説明

哺乳瓶の洗浄方法及び装置

【課題】 排水の再利用により、ランニングコストの削減、資源の節約及び電力消費の低減(省エネルギ性の向上)を図るとともに、洗浄装置の低廉化,装置全体の小型化及び軽量化を図る。
【解決手段】 洗浄液Wにより哺乳瓶Gm…を洗浄するに際し、乳Mを収容した容器11を加熱水Whにより加熱する殺菌機能Fs及び/又は殺菌後の乳Mを収容した容器11を冷却水Wcにより冷却する冷却機能Fcを有する乳殺菌装置10における加熱水Wh及び/又は冷却水Wcを外部に排出する排出口部12から排出される排水Weを洗浄液Wとして利用し、所定位置にセットした洗浄対象となる哺乳瓶Gm…に対して、洗浄液Wを噴射することにより哺乳瓶Gm…を洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液により哺乳瓶、特に子牛用の哺乳瓶を洗浄する際に用いて好適な哺乳瓶の洗浄方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄液により哺乳瓶を自動で洗浄できるようにした哺乳瓶の洗浄装置としては、特許文献1で開示される超音波洗浄装置及び特許文献2で開示される哺乳瓶洗浄消毒装置が知られている。
【0003】
前者の超音波洗浄装置は、哺乳瓶等の被洗浄物に対する洗浄性を向上させることを目的としたものであって、哺乳瓶等の被洗浄物を超音波エネルギを用いて洗浄中又は洗浄後にこれを揺動或いは回転させる駆動機構を設けたものである。また、後者の哺乳瓶洗浄消毒装置は、簡単な構造により哺乳瓶の迅速な洗浄と確実な消毒を実現することを目的としたものであって、複数の哺乳瓶を保持する保持器と、保持器を内部へ導入できるハウジングと、ハウジングに保持器と共に導入された複数の哺乳瓶を洗浄する洗浄手段と、ハウジングの内部に収納された消毒槽と、保持器と共に複数の哺乳瓶を消毒槽に出没させる昇降手段とを備えて構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−309547号公報
【特許文献2】特開2005−304562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来における哺乳瓶の洗浄装置(超音波洗浄装置,哺乳瓶洗浄消毒装置)は、次のような問題点があった。
【0006】
第一に、装置全体が独立した単体の洗浄装置(専用装置)として構成されるため、使用時には別途の洗浄水が必要になるとともに、洗浄水には、通常、水道水が使用されるため、水道水に対する加熱機能を付加する場合には、加熱するための電気エネルギが必要になるなど、資源の節約及び電力消費低減の観点からは必ずしも十分であるとはいえない。結局、ランニングコストの上昇を招くことから経済性に難があるとともに、省エネルギ性の観点からも望ましいものではない。
【0007】
第二に、洗浄水(水道水)に対する加熱機能を付加する場合、ヒータ等の加熱手段を組込む必要があるため、部品点数の増加及び構造の煩雑化、更には重量アップを招くとともに、イニシャルコストの上昇に伴い、洗浄装置が高価になる。しかも、加熱手段を組込むための配設スペースを確保する必要があるため、装置全体の大型化を招く。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した哺乳瓶の洗浄方法及び装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る哺乳瓶の洗浄方法は、上述した課題を解決するため、洗浄液Wにより哺乳瓶Gm…を洗浄するに際し、乳Mを収容した容器11を加熱水Whにより加熱する殺菌機能Fs及び/又は殺菌後の乳Mを収容した容器11を冷却水Wcにより冷却する冷却機能Fcを有する乳殺菌装置10における加熱水Wh及び/又は冷却水Wcを外部に排出する排出口部12から排出される排水Weを洗浄液Wとして利用し、所定位置にセットした洗浄対象となる哺乳瓶Gm…(哺乳瓶Gm…の構成部品(Gmb…,Gmc…,Gmr…)を含む。以下、同じ)に対して、洗浄液Wを噴射することにより哺乳瓶Gm…を洗浄するようにしたことを特徴とする。
【0010】
