説明

商品情報処理装置、商品情報処理システムおよびプログラム

【課題】商品情報処理装置において、商品特定情報の入力作業の速さについての情報を知らせることができるようにする。
【解決手段】実施形態の商品情報処理装置は、入力手段と、生成手段と、報知手段と、を備える。前記入力手段は、商品を特定する商品特定情報を使用者の入力作業によって入力する。前記生成手段は、前記入力作業に掛かる時間を計測し、計測した前記時間を用いて前記入力作業の速さを示す速さ情報を生成する。前記報知手段は、前記速さ情報を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品情報処理装置、商品情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品情報処理装置として、客自身が使用者となり、購入する商品を特定するための商品特定情報の入力作業および会計作業を行うセルフチェックアウト端末がある。
【0003】
このようなセルフチェックアウト端末での商品特定情報の入力作業は、例えばセルフチェックアウト端末に設けられたバーコードスキャナでのスキャン作業である。スキャン作業では、使用者は、バーコードスキャナに対して商品に付されたバーコードをかざして、バーコードをバーコードスキャナに読み取らせる。この入力作業より、セルフチェックアウト端末が、バーコードに含まれる商品特定情報を認識する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなセルフチェックアウト端末において、商品特定情報の入力作業の速さについての情報を知りたいという要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の商品情報処理装置は、入力手段と、生成手段と、報知手段と、を備える。前記入力手段は、商品を特定する商品特定情報を使用者の入力作業によって入力する。前記生成手段は、前記入力作業に掛かる時間を計測し、計測した前記時間を用いて前記入力作業の速さを示す速さ情報を生成する。前記報知手段は、前記速さ情報を報知する。
【0006】
実施形態の商品情報処理システムは、前記入力手段を備えた商品情報処理装置と、サーバと、前記生成手段と、前記報知手段と、を備え、前記生成手段と前記報知手段との少なくとも一つを前記サーバが備える。前記サーバは、前記商品情報処理装置と通信ネットワークを介して接続されている。
【0007】
実施形態のプログラムは、商品情報処理装置のコンピュータを、前記生成手段と、前記報知手段と、として機能させる。前記商品情報処理装置は、前記入力手段を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかる店舗システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかるセルフチェックアウト端末を示す斜視図である。
【図3】図3は、第1の実施形態にかかるLCDの画面に表示された第1の画面を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかる保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、第1の実施形態にかかる決済端末の電装系を示すブロック図である。
【図6】図6は、第1の実施形態にかかるセルフチェックアウト端末における商品販売登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、第1の実施形態にかかるLCDに表示される第2の画面を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施形態にかかる商品情報処理システムの構成を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明は省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
まずは、第1の実施形態を図1ないし図7を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態にかかる店舗システムの構成を示すシステム構成図である。本実施形態の店舗システム1は、ポイントサービス制度を実施している店舗に導入される。ポイントサービス制度は、会員として契約した客に対して、会員番号(客識別情報)を磁気テープ等の記録部に記録したポイントカード(記録媒体)を発行し、客の買上額に応じた所定のサービスポイント(以下、ポイントという)を、客に与えるようにしたものである。
【0012】
店舗システム1は、複数のセルフチェックアウトシステム11と、複数台のPOS(Point Of Sales)端末21と、ストアコントローラ31とが通信ネットワーク41を介して接続されて構築されている。セルフチェックアウトシステム11は、複数台のセルフチェックアウト端末101に一台のアテンダント端末501が割り当てられて構成されている。セルフチェックアウト端末101は、客が購入する商品に貼付されたバーコードから商品情報としての商品コードを読み取り、読み取った商品情報が示す商品の登録等を行うための端末であり、商品情報処理装置に相当する。
