呼吸バッグ
空気吸気口端部と空気排気口端部との間の縦軸(L)の周囲に縦方向に延在する柔軟な中空本体(12)を具えている折畳み式呼吸バッグアセンブリ(10)が、提供され、少なくとも3つの環状折畳み帯(32)で形成されている。患者弁(24)は、縦軸を横断するフェイスマスク連結器を具える排気口端部に取り付けられている。また、吸気弁アセンブリ(16)が具えられており、フェイスマスク(28)がフェイス係合リム(98)、ドーム部、およびフェイスマスク連結器に着脱自在に連結可能な弁連結器に取り付けられている。フェイスマスクのドーム部は、作動中の凹状の状態と、前記ドーム部が反転されるとともに、前記弁連結器が前記フェイスマスク連結器から取り外されている凸状の収納状態との間で変形可能である。アセンブリは、少なくとも1つの拡張された作動状態と、環状折畳み帯(32)が少なくとも部分的に重なる完全に折り畳まれた収納状態とに構成可能となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常、呼吸バッグの分野において、特に、小型化可能な呼吸バッグを対象とする。そのようなバッグは、多くの場合、人工蘇生器、人工呼吸バッグ、バッグ弁マスクなどとも呼ばれている。
【背景技術】
【0002】
人工呼吸器バッグは、陽圧を用いて、呼吸をしていない意識不明の人の肺を膨らませるべく、または浅くて力のない自発的な呼吸をサポートすべく、意識不明の人に酸素を送り込み続けて生かしておくための装置である。手動で操作可能な形式のものは、フェイスマスクと手動で圧縮する大きくて柔軟な球状部とを具え、その球状部は外気を使用し、または加圧シリンダーなどからの酸素補給を有する。
【0003】
従来の人工呼吸バッグは、カフを有し、そのカフで酸素供給ラインに接続される。また、カフにより、呼吸マスク、フェイスマスク、咽頭チューブ、pip弁などに接続することもできる。
【0004】
マニュアルで操作される呼吸バッグは、救急車、手術室および救急室、応急手当バッグ、市民および軍の医者、レスキュー隊などにおいては標準的な機材である。
【0005】
緊急専門家によって簡単に運ぶことができ、より多くのユニットが所定のスペースに保管することができるようにコンパクトサイズの人工呼吸器バッグを設計する必要性がますます高まってきている。
【0006】
様々な人工呼吸器バッグとそれらとともに一緒に使用される構成部品(フェイスマスク、一方向弁、カフなど)は、例えば以下に示すように、当該技術分野において知られている。
【0007】
米国特許第5,295,478号は、ポケットで持ち運ぶことができる口鼻マスク人工蘇生器を開示しており、その人工蘇生器は、口鼻マスクと逆止弁とからなり、逆止弁は、マスク内に挿入されて、人が人工換気を施すことを可能とし、それにより、被災者の肺を空気で満たすとともに、弁アセンブリの出口を介して、蘇生を施す人から離れた位置に被災者が息を吐くことを可能にする。そのマスクは、それ自体折り畳み可能であり、吸気空気流および排気空気流の背圧を有する逆止弁を収納するための空洞を形成する。
【0008】
米国特許第5,163,424号は、使い捨て人工蘇生器を開示しており、その人工蘇生器は、細長い弾性的に圧縮可能な圧縮バッグを含み、この圧縮バッグは、第1開口部と、第1開口部に取り付けられたバッグ内に酸素含有ガスを吸入するための一方向弁と、蘇生器を顔のマスクに取り付けるための管スタブを有する透明管の形態で、弁ハウジングとの間で空気が漏れないように連通する第2開口部と、排気空気用の出口とを具え、管状弁ハウジングは、弁座と弾性材料からなるディスク状弁本体とを含む弁を収容するとともに、中央に取り付けられて弁座の孔内で軸方向に変位可能な突出ガイドピンを具え、排気空気用の出口を形成する中心流路を有する本体が、透明管の自由端部に設けられ、中心流路が、弁部材と同軸に配置されて且つ接触する環状ビードにより取り囲まれ、蘇生器を顔のマスクに取り付けるための管スタブが、透明管の側部から延びて、透明管の自由端部に配置される本体と弁部材との間に位置する領域に連接されている。
【0009】
米国特許第6,745,769号は、少なくとも1つの接続スタブを有する呼吸バッグに関連しており、呼吸バッグは、一方向を有する縦軸を規定しているバッグ状の中空本体と、前記本体に亘って環状に延在している少なくとも1つの折畳み領域とを具え、バッグ状本体は、当該中空本体が折畳み領域まで平坦に延びる第1安定状態から、バッグ状本体が折畳み領域で軸方向に内側に曲げられて折畳み領域内に環状折畳み部を規定する第2安定状態へと、縦軸の方向に折り畳み可能となっており、さらに、呼吸バッグが、その動作使用中に、バッグ状中空本体内の圧力に応答して、第2安定状態で中空本体を保持するための保持手段を具える。
【0010】
米国特許第5,121,745号は、使い捨ての自己空気注入式救助マスクを開示しており、そのマスクは、透明で柔軟な形状保持プラスチック製のドーム形状の折畳み可能な部分を具えており、その部分は、周縁部に内蔵型自己密封式空気弁が設けられた空気注入式空気袋を有し、自己密封式空気弁は、空気注入式空気袋内に外気が流入することを可能にするとともに、自己膨張マスク内の空気をセルフシールしてその形状を確実に保持し、空気袋は、鼻と口の領域にぴったり適合して患者の顔を効果的に密封する形状とされ、ドームの頂部に開口部内に配置された吹き込み式チューブには、呼気を患者に送るためのマウスピースが設けられている。マスクは搬送ケースに収納され、この搬送ケースは、容器を形成する同様の2つの部分を具え、この容器は、収縮したマスクを平坦で折り畳まれた状態で収容するように形成されるとともに、密閉手段により密閉されている。
【0011】
米国特許第4,532,923号は、一体構造の手動操作可能な人工蘇生器バッグを開示しており、その人工蘇生器バッグは、細長い略フットボール形状を有し、その一端に入口を、他端に出口を、壁厚の減少した各端部に、折畳みリングをそれぞれ具え、それにより端部を入れ子状に押し込むことができ、さらに、折畳みリング間に厚い壁部のリッジを有し、バッグの中心部が、先細端部の折畳みリング間のリッジの厚さと等しい壁厚を有し、さらに、縦リブが、バッグの中心部の外面上に、外周の周囲に間隔を空けられて形成され、それにより、弾力性の増加とバッグ形状への迅速な復帰を与えるものとなっている。
【0012】
米国特許第4,062,357号は、使い捨て人工呼吸マスクに関する。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、フェイスマスクを具え、少なくとも1つの拡張された作動状態と、完全に折り畳まれた収納状態との間で変形可能であって、拡張された作動状態に容易に展開可能な折畳み式呼吸バッグアセンブリを対象にする。
【0014】
本発明によれば、折畳み式呼吸バッグアセンブリが提供されており、このバッグアセンブリは、空気吸気口端部と空気排気口端部との間にその縦軸の周囲で縦方向に延在して、少なくとも3つの環状折畳み帯で形成されている柔軟な中空本体と、前記排気口端部に取り付けられて、縦軸を横断するフェイスマスク連結器を具えている患者弁(patient valve)と、吸気弁アセンブリと、フェイス係合リム、ドーム部、および前記フェイスマスク連結器に着脱自在に連結可能な弁連結器が取り付けられていフェイスマスクとを具え、前記ドーム部が、作動中の凹状の状態と、前記ドーム部が反転されるとともに、前記弁連結器が前記フェイスマスク連結器から取り外される凸状の収納状態との間で変形可能であり、前記アセンブリが、少なくとも1つの拡張された作動状態と、少なくとも3つの環状折畳み帯が少なくとも部分的に重なる完全に折り畳まれた収納状態に構成可能となっている。
【0015】
柔軟な中空本体は、少なくとも部分的に重なるいくつかの折畳み帯のような蛇腹式の構成(アコーディオン式)で折り畳まれる。
【0016】
本発明の特定の実施例によれば、吸気弁アセンブリは、前方プレートと後方プレートとの間に延在する密閉流れ空間が設けられている実質的に平らな本体であり、前記吸気弁アセンブリの厚さは、約10ミリメートル以下である。
【0017】
本発明の設計によれば、吸気弁アセンブリは、密閉流れ空間内への外気の流れを促進する第1の逆止弁と、前記密閉流れ空間内で所定の圧力閾値を越えて圧力が上昇したときに、前記密閉流れ空間から周囲への流れを促進する排出逆止弁と、酸素貯蔵バッグを接続するための貯蔵連結器と、酸素供給ラインに取り付けるための酸素連結器および、密閉流れ空間から柔軟な中空本体の方向に空気の流れを促進する第2の吸気逆止弁とを具えている。
【0018】
任意の一またはそれ以上の以下の特性および実施例が、呼吸バッグに組み込まれていてもよく、本発明の実施例を構成するものであってもよい。
・吸気弁アセンブリの弁は、フラップ式の弁である(きのこ型弁と呼ばれるときもある)。
・前方プレートには、完全に折り畳まれた収納状態において、患者フィルタの後方に向く突出部を受け入れるための窪みが形成されている。
・酸素連結器は、密閉流れ空間から放射状に延びるたわみ管スタブである。
・酸素連結器は、密閉流れ空間から接線方向に延びるたわみ管スタブである。代替的に、管スタブは、そこから放射状に突出している。しかし、チューブは、弁より大きく突出しない、すなわち、吸気弁アセンブリの周囲から突出しない。
