説明

商品データ処理装置、商品データ処理方法及び制御プログラム

【課題】商品の選定をより効率的に行う。
【解決手段】実施の形態の商品データ処理装置において、商品特定情報は、オブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルのいずれであるかにより予め優先度が設定されている。そして、情報抽出手段は、撮像部により撮像された画像の画像データから画像に含まれる商品を特定するための一般物体認識としてのオブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルとして構成された商品特定情報を抽出する。これにより、情報提示手段は、抽出した前記商品特定情報により商品が特定された場合に、より優先度の高い商品特定情報に対応する商品情報を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品データ処理装置、商品データ処理方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を撮像した画像データから当該対象物の特徴量を抽出し、予め用意された照合用のデータ(特徴量)と比較することで、当該物品の種別等を認識(検出)する一般物体認識に係る技術が存在している。また、この一般物体認識に係る技術を、商品、飲食物等の種別判別に用いたシステムが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の一般物体認識に係る技術では、対象物の候補となる商品が複数個認識される場合がある。このような場合、候補となった商品を操作者に選択させることとなるが、不用意に一覧表示させると商品の選定をかえって妨げる可能性がある。そのため、商品の選定をより効率的に行うための技術が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施の形態の商品データ処理装置において、商品特定情報は、オブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルのいずれであるかにより予め優先度が設定されている。
そして、情報抽出手段は、撮像部により撮像された画像の画像データから画像に含まれる商品を特定するための一般物体認識としてのオブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルとして構成された商品特定情報を抽出する。
これにより、情報提示手段は、抽出した前記商品特定情報により商品が特定された場合に、より優先度の高い商品特定情報に対応する商品情報を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、チェックアウトシステムの一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、POS端末11及び商品読取装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、PLUファイルのデータフォーマットの一例を示す図である。
【図4】図4は、商品読取装置のCPUの機能構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、第1実施形態にかかるチェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、初期画面の一例の説明図である。
【図7】図7は、オブジェクト認識処理中の表示画面の一例の説明図である。
【図8】図8は、オブジェクト認識結果処理の表示例の説明図である。
【図9】図9は、コードシンボル検出時の表示画面の一例の説明図である。
【図10】図10は、第2実施形態にかかるチェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、オブジェクト認識処理中の表示画面の一例の説明図である。
【図12】図12は、商品オブジェクト及び商品付加オブジェクトが検出された場合の表示画面の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下では、チェックアウトシステムを例に本実施形態に係る、商品データ処理装置、商品データ処理方法及び制御プログラムについて、図面を参照して説明する。
商品データ処理装置は、一取引に係る商品の登録、精算を行うPOS端末を備えるチェックアウトシステム(POSシステム)等に適用可能である。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0007】
[1]第1実施形態
図1は、チェックアウトシステムの一例を示す斜視図である。
チェックアウトシステム1は、図1に示すように、一取引に係る商品の登録、精算を行うPOS端末11を備える。
【0008】
POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。POS端末11の上面には、オペレータ(店員)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0009】
POS端末11が載置されているチェックアウト台51とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151が配置されている。カウンタ台151の上面には、荷受け面152が形成されている。荷受け面152には、商品Gを収納する買物カゴ153が載置される。買物カゴ153は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aから商品読取装置101を挟んだ位置に載置される第2の買物カゴ153bとに分けて考えることができる。なお、買物カゴ153は、いわゆるカゴ形状のものに限るものではなく、トレー等であってもよい。また、買物カゴ153(第2の買物カゴ153b)は、いわゆるカゴ形状のものに限らず、箱状や袋状等であってもよい。