一方、本発明に係る哺乳瓶の洗浄装置1は、上述した課題を解決するため、洗浄液Wにより哺乳瓶Gm…を洗浄する洗浄装置を構成するに際して、乳Mを収容した容器11を加熱水Whにより加熱する殺菌機能Fs及び/又は殺菌後の乳Mを収容した容器11を冷却水Wcにより冷却する冷却機能Fcを有する乳殺菌装置10における加熱水Wh及び/又は冷却水Wcを外部に排出する排出口部12に対して接続可能な接続口部3を有し、かつ排出口部12から排出される排水Weを、接続口部3を通して取込可能な排水取込手段Riと、洗浄対象となる哺乳瓶Gm…を所定位置にセットするセッティング手段Rsと、取込んだ排水Weを洗浄液Wとして利用し、セットされた哺乳瓶Gm…に対して、洗浄液Wを噴射することにより哺乳瓶Gm…を洗浄する哺乳瓶洗浄手段Rwとを具備してなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は好適な実施の態様により、排水取込手段Riには、排水Weに一又は二以上の洗浄剤を添加する洗浄剤供給部4を設けることができる。さらに、排水取込手段Riには、接続口部3を通して取込んだ洗浄液Wを一時的に貯留可能な貯留槽部2を設けることができる。他方、哺乳瓶洗浄手段Rwは、排水取込手段Riにより取込んだ洗浄液Wを圧送する圧送ポンプ5と、この圧送ポンプ5により圧送された洗浄液Wを哺乳瓶Gm…に噴射する一又は二以上の洗浄ノズル6…とを備えて構成できる。なお、この哺乳瓶洗浄手段Rwには、圧送ポンプ5から圧送された洗浄液Wを洗浄ノズル6…側又は排出側に選択的に送出可能な切換バルブ7を設けることができる。また、排出口部12から排出される排水Weのタイミングに対応させて、少なくとも洗浄液Wの利用状態を自動で切換える制御部8を設けることができる。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明に係る哺乳瓶の洗浄方法及び洗浄装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0013】
(1) 乳殺菌装置10の加熱水Wh及び/又は冷却水Wcを外部に排出する排出口部12から排出される排水Weを洗浄液Wとして利用し、所定位置にセットした洗浄対象となる哺乳瓶Gm…に対して、洗浄液Wを噴射することにより哺乳瓶Gm…を洗浄するようにしたため、乳殺菌装置10に使用した排水Weを再利用することができる。したがって、別途の洗浄水が不要となるとともに、加熱された排水We(加熱水Wh)も使用可能になるため、加熱する場合の消費電力も不要となる。これにより、ランニングコストが削減され、経済性を高めることができるとともに、資源の節約及び電力消費の低減(省エネルギ性の向上)を図ることができる。
【0014】
(2) 加熱された排水We(加熱水Wh)を使用可能になることから、特に、初期のすすぎ処理等に温水を使用したい場合におけるヒータ等の加熱手段の組込みが不要となる。したがって、部品点数の削減及び構造の簡略化を図れるとともに、イニシャルコストの低減に伴い、洗浄装置の低廉化を図れる。しかも、加熱手段を組込むための追加的な配設スペースが不要となり、装置全体の小型化及び軽量化にも寄与できる。
【0015】
(3) 好適な態様により、排水取込手段Riに、排水Weに一又は二以上の洗浄剤を添加する洗浄剤供給部4を設ければ、洗浄に最良となる本格的な洗浄液Wを生成できるため、洗浄能力や殺菌能力等における最適な洗浄液Wを確保でき、良好な洗浄を行うことができる。
【0016】
(4) 好適な態様により、排水取込手段Riに、接続口部3を通して取込んだ洗浄液Wを一時的に貯留可能な貯留槽部2を設ければ、貯留槽部2に一旦貯留した洗浄液Wを哺乳瓶Gm…に噴射できるため、より安定した洗浄を確実に行うことができる。
【0017】
(5) 好適な態様により、哺乳瓶洗浄手段Rwを、排水取込手段Riにより取込んだ洗浄液Wを圧送する圧送ポンプ5と、この圧送ポンプ5により圧送された洗浄液Wを哺乳瓶Gm…に噴射する一又は二以上の洗浄ノズル6…とを備えて構成すれば、各洗浄ノズル6…により、洗浄液Wを勢いよく噴射できるため、哺乳瓶Gm…に対する十分な洗浄能力を確保し、隅々まで確実に洗浄することができる。
【0018】
(6) 好適な態様により、哺乳瓶洗浄手段Rwに、圧送ポンプ5から圧送された洗浄液Wを洗浄ノズル6…側又は排出側に選択的に送出可能な切換バルブ7を設ければ、洗浄水Wの利用・非利用を容易に切換えることができる。
【0019】
(7) 好適な態様により、哺乳瓶洗浄手段Rwに、排出口部12から排出される排水Weのタイミングに対応させて、少なくとも洗浄液Wの利用状態を自動で切換える制御部8を設ければ、乳殺菌装置10による乳Mの殺菌処理と洗浄装置1による哺乳瓶Gm…の洗浄処理を同時にタイミング良く進行させることができる。したがって、殺菌後の乳Mを、洗浄後の哺乳瓶Gm…に直ぐに収容することができる。この結果、子牛等に対する授乳を速やかに行うことができ、乳Mへの悪影響を排することができるとともに、作業能率の向上にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の好適実施形態に係る洗浄装置の構成図、
【図2】同洗浄装置により洗浄する哺乳瓶(哺乳瓶の構成部品)を示す一部断面正面図、
