手段21は、車両前方の障害物を検出する。続いてステップ12(S12)において、S11で検出した車両前方の障害物の中から先行車を特定する。
【0044】
次に、ステップ13(S13)において、先行車が存在する場合(Yes)は、ステップ14(S14)に進み、先行車と自車両との距離及び相対速度等を記憶すると共に、先行車保持フラグをOFFとして観測一周期を終了する。なお、レーダ装置2aへの電源投入時の先行車保持フラグはOFFである。一方、S13において、先行車が存在しない場合(No)は、ステップ15(S15)へ進む。
【0045】
S15において、上り坂走行判定手段25は、運動状態検出手段34の検出結果からメモリ24に記憶したキャリブレーション値を減算し、車両進行方向に対する上り坂傾斜角度を求める。上り坂傾斜角度が予め設定された閾値より小さい場合(No)、上り坂走行中ではないと判定し、ステップ20(S20)に進む。S20では、上り坂走行中ではないため先行車保持フラグをOFFとし、観測一周期を終了する。
【0046】
一方、S15において、上り坂傾斜角度が閾値以上である場合(Yes)、上り坂走行中であると判定し、ステップ16(S16)に進む。S16において、先行車保持フラグがONの場合(Yes)は、ステップ19(S19)に進み、前回観測周期の先行車を保持し、観測一周期を終了する。
【0047】
S16において、先行車保持フラグがOFFの場合(No)は、ステップ17(S17)に進み、前回観測周期における先行車の有無を確認する。前回観測周期において先行車が有る場合(Yes)には、上り坂走行中に先行車をロストしたと判断し、ステップ18(S18)において、先行車保持フラグをONとし、S19において前回観測周期の先行車を保持する。一方、S17において、前回観測周期において先行車が無い場合(No)、追従状態ではないと判断し、観測一周期を終了する。
【0048】
なお、S13において、前回観測周期の先行車(先行車Aとする)を保持中、すなわち先行車保持フラグがONであっても、その先行車Aとの距離内に別の先行車(先行車Bとする)を検出した場合、S14において先行車Bを記録し、先行車Aの保持は停止(先行車保持フラグOFF)とする。これにより、先行車Aをロストして先行車Aを保持中であっても、新たな先行車Bが存在すれば、先行車Aの保持を解除し先行車Bを追従することできる。また、先行車に限らず、保持中の先行車との距離内に障害物を検出した場合に、先行車保持を解除するようにしてもよい。
【0049】
以上のように、本実施の形態2に係る周辺監視装置1aによれば、携帯型情報通信端末3の運動状態検出手段34により検出された運動状態情報を、レーダ装置2aの目標(先行車)検出アルゴリズムに利用することにより、レーダ装置2aの先行車検出精度を向上させることが可能である。
【0050】
具体的には、運動状態検出手段34から取得した運動状態情報に基づいて上り坂走行中であるかどうか判定し、上り坂走行中に先行車をロストした際には前回観測周期の先行車を保持するようにしたので、例えばACC先行車追従時に先行車が上り坂頂点を通過してレーダ装置2の検出手段21により検出されなくなった場合でも、先行車との衝突の危険を回避することができる。
【0051】
また、携帯型情報通信端末3の運動状態検出手段34を用いることにより、車載専用の運動状態検出手段を設ける必要が無く、車両の低価格化が図られる。さらに、携帯型情報通信端末3をレーダ装置2aと接続した後、レーダ装置2aの動作前に運動状態検出手段34のキャリブレーションを実行するようにしたので、携帯型情報通信端末3の車両内の搭載位置を制限する必要がなく、利便性に優れている。
【0052】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係る周辺監視装置の構成を示している。なお、図5中、図1と同一、相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。本実施の形態3に係る周辺監視装置1bは、携帯型情報通信端末3の位置情報取得手段35により取得された位置情報をレーダ装置2bに入力し、目標(ここでは障害物)検出のアルゴリズムとして用いるようにしたものである。
【0053】
図5に示すように、本実施の形態3に係る周辺監視装置1bのレーダ装置2bは、誤検出地点登録手段28を備えている。誤検出地点登録手段28は、携帯型情報通信端末3の位置情報取得手段35から位置情報を取得し、検出手段21が障害物を誤検出した地点の位置情報を登録するものである。
【0054】