・密閉流れ空間から延びるたわみ管スタブの少なくとも一部が吸気弁アセンブリの上で少なくとも部分的に螺旋状に巻かれる状態で、中空本体の空気吸気口端部における環状折畳み帯の直径が、吸気弁アセンブリを収容するように設計されている。
・収納状態においては、フェイスマスクの弁連結器は、患者弁の弁連結器収容部内に受け入れられている。
・収納状態においては、吸気弁とフェイスマスクは、折り畳まれた中空本体内に完全に受け入れられている。
・中空本体は、空気吸気口端部と空気排気口端部を反対方向に引くことによって、拡張された作動状態に容易に展開することが可能となっている。
・完全に折り畳まれた収納状態において、アセンブリの厚さは、約55ミリメートル以下である。
・完全に折り畳まれた収納状態において、アセンブリの厚さは、吸気弁アセンブリと患者弁とを組み合わせた厚さ以下である。
・完全に折り畳まれた収納状態において、アセンブリの厚さは、中空本体の中央環状折畳み帯の厚さ以下である。
・貯蔵連結器には、貯蔵バッグの開口部と貯蔵連結器との間の自由な流れの通路を維持するための折畳み式支持要素が取り付けられている。
・中空本体は、いくつかの異なる中間状態に展開することができ、この中間状態では、中空本体の空気吸気口端部における最後部の環状折畳み帯は、隣接する環状折畳み帯に重なり、それによって、中空本体の有効容積を減少させることができる。
・中間状態において、最後部の環状折畳み帯の内面が、隣接する環状折畳み帯の対応する内面に重なる。
・中間状態において、最後部の環状折畳み帯の外面が、隣接する環状折畳み帯の対応する外面に重なる。
・フェイスマスク連結器は、実質的に中空本体の縦軸に対して垂直に延びている。空気流通路が、中空本体から患者弁の環状通路を介してフェイスマスク連結器へ延び、環状通路が患者弁の弁連結器収容部を取り囲んでいる。
・選択的に、フェイスマスク/患者弁/柔軟な中空本体は、バルブの作動点検、弁障害のチェックを容易にし、患者からの分泌物の点検を可能にするために透明である。
・中空本体は、6つの環状折畳み線と7つの折畳み帯とを具えている。
・中空本体は、作動しているが、少なくとも部分的に折り畳まれた少なくとも1の状態を具え、その状態では、少なくとも1つの環状折畳み帯が反転されるとともに、少なくとも1つのその他の環状折畳み帯と少なくとも部分的に重なり、且つ、前記中空本体内の容積が減少するが、中空本体の弾性が保持されており、その結果、手動による圧縮後、自然に拡張するようになっている。
・患者弁は、peep弁に着脱自在に取り付けるための連結器を具えている。
・ファスナーが、その部分的に折り畳まれた状態において、中空本体を固定するために設けられている。
・作動状態において、フェイスマスクの弁連結器は、フェイス係合リムの前に延びるが、凸状の収納状態ではフェイスマスクのドーム部が反転して、弁連結器が、フェイス係合リムの後ろに延びる。
・フェイスマスクは、一端が患者弁に取り付けられ、他端がフェイスマスクの連結器に取り付けられる蛇腹式のパイプの形の柔軟な折畳み式導管を通して、患者弁に着脱自在に取り付けることができる。
・収納状態において、吸気弁アセンブリと患者弁とが、装置の縦軸に沿って少なくとも部分的に重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明と方法を理解して、それが実際に如何にして実施されるのかを理解するために、添付の図面を参照して、単に非限定的な実施例として、実施形態を説明することとする。
【図1】図1は、酸素貯蔵バッグが取り付けられた、完全に拡張された作動状態における本発明による呼吸バッグの等角図である。
【図2】図2は、図1の呼吸バッグの組立分解等角図である。
【図3】図3は、図1の呼吸バッグの平面図である。
【図4A】図4Aは、呼吸バッグの吸気口端部の後部断面等角図である。
【図4B】図4Bは、呼吸バッグの吸気口端部の後部等角図である。
【図5A】図5Aは、完全に折り畳まれた収納状態の呼吸バッグの側面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの呼吸バッグの横断面図である。
【図5C】図5Cは、図5Aの呼吸バッグの後部断面等角図である。
【図5D】図5Dは、図5Aの呼吸バッグの正面図である。
【図6】図6は、呼吸バッグと、peep弁を取り付けた患者弁の側部断面図である。
【図7A】図7Aは、部分的に拡張された第2の作動状態における、呼吸バッグの側部断面図である。
【図7B】図7Bは、部分的に拡張されたもう1つの作動状態における、呼吸バッグの側部断面図である。
【図8A】図8Aは、拡張状態における本発明による呼吸バッグの変形例を示している。
【図8B】図8Bは、折り畳まれた状態における本発明による呼吸バッグの変形例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
先ず、図1乃至図3の図面を参照する。これら図面は、符号10で通常示される本発明に従う折畳み式呼吸バッグを示しており、このバッグは、符号16で通常示される吸気弁アセンブリに取り付けられる吸気口端部14と符号20で通常示される空気排気口端部との間に延びる柔軟な中空本体12を具えている。酸素貯蔵バッグ18が、吸気弁アセンブリ16に取り付けられ、空気排気口端部20には、符号24で示される患者弁に取り付けられ、この患者弁には、符号28で示されるフェイスマスクが着脱可能に取り付けられている。
【0021】
柔軟な中空本体12は、空気吸気口端部14と排気口20との間に延びる縦軸L(図1)の周囲に縦方向に延在する。中空本体は、弾力的な材料、例えばシリコンゴム、で形成されており、複数の環状折畳み帯、本実施例においては、符号30A,30B,30C,30D,30Fおよび30Gで示される6つの環状折畳み帯が形成され、それらが中間折畳み帯32A,32B,32C,32D,32Fおよび32Gとそれぞれ一体に成形されるとともに、互いに有効に機能しており、それによって、中空バッグを、1またはそれ以上のその他の作動状態(図5A乃至図5C)に折り畳むことができるとともに、中空本体の体積が、完全に折り畳まれた収納状態(図7A乃至図7B)とすることができる。
【0022】
折り畳まれた状態の何れかから完全に展開した状態への中空本体12の展開は、中空本体の縦軸に沿って空気吸気口端部14と空気排気口端部20を反対方向に引くことにより行われる。作動状態を経て、部分的に中空本体を折り畳まれた状態に折り畳むのは、中空本体12を中心部で掴んで、空気排気口端部20の方向に、空気吸気口端部14を十分に押圧することによって行われる。
【0023】
ここで、空気吸気口アセンブリ16をよりよく視覚化するために、特に図2と図4Aを参照する。図に示すように、吸気弁アセンブリは、前方プレート42と後方プレート44との間に延在する密閉空間40が形成された実質的に平らな本体であり、後述するように、その内部に弁が取り付けられている。密閉空間40に亘って、酸素供給ライン(またはその他の呼吸用空気供給ライン)が接線方向に延出するタイプのチューブ46の形態で存在し、その端部に、酸素供給ラインに連結させるためのスタブ48が取付られている。チューブ46は柔軟であり、吸気弁アセンブリ16の周りに螺旋状に巻かれ、その結果、吸気弁アセンブリの外形寸法からも、例えば図4Bに示すような折り畳まれた状態の呼吸バッグからも突出することがなく、チューブ46が吸気弁アセンブリ16または中空本体境界から延びることがないようになっている。
【0024】
吸気弁アセンブリ16は、多数の逆止弁を具え、それらが、後部プレート44に取り付けられ、密閉空間40への外気の流入を促進するのに適した外気吸気弁50を含む。吸気弁54は、密閉空間40から中空本体12内の方向に空気流を促進するために前方プレート42に取り付けられている。圧力制御弁(pressure threshold valve)58は、後部プレート44に取り付けられ、密閉空間40内で圧力が超過した場合には、ガス供給チューブ46を介して密閉空間40に取り込まれる酸素またはその他の加圧したガスを排出するように設計されている。貯蔵連結器62は、この連結器62を介して酸素貯蔵バッグ18と密閉空間40との間に延びる自由な流れの通路により、この連結器62に酸素貯蔵バッグ18を繋げるために、後部プレート44に取り付けられる。
【0025】
酸素貯蔵バッグ18と密閉空間40との間の自由な流れの通路を保持するために、密閉空間40への通路を塞ぐ可能性がある貯蔵バッグ18の意図していない折り畳みを防止するコイルバネ64の形態の折畳み式支持要素が設けられている。
【0026】
空気排気口端部20に取り付けられる患者弁24は、図6の矢印70方向のみに、中空本体12から患者への空気の流れを可能とする一方向弁である。患者弁24は、中空本体12の空気排気口端部20に固定して取り付けられる。患者弁24は、その使用中に、フェイスマスク28がアセンブリに取り付けられた状態で維持されるようにはめ込み接続またはスニップタイプの接続でフェイスマスク28を着脱可能に取り付けるための連結器74を具えるが、以下に説明されるように収納するために容易に取り外すことができる。フェイスマスク連結器74は、中空本体の縦軸Lを実質的に横断している軸N方向(図1)に延出していることが分かる。更に、患者弁24は、患者から吐き出すのに必要な排気力を増加させるために肺不全とその他の医学的状態に有用なpeep弁80(図6)を着脱可能に取り付けるための環状連結器が符号78の位置に形成されている。
【0027】