【図3】同洗浄装置の主要部の構造図、
【図4】本発明の好適実施形態に係る洗浄方法の処理手順を説明するためのフローチャート、
【図5】同洗浄方法の処理手順を説明するためのタイミングチャート、
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
最初に、本実施形態に係る洗浄装置1の洗浄対象となる哺乳瓶Gm及び本実施形態に係る洗浄装置1の使用時に接続する乳殺菌装置10の概要について、図1及び図3を参照して説明する。
【0023】
図3に、哺乳瓶Gmを示す。例示する哺乳瓶Gmは、構成部品として、哺乳瓶本体部Gmb,固定キャップ部Gmc及びゴム製乳首部Gmrを備える。したがって、哺乳瓶本体部Gmbに対して固定キャップ部Gmc及びゴム製乳首部Gmrを組付けることにより哺乳瓶Gmが構成される。なお、哺乳瓶の形態によって、分解することなく洗浄できる場合には、哺乳瓶Gmの全体を洗浄してもよい。本実施形態(本発明)において、哺乳瓶Gmとは、哺乳瓶Gmの全体を示すのみならず、哺乳瓶Gmの構成部品、即ち、哺乳瓶本体部Gmb,固定キャップ部Gmc及びゴム製乳首部Gmrを含む概念である。
【0024】
他方、図1には、乳殺菌装置10を示す。この乳殺菌装置10は、子牛に親牛の初乳(乳M)を与える際に、初乳を、予め60〔℃〕程度に加熱して殺菌を行うとともに、殺菌後に、初乳の温度を30〔℃〕程度まで冷却する機能を備えている。したがって、乳殺菌装置10により殺菌処理された初乳は、上述した哺乳瓶Gmに収容し、この哺乳瓶Gmにより子牛に対する授乳を行うことができる。
【0025】
例示の乳殺菌装置10は、直方体状のキャビネット51を備え、このキャビネット51の内部に貯水槽部52を備える。貯水槽部52は、側面部に供給口53を有するとともに、側面部の下端部には流出口54を有し、さらに、側面部の上部にはオーバフロー口55を有する。また、底面部52dの上面(内面)上には多数の孔h…を有するパンチングパネル等により形成した所定高さの置台部56を備えるとともに、この置台部56の下方(内方)にはヒータ部57を備える。なお、貯水槽部52は、保温性を確保するため、全体が密閉状に覆われており、天面部52uには、乳Mを収容する容器11を挿入可能な開口部52uoを有する。
【0026】
一方、キャビネット51の内部には開閉バルブ59及び60を内蔵するとともに、キャビネット51の側面には、加熱水Wh及び冷却水Wcを外部に排出する排出口部12を有する。したがって、上述した貯水槽部52の流出口54は開閉バルブ59を介して排出口部12の内部側に接続するとともに、オーバフロー口55は排出口部12の内部側に直接接続する。また、貯水槽部52の供給口53は開閉バルブ60を介して不図示の給水源に接続する。
【0027】
これにより、貯水槽部52には、供給口53から水道水Wwを供給可能になり、オーバフローした水道水Wwはオーバフロー口55から外部に排出可能となる。また、貯水槽部52の内部に収容(貯留)された水道水Wwは、ヒータ部57により加熱可能であり、少なくとも60〔℃〕以上に加熱することができる。したがって、ヒータ部57は、乳Mを収容した容器11を加熱水Wh(水道水Ww)により加熱して殺菌する殺菌機能Fsを構成する。なお、貯水槽部52の内部の加熱水Whは、流出口54から外部に流出可能となるため、貯水槽部52から加熱水Whを排出した後、供給口53から新たな水道水Wwを供給すれば、この新たな水道水Wwは冷却水Wcとして使用可能となる。したがって、この冷却水Wcは、殺菌後の乳Mを収容した容器11を冷却する冷却機能Fcとして作用する。
【0028】
他方、容器11は、伝熱性の良好な容器本体及びこの容器本体の上端開口を開閉する蓋体を備えており、この容器11には乳Mを収容できる。また、蓋体には容器11に収容した乳Mを撹拌する撹拌器61を一体に備える。これにより、容器11は、前述した天面部52uの開口部52uoから貯水槽部52の内部に挿入し、置台部56の上面に載置できる。したがって、貯水槽部52の内部に加熱水Wh又は冷却水Wcが貯留されていれば、容器11は加熱水Wh又は冷却水Wcに浸り、容器11の内部に収容された乳Mは、加熱水Whにより間接的に加熱され、殺菌処理が行われるとともに、殺菌処理後は、冷却水Wcにより間接的に冷却される。
【0029】
次に、本実施形態に係る洗浄装置1の構成について、図1及び図2を参照して具体的に説明する。
【0030】