また、警告判定手段22は、位置情報取得手段35から取得した現在の位置情報と、誤検出地点登録手段28に登録されている位置情報を比較し、誤検出地点登録手段28に登録されている位置情報の所定の範囲内では警告情報を発信しない。検出手段21が障害物を誤検出した地点(警告地点)の位置情報は、携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示されると共に、入力手段33からユーザにより誤検出地点登録手段28に登録される。
【0055】
本実施の形態3に係る周辺監視装置1bにおけるレーダ装置2bの障害物誤検出による警告防止のための動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップ21(S21)において、携帯型情報通信端末3の位置情報取得手段35により位置情報を取得し、現在位置情報としてメモリ24に記憶する。
【0056】
次に、ステップ22(S22)において、検出手段21は障害物検出処理を行い、検出した障害物と自車両との距離、相対速度、及び角度等を含む障害物情報を算出する。続いて、ステップ23(S23)において、警告判定手段22は、検出手段21から取得した障害物情報と、ECUから取得した車速情報に基づいて、障害物との衝突の可能性を判定し、警告の必要が有るか否かを判定する。S23において、警告の必要が無い(No)と判定した場合、処理を終了する。
【0057】
また、S23において、警告の必要有り(Yes)と判定した場合、ステップ24(S24)において、現在位置情報が、誤検出地点登録手段28に登録されている地点の位置情報の所定の範囲内であるか否かを判定する。所定の範囲内の場合(Yes)、警告を行わないで処理を終了する。所定の範囲内でなければ(No)、ステップ25(S25)において警告を行う。この時の警告情報及び位置情報(S21で記憶した現在位置情報)は、携帯型情報通信端末3に送信され、表示手段31に表示される。
【0058】
次に、レーダ装置2bの誤検出地点登録手段28への登録操作について、図7のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップ31(S31)において、レーダ装置2bから警告情報を受信した携帯型情報通信端末3は、表示手段31及び音声出力手段32によりユーザに警告情報を通知する。このとき、表示手段31には、警告情報と共に警告地点(現在位置情報)が表示される。
【0059】
次に、ステップ32(S32)において、警告情報を通知されたユーザが、警告地点に障害物が見当たらない等の理由で、該警告情報の障害物情報を誤検出と判断した場合(Yes)、ステップ33(S33)に進み、携帯型情報通信端末3の入力手段33により誤検出地点の位置情報を誤検出地点登録手段28に登録する。この登録操作は、具体的には、携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示された項目から「誤検出地点登録」を選択するというような簡単なものである。また、S32において、該障害物情報を誤検出ではないと判断した場合(No)には、処理を終了する。
【0060】
なお、図6のフローチャートでは、位置情報取得手段35から取得した位置情報をそのまま用いているが、位置情報取得手段35から取得した位置情報を検出手段21が検出した障害物との距離で補正した補正位置情報を用い、これを誤検出地点登録手段28に登録し、補正位置情報の所定の範囲内では警告情報を発信しないようにしても良い。これにより、S24において警告を行うか否かの判定の際の対象範囲を狭めることができ、より精度の高い判定が行える。
【0061】
また、図7のフローチャートでは、S32において警告情報を通知されたユーザが、該障害物情報を誤検出と判断した場合に、その都度、S33において誤検出地点の位置情報を登録するようにしているが、この登録操作がユーザにとって負担になる場合が考えられる。そこで、誤検出地点(警告地点)の位置情報または補正位置情報を、レーダ装置2bが有するメモリ24に一旦記憶すると共に、携帯型情報通信端末3の表示手段31に表示しておく。その後、携帯型情報通信端末3の入力手段33からユーザの任意のタイミングで誤検出地点登録手段28に登録するようにしても良い。これにより、複数地点の登録操作をまとめて行うことも可能となり、ユーザの負担が軽減される。さらに、信号停車時や駐車時に登録操作が行えるため安全性が向上する。
【0062】
また、警告判定手段22は、車両が誤検出地点登録手段28に登録された誤検出地点の位置情報または補正位置情報の所定の範囲内を通過中であることを、携帯型情報通信端末3の表示手段31及び音声出力手段32のいずれか一方または両方によりユーザに通知するようにしても良い。これにより、警告をしない領域を走行中であることをユーザに認識させ、ユーザの注意を喚起することができる。
