説明

商品展示装置

【課題】商品(携帯電話)92を展示するための展示台(制御ユニット)1に、接続体(コネクタボックス)2を介して商品を取外し可能に固定する商品展示装置において、展示台から接続体を取り外す回数を示すカウント表示を行いながらも商品アピールのみを考慮した商品展示を行う。
【解決手段】展示台から接続体が取外される回数をカウントするカウンタ13と、展示台及び接続体とは別に設けられ、カウンタのカウント値を表示する表示装置8と、表示装置に設けられたスイッチ81による指示に基づいて、カウンタから表示装置にカウント値を送信する通信手段とを備える。カウンタのカウント値の表示が展示台、接続体とは別に設けられた表示装置8にて行われるため、展示台には表示装置を設ける必要はなくなり、商品の展示に際し、表示装置の存在を意識することなく、商品のアピールのみを考慮して展示を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機のような製品(以下、商品ともいう)を店頭等で展示する際に使用する商品展示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、盗難防止を図りながら商品展示を行う装置が記載されている。ところで、商品展示装置において、展示商品を客が手に取った回数をカウントし、それを展示台に表示することが行われている。これにより複数の商品中の当該商品への客の関心度合を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−277379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、カウント表示が展示台毎に行われるものであり、しかも店員が表示の確認を行い易くするため、各展示台には比較的大きな表示スペースが必要であり、商品アピールのみを考慮した商品展示ができない。即ち、スマートな商品展示ができない問題がある。
本発明は、このような問題に鑑み、カウント表示は商品展示台とは別の場所で行うことにより、カウント表示を行いながらも商品アピールのみを考慮した商品展示を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1発明は、商品を展示するための展示台に、接続体を介して商品を取外し可能に固定する商品展示装置において、前記展示台から接続体が取外される回数をカウントするカウンタと、前記展示台及び接続体とは別に設けられ、前記カウンタのカウント値を表示する表示装置と、該表示装置に設けられたスイッチによる指示に基づいて、前記カウンタから表示装置にカウント値を送信する通信手段とを備えることを特徴とする商品展示装置である。
第1発明によれば、カウンタのカウント値の表示が展示台、接続体とは別に設けられた表示装置にて行われるため、展示台には表示装置を設ける必要はなくなり、商品の展示に際し、表示装置の存在を意識することなく、商品のアピールのみを考慮して展示を行うことができる。
しかも、展示台に表示装置が備えられる場合には、本来は見て欲しくない客にも表示装置に表示されたカウント値を見られてしまうが、第1発明によれば、その不具合を解消することができる。
さらに、展示台が多数(例えば、40台程度)ある場合には、各展示台に表示装置を設けると、その分コストアップとなるが、第1発明によれば、多数の展示台に対しても表示装置は一つのみで済み、コストを低く抑えることができる。
【0006】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記展示台と接続体との結合体は複数個あり、前記カウンタは各展示台に対応して設けられ、前記表示装置にはメモリを備え、各展示台のカウント値を前記表示装置に表示したとき、前記メモリに各展示台別にカウント値を記録することを特徴とする。
第2発明によれば、カウント値が表示されるのみでなく、表示装置のメモリに各展示台別にカウント値が記録されるため、各展示台のカウント値を比較検討することにより、各展示台毎の商品の魅力度を検討することができる。また、この記録をパソコンによりネットワークに接続すれば、広域での比較検討を容易に行うことができる。
【0007】