患者弁24は、中空本体12を圧縮するときの吸入状態と中空本体12の膨張時および患者が空気を吐出するときの排気状態との間で変形可能な柔軟な隔板84を具える(図示せず)。吸入状態において、隔板84は、環状弁座86(図6)に対して変形して、連結器78に通じる出口をふさぎながら、矢印70の方向へ空気流を流すことを可能にする。しかし、排出状態において、隔板84は、座部88に対して密封するように変形し、それにより矢印70とは反対方向の空気の流れを引き起こして、例えば周囲またはpeep室80を介した外部への矢印92の方向の空気の流れを促進する。
【0028】
連結器78の内径は、図5Bと図5Cに示すように、フェイスマスク28の対応する連結器94を無理なく収容できるように大きさが設定されている。
【0029】
フェイスマスク28は、シリコンゴムのような弾性材から形成され、患者弁24のフェイスマスク連結器74の上に圧入するための弁連結器94を具える。その反対の端部には患者の鼻と口を柔らかく密封して係合させるように設計されたフェイス係合リム98が設けられている。その構成においては、フェイスマスクのドーム部が、フェイス係合リム98が弁連結器94の下方に連続的に延びる、図1、2、3、6、7Aおよび7Bに示すように作動中の凹状の状態と、フェイス係合リム98が弁連結器94の前に延びる、凸状の収納状態(図5Bおよび図5C)との間で変形可能であり、この収納状態において、図5Bおよび図5Cに示すように折り畳まれた中空本体内に都合良く収納するためにフェイスマスクが最小限の空間を占めるように設計され、フェイスマスク28が折り畳まれた中空本体12から突出することがないようになっている。
【0030】
特に図5Bおよび図5Cにおいてさらに見られるように、吸気弁アセンブリ16の前方プレート42には、符号102の位置に、患者弁24の後部突出部106を受け入れるのに適した、後方に向く窪みが形成され、それにより、完全に折り畳まれた状態において、吸気弁アセンブリ16および患者弁24が互いに隣接して、その結果、それらが折り畳まれた中空本体12内に良好に収容されて、そこから突出しないようになっている。従って、収納状態において、吸気弁アセンブリ16と患者弁24は、装置の縦軸Lに沿って、少なくとも部分的に重なることに留意すべきである。
【0031】
図5Bおよび図5Cに示すように、完全に折り畳まれた状態においては、呼吸バックアセンブリ10が、隣接する環状折畳み帯の重なりを有する中央環状折畳み帯30Cの幅と実質的に対応する厚みになる。前述のように、この状態において、吸気弁アセンブリ16と患者弁24は、折り畳まれた中空本体内に完全に収納され、約50ミリメートル乃至70ミリメートルの範囲内の折り畳まれた幅を超えることはなく、特定の実施例では、約55ミリメートルを越えることはない。
【0032】
ここで、図7Aと図7Bを参照すると、呼吸バッグアセンブリが、部分的に折り畳まれて、より小さい有効容積の人工蘇生器を得るのに有用な、2つの異なる作動状態において示されている。図7Aにおいて、中空本体は、第一個別状態に折り畳まれ、この状態では、最後部の環状折畳み帯30Fの内面が、対応する隣接環状折畳み帯30Dの内面と重なり、それによって、部分的に折り畳まれた中空バッグの体積が、ここで約25パーセント減らされ、それは、幼児などの蘇生に有用である。しかし、その体積は、異なる必要条件にも適合するように設計することができる。
【0033】
図7Bの実施例において、最後部の環状折畳み帯30Fの外面は、対応する隣接環状折畳み帯30Dの外面と重なり、両者とも部分的に中央折り畳帯30Cと重なる関係にある。この状態では、中空本体12の有効圧縮容積が、さらに減らされて、乳幼児などにも有用なものとなる。
【0034】
図7Aおよび図7Bに示すように、その部分的に折り畳まれた状態で中空本体を維持するために、例えば、Velcro(登録商標)ファスナ、磁気ファスナ、スナップタイプファスナなどの符号119で示される固定機構が取り付けられる。
【0035】
呼吸バッグ10を折り畳んだ、収納状態に変換するには、フェイスマスク連結器74からフェイスマスク28を取り外し、空気吸気口端部14を空気排気口端部20に向けてそれらの間に延びる縦軸に沿って蛇腹式に圧縮してバッグ12を折り畳むことにより行われ、それにより、中央環状折畳み帯(図5A)の幅に対応する小さいサイズのバッグにすることができる。次いで、フェイスマスク28は、弁連結器94の上でドームを変形させて、患者弁24の連結器78の収容部内に弁連結器94を取り込みむことによって反転される。
【0036】
呼吸バッグ10の作動状態(例えば、図1)への展開は、逆の順序の操作により行われる。
【0037】
更に当然のことながら、アセンブリの任意の構成要素は、その動作する構成要素の視覚化と点検を提供するとともに、患者からの分泌物を特定するために、透明であってもよい。
【0038】
図に示される前述した弁は、特に折り畳まれた状態で、実質的に小さい寸法の装置にするのに有用なフラップ式の弁である。
【0039】
中空バッグの構造とデザインは、その拡張状態を自然に維持する傾向があり、中空バッグ内の空気は圧縮時に、患者弁アセンブリ24を通して押し出される(この状態で、空気は、一方向吸気弁54のせいで空気吸気口アセンブリを通して漏れる可能性はない)。しかし、中空本体に圧力を加えるのを止めると、中空本体は、その拡張状態を自然に保持して、この際に、吸気弁アセンブリ16を介して空気を引き込むが、弁アセンブリ24を介して患者からの空気または分泌物を引き込むことはない。
【0040】
更に、留意すべきことは、一またはそれ以上の中間折畳み帯32A、32B、32C、32D、32Fおよび32Gは、二重の環状リムの形態をとっており(例えば、図1と図5Cに見られ、符号番号32’と32”でそれぞれ示されるように)、収納状態にある装置は、数年後でさえ、そのリムは、戻る復元力を依然有し、中空本体がポンプのように機能することを可能とする。
【0041】
ここで、図8Aと図8Bの実施例を参照すると、符号100で通常示される本発明の更なる実施例に係る折畳み式呼吸バックが示され、このバッグは前述した実施例と関連して説明した構造と類似のフレキシブルな中空本体112を有し、この中空本体は、空気吸気口端部114と符号120で通常示される空気排気口端部との間に延びている。吸気弁アセンブリには、酸素貯蔵バッグ118が取り付けられている。空気排気口端部120には、符号124で示される患者弁が取り付けられている。
【0042】
本実施例では、フェイスマスク128(従来のフェイスマスクに類似する)は、柔軟な折畳み式導管132を通して患者弁124に着脱可能に取り付けられ、この導管は、本実施例においては、その一端が患者弁124に取り付けられ、他端が、フェイスマスク128の連結器194に取り付けられる蛇腹式のパイプとなっている。
【0043】
その構成においては、呼吸バッグ100が、装置の両端を単に引っ張ることによって、その完全に折り畳まれた状態(図8B)から作動状態(完全に、または部分的に展開された状態;例えば図7aおよび図7B)に容易に変形可能となっており、フェイスマスク128が、患者の顔の上に配置されて、呼吸バッグが、簡単に操作できるものとなっている。
【0044】
留意すべきことは、折り畳み状態(図8B)において、折畳み式導管132が、その折り畳まれたコンパクトな状態にあり、それにより、装置全体を小さくてコンパクトなサイズに保持することを可能にし、そのサイズが実質的に中央環状折畳み帯130の幅を上回らないことである。
【0045】
本発明に関連する分野における当業者は、発明の範囲から逸脱することなく、必要な変更を加えて、多数の変更、バリエーションおよび修正が可能であることを、容易に理解するだろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常、呼吸バッグの分野において、特に、小型化可能な呼吸バッグを対象とする。そのようなバッグは、多くの場合、人工蘇生器、人工呼吸バッグ、バッグ弁マスクなどとも呼ばれている。
【背景技術】
【0002】
人工呼吸器バッグは、陽圧を用いて、呼吸をしていない意識不明の人の肺を膨らませるべく、または浅くて力のない自発的な呼吸をサポートすべく、意識不明の人に酸素を送り込み続けて生かしておくための装置である。手動で操作可能な形式のものは、フェイスマスクと手動で圧縮する大きくて柔軟な球状部とを具え、その球状部は外気を使用し、または加圧シリンダーなどからの酸素補給を有する。
【0003】
従来の人工呼吸バッグは、カフを有し、そのカフで酸素供給ラインに接続される。また、カフにより、呼吸マスク、フェイスマスク、咽頭チューブ、pip弁などに接続することもできる。
【0004】
マニュアルで操作される呼吸バッグは、救急車、手術室および救急室、応急手当バッグ、市民および軍の医者、レスキュー隊などにおいては標準的な機材である。
【0005】
緊急専門家によって簡単に運ぶことができ、より多くのユニットが所定のスペースに保管することができるようにコンパクトサイズの人工呼吸器バッグを設計する必要性がますます高まってきている。
【0006】
様々な人工呼吸器バッグとそれらとともに一緒に使用される構成部品(フェイスマスク、一方向弁、カフなど)は、例えば以下に示すように、当該技術分野において知られている。
【0007】