【0013】
図2は、本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末101は、決済端末201と秤装置301とから構成されている。
【0014】
決済端末201は、登録対象の商品を入れた籠(図示せず)を載置するための商品籠載置台102が脇から突出したハウジング202を有している。
【0015】
決済端末201のハウジング202は、床面に設置されるベースハウジング202aと、このベースハウジング202aの上面に載置される上部ハウジング202bとによって構成されている。ベースハウジング202aの前面は、下方に向かうほどベースハウジング202aの投影面積を狭めるように傾斜している。これにより、ベースハウジング202aは、下方に向かうほど奥行きが短い形状となっている。
【0016】
上部ハウジング202bには、商品籠載置台102側にバーコードスキャナ203が配置され、商品籠載置台102の反対側にプリンタカバー204が配置されている。バーコードスキャナ203とプリンタカバー204との間にはカード挿入口212が配置されている。
【0017】
バーコードスキャナ203は、ガラス板で形成されている読取面203aを有し、この読取面203aの前面に位置する読取空間に所定パターンのレーザ光パターンを照射する縦型スキャナである。バーコードスキャナ203は、読取空間に物品が位置づけられてその物品に付されたバーコードが読取面203aに向けられると、バーコードからの反射光を受光素子(図示しない)で受光する。そして、バーコードスキャナ203は、受光素子の出力信号に基づくバーコードの受光信号をデコードし、そのバーコードが示している商品コードなどの商品情報をコードデータとして取得し、決済端末201の制御部253(図5参照)に入力する。このバーコードスキャナ203は、商品を特定する商品特定情報を使用者の入力作業によって入力する入力部に相当する。このバーコードスキャナ203に対して、使用者は、入力作業として、商品に付されたバーコードを読取面203aにかざして、そのバーコードを読み取らせる作業を行う。
【0018】
プリンタカバー204には、レシート発行口208が設けられている。プリンタカバー204の奥側にはレシートプリンタ251(図5参照)が内蔵され、このレシートプリンタ251によって印字される図示しないレシートは、レシート発行口208から発行されるように構成されている。プリンタカバー204は、上部ハウジング202bに対して開閉自在に取り付けられている。
【0019】
カード挿入口212の内部には、磁気カードに対するデータの読み書きを可能とする磁気カードリーダライタであるカードリーダライタ252(図5参照)が内蔵されている。カード挿入口212には、磁気カードとしてポイントカードやクレジットカードが挿入可能である。ここで、ポイントカードは、ポイントカードの所有会員の会員情報を記憶している。会員情報は、会員の会員番号や性別、ポイント数、速さレベル等を含む。
【0020】
上部ハウジング202bには、登録された商品の商品名や価格、画像等の商品情報を買物客に表示する表示器としてのLCD(Liquid Crystal Display)210が取り付けられている。このLCD210の画面には、LCD210の画面に表示された各種のボタンをタッチ指定するタッチパネル211が積層配置されている。ここで、LCD210は、例えば、図3に例示するような第1の画面210aを表示する。第1の画面210aには、入力作業の速さの測定の要否を問うメッセージ(図面では「入力作業の速さを計測しますか?」)と、入力作業の速さの計測を指示するための「はい」ボタン210bと、入力作業の速さを計測しないことを指示するための「いいえ」ボタン210cが表示されている。タッチパネル211は、LCD210に表示されたボタンを、使用者によるタッチ操作を受けてタッチ指定する。本実施形態では、LCD210は、報知器として機能する。
【0021】
ベースハウジング202aには、硬貨および紙幣の入出金を行う入出金装置221(図5参照)が内蔵されている。入出金装置221の一部として、ベースハウジング202aの中央上面には、硬貨投入口213が配置され、当該硬貨投入口213の左側には、硬貨払出口214が配置されている。また、硬貨投入口213の右側には、紙幣投入口215と、紙幣払出口216とが配置されている。このような入出金装置221は、硬貨及び紙幣の取扱いを可能にする機構部とこの機構部を制御する制御部とを有している(いずれも図示せず)。このような機構部の構造及び制御部での処理手順等については、その内容が周知なので、説明を省略する。
【0022】
さらに、ベースハウジング202aの背部には、表示ポール217が立設されている。この表示ポール217は、先端部に青色と黄色と赤色とに選択的に発光する発光部218を有する。発光部218は、例えば、電球やLED(Light Emitting Diode)などによって構成されている。
