呼吸補助装置
【課題】人工呼吸器をつけていると否とに拘わらず、自然に呼吸ができないあるいは不適切である患者に用いられる呼吸補助装置を提供すること。特に外気の吸引に関し生ずる不規則な吸引を安定化する方法の提供。
【解決手段】呼吸補助装置1は、管状で、主通路5を形成し、呼吸可能気体源25に連結されている少なくとも1つの補助通路8を備え、この補助通路8用の呼吸可能気体の容積部分を、補助通路8に入る前に偏向させるための偏向手段36と、周囲の空気を吸い、上記の偏向された呼吸可能気体部分により駆動される吸引手段38とを有し、上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合された、吸引された周囲の空気が補助通路8の遠位端18と上記主通路5の遠位端7との間で主通路5に搬送される。
【解決手段】呼吸補助装置1は、管状で、主通路5を形成し、呼吸可能気体源25に連結されている少なくとも1つの補助通路8を備え、この補助通路8用の呼吸可能気体の容積部分を、補助通路8に入る前に偏向させるための偏向手段36と、周囲の空気を吸い、上記の偏向された呼吸可能気体部分により駆動される吸引手段38とを有し、上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合された、吸引された周囲の空気が補助通路8の遠位端18と上記主通路5の遠位端7との間で主通路5に搬送される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工呼吸器をつけていると否とに拘わらず、自然に呼吸ができないあるいは不適切である患者に用いられる呼吸補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置はEP特許第0390684号によりよく知られており、この装置は
− 主通路を形成し、この主通路は、患者の呼吸器系を外側に連結するように、その遠位端を介して患者の気道に連結するようになされている管と、
− 例えば、上記の管の壁に形成され、患者を換気することを意図する呼吸可能な気体噴流を噴射できる少なくとも1つの補助通路とからなり、この補助通路は主通路の遠位端前で主通路に開口している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP特許第0390684号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような装置では、補助通路に供給される呼吸可能な気体は、大抵の場合、純粋酸素である。しかし、体が血液中の高レベルの二酸化炭素に慣れている幾人かの患者は純粋酸素での換気に耐えられず、心臓の危険という問題を引き起こす。
【0005】
よって、この欠点を解消するため、EP特許第1441791号には、補助通路の遠位開口部と、主通路の遠位端との間に制御可能な流体連通手段が更に追加されており、この連通手段は開放姿勢では、上記主通路の呼吸可能気体の噴流により連通手段を介して外側の空気を吸引するように外側の環境に上記の主通路を連結する、可変断面積を有する通路を形成できるこの種の呼吸補助装置を使用することが既に提案されている。こうして導入された空気は呼吸可能な気体を希釈し、そうすると上記の患者には我慢できる。
【0006】
外気の吸引は、補助通路の遠位開口部の下流、主通路で呼吸可能気体噴流により生じる低圧からおこる。しかし、こうして生じる低圧は実質がないだけでなく、非常に不安定であることは分かっている。これは予想できず、且つ制御困難な変化を受け、外気の不規則な吸引を起こすからである。
【0007】
更に、患者の呼吸補助装置を操作している者は、空気による呼吸気の希釈が主通路で確実にほぼ一定するように連通手段(よって吸引の強さ)により形成される通路の可変断面積を連続して調節することを強制される。
【0008】
本発明の目的はこれらの欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明によれば、呼吸補助装置は管状で、主通路を形成し、この主通路は、患者の呼吸器系を外側に連結するように、その遠位部を介して患者の気道に連結するようになされており、
− 上記の主通路の遠位端の前に配置されている少なくとも1つの遠位開口部を介して上記の呼吸可能気体噴流を吹き出すことができるように呼吸可能気体源に連結されている少なくとも1つの補助通路と、
− 上記の補助通路の上記遠位開口部と上記主通路の上記遠位端との間に配置された流体連通手段とからなり、
− ・上記の呼吸可能気体源からの、補助通路用の呼吸可能気体の容積部分を、補助通路に入る前に偏向させるための偏向手段と、
・ 周囲の空気を吸い、上記の偏向された呼吸可能気体部分により駆動される吸引手段とを備え、
− 上記の吸引手段が上記の連通手段に、この連通手段が上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合され、吸引された周囲の空気を上記主通路に搬送できるように連結されていることを特徴とする。
【0010】
よって、本発明によれば、呼吸可能気体の偏向部分が吸引手段を駆動し、この吸引手段が周囲の空気を吸わせる。この吸引は、呼吸可能気体の偏向部分が大きくなればなるほど、それだけ実質的なものとなる。加えて、呼吸可能気体の偏向部分は、気体源からの呼吸可能気体流が連続していて、一定なので)突然の予期しない変化を受けず、外気の不安定で不規則な吸引の危険はない。更に、呼吸可能気体の偏向部分は吸引された周囲の空気と混合されるので、呼吸可能な気体は主通路に到着する前に希釈される。
【0011】
本発明では、周囲の空気の吸引は補助通路の遠位開口部の下流側の主通路内に蔓延する内部低圧に依存せず、吸引手段により意図的に生じるものである。
【0012】
この呼吸補助装置は、上記の偏向手段により偏向された、呼吸可能気体の上記部分の調整手段を備えるのが好ましく、この調整手段は上記の偏向手段と上記の吸引手段との間に配置するのが望ましく、少なくとも1つのバルブからなる。
【0013】
よって、呼吸可能気体の偏向部分を調整して、(気体の偏向部分により駆動される)吸引手段により生じる吸引の強さ、従って、吸引される周囲の空気の容積を適合させることができる。こうして、偏向された呼吸可能気体の希釈を調整できる。
【0014】
本発明では、調整手段のバルブには目盛りがつけられており、吸引された周囲の空気の容積、従って、偏向された呼吸可能な気体の希釈を正確に制御できる。
【0015】
この呼吸補助装置には、上記の吸引手段から発生して、上記の主通路に入ろうとする希釈呼吸可能気体の流量率調節手段を備えるのが好ましい。この流量率調節手段は上記の吸引手段と上記の流体連通手段との間に配置するのが望ましく、加えて、少なくとも1つのバルブからなる。
【0016】
こうして、上記の連通手段により上記の主通路に入る希釈された呼吸可能気体の流量率(よって量)を調節できる。
【0017】
調整手段のバルブと同様に、上記の調節手段のバルブも目盛り付けして主通路に導入される希釈呼吸可能気体の量を正確に知ることができる。
【0018】
上記の流体連通手段は、上記の装置の壁に形成された少なくとも1つの連通口からなるのが望ましい。
【0019】
加えて、本発明の呼吸補助装置の実施例では、特に、それを口から患者の呼吸器系のカリーナ(carina)に導入するために、上記の主通路は可撓性管により形成されており、上記の流体連通手段は、少なくともその長さの一部分において、上記の可撓性管を囲み、上記の連通口が開口する、上記の可撓性管の周囲に周方向通路を形成する可撓性気密シース(遮蔽体)からなるのが望ましく、これにより上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合した、吸引された周囲の空気が上記の可撓性シースの近位端から流出できる。
【0020】
こうして、主通路を通ってカリーナから来る、周囲の空気で希釈された新鮮な呼吸用気体で、肺中の汚染された呼吸気は排出されて一掃される。
【0021】
上記の吸引手段は、上記の可撓性管の近位端近くに直接取り付けるのが望ましく、これにより呼吸補助装置の取り扱いを容易にする。
【0022】