米国特許第5,295,478号は、ポケットで持ち運ぶことができる口鼻マスク人工蘇生器を開示しており、その人工蘇生器は、口鼻マスクと逆止弁とからなり、逆止弁は、マスク内に挿入されて、人が人工換気を施すことを可能とし、それにより、被災者の肺を空気で満たすとともに、弁アセンブリの出口を介して、蘇生を施す人から離れた位置に被災者が息を吐くことを可能にする。そのマスクは、それ自体折り畳み可能であり、吸気空気流および排気空気流の背圧を有する逆止弁を収納するための空洞を形成する。
【0008】
米国特許第5,163,424号は、使い捨て人工蘇生器を開示しており、その人工蘇生器は、細長い弾性的に圧縮可能な圧縮バッグを含み、この圧縮バッグは、第1開口部と、第1開口部に取り付けられたバッグ内に酸素含有ガスを吸入するための一方向弁と、蘇生器を顔のマスクに取り付けるための管スタブを有する透明管の形態で、弁ハウジングとの間で空気が漏れないように連通する第2開口部と、排気空気用の出口とを具え、管状弁ハウジングは、弁座と弾性材料からなるディスク状弁本体とを含む弁を収容するとともに、中央に取り付けられて弁座の孔内で軸方向に変位可能な突出ガイドピンを具え、排気空気用の出口を形成する中心流路を有する本体が、透明管の自由端部に設けられ、中心流路が、弁部材と同軸に配置されて且つ接触する環状ビードにより取り囲まれ、蘇生器を顔のマスクに取り付けるための管スタブが、透明管の側部から延びて、透明管の自由端部に配置される本体と弁部材との間に位置する領域に連接されている。
【0009】
米国特許第6,745,769号は、少なくとも1つの接続スタブを有する呼吸バッグに関連しており、呼吸バッグは、一方向を有する縦軸を規定しているバッグ状の中空本体と、前記本体に亘って環状に延在している少なくとも1つの折畳み領域とを具え、バッグ状本体は、当該中空本体が折畳み領域まで平坦に延びる第1安定状態から、バッグ状本体が折畳み領域で軸方向に内側に曲げられて折畳み領域内に環状折畳み部を規定する第2安定状態へと、縦軸の方向に折り畳み可能となっており、さらに、呼吸バッグが、その動作使用中に、バッグ状中空本体内の圧力に応答して、第2安定状態で中空本体を保持するための保持手段を具える。
【0010】
米国特許第5,121,745号は、使い捨ての自己空気注入式救助マスクを開示しており、そのマスクは、透明で柔軟な形状保持プラスチック製のドーム形状の折畳み可能な部分を具えており、その部分は、周縁部に内蔵型自己密封式空気弁が設けられた空気注入式空気袋を有し、自己密封式空気弁は、空気注入式空気袋内に外気が流入することを可能にするとともに、自己膨張マスク内の空気をセルフシールしてその形状を確実に保持し、空気袋は、鼻と口の領域にぴったり適合して患者の顔を効果的に密封する形状とされ、ドームの頂部に開口部内に配置された吹き込み式チューブには、呼気を患者に送るためのマウスピースが設けられている。マスクは搬送ケースに収納され、この搬送ケースは、容器を形成する同様の2つの部分を具え、この容器は、収縮したマスクを平坦で折り畳まれた状態で収容するように形成されるとともに、密閉手段により密閉されている。
【0011】
米国特許第4,532,923号は、一体構造の手動操作可能な人工蘇生器バッグを開示しており、その人工蘇生器バッグは、細長い略フットボール形状を有し、その一端に入口を、他端に出口を、壁厚の減少した各端部に、折畳みリングをそれぞれ具え、それにより端部を入れ子状に押し込むことができ、さらに、折畳みリング間に厚い壁部のリッジを有し、バッグの中心部が、先細端部の折畳みリング間のリッジの厚さと等しい壁厚を有し、さらに、縦リブが、バッグの中心部の外面上に、外周の周囲に間隔を空けられて形成され、それにより、弾力性の増加とバッグ形状への迅速な復帰を与えるものとなっている。
【0012】
米国特許第4,062,357号は、使い捨て人工呼吸マスクに関する。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、フェイスマスクを具え、少なくとも1つの拡張された作動状態と、完全に折り畳まれた収納状態との間で変形可能であって、拡張された作動状態に容易に展開可能な折畳み式呼吸バッグアセンブリを対象にする。
【0014】
本発明によれば、折畳み式呼吸バッグアセンブリが提供されており、このバッグアセンブリは、空気吸気口端部と空気排気口端部との間にその縦軸の周囲で縦方向に延在して、少なくとも3つの環状折畳み帯で形成されている柔軟な中空本体と、前記排気口端部に取り付けられて、縦軸を横断するフェイスマスク連結器を具えている患者弁(patient valve)と、吸気弁アセンブリと、フェイス係合リム、ドーム部、および前記フェイスマスク連結器に着脱自在に連結可能な弁連結器が取り付けられていフェイスマスクとを具え、前記ドーム部が、作動中の凹状の状態と、前記ドーム部が反転されるとともに、前記弁連結器が前記フェイスマスク連結器から取り外される凸状の収納状態との間で変形可能であり、前記アセンブリが、少なくとも1つの拡張された作動状態と、少なくとも3つの環状折畳み帯が少なくとも部分的に重なる完全に折り畳まれた収納状態に構成可能となっている。
【0015】
柔軟な中空本体は、少なくとも部分的に重なるいくつかの折畳み帯のような蛇腹式の構成(アコーディオン式)で折り畳まれる。
【0016】
本発明の特定の実施例によれば、吸気弁アセンブリは、前方プレートと後方プレートとの間に延在する密閉流れ空間が設けられている実質的に平らな本体であり、前記吸気弁アセンブリの厚さは、約10ミリメートル以下である。
【0017】
本発明の設計によれば、吸気弁アセンブリは、密閉流れ空間内への外気の流れを促進する第1の逆止弁と、前記密閉流れ空間内で所定の圧力閾値を越えて圧力が上昇したときに、前記密閉流れ空間から周囲への流れを促進する排出逆止弁と、酸素貯蔵バッグを接続するための貯蔵連結器と、酸素供給ラインに取り付けるための酸素連結器および、密閉流れ空間から柔軟な中空本体の方向に空気の流れを促進する第2の吸気逆止弁とを具えている。
【0018】
任意の一またはそれ以上の以下の特性および実施例が、呼吸バッグに組み込まれていてもよく、本発明の実施例を構成するものであってもよい。
・吸気弁アセンブリの弁は、フラップ式の弁である(きのこ型弁と呼ばれるときもある)。
・前方プレートには、完全に折り畳まれた収納状態において、患者フィルタの後方に向く突出部を受け入れるための窪みが形成されている。
・酸素連結器は、密閉流れ空間から放射状に延びるたわみ管スタブである。
・酸素連結器は、密閉流れ空間から接線方向に延びるたわみ管スタブである。代替的に、管スタブは、そこから放射状に突出している。しかし、チューブは、弁より大きく突出しない、すなわち、吸気弁アセンブリの周囲から突出しない。
・密閉流れ空間から延びるたわみ管スタブの少なくとも一部が吸気弁アセンブリの上で少なくとも部分的に螺旋状に巻かれる状態で、中空本体の空気吸気口端部における環状折畳み帯の直径が、吸気弁アセンブリを収容するように設計されている。
・収納状態においては、フェイスマスクの弁連結器は、患者弁の弁連結器収容部内に受け入れられている。
・収納状態においては、吸気弁とフェイスマスクは、折り畳まれた中空本体内に完全に受け入れられている。
・中空本体は、空気吸気口端部と空気排気口端部を反対方向に引くことによって、拡張された作動状態に容易に展開することが可能となっている。
・完全に折り畳まれた収納状態において、アセンブリの厚さは、約55ミリメートル以下である。
・完全に折り畳まれた収納状態において、アセンブリの厚さは、吸気弁アセンブリと患者弁とを組み合わせた厚さ以下である。
・完全に折り畳まれた収納状態において、アセンブリの厚さは、中空本体の中央環状折畳み帯の厚さ以下である。
・貯蔵連結器には、貯蔵バッグの開口部と貯蔵連結器との間の自由な流れの通路を維持するための折畳み式支持要素が取り付けられている。
・中空本体は、いくつかの異なる中間状態に展開することができ、この中間状態では、中空本体の空気吸気口端部における最後部の環状折畳み帯は、隣接する環状折畳み帯に重なり、それによって、中空本体の有効容積を減少させることができる。
・中間状態において、最後部の環状折畳み帯の内面が、隣接する環状折畳み帯の対応する内面に重なる。
・中間状態において、最後部の環状折畳み帯の外面が、隣接する環状折畳み帯の対応する外面に重なる。
・フェイスマスク連結器は、実質的に中空本体の縦軸に対して垂直に延びている。空気流通路が、中空本体から患者弁の環状通路を介してフェイスマスク連結器へ延び、環状通路が患者弁の弁連結器収容部を取り囲んでいる。
・選択的に、フェイスマスク/患者弁/柔軟な中空本体は、バルブの作動点検、弁障害のチェックを容易にし、患者からの分泌物の点検を可能にするために透明である。
・中空本体は、6つの環状折畳み線と7つの折畳み帯とを具えている。
・中空本体は、作動しているが、少なくとも部分的に折り畳まれた少なくとも1の状態を具え、その状態では、少なくとも1つの環状折畳み帯が反転されるとともに、少なくとも1つのその他の環状折畳み帯と少なくとも部分的に重なり、且つ、前記中空本体内の容積が減少するが、中空本体の弾性が保持されており、その結果、手動による圧縮後、自然に拡張するようになっている。
・患者弁は、peep弁に着脱自在に取り付けるための連結器を具えている。
・ファスナーが、その部分的に折り畳まれた状態において、中空本体を固定するために設けられている。
・作動状態において、フェイスマスクの弁連結器は、フェイス係合リムの前に延びるが、凸状の収納状態ではフェイスマスクのドーム部が反転して、弁連結器が、フェイス係合リムの後ろに延びる。