【0023】
次に、図2および図4を用いて、秤装置301について説明する。図4は、本実施形態にかかる保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。秤装置301は、秤ハウジング302の上部に秤皿303が設けられ、この秤皿303には、商品情報を入力した商品を収納する収納部材としてのレジ袋401を保持する袋保持具304が取り付けられて構成されている。秤装置301は、レジ袋401に収納されて秤皿303上に置かれた商品の荷重を計量する計量部である。秤皿303は、その上面に載置台303aを有する。袋保持具304は載置台303aに取り付けられている。したがって、袋保持具304からすると、秤皿303は台座を構成する。つまり、載置台303aの後方中央部にはポール形状のアーム支持部305が立設され、このアーム支持部305の上端には品物を載置するための一時置き台306が固定されている。一時置き台306は、上面が平坦面となっており、決済端末201のバーコードスキャナ203でコードシンボルをスキャンした後の商品を一時的に置く用途で用いられる台である。載置台303a及び一時置き台306は、共に、商品コードが入力された商品を載置するための載置部としての役割を担っている。
【0024】
このような一時置き台306の下面には、一対の保持アーム307とフック308が取り付けられている。つまり、一時置き台306の下面両端位置には、アーム取付具309(図4参照)が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、それらのアーム取付具309のそれぞれには、保持アーム307が埋設されている。また、一時置き台306の下面中央位置には、フック取付具310(図4参照)が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、フック取付具310には、フック308が埋設されている。
【0025】
保持アーム307は、開口部402とこの開口部402から突出する一対の把手403とを有してこれらの把手403が両側に位置付けられるように折り畳まれたレジ袋401を保持するために、一対の把手403を串刺し状態で保持する。このような保持状態を実現するために、把手403にはスリット404が形成されている。また、レジ袋401には、一対の把手403の間に位置させてミシン目405で脱落可能な一対の耳部406が形成されており、これらの耳部406には引掛け穴407が形成されている。フック308は、引掛け穴407を挿通し、これによってレジ袋401を保持アーム307と共に保持する。
【0026】
ここで、セルフチェックアウト端末101の使用方法を説明する。使用者は、会計前の商品を入れた籠を商品籠載置台102に置き、レジ袋401を開口状態で袋保持具304に支持させる。そして、使用者は、セルフチェックアウト端末101の手前側に立って、LCD210に表示された第1の画面210a中の「はい」ボタン210bまたは「いいえ」ボタン210cをタッチ操作する。その後、使用者は、籠の中の商品を手で取り出し、取り出した商品をバーコードスキャナ203の読取面203aにかざして、商品に付されたバーコードをバーコードスキャナ203に読み取らせる。そして、使用者は、バーコードスキャナ203によってバーコードの読み取りがなされた商品を、レジ袋401に詰める。使用者は、上記の作業を購入する商品毎に行う。
【0027】
図5は、本実施形態にかかる決済端末の電気系を示すブロック図である。決済端末201は、内部に情報処理部としての制御部253を有する。制御部253は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、RAM(Random Access Memory)254等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであってもよい。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部253を紹介する。
【0028】
制御部253の中核をなすのはCPU(Central Processing Unit)255である。CPU255には、固定データを固定的に記憶するROM(Read Only Memory)256と、同一取引処理内において登録された商品の商品情報などの可変データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)254と、LCD210に表示する表示画像を生成するVRAM(Video Random Access Memory)257と、HDD(Hard Disk Drive)258とがシステムバス259を介して接続されている。
【0029】