【0063】
以上のように、本実施の形態3に係る周辺監視装置1bによれば、携帯型情報通信端末3の位置情報取得手段35により取得された位置情報を、レーダ装置2bの目標(障害物)検出アルゴリズムに利用することにより、レーダ装置2bの障害物検出精度を向上させることが可能である。
【0064】
具体的には、位置情報取得手段35から取得した障害物の誤検出地点の位置情報を誤検出地点登録手段28に登録し、登録された位置情報の所定の範囲内では警告情報を発信しないようにしたので、障害物誤検出による不要な警告を防止することができる。これにより、ユーザは、同じ場所を通過する度に同じ警告情報を通知される煩わしさから解放される。また、携帯型情報通信端末3の位置情報取得手段35を用いることにより、車両専用の位置情報取得手段を設ける必要が無く、車両の低価格化が図られる。
【0065】
なお、上記実施の形態2では運動状態検出手段34により検出された運動状態情報を、本実施の形態3では位置情報取得手段35により取得された位置情報をそれぞれレーダ装置2a、2bに入力し、目標検出アルゴリズムとして用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。目標検出アルゴリズムとして運動状態情報と位置情報の両方を用いても良く、さらに撮像手段36により取得された画像情報を用いても良い。例えば道路幅や障害物等の路幅決定要因を検出する際に、レーダ装置2の検出結果を画像情報で確認または修正することにより、検出精度を向上させることができる。
【0066】
すなわち、周辺監視装置1a、1bの携帯型情報通信端末3は、運動状態情報を検出する運動状態検出手段34、位置情報を取得する位置情報取得手段35、及び画像情報を取得する撮像手段36の少なくとも1つを有しており、運動状態情報、位置情報、及び画像情報の少なくとも1つをレーダ装置2a、2bに入力し、目標検出アルゴリズムとして利用するものである。ただし、携帯型情報通信端末3により得られる運動状態情報、位置情報、及び画像情報は、レーダ装置2a、2bの検出精度を向上させるための情報であり、これらの情報が得られなくてもレーダ装置2a、2b単独の機能で目標検出を行うことは可能である。
【0067】
いずれも場合においても、携帯型情報通信端末3は、車両内の所定位置に搭載されレーダ装置2a、2bと接続された後、レーダ装置2a、2bからの要求により、該端末3が有する運動状態検出手段34、位置情報取得手段35、及び撮像手段36の少なくとも1つの搭載位置に関するキャリブレーションを実行し、その結果はレーダ装置2a、2bが有するメモリ24に記憶される。
【0068】
なお、上記実施の形態1〜実施の形態3では、自車両と目標との距離及び相対速度を測定する装置としてレーダ装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばレーダ装置の代わりに超音波センサを用いてもよい。さらに、本発明は、ACC及び走行中の障害物検出に限らず、駐車時の周辺障害物の検出や車両の左右後方死角における接近物の検出等、ユーザへの警告情報の通知が必要なシステムに利用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、車両に搭載されたレーダ装置により目標までの距離及び相対速度を算出し、衝突の可能性が有る場合にユーザに警告を通知する周辺監視装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1、1a、1b 周辺監視装置、2、2a、2b レーダ装置、
3 携帯型情報通信端末、4 車載入力手段、
21 検出手段、22 警告判定手段、23 通信手段、24 メモリ、
25 上り坂走行判定手段、26 先行車保持手段、27 上り坂頂点位置推定手段、
28 誤検出地点登録手段、31 表示手段、32 音声出力手段、33 入力手段、
34 運動状態検出手段、35 位置情報取得手段、36 撮像手段、37 通信手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、該車両の先行車、周辺の障害物及び歩行者の少なくとも1つを目標として検出するレーダ装置と、ユーザが該車両を運転時に前記レーダ装置に接続され運転時以外には車外に持ち出し可能な携帯型情報通信端末を備えた周辺監視装置であって、
