説明

商品情報提供方法及びシステム並びにプログラム

【課題】デジタルカメラ付きの携帯電話など、通信機能と撮像機能とを備えた携帯端末を利用することで、より多くの商品情報が取得できるようにする。
【解決手段】携帯端末装置110で撮像されて送出された商品コードの画像データを受け取ると、商品コード認識部121が、受け付けた画像データを画像処理して商品コードに変換する。商品コード認識部121は、変換した商品コードを商品情報提供部122へ通知する。商品コードを受け付けた商品情報提供部122は、受け付けた商品コードを検索キーとし、商品情報データベース124から対象となる商品情報を検索・抽出し、取り出した商品情報を携帯端末装置110へ送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットなどのネットワークに接続された携帯端末装置を利用して商品の情報を提供する商品情報提供方法及びシステム並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仕様,価格,特徴などの商品の情報を、インターネットに接続された端末を利用して取得する技術が提案されている(特許文献1参照)。このようなインターネットなどの広域ネットワークを利用した商品情報の取得は、高い利便性などから広く利用されている。特に、カテゴリーの中より所望とする商品を特定してからこの情報を取得する場合などは、インターネット技術を利用することが非常に有用である。
【0003】
一方、インターネットを利用して、すでに特定されている商品の情報を取得する場合、情報の取得までに多くの手間と時間を要する場合がある。例えば、まず、端末装置を操作し、特定されている商品の製造会社のホームページ(サイト)にアクセスし、このホームページ内で商品のカテゴリーを選択する。このことにより、特定されている商品が含まれている商品群の一覧ページが、端末装置において確認することができる。
【0004】
次いで、確認可能となった商品群の一覧の中より特定されている商品を選択する。このことにより、端末装置において、特定されている商品の情報が示される商品ページが確認可能な状態となる。この後、例えば、特定されている商品の仕様について取得する場合、上記商品ページの中より商品仕様の情報ページへのリンクを選択することで、商品の使用が示された情報ページが確認可能となる。
このように、特定の商品の情報を得ようとする場合、多くの手順が必要となる。
【0005】
また、携帯端末を用いたインターネットの利用によれば、外出先における商品情報の取得が可能となるが、特定商品の情報取得の場合、上述したように多くの手順が必要となり時間を要するため、通信費用が多くなるなどあまり実用的ではない。
このような問題を解消するために、バーコードなどのコード情報を利用し、特定した商品のコード情報を用いて商品情報を取得する技術が提案されている(特許文献2,3,4参照)。これらは、得られたコード情報を、携帯端末に入力することで、商品情報を得るようにしている。これらの技術では、バーコードリーダ機能などを用い、携帯端末側にコード情報の入力を行っている。
【0006】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【特許文献1】特開2002−288490号公報
【特許文献2】特開2002−232584号公報
【特許文献3】特開2002−245334号公報
【特許文献4】特開2003−323570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、商品のコードは、バーコードに限るものではなく、二次元コードや多段バーコードなどがあり、また、バーコードの中にも多くの仕様がある。しかしながら、現状の携帯端末に備えられているコードリーダ機能では、いずれかのコードが認識できるだけであり、上述したような全ての商品コードの認識は不可能である。また、全ての商品コードが認識できる機能を備えた携帯端末の実現は、容易ではない。
【0008】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、デジタルカメラ付きの携帯電話など、通信機能と撮像機能とを備えた携帯端末を利用することで、より多くの商品情報が取得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る商品情報提供方法は、例えば、撮像機能付きの携帯端末装置が撮像して送出した商品コードの画像データをネットワークを介して受け付け、受け付けた画像データを商品コードに変換し、変換した商品コードを検索キーとして商品情報データベースから対象となる商品情報を取り出し、取り出した商品情報を画像データの送出もとへ送出するようにしたものである。
この方法によれば、撮像機能付きの携帯端末装置などの送出もとでは、商品コードが画像として取り扱われ、また商品コードに対応する商品情報が送出もとに通知される。
【0010】
また、本発明に係る商品情報提供システムは、商品コードとこれに対応する商品情報とを関連づけて記憶している商品情報データベースと、ネットワークを介して商品コードの画像データを受け付けて受け付けた画像データを商品コードに変換する商品コード認識手段と、変換した商品コードを検索キーとして商品情報データベースから対象となる商品情報を取り出し、取り出した商品情報を画像データの送出もとへ送出する商品情報提供手段とを少なくとも有する商品検索サーバを備えるようにしたものである。なお、例えば、画像データは、撮像機能付きの携帯端末装置が撮像してネットワークを介して商品検索サーバに対して送出したものである。
このシステムによれば、撮像機能付きの携帯端末装置などの送出もとでは、商品コードが画像として取り扱われ、また商品コードに対応する商品情報が送出もとに通知される。
【0011】