制御部253には、システムバス259を介して、バーコードスキャナ203、LCD210、タッチパネル211、カードリーダライタ252、レシートプリンタ251、発光部218、およびインターフェース260が接続され、これらの各部を制御部253が制御する。インターフェース260は、入出金装置221との間でのデータ通信を媒介する。また、制御部253にはシステムバス259を介して通信インターフェース261も接続されている。通信インターフェース261は、通信ネットワーク41に接続され、アテンダント端末501及びストアコントローラ31とセルフチェックアウト端末101との間のデータ通信を実現させる。なお、制御部253には、図示はしないが、システムバス259を介して、秤装置301との間のデータ通信を実現させるインターフェースも接続されている。
【0030】
HDD258は、制御部253を動作させるプログラムの他に、商品マスタファイル、販売データ等を記憶する売上ファイル等を格納している。商品マスタファイルは、商品名、商品の重量、商品の画像データ等を、商品コードに対応付けて記憶するものである。
【0031】
次に、本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末101の決済端末201が有する機能について説明する。CPU255は、RAM254に展開されたHDD258が記憶するプログラムに従って動作することで、図5に示すように、受付部600、生成部601、報知部602、登録部603、決済部604、および特典付与部605として機能する。
【0032】
受付部600は、一取引において、登録する商品の指定を受け付ける。詳細には、受付部600は、バーコードを読み取ったバーコードスキャナ203から商品コードが入力されることで、商品の指定を受け付ける。商品コードは、バーコードスキャナ203を用いた使用者による商品コードの入力作業(以後、商品コード入力作業ともいう)によって、バーコードスキャナ203から入力される。
【0033】
また、受付部600は、商品コード入力作業の速さに影響を与える要件を示す要件情報を受け付ける。商品コード入力作業に影響を与える要件は、例えば、商品の種類、使用者の年齢や性別などである。そして、商品コード入力作業の速さに影響を与える要件に対しては、その要件に応じた規定の影響度が設定されている。影響度は、例えば数字で設定されており、数字が大きいほど、商品コード入力作業の速さに影響を与える度合いが大きい。以下に具体的な例を説明する。
【0034】
商品のうち、米などの重量が比較的に重い商品や、複数のトイレットペーパが詰められた商品などの大きさが比較的に大きい商品は、重量が比較的に軽い商品や大きさが比較的に小さい商品に比べて、商品コード入力作業が遅くなる傾向がある。したがって、このように、重量が比較的に重い商品や大きさが比較的に大きい商品に対しては、影響度として、「1」が設定されている。そして、重量が比較的に重い商品や、大きさが比較的に大きい商品以外の商品に対しては、影響度として、「0」が設定されている。これらの設定は、本実施形態では、商品マスタファイルに記憶されている。
【0035】
また、使用者の性別が男よりも女の方が比較的に商品コード入力作業の速さが速いという調査結果等がある場合、性別が「男」の使用者には、影響度として「1」が設定され、性別が女の使用者には、影響度として「0」が設定される。これらの設定は、例えばプログラムに含まれていてもよいし、テーブル等によって設定されていてもよい。
【0036】
また、使用者の年代別で、商品コード入力作業の速さが異なるという調査結果等がある場合、その調査結果等に応じて、年代別に影響度が設定される。例えば、使用者が規定の年齢(例えば、70歳)以上の場合には、影響度として、「1」が設定され、その規定の年齢未満の場合には、影響度として、「0」が設定される。これらの設定は、例えばプログラムに含まれていてもよいし、テーブルによって設定されていてもよい。
【0037】
生成部601は、商品コード入力作業に掛かる時間を計測し、計測したその時間を用いて入力作業の速さを示す速さ情報を生成する。速さ情報は、商品コード入力作業の速さのレベルを含む。生成部601は、受付部600が受け付けた要件情報を用いて、商品コード入力作業の速さのレベルを決定する。本実施形態では、速さレベルとして、初級、中級、上級が設定されている。
【0038】
報知部602は、生成部601が生成した速さ情報を報知する。詳細には、報知部602は、報知器としてのLCD210に速さ情報を表示して報知する。
【0039】
登録部603は、バーコードスキャナ203から入力された商品コードをRAM254に格納して、当該バーコードスキャナ203から入力された商品コードが示す商品販売登録処理を行う。
【0040】
決済部604は、LCD210に表示された会計ボタン(図示せず)がタッチパネル211によってタッチ指定された場合に、RAM254に格納された商品情報が示す商品の決済処理を実行する。
【0041】
特典付与部605は、商品コード入力作業の速さに応じて設定された特典を使用者に付与する。本実施形態では、使用者が会員の場合に、速さレベルが高いほどポイント数が多いポイントを付与するようになっている。なお、特典は、ポイントに限るものではなく、例えば、商品券等であってもよい。