本発明の第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記接続体と商品との間にはセンサケーブルが接続され、商品がセンサケーブルから取り外されると、それを検出して警報を発する警報装置を備え、前記表示装置に設けられた前記スイッチのスイッチ操作により、前記警報装置を作動可能な状態と作動停止状態とに切り換える機能と、前記カウンタのカウント値を前記表示装置に表示させる機能とを両立させる識別作動手段を備えることを特徴とする。
第3発明によれば、一つのスイッチ操作でも、警報装置を作動可能な状態と作動停止状態とに切り換える機能と、カウンタのカウント値を表示装置に表示させる機能とを両立させるため、スイッチを多機能化することができ、表示装置のスイッチを一つのみとして表示装置をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態の使用状態における構成説明図である。
【図2】上記第1の実施形態の全体構成説明図である。
【図3】上記第1の実施形態の電気回路ブロック図である。
【図4】上記第1の実施形態のリモコンにおける信号処理のフローチャートである。
【図5】上記第1の実施形態のスイッチ操作識別処理のフローチャートである。
【図6】上記第1の実施形態のカウンタの動作処理のフローチャートである。
【図7】上記第1の実施形態の盗難検出処理のフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態のスイッチ操作識別処理のフローチャートである。
【図9】上記第2の実施形態のカウンタ出力処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、展示用商品として携帯電話を用いた場合について説明しており、図1に示すように、制御ユニット(本発明における展示台)1の上にコネクタボックス(本発明における接続体)2を介して取外し可能に固定された携帯電話92が傾斜台91上に固定されている。傾斜台91は店舗内で客の見やすい位置に携帯電話92を展示するように、高さと傾斜角度を設定している。
図1及び2に示すように、制御ユニット1とコネクタボックス2とは磁力により分離可能に結合され、コネクタボックス2は携帯電話92を固定している。
また、コネクタボックス2と携帯電話92は、両面テープ6によって相互に接着固定されている。携帯電話92には盗難検出用のセンサケーブル3が取り付けられると共に、充電用ケーブル4が充電端子に接続されている。
センサケーブル3の先端には、盗難検出用プローブ32が設けられ、この盗難検出用プローブ32が携帯電話92の一部に接着固定されている。盗難検出用プローブ32は、電気的には図3に示すようにオンオフスイッチであり、盗難検出用プローブ32が携帯電話92から取り外されるとオフとなり、取り付けられるとオンとなるように構成されている。後述するように、携帯電話92から盗難検出用プローブ32が取り外されると、盗難検出用プローブ32はオンからオフとなって、制御回路10中の盗難検出機能により赤色LED(発光ダイオード)17が点灯されると同時にブザー18が作動されて、商品である携帯電話92が盗難されようとしていることが警報される。
センサケーブル3の一端と充電用ケーブル4の一端は、共にコネクタボックス2のコネクタ21〜24に接続されている。
【0010】
コネクタボックス2には、全て同一形状、同一構造のコネクタ21〜24が4個設けられており、各コネクタ21〜24は、大略円筒形を成すコネクタボックス2の環状側壁上に略等間隔に配置されている。各コネクタ21〜24の各端子は、電気的には互いに並列接続されており、各端子からの電気配線はワイヤ5を介して制御ユニット1に接続されている。
制御ユニット1には、制御回路10、充電用電源回路12等が内蔵されており、各回路は、制御ユニット1のコネクタ11、上記ワイヤ5のコネクタ51を介してワイヤ5に接続され、更にコネクタボックス2内で各コネクタ21〜24に接続されている。なお、制御回路10には、カウンタ13、リセットスイッチ14、検出スイッチ15、送受信機16、赤色LED17、ブザー18及び緑色LED19が接続されている。また、制御ユニット1には、図示されていないが、電源線が接続されて外部電源が供給されている。
検出スイッチ15は、制御ユニット1の上部中央に突出して設けられたピンがコネクタボックス2に押圧されているか否かを検出するスイッチであり、制御ユニット1上にコネクタボックス2が取り付けられていると、ピンが押圧されて検出スイッチ15はオフからオンとされる。
送受信機16は、後述の表示装置8の送受信機83との間で通信を行うもので、通信には赤外線が使用されている。また、カウンタ13は、制御ユニット1からコネクタボックス2が取り外された回数をカウントするものである。