【0010】
カウンタ台151の荷受け面152には、POS端末11とデータ送受信可能に接続された商品読取装置101が設置されている。商品読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。ハウジング102の正面には読取窓103が配置されている。ハウジング102の上部には、表示・操作部104が取り付けられている。表示・操作部104には、タッチパネル105が表面に積層された表示デバイス106が設けられている。表示デバイス106の右隣にはキーボード107が配設されている。キーボード107の右隣には、図示しないカードリーダのカード読取溝108が設けられている。オペレータから見て表示・操作部104の裏面左奥側には、顧客に情報を提供するための顧客用表示デバイス109が設置されている。
【0011】
このような商品読取装置101は、商品読取部110(図2参照)を備えている。商品読取部110は、読取窓103の奥側に撮像部164(図2参照)を配置している。
【0012】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aには、一取引に係る商品Gが収納されている。第1の買物カゴ153a内の商品Gは、商品読取装置101を操作するオペレータにより第2の買物カゴ153bに移動される。この移動過程で、商品Gが商品読取装置101の読取窓103に向けられる。この際、読取窓103内に配置された撮像部164(図2参照)は商品Gを撮像する。
【0013】
商品読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に含まれる商品Gが、後述するPLUファイルF1(図3参照)に登録されたどの商品に対応するかを指定させるための画面を表示・操作部104に表示し、指定された商品の商品IDをPOS端末11に通知する。POS端末11では、商品読取装置101から通知される商品IDに基づき、当該商品IDに対応する商品の商品分類、商品名、単価等の売上登録に係る情報を、売上マスタファイル(図示しない)等に記録して売上登録を行う。
【0014】
図2は、POS端末及び商品読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
POS端末11は、図2に示すように、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)61に、ROM(Read Only Memory)62とRAM(Random Access Memory)63とがバス接続されて構成されている。
【0015】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU61による制御を受ける。
【0016】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子等が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fを含む。
【0017】
POS端末11のCPU61には、HDD(Hard Disk Drive)64が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、商品販売データ処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されているPLUファイルF1である。
【0018】
PLUファイルF1は、店舗に陳列して販売する商品Gの各々について、商品Gの売上登録にかかる情報と、その商品Gの撮像画像との関連付けが設定された商品ファイルである。
【0019】
図3は、PLUファイルのデータフォーマットの一例を示す図である。
PLUファイルF1は、図3に示すように、商品G毎に、商品Gを特定するためにユニークに割り当てられた商品IDを格納した商品IDデータD11、商品Gが属する商品分類を特定するための商品分類データD12、商品名を特定するための商品名データD13、単価等の商品に関する価格データD14と、商品Gを撮像画像から特定するための一般物体認識としてのオブジェクト認識用の特徴量データ(商品特定情報:色合い、外形形状、表面の凹凸形状等に関するデータ)や商品Gに割り当てられたバーコード等のコードシンボル(特定物体認識における商品特定情報)を特定するためのデータ等の商品識別データD15と、オブジェクト認識において、当該商品Gであると特定する場合の閾値の下限値を格納した類似度データD16と、を格納している。なお、PLUファイルF1は、後述する接続インターフェース65を介し、商品読取装置101が読み出し(参照)可能に構成されている。
【0020】
なお、PLUファイルF1のデータ構成は図3の例に限らず、例えば、商品識別データとして、典型的な商品画像を格納する形態としてもよい。
【0021】
図2に戻り、POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1が格納されている。
【0022】
さらに、POS端末11のCPU61には、商品読取装置101との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース65が接続されている。接続インターフェース65には、商品読取装置101が接続されている。また、POS端末11のCPU61には、レシート等に印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御の下、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0023】
商品読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164、音声出力部165が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部164、音声出力部165は、CPU161によって動作が制御される。表示・操作部104は接続インターフェース176を介して、商品読取部110及びPOS端末11に接続されている。表示・操作部104は、商品読取部110のCPU161、POS端末11のCPU61によって動作が制御される。