更に、本発明の1つの実施例では、上記の呼吸可能気体噴流を上記の主通路の軸に向けて偏向させる手段が上記の補助通路の上記の遠位部に対向して設けられていて、上記の連通手段はこの偏向手段と上記の主通路の遠位端との間に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明にかかる呼吸補助装置の第1実施形態を示し、軸方向要部拡大断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う略横断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う略横断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う略横断面図である。
【図5】本発明の装置の変形例を示す図1対応図である。
【図6】本発明の装置の異なる変形例を示す図1対応図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う略横断面図である。
【図8】本発明にかかる呼吸補助装置の第2実施形態を示す、軸方向要部拡大断面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う略横断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿う略横断面図である。
【図11】図8に示されている本発明の装置を備える呼吸補助マスクの部分軸方向略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面の図は本発明がどのように実施されるかを明確に示している。これらの図中、同一符号は同一要素を示す。
図1は、本発明による呼吸補助装置(1)の第1実施例の近位部分(2)と遠位部分(3)のみを示す略拡大略図。この第1実施例は、例えば、バルーン(風船)有りあるいは無しの口鼻気管内プローブ、小児用気管内プローブ、気体監視用プローブ、気管内プローブ、子供用解剖学的挿入プローブ、Cole気管支プローブ、Gedelカニューレプローブ、酸素治療用鼻用プローブ、睡眠時無呼吸治療用鼻あるいはbucconasal(頬鼻)マスクあるいは鼻バルーンを構成する。
【0025】
装置(1)は、可撓性あるいは(患者の形態に適合させるため)予成形されている管(4)からなり、この管(4)は、その両端にある近位開口部(6)と遠位開口部(7)と共に主通路(5)を形成する。
【0026】
こうして、主通路(5)は近位開口部(6)と遠位開口部(7)との間に通路を確保でき、一方(遠位開口部(7))は患者の気道内に位置させることを意図し、他方(近位開口部(6))は患者の外側に位置させることを意図している。この近位開口部(6)は周囲の空気に開口しており、この場合、患者は、主通路(5)を通って新鮮な空気を吸い、汚染された空気を吐くことができる。以下に説明するように、開口部(6)を加圧下の呼吸可能気体源に連結して、一方向バルブ・システムを設け、患者が上記の主通路5を介して上記の気体源から呼吸可能気体を吸い、同じく、主通路(5)を通って汚染気体を周囲の空気に吐くこともできる。
【0027】
主通路(5)の直径は約数mmであり、3mm、7mm、8mmおよび12mmの直径で満足いく試みを行えた。
【0028】
更に、補助通路(8)が管(4)の壁の肉厚内に形成されていて、主通路(5)のほぼ全長に亘って伸びており、以下に記載するように加圧下の呼吸可能気体源に連結されている。
【0029】
呼吸可能気体気体源への連結は、管(4)を近位端(2)に向けて液密状に囲み、この管(4)の周囲にシールされた環状室(10)を形成するリング(環)(9)により為される。補助通路(8)は管の壁内に形成された局部切欠き(11)により環状室(10)と連通され、この環状室(10)は導管(12)を介して呼吸可能気体源に連結されている。勿論、通路(8)の近位端は、例えば、管(4)の近位端面(14)から導入されたストッパ(13)により閉鎖されている。
【0030】
補助通路(8)は主通路(5)より直径は小さい。補助通路(8)の直径は1mm未満が好ましく、約5〜800μmが望ましい。遠位端では、補助通路(8)は管(4)の内壁(16)の凹所(15)に開口しており、この凹所(15)は環状で上記の管(4)の軸(17)を中心にしてセンターリング(芯合わせ)されている。上記凹所(15)は、ほぼ横断状か、上記の補助通路(8)がその開口(18)を介して開口している主通路(5)を広げるように僅かに傾斜している面(15a)と、この面(15a)に追随し軸(17)の方向に集中している面(15b)とを備える。
【0031】
集中する傾斜面(15b)と遠位開口部(7)との間で、管(4)の内壁(16)は、図1中に角度(A)で示されているように、外側に向けて僅かに広がっている部分を有するのが好ましい。
【0032】
よって、補助通路(8)に要素(9)から(12)までにより加圧下に呼吸可能気体が供給されると、対応する気体噴流が傾斜面(15b)に衝撃を与えて、気体噴流を軸(17)の方向に偏向させ(図1の矢印F)、そしてその近辺で主通路(5)の内側で近位開口部(6)から遠位開口部(7)に向け気体循環を促進させる圧力領域を発生させる。これにより患者の吸気を促進する。
【0033】
少なくとも1つの補完通路(19)が管(4)の肉厚内に設けられており、管(4)の近位端面(20)の近くの(19A)で開口し、圧力タップとして作用する。
【0034】
安全のため、排気調整バルブ(21)を管(4)の近位部(2)近くに設けることができる。よって、主通路(5)に過圧事故が生じると、患者の外側に気体が、管(4)の壁を介して逃げ、この過圧を瞬時に無くす。
【0035】
図2および図3に示されているように、補助通路(8)は管(4)の軸を中心に規則的に配置されており、その数は用途(子供あるいは大人)により可変であるが、一般に(3)から(9)の間である。さらに、補助通路の少なくとも1つは薬液の配送専用である。
【0036】
本発明による装置(1)の管(4)は呼吸用プローブに既に用いられているどの材料で作製してもよく、例えば、シリコンあるいは鋼を任意に被覆した塩化ポリビニルだと高圧噴射が可能である。
【0037】
勿論、本発明による装置(1)の寸法は、主として、管を嵌める方法および患者の大小、大人、子供、幼児あるいは早熟児により大きく変化できる。
【0038】
装置(1)は更に、連結部(23)を介して管(4)の近位部(6)に、そして、連結部(24)を介して補完通路(19)に連結されている供給制御装置(22)を備える。
【0039】
上記の供給制御装置(22)には、加圧下に呼吸可能気体、例えば、純粋酸素を気体源(25)により供給され、気体源(25)には、調節可能な減圧・流量計(27)が取り付けられている導管(26)を介して連結されている。
【0040】
上記の減圧・流量計(27)の出口は分岐導管(28)を介して導管(12)に連結されており、分岐導管(28)には制御弁(29)、流量率と圧力とを制限する調節自在の圧力降下装置(30)(例えば、目盛りつき導管を備えた管)と、湿度計(31)と、規制値を調整できる排気調整バルブ(32)とが直列に取り付けられている。上記の制御弁(29)は連結部(33)を介して供給制御装置(22)により制御される。
【0041】
これに限定するものではないが、例としてあげると、減圧・流量計(27)は導管(28)に、例えば、3.5バールに等しい圧力(P)で気体源(25)から来る呼吸可能気体を、例えば、1分当たり32リットルの最大調節可能な流量率で配送でき、流量率および圧力制限器(30)は導管(28)からこの呼吸可能気体を受けて、その圧力を値(p)、例えば、大人だと0.5バールに等しい圧力に、子供だと0.07バールに下げ、そして流量率を値(d)、例えば、1分当たり0.5リットルに等しい値に下げる。排気バルブ(32)については、圧力(p)に合わせて調整されている。
【0042】
更にまた、環状凹所(15)と遠位開口部(7)との間で(図1および図4参照)、管(4)の壁面には連通口(34)が設けられており、この連通口(34)は、気体入口突出部(35)により管(4)の外側に径方向に連続していて、上記連通口(34)と入口突出部(35)とは装置(1)への流体連通手段を形成する。
【0043】
図1に示されているように、排気バルブ(32)と管(4)のリング(9)との間には、(気体源(25)から来る)呼吸可能気体の容積部分の偏向手段(36)が導管(12)に取り付けられている。(図1では箱により略示されている)この偏向手段(36)は例えばT型あるいはY型偏向要素からなる。勿論、偏向手段を、例えば、偏向導管(28)に配置することにより異なる形態に構成することも考えられる。