・フェイスマスクは、一端が患者弁に取り付けられ、他端がフェイスマスクの連結器に取り付けられる蛇腹式のパイプの形の柔軟な折畳み式導管を通して、患者弁に着脱自在に取り付けることができる。
・収納状態において、吸気弁アセンブリと患者弁とが、装置の縦軸に沿って少なくとも部分的に重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明と方法を理解して、それが実際に如何にして実施されるのかを理解するために、添付の図面を参照して、単に非限定的な実施例として、実施形態を説明することとする。
【図1】図1は、酸素貯蔵バッグが取り付けられた、完全に拡張された作動状態における本発明による呼吸バッグの等角図である。
【図2】図2は、図1の呼吸バッグの組立分解等角図である。
【図3】図3は、図1の呼吸バッグの平面図である。
【図4A】図4Aは、呼吸バッグの吸気口端部の後部断面等角図である。
【図4B】図4Bは、呼吸バッグの吸気口端部の後部等角図である。
【図5A】図5Aは、完全に折り畳まれた収納状態の呼吸バッグの側面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの呼吸バッグの横断面図である。
【図5C】図5Cは、図5Aの呼吸バッグの後部断面等角図である。
【図5D】図5Dは、図5Aの呼吸バッグの正面図である。
【図6】図6は、呼吸バッグと、peep弁を取り付けた患者弁の側部断面図である。
【図7A】図7Aは、部分的に拡張された第2の作動状態における、呼吸バッグの側部断面図である。
【図7B】図7Bは、部分的に拡張されたもう1つの作動状態における、呼吸バッグの側部断面図である。
【図8A】図8Aは、拡張状態における本発明による呼吸バッグの変形例を示している。
【図8B】図8Bは、折り畳まれた状態における本発明による呼吸バッグの変形例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
先ず、図1乃至図3の図面を参照する。これら図面は、符号10で通常示される本発明に従う折畳み式呼吸バッグを示しており、このバッグは、符号16で通常示される吸気弁アセンブリに取り付けられる吸気口端部14と符号20で通常示される空気排気口端部との間に延びる柔軟な中空本体12を具えている。酸素貯蔵バッグ18が、吸気弁アセンブリ16に取り付けられ、空気排気口端部20には、符号24で示される患者弁に取り付けられ、この患者弁には、符号28で示されるフェイスマスクが着脱可能に取り付けられている。
【0021】
柔軟な中空本体12は、空気吸気口端部14と排気口20との間に延びる縦軸L(図1)の周囲に縦方向に延在する。中空本体は、弾力的な材料、例えばシリコンゴム、で形成されており、複数の環状折畳み帯、本実施例においては、符号30A,30B,30C,30D,30Fおよび30Gで示される6つの環状折畳み帯が形成され、それらが中間折畳み帯32A,32B,32C,32D,32Fおよび32Gとそれぞれ一体に成形されるとともに、互いに有効に機能しており、それによって、中空バッグを、1またはそれ以上のその他の作動状態(図5A乃至図5C)に折り畳むことができるとともに、中空本体の体積が、完全に折り畳まれた収納状態(図7A乃至図7B)とすることができる。
【0022】
折り畳まれた状態の何れかから完全に展開した状態への中空本体12の展開は、中空本体の縦軸に沿って空気吸気口端部14と空気排気口端部20を反対方向に引くことにより行われる。作動状態を経て、部分的に中空本体を折り畳まれた状態に折り畳むのは、中空本体12を中心部で掴んで、空気排気口端部20の方向に、空気吸気口端部14を十分に押圧することによって行われる。
【0023】
ここで、空気吸気口アセンブリ16をよりよく視覚化するために、特に図2と図4Aを参照する。図に示すように、吸気弁アセンブリは、前方プレート42と後方プレート44との間に延在する密閉空間40が形成された実質的に平らな本体であり、後述するように、その内部に弁が取り付けられている。密閉空間40に亘って、酸素供給ライン(またはその他の呼吸用空気供給ライン)が接線方向に延出するタイプのチューブ46の形態で存在し、その端部に、酸素供給ラインに連結させるためのスタブ48が取付られている。チューブ46は柔軟であり、吸気弁アセンブリ16の周りに螺旋状に巻かれ、その結果、吸気弁アセンブリの外形寸法からも、例えば図4Bに示すような折り畳まれた状態の呼吸バッグからも突出することがなく、チューブ46が吸気弁アセンブリ16または中空本体境界から延びることがないようになっている。
【0024】
吸気弁アセンブリ16は、多数の逆止弁を具え、それらが、後部プレート44に取り付けられ、密閉空間40への外気の流入を促進するのに適した外気吸気弁50を含む。吸気弁54は、密閉空間40から中空本体12内の方向に空気流を促進するために前方プレート42に取り付けられている。圧力制御弁(pressure threshold valve)58は、後部プレート44に取り付けられ、密閉空間40内で圧力が超過した場合には、ガス供給チューブ46を介して密閉空間40に取り込まれる酸素またはその他の加圧したガスを排出するように設計されている。貯蔵連結器62は、この連結器62を介して酸素貯蔵バッグ18と密閉空間40との間に延びる自由な流れの通路により、この連結器62に酸素貯蔵バッグ18を繋げるために、後部プレート44に取り付けられる。
【0025】
酸素貯蔵バッグ18と密閉空間40との間の自由な流れの通路を保持するために、密閉空間40への通路を塞ぐ可能性がある貯蔵バッグ18の意図していない折り畳みを防止するコイルバネ64の形態の折畳み式支持要素が設けられている。
【0026】
空気排気口端部20に取り付けられる患者弁24は、図6の矢印70方向のみに、中空本体12から患者への空気の流れを可能とする一方向弁である。患者弁24は、中空本体12の空気排気口端部20に固定して取り付けられる。患者弁24は、その使用中に、フェイスマスク28がアセンブリに取り付けられた状態で維持されるようにはめ込み接続またはスニップタイプの接続でフェイスマスク28を着脱可能に取り付けるための連結器74を具えるが、以下に説明されるように収納するために容易に取り外すことができる。フェイスマスク連結器74は、中空本体の縦軸Lを実質的に横断している軸N方向(図1)に延出していることが分かる。更に、患者弁24は、患者から吐き出すのに必要な排気力を増加させるために肺不全とその他の医学的状態に有用なpeep弁80(図6)を着脱可能に取り付けるための環状連結器が符号78の位置に形成されている。
【0027】
患者弁24は、中空本体12を圧縮するときの吸入状態と中空本体12の膨張時および患者が空気を吐出するときの排気状態との間で変形可能な柔軟な隔板84を具える(図示せず)。吸入状態において、隔板84は、環状弁座86(図6)に対して変形して、連結器78に通じる出口をふさぎながら、矢印70の方向へ空気流を流すことを可能にする。しかし、排出状態において、隔板84は、座部88に対して密封するように変形し、それにより矢印70とは反対方向の空気の流れを引き起こして、例えば周囲またはpeep室80を介した外部への矢印92の方向の空気の流れを促進する。
【0028】
連結器78の内径は、図5Bと図5Cに示すように、フェイスマスク28の対応する連結器94を無理なく収容できるように大きさが設定されている。
【0029】
フェイスマスク28は、シリコンゴムのような弾性材から形成され、患者弁24のフェイスマスク連結器74の上に圧入するための弁連結器94を具える。その反対の端部には患者の鼻と口を柔らかく密封して係合させるように設計されたフェイス係合リム98が設けられている。その構成においては、フェイスマスクのドーム部が、フェイス係合リム98が弁連結器94の下方に連続的に延びる、図1、2、3、6、7Aおよび7Bに示すように作動中の凹状の状態と、フェイス係合リム98が弁連結器94の前に延びる、凸状の収納状態(図5Bおよび図5C)との間で変形可能であり、この収納状態において、図5Bおよび図5Cに示すように折り畳まれた中空本体内に都合良く収納するためにフェイスマスクが最小限の空間を占めるように設計され、フェイスマスク28が折り畳まれた中空本体12から突出することがないようになっている。
【0030】
特に図5Bおよび図5Cにおいてさらに見られるように、吸気弁アセンブリ16の前方プレート42には、符号102の位置に、患者弁24の後部突出部106を受け入れるのに適した、後方に向く窪みが形成され、それにより、完全に折り畳まれた状態において、吸気弁アセンブリ16および患者弁24が互いに隣接して、その結果、それらが折り畳まれた中空本体12内に良好に収容されて、そこから突出しないようになっている。従って、収納状態において、吸気弁アセンブリ16と患者弁24は、装置の縦軸Lに沿って、少なくとも部分的に重なることに留意すべきである。
【0031】
図5Bおよび図5Cに示すように、完全に折り畳まれた状態においては、呼吸バックアセンブリ10が、隣接する環状折畳み帯の重なりを有する中央環状折畳み帯30Cの幅と実質的に対応する厚みになる。前述のように、この状態において、吸気弁アセンブリ16と患者弁24は、折り畳まれた中空本体内に完全に収納され、約50ミリメートル乃至70ミリメートルの範囲内の折り畳まれた幅を超えることはなく、特定の実施例では、約55ミリメートルを越えることはない。