【0024】
撮像部164は、カラーCCDイメージセンサやカラーCOMSイメージセンサ等であり、CPU161の制御の下で読取窓103からの撮像を行う撮像手段である。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像(撮像画像)はRAM163に保存される。
【0025】
音声出力部165は、予め設定された警告音等を発生するための音声回路とスピーカ等である。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音等の音声による報知を行う。
【0026】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175が接続されている。また、CPU161は、接続インターフェース175を介して、表示・操作部104との間でデータ送受信を行う。
【0027】
次に、CPU161の機能構成について、図4を参照して説明する。
【0028】
図4は、商品読取装置のCPUの機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、商品読取装置101のCPU161は、プログラムを順次実行することにより、画像取込部1611、商品検出部1612、類似度算出部1613、商品候補提示部1614、コードシンボル検出部1615及び登録商品通知部1616としての機能を備える。
【0029】
画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。画像取込部1611は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。画像取込部1611によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0030】
商品検出部1612は、画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品Gの全部または一部を、パターンマッチング技術等を用いて検出する。具体的には、取り込まれたフレーム画像を2値化した画像から輪郭線等を抽出する。次いで、直近のフレーム画像から抽出された輪郭線と、今回のフレーム画像から抽出された輪郭線とを比較し、変更があった部分、すなわち、売上登録のために読取窓103に向けられた商品の写り込みを検出する。
【0031】
なお、商品を検出する別の方法としては、取り込まれたフレーム画像から肌色領域の有無を検出する。次いで、肌色領域が検出された場合、すなわち、店員の手の写り込みが検出された場合は、上述した輪郭線の検出を行うことで、店員の手が把持していると想定される商品の輪郭抽出を試みる。この時、手の形状を示す輪郭と、それ以外の輪郭とが検出された場合は、店員の手が商品を把持していることから、商品の写り込みを検出する。
【0032】
類似度算出部1613は、商品読取装置101の撮像部164により撮像された商品Gの全部または一部の画像から、商品Gの色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を特徴量として読み取る。なお、類似度算出部1613は、処理時間の短縮を図るため、商品Gの輪郭や大きさは考慮しないものとする。
【0033】
また、類似度算出部1613は、PLUファイルF1に登録された各商品(以下、登録商品という)の商品画像から、当該登録商品の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を特徴量として読み取り、商品Gの特徴量とそれぞれ比較することで、商品GとPLUファイルF1に登録された商品との類似度を算出する。ここで、類似度は、PLUファイルF1に記憶されている各商品の商品画像を100%=「類似度:1.0」とした場合に、商品Gの全部または一部の画像がどの程度類似しているかを示すものである。上述したように、例えば色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態に応じて類似度を算出する。なお、例えば、色合いと表面の凹凸状況とでは、重み付けを変えるようにしてもよい。
【0034】
また、類似度算出部1613は、登録商品の各々について算出した類似度が、当該商品に予め定められた閾値を超えたか否かを判定し、類似度がこの閾値を超えた登録商品を商品Gの候補(以下、商品候補という)として認識(判定)する。なお、PLUファイルF1に各商品画像の特徴量が対応付けて格納されている場合には、PLUファイルF1に格納された特徴量を用いて比較する形態としてもよい。
【0035】
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
【0036】
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
【0037】
なお、撮像された商品Gの画像と、PLUファイルF1に登録された登録商品の商品画像との類似度の算出方法は特に問わないものとする。例えば、撮像された商品Gの画像と、PLUファイルF1に登録された各登録商品との類似度を絶対評価として算出してもよいし、相対評価として算出してもよい。
【0038】
前者の算出方法を用いる場合、撮像された商品Gの画像と、PLUファイルF1に登録された各登録商品とを1対1で比較し、この比較の結果導出される類似度をそのまま採用すればよい。また、後者の算出方法を用いる場合、えば、PLUファイルF1に5つの登録商品(商品GA、GB、GC、GD、GE)が登録されていたとすると、撮像された商品Gは、商品GAに対して類似度が0.6、商品GBに対しては類似度が0.1、商品GCに対しては類似度が0.1、商品GDに対しては類似度が0.1、商品GEに対しては類似度が0.1等、各登録商品との類似度の総和が1.0(100%)となるよう算出する。