【0042】
次に、本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末101における商品販売登録処理の流れについて説明する。なお、ここでは、使用者としての買い物客がポイント会員である例について説明する。なお、買い物客は、会員に限ることなく、非会員であってもよい。
【0043】
図6は、本実施形態にかかるセルフチェックアウト端末における商品販売登録処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、CPU255は、ポイントカードに記憶された会員情報を読み取ったカードリーダライタ252から、その読み取った会員情報を受信して当該会員情報を認識し、RAM254に記憶させる(ステップS1)。この会員情報には、会員の会員番号や性別、現在のポイント数、速さレベル等が含まれている。
【0044】
CPU255は、会員情報に含まれる速さレベルを表示する(ステップS2)。詳細には、CPU255は、速さレベルに応じた色を表示ポール217に発光させる。CPU255は、速さレベルが初級、中級、上級の場合に応じて、表示ポール217に、赤色、黄色、青色を発光させる。つまり、本実施形態では、表示ポール217が赤色を発光している場合、当該セルフチェックアウト端末101を操作している使用者の商品コード入力作業の速さレベルが、初級であることを示し、表示ポール217が黄色を発光している場合、当該使用者の商品コード入力作業の速さレベルが、中級であることを示し、表示ポール217が青色を発光している場合、当該使用者の商品コード入力作業の速さレベルが、上級であることを示す。なお、この際、CPU255は、LCD210にも、速さレベルを文字情報等で表示させるようにしてもよい。
【0045】
次に、CPU255は、生成部601として機能して、LCD210に、第1の画面210a(図3参照)を表示させる。CPU255は、第1の画面210aの「はい」ボタン210bがタッチパネル211によってタッチ指定されると、商品コード入力作業の速さを計測すると判断し(ステップS3のYes)、商品コード入力作業の速さの計測を開始する(ステップS4)。具体的には、CPU255は、計時部262に計時を開始させる。その後、CPU255は、ステップS5に進む。一方、CPU255は、第1の画面210aの「いいえ」ボタン210cがタッチパネル211によってタッチ指定されると、商品コード入力作業の速さは計測しないと判断し(ステップS3のNo)、商品コード入力作業の速さの計測を開始せずに、ステップS5に進む。
【0046】
ステップS5では、CPU255は、商品が指定されるのを待つ(ステップS5のNo)。CPU255は、バーコードスキャナ203等によって商品コードが入力されることで商品の指定があった場合(ステップS5のYes)、現在、商品コード入力作業の速さを計測中であるならば(ステップS6のYes)、計時部262を用いて計測した商品コードの入力に掛かった時間(以後、入力時間ともいう)をRAM254に記憶させる(ステップS7)。詳細には、CPU255は、第1回目の商品コードの入力の場合、第1の画面210aの「はい」ボタン210bがタッチパネル211によってタッチ指定された時点から、バーコードスキャナ203によって商品コードが入力された時点までの間隔を、計時部262を用いて計測して、計測結果を商品コードの入力時間としてRAM254に記憶させる。一方、第2回目以降の商品コードの入力の場合、CPU255は、前回の商品コードの入力の時点から今回の商品コードの入力の時点までの間隔を計時部262を用いて計測して、計測結果を商品コードの入力時間としてRAM254に記憶させる。この際、CPU255は、入力された商品コードが示す商品の影響度を商品マスタファイルから読み出して、読み出した影響度を、その商品コードの入力時間に対応付けてRAM254に記憶させる。なお、商品コードの入力は、タッチパネル211を介して手入力にてなされてもよい。
【0047】
次に、CPU255は、登録部603として機能して、商品マスタファイルから、入力された商品コードの商品の重量を読み出し、読み出した商品の重量と秤装置301により計量された商品の重量とが一致するか否かを判断する(ステップS8)。そして、計算した商品の重量と秤装置301により計量された商品の重量とが一致しなかった場合(ステップS8のNo)、CPU255は、LCD210に、秤装置301への商品の載置を促すメッセージを表示させる(ステップS9)。なお、読み出した商品の重量と秤装置301により計量された商品の重量とが一致するかの判断を所定回数行っても、それらの重量が一致しない場合には、LCD210にエラーメッセージを表示した後、当該商品コードの入力をエラーとして処理してもよい。
【0048】