洗浄装置1は、図1に示すように、主要部を構成する洗浄ユニット21を備える。この洗浄ユニット21は、外装となるケーシング22を備え、このケーシング22の内部には、洗浄対象となる一又は二以上の哺乳瓶Gm…の構成部品(Gmb…,Gmc…,Gmr…)、即ち、哺乳瓶本体部Gmb…,固定キャップ部Gmc…及びゴム製乳首部Gmr…を所定の位置にセットするためのセッティング手段Rsを備える。セッティング手段Rsは、ケーシング22の内部における所定の高さに固定した水平の支持プレート23を備え、図2に示すように、支持プレート23の所定位置には、哺乳瓶本体部Gmb…を支持する一又は二以上の瓶本体支持部23b…を設けるとともに、ゴム製乳首部Gmr…を支持する一又は二以上の乳首支持部23r…を設ける。
【0031】
この場合、瓶本体支持部23bは、支持プレート23の上面から上方に起立し、哺乳瓶本体部Gmbの瓶口が挿入可能な円筒状に形成する。乳首支持部23rは、支持プレート23の上面から上方に起立し、ゴム製乳首部Gmrの先端口を貫通する棒状に形成するとともに、ゴム製乳首部Gmrの内壁面に当接して当該ゴム製乳首部Gmrの横方向変位を規制する規制リング23rsを有する。なお、瓶本体支持部23b…の内方及び乳首支持部23r…の下方に位置する支持プレート23には、洗浄ノズル6…又はこの洗浄ノズル6…から噴射された洗浄液Wが通る開口を設ける。固定キャップ部Gmc…は、網製の袋又はボックスに入れ、ケーシング22の内部空間に配することができる。このようなセッティング手段Rsを設ければ、哺乳瓶Gmの構成部品(Gmb…)に対する洗浄時の位置や角度を設定できるため、各構成部品(Gmb…)に対する洗浄をより安定かつ良好に行うことができる。
【0032】
また、ケーシング22の内部であって、支持プレート23の下方及び上方には、セッティング手段Rsにセットされた哺乳瓶本体部Gmb…,ゴム製乳首部Gmr…及び固定キャップ部Gmc…に対して洗浄液Wを噴射して洗浄する一又は二以上の洗浄ノズル6…を配する。この場合、支持プレート23の下方には、哺乳瓶本体部Gmb…及びゴム製乳首部Gmr…の内側を洗浄する下ノズルユニット24を配設するとともに、支持プレート23の上方、即ち、哺乳瓶本体部Gmb…及びゴム製乳首部Gmr…の上方には、当該哺乳瓶本体部Gmb…及びゴム製乳首部Gmr…の外側を洗浄する上ノズルユニット25を配設する。下ノズルユニット24は、水平に配した基管部24sに、各洗浄ノズル6…を上方に向けて設けるとともに、上ノズルユニット25は、水平に配した基管部25sに、各洗浄ノズル6…を下方に向けて設ける。この際、下ノズルユニット24の各洗浄ノズル6…は、各哺乳瓶本体部Gmb…及び各ゴム製乳首部Gmr…に対応した位置に配するとともに、上ノズルユニット25の各洗浄ノズル6…は、ケーシング22の内部に均等に噴射できる位置に配する。そして、図1に示すように、各基管部24s及び25sの他端は閉塞するとともに、一端はそれぞれケーシング22の外部から内部に至る洗浄液流入管26の内端に連通させる。このような洗浄ノズル6…を設ければ、当該洗浄ノズル6…から洗浄液Wを噴射できるため、哺乳瓶Gmの各構成部品(Gmb…)に対する洗浄をより確実かつ良好に行うことができるとともに、特に、セッティング手段Rsと組合わせることにより最良のパフォーマンスを発揮させることができる。
【0033】
一方、下ノズルユニット24の下方に位置するケーシング22の下部は、洗浄液Wを一時的に貯留する貯留槽部2として形成する。したがって、ケーシング22の側面部の下部には、洗浄水Wの流入口27を設けるとともに、ケーシング22の底面部22dには流出口28を設ける。流入口27には、流入管30の一端を接続し、かつ他端には、前述した排出口部12の外部側に接続(着脱)可能な接続口部3を設ける。また、流入管30の中途には、三方切換バルブ(電磁バルブ)31の入力ポートと一方の出力ポートを接続するとともに、他方の出力ポートには排出管32を接続する。この三方切換バルブ31により、接続口部3から流入する排水We(洗浄水W)を、貯留槽部2側又は排出管32側へ選択的に送出できる。さらに、三方切換バルブ31と流入口27間における流入管30には、洗浄剤供給管33の下端を接続して洗浄剤を合流可能に構成し、この洗浄剤供給管33の上端は洗浄剤供給部4に接続する。これにより、三方切換バルブ31から送出される排水Weに対し、洗浄剤供給部4に備える一又は二以上の洗浄剤から選択した任意の洗浄剤を添加して所定の洗浄液Wを生成できる。なお、42はケーシング22の側面部の内面に配した液面検出器、43はケーシング22の内部温度を検出する温度センサである。
【0034】