【0011】
制御ユニット1は半透明の樹脂カバーで覆われており、赤色LED17或いは緑色LED19が発光されると、その光を外部に透過させる。また、送受信機16と表示装置8の送受信機83との間の赤外線による通信を可能としている。更に、樹脂カバーのブザー18に対応する位置にはブザー作動音を通過させるための孔が開けられている。樹脂カバーの胴部には針先が貫通する程度の小孔(不図示)が設けられ、リセットスイッチ14は小孔に対応して制御ユニット1内に設けられたスイッチで、針先によって任意に操作され、操作によりカウンタ13のカウント値がリセットされる。
【0012】
図2、3に示されるように、表示装置8は、いわゆるリモコンタイプの端末装置であり、制御回路80、操作スイッチ81、表示器82、送受信機83、メモリ84が接続されて成る。操作スイッチ81は、表示装置8の表面上にある操作釦が押圧操作されることによりオフからオンとなるスイッチであり、表示器82は、上記操作釦に並べて表示装置8の表面上に配置されて制御ユニット1のカウンタ13のカウント値を表示する。送受信機83は、制御ユニット1の送受信機16との間で赤外線通信を行うものである。また、メモリ84は、制御ユニット1のカウンタ13のカウント値を展示台別に記憶するものである。
【0013】
図3に示されるように、コネクタボックス2の各コネクタ21〜24には、センサケーブル3のコネクタ31も充電用ケーブル4のコネクタ41も共通に接続可能とされており、各コネクタ21〜24内には、コネクタ31の端子311、312に接続される端子212、213が配置されると共に、コネクタ41の端子411、412に接続される端子241、244が配置されている。
従って、コネクタ21〜24の一つにセンサケーブル3のコネクタ31が接続されれば、コネクタ21〜24内の端子のうち、コネクタ31の端子311、312に対応する端子212、213を通じて制御ユニット1内の制御回路10に盗難検出用プローブ32が接続される。また、充電用ケーブル4のコネクタ41がコネクタ21〜24の一つに接続されれば、コネクタ21〜24内の端子の内、コネクタ41の端子411、412に対応する端子241、244を通じて、制御ユニット1の充電用電源回路12に携帯電話92の電池が接続される。
以上の図3に基づく説明では、センサケーブル3のコネクタ31がコネクタボックス2のコネクタ21に接続され、充電用ケーブル4のコネクタ41がコネクタボックス2のコネクタ24に接続された場合について説明したが、センサケーブル3のコネクタ31や充電用ケーブル4のコネクタ41が、コネクタボックス2のどのコネクタに接続されても同様に機能することができる。
【0014】
このように共通化された複数のコネクタ21〜24がコネクタボックス2上に設けられていることにより、携帯電話92にセンサケーブル3と充電用ケーブル4の両方を取り付け、その取付位置が携帯電話92の種類や機種によって種々変化する場合でも、各ケーブル3、4は複数のコネクタ21〜24の中から最寄りの位置にあるものを選択して使用することができ、複数のケーブル3、4が錯綜することなく、見栄え良く配索することができる。携帯電話92が分割可能なものであり、センサケーブル3が複数本となる場合には、その効果はより顕著である。
また、各コネクタ21〜24には、制御回路10に接続される端子212、213、242、243と、充電用電源に接続される端子211、214、241、244とがそれぞれ設けられているため、各コネクタ21〜24、31、41の端子構造を変更し、各コネクタ21〜24の端子の電気接続を変更するだけの簡単な構成で、コネクタの共通化を図ることができる。
【0015】
図4には表示装置8内の制御回路80における信号処理がフローチャートによって示されている。
プログラムが起動されると、ステップS21では操作スイッチ81のオン操作に応じて送受信機83から赤外線信号が発信される。次のステップS22では、送受信機83において制御ユニット1の送受信機16から赤外線信号が受信されているか否かが判定される。後述のように送受信機83からの赤外線信号に応じて送受信機16からカウンタ13のカウント値を表す赤外線信号が送信され、送受信機83においてその信号を受信していれば、ステップS22は肯定判断され、ステップS23において表示器82にカウント値が表示される。後述のように送受信機16からカウンタ13のカウント値を表す赤外線信号が送信されず、ステップS22が否定判断されれば、送受信機16から送受信機83に赤外線信号が送信されるのを待つ。
