説明

商品収納装置

【課題】商品販売時における演出を良好なものとしながら、バケットに受容した商品を照らして視認性を向上させることができる商品収納装置を提供すること。
【解決手段】商品収納コラム21を左右方向に沿って並設してなる商品ラック20と、任意の商品収納コラム21に対して対向配置された場合に商品の受け渡しが可能となるバケット40と、該当する商品収納コラム21に対してバケット40を対向配置させるバケット駆動手段30とを備え、バケット40は、受容域44の前方域を照明するバケット用光源45を備え、待機状態においてはバケット用光源45を消灯させる一方、少なくともバケット駆動手段30によりバケット40を駆動させている場合には、予め決められた点灯パターンに従ってバケット用光源45を点灯させる照明制御部621を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納装置に関し、より詳細には、複数の商品収納コラムを左右方向に沿って並設した商品ラックに対してバケットを通じた商品の受け渡しを行う商品収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動販売機には、商品を収納する商品収納コラムと、商品の搬送を行うバケットとを備えて構成したものがある。商品収納コラムは、複数の商品を整列した状態で収納する一方、ベンドメックが駆動した場合にはその前端部から商品を1つずつ払い出すものである。一般的な自動販売機では、商品ラックに複数の商品収納コラムが左右方向に沿って並設され、さらにこの商品ラックが左右一対のラック支持側板間に上下方向に沿って複数段設けられている。バケットは、商品収納コラムとの間において商品の受け渡しを行うもので、商品ラックの前方域を移動可能に配設されている。より詳細に説明すると、バケットは、バケット駆動手段により商品ラックの前方域を上下左右に移動可能に配設されている。
【0003】
バケット駆動手段は、バケットを左右方向に沿って移動させることが可能なX軸搬送機構と、このX軸搬送機構を含む上記バケットを上下方向に沿って移動させるY軸搬送機構とを備えて構成されている。そして、このY軸搬送機構は、商品ラックを支持する一対のラック支持側板の互いに対向する面と反対側に設けてある。
【0004】
このような自動販売機においては、前面を構成する外扉に透光性パネルが設けてあり、かかる透光性パネルを通じて前面側から内部を視認できるようにしてあるのが一般的である。そして、利用者に対して商品販売時の演出として、バケットの前面部においてバケット移動時に点灯する光源を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−262249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような自動販売機は、屋内施設に設置されるのが一般的であり、自動販売機本体の内部を照明、すなわち商品収納コラムに収納された商品を照明する蛍光灯が設けられている。また近年の省エネルギー化等の要請により、所定の時間帯には蛍光灯を消灯させた状態で商品を販売する場合もある。このような場合、屋内施設の照明で自動販売機本体内部も照らされることになるが、自動販売機の設置場所等によっては屋内施設の照明だけでは不十分となることもあった。上述した特許文献1に提案されている自動販売機でも、光源はバケットの前面部に配設されているので、自動販売機の前方にいる利用者に対して光を射出することはできても、バケットに受容した商品等を照明することができず、視認性が十分といえなかった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、商品販売時における演出を良好なものとしながら、バケットに受容した商品を照らして視認性を向上させることができる商品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る商品収納装置は、それぞれが複数の商品収納コラムを左右方向に沿って並設して成り、商品収納室に上下方向に沿って複数段設けた商品ラックと、前記商品ラックの前方域を移動可能に配設し、任意の商品収納コラムに対して対向配置された場合に前記商品収納コラムとの間において商品の受け渡しが可能となるバケットと、受け渡しを行う商品収納コラムが指定された場合に、前記バケットを駆動することにより該当する商品収納コラムに対してバケットを対向配置させるバケット駆動手段とを備えた商品収納装置において、前記バケットは、前記商品を受容するための受容域の前方域を照明する照明手段を備えて成り、待機状態においては前記照明手段を消灯させる一方、少なくとも前記バケット駆動手段により前記バケットを駆動させている場合には、予め決められた点灯パターンにしたがって前記照明手段を点灯させる照明制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る商品収納装置は、上述した請求項1において、前記照明制御手段は、販売指令が与えられた場合であって、前記バケット駆動手段により前記バケットが待機位置から指定された商品収納コラムに対向配置されるまでは前記照明手段を点滅点灯させ、対向配置されたバケットが前記バケット駆動手段により移動するまでは前記照明手段を常時点灯させ、該バケットが前記バケット駆動手段により予め設定された商品有無判断位置に移動するまでは前記照明手段を点滅点灯させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係る商品収納装置は、上述した請求項2において、前記照明制御手段は、前記商品有無判断位置において商品が存在しない旨が検知された場合に、前記照明手段を消灯させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バケットに配設された照明手段が、受容域の前方域を照明し、照明制御手段が、待機状態においては照明手段を消灯させる一方、少なくともバケット駆動手段によりバケットを駆動させている場合には、予め決められた点灯パターンにしたがって照明手段を点灯させるので、バケットが選択された商品を収納する商品収納コラムに対して対向配置された場合には、該商品収納コラムの商品を照明することができ、また該商品収納コラムから商品を受容した場合には、該商品、すなわち受容域にある商品を照明することができ、しかもバケットの駆動を明示することができる。従って、商品販売時における演出を良好なものとしながら、バケットに受容した商品を照らして視認性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置が具現化された自動販売機を示す正面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態である商品収納装置が具現化された自動販売機の内部構造を示す斜視図である。
【図3】図3は、商品収容庫の内部構造を示す斜視図である。
【図4】図4は、商品収容庫の内部構造を模式的に示す斜視図である。
【図5】図5は、バケットを示すものであり、前方側から見た場合を示す斜視図である。
【図6】図6は、バケットを示すものであり、後方側から見た場合を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態である自動販売機の制御系を示すブロック図である。
【図8】図8は、照明制御部が実施する点灯制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。以下においては、本発明を具現化したものとして自動販売機の商品収納装置について説明する。
【0014】
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である商品収納装置が具現化された自動販売機を示すものであり、図1は正面図、図2は内部構造を示す斜視図である。ここで例示する自動販売機は、例えば缶入り飲料、ペットボトル入り飲料、紙パック入り飲料等の商品を冷却、若しくは加熱した状態で販売するもので、本体キャビネット10を備えている。
【0015】
本体キャビネット10は、前面が開口した直方状を成すもので、内部が2つに区画されて上側が商品収容庫11、下側が機械室12となっている。商品収容庫11は、その内部を予め設定した温度状態に保持する室であり、商品収容庫11を構成する壁部材はそれぞれ断熱材によって構成してある。また、図には明示していないが、冷凍サイクルを構成する蒸発器等、内部雰囲気を冷却するための冷却手段や、電熱ヒータ等、内部雰囲気を加熱するための加熱手段が設けてある。一方、機械室12には、上記蒸発器とともに冷凍サイクルを構成する冷凍機(圧縮機及び凝縮器)13や、各種制御機器等が設けてある。
【0016】
このような商品収容庫11の所定個所には、複数の蛍光灯14(図7参照)が設けてある。これら蛍光灯14は、商品収容庫11の内部を照らすためのものである。
【0017】