【0039】
ところで、類似度算出部1613での認識の結果、商品候補が複数個認識される場合がある。そこで、商品候補提示部1614は、類似度算出部1613の認識の結果に基づき、商品候補となる登録商品が複数存在する場合に、これら登録商品の商品画像をPLUファイルF1から読み出し、類似度算出部1613が算出した類似度の高いものから、所定の個数ずつ表示デバイス106に順次表示させる。なお、商品画像の表示に係る処理について後述する。
【0040】
また、商品候補提示部1614は、表示デバイス106に表示された商品画像の中から一の商品画像の選択を、タッチパネル105を介して受け付けると、この選択された商品画像の登録商品が、商品Gに対応すると判断する。そして、商品候補提示部1614は、この登録商品を指示する情報(例えば、商品IDや商品名、選択された商品画像の画像ファイル名等)を登録商品通知部1616に出力する。
【0041】
なお、本実施形態では商品候補が単一の登録商品である場合に、その登録商品が商品Gであるとして、当該登録商品の商品画像の表示を省略する形態とするが、これに限らず、商品画像を表示デバイス106に表示することで、オペレータへの確認を求める形態としてもよい。また、本実施形態では、商品候補提示部1614は、商品画像を表示デバイス106に表示する形態とするが、他の商品情報を表示してもよく、例えば商品名や商品価格等の文字情報のみを表示させてもよく、また、文字情報と商品画像とをあわせて表示させてもよい。
【0042】
コードシンボル検出部1615は、画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品Gに印刷あるいは貼着された一次元バーコードあるいは二次元バーコード(例えば、QRコード;登録商標)等のコードシンボルを、パターンマッチング技術等を用いて検出し、デコードしてコードシンボルに対応する情報を出力する。
【0043】
登録商品通知部1616は、商品候補提示部1614が指示した登録商品に対応する商品IDを、タッチパネル105又はキーボード107を介して別途入力された販売個数とともにPOS端末11に通知する。なお、商品IDの通知は、登録商品通知部1616がPLUファイルF1から読み出した商品IDデータD11を直接通知する形態としてもよいし、商品IDを特定することが可能な商品画像のファイル名や商品名に対応する商品名データD13を通知する形態としてもよいし、その商品IDの格納場所(PLUファイルF1での格納アドレス)をPOS端末11に通知する形態としてもよい。
【0044】
一方、CPU61は、売上登録部として機能し、登録商品通知部1616より通知された商品IDと販売個数とに基づいて、対応する商品の売上登録を行う。具体的に、CPU61は、PLUファイルF1を参照して、通知された商品ID及び当該商品IDに対応する商品分類、商品名、単価等を、販売個数とともに売上マスタファイル等に記録して売上登録を行う。
【0045】
次に、チェックアウトシステム1の動作について詳細に説明する。
図5は、第1実施形態にかかるチェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0046】
先ず、商品読取装置101側の動作について説明する。
図5に示すように、POS端末11による商品登録の開始等に応じて処理が開始されると、CPU161は、画像取込部1611として機能し、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する。そしてCPU161は、商品候補提示部1614として機能し、表示デバイス106の表示画面に初期画面を表示する(ステップS11)。
【0047】
図6は、初期画面の一例の説明図である。
表示画面200に表示された初期画面は、撮像部164による撮像画像や、オブジェクト認識処理の終了後に認識結果に相当する商品イラスト画像、商品数量の入力画面等を表示する画像表示領域201と、オブジェクト認識処理結果あるいはコードシンボル認識結果としての商品名を表示する商品名表示領域202と、オブジェクト認識処理結果あるいはコードシンボル認識処理結果に基づいて抽出した商品価格を表示する価格表示領域203と、オブジェクト認識処理時に商品候補の商品名のリストを表示する商品候補リスト表示領域204と、を備えている。初期状態において、商品名表示領域202、価格表示領域203及び商品候補リスト表示領域204は、表示すべき情報がないため、グレイアウト状態(情報非表示状態)となっている。ここでの、グレイアウト状態とは、情報を表示しない状態であって、商品名表示領域202や価格表示領域203の明度に比べて、商品候補リスト表示領域204の明度を暗くした状態である。
続いてCPU161は、商品検出部1612として機能し、撮像部164による撮像画像中に所定の輝度値よりも高い商品画像領域が存在するか否か、すなわち、商品が検出されたか否かを判別する(ステップS12)。
【0048】
ステップS12の判別において、未だ商品が検出されていない場合には(ステップS12;No)、CPU161は、待機状態となる。
ステップS12の判別において、商品が検出された場合には(ステップS12;Yes)、CPU161は、商品検出部1612及びコードシンボル検出部1615として機能し、撮像画像に対するオブジェクト認識処理及び一次元バーコードあるいは二次元バーコードなどのコードシンボルを検出するコードシンボル検出処理を行う(ステップS13)。
【0049】
オブジェクト認識処理は、以下の手順で行う。
まずCPU161は、画像取込部1611として機能し、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像(撮像画像)を取り込む。次いで、CPU161は、商品検出部1612として機能し、画像取込部1611が取り込んだフレーム画像に含まれる商品Gの画像(全部または一部の画像)の検出を行う。続いて、CPU161は、類似度算出部1613として機能し、商品Gの画像から商品Gの特徴量を読み取り、PLUファイルF1に登録された各商品画像の特徴量と比較することで類似度を算出する。