ステップS23にて表示器82にカウント値が表示されたとき、同時にメモリ84に制御ユニット1を特定する信号と共にカウント値が記憶される。
このように表示装置8にカウント値が表示されるのみでなく、メモリ84に各制御ユニット1別にカウント値が記録されるため、各制御ユニット1のカウント値を比較検討することができ、それにより各制御ユニット1毎の携帯電話92の魅力度を検討することができる。
本実施形態では、通信手段として赤外線通信を採用したため、他の電波の影響を受けることなく安定した通信を行うことができる。また、赤外線通信は、他の通信手段に比べて指向性が強くないため、送受信機を互いに接近させるのみで方向性は意識することなく通信が可能となり、使い易いというメリットもある。
【0016】
図5には制御ユニット1内の制御回路10におけるスイッチ操作識別処理がフローチャートによって示されている。
プログラムが起動されると、ステップS31において送受信機16に赤外線信号が受信されたか否かが判定される。赤外線信号が受信され、ステップS31が肯定判断されると、ステップS32においてセキュリティON状態にあるか否かが判定される。即ち、後述のように盗難検出用プローブ32が携帯電話92から取り外されたか否かを監視して取り外されたときには警報を発する状態にあるかが判定される。このときセキュリティON状態になければ、ステップS32は否定判断され、ステップS33においてセキュリティON状態とされる。
このとき既にセキュリティON状態となっていてステップS32が肯定判断されれば、ステップS34においてブザー18がOFF状態か否かが判定される。後述のようにブザー18は盗難検出用プローブ32が携帯電話92から取り外されて警報を発するときに作動(ON)されるが、それ以外のときは非作動(OFF)とされており、ステップS34は肯定判断され、ステップS35においてカウンタ13のカウント値が出力される。この出力は送受信機16を介して送受信機83に赤外線信号によって送信され、表示装置8の表示器82にカウンタ13のカウント値が表示される。
このようにカウンタ13のカウント値の表示が展示台である制御ユニット1、接続体であるコネクタボックス2とは別に設けられた表示装置8にて行われるため、制御ユニット1には表示器を設ける必要はなくなり、携帯電話92の展示に際し、表示器の存在を意識することなく、携帯電話92の商品アピールのみを考慮して展示を行うことができる。
しかも、制御ユニット1に表示器が備えられる場合には、本来は見て欲しくない客にも表示器に表示されたカウント値を見られてしまうが、第1の実施形態によれば、その不具合を解消することができる。
さらに、制御ユニット1が多数(例えば、40台程度)ある場合には、各制御ユニット1に表示器を設けると、その分コストアップとなるが、第1の実施形態によれば、多数の制御ユニット1に対しても表示器は一つのみで済み、コストを低く抑えることができる。
【0017】
一方、ブザー18が作動(ON)状態にあってステップS34が否定判断されると、ステップS36においてブザー18が非作動(OFF)とされると共に、ステップS37においてセキュリティON状態が解除されてOFF状態とされる。
このように操作スイッチ81が操作されて、送受信機83から赤外線信号が送信されると、このときセキュリティON状態にあるか否かにより、またブザー18がOFF状態にあるか否かにより、セキュリティON状態になければセキュリティON状態とされ、セキュリティON状態で、ブザー18が作動されていなければカウンタ13のカウント値が表示器82に送信されて表示され、ブザー18が作動されているときならば、ブザー18の作動が停止され、セキュリティOFF状態とされる。
従って、一つのスイッチ操作でも、警報(セキュリティ)装置を作動可能なON状態と作動停止(OFF)状態とに切り換える機能と、カウンタ13のカウント値を表示装置8の表示器82に表示させる機能とを両立させるため、操作スイッチ81を多機能化することができ、表示装置8の操作スイッチ81を一つのみとして表示装置8をコンパクトにすることができる。
【0018】
図6には制御ユニット1内の制御回路10におけるカウンタの動作処理がフローチャートによって示されている。