一方、登録部603としてのCPU255は、商品マスタファイルから読み出した重量と秤装置301により計量された商品の重量とが一致した場合(ステップS8のYes)、商品コードが入力された商品の販売登録処理を行う(ステップS10)。詳細には、CPU255は、商品コードが入力された商品の商品情報を、商品マスタファイルから読み出す。この商品情報には、商品名や単価などが含まれる。そして、CPU255は、読み出した商品情報を用いて当該商品の販売データを作成してこの販売データをRAM254に記憶させることで、当該商品の販売登録を行う。販売データには、商品名や単価が含まれる。また、CPU255は、商品情報のうち単価等をLCD210に表示させる。さらに、CPU255は、ここまで販売登録した商品の合計金額を算出して、RAM254に記憶させるとともに、LCD210に表示させる。同時に、CPU255は、LCD210に決済ボタン(図示せず)を表示させる。
【0049】
そして、CPU255は、決済の指示がなく(ステップS11のNo)、商品コードの入力により商品の指定が再び有ったならば(ステップS5のYes)、ステップS6〜S10の処理を繰り返し行う。なお、決済の指示は、LCD210に表示された決済ボタンに対するタッチパネル211のタッチ指定によって行われる。
【0050】
CPU255は、LCD210に表示させた決済ボタンがタッチパネル211によってタッチ指定されることで決済の指示があった場合(ステップS11のYes)、決済部604として動作して、決済処理を行う(ステップS12)。決済処理では、CPU255は、例えば、客による入金を受けた入出金装置221から入金額(預かり金額)を受信し、その入金額がステップS10で算出した商品の合計金額以上である場合には、釣り銭金額を算出し、商品の合計金額、預かり金額および釣り銭金額を販売データに含ませて販売データを更新する。この際、釣銭金がある場合、CPU255は、釣銭金額分の釣銭の出金を指示する出金指示を入出金装置221に送信する。また、この際、CPU255は、預かり金額および釣り銭金額をLCD210に表示させるとともに、レシートプリンタ251に当該取引のレシートを印字発行させる。なお、ここでは、現金による決済の例を説明したが、これに限るものではなく、決済は、電子マネーやクレジットカードによる決済であってもよい。この場合には、CPU255は、カードリーダライタ252を用いて決済処理を行う。
【0051】
次に、CPU255は、特典付与部605として機能し、取引に応じたポイントを会員に付与する処理を行う(ステップS13〜S21)。詳細には、CPU255は、ポイントカードに既に記憶されているポイントに、取引に応じたポイントを、カードリーダライタ252を用いて加算する。この付与するポイント数は、商品コード入力作業の速さの計測をしていない場合(ステップS13のNo)と、商品コード入力作業の速さの計測をしている場合(ステップS13のYes)とで異なる。
【0052】
CPU255は、当該取引において、商品コード入力作業の速さの計測を行っていない場合(ステップS13のNo)、会員に通常ポイントを付与する(ステップS21)。通常ポイントは、販売商品の合計金額に応じて付与されるものであり、販売商品の合計金額が高くなるほど付与数が多くなるポイントである。
【0053】
一方、CPU255は、生成部601として機能して、当該取引において商品コード入力作業の速さの計測を行っている場合(ステップS13のYes)、商品コード入力作業の速さを求めて、速さレベルを決定する(ステップS14)。
【0054】
商品コード入力作業の速さは、各回の商品コードの入力時間の合計値を商品コードの入力回数で割ることで求める。この際、各回の商品コードの入力時間に対して影響度を反映させる。詳細には、計測した時間をT1、影響度の合計値をX、影響度を反映したコード入力時間をT2とすると、T2=T1×((10−X)/10)と設定されている。例えば、商品が米で商品の影響度が「1」、性別が男で性別の影響度が「1」、年齢が40で年齢の影響度が「0」の場合では、影響度の合計値は「2」となる。したがって、T2=T1×0.8となる。この商品コードの入力時間T2の合計値を商品コードの入力回数で割ることで、商品コード入力作業の速さとして、速さの数値(例えば5秒/回)が求まる。即ち、本実施形態では、商品コードの入力作業の速さの数値は、各回の商品コードの入力作業の平均値である。なお、本実施形態では、Xが10未満となるように影響度が設定されている。
【0055】
上述した通り、本実施形態では、速さレベルとして、初級レベル、中級レベル、上級レベルが設定されている。各レベルは、それぞれある範囲の商品コード入力作業の速さに対応して設定されている。初級レベルは、第1の速さよりも遅い範囲、中級レベルは、第1の速さ以上で第2の速さよりも遅い範囲、上級レベルは、第2の速さよりも速い範囲となっている。CPU255は、求めた商品コード入力作業速さが、どの速さレベルに属するものかを判定し、商品コード入力作業の速さが属する速さレベルを、使用者の速さレベルとして決定する。本実施形態では、上述した商品コードの入力作業の速さの数値と速さレベルとが、商品コード入力作業の速さを示す速さ情報に含まれる。この際、CPU255は、決定した速さレベルを、カードリーダライタ252によってポイントカードに記憶させ、ポイントカードに記憶された速さレベルを更新する。