【0050】
次いで、類似度算出部1613として機能するCPU161は、登録商品の各々について算出した類似度が、類似度データD16に基づいて、当該商品に予め定められた閾値を超えたか否かを判定し、類似度がこの閾値を超えた登録商品を商品Gの商品候補として抽出する。
【0051】
図7は、オブジェクト認識処理中の表示画面の一例の説明図である。
表示画面200の画像表示領域201には、撮像部164による撮像画像として商品Gの撮像画像が表示されている。
【0052】
そして、商品候補リスト表示領域204には、オブジェクト認識処理時に商品候補の商品名のリストが表示されている。上述したように、商品候補リスト表示領域204に表示される商品名は、類似度データD16に基づいて、当該商品に予め定められた閾値を超えたか否かを判定し、類似度がこの閾値を超えた登録商品の商品名である。ここで、商品候補リスト表示領域204には、類似度の値が大きい登録商品ほど上部に表示されるようにされている。すなわち、図7の例の場合には、商品名「○○ラーメン(△△食品)」が最も類似度が高いものとして表示されている。なお、類似度が類似度データD16に対応する閾値を超えるものがない場合には、商品候補リスト表示領域204中の「リストから選択」と表示されている領域を選択することにより、撮像部164による撮像画像として商品Gの撮像画像に重畳して、商品候補一覧が表示されるので、オペレータは、当該商品候補一覧から所望の商品を選択することとなる。
このオブジェクト認識処理と並行して、CPU161は、コードシンボル検出部1615として機能し、常時コードシンボルが検出されたか否かを検出している(ステップS14)。
【0053】
そして、ステップS14の判別において、コードシンボルが検出されなかった場合には(ステップS14;No)、CPU161は、商品候補提示部1614として機能し、認識された商品候補(登録商品)の個数が複数か否かを判定する。ここで、商品候補提示部1614として機能するCPU161は、商品候補とされた登録商品の個数が一つと判定した場合、商品Gがこの登録商品に対応すると判別してオブジェクト認識処理を自動的に終了し(ステップS15;Yes)、オブジェクト認識結果の表示処理に移行する(ステップS16)。
【0054】
また、商品候補(登録商品)の個数が複数と判定した場合、商品候補提示部1614として機能するCPU161は、商品候補提示処理に移行し、図7の例のように複数の商品候補を表示する。
【0055】
すなわち、CPU161は商品候補提示部1614として機能し、商品候補となった各登録商品の商品名データD13をPLUファイルF1から読み出す。次いで、商品候補提示部1614として機能するCPU161は、読み出した複数の商品名データD13を、算出された類似度の高い順にソートして、商品候補リスト表示領域204に表示する。
【0056】
したがって、オペレータは、商品候補リスト表示領域204に表示されたいずれかの商品名を選択する。なお、商品候補リスト表示領域204に所望の商品名が見あたらない場合には、商品候補リスト表示領域204中の「リストから選択」と表示されている領域を選択することにより、撮像部164による撮像画像として商品Gの撮像画像に重畳して、商品候補一覧が表示されるので、オペレータは、当該商品候補一覧から所望の商品を選択することとなる。
このように、オペレータにより、商品候補リスト表示領域204に表示された商品名あるいは撮像部164による撮像画像として商品Gの撮像画像に重畳して表示された商品候補一覧から商品名が選択された場合には、オブジェクト認識処理が完了したとして(ステップS15;Yes)、オブジェクト認識結果を表示する(ステップS16)。
【0057】
図8は、オブジェクト認識結果処理の表示例の説明図である。
図8に示すように、オブジェクト認識が完了し、オブジェクト認識結果が表示される状態では、表示画面200の画像表示領域201には、撮像部164による撮像画像として商品Gの撮像画像に代えて、商品Gに対応するイラスト画像ILが表示されている。
【0058】
このように、商品Gの撮像画像に代えて、商品Gに対応するイラスト画像ILを表示するのは、オブジェクト認識が完了したことを視覚的にも容易にオペレータに把握させるためである。
そして、商品候補リスト表示領域204は、同様にオブジェクト認識処理が完了したことをオペレータが容易に把握できるように、グレイアウト表示とされている。
また、ステップS14の判別において、コードシンボルが検出された場合には(ステップS14;Yes)、コードシンボルの検出結果を表示する優先度は、オブジェクト認識処理の認識結果を表示する優先度よりも高いものと予め設定しているので、コードシンボル検出結果を表示することとなる(ステップS17)。
【0059】
図9は、コードシンボル検出時の表示画面の一例の説明図である。
バーコードCSなどのコードシンボルが検出された場合には、図9に示すように、商品名表示領域202には、検出したコードシンボルに対応する商品の商品名が(図9では、「○○ラーメン △△食品」)が表示され、価格表示領域203には、検出したコードシンボルに対応する商品の価格(図9では、「140円」)が表示される。また、画像表示領域201には、撮像部164が撮像した商品Gの撮像画像が表示される。
【0060】
そして、CPU161は、オブジェクト認識処理が行われていないことを明確にオペレータに通知するために、商品候補リスト表示領域204の表示をグレイアウト表示とする。この結果、オペレータは直ちに商品を撮像するために商品を撮像部164の前にかざす動作を完了することができる。
【0061】
これらの結果、商品候補提示部1614あるいはコードシンボル検出部1615として機能するCPU161は、選択された商品画像に対応する登録商品が、商品Gに対応するものとして、この登録商品を指示する情報を登録商品通知部1616に出力する。