【0044】
導管(12)の偏向手段(36)の出口は分岐導管(37)を介して気体入口突出部(35)に連結されており、分岐導管(37)には周囲の空気の吸引手段(38)が偏向手段(36)と入口突出部(35)との間に取り付けられている。
【0045】
渦巻きポンプと同じ原理で作用する上記の吸引手段(38)は例えば気体源(25)から来て導管(12)から偏向される呼吸可能気体部分により駆動される。よって、空気取り入れ開口(38A)を介して(矢印(P)により象徴されている)周囲の空気をポンプでくみ上げるようにして吸引できる。吸引手段(38)の出口では、偏向された、呼吸可能気体は吸引された周囲の空気により希釈される。
【0046】
図1に示されているように、呼吸可能気体の偏向部分を調整できる調整バルブ(39)は偏向手段(36)と吸引手段(38)との間で偏向導管(37)に取り付けられている。よって、呼吸可能気体の偏向部分を調節することによって、調整バルブ(39)は(上記の偏向部分により駆動される)吸引手段(38)により生じる吸引の強さ、従って、吸引した周囲の空気の容積を調節できる。
【0047】
調整バルブ(39)は吸引した周囲の空気の容積、従って、偏向された呼吸可能気体の希釈を正確に制御できるように目盛り付けすることができるのが望ましい。
【0048】
図1に示されているように、調節バルブ(40)は吸引手段(38)と管(4)の気体入り口突出部(35)との間で分岐導管(37)に取り付けられている。その一部として、この調節バルブ(40)は連通口(34)を通って主通路(5)に入る(矢印(f)を参照)希釈呼吸可能気体の流量率を調節できる。
【0049】
図示された第1実施例(図1から図4)による装置(1)の操作形態は以下のようである。
− 人工呼吸モードでは、調整バルブ(39)と調節バルブ(40)とは閉鎖されており、供給制御装置(22)は、一方では、連結部(33)により閉鎖するように制御バルブ(29)を制御し、導管(12)には呼吸可能気体が供給されないようにし、他方、連結部(23)により管(4)に呼吸可能気体を搬送する。この装置(22)は導管(26)から受け取り、管(4)に搬送する呼吸可能気体の圧力と流量率とを制御できる手段(図示略)を備える。過圧が患者の呼吸路で生じると、検知され、補完通路(19)と連結部(24)とを介して装置(22)に伝達され、装置(22)は操作を停止する。更に、例えば、補完通路(19)が粘液で塞がれて、過圧情報を装置(22)に伝達できないため、この過圧が調整バルブ(21)の目盛りの閾値を越すと、このバルブ(21)は開放して、主通路(5)が大気と連結される。
【0050】
− 呼吸補助モードでは、供給制御装置(22)が連結部(23)を切断して近位開口部(6)を大気と連通させ、連結部(33)を介して制御バルブ(29)を制御して、患者に、呼吸可能気体の連続あるいはパルス噴流を制限器(30)、加湿器(31)、排気調整バルブ(32)、偏向手段(36)および補助通路(8)とにより搬送する。更に、調整バルブ(39)と調節バルブ(40)とは開放している。従って、周囲の空気は吸引手段(38)(矢印P参照)により吸引され、(導管(12)から偏向手段により偏向された)呼吸可能気体と混合され、こうして希釈される。勿論、偏向された呼吸可能気体の希釈率は吸引手段(38)による周囲の空気の吸引、よって調整バルブ(39)の開口度による。呼吸可能気体の導管(12)への噴射条件が一定しているので、調整バルブの(39)の開口度に対応する希釈率が一括して(目盛りに合わせて)調整でき、その結果、調整バルブ(39)の所定の開口度を選択することにより空気と呼吸可能気体との最適混合物が患者に供給され得る。加えて、連通口(34)を介して主通路に侵入する希釈された呼吸可能気体の流量率は調節バルブ(40)により正確に制御出来る。上記のように、過圧が患者の呼吸路に生じると、この過圧は検知され、補完通路(19)を介して伝達され、装置(22)は制御バルブ(29)を閉鎖し、導管(28)は気体を患者に搬送するのを停止する。補完通路(19)が塞がると、装置(22)には患者の呼吸路での過圧が警告されず、停止できないが、この過圧は補助通路(8)と導管内の増圧を生じさせる。この圧力増加が安全弁(32)の開口度の閾値に達すると、この安全弁(32)は開放し、呼吸可能気体の噴流は最早患者に搬送されず、その代わり、この安全弁(32)を介して外側に偏向せられる。よって、安全機構(19A)、(19)、(24)、(22)、(29)はこの場合作用できないが、呼吸可能気体の噴流は患者の呼吸器系に到達できない。
【0051】
図5に示され、その作用が上記のものと同一である、第1実施例の変形例では、下流側のリング(41)が、環状凹所(15)と流体連通手段の連通口(34)との間で、管(4)の遠位部(3)に配置されている。このリング(41)は(図5中、(D)で示されている)主通路(5)の中央圧力領域を取り囲み、この中央圧力領域(D)と主通路(5)の遠位部(3)の内壁(16)との間の環状周方向スペース(42)を少なくとも部分的に占有する。そのようなリング(41)により、矩形(長方形)の圧力領域を得るのに必要な呼吸可能気体源25の圧力を減圧できると同時に同一圧力の圧力領域(D)が得られる。
【0052】
一般原則として、リング(41)と傾斜偏向面(15b)との間の距離(l)は主通路(5)の遠位部の直径に近い。
【0053】
然し、気体源(25)の所要の最適減圧を得るためには、上記の距離(l)は調節自在であるのが望ましく、また、同じ理由で、リング(41)の中央開口部(43)の直径も調節自在であるのが望ましい。
【0054】
図6は、患者の呼吸器系カリーナに口で導入する装置(1)の第1実施例のもう1つの変形例を示す。
【0055】
図6に示されているように、可撓性管(4)はその長さの最大部分を可撓性気密シース(63)により囲まれている。この可撓性シース(63)の遠位端(63A)は管(4)の遠位端(7)の近くに気密状に連結されており、この管(4)は、環状凹所(15)と遠位開口部(7)との間で、上記の可撓性シース(63)の内側に配置された連通口(34)を備える。可撓性シース(63)の近位端(63B)は、可撓性管(4)の近位側(2)近くに配置された環状連結体(64)に気密状に連結されていて、吸引手段(38)に連結されている。このように、可撓性シース(63)が可撓性管(4)の周囲に周方向通路(65)を形成し、可撓性管(4)は連通口(34)により主通路(5)に開口している。環状連結体(64)内に形成されている環状開口部(66)により、周囲の空気により希釈された新鮮な呼吸可能気体を可撓性シース(63)と連通させる。こうして、吸引手段(38)からくる希釈された新鮮な呼吸可能気体は周方向通路(65)に流入し、連通口(34)を介して主通路(5)に入る(矢印(f))。
【0056】
この変形例では、ベンチュリ管の形態を有する吸引手段(38)は、装置(1)の取り扱いをより簡単にするため、可撓性管(4)の環状連結体(64)に取り付けられている。
【0057】
加えて、図6および図7に示されているように、可撓性シース(63)で囲まれた管(4)の外壁は、周方向通路(65)の気密閉栓を阻止するための長手方向の突出リブ(67)を備える。この変形例として、上記のリブ(67)に代え、管(4)の外壁内にスロット(長孔)を形成してもよい。
【0058】
更に、既知のように、可撓性管(4)は、可撓性シース(63)の下流に配置された膨張性固定用バルーン(68)を備える。この膨張性バルーン(68)は、一重あるいは二重であり、気体源(69)から来る膨張性気体(矢印F1)により膨張され、管(4)の肉厚内に形成された補完通路(70)により移送される。この補完通路(70)は固定用バルーン(68)に部分(71)で開口している。加えて、バルーン(68)の膜は少なくとも部分的に強化されており、患者が口で可撓性管(4)を導入中噛むことにより裂けるのを防ぐ。
【0059】
よって、第1実施例のこの変形例では、可撓性管(4)は、その遠位端(7)がカリーナ(図示略)近くに位置するまで、患者の呼吸器系に簡単に挿入される。よって、可撓性管(4)の遠位端(7)と患者の肺との間のデッド・スペースが最小に減少される。
【0060】
こうして、肺中の汚染された呼吸気は主通路(5)を通ってカリーナから来る、周囲の空気で希釈された新鮮な呼吸気で肺から追い出して一掃される。