これにより、乳殺菌装置10の排出口部12に対して接続する接続口部3を有し、かつ当該排出口部12から排出される排水Weを接続口部3を通して取込可能な排水取込手段Riが構成される。この場合、排水取込手段Riには、接続口部3を通して取込んだ排水We(洗浄液W)を一時的に貯留可能な貯留槽部2を備えるため、この貯留槽部2に一旦貯留した洗浄液Wを哺乳瓶Gmの構成部品(Gmb…,Gmr…,Gmc…)に噴射可能となり、より安定した洗浄を確実に行うことができる。また、洗浄剤供給部4を設ければ、洗浄に最良となる本格的な洗浄液Wを生成できるため、洗浄能力や殺菌能力等における最適な洗浄液Wを確保でき、良好な洗浄を行うことができる。
【0035】
他方、ケーシング22の流出口28は、流出管34を介して三方切換バルブ(電磁バルブ)7の入力ポートに接続するとともに、ケーシング22から導出した前述の洗浄液流入管26は三方切換バルブ7の一方の出力ポートに接続する。また、三方切換バルブ7の他方の出力ポートは排出管35に接続し、この排出管35の下流端は前述した排出管32に合流させる。さらに、流出管34の中途には圧送ポンプ5を接続する。この三方切換バルブ7により、圧送ポンプ5から吐出する洗浄水Wを、洗浄液流入管26側(洗浄ノズル6…側)又は排出管35側へ選択的に送出できる。これにより、貯留槽部2に貯留された洗浄液Wを圧送する圧送ポンプ5と、この圧送ポンプ5により圧送された洗浄液Wを哺乳瓶Gmの構成部品(Gmb…)に噴射する一又は二以上の洗浄ノズル6…とを備える哺乳瓶洗浄手段Rwが構成される。このような哺乳瓶洗浄手段Rwを設ければ、各洗浄ノズル6…により洗浄液Wを勢いよく噴射できるため、哺乳瓶Gm…の各構成部品(Gmb…)に対する十分な洗浄能力を確保できるとともに、隅々まで確実に洗浄することができる。また、圧送ポンプ5から圧送された洗浄液Wを洗浄ノズル6…側又は排出管35側に選択的に送出可能な三方切換バルブ7を設ければ、洗浄水Wの利用・非利用を容易に切換えることができる。
【0036】
一方、哺乳瓶洗浄手段Rwには、排出口部12から排出される排水Weのタイミングに対応させて、少なくとも洗浄液Wの利用状態を自動で切換える制御部8を備える。制御部8は、洗浄装置1の全体の制御を司るコントローラ41を備える。コントローラ41は、CPU,ROM,RAM等のハードウェアを有するとともに、各種プログラム、特に、本実施形態に係る洗浄方法を実行する処理プログラム(シーケンスプログラム)を含む各種ソフトウェアを有するコンピュータ機能を備える。なお、コントローラ41には、図示を省略した操作部及び表示部が付属する。したがって、コントローラ41のセンサ入力ポートには、少なくとも前述した液面検出器42及び温度センサ43を接続する。また、コントローラ41の制御出力ポートには、三方切換バルブ7,31を接続するとともに、圧送ポンプ5及び洗浄剤供給部4を接続する。このような制御部8を設ければ、排出される排水Weのタイミングに対応させて洗浄液Wの利用状態を切換えることができるため、乳殺菌装置10による乳Mの殺菌と洗浄装置1による哺乳瓶Gmの洗浄を同時に進行させることができる。
【0037】
次に、本実施形態に係る洗浄方法を含む洗浄装置1の全体動作について、図1〜図5を参照して説明する。
【0038】
図4は、本実施形態に係る洗浄方法の処理手順を含む洗浄装置1の全体動作を説明するためのフローチャートである。洗浄装置1を使用する際には、まず、図1に示すように、洗浄装置1の接続口部3を乳殺菌装置10の排出口部12に接続する(ステップS1)。この場合、乳殺菌装置10の開閉バルブ59及び60は、共に閉側に切換わっており、洗浄装置1の三方切換バルブ31は貯留槽部2側に、三方切換バルブ7は洗浄ノズル6…側にそれぞれ切換わっている。
【0039】
また、乳殺菌装置10には、初乳(乳M)を収容した容器11をセットする(ステップS2)。即ち、容器11を、開口部52uoから貯水槽部52の内部に収容し、置台部56の上面に載置する。一方、洗浄装置1には、洗浄対象となる哺乳瓶Gm…の構成部品をセットする(ステップS3)。即ち、セッティング手段Rsに、哺乳瓶本体部Gmb…,ゴム製乳首部Gmr…及び固定キャップ部Gmc…をそれぞれセットする。
【0040】
乳殺菌装置10の作動により、開閉バルブ60は開側に切換えられ、水道水Wwが貯水槽部52に供給される(ステップS4)。そして、貯水槽部52内に規定量の水道水Wwが収容(貯留)されれば、開閉バルブ60は閉側に切換えられる。この後、撹拌器61が作動し、容器11内の乳Mが撹拌されるとともに、ヒータ部57が通電制御され、水道水Wwに対する昇温制御が行われる(ステップS5)。これにより、貯水槽部52内の水道水Wwの温度Twは徐々に上昇する。図5に、水道水Wwの温度Twの変化特性を示すとともに、乳Mの温度Tmの変化特性を示す。図5中、tmsが昇温開始時点を示す。なお、乳Mの温度Tm及び水道水Wwの温度Twは不図示の温度センサにより検出される。この後、乳Mの温度Tmが目標温度となる60〔℃〕(ta時点)まで上昇すれば、定温制御に移行する。