この本体キャビネット10の前面には、外扉1及び内扉2が設けてある。内扉2は、断熱ガラス等の透明板材3を嵌め込んで形成した扉体であり、商品収容庫11の前面を覆うのに十分な大きさを有している。この内扉2は閉移動して商品収容庫11の前面を閉塞する場合には、該商品収容庫11の前面を構成する断熱部材である。
【0018】
この内扉2の透明板材3の中央部下方域には、矩形状の商品搬出口4が形成されるとともに、該商品搬出口4を開閉するための搬出フラッパ5が設けてある。搬出フラッパ5は、下端が自由端となる態様で前後方向に揺動可能に軸支され、常態においては自身の自重により商品搬出口4を閉成するものである。
【0019】
また、内扉2の商品搬出口4の直上部には、突起部材6が突設してある。この突起部材6は、金属性材料により構成したもので、内扉2の後面から突出する態様で設けてあり、より詳細には、内扉2が商品収容庫11の前面を閉塞する場合に後方に向けて突出する態様で設けてある。
【0020】
外扉1は、本体キャビネット10の前面開口を開閉するためのものであり、必要に応じて断熱材を用いて構成してあり、断熱ガラス等の透明板材を嵌め込んで成るウインドウ7を有している。従って、当該自動販売機は外扉1のウインドウ7を介して内部を視認可能ないわゆるビュータイプのものである。また、外扉1の前面には、販売商品を選択するための選択スイッチ8や、貨幣を投入するための入金口9等、商品を自動販売する際に必要となる構成が配設してある。尚、以下、本明細書において、左方向は、自動販売機を正面から見た場合の左側の方向を指し、右方向は、自動販売機を正面から見た場合の右側の方向を指すものとして説明する。
【0021】
図3及び図4は、それぞれ商品収容庫の内部構造を示すもので、図3は斜視図であり、図4は、模式的に示す斜視図である。以下においては、これら図3及び図4も適宜用いて商品収容庫11について説明する。
【0022】
商品収容庫11には、商品ラック20とバケット駆動手段30とが設けてある。商品ラック20は、複数の商品収納コラム21を左右方向に沿って並設することによって構成したもので、個々の商品収納コラム21に画成した商品収納通路22に複数の商品を前後方向に整列した状態で収納することが可能である。このような商品ラック20は、商品収容庫11において左右一対となる態様で取り付けたラック支持側板23間に架け渡される態様で上下方向に沿って複数段設けてある。
【0023】
上記商品ラック20を支持するラック支持側板23は、例えば板金等を適宜加工して構成した長尺状の板状体であり、互いの一面(内面)が対向する態様で設けてある。具体的には、商品収容庫11を構成する天板や底板等に例えばネジ等の取付部材を介して取り付けて設けてある。
【0024】
かかるラック支持側板23に支持された商品ラック20の各商品収納コラム21は、前後に平行配置したローラ(図示せず)に無端状の搬送ベルト24を掛け回した搬送機構を備え、搬送ベルト24の上面に商品を載置して収納している。このような各商品収納コラム21の前端部には商品の払い出しを制御するベンドメックが設けてある。ベンドメックは、駆動モータ、ソレノイド等の動力源から切り離した駆動部を有さないものであり、後述するバケット40が指定の商品収納コラム21に対向配置された場合に該バケット40に内蔵される電動式駆動機構411(図7参照)からの動力が伝達されて駆動するものである。ここで図中の符号25は、該ベンドメックを構成するゲート部材である。
【0025】
バケット駆動手段30は、X軸搬送機構31とY軸搬送機構32との組立体として構成したものである。X軸搬送機構31は、本体キャビネット10の内部であって商品ラック20の前方域において左右方向に沿って延在するレール部材311を備え、X軸モータ312(図7参照)の駆動によりレール部材311の延在方向(左右方向)に沿って搭載するバケット40を移動させるものである。
【0026】
X軸モータ312は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)駆動されるものである。ここでPWM駆動とは、モータの駆動電圧を間欠的にオンオフするものであり、オンのデューティが大きいほど当該モータは高速回転し、オフのデューティが大きいほど当該モータは低速回転する。そのようなX軸搬送機構31の構造そのものは周知なものであり、ここでは詳細な説明を割愛する。
【0027】