【0032】
ここで、図7Aと図7Bを参照すると、呼吸バッグアセンブリが、部分的に折り畳まれて、より小さい有効容積の人工蘇生器を得るのに有用な、2つの異なる作動状態において示されている。図7Aにおいて、中空本体は、第一個別状態に折り畳まれ、この状態では、最後部の環状折畳み帯30Fの内面が、対応する隣接環状折畳み帯30Dの内面と重なり、それによって、部分的に折り畳まれた中空バッグの体積が、ここで約25パーセント減らされ、それは、幼児などの蘇生に有用である。しかし、その体積は、異なる必要条件にも適合するように設計することができる。
【0033】
図7Bの実施例において、最後部の環状折畳み帯30Fの外面は、対応する隣接環状折畳み帯30Dの外面と重なり、両者とも部分的に中央折り畳帯30Cと重なる関係にある。この状態では、中空本体12の有効圧縮容積が、さらに減らされて、乳幼児などにも有用なものとなる。
【0034】
図7Aおよび図7Bに示すように、その部分的に折り畳まれた状態で中空本体を維持するために、例えば、Velcro(登録商標)ファスナ、磁気ファスナ、スナップタイプファスナなどの符号119で示される固定機構が取り付けられる。
【0035】
呼吸バッグ10を折り畳んだ、収納状態に変換するには、フェイスマスク連結器74からフェイスマスク28を取り外し、空気吸気口端部14を空気排気口端部20に向けてそれらの間に延びる縦軸に沿って蛇腹式に圧縮してバッグ12を折り畳むことにより行われ、それにより、中央環状折畳み帯(図5A)の幅に対応する小さいサイズのバッグにすることができる。次いで、フェイスマスク28は、弁連結器94の上でドームを変形させて、患者弁24の連結器78の収容部内に弁連結器94を取り込みむことによって反転される。
【0036】
呼吸バッグ10の作動状態(例えば、図1)への展開は、逆の順序の操作により行われる。
【0037】
更に当然のことながら、アセンブリの任意の構成要素は、その動作する構成要素の視覚化と点検を提供するとともに、患者からの分泌物を特定するために、透明であってもよい。
【0038】
図に示される前述した弁は、特に折り畳まれた状態で、実質的に小さい寸法の装置にするのに有用なフラップ式の弁である。
【0039】
中空バッグの構造とデザインは、その拡張状態を自然に維持する傾向があり、中空バッグ内の空気は圧縮時に、患者弁アセンブリ24を通して押し出される(この状態で、空気は、一方向吸気弁54のせいで空気吸気口アセンブリを通して漏れる可能性はない)。しかし、中空本体に圧力を加えるのを止めると、中空本体は、その拡張状態を自然に保持して、この際に、吸気弁アセンブリ16を介して空気を引き込むが、弁アセンブリ24を介して患者からの空気または分泌物を引き込むことはない。
【0040】
更に、留意すべきことは、一またはそれ以上の中間折畳み帯32A、32B、32C、32D、32Fおよび32Gは、二重の環状リムの形態をとっており(例えば、図1と図5Cに見られ、符号番号32’と32”でそれぞれ示されるように)、収納状態にある装置は、数年後でさえ、そのリムは、戻る復元力を依然有し、中空本体がポンプのように機能することを可能とする。
【0041】
ここで、図8Aと図8Bの実施例を参照すると、符号100で通常示される本発明の更なる実施例に係る折畳み式呼吸バックが示され、このバッグは前述した実施例と関連して説明した構造と類似のフレキシブルな中空本体112を有し、この中空本体は、空気吸気口端部114と符号120で通常示される空気排気口端部との間に延びている。吸気弁アセンブリには、酸素貯蔵バッグ118が取り付けられている。空気排気口端部120には、符号124で示される患者弁が取り付けられている。
【0042】
本実施例では、フェイスマスク128(従来のフェイスマスクに類似する)は、柔軟な折畳み式導管132を通して患者弁124に着脱可能に取り付けられ、この導管は、本実施例においては、その一端が患者弁124に取り付けられ、他端が、フェイスマスク128の連結器194に取り付けられる蛇腹式のパイプとなっている。
【0043】
その構成においては、呼吸バッグ100が、装置の両端を単に引っ張ることによって、その完全に折り畳まれた状態(図8B)から作動状態(完全に、または部分的に展開された状態;例えば図7aおよび図7B)に容易に変形可能となっており、フェイスマスク128が、患者の顔の上に配置されて、呼吸バッグが、簡単に操作できるものとなっている。
【0044】
留意すべきことは、折り畳み状態(図8B)において、折畳み式導管132が、その折り畳まれたコンパクトな状態にあり、それにより、装置全体を小さくてコンパクトなサイズに保持することを可能にし、そのサイズが実質的に中央環状折畳み帯130の幅を上回らないことである。
【0045】
本発明に関連する分野における当業者は、発明の範囲から逸脱することなく、必要な変更を加えて、多数の変更、バリエーションおよび修正が可能であることを、容易に理解するだろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、
空気吸気口端部と空気排気口端部との間にその縦軸の周囲に縦方向に延在して、少なくとも3つの環状折り畳帯で形成されている柔軟な中空本体と、
前記排気口端部に取り付けられて、前記縦軸を横断するフェイスマスク連結器を具えている患者弁と、
吸気弁アセンブリと、
フェイス係合リム、ドーム部、および前記フェイスマスク連結器に着脱自在に連結可能な弁連結器が取り付けられたフェイスマスクとを具え、
前記ドーム部が、作動中の凹状の状態と、前記ドーム部が反転されるとともに、前記弁連結器が前記フェイスマスク連結器から取り外されている凸状の収納状態との間で変形可能であり、
前記アセンブリが、少なくとも1つの拡張された作動状態と、少なくとも3つの環状折り畳帯が少なくとも部分的に重なる完全に折り畳まれた収納状態と構成可能となっていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記吸気弁アセンブリが、前方プレートと後方プレートとの間に延在する密封流れ空間が設けられ、複数の弁が取り付けられている実質的に平らな本体であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記前方プレートには、前記完全に折り畳まれた収納状態において、前記患者弁の後方に向く突出部を受け入れるための窪みが形成されていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記吸気弁アセンブリの厚さが、約10ミリメートル以下であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項5】
請求項2に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記吸気弁アセンブリの複数の前記弁が、前記密閉流れ空間内への外気の流れを促進する第1の逆止弁と、前記密閉流れ空間内で所定の圧力閾値を越えて圧力が上昇したときに、前記密閉流れ空間から前記周囲への流れを促進する排出逆止弁と、酸素貯蔵バッグを接続するための貯蔵連結器と、酸素供給ラインに取り付けるための酸素連結器および、前記密閉流れ空間から柔軟な中空本体の方向に空気の流れを促進する第2の吸気逆止弁とを具えることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記吸気弁アセンブリの前記弁が、フラップ式の弁であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項7】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記酸素連結器が、前記密閉流れ空間から放射状に延びるたわみ管スタブであることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項8】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記酸素連結器が、前記密閉流れ空間から接線方向に延びるたわみ管スタブであることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項9】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記密閉流れ空間から延びるたわみ管スタブの少なくとも一部が、前記吸気弁アセンブリの上で少なくとも部分的に螺旋状に巻かれる状態で、前記中空本体の前記空気吸気口端部における環状折畳み帯の直径が、前記吸気弁アセンブリを収容できるように設計されていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項10】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記収納状態のときに、前記フェイスマスクの前記弁連結器が前記患者弁の弁連結器収納部内に受け入れられることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記収納状態のときに、前記吸気弁と前記フェイスマスクが前記折り畳まれた中空本体内に完全に受け入れられることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