プログラムが起動されると、ステップS41においてリセットスイッチ14が操作されてカウンタ13に対するカウント値のリセット信号が発生されたか否かが判定される。リセット信号が発せられて、ステップS41が肯定判断されると、カウンタ13のカウント値がリセットされて初期化される。
一方、リセット信号が発せられていなければ、ステップS41は否定判断され、次のステップS43においてセキュリティON状態か否かが判定される。このときセキュリティON状態でなければ、ステップS43は否定判断され、セキュリティON状態となるのを待ち、セキュリティON状態になると、ステップS43は肯定判断され、ステップS44において制御ユニット1とコネクタボックス2が結合状態にあるか否かが判定される。このとき制御ユニット1とコネクタボックス2が結合状態にあってステップS44が肯定判断されると、ステップS45において緑色LED19が消灯される。一方、制御ユニット1とコネクタボックス2が結合状態になく、ステップS44が否定判断されると、ステップS46において制御ユニット1のカウンタ13がインクリメントされる。次のステップS47では、1秒間の遅延動作が行われる。これは制御ユニット1とコネクタボックス2が結合状態を検出する検出スイッチ15のチャタリングによってカウンタ13が誤動作することを防止している。ステップS47における1秒間が経過してステップS48に進むと、ここでは緑色LED19が点灯される。緑色LED19の点灯により制御ユニット1とコネクタボックス2が結合状態にないこと、つまり携帯電話92が展示台である制御ユニット1から持ち上げられていることが表示される。
その後、ステップS49では、再び制御ユニット1とコネクタボックス2が結合状態にあるか否かが判定される。このとき制御ユニット1とコネクタボックス2が結合状態になく、ステップS49が否定判断されると、再度ステップS48に戻り、緑色LED19の点灯が継続される。制御ユニット1とコネクタボックス2が結合状態に戻されて、ステップS49が肯定判断されると、再度ステップS43に戻って上述の処理を繰り返すことになる。
【0019】
図7には制御ユニット1内の制御回路10における盗難検出処理がフローチャートによって示されている。
プログラムが起動されると、ステップS1では赤色LEDが点灯される。この点灯により商品展示をしている店員は、盗難検出回路が検出可能状態にないことを知ることができる。ステップS2では、検出開始操作が行われたか否かが判定される。検出開始操作は、図2に示す表示装置8のスイッチ操作によって行われる。スイッチ操作が行われるまではステップS2が否定判断されて、ステップS1により赤色LEDの点灯が継続されるが、スイッチ操作が行われてステップS2が肯定判断されると、ステップS3において、赤色LEDは消灯され、盗難検出回路が検出可能状態となったことが表示される。
次のステップS4では、盗難検出用プローブ32の状態が確認される。即ち、盗難検出用プローブ32がオン状態かオフ状態かが確認される。次のステップS5では、ステップS4で確認された盗難検出用プローブ32の状態が記録される。
ステップS6では、ステップS4と同様に現在の盗難検出用プローブ32の状態が検出され、ステップS7ではステップS5で記録された盗難検出用プローブ32の状態とステップS6で検出された盗難検出用プローブ32の状態とが比較される。この比較の結果、両者が不一致か否かがステップS8にて判定され、両者が一致していればステップS8は否定判断されて、ステップS6とステップS7の処理を繰り返す。両者が不一致となってステップS8が肯定判断されると、ステップS9において赤色LEDが点灯されると共にブザーが作動される。当初、記録された盗難検出用プローブ32の状態に対して、現在の盗難検出用プローブ32の状態が不一致となったということは、携帯電話92に固定されていた盗難検出用プローブ32が取り外されたか、取り外されていた盗難検出用プローブ32が携帯電話92に固定されたことを意味するため、警報を発して、携帯電話92が盗難されようとしていることを警報する。
ステップS10では、解除信号を受信したか否かが判定される。解除信号は上述の表示装置8のスイッチ操作により発せられ、解除信号が受信されていない間は、ステップS10は否定判断され、ステップS9において警報が発せられ続ける。解除信号が受信され、ステップS10が肯定判断されると、ステップS11において赤色LEDが消灯されると共に、ブザーの作動が停止されて、警報が停止される。
以上のようにして盗難検出が行われる。