【0061】
図8から図11に示されているように、本発明の第2実施例による呼吸補助装置は、内部通路(44)と、この内部通路(44)に突出する円錐形壁(45)とからなる管状連結体(1.1)である。
【0062】
上記の内部通路(44)は、上記の管状連結体(1.1)の近位端(48)と遠位端(49)の近位開口部(46)と遠位開口部(47)とにより形成されている。
【0063】
円錐形壁(45)の目的は、補助通路(51)を通って噴射され、横方向の吸気突出部(53)と連続する開口(52)から、周方向環状室(54)を介して供給される呼吸可能気体噴流を内部通路(44)の長手方向軸(50)の方向に偏向することである。呼吸可能気体源(25)から由来する呼吸可能気体噴流は補助通路(51)からその開口(51A)を介して広がる。
【0064】
吸気突出部(53)は導管(12)を介して (図1に関して上記したものと同様の) 偏向手段(36)に連結されている。
【0065】
更に、その遠位部(48)近くで、管状連結体(1.1)の壁には連通口(34)が設けられており、この連通口(34)は横方向気体入口突出部(35)により径方向外側に連続されていて、連通口(34)と突出部(35)とは装置(連結体)(1.1)との流体連通手段を形成する。
【0066】
上記の流体連通手段には、(図1に関して、上記した)偏向手段(36)と、調整バルブ(39)と、吸引手段(38)と、調節バルブ(40)とにより、偏向導管(37)を介して希釈された呼吸可能気体が供給できる。
【0067】
更に、上記の管状連結体(1.1)は近位部(48)と遠位部(49)との間に介在される管状中央部(55)を備え、その長手方向の遠位端(55A)は僅かに内部通路(44)に突出して、上記の下流側リング(41)と同様の機能を備えた下流側リングを形成する。
【0068】
排気口(56)は中央部(55)の横壁に形成されて、内部通路(44)と周囲の空気とを連結する。この排気口(56)は、上記の中央部(55)と同じ断面上、軸(50)を中心に均一に配分されているのが好ましい。これにより、患者は汚染気体をその呼吸器系から追い出してより容易に排気できる。
【0069】
上記の排気口(56)はまたリング(56A)により覆われており、このリング(56A)は中央部分(55)の周りをゆっくり回転でき、それ自体にその直径が排気口(56)の直径と少なくとも等しい孔(56B)が設けられており、この孔(56B)はリング(56A)を回転することにより排気口(56)に対向して配置される。
【0070】
更に、遠位部(49)では、管状連結体(1.1)はこの連結体(1.1)に対して同軸上に配置された環状周方向室(60)を備える。この環状周方向室(60)は連結体(1.1)の遠位端(47)で開放しており、その近位端で出口突出部(61)が設けられており、この出口突出部(61)は気体分析器と圧力測定器(どちらも図示略)に連結されている。
【0071】
繊維製あるいは多孔性フィルタ(62)が環状周方向室(60)に配置されており、気体乱流、従って、過剰な圧力変化を減少させる。
【0072】
図8から図10に示されていないが、環状連結体(1.1)は薬剤および/または水を噴射するための通路あるいは導管を備えることは言うまでもない。
【0073】
図11は呼吸補助マスク(57)を示し、この補助マスク(57)はほぼ円錐台形の硬性殻(58)からなり、患者の顔面に装着される。その対向端には、補助マスク(57)は、本発明による第2実施例による管状装置(1.1)を備える。この管状装置(1.1)は連結体の役割をなし、ここを通って気体がマスク(57)に出入りする。
【0074】
勿論、本発明による装置(1)、(1.1)は、例えば、鼻プローブ、口腔プローブ、気管プローブ、喉頭プローブ、Kingシステム、Combitube(登録商標)等の多数の用途を有することは容易に感得される。上記の装置の寸法は各特定の用途に適合されるのは明白である。
【符号の説明】
【0075】
1・1.1…呼吸補助装置、2…可撓性管の近位端、3・49…遠位部、4…可撓性管、5・44…主通路、7・47…主通路の遠位端、8・51…補助通路、15・45…偏向手段、17・50…主通路の軸、18・51A…補助通路の遠位開口部、25…呼吸可能気体源、34・35…連通手段(連通口)、36…偏向手段、38…吸引手段、39…調整手段、40…流量率調節手段、63…可撓性シース、63B…可撓性シースの近位端、65…周方向通路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工呼吸器をつけていると否とに拘わらず、自然に呼吸ができないあるいは不適切である患者に用いられる呼吸補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置はEP特許第0390684号によりよく知られており、この装置は
− 主通路を形成し、この主通路は、患者の呼吸器系を外側に連結するように、その遠位端を介して患者の気道に連結するようになされている管と、
− 例えば、上記の管の壁に形成され、患者を換気することを意図する呼吸可能な気体噴流を噴射できる少なくとも1つの補助通路とからなり、この補助通路は主通路の遠位端前で主通路に開口している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP特許第0390684号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような装置では、補助通路に供給される呼吸可能な気体は、大抵の場合、純粋酸素である。しかし、体が血液中の高レベルの二酸化炭素に慣れている幾人かの患者は純粋酸素での換気に耐えられず、心臓の危険という問題を引き起こす。
【0005】
よって、この欠点を解消するため、EP特許第1441791号には、補助通路の遠位開口部と、主通路の遠位端との間に制御可能な流体連通手段が更に追加されており、この連通手段は開放姿勢では、上記主通路の呼吸可能気体の噴流により連通手段を介して外側の空気を吸引するように外側の環境に上記の主通路を連結する、可変断面積を有する通路を形成できるこの種の呼吸補助装置を使用することが既に提案されている。こうして導入された空気は呼吸可能な気体を希釈し、そうすると上記の患者には我慢できる。
【0006】
外気の吸引は、補助通路の遠位開口部の下流、主通路で呼吸可能気体噴流により生じる低圧からおこる。しかし、こうして生じる低圧は実質がないだけでなく、非常に不安定であることは分かっている。これは予想できず、且つ制御困難な変化を受け、外気の不規則な吸引を起こすからである。
【0007】
更に、患者の呼吸補助装置を操作している者は、空気による呼吸気の希釈が主通路で確実にほぼ一定するように連通手段(よって吸引の強さ)により形成される通路の可変断面積を連続して調節することを強制される。
【0008】
本発明の目的はこれらの欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明によれば、呼吸補助装置は管状で、主通路を形成し、この主通路は、患者の呼吸器系を外側に連結するように、その遠位部を介して患者の気道に連結するようになされており、
− 上記の主通路の遠位端の前に配置されている少なくとも1つの遠位開口部を介して上記の呼吸可能気体噴流を吹き出すことができるように呼吸可能気体源に連結されている少なくとも1つの補助通路と、
− 上記の補助通路の上記遠位開口部と上記主通路の上記遠位端との間に配置された流体連通手段とからなり、
− ・上記の呼吸可能気体源からの、補助通路用の呼吸可能気体の容積部分を、補助通路に入る前に偏向させるための偏向手段と、
・ 周囲の空気を吸い、上記の偏向された呼吸可能気体部分により駆動される吸引手段とを備え、
− 上記の吸引手段が上記の連通手段に、この連通手段が上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合され、吸引された周囲の空気を上記主通路に搬送できるように連結されていることを特徴とする。
【0010】
よって、本発明によれば、呼吸可能気体の偏向部分が吸引手段を駆動し、この吸引手段が周囲の空気を吸わせる。この吸引は、呼吸可能気体の偏向部分が大きくなればなるほど、それだけ実質的なものとなる。加えて、呼吸可能気体の偏向部分は、気体源からの呼吸可能気体流が連続していて、一定なので)突然の予期しない変化を受けず、外気の不安定で不規則な吸引の危険はない。更に、呼吸可能気体の偏向部分は吸引された周囲の空気と混合されるので、呼吸可能な気体は主通路に到着する前に希釈される。