記空気吸気口端部と前記空気排気口端部を反対方向に引くことによって、前記中空本体が、拡張された前記作動状態に容易に展開することが可能であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記完全に折り畳まれた収納状態のときに、前記アセンブリの厚さが、約55ミリメートル以下であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記完全に折り畳まれた収納状態のときに、前記アセンブリの厚さが、前記中空本体の中央環状折畳み帯の厚さ以下であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項15】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記完全折り畳まれた収納状態のときに、前記アセンブリの厚さが、前記吸気弁アセンブリと前記患者弁とを組み合わせた厚さ以下であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項16】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記貯蔵連結器が、前記貯蔵バッグの開口部と前記貯蔵連結器との間の自由な流れの通路を維持するために折畳み式支持要素を取り付けられていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項17】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中空本体は、中間状態に展開することができ、この中間状態では、前記中空本体の前記空気吸気口端部における最後部の環状折畳み帯が、隣接する環状折畳み帯に重なり、それによって、前記中空本体の前記有効容積が減少することを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項18】
請求項17に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中間状態のときに、前記最後部の環状折畳み帯の内面が、前記隣接する環状折畳み帯の対応する内面に重なることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項19】
請求項17に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中間状態のときに、前記最後部の環状折畳み帯の外面が、前記隣接する環状折畳み帯の対応する外面に重なることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項20】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記フェイスマスク連結器が、実質的に前記中空本体の前記縦軸に対して垂直に延びていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項21】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、空気流通路が、前記中空本体から前記患者弁の環状通路を介して前記フェイスマスク連結器へ延び、前記環状通路が前記患者弁の前記弁連結器収容部を取り囲んでいることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項22】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、少なくとも前記フェイスマスク/患者弁/柔軟な中空本体が透明であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項23】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中空本体は、6つの環状折畳み線と7つの折畳み帯とを具えることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項24】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中空本体は、作動しているが、少なくとも部分的に折り畳まれた少なくとも1の状態を具え、その状態では、少なくとも1つの環状折畳み帯が反転されるとともに、少なくとも1つのその他の環状折畳み帯と少なくとも部分的に重なり、且つ、前記中空本体内の容積が減少するが、前記中空本体の弾性が保持されており、その結果、手動による圧縮後に、自然に拡張するようになっていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項25】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、部分的に折り畳まれた状態において、前記中空本体を固定するためにファスナーが更に設けられていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項26】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記作動状態のときに、前記フェイスマスクの前記弁連結器は、前記フェイス係合リムの前に延びるが、前記凸状の収納状態では前記フェイスマスクの前記ドーム部が反転して、前記弁連結器が、前記フェイス係合リムの後ろに延びることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項27】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記フェイスマスクは、一端が前記患者弁に取り付けられ、他端が前記フェイスマスクの連結器に取り付けられる蛇腹式のパイプの形態の柔軟な折畳み式導管を通して、前記患者弁に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項28】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記収納状態のときに、
前記吸気弁アセンブリと前記患者弁とが、前記装置の前記縦軸に沿って少なくとも部分的に重なることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項1】
折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、
空気吸気口端部と空気排気口端部との間にその縦軸の周囲に縦方向に延在して、少なくとも3つの環状折り畳帯で形成されている柔軟な中空本体と、
前記排気口端部に取り付けられて、前記縦軸を横断するフェイスマスク連結器を具えている患者弁と、
吸気弁アセンブリと、
フェイス係合リム、ドーム部、および前記フェイスマスク連結器に着脱自在に連結可能な弁連結器が取り付けられたフェイスマスクとを具え、
前記ドーム部が、作動中の凹状の状態と、前記ドーム部が反転されるとともに、前記弁連結器が前記フェイスマスク連結器から取り外されている凸状の収納状態との間で変形可能であり、
前記アセンブリが、少なくとも1つの拡張された作動状態と、少なくとも3つの環状折り畳帯が少なくとも部分的に重なる完全に折り畳まれた収納状態と構成可能となっていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記吸気弁アセンブリが、前方プレートと後方プレートとの間に延在する密封流れ空間が設けられ、複数の弁が取り付けられている実質的に平らな本体であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記前方プレートには、前記完全に折り畳まれた収納状態において、前記患者弁の後方に向く突出部を受け入れるための窪みが形成されていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記吸気弁アセンブリの厚さが、約10ミリメートル以下であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項5】