【0056】
そして、CPU255は、速さ情報210eを表示した第2の画面210d(図7参照)をLCD210に表示させる(ステップS15)。図7では、速さ情報210eとしての速さレベルを表示した例を示しているが、表示する速さ情報としては、速さの数値であってもよいし、速さレベルと速さの数値との両方であってもよい。
【0057】
次に、CPU255は、速さレベルが初級である場合(ステップS16のYes)、通常ポイントに加えて、ボーナスポイントとして初級ポイントを使用者に付与する(ステップS17)。初級ポイントは、規定の数量のポイントである。CPU255は、速さレベルが中級である場合(ステップS16のNo、ステップS18のYes)、通常ポイントに加えて、ボーナスポイントとして中級ポイントを使用者に付与する(ステップS19)。中級ポイントは、初級ポイントよりも数量の多いポイントである。CPU255は、速さレベルが上級である場合(ステップS16のNo、ステップS18のNo)、通常ポイントに加えて、ボーナスポイントとして上級ポイントを使用者に付与する(ステップS20)。上級ポイントは、中級ポイントよりも数量の多いポイントである。これらの各ポイントは、ポイントカードにおいて既に記憶されているポイントに加算される。
【0058】
以上説明したように、本実施形態では、生成部601が、使用者の商品コード入力作業(商品特定情報の入力作業)に掛かる時間を計測し、計測した時間を用いて商品コード入力作業の速さを示す速さ情報を生成し、当該速さ情報を報知部602が報知する。したがって、商品コード入力作業の速さを示す速さ情報を利用者に知らせることができる。よって、利用者は、自分の商品コード入力作業の速さを認識することができる。これにより、以下の効果を奏することができる。商品コード入力作業に掛かる時間の短縮化を試みる客が増えることで、後続の客の待ち時間(レジ待ち時間)の短縮化を図ることができる。客の商品コード入力作業の上達を促進することができる。客に商品コード入力作業における楽しみを提供することができる。速さ情報を報知することで、速さ情報を報知しない従来の装置と差別化を図り、当該セルフチェックアウト端末101の普及を促進することができる。店舗が、商品コード入力作業の速さを示す速さ情報を店舗運営に利用することができる。商品コード入力作業の速さの計測に関連付けした各種のサービスを企画することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、速さ情報が入力作業の速さレベルを含むので、会員(使用者)を速さレベル別に分類することができるとともに、速さレベル別に会員に対して異なったポイント数のポイントを付与することができる。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図8を参照しながら説明する。
【0061】
本実施形態に係る商品情報処理システム701は、有線または無線の通信ネットワーク(例えばインターネット等)702等を介して相互にデータ通信可能に接続された店舗システム1および複数のサーバ703等を備えている。
【0062】
この商品情報処理システム701は、一つまたは複数のサーバ703が、所定のサービスを店舗システム1に提供する。この商品情報処理システム701では、例えばSaaS(Software as a Service)などのクラウドコンピューティングの形態で、サービスが提供され得る。
【0063】
そして、本実施形態では、上記第1の実施形態では店舗システム1に設けられていた、生成部601、報知部602、登録部603、決済部604、および特典付与部605とが、店舗システム1またはサーバ703に設けられ、且つ、それらの各部(生成部601、報知部602、登録部603、決済部604、および特典付与部605)のうちの1以上がサーバ703に設けられている。ここで、生成部601、報知部602、登録部603、決済部604、および特典付与部605の全てがサーバ703に設けられていてもよい。
【0064】
即ち、本実施形態では、サーバ703に設けられたコンピュータが有するCPUや、店舗システム1に設けられたCPU255が、自機のROM等に記憶されたプログラムに従うことで、生成部601、報知部602、登録部603、決済部604、および特典付与部605として機能する。つまり、本実施形態の商品情報処理システム701では、第1の実施形態で説明した処理の少なくとも一部を、一つまたは複数のサーバ703が行うようになっている。
【0065】
このような構成の商品情報処理システム701によれば、第1の実施形態と同様に、商品コード入力作業の速さを示す速さ情報を利用者に知らせることができる。
【0066】