Y軸搬送機構32は、左右一対の搬送支持枠(図示せず)に設けたものである。これら搬送支持枠の上端部近傍にはプーリ321が回転自在となる態様で配設してある。このプーリ321には、長尺状の索状体であるベルト322が掛け回してあり、このベルト322の一端にはウエイター323が接続され、他端には上記レール部材311を保持するための保持部材(図示せず)が接続されている。そして、Y軸搬送機構32は、Y軸モータ324の駆動によりプーリ321が回転し、これにより保持部材に保持されるレール部材311及び搭載されるバケット40を上下方向に沿って移動させるものである。ここでY軸モータ324は、上述したX軸モータ312と同様にPWM駆動されるものとする。
【0028】
図5及び図6は、それぞれバケットを示すものであり、図5は前方側から見た場合を示す斜視図、図6は後方側から見た場合を示す斜視図である。ここで例示するバケット40は、左右一対の側壁部41と、支持部材42と、載置部材43とを備えて構成してある。
【0029】
側壁部41は、互いの内面41aが対向する態様で設けてある。これら側壁部41は、樹脂製の筐体内に種々の機器が収容されており、一例を挙げると電動式駆動機構411を収容している。電動式駆動機構411は、指定された商品収納コラム21にバケット40が対向配置された場合に、該商品収納コラム21の前端部のベンドメックに駆動力を伝達して駆動力を与えるものである。また、これら側壁部41により挟まれる域は、詳細は後述するが、商品を受容する受容域44となり、これにより側壁部41は、受容域44を画成するものである。
【0030】
支持部材42は、金属性材料から形成されたものであり、一対の側壁部41間に配設してある。この支持部材42は、平板状の基部421と、この基部421の両端からそれぞれ後方に向けて延在する後延部422とを備えている。これら後延部422の端部、すなわち後端部がそれぞれ側壁部41に軸支される結果、支持部材42は、側壁部41に対して揺動可能に配設してある。
【0031】
載置部材43は、一対の側壁部41間に揺動可能に配設してある。この載置部材43は、前面部431と、側部432と、載置部433とを備えている。前面部431は、矩形状の開口431aを有して成るものである。この開口431aを通じて、支持部材42に配設されたピン部材423が前方に突出している。側部432は、互いの内面が対向する態様で前面部431の両端からそれぞれ後方に向けて延在するものである。これら側部432は、図には明確に示していないが、それぞれ側壁部41に揺動可能に支持されている。載置部433は、左右一対となる側部432間に軸状部(図示せず)を介して揺動可能に配設されたものであり、商品を載置するためのものである。
【0032】
このようなバケット40においては、左右一対の側壁部41、載置部材43の載置部433、並びに支持部材42の基部421により、商品収納コラム21からの商品を受容する受容域44を画成してある。そして、側壁部41には、受容域44を臨む態様で複数のバケット用光源(照明手段)45が埋設してある。バケット用光源45は、例えばLED等から構成されるもので、側壁部41に形成した凹部に嵌め込まれた状態で設けてある。凹部の内表面は、バケット用光源45から射出された光を反射するための反射面を形成している。このようなバケット用光源45は、自身が点灯することにより受容域44、並びに該受容域44の前方域を照明するものである。
【0033】
図7は、本発明の実施の形態である自動販売機の制御系を示すブロック図である。ここでは本発明の特徴的なものだけを示している。図7に示すように、自動販売機は、上述した蛍光灯14、X軸モータ312、Y軸モータ324、電動式駆動機構411、バケット用光源45の他に、人感センサ51、選択スイッチ用光源52、広告パネル用光源53、X軸位置センサ54、Y軸位置センサ55、商品有無検知センサ56、自販機制御部60、自販機照明制御部61、搬送制御部62を備えている。
【0034】
人感センサ51は、外扉1の前面に配設してあり、例えば赤外LEDから発する赤外線(波長:850nm)の反射を受光素子(PINダイオード)で受けることにより、自動販売機(本体キャビネット10)前に人がいるか否かを検知するものである。
【0035】
選択スイッチ用光源52は、選択スイッチ8に内蔵された例えばLEDのようなものである。広告パネル光源は、図には明示しないが、自動販売機の広告パネルを照射するための光源である。
【0036】