前記レーダ装置は、目標を検出し、該目標までの距離及び相対速度を算出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて衝突の可能性を判定し衝突の可能性が有ると判定した場合に警告情報を生成、発信する警告判定手段と、前記携帯型情報通信端末と通信するための第1の通信手段を有し、
前記携帯型情報通信端末は、各種情報を入力するための入力手段と、各種情報を表示する表示手段と、各種情報を音声出力する音声出力手段と、インターネット接続手段と、前記レーダ装置と通信するための第2の通信手段を有し、
前記レーダ装置と前記携帯型情報通信端末は、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段を介して互いに通信可能に接続され、前記レーダ装置による検出結果及び警告情報を、前記携帯型情報通信端末の前記表示手段及び前記音声出力手段のいずれか一方または両方によりユーザに通知することを特徴とする周辺監視装置。
【請求項2】
車両に搭載され、該車両の先行車、周辺の障害物及び歩行者の少なくとも1つを目標として検出するレーダ装置と、ユーザが該車両を運転時に前記レーダ装置に接続され運転時以外には車外に持ち出し可能な携帯型情報通信端末を備えた周辺監視装置であって、
前記レーダ装置は、目標を検出し、該目標までの距離及び相対速度を算出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて衝突の可能性を判定し衝突の可能性が有ると判定した場合に警告情報を生成、発信する警告判定手段と、前記携帯型情報通信端末と通信するための第1の通信手段を有し、
前記携帯型情報通信端末は、該端末の運動状態情報を検出する運動状態検出手段、該端末の位置情報を取得する位置情報取得手段、及び該端末近傍の画像情報を取得する撮像手段の少なくとも1つを有すると共に、各種情報を入力するための入力手段と、各種情報を表示する表示手段と、各種情報を音声出力する音声出力手段と、インターネット接続手段と、前記レーダ装置と通信するための第2の通信手段を有し、
前記レーダ装置と前記携帯型情報通信端末は、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段を介して互いに通信可能に接続され、前記携帯型情報通信端末により得られた運動状態情報、位置情報、及び画像情報の少なくとも1つを前記レーダ装置に入力し、目標検出アルゴリズムとして用いることを特徴とする周辺監視装置。
【請求項3】
前記携帯型情報通信端末は、携帯電話及びタブレット型コンピュータのいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の周辺監視装置。
【請求項4】
前記第1の通信手段と前記第2の通信手段は、無線通信を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の周辺監視装置。
【請求項5】
前記第1の通信手段と前記第2の通信手段は、有線通信を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の周辺監視装置。
【請求項6】
前記第1の通信手段と前記第2の通信手段は、インターフェース装置を介して接続されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の周辺監視装置。
【請求項7】
前記レーダ装置に関する各種設定情報は、前記携帯型情報通信端末の前記入力手段から入力されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の周辺監視装置。
【請求項8】
前記レーダ装置に関する各種設定情報は、前記携帯型情報通信端末の前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の周辺監視装置。
【請求項9】
前記レーダ装置が故障した際の故障情報は、前記携帯型情報通信端末の前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の周辺監視装置。
【請求項10】
前記携帯型情報通信端末は、車両の所定位置に搭載され前記レーダ装置と接続された後、該端末が有する前記運動状態検出手段、前記位置情報取得手段、及び前記撮像手段の少なくとも1つの搭載位置に関するキャリブレーションを実行することを特徴とする請求項2記載の周辺監視装置。
【請求項11】
前記運動状態検出手段を有する前記携帯型情報通信端末において、前記運動状態検出手段が検出した運動状態情報の変化が所定値以上であった場合に、前記運動状態検出手段の搭載位置に関するキャリブレーションを実行することを特徴とする請求項2記載の周辺監視装置。
【請求項12】