【0011】
本発明では、周囲の空気の吸引は補助通路の遠位開口部の下流側の主通路内に蔓延する内部低圧に依存せず、吸引手段により意図的に生じるものである。
【0012】
この呼吸補助装置は、上記の偏向手段により偏向された、呼吸可能気体の上記部分の調整手段を備えるのが好ましく、この調整手段は上記の偏向手段と上記の吸引手段との間に配置するのが望ましく、少なくとも1つのバルブからなる。
【0013】
よって、呼吸可能気体の偏向部分を調整して、(気体の偏向部分により駆動される)吸引手段により生じる吸引の強さ、従って、吸引される周囲の空気の容積を適合させることができる。こうして、偏向された呼吸可能気体の希釈を調整できる。
【0014】
本発明では、調整手段のバルブには目盛りがつけられており、吸引された周囲の空気の容積、従って、偏向された呼吸可能な気体の希釈を正確に制御できる。
【0015】
この呼吸補助装置には、上記の吸引手段から発生して、上記の主通路に入ろうとする希釈呼吸可能気体の流量率調節手段を備えるのが好ましい。この流量率調節手段は上記の吸引手段と上記の流体連通手段との間に配置するのが望ましく、加えて、少なくとも1つのバルブからなる。
【0016】
こうして、上記の連通手段により上記の主通路に入る希釈された呼吸可能気体の流量率(よって量)を調節できる。
【0017】
調整手段のバルブと同様に、上記の調節手段のバルブも目盛り付けして主通路に導入される希釈呼吸可能気体の量を正確に知ることができる。
【0018】
上記の流体連通手段は、上記の装置の壁に形成された少なくとも1つの連通口からなるのが望ましい。
【0019】
加えて、本発明の呼吸補助装置の実施例では、特に、それを口から患者の呼吸器系のカリーナ(carina)に導入するために、上記の主通路は可撓性管により形成されており、上記の流体連通手段は、少なくともその長さの一部分において、上記の可撓性管を囲み、上記の連通口が開口する、上記の可撓性管の周囲に周方向通路を形成する可撓性気密シース(遮蔽体)からなるのが望ましく、これにより上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合した、吸引された周囲の空気が上記の可撓性シースの近位端から流出できる。
【0020】
こうして、主通路を通ってカリーナから来る、周囲の空気で希釈された新鮮な呼吸用気体で、肺中の汚染された呼吸気は排出されて一掃される。
【0021】
上記の吸引手段は、上記の可撓性管の近位端近くに直接取り付けるのが望ましく、これにより呼吸補助装置の取り扱いを容易にする。
【0022】
更に、本発明の1つの実施例では、上記の呼吸可能気体噴流を上記の主通路の軸に向けて偏向させる手段が上記の補助通路の上記の遠位部に対向して設けられていて、上記の連通手段はこの偏向手段と上記の主通路の遠位端との間に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明にかかる呼吸補助装置の第1実施形態を示し、軸方向要部拡大断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う略横断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う略横断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う略横断面図である。
【図5】本発明の装置の変形例を示す図1対応図である。
【図6】本発明の装置の異なる変形例を示す図1対応図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う略横断面図である。
【図8】本発明にかかる呼吸補助装置の第2実施形態を示す、軸方向要部拡大断面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う略横断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿う略横断面図である。
【図11】図8に示されている本発明の装置を備える呼吸補助マスクの部分軸方向略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面の図は本発明がどのように実施されるかを明確に示している。これらの図中、同一符号は同一要素を示す。
図1は、本発明による呼吸補助装置(1)の第1実施例の近位部分(2)と遠位部分(3)のみを示す略拡大略図。この第1実施例は、例えば、バルーン(風船)有りあるいは無しの口鼻気管内プローブ、小児用気管内プローブ、気体監視用プローブ、気管内プローブ、子供用解剖学的挿入プローブ、Cole気管支プローブ、Gedelカニューレプローブ、酸素治療用鼻用プローブ、睡眠時無呼吸治療用鼻あるいはbucconasal(頬鼻)マスクあるいは鼻バルーンを構成する。
【0025】
装置(1)は、可撓性あるいは(患者の形態に適合させるため)予成形されている管(4)からなり、この管(4)は、その両端にある近位開口部(6)と遠位開口部(7)と共に主通路(5)を形成する。
【0026】
こうして、主通路(5)は近位開口部(6)と遠位開口部(7)との間に通路を確保でき、一方(遠位開口部(7))は患者の気道内に位置させることを意図し、他方(近位開口部(6))は患者の外側に位置させることを意図している。この近位開口部(6)は周囲の空気に開口しており、この場合、患者は、主通路(5)を通って新鮮な空気を吸い、汚染された空気を吐くことができる。以下に説明するように、開口部(6)を加圧下の呼吸可能気体源に連結して、一方向バルブ・システムを設け、患者が上記の主通路5を介して上記の気体源から呼吸可能気体を吸い、同じく、主通路(5)を通って汚染気体を周囲の空気に吐くこともできる。
【0027】
主通路(5)の直径は約数mmであり、3mm、7mm、8mmおよび12mmの直径で満足いく試みを行えた。
【0028】
更に、補助通路(8)が管(4)の壁の肉厚内に形成されていて、主通路(5)のほぼ全長に亘って伸びており、以下に記載するように加圧下の呼吸可能気体源に連結されている。
【0029】
呼吸可能気体気体源への連結は、管(4)を近位端(2)に向けて液密状に囲み、この管(4)の周囲にシールされた環状室(10)を形成するリング(環)(9)により為される。補助通路(8)は管の壁内に形成された局部切欠き(11)により環状室(10)と連通され、この環状室(10)は導管(12)を介して呼吸可能気体源に連結されている。勿論、通路(8)の近位端は、例えば、管(4)の近位端面(14)から導入されたストッパ(13)により閉鎖されている。
【0030】
補助通路(8)は主通路(5)より直径は小さい。補助通路(8)の直径は1mm未満が好ましく、約5〜800μmが望ましい。遠位端では、補助通路(8)は管(4)の内壁(16)の凹所(15)に開口しており、この凹所(15)は環状で上記の管(4)の軸(17)を中心にしてセンターリング(芯合わせ)されている。上記凹所(15)は、ほぼ横断状か、上記の補助通路(8)がその開口(18)を介して開口している主通路(5)を広げるように僅かに傾斜している面(15a)と、この面(15a)に追随し軸(17)の方向に集中している面(15b)とを備える。
【0031】
集中する傾斜面(15b)と遠位開口部(7)との間で、管(4)の内壁(16)は、図1中に角度(A)で示されているように、外側に向けて僅かに広がっている部分を有するのが好ましい。
【0032】
よって、補助通路(8)に要素(9)から(12)までにより加圧下に呼吸可能気体が供給されると、対応する気体噴流が傾斜面(15b)に衝撃を与えて、気体噴流を軸(17)の方向に偏向させ(図1の矢印F)、そしてその近辺で主通路(5)の内側で近位開口部(6)から遠位開口部(7)に向け気体循環を促進させる圧力領域を発生させる。これにより患者の吸気を促進する。
【0033】
少なくとも1つの補完通路(19)が管(4)の肉厚内に設けられており、管(4)の近位端面(20)の近くの(19A)で開口し、圧力タップとして作用する。
【0034】
安全のため、排気調整バルブ(21)を管(4)の近位部(2)近くに設けることができる。よって、主通路(5)に過圧事故が生じると、患者の外側に気体が、管(4)の壁を介して逃げ、この過圧を瞬時に無くす。