X軸位置センサ54は、例えばフォトインタラプタのようなものであり、X軸位置検出板313に形成された切欠溝314を検知することによりバケット40のX軸方向(左右方向)における位置を検出するものである。Y軸位置センサ55は、例えばフォトインタラプタのようなものであり、Y軸位置検出板(図示せず)に形成された切欠溝325を検知することによりバケット40のY軸方向(上下方向)における位置を検出するものである。商品有無検知センサ56は、後述する商品有無判断位置ニにおいてバケット40の受容域44に商品があるか否かを検知するものである。
【0037】
自販機制御部60は、自動販売機の基本動作、すなわち商品選択や金銭処理等の販売動作を制御する制御手段である。
【0038】
自販機照明制御部61は、図示せぬ内蔵メモリに記憶されたプログラムやデータに基づいて自動販売機に設置された光源、すなわち蛍光灯14、選択スイッチ用光源52、広告パネル用光源53等の点灯制御を行うものである。より詳細には、自販機照明制御部61は、自動販売機が待機状態にある場合には、蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52を消灯させるものである。そして、省エネモードが選択されている場合には、自販機制御部60から販売指令が与えられても蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52を消灯させる一方、通常モードが選択されている場合には、自販機制御部60から販売指令が与えられると蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52を点灯させるものである。
【0039】
上記自販機照明制御部61は、自販機制御部60から販売指令が与えられる以外にも、次のようにして自動販売機に設置された光源の点灯制御を行うものである。すなわち人感センサ51が赤外LEDから発する赤外線の反射を受光素子で予め決められた基準時間を超えて検知した場合には、自動販売機の前面に人がいるものと判断して、通常モードが選択されているときには、蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52を点灯させるとともに、広告パネル用光源53を点灯させ、省エネモードが選択されているときには、蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52を消灯させたままで広告パネル用光源53を点灯させるものである。
【0040】
また、自販機照明制御部61は調光制御部611を備えている。調光制御部611は、広告パネル用光源53の点灯レベルを調整するもので、自動販売機が待機状態にある場合には、広告パネル用光源53を低輝度で点灯させる一方、自販機制御部60から販売指令が与えられた場合には、広告パネル用光源53を高輝度で点灯させるものである。
【0041】
搬送制御部62は、バケット40の移動、並びにバケット用光源45の点灯に関して記憶部63に記憶されたプログラムやデータに基づいて統括的に制御を行うものである。
【0042】
記憶部63は、種々のプログラムやデータを記憶するものである。より詳細に説明すると、自動販売機の運転開始時(電源投入時)に行われる周知なクリーニング動作により、各商品収納コラム21の位置情報及び番号に関する情報を記憶するとともに、予め決められた中継位置イ、待機位置ロ、経由位置ハ、商品有無判断位置ニ(いずれも図3参照)を記憶している。
【0043】
中継位置イは、突起部材6の直上域に予め決められている。この中継位置イの位置検出は、図3に示す中継位置イを示す標識となる専用の切欠溝70,71を検知することにより行われる。これにより中継位置イの直下域に内扉2に突設された突起部材6が位置することになる。
【0044】
待機位置ロは、右方下部の位置に予め決められている。経由位置ハは、例えば中継位置イの右方側に予め決められている。商品有無判断位置ニは、突起部材6の直下域に予め決められている。
【0045】
また搬送制御部62には、照明制御部621が備えてある。照明制御部621は、バケット用光源45を記憶に記憶された点灯パターンにしたがって点灯させるものである。より詳細には、自動販売機が待機状態にある場合には、バケット用光源45を消灯させており、自販機制御部60から販売指令が与えられた場合において、バケット駆動手段30によりバケット40が待機位置ロから選択された商品収納コラム21に対向配置されるまでは、バケット用光源45を点滅点灯させる。そして、選択された商品収納コラム21に対向配置された後、バケット40がバケット駆動手段30により移動するまではバケット用光源45を常時点灯させる。バケット40がバケット駆動手段30により移動開始後、中継位置イを通過し、商品有無判断位置ニに移動するまではバケット用光源45を点滅点灯させる。その後、かかる商品有無判断位置ニにおいて商品有無検知センサ56により商品が存在しない旨が検知されると、バケット用光源45を消灯させる。