前記レーダ装置は、前記携帯型情報通信端末に対してキャリブレーションの実行を要求し、キャリブレーションの結果を前記レーダ装置が有する記憶手段に記憶することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の周辺監視装置。
【請求項13】
前記運動状態検出手段を有する前記携帯型情報通信端末と接続された前記レーダ装置において、
前記運動状態検出手段から運動状態情報を取得しこれに基づいて車両が上り坂を走行中であるか否かを判定する上り坂走行判定手段と、
前記上り坂走行判定手段により該車両が上り坂走行中であると判定され、且つ前記検出手段の前回観測周期に検出されていたが今回観測周期では検出されていない先行車がある場合に、該上り坂の傾斜角度が閾値以下になるまで該先行車と自車両との距離及び相対速度の予測を行う先行車保持手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の周辺監視装置。
【請求項14】
前記レーダ装置において、前記先行車保持手段が予測中の先行車Aとの距離内に、前記検出手段が別の先行車Bを検出した場合、前記先行車保持手段は該先行車Aの予測を停止することを特徴とする請求項13記載の周辺監視装置。
【請求項15】
前記レーダ装置において、前記上り坂走行判定手段により車両が上り坂走行中であると判定されている最中に、前記検出手段が該車両の前方に検出していた目標を喪失した場合、その目標を喪失した位置を該上り坂の頂点であると推定する上り坂頂点位置推定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項13記載の周辺監視装置。
【請求項16】
前記上り坂頂点位置推定手段は、前記検出手段が該車両の前方に検出していた所定数以上の目標を喪失した位置を、該上り坂の頂点であると推定することを特徴とする請求項15記載の周辺監視装置。
【請求項17】
前記上り坂頂点位置推定手段により推定された上り坂の頂点に該車両が接近したことを、前記携帯型情報通信端末の前記表示手段及び前記音声出力手段のいずれか一方または両方によりユーザに通知することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の周辺監視装置。
【請求項18】
前記位置情報取得手段を有する前記携帯型情報通信端末と接続された前記レーダ装置において、
前記位置情報取得手段から位置情報を取得し、前記検出手段が障害物を誤検出した地点の位置情報を登録する誤検出地点登録手段を備え、
前記警告判定手段は、前記誤検出地点登録手段に登録された位置情報の所定の範囲内では警告情報を発信しないことを特徴とする請求項2記載の周辺監視装置。
【請求項19】
前記位置情報取得手段を有する前記携帯型情報通信端末と接続された前記レーダ装置において、
前記位置情報取得手段から位置情報を取得し、前記検出手段が障害物を誤検出した地点の位置情報を前記検出手段が誤検出した障害物との距離で補正した補正位置情報を登録する誤検出地点登録手段を備え、
前記警告判定手段は、前記誤検出地点登録手段に登録された補正位置情報の所定の範囲内では警告情報を発信しないことを特徴とする請求項2記載の周辺監視装置。
【請求項20】
前記検出手段が障害物を誤検出した地点の位置情報または補正位置情報は、前記携帯型情報通信端末の前記表示手段に表示されると共に、前記入力手段から前記誤検出地点登録手段に登録されることを特徴とする請求項18または請求項19記載の周辺監視装置。
【請求項21】
前記検出手段が障害物を誤検出した地点の位置情報または補正位置情報は、前記レーダ装置が有する記憶手段に一旦記憶されると共に前記携帯型情報通信端末の前記表示手段に表示され、前記携帯型情報通信端末の前記入力手段からユーザの任意のタイミングで前記誤検出地点登録手段に登録されることを特徴とする請求項18または請求項19記載の周辺監視装置。
【請求項22】
前記警告判定手段は、前記誤検出地点登録手段に登録された位置情報または補正位置情報の所定の範囲内を通過中であることを、前記携帯型情報通信端末の前記表示手段及び前記音声出力手段のいずれか一方または両方によりユーザに通知することを特徴とする請求項18または請求項19記載の周辺監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−41444(P2013−41444A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178284(P2011−178284)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】