【0035】
図2および図3に示されているように、補助通路(8)は管(4)の軸を中心に規則的に配置されており、その数は用途(子供あるいは大人)により可変であるが、一般に(3)から(9)の間である。さらに、補助通路の少なくとも1つは薬液の配送専用である。
【0036】
本発明による装置(1)の管(4)は呼吸用プローブに既に用いられているどの材料で作製してもよく、例えば、シリコンあるいは鋼を任意に被覆した塩化ポリビニルだと高圧噴射が可能である。
【0037】
勿論、本発明による装置(1)の寸法は、主として、管を嵌める方法および患者の大小、大人、子供、幼児あるいは早熟児により大きく変化できる。
【0038】
装置(1)は更に、連結部(23)を介して管(4)の近位部(6)に、そして、連結部(24)を介して補完通路(19)に連結されている供給制御装置(22)を備える。
【0039】
上記の供給制御装置(22)には、加圧下に呼吸可能気体、例えば、純粋酸素を気体源(25)により供給され、気体源(25)には、調節可能な減圧・流量計(27)が取り付けられている導管(26)を介して連結されている。
【0040】
上記の減圧・流量計(27)の出口は分岐導管(28)を介して導管(12)に連結されており、分岐導管(28)には制御弁(29)、流量率と圧力とを制限する調節自在の圧力降下装置(30)(例えば、目盛りつき導管を備えた管)と、湿度計(31)と、規制値を調整できる排気調整バルブ(32)とが直列に取り付けられている。上記の制御弁(29)は連結部(33)を介して供給制御装置(22)により制御される。
【0041】
これに限定するものではないが、例としてあげると、減圧・流量計(27)は導管(28)に、例えば、3.5バールに等しい圧力(P)で気体源(25)から来る呼吸可能気体を、例えば、1分当たり32リットルの最大調節可能な流量率で配送でき、流量率および圧力制限器(30)は導管(28)からこの呼吸可能気体を受けて、その圧力を値(p)、例えば、大人だと0.5バールに等しい圧力に、子供だと0.07バールに下げ、そして流量率を値(d)、例えば、1分当たり0.5リットルに等しい値に下げる。排気バルブ(32)については、圧力(p)に合わせて調整されている。
【0042】
更にまた、環状凹所(15)と遠位開口部(7)との間で(図1および図4参照)、管(4)の壁面には連通口(34)が設けられており、この連通口(34)は、気体入口突出部(35)により管(4)の外側に径方向に連続していて、上記連通口(34)と入口突出部(35)とは装置(1)への流体連通手段を形成する。
【0043】
図1に示されているように、排気バルブ(32)と管(4)のリング(9)との間には、(気体源(25)から来る)呼吸可能気体の容積部分の偏向手段(36)が導管(12)に取り付けられている。(図1では箱により略示されている)この偏向手段(36)は例えばT型あるいはY型偏向要素からなる。勿論、偏向手段を、例えば、偏向導管(28)に配置することにより異なる形態に構成することも考えられる。
【0044】
導管(12)の偏向手段(36)の出口は分岐導管(37)を介して気体入口突出部(35)に連結されており、分岐導管(37)には周囲の空気の吸引手段(38)が偏向手段(36)と入口突出部(35)との間に取り付けられている。
【0045】
渦巻きポンプと同じ原理で作用する上記の吸引手段(38)は例えば気体源(25)から来て導管(12)から偏向される呼吸可能気体部分により駆動される。よって、空気取り入れ開口(38A)を介して(矢印(P)により象徴されている)周囲の空気をポンプでくみ上げるようにして吸引できる。吸引手段(38)の出口では、偏向された、呼吸可能気体は吸引された周囲の空気により希釈される。
【0046】
図1に示されているように、呼吸可能気体の偏向部分を調整できる調整バルブ(39)は偏向手段(36)と吸引手段(38)との間で偏向導管(37)に取り付けられている。よって、呼吸可能気体の偏向部分を調節することによって、調整バルブ(39)は(上記の偏向部分により駆動される)吸引手段(38)により生じる吸引の強さ、従って、吸引した周囲の空気の容積を調節できる。
【0047】
調整バルブ(39)は吸引した周囲の空気の容積、従って、偏向された呼吸可能気体の希釈を正確に制御できるように目盛り付けすることができるのが望ましい。
【0048】
図1に示されているように、調節バルブ(40)は吸引手段(38)と管(4)の気体入り口突出部(35)との間で分岐導管(37)に取り付けられている。その一部として、この調節バルブ(40)は連通口(34)を通って主通路(5)に入る(矢印(f)を参照)希釈呼吸可能気体の流量率を調節できる。
【0049】
図示された第1実施例(図1から図4)による装置(1)の操作形態は以下のようである。
− 人工呼吸モードでは、調整バルブ(39)と調節バルブ(40)とは閉鎖されており、供給制御装置(22)は、一方では、連結部(33)により閉鎖するように制御バルブ(29)を制御し、導管(12)には呼吸可能気体が供給されないようにし、他方、連結部(23)により管(4)に呼吸可能気体を搬送する。この装置(22)は導管(26)から受け取り、管(4)に搬送する呼吸可能気体の圧力と流量率とを制御できる手段(図示略)を備える。過圧が患者の呼吸路で生じると、検知され、補完通路(19)と連結部(24)とを介して装置(22)に伝達され、装置(22)は操作を停止する。更に、例えば、補完通路(19)が粘液で塞がれて、過圧情報を装置(22)に伝達できないため、この過圧が調整バルブ(21)の目盛りの閾値を越すと、このバルブ(21)は開放して、主通路(5)が大気と連結される。
【0050】
− 呼吸補助モードでは、供給制御装置(22)が連結部(23)を切断して近位開口部(6)を大気と連通させ、連結部(33)を介して制御バルブ(29)を制御して、患者に、呼吸可能気体の連続あるいはパルス噴流を制限器(30)、加湿器(31)、排気調整バルブ(32)、偏向手段(36)および補助通路(8)とにより搬送する。更に、調整バルブ(39)と調節バルブ(40)とは開放している。従って、周囲の空気は吸引手段(38)(矢印P参照)により吸引され、(導管(12)から偏向手段により偏向された)呼吸可能気体と混合され、こうして希釈される。勿論、偏向された呼吸可能気体の希釈率は吸引手段(38)による周囲の空気の吸引、よって調整バルブ(39)の開口度による。呼吸可能気体の導管(12)への噴射条件が一定しているので、調整バルブの(39)の開口度に対応する希釈率が一括して(目盛りに合わせて)調整でき、その結果、調整バルブ(39)の所定の開口度を選択することにより空気と呼吸可能気体との最適混合物が患者に供給され得る。加えて、連通口(34)を介して主通路に侵入する希釈された呼吸可能気体の流量率は調節バルブ(40)により正確に制御出来る。上記のように、過圧が患者の呼吸路に生じると、この過圧は検知され、補完通路(19)を介して伝達され、装置(22)は制御バルブ(29)を閉鎖し、導管(28)は気体を患者に搬送するのを停止する。補完通路(19)が塞がると、装置(22)には患者の呼吸路での過圧が警告されず、停止できないが、この過圧は補助通路(8)と導管内の増圧を生じさせる。この圧力増加が安全弁(32)の開口度の閾値に達すると、この安全弁(32)は開放し、呼吸可能気体の噴流は最早患者に搬送されず、その代わり、この安全弁(32)を介して外側に偏向せられる。よって、安全機構(19A)、(19)、(24)、(22)、(29)はこの場合作用できないが、呼吸可能気体の噴流は患者の呼吸器系に到達できない。
【0051】
図5に示され、その作用が上記のものと同一である、第1実施例の変形例では、下流側のリング(41)が、環状凹所(15)と流体連通手段の連通口(34)との間で、管(4)の遠位部(3)に配置されている。このリング(41)は(図5中、(D)で示されている)主通路(5)の中央圧力領域を取り囲み、この中央圧力領域(D)と主通路(5)の遠位部(3)の内壁(16)との間の環状周方向スペース(42)を少なくとも部分的に占有する。そのようなリング(41)により、矩形(長方形)の圧力領域を得るのに必要な呼吸可能気体源25の圧力を減圧できると同時に同一圧力の圧力領域(D)が得られる。
【0052】
一般原則として、リング(41)と傾斜偏向面(15b)との間の距離(l)は主通路(5)の遠位部の直径に近い。