また、本発明に係るプログラムは、ネットワークを介して商品コードの画像データを受け付ける機能と、受け付けた画像データを商品コードに変換する機能と、変換した商品コードを検索キーとして商品情報データベースから対象となる商品情報を取り出す機能と、取り出した商品情報を画像データの送出もとへ送出する機能とをコンピュータに実現させるものである。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、ネットワークを介して受け付け画像データを商品コードに変換するようにしたので、撮像機能付きの携帯端末装置などの送出もとでは、商品コードが画像として取り扱われた状態で、商品コードに対応する商品情報が送出もとに通知されるようになり、デジタルカメラ付きの携帯電話など、通信機能と撮像機能とを備えた携帯端末を利用することで、より多くの商品情報が取得できるようになるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における商品情報提供システムの構成例を示す構成図である。本システムは、携帯端末装置110,商品検索サーバ120,複数の製品情報サーバ141,142,143,及びこれらが接続されるインターネットなどのネットワーク130から構成されたものである。
【0014】
携帯端末装置110は、インターネットに接続してホームページの閲覧などを行うウエブブラウザ機能を備える。閲覧は、図示しない表示部により行う。加えて、携帯端末装置110は、撮像機能及び撮像機能により撮像した映像のデータを送信する機能を備えている。携帯端末装置110は、例えば、デジタルカメラ機能付き携帯電話などである。
【0015】
商品検索サーバ120は、商品コード認識部121,商品情報提供部122,商品情報登録部123,及び商品情報データベース124を備えている。
商品検索サーバ120は、商品コードの画像データを受け取ると、商品コード認識部121が、受け付けた画像データを画像処理して商品コードに変換する。商品コード認識部121は、変換した商品コードを商品情報提供部122へ通知する。
【0016】
商品コードを受け付けた商品情報提供部122は、受け付けた商品コードを検索キーとし、商品情報データベース124から対象となる商品情報を検索・抽出し、取り出した商品情報を携帯端末装置110へ送出する。
商品検索サーバ120は、CPUと主記憶装置と外部記憶装置とネットワーク接続装置となどを備えたコンピュータ機器であり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作することで、上述した各機能が実現される。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させるようにしてもよい。
【0017】
次に、商品情報データベース124の詳細について図2を用いて説明する。商品情報データベース124は、基本情報データベース124aと、販売元データベース124aとを備える。基本情報データベース124aは、例えば、商品コード、商品名、型式番号、標準価格、メーカ管理コード、メーカ名、仕様、特徴、セールスポイント、及び詳細情報URLを項目とした複数のレコードから構成されている。
また、販売元データベース124aは、メーカ管理コード、メーカ名、問い合わせ先を項目とした複数のレコードから構成されている。
【0018】
商品情報登録部123は、メーカ毎にメーカ管理コードを付与し、メーカ管理コード毎に問い合わせ先を管理している。また、商品情報が、製品情報サーバ141,142,143から商品検索サーバ120へ提供されると、商品コード210毎に商品情報を振り分け基本情報データベース124aへ登録する。各メーカは,自社の製品情報サーバ141,142,143に備えている商品情報を,ネットワーク130を介して商品検索サーバ120に送る。このようにして送出されて受け付けられた商品情報は、商品情報登録部123によって商品情報データベース124に提供情報としてを格納される。
【0019】
この際,商品検索サーバ120は,メーカ管理コードをチェックし,販売元データベース124aに未登録のメーカの場合、新たなメーカ管理コードを付与する。また、商品検索サーバ120は、製品情報サーバ141,142,143に対し、問い合わせ先の情報を要求し、製品情報サーバ141,142,143から、問い合わせ先を受信すると、商品情報登録部123が、メーカ管理コード毎毎に販売元データベース124aに登録する。
【0020】
次に、図3のフローチャートを用いて図1,2のシステムの動作例について説明する。
利用者の操作により、携帯端末装置110の撮像機能が商品コードを撮像すると(ステップS301)、撮像された商品コードの画像データが商品検索サーバ120に対して送出される(ステップS302)。送出された画像データは、ネットワーク130を介して商品検索サーバ120に受け付けられる(ステップS303)。画像データを受け付けた商品検索サーバ120では、商品コード認識部121が、まず、受け付けた画像データを画像処理して商品コードに変換し(ステップS304)、変換した商品コードを商品情報提供部122へ通知する。
【0021】
商品コードを受け付けた商品情報提供部123は、受け付けた商品コードを検索キーとして基本情報データベース124aを検索し、所定の情報を取り出す(ステップS305)。商品情報提供部123は、例えば、基本情報データベース124aより商品名などの項目データを取り出し、また、メーカ管理コードを検索キーとして販売元データベース124aを検索し、メーカの電話番号、住所等の問い合わせ先などの情報を取り出す。
【0022】
次いで、商品情報提供部123は、上述した商品情報やメーカ情報を編集し、これらの情報を携帯端末装置110に対して送出する(ステップS306)。商品情報提供部123は、例えば、電子メールの形式で上述した情報を携帯端末装置110に送出する。
送出された情報は、ネットワーク130を介して携帯端末装置110に受け付けられる(ステップS307)。情報を受け付けた携帯端末装置110は、受け付けた情報を表示部に表示する。このことにより、撮像した商品コードに対応する商品の情報が、携帯端末装置110の表示部に表示され、利用者に視認可能な状態となり、利用者は、商品の詳細情報を確認できる状態となる。