請求項2に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記吸気弁アセンブリの複数の前記弁が、前記密閉流れ空間内への外気の流れを促進する第1の逆止弁と、前記密閉流れ空間内で所定の圧力閾値を越えて圧力が上昇したときに、前記密閉流れ空間から前記周囲への流れを促進する排出逆止弁と、酸素貯蔵バッグを接続するための貯蔵連結器と、酸素供給ラインに取り付けるための酸素連結器および、前記密閉流れ空間から柔軟な中空本体の方向に空気の流れを促進する第2の吸気逆止弁とを具えることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記吸気弁アセンブリの前記弁が、フラップ式の弁であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項7】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記酸素連結器が、前記密閉流れ空間から放射状に延びるたわみ管スタブであることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項8】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記酸素連結器が、前記密閉流れ空間から接線方向に延びるたわみ管スタブであることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項9】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記密閉流れ空間から延びるたわみ管スタブの少なくとも一部が、前記吸気弁アセンブリの上で少なくとも部分的に螺旋状に巻かれる状態で、前記中空本体の前記空気吸気口端部における環状折畳み帯の直径が、前記吸気弁アセンブリを収容できるように設計されていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項10】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記収納状態のときに、前記フェイスマスクの前記弁連結器が前記患者弁の弁連結器収納部内に受け入れられることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記収納状態のときに、前記吸気弁と前記フェイスマスクが前記折り畳まれた中空本体内に完全に受け入れられることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記空気吸気口端部と前記空気排気口端部を反対方向に引くことによって、前記中空本体が、拡張された前記作動状態に容易に展開することが可能であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記完全に折り畳まれた収納状態のときに、前記アセンブリの厚さが、約55ミリメートル以下であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記完全に折り畳まれた収納状態のときに、前記アセンブリの厚さが、前記中空本体の中央環状折畳み帯の厚さ以下であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項15】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記完全折り畳まれた収納状態のときに、前記アセンブリの厚さが、前記吸気弁アセンブリと前記患者弁とを組み合わせた厚さ以下であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項16】
請求項5に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記貯蔵連結器が、前記貯蔵バッグの開口部と前記貯蔵連結器との間の自由な流れの通路を維持するために折畳み式支持要素を取り付けられていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項17】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中空本体は、中間状態に展開することができ、この中間状態では、前記中空本体の前記空気吸気口端部における最後部の環状折畳み帯が、隣接する環状折畳み帯に重なり、それによって、前記中空本体の前記有効容積が減少することを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項18】
請求項17に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中間状態のときに、前記最後部の環状折畳み帯の内面が、前記隣接する環状折畳み帯の対応する内面に重なることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項19】
請求項17に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中間状態のときに、前記最後部の環状折畳み帯の外面が、前記隣接する環状折畳み帯の対応する外面に重なることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項20】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記フェイスマスク連結器が、実質的に前記中空本体の前記縦軸に対して垂直に延びていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項21】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、空気流通路が、前記中空本体から前記患者弁の環状通路を介して前記フェイスマスク連結器へ延び、前記環状通路が前記患者弁の前記弁連結器収容部を取り囲んでいることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項22】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、少なくとも前記フェイスマスク/患者弁/柔軟な中空本体が透明であることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項23】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中空本体は、6つの環状折畳み線と7つの折畳み帯とを具えることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項24】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記中空本体は、作動しているが、少なくとも部分的に折り畳まれた少なくとも1の状態を具え、その状態では、少なくとも1つの環状折畳み帯が反転されるとともに、少なくとも1つのその他の環状折畳み帯と少なくとも部分的に重なり、且つ、前記中空本体内の容積が減少するが、前記中空本体の弾性が保持されており、その結果、手動による圧縮後に、自然に拡張するようになっていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項25】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、部分的に折り畳まれた状態において、前記中空本体を固定するためにファスナーが更に設けられていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項26】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記作動状態のときに、前記フェイスマスクの前記弁連結器は、前記フェイス係合リムの前に延びるが、前記凸状の収納状態では前記フェイスマスクの前記ドーム部が反転して、前記弁連結器が、前記フェイス係合リムの後ろに延びることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項27】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記フェイスマスクは、一端が前記患者弁に取り付けられ、他端が前記フェイスマスクの連結器に取り付けられる蛇腹式のパイプの形態の柔軟な折畳み式導管を通して、前記患者弁に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【請求項28】
請求項1に記載の折畳み式呼吸バッグアセンブリにおいて、前記収納状態のときに、
前記吸気弁アセンブリと前記患者弁とが、前記装置の前記縦軸に沿って少なくとも部分的に重なることを特徴とする折畳み式呼吸バッグアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【公表番号】特表2011−500126(P2011−500126A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528524(P2010−528524)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【国際出願番号】PCT/IL2008/001338
【国際公開番号】WO2009/047763
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(510096038)マイクロ ビーヴィエム エルティーディー. (1)
【氏名又は名称原語表記】MICRO BVM LTD.
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【国際出願番号】PCT/IL2008/001338
【国際公開番号】WO2009/047763
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(510096038)マイクロ ビーヴィエム エルティーディー. (1)
【氏名又は名称原語表記】MICRO BVM LTD.
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