【0053】
然し、気体源(25)の所要の最適減圧を得るためには、上記の距離(l)は調節自在であるのが望ましく、また、同じ理由で、リング(41)の中央開口部(43)の直径も調節自在であるのが望ましい。
【0054】
図6は、患者の呼吸器系カリーナに口で導入する装置(1)の第1実施例のもう1つの変形例を示す。
【0055】
図6に示されているように、可撓性管(4)はその長さの最大部分を可撓性気密シース(63)により囲まれている。この可撓性シース(63)の遠位端(63A)は管(4)の遠位端(7)の近くに気密状に連結されており、この管(4)は、環状凹所(15)と遠位開口部(7)との間で、上記の可撓性シース(63)の内側に配置された連通口(34)を備える。可撓性シース(63)の近位端(63B)は、可撓性管(4)の近位側(2)近くに配置された環状連結体(64)に気密状に連結されていて、吸引手段(38)に連結されている。このように、可撓性シース(63)が可撓性管(4)の周囲に周方向通路(65)を形成し、可撓性管(4)は連通口(34)により主通路(5)に開口している。環状連結体(64)内に形成されている環状開口部(66)により、周囲の空気により希釈された新鮮な呼吸可能気体を可撓性シース(63)と連通させる。こうして、吸引手段(38)からくる希釈された新鮮な呼吸可能気体は周方向通路(65)に流入し、連通口(34)を介して主通路(5)に入る(矢印(f))。
【0056】
この変形例では、ベンチュリ管の形態を有する吸引手段(38)は、装置(1)の取り扱いをより簡単にするため、可撓性管(4)の環状連結体(64)に取り付けられている。
【0057】
加えて、図6および図7に示されているように、可撓性シース(63)で囲まれた管(4)の外壁は、周方向通路(65)の気密閉栓を阻止するための長手方向の突出リブ(67)を備える。この変形例として、上記のリブ(67)に代え、管(4)の外壁内にスロット(長孔)を形成してもよい。
【0058】
更に、既知のように、可撓性管(4)は、可撓性シース(63)の下流に配置された膨張性固定用バルーン(68)を備える。この膨張性バルーン(68)は、一重あるいは二重であり、気体源(69)から来る膨張性気体(矢印F1)により膨張され、管(4)の肉厚内に形成された補完通路(70)により移送される。この補完通路(70)は固定用バルーン(68)に部分(71)で開口している。加えて、バルーン(68)の膜は少なくとも部分的に強化されており、患者が口で可撓性管(4)を導入中噛むことにより裂けるのを防ぐ。
【0059】
よって、第1実施例のこの変形例では、可撓性管(4)は、その遠位端(7)がカリーナ(図示略)近くに位置するまで、患者の呼吸器系に簡単に挿入される。よって、可撓性管(4)の遠位端(7)と患者の肺との間のデッド・スペースが最小に減少される。
【0060】
こうして、肺中の汚染された呼吸気は主通路(5)を通ってカリーナから来る、周囲の空気で希釈された新鮮な呼吸気で肺から追い出して一掃される。
【0061】
図8から図11に示されているように、本発明の第2実施例による呼吸補助装置は、内部通路(44)と、この内部通路(44)に突出する円錐形壁(45)とからなる管状連結体(1.1)である。
【0062】
上記の内部通路(44)は、上記の管状連結体(1.1)の近位端(48)と遠位端(49)の近位開口部(46)と遠位開口部(47)とにより形成されている。
【0063】
円錐形壁(45)の目的は、補助通路(51)を通って噴射され、横方向の吸気突出部(53)と連続する開口(52)から、周方向環状室(54)を介して供給される呼吸可能気体噴流を内部通路(44)の長手方向軸(50)の方向に偏向することである。呼吸可能気体源(25)から由来する呼吸可能気体噴流は補助通路(51)からその開口(51A)を介して広がる。
【0064】
吸気突出部(53)は導管(12)を介して (図1に関して上記したものと同様の) 偏向手段(36)に連結されている。
【0065】
更に、その遠位部(48)近くで、管状連結体(1.1)の壁には連通口(34)が設けられており、この連通口(34)は横方向気体入口突出部(35)により径方向外側に連続されていて、連通口(34)と突出部(35)とは装置(連結体)(1.1)との流体連通手段を形成する。
【0066】
上記の流体連通手段には、(図1に関して、上記した)偏向手段(36)と、調整バルブ(39)と、吸引手段(38)と、調節バルブ(40)とにより、偏向導管(37)を介して希釈された呼吸可能気体が供給できる。
【0067】
更に、上記の管状連結体(1.1)は近位部(48)と遠位部(49)との間に介在される管状中央部(55)を備え、その長手方向の遠位端(55A)は僅かに内部通路(44)に突出して、上記の下流側リング(41)と同様の機能を備えた下流側リングを形成する。
【0068】
排気口(56)は中央部(55)の横壁に形成されて、内部通路(44)と周囲の空気とを連結する。この排気口(56)は、上記の中央部(55)と同じ断面上、軸(50)を中心に均一に配分されているのが好ましい。これにより、患者は汚染気体をその呼吸器系から追い出してより容易に排気できる。
【0069】
上記の排気口(56)はまたリング(56A)により覆われており、このリング(56A)は中央部分(55)の周りをゆっくり回転でき、それ自体にその直径が排気口(56)の直径と少なくとも等しい孔(56B)が設けられており、この孔(56B)はリング(56A)を回転することにより排気口(56)に対向して配置される。
【0070】
更に、遠位部(49)では、管状連結体(1.1)はこの連結体(1.1)に対して同軸上に配置された環状周方向室(60)を備える。この環状周方向室(60)は連結体(1.1)の遠位端(47)で開放しており、その近位端で出口突出部(61)が設けられており、この出口突出部(61)は気体分析器と圧力測定器(どちらも図示略)に連結されている。
【0071】
繊維製あるいは多孔性フィルタ(62)が環状周方向室(60)に配置されており、気体乱流、従って、過剰な圧力変化を減少させる。
【0072】
図8から図10に示されていないが、環状連結体(1.1)は薬剤および/または水を噴射するための通路あるいは導管を備えることは言うまでもない。
【0073】
図11は呼吸補助マスク(57)を示し、この補助マスク(57)はほぼ円錐台形の硬性殻(58)からなり、患者の顔面に装着される。その対向端には、補助マスク(57)は、本発明による第2実施例による管状装置(1.1)を備える。この管状装置(1.1)は連結体の役割をなし、ここを通って気体がマスク(57)に出入りする。
【0074】
勿論、本発明による装置(1)、(1.1)は、例えば、鼻プローブ、口腔プローブ、気管プローブ、喉頭プローブ、Kingシステム、Combitube(登録商標)等の多数の用途を有することは容易に感得される。上記の装置の寸法は各特定の用途に適合されるのは明白である。
【符号の説明】
【0075】
1・1.1…呼吸補助装置、2…可撓性管の近位端、3・49…遠位部、4…可撓性管、5・44…主通路、7・47…主通路の遠位端、8・51…補助通路、15・45…偏向手段、17・50…主通路の軸、18・51A…補助通路の遠位開口部、25…呼吸可能気体源、34・35…連通手段(連通口)、36…偏向手段、38…吸引手段、39…調整手段、40…流量率調節手段、63…可撓性シース、63B…可撓性シースの近位端、65…周方向通路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状で、主通路(5、44)を形成し、この主通路(5、44)は、患者の呼吸器系を外側に連結するように、その遠位部(3、49)を介して患者の気道に連結するようになされており、
− 上記の主通路(5、44)の遠位端(7、47)の前に配置されている少なくとも1つの遠位開口部(18、51A)を介して上記の呼吸可能気体噴流を吹き出すことができるように呼吸可能気体の気体源(25)に連結されている少なくとも1つの補助通路(8、51)と、
− 上記の補助通路(8、51)の上記遠位開口部(18、51A)と上記主通路(5、44)の上記遠位端(7、47)との間に配置された流体連通手段とからなる呼吸補助装置(1、1.1)において、この装置(1、1.1)が
・ 補助通路(8、51)用の呼吸可能気体の容積部分を、補助通路(8、51)に入る前に偏向させるための偏向手段(36)と、
