説明

商品検索装置および商品情報処理装置

【課題】客に過度な操作負担を強いることなく、購入対象商品を検索可能な商品検索装置を提供する。
【解決手段】ラベル発行装置(商品検索装置)100は、秤台に載せられた商品を計量部150により計量し、この計量値を客の操作に応じて入力された商品個数の値で除算して商品1個あたりの単位平均計量値を算出する。商品データベース121には、商品ごとに、その商品1個あたりの重量を示す基準単位重量が対応付けられる。ラベル発行装置100は、基準単位重量が上記単位平均計量値に近い順にしたがい、商品データベース121から所定数の商品を検索する。そして、このように検索した商品を、タッチパネル付表示部140の商品選択エリアにおいて商品ボタンとして提示するように表示する。これにより、客は、少数の商品ボタンのうちから購入対象の商品を容易に見つけて選択操作を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事前包装をせずに、「個数売り」や「量り売り」といった、いわゆるバラ売りにより供されている青果物や