【0041】
定温制御では、乳Mの温度Tmが60〔℃〕を維持するようにフィードバック制御され、この定温制御は30〔分〕間行われる。これにより、貯水槽部52内の水道水Wwは加熱水Whとなり、乳Mに対する殺菌処理が行われる(ステップS6,S7)。そして、30〔分〕が経過し、図5中、tb時点に達すれば、ヒータ部57の通電が完全に解除され、開閉バルブ59は開側に切換えられる。この結果、60〔℃〕の加熱水Whは排出口部12から排出される。この場合、排出される加熱水Whは排水Weとなり、接続口部3,流入管30,三方切換バルブ31及び流入口27を流れて貯留槽部2に供給される。これにより、乳殺菌装置10の排水Weは、洗浄装置1における洗浄液Wとして再利用される(ステップS8)。この後、貯留槽部2内における洗浄液Wの液面が上昇し、液面検出器42により検出されれば、三方切換バルブ31は排出管32側に切換えられ、これ以降の排水Weは排出管32を通して廃棄される。
【0042】
一方、洗浄装置1では、液面検出器42による液面の検出により圧送ポンプ5が作動し、第一すすぎ工程が行われる(ステップS9)。図5中、twsが第一すすぎ工程の開始時点を示す。第一すすぎ工程では、貯留槽部2の洗浄液W(温水)が圧送ポンプ5により圧送される。そして、下ノズルユニット24に供給された洗浄液Wは、洗浄ノズル6…から上方に噴射され、哺乳瓶本体部Gmb…及びゴム製乳首部Gmr…の内側の洗浄(すすぎ処理)が行われるとともに、上ノズルユニット25に供給された洗浄液Wは、洗浄ノズル6…から下方に噴射され、哺乳瓶本体部Gmb…及びゴム製乳首部Gmr…の外側の洗浄(すすぎ処理)が行われる。さらに、下ノズルユニット24及び上ノズルユニット25により固定キャップ部Gmc…の洗浄(すすぎ処理)が行われる。また、洗浄に使用された洗浄液Wは貯留槽部2に戻される。第一すすぎ処理は、予め設定した時間(処理時間)だけ行なわれ、処理時間が経過すれば、三方切換バルブ7は排出管35側に切換えられる。これにより、貯留槽部2の洗浄液Wは、圧送ポンプ5の圧送により排出管35を通して廃棄される。そして、貯留槽部2が空になれば、圧送ポンプ5は停止し、三方切換バルブ7は洗浄ノズル6…側に切換えられる。
【0043】
他方、乳殺菌装置10では、加熱水Whが排出されることにより貯水槽部52が空になるため、空になったら開閉バルブ59は閉側に切換えられる。また、洗浄装置1の三方切換バルブ31は貯留槽部2側に切換えられる。貯水槽部52の空状態は、図示を省略したが、例えば、一対の電極等を用いた導電センサにより検出できる。次いで、開閉バルブ60が開側に切換えられ、貯水槽部52に水道水Wwが供給される(ステップS10)。そして、貯水槽部52内に規定量の水道水Wwが収容(貯留)されれば、開閉バルブ60は閉側に切換えられる。貯水槽部52に収容された水道水Wwは冷却水Wcとなり、予め設定した時間(冷却時間)だけ貯留される。この結果、乳Mを収容した容器11に対する冷却が行われ、図5に示すように、乳Mの温度Tmは50〔℃〕程度まで冷却されるとともに、冷却水Wcは、60〔℃〕の乳温との熱交換によりアルカリ洗浄に好適な中温水(35〜40〔℃〕程度)となる。そして、冷却時間が経過すれば、開閉バルブ59は開側に切換えられ、冷却水(中温水)Wcは排出口部12から排出される。洗浄装置1では、次のステップとして、アルカリ洗浄工程が行われるため、排出口部12から排出される排水Weに対し、洗浄剤供給部4から所定量のアルカリ洗浄剤が添加される。これにより、アルカリ洗浄液Wが生成され、このアルカリ洗浄液Wが貯留槽部2に供給される(ステップS11)。そして、アルカリ洗浄液Wの液面が上昇し、液面検出器42により検出されれば、三方切換バルブ31は排出管32側に切換えられ、これ以降の排水Weは排出管32を通して廃棄される。
【0044】
洗浄装置1では、洗浄液Wの液面が液面検出器42により検出されれば、圧送ポンプ5が作動し、アルカリ洗浄工程が行われる(ステップS12)。アルカリ洗浄工程では、貯留槽部2のアルカリ洗浄液Wが圧送ポンプ5により圧送され、各洗浄ノズル6…から噴射されることにより、前述した第一すすぎ工程と同様の処理が行われる。アルカリ洗浄工程は、予め設定した時間(処理時間)だけ行なわれ、処理時間が経過すれば、三方切換バルブ7が排出管35側に切換えられる。これにより、貯留槽部2に貯留された洗浄液Wは、圧送ポンプ5の圧送により排出管35を通して廃棄される。貯留槽部2が空になれば、圧送ポンプ5が停止し、三方切換バルブ7は洗浄ノズル6…側に切換えられる。
【0045】