・ 周囲の空気を吸引し、上記の偏向された呼吸可能気体部分により駆動される吸引手段(38)とを備え、
− 上記の吸引手段(38)が上記の連通手段(34)に、この連通手段(34)が上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合され、吸引された周囲の空気を上記主通路(5、44)に搬送できるように連結されていることを特徴とする呼吸補助装置。
【請求項2】
上記の偏向手段(36)により偏向された呼吸可能気体の容積部分の調整手段(39)を備える請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
上記の調整手段(39)が上記の偏向手段(36)と上記の吸引手段(38)との間に配置されている請求項2に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
上記の調整手段(39)が少なくとも1つのバルブからなる請求項2に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
上記の吸引手段(38)より発生し、上記の主通路(5、44)に入るようになされた希釈呼吸可能気体の流量率を調節する手段(40)を更に備える請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
上記の流量率調節手段(40)が上記の吸引手段(38)と上記の流体連通手段(34)との間に配置されている請求項5に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
上記の流量率調節手段(40)が少なくとも1つのバルブからなる請求項5に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
上記の流体連通手段が、上記の装置(1、11)の壁に形成されている少なくとも1つの連通口(34)からなる請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
上記の主通路(5)が可撓性管(4)により形成されており、上記の流体連通手段は、少なくともその長さの一部分において、上記の可撓性管(4)を囲み、上記の連通口(34)が開口する、上記の可撓性管(4)の周りに周方向通路(65)を形成する可撓性気密シースからなり、これにより上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合した吸引された周囲の空気が上記の可撓性シース(63)の近位端(63B)から流出できる請求項8に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
上記の吸引手段(38)は、上記の可撓性管(4)の近位端(2)近くに直接取り付けられている請求項9に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
上記の換気用呼吸可能気体噴流を上記の主通路(5、44)の軸(17、50)に向けて偏向させる手段(15、45)が上記の補助通路(8、51)の上記の遠位開口部(18、51A)に対向して設けられていて、上記の連通手段(34、35)が上記の偏向手段(15、45)と上記の主通路(5、44)の遠位端(7、47)との間に配置されている請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項1】
管状で、主通路(5、44)を形成し、この主通路(5、44)は、患者の呼吸器系を外側に連結するように、その遠位部(3、49)を介して患者の気道に連結するようになされており、
− 上記の主通路(5、44)の遠位端(7、47)の前に配置されている少なくとも1つの遠位開口部(18、51A)を介して上記の呼吸可能気体噴流を吹き出すことができるように呼吸可能気体の気体源(25)に連結されている少なくとも1つの補助通路(8、51)と、
− 上記の補助通路(8、51)の上記遠位開口部(18、51A)と上記主通路(5、44)の上記遠位端(7、47)との間に配置された流体連通手段とからなる呼吸補助装置(1、1.1)において、この装置(1、1.1)が
・ 補助通路(8、51)用の呼吸可能気体の容積部分を、補助通路(8、51)に入る前に偏向させるための偏向手段(36)と、
・ 周囲の空気を吸引し、上記の偏向された呼吸可能気体部分により駆動される吸引手段(38)とを備え、
− 上記の吸引手段(38)が上記の連通手段(34)に、この連通手段(34)が上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合され、吸引された周囲の空気を上記主通路(5、44)に搬送できるように連結されていることを特徴とする呼吸補助装置。
【請求項2】
上記の偏向手段(36)により偏向された呼吸可能気体の容積部分の調整手段(39)を備える請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
上記の調整手段(39)が上記の偏向手段(36)と上記の吸引手段(38)との間に配置されている請求項2に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
上記の調整手段(39)が少なくとも1つのバルブからなる請求項2に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
上記の吸引手段(38)より発生し、上記の主通路(5、44)に入るようになされた希釈呼吸可能気体の流量率を調節する手段(40)を更に備える請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
上記の流量率調節手段(40)が上記の吸引手段(38)と上記の流体連通手段(34)との間に配置されている請求項5に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
上記の流量率調節手段(40)が少なくとも1つのバルブからなる請求項5に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
上記の流体連通手段が、上記の装置(1、11)の壁に形成されている少なくとも1つの連通口(34)からなる請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
上記の主通路(5)が可撓性管(4)により形成されており、上記の流体連通手段は、少なくともその長さの一部分において、上記の可撓性管(4)を囲み、上記の連通口(34)が開口する、上記の可撓性管(4)の周りに周方向通路(65)を形成する可撓性気密シースからなり、これにより上記の呼吸可能気体の偏向部分と混合した吸引された周囲の空気が上記の可撓性シース(63)の近位端(63B)から流出できる請求項8に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
上記の吸引手段(38)は、上記の可撓性管(4)の近位端(2)近くに直接取り付けられている請求項9に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
上記の換気用呼吸可能気体噴流を上記の主通路(5、44)の軸(17、50)に向けて偏向させる手段(15、45)が上記の補助通路(8、51)の上記の遠位開口部(18、51A)に対向して設けられていて、上記の連通手段(34、35)が上記の偏向手段(15、45)と上記の主通路(5、44)の遠位端(7、47)との間に配置されている請求項1に記載の呼吸補助装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−207581(P2010−207581A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50060(P2010−50060)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(503159254)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(503159254)
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