また、本実施形態の商品情報処理システム701では、生成部601、報知部602、登録部603、決済部604、および特典付与部605のうちの1以上がサーバ703に設けられているので、店舗システム1の処理負荷が比較的に少ない。したがって、店舗システム1が有するCPU255やROM256、RAM254等のハードウェアは比較的に高性能のものでなくてよいため、店舗システム1を比較的に安価に構成することができる。また、生成部601、報知部602、登録部603、決済部604、および特典付与部605等を、サーバ703に設けることで、店舗システム1においてCPU255やROM256、RAM254等を省略して、ハードウェア構成を簡素化することができる。よって、店舗システム1を比較的に安価に構成することができる。
【0067】
なお、本発明は、上記各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。例えば、上記各実施形態では、商品特定情報の入力作業として、バーコードスキャナ203を用いた作業を説明したが、これに限るものではない。例えば、商品特定情報の入力作業としては、商品識別情報が割り当てられた商品ボタンをLCD210に表示させて、この商品ボタンを客がタッチパネル211によってタッチ操作することで商品特定情報を入力する作業であってもよい。
【0068】
また、上記各実施形態では、特典付与部605によって付与する特典の大きさを、前回の取引の速さレベルを考慮しないで決定する例を説明したが、これに限るものではない。例えば、特典付与部605は、今回の取引での速さレベルがポイントカード(記憶部)に記憶された前回の取引の速さレベルよりも低いレベルになった場合に付与する特典の大きさ(例えば、ポイント数)を、今回の取引での速さレベルが前回の速さレベル以上である場合に付与する特典の大きさに比べて、下げるようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態のセルフチェックアウト端末101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0070】
さらに、本実施形態のセルフチェックアウト端末101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のセルフチェックアウト端末101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0071】
以上説明したとおり、上記各実施形態によれば、商品コード入力作業(商品特定情報の入力作業)の速さを示す速さ情報を利用者に知らせることができる。
【符号の説明】
【0072】
101…セルフチェックアウト端末
203…バーコードスキャナ
253…制御部
600…受付部
601…生成部
602…報知部
605…特典付与部
701…商品情報処理システム
702…通信ネットワーク
703…サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特表2005−526323号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を特定する商品特定情報を使用者の入力作業によって入力する入力手段と、
前記入力作業に掛かる時間を計測し、計測した前記時間を用いて前記入力作業の速さを示す速さ情報を生成する生成手段と、
前記速さ情報を報知する報知手段と、
を備える商品情報処理装置。
【請求項2】
前記速さ情報は、前記入力作業の速さのレベルを含む請求項1に記載の商品情報処理装置。
【請求項3】
前記入力作業の速さに影響を与える要件を示す要件情報を受け付ける受付手段を備え、
前記生成手段は、前記受付手段が受け付けた前記要件情報を用いて、前記入力作業の速さのレベルを決定する請求項2に記載の商品情報処理装置。
【請求項4】
前記入力作業の速さに応じて設定された特典を使用者に付与する特典付与手段を備える請求項2または3に記載の商品情報処理装置。
【請求項5】
商品を特定する商品特定情報を使用者の入力作業によって入力する入力手段を備える商品情報処理装置と、
前記商品情報処理装置と通信ネットワークを介して接続されたサーバと、
前記入力作業に掛かる時間を計測し、計測した前記時間を用いて前記入力作業の速さを示す速さ情報を生成する生成手段と、
前記速さ情報を報知する報知手段と、
を備え、
前記生成手段と前記報知手段との少なくとも一つを前記サーバが備える商品情報処理システム。
【請求項6】
商品を特定する商品特定情報を使用者の入力作業によって入力する入力手段を備える商品情報処理装置のコンピュータを、
前記入力作業に掛かる時間を計測し、計測した前記時間を用いて前記入力作業の速さを示す速さ情報を生成する生成手段と、
前記速さ情報を報知する報知手段と、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−164286(P2012−164286A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26327(P2011−26327)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】