また、冷却水Wcが排出されることにより貯水槽部52が空になれば、乳殺菌装置10では開閉バルブ59が閉側に切換えられるとともに、洗浄装置1では三方切換バルブ31が貯留槽部2側に切換えられる。そして、乳殺菌装置10では、開閉バルブ60の開側への切換えにより、水道水Wwが貯水槽部52に供給される(ステップS13)。貯水槽部52に収容される水道水Wwは冷却水Wcとして機能するため、この冷却水Wcにより、乳Mを収容した容器11が冷却される。この際、水道水Wwの供給は継続して行われるため、貯水槽部52内の冷却水Wcはオーバフローによりオーバフロー口55から排出される(ステップS14)。オーバフロー口55から排出された冷却水Wcは、排出口部12から排水Weとして排出されるとともに、洗浄装置1では、この排水Weを利用して、次のステップとなる、第二すすぎ工程,酸リンス工程,殺菌工程,第三すすぎ工程が順次行われる(ステップS15)。
【0046】
この場合、オーバフロー口55から排出される排水Weは、流入口27から貯留槽部2に供給され、洗浄液Wとして貯留される。そして、洗浄液Wの液面が液面検出器42により検出されれば、三方切換バルブ31が排出管32側に切換えられ、これ以降の排水Weは排出管32を通して廃棄される。液面検出器42により洗浄液Wの液面が検出されれば、圧送ポンプ5が作動し、第二すすぎ工程が行われる。この第二すすぎ工程は、前述した第一すすぎ工程と同様に行われ、予め設定した処理時間が経過すれば、三方切換バルブ7は排出管35側に切換えられる。これにより、貯留槽部2の洗浄液Wは、圧送ポンプ5の圧送により排出管35を通して廃棄される。貯留槽部2が空になれば、圧送ポンプ5が停止し、三方切換バルブ7は洗浄ノズル6…側に切換えられる。
【0047】
以上が第二すすぎ工程の処理となるが、残りの他の工程、即ち、酸リンス工程,殺菌工程及び第三すすぎ工程も、オーバフロー口55から排出される排水Weを利用して同様の処理が順次行われる。この際、酸リンス工程では、排出口部12から排出される排水Weに対し、洗浄剤供給部4から所定量の酸リンス剤が添加されるとともに、殺菌工程では、排出口部12から排出される排水Weに対し、洗浄剤供給部4から所定量の殺菌剤が添加される。そして、第三すすぎ工程まで終了すれば、哺乳瓶Gmの構成部品(Gmb…,Gmc…,Gmr…)に対する洗浄が終了し、三方切換バルブ31は排出管32側に切換えられる(ステップS16)。図5中、twe時点が洗浄の終了時点を示している。なお、通常、洗浄装置1の洗浄処理が乳殺菌装置10の殺菌処理よりも早く終了する。
【0048】
他方、乳殺菌装置10では、水道水Ww(冷却水Wc)が継続して貯水槽部52に供給され、冷却処理が行われているため、冷却水Wcの温度Twが検出(監視)され、目標温度Td(例えば、30〔℃〕)まで低下すれば、冷却処理が終了する(ステップS17,S18)。図5中、tme時点が、冷却処理の終了時点、即ち、初乳(乳M)に対する一連の殺菌処理の終了時点を示している。
【0049】
ところで、この場合、哺乳瓶Gm…の洗浄は直前に終了しているため、この哺乳瓶Gm…を使用して授乳を行うことができる。即ち、洗浄した哺乳瓶本体部Gmb…に、殺菌した初乳(乳M)を収容し、更にゴム製乳首部Gmr…及び固定キャップ部Gmc…を組付ければ、子牛に対して、洗浄及び殺菌した哺乳瓶Gm…により、殺菌した初乳を与えることができる(ステップS19,S20)。したがって、子牛に対する授乳を速やかに行うことができ、乳Mへの悪影響を排することができるとともに、作業能率の向上にも寄与できる利点がある。
【0050】
よって、このような本実施形態に係る洗浄装置1及び洗浄方法によれば、乳殺菌装置10の加熱水Wh及び/又は冷却水Wcを外部に排出する排出口部12から排出される排水Weを洗浄液Wとして利用し、所定位置にセットした洗浄対象となる哺乳瓶Gm…に対して、洗浄液Wを噴射することにより哺乳瓶Gm…を洗浄するようにしたため、乳殺菌装置10に使用した排水Weを再利用することができる。したがって、別途の洗浄水が不要となるとともに、加熱された排水We(加熱水Wh)も使用可能になるため、加熱する場合の消費電力も不要となる。これにより、ランニングコストが削減され、経済性を高めることができるとともに、資源の節約及び電力消費の低減(省エネルギ性の向上)を図ることができる。また、加熱された排水We(加熱水Wh)を使用可能になることから、特に、初期のすすぎ処理等に温水を使用したい場合におけるヒータ等の加熱手段の組込みが不要となる。したがって、部品点数の削減及び構造の簡略化を図れるとともに、イニシャルコストの低減に伴い、洗浄装置の低廉化を図れる。しかも、加熱手段を組込むための追加的な配設スペースが不要となり、装置全体の小型化及び軽量化にも寄与できる。