【0046】
以上のような構成を有する自動販売機の動作について説明する。尚、以下においては省エネモードが選択されているものとし、かかる自動販売機の動作を説明しながら商品収納装置の動作について説明する。
【0047】
販売待機状態においては、自販機照明制御部61により蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52が消灯し、調光制御部611により広告パネル用光源53は低輝度で点灯している。また、照明制御部621によりバケット用光源45が消灯している。
【0048】
選択スイッチ8を通じて商品の選択情報及び入金口9を通じて投入された貨幣の入金情報がそれぞれ所定の販売条件を充足すると、自販機制御部60より販売指令が搬送制御部62に与えられる。
【0049】
搬送制御部62は、X軸モータ312及びY軸モータ324に駆動指令を与えてこれらを駆動させる。この場合、搬送制御部62は、経由位置ハを経由させてバケット40を移動させ、選択された商品収納コラム21に対して対向配置させる。バケット40が目標とする商品収納コラム21に対向配置されたことをX軸位置センサ54及びY軸位置センサ55で検出すると、搬送制御部62は、電動式駆動機構411に駆動指令を与える。これにより電動式駆動機構411が該当する商品収納コラム21のベンドメックを駆動する。これにより商品が1つだけバケット40に移動し、載置部433に載置された態様で受容域44に受容される。バケット40が商品を受容すると、搬送制御部62は、X軸モータ312及びY軸モータ324に駆動指令を与え、中継位置イに向けて移動させる。
【0050】
そして、バケット40が中継位置イに位置することを検知すると、搬送制御部62は、Y軸モータ324のみを駆動させて払出移動させる。そして、搬送制御部62は、この払出移動の途中で予め設定された時間(例えば1秒間)だけY軸モータ324の駆動を停止させる。これによりバケット40は、惰性により下方に向けて払出移動する。かかる時間が経過後、搬送制御部62は、Y軸モータ324を駆動させてバケット40を下方に向けて払出移動させる。
【0051】
ここで払出移動について説明する。中継位置イに位置するバケット40を払出移動させると、バケット40のピン部材423が突起部材6に当接する。このようにピン部材423が突起部材6に当接すると、支持部材42が上方に揺動し、該ピン部材423に当接された載置部材43も上方に向けて揺動する。前記載置部材43の揺動に伴って載置部433も前方へ迫り出しながら前傾姿勢となる。これにより、載置部材43の底面が大きく開口して載置部433に載置されていた商品は傾倒するのでバケット40から商品が払い出される。バケット40から払い出された商品は搬出フラッパ5に当接して該搬出フラッパ5を押し開いたうえで開成した商品搬出口4を通じて所定の商品取出室に至る。その後、Y軸モータ324を一旦駆動停止させると、バケット40は惰性で下方に向けて移動する。そうすると、ピン部材423の先端が突起部材6の天面(鉛直方向の平面(水平面))に当接して支持部材42と載置部材43における前面部431及び側部432との傾倒姿勢を保持することになり、商品がバケット40から確実に払い出されることを保証する。
【0052】
その後、搬送制御部62は、Y軸モータ324に駆動指令を与え、バケット40を商品有無判断位置ニに向けて移動させる。バケット40が商品有無判断位置ニに位置することをX軸位置センサ54及びY軸位置センサ55にて検知すると、搬送制御部62は、Y軸モータ324に駆動停止指令を与えてバケット40を商品有無検知センサ56に停止させる。そして、搬送制御部62は、商品有無検知センサ56によりバケット40の受容域44に商品が存在するか否かを検知し、商品が存在しないと検知された場合には、商品が確実に払い出されたものとして、X軸モータ312に駆動指令を与え、バケット40を待機位置ロに移動させる。尚、商品有無判断位置ニにおいて商品が存在する旨が検知された場合には、搬送制御部62は、X軸モータ312及びY軸モータ324に駆動指令を与えて駆動させ、バケット40を再度中継位置イに移動させてから上述した払出移動させる。
【0053】