【0020】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態における表示装置8の操作スイッチ81を一つのみでなく、二つにした場合を示す。
第1の実施形態の場合、表示装置8の操作スイッチ81は、多機能スイッチとしてセキュリティON状態とするか否かを切り換える第1の機能と、カウンタ13のカウント値を表示器82に表示させる第2の機能とを備えていた。第2の実施形態では、各機能毎に独立した操作スイッチ(不図示)を設けている。
図8には、図5と同様のフローチャートが示されているが、ここでは第1の機能のみを実現している。
ステップS31においては、第1の機能の操作スイッチが操作され、送受信機16に赤外線信号が受信されたか否かが判定される。赤外線信号が受信され、ステップS31が肯定判断されると、ステップS32においてセキュリティON状態にあるか否かが判定される。このときセキュリティON状態になければ、ステップS32は否定判断され、ステップS33においてセキュリティON状態とされる。このとき既にセキュリティON状態となっていてステップS32が肯定判断されれば、ステップS36においてブザー18が非作動(OFF)とされると共に、ステップS37においてセキュリティON状態が解除されてOFF状態とされる。
図9には、第2の機能を実現するためのフローチャートが示されている。
プログラムが起動されると、ステップS51において第2の機能の操作スイッチが操作され、送受信機16に赤外線信号が受信されたか否かが判定される。赤外線信号が受信され、ステップS51が肯定判断されると、ステップS52においてカウンタ13のカウント値が出力される。この出力は送受信機16を介して送受信機83に赤外線信号によって送信され、表示装置8の表示器82にカウンタ13のカウント値が表示される。表示器82へのカウント値の表示は、図4のフローチャートにて説明した処理プログラムによって行われる。
このように、表示装置8の操作スイッチは、第1の機能を実現するためのものと、第2の機能を実現するためのものとを、それぞれ設けてシステムを構成することもできる。
【0021】
以上の第1の実施形態及び第2の実施形態において、送受信機16、送受信機83、図5のステップS31、35の処理、及び図9のステップS51、52の処理は、本発明の通信手段に相当し、赤色LED17及びブザー18は、本発明の警報装置に相当し、図5のステップS31〜37の処理は、本発明の識別作動手段に相当する。
【0022】
本発明は、上記実施形態で説明した外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、
1.上述の実施形態では、通信手段として赤外線通信の例を説明したが、他の光、電波、音波を使った通信手段としても良い。
2.展示用商品については、上記実施形態では携帯電話の場合を例示したが、デジタルカメラ、ゲーム機などでも良いことは勿論である。
【符号の説明】
【0023】
1 制御ユニット(展示台)
10 制御回路
13 カウンタ
14 リセットスイッチ
15 検出スイッチ
16 送受信機
17 赤色LED
18 ブザー
19 緑色LED
2 コネクタボックス(接続体)
3 センサケーブル
32 盗難検出用プローブ
4 充電用ケーブル
5 ワイヤ
6 両面テープ
8 表示装置
80 制御回路
81 操作スイッチ(スイッチ)
82 表示器
83 送受信機
84 メモリ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を展示するための展示台に、接続体を介して商品を取外し可能に固定する商品展示装置において、
前記展示台から接続体が取外される回数をカウントするカウンタと、
前記展示台及び接続体とは別に設けられ、前記カウンタのカウント値を表示する表示装置と、
該表示装置に設けられたスイッチによる指示に基づいて、前記カウンタから表示装置にカウント値を送信する通信手段とを備えることを特徴とする商品展示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−9777(P2013−9777A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143692(P2011−143692)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(592076571)株式会社ヤガミ (2)
【出願人】(591260166)太陽パーツ株式会社 (18)