【0062】
これにより、登録商品通知部1616は、商品候補提示部1614から指示された登録商品に対応する商品IDを、タッチパネル105又はキーボード107を介して別途入力された販売個数とともにPOS端末11に通知し、POS端末11のCPU61は、商品読取装置101から通知された商品Gの商品IDとその販売個数とを受信し、売上登録部として機能して、受信した商品ID及び販売個数に基づいて、PLUファイルF1から商品種別や単価等を読み出し、商品読取装置101で読み取られた商品Gの売上を登録する商品登録処理を行う(ステップS18)。
一方、商品読取装置101のCPU161は、上述したコードシンボル検出結果及びオブジェクト認識結果を初期化する(ステップS19)。
【0063】
また、POS端末11のCPU61は、キーボード22の操作指示による売上登録の終了等によって商品登録処理が完了しか否かを判別する(ステップS20)。
ステップS20の判別において、商品登録処理を継続する場合(ステップS20;No)、商品読取装置101のCPU161は、処理を再びステップS11に移行して、以下、同様の処理を行う。
また、ステップS20の判別において、商品登録処理が完了した場合には、CPU161及びCPU61は、処理を終了する。
【0064】
以上のように、本第1実施形態のチェックアウトシステム1によれば、商品Gの商品登録を行うに際して、オブジェクト認識処理と、コードシンボル検出処理と、を並行して行い、コードシンボルが検出された場合には、より信頼性の高い商品情報が得られたとして、オブジェクト認識の画面をグレイアウト表示する等によって、オブジェクト認識処理が完了したことを迅速且つ容易にオペレータに通知することができ、商品Gに対応する登録商品の選定を効率的に行うことができ、商品登録処理の業務効率を向上させることができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0066】
例えば、上記実施形態では、商品読取装置101において、商品Gを一つずつ撮像する形態について説明したが、一度に撮像する商品Gの個数は特に限らず、複数であってもよい。一度に複数の商品Gを撮像するような場合には、撮像部164の撮影画像を表示デバイス106に表示することで、複数の商品Gから登録の対象とする一の商品Gを選択可能な構成とし、タッチパネル105を介して選択された一の商品Gの認識及び商品画像の表示を行う形態としてもよい。また、複数の商品Gの認識を一度に行い、この認識結果に基づいて類似度の高い商品名を商品候補リスト表示領域204に表示する形態としてもよい。なお、この形態の場合には、撮像された画像に含まれる一の商品Gを選択した後に商品名を選択する等の操作を行うことで、撮像された画像に含まれる商品Gと、選択した商品名とを対応付けるための構成が具備されているものとする。
【0067】
[2]第2実施形態
上記第1実施形態においては、オブジェクト認識処理と、コードシンボル検出処理と、を併用する場合の実施形態であったが、本第2実施形態は、オブジェクト認識処理において、商品オブジェクト認識処理と、値引きシール、割引シール等の商品に付加されるフラグシールを商品付加オブジェクトの認識を行う商品付加オブジェクト認識処理をおこなって値引きや割引などの処理を行う場合の実施形態である。
図10は、第2実施形態にかかるチェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0068】
先ず、商品読取装置101側の動作について説明する。
図10は、第2実施形態にかかるチェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、POS端末11による商品登録の開始等に応じて処理が開始されると、CPU161は、画像取込部1611として機能し、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する。そしてCPU161は、商品候補提示部1614として機能し、表示デバイス106の表示画面に図6に示したような初期画面を表示する(ステップS31)。
【0069】
続いてCPU161は、商品検出部1612として機能し、撮像部164による撮像画像中に所定の輝度値よりも高い商品画像領域が存在するか否か、すなわち、商品が検出されたか否かを判別する(ステップS32)。
ステップS32の判別において、未だ商品が検出されていない場合には(ステップS32;No)、CPU161は、待機状態となる。
ステップS32の判別において、商品が検出された場合には(ステップS32;Yes)、CPU161は、商品検出部1612及びコードシンボル検出部1615として機能し、上述した場合と同様に、撮像画像に対するオブジェクト認識処理を行う(ステップS33)。
【0070】
オブジェクト認識処理は、以下の手順で行う。
まずCPU161は、画像取込部1611として機能し、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像(撮像画像)を取り込む。次いで、CPU161は、商品検出部1612として機能し、画像取込部1611が取り込んだフレーム画像に含まれる商品Gの画像(全部または一部の画像)の検出を行う。続いて、CPU161は、類似度算出部1613として機能し、商品Gの画像から商品Gの特徴量を読み取り、PLUファイルF1に登録された各商品画像の特徴量と比較することで類似度を算出する。
【0071】
次いで、類似度算出部1613として機能するCPU161は、登録商品の各々について算出した類似度が、類似度データD16に基づいて、当該商品に予め定められた閾値を超えたか否かを判定し、類似度がこの閾値を超えた登録商品を商品Gの商品候補として抽出する。
【0072】
図11は、オブジェクト認識処理中の表示画面の一例の説明図である。