【0023】
携帯端末装置110の表示部には、例えば、図4に示すように、各情報が表示される。携帯端末装置110の表示部には、商品名,販売元名,標準価格,詳細情報URLなどの商品の基本的な情報が表示される。また、表示部には、販売元の詳細情報へのリンク情報なども表示される。利用者の操作により、携帯端末装置110の表示部に表示されているリンク情報が選択されると、販売元の詳細情報が示されているホームページなどにアクセスし、より詳細な情報が携帯端末装置110に表示されることになる。
【0024】
以上に説明した図1に示す商品情報提供システムによれば、携帯端末装置による商品情報検索を,商品名から検索する一般的な手法ではなく,商品固有の商品コードから検索するようにしたので、迅速かつ容易に商品情報が得られるようになる。
現在、様々な種類の商品コード(コードシンボル)が使用されている。この一例として、バーコードには、「JAN」,「UPC」,「CODE39」,「CODE93」,「CODE128」,「industrial2of5」,「NW7」などがある。また、バーコードが2重に構成された多段バーコードも存在する。
【0025】
また、このような二次元コードは、スタック型とマトリックス型に分類され、スタック型には、「CODE49」,「PDF417」,「UltraCode」などがあり、マトリックス型には「QR Code」,「Veri Code」,「DataMatrix」などの多くのコードが存在する。
通常、商品コードを認識する手段として、携帯端末装置装置に認識機能を持たせるが、コードの種類が数多くあるため、全てコードに対応することは困難であり、実用的ではない。
【0026】
これに対し、前述した本発明によれば、商品コードシンボルの認識機能を携帯端末装置に持たせず、商品検索サーバ側で商品コードを識別するようにしたので、利用者は携帯端末装置装置に認識機能を搭載させ、また認識機能付き携帯端末装置装置を購入する必要がなく、撮像記の機能付きの携帯端末装置装置を使用して,迅速かつ容易に必要な商品情報を得ることができる。
【0027】
また、商品コード体系の仕様変更や新規フォーマットが実用化された場合は、商品検索サーバ側で商品コード認識機能を更新すればよく、利用者はコードの変更を意識することなく利用を継続できる。利用者の側では、仕様変更などに対応した新たな機能追加し、また新たな機能を有する端末に変更するといった金銭的負担を負うこと無く利用できる。
【0028】
本発明は、商品コードを用いて商品を管理するため、詳細な商品単位で情報を分類して管理することが容易であり、検索スピードや検索ヒット率の向上も期待できる。さらに,利用者側のアクセスを商品コード単位に管理することが可能となり,多くの商品に対して容易に市場ニーズが調査できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態における商品情報提供システムの構成例を示す構成図である。
【図2】商品情報データベース124の詳細について示す説明図である。
【図3】図1の商品情報提供システムの動作例を示すフローチャートである。
【図4】携帯端末装置110の表示部における情報の表示例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0030】
110…携帯端末装置、120…商品検索サーバ、121…商品コード認識部、122…商品情報提供部、123…商品情報登録部、124…商品情報データベース、130…ネットワーク、141,142,143…製品情報サーバ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して商品コードの画像データを受け付けるステップと、
受け付けた画像データを前記商品コードに変換するステップと、
変換した前記商品コードを検索キーとして商品情報データベースから対象となる商品情報を取り出すステップと、
取り出した前記商品情報を前記画像データの送出もとへ送出するステップと
を少なくとも備える
ことを特徴とする商品情報提供方法。
【請求項2】
請求項1記載の商品情報提供方法において、
前記画像データは、撮像機能付きの携帯端末装置が撮像して送出したものである
ことを特徴とする商品情報提供方法。
【請求項3】
商品コードとこれに対応する商品情報とを関連づけて記憶している商品情報データベースと、
ネットワークを介して商品コードの画像データを受け付けて受け付けた画像データを前記商品コードに変換する商品コード認識手段と、
変換した前記商品コードを検索キーとして前記商品情報データベースから対象となる商品情報を取り出し、取り出した前記商品情報を前記画像データの送出もとへ送出する商品情報提供手段と
を少なくとも有する商品検索サーバを備える
ことを特徴とする商品情報提供システム。
【請求項4】
請求項3記載の商品情報提供システムにおいて、
前記画像データは、撮像機能付きの携帯端末装置が撮像して前記ネットワークを介して前記商品検索サーバに対して送出したものである
ことを特徴とする商品情報提供システム。
【請求項5】
ネットワークを介して商品コードの画像データを受け付ける機能と、
受け付けた画像データを前記商品コードに変換する機能と、
変換した前記商品コードを検索キーとして商品情報データベースから対象となる商品情報を取り出す機能と、
取り出した前記商品情報を前記画像データの送出もとへ送出する機能と
をコンピュータに実現させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−23901(P2006−23901A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200364(P2004−200364)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)