【0051】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、排水取込手段Riには、排水Weに一又は二以上の洗浄剤を添加する洗浄剤供給部4を設けた場合を示したが、すすぎのみによる洗浄や排水Weに洗浄液を用いている場合など、洗浄剤供給部4を設けない場合を排除するものではない。また、貯留槽部2を設けることなく、流入口27から流入した洗浄液Wを直接圧送ポンプ5により洗浄ノズル6…に圧送する場合を排除するものではない。一方、乳殺菌装置10側の制御部は図示を省略したが、洗浄装置1側の制御部8と接続し、必要な連携動作を行わせることができる。なお、例示は、自動制御形式の動作を示したが、手動により操作する場合を排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る哺乳瓶の洗浄方法及び洗浄装置は、特に子牛用の哺乳瓶を洗浄する際に好適であるが、その他、各種動物用の哺乳瓶或いは人間用の哺乳瓶などの洗浄にも同様に利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1:洗浄装置,2:貯留槽部,3:接続口部,4:洗浄剤供給部,5:圧送ポンプ,6…:洗浄ノズル,7:切換バルブ,8:制御部,10:乳殺菌装置,11:容器,12:排出口部,W:洗浄液,Wh:加熱水,Wc:冷却水,We:排水,Gm…:哺乳瓶,Gmb…:哺乳瓶の構成部品,Gmr…:哺乳瓶の構成部品,Gmc…:哺乳瓶の構成部品,M:乳,Fs:殺菌機能,Fc:冷却機能,Ri:排水取込手段,Rs:セッティング手段,Rw:哺乳瓶洗浄手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液により哺乳瓶を洗浄する哺乳瓶の洗浄方法であって、乳を収容した容器を加熱水により加熱する殺菌機能及び/又は殺菌後の乳を収容した前記容器を冷却水により冷却する冷却機能を有する乳殺菌装置における前記加熱水及び/又は前記冷却水を外部に排出する排出口部から排出される排水を洗浄液として利用し、所定位置にセットした洗浄対象となる哺乳瓶(哺乳瓶の構成部品を含む。以下、同じ。)に対して、前記洗浄液を噴射することにより前記哺乳瓶を洗浄することを特徴とする哺乳瓶の洗浄方法。
【請求項2】
前記洗浄液は貯留槽部に一時的に貯留し、前記貯留槽部に貯留した洗浄液を前記哺乳瓶に噴射することを特徴とする請求項1記載の哺乳瓶の洗浄方法。
【請求項3】
洗浄液により哺乳瓶を洗浄する哺乳瓶の洗浄装置であって、乳を収容した容器を加熱水により加熱する殺菌機能及び/又は殺菌後の乳を収容した前記容器を冷却水により冷却する冷却機能を有する乳殺菌装置における前記加熱水及び/又は前記冷却水を外部に排出する排出口部に対して接続する接続口部を有し、かつ前記排出口部から排出される排水を前記接続口部を通して取込可能な排水取込手段と、洗浄対象となる哺乳瓶を所定位置にセットするセッティング手段と、取込んだ前記排水を洗浄液として利用し、セットされた哺乳瓶に対して、前記洗浄液を噴射することにより前記哺乳瓶を洗浄する哺乳瓶洗浄手段とを具備してなることを特徴とする哺乳瓶の洗浄装置。
【請求項4】
前記排水取込手段は、前記排水に一又は二以上の洗浄剤を添加する洗浄剤供給部を備えることを特徴とする請求項3記載の哺乳瓶の洗浄装置。
【請求項5】
前記排水取込手段は、前記接続口部を通して取込んだ前記洗浄液を一時的に貯留可能な貯留槽部を備えることを特徴とする請求項3又は4記載の哺乳瓶の洗浄装置。
【請求項6】
前記哺乳瓶洗浄手段は、前記排水取込手段により取込んだ前記洗浄液を圧送する圧送ポンプと、この圧送ポンプにより圧送された前記洗浄液を前記哺乳瓶に噴射する一又は二以上の洗浄ノズルとを具備してなることを特徴とする請求項3,4又は5記載の哺乳瓶の洗浄装置。
【請求項7】
前記哺乳瓶洗浄手段は、前記圧送ポンプから圧送された前記洗浄液を前記洗浄ノズル側又は排出側に選択的に送出可能な切換バルブを備えることを特徴とする請求項6記載の哺乳瓶の洗浄装置。
【請求項8】
前記哺乳瓶洗浄手段は、前記排出口部から排出される排水のタイミングに対応させて、少なくとも前記洗浄液の利用状態を自動で切換える制御部を備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の哺乳瓶の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−200376(P2012−200376A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67030(P2011−67030)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】