表示画面200の画像表示領域201には、撮像部164による撮像画像として商品Gの撮像画像及び値引きシールとして商品に付加されたフラグシールTGが表示されている。
そして、商品候補リスト表示領域204には、オブジェクト認識処理時に商品候補の商品名のリストが表示されている。なお、類似度が類似度データD16に対応する閾値を超えるものがない場合には、商品候補リスト表示領域204中の「リストから選択」と表示されている領域を選択することにより、撮像部164による撮像画像として商品Gの撮像画像に重畳して、商品候補一覧が表示されるので、オペレータは、当該商品候補一覧から所望の商品を選択することとなる。
【0073】
またステップS33のオブジェクト認識処理と並行して、CPU161は、当該オブジェクト認識処理で商品そのものに相当するオブジェクトである商品オブジェクト が認識されたか否かを判別する(ステップS34)。
ステップS34の判別において、商品オブジェクトが認識されなかった場合には(ステップS34;No)、処理をステップS35に移行する。
ステップS34の判別において、商品オブジェクトが認識された場合には(ステップS34;Yes)、CPU161は、オブジェクト認識結果を表示する(ステップS37)。
【0074】
続いて、CPU161は、当該オブジェクト認識処理で商品に付加される物品(例えば、値引きラベル等)に相当するオブジェクトである商品付加オブジェクト が認識されたか否かを判別する(ステップS35)。
ステップS35の判別において、商品付加オブジェクトが認識されなかった場合には(ステップS35;No)、CPU161は、処理を再びステップS33に移行して、オブジェクト認識処理を継続することとなる。
ステップS35の判別において商品付加オブジェクトが認識された場合には(ステップS35;Yes)、当該商品付加オブジェクトに対応する商品付加情報を記憶する(ステップS36)。具体的には、図11の場合には、商品付加情報として20円引き(価格から20円を減算する旨)を記憶する。
【0075】
図12は、商品オブジェクト及び商品付加オブジェクトが検出された場合の表示画面の一例の説明図である。
例えば、「20円引き」の商品付加オブジェクトが検出された場合には、図12に示すように、商品名表示領域202には、検出したコードシンボルに対応する商品の商品名が(図9では、「○○ラーメン △△食品」)が表示され、価格表示領域203には、検出したコードシンボルに対応する商品の価格から商品付加オブジェクトにより示される処理がなされた後の価格(図9では、商品価格が20円引きされ、「120円(20円値引き後)」)が表示される。
【0076】
その後、図8に示したように、CPU161は、オブジェクト認識が完了し、オブジェクト認識結果が表示される状態では、表示画面200の画像表示領域201には、撮像部164による撮像画像として商品Gの撮像画像に代えて、商品Gに対応するイラスト画像IL等が表示され、オブジェクト認識が完了したことを視覚的にも容易にオペレータに把握させることができる。そして、商品候補リスト表示領域204は、同様にオブジェクト認識処理が完了したことをオペレータが容易に把握できるように、グレイアウト表示とされる。この結果、オペレータは直ちに商品を撮像するために商品を撮像部164の前にかざす動作を完了することができる。
【0077】
さらに、商品候補提示部1614あるいはコードシンボル検出部1615として機能するCPU161は、選択された商品画像に対応する登録商品が、商品Gに対応するものとして、この登録商品を指示する情報を登録商品通知部1616に出力する。
【0078】
これにより、登録商品通知部1616は、商品候補提示部1614から指示された登録商品に対応する商品IDを、タッチパネル105又はキーボード107を介して別途入力された販売個数とともにPOS端末11に通知し、POS端末11のCPU61は、商品読取装置101から通知された商品Gの商品IDとその販売個数とを受信し、売上登録部として機能して、受信した商品ID及び販売個数に基づいて、PLUファイルF1から商品種別や単価等を読み出し、商品読取装置101で読み取られた商品Gの売上を登録する商品登録処理を行う(ステップS38)。
一方、商品読取装置101のCPU161は、上述したオブジェクト認識結果を初期化する(ステップS39)。
【0079】
また、POS端末11のCPU61は、キーボード22の操作指示による売上登録の終了等によって商品登録処理が完了しか否かを判別する(ステップS40)。
ステップS20の判別において、商品登録処理を継続する場合(ステップS40;No)、商品読取装置101のCPU161は、処理を再びステップS11に移行して、以下、同様の処理を行う。
また、ステップS40の判別において、商品登録処理が完了した場合には、CPU161及びCPU61は、処理を終了する。
【0080】
以上のように、本第2実施形態のチェックアウトシステム1によれば、商品Gの商品登録を行うに際して、オブジェクト認識処理において、商品オブジェクトの認識処理と、商品付加情報オブジェクトの認識処理と、を並行して行い、商品付加情報オブジェクトの認識がなされた場合には、当該商品付加情報オブジェクトに対応する処理(値引き、割引など)を確実に行うことができる。
【0081】
したがって、商品登録処理の業務効率を向上させることができる。
以上の第2実施形態の説明では、コードシンボルの検出処理については述べなかったが、コードシンボル検出処理機能も備えている場合には、コードシンボル近傍に当該コードシンボルの機能を無効にするオブジェクト(無効化シール)などを設け、確実に商品付加情報オブジェクトに対応する処理を行うようにするのが好ましい。
【0082】
[3]実施形態の変形例
また、上記各実施形態では、POS端末11がPLUファイルF1を備える形態としたが、これに限らず、商品読取装置101がPLUファイルF1を備える形態としてもよいし、POS端末11及び商品読取装置101がアクセス可能な外部装置がPLUファイルF1を備える形態としてもよい。
【0083】