図8は、照明制御部が実施する点灯制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる点灯制御処理を説明しながら商品搬出装置の動作について説明する。尚、点灯制御処理の説明の前提として、自動販売機が待機状態となっており、照明制御部621は、バケット用光源45を消灯させているものとする。
【0054】
自販機制御部60から販売指令が与えられた場合(ステップS101:Yes)、照明制御部621は、バケット用光源45を点滅点灯させる(ステップS102)。これにより商品購入者に対してバケット40が動作している状態を明示することができる。
【0055】
そして、X軸位置センサ54及びY軸位置センサ55により目標とする商品収納コラム21に対向配置されたことが検知された場合(ステップS103:Yes)、照明制御部621は、バケット用光源45を常時点灯させる(ステップS104)。これにより上述したように電動式駆動機構411が駆動して当該商品収納コラム21からの商品がバケット40に受容されるが、該商品を商品購入者に明示することができる。
【0056】
搬送制御部62がX軸モータ312及びY軸モータ324に駆動指令を与えると(ステップS105:Yes)、照明制御部621は、バケット用光源45を点滅点灯させる(ステップS106)。これにより商品購入者に対してバケット40が動作している状態を明示することができる。
【0057】
その後、バケット40が中継位置イを通過し、払出移動を行った後、商品有無判断位置ニに移動する。かかる商品有無判断位置ニにて商品有無検知センサ56により商品が存在しない旨が検知されると(ステップS107:Yes)、照明制御部621は、バケット用光源45を消灯させ(ステップS108)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0058】
このように本実施の形態である商品収納装置によれば、バケット40を構成する側壁部41に配設されたバケット用光源45が、該側壁部41により画成する受容域44、並びに受容域44の前方域を照明し、照明制御部621が、待機状態においてはバケット用光源45を消灯させる一方、少なくともバケット駆動手段30によりバケット40を移動させている場合には、予め決められた点灯パターンにしたがってバケット用光源45を点灯させるので、より詳細には、販売指令が与えられた場合であって、バケット駆動手段30によりバケット40が待機位置ロから指定された商品収納コラム21に対向配置されるまではバケット用光源45を点滅点灯させ、対向配置されたバケット40がバケット駆動手段30により移動するまではバケット用光源45を常時点灯させ、該バケット40がバケット駆動手段30により商品有無判断位置ニに移動するまではバケット用光源45を点滅点灯させるので、バケット40が選択された商品を収納する商品収納コラム21に対して対向配置された場合には、該商品収納コラム21の商品を照明することができ、また該商品収納コラム21から商品を受容した場合には、該商品、すなわち受容域44にある商品を照明することができ、しかもバケット40の動作状態を明示することができる。従って、商品販売時における演出を良好なものとしながら、バケット40に受容した商品を照らして視認性を向上させることができる。特に自動販売機が省エネモード等により蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52を消灯させている場合には、バケット用光源45による照明をより顕在化させることができ、より演出効果に優れたものとなる。
【0059】
上記商品収納装置によれば、バケット用光源45を点灯させることにより、バケット40の受容域44、該受容域44の前方域を照明することもできるので、本体キャビネット10の内部に配設された蛍光灯14等が消灯された後でも、利用者が商品を視認することができ、省エネルギー化を図りつつ、商品販売時における演出を良好なものとして受容した商品の視認性を向上させることができる。
【0060】
また、上記商品収納装置を備える自動販売機によれば、自販機照明制御部61が、人感センサ51が赤外LEDから発する赤外線の反射を受光素子で予め決められた基準時間を超えて検知した場合には、自動販売機の前面に人がいるものと判断して、通常モードが選択されているときには、蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52を点灯させるとともに、広告パネル用光源53を点灯させ、省エネモードが選択されているときには、蛍光灯14及び選択スイッチ用光源52を消灯させたままで広告パネル用光源53を点灯させるので、各種照明を点灯させる回数を必要最小限にすることができ、これにより消費電力量を低減させることができる。