また、上記各実施形態では、POS端末11と商品読取装置101との2台構成としたが、これに限らず、POS端末11及び商品読取装置101の機能を備えた1台構成の装置としてもよい。
【0084】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0085】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 チェックアウトシステム
11 POS端末
23 表示デバイス
60 マイクロコンピュータ
61 CPU
101 商品読取装置
102 ハウジング
103 読取窓
104 表示・操作部
105 タッチパネル
106 表示デバイス
107 キーボード
108 カード読取溝
109 顧客用表示デバイス
110 商品読取部
160 マイクロコンピュータ
161 CPU
200 表示画面
201 画像表示領域
202 商品名表示領域
203 価格表示領域
204 商品候補リスト表示領域
1611 画像取込部
1612 商品検出部
1613 類似度算出部
1614 商品候補提示部
1615 コードシンボル検出部
1616 登録商品通知部
F1 PLUファイル
IL イラスト画像
TG フラグシール
D11 商品IDデータ
D12 商品分類データ
D13 商品名データ
D14 価格データ
D15 商品識別データ
D16 類似度データ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2003−173369号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部により撮像された画像の画像データから前記画像に含まれる商品を特定するための一般物体認識としてのオブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルとして構成された商品特定情報を抽出する情報抽出手段と、
前記商品特定情報は、オブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルのいずれであるかにより予め優先度が設定されており、抽出した前記商品特定情報により商品が特定された場合に、より前記優先度の高い商品特定情報に対応する商品情報を提示 する情報提示手段と、
を備えた商品データ処理装置。
【請求項2】
前記情報抽出手段は、前記オブジェクト認識の処理に用いる前記商品特定情報を、 前記画像から抽出する第1情報抽出手段と、
前記画像に含まれる前記コードシンボルを前記商品特定情報として抽出する第2情報抽出手段と、を備え、
前記コードシンボルの優先度は、前記第1情報抽出手段により抽出された商品特定情報の優先度より高く設定されている、
請求項1記載の商品データ処理装置。
【請求項3】
前記情報提示手段は、前記第1情報抽出手段により抽出された商品特定情報に対応する商品情報の提示中に前記コードシンボルが抽出された場合には、前記第1情報抽出手段により抽出された商品特定情報に対応する商品情報の提示を中断し、前記コードシンボルに対応する商品情報を提示する、
請求項2記載の商品データ処理装置。
【請求項4】
前記情報提示手段は、前記商品情報の提示として、前記商品情報を表示する表示手段を備え、
前記第1情報抽出手段により抽出された商品特定情報に対応する商品情報の提示を中断するに際し、前記表示手段における前記商品情報の表示をグレイアウト表示 とする、
請求項3記載の商品データ処理装置。
【請求項5】
商品を特定するための商品特定情報は、オブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルのいずれであるかにより予め優先度が設定されており、前記優先度を記憶する記憶手段を備えた商品データ処理装置において実行される商品データ処理方法であって、
撮像部により撮像された画像の画像データから前記画像に含まれる商品を特定するための一般物体認識としてのオブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルとして構成された商品特定情報を抽出する情報抽出過程と、
前記商品特定情報は、オブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルのいずれであるかにより予め優先度が設定されており、抽出した前記商品特定情報により商品が特定された場合に、より前記優先度の高い商品特定情報に対応する商品情報を提示 する情報提示過程と、
を備えた商品データ処理方法。
【請求項6】
商品を特定するための商品特定情報は、オブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルのいずれであるかにより予め優先度が設定されており、前記優先度を記憶する記憶手段を備えた商品データ処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
撮像部により撮像された画像の画像データから前記画像に含まれる商品を特定するための一般物体認識としてのオブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルとして構成された商品特定情報を抽出する情報抽出手段と、
前記商品特定情報は、オブジェクト認識に用いる商品特定情報あるいはコードシンボルのいずれであるかにより予め優先度が設定されており、抽出した前記商品特定情報により商品が特定された場合に、より前記優先度の高い商品特定情報に対応する商品情報を提示 する情報提示手段と、
して機能させる制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−89084(P2013−89084A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229950(P2011−229950)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】