【0061】
更に、調光制御部611が、自動販売機が待機状態にある場合には、広告パネル用光源53を低輝度で点灯させる一方、自販機制御部60から販売指令が与えられた場合には、広告パネル用光源53を高輝度で点灯させるので、広告効果を良好に発揮しながら商品電力量の低減化を図ることができる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0063】
上述した実施の形態では、バケット駆動手段30によりバケット40が移動している間はバケット用光源45を点滅点灯させ、バケット40が目標とする商品収納コラム21に対向配置されている場合には、バケット用光源45を常時点灯させていたが、本発明はこれに限られず、種々の点灯パターンを採用することができる。つまり、バケット駆動手段によりバケットが移動している間は、照明手段(バケット用光源)を常時点灯させ、バケットが目標とする商品収納コラムに対向配置されている場合には、照明手段(バケット用光源)を点滅点灯させても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明に係る商品収納装置は、自動販売機に有用である。
【符号の説明】
【0065】
10 本体キャビネット
11 商品収容庫
14 蛍光灯
20 商品ラック
21 商品収納コラム
22 商品収納通路
30 バケット駆動手段
31 X軸搬送機構
311 レール部材
312 X軸モータ
32 Y軸搬送機構
321 プーリ
322 ベルト
323 ウエイター
324 Y軸モータ
40 バケット
41 側壁部
41a 内面
411 電動式駆動機構
42 支持部材
421 基部
422 後延部
423 ピン部材
43 載置部材
431 前面部
432 側部
433 載置部
44 受容域
45 バケット用光源
51 人感センサ
52 選択スイッチ用光源
53 広告パネル用光源
54 X軸位置センサ
55 Y軸位置センサ
56 商品有無検知センサ
60 自販機制御部
61 自販機照明制御部
611 調光制御部
62 搬送制御部
621 照明制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数の商品収納コラムを左右方向に沿って並設して成り、商品収納室に上下方向に沿って複数段設けた商品ラックと、
前記商品ラックの前方域を移動可能に配設し、任意の商品収納コラムに対して対向配置された場合に前記商品収納コラムとの間において商品の受け渡しが可能となるバケットと、
受け渡しを行う商品収納コラムが指定された場合に、前記バケットを駆動することにより該当する商品収納コラムに対してバケットを対向配置させるバケット駆動手段と
を備えた商品収納装置において、
前記バケットは、前記商品を受容するための受容域の前方域を照明する照明手段を備えて成り、
待機状態においては前記照明手段を消灯させる一方、少なくとも前記バケット駆動手段により前記バケットを駆動させている場合には、予め決められた点灯パターンにしたがって前記照明手段を点灯させる照明制御手段を備えたことを特徴とする商品収納装置。
【請求項2】
前記照明制御手段は、販売指令が与えられた場合であって、前記バケット駆動手段により前記バケットが待機位置から指定された商品収納コラムに対向配置されるまでは前記照明手段を点滅点灯させ、対向配置されたバケットが前記バケット駆動手段により移動するまでは前記照明手段を常時点灯させ、該バケットが前記バケット駆動手段により予め設定された商品有無判断位置に移動するまでは前記照明手段を点滅点灯させることを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項3】
前記照明制御手段は、前記商品有無判断位置において商品が存在しない旨が検知された場合に、前記照明手段を消灯させることを特徴とする請求項2に記載の商品収納装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−18186(P2011−18186A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162252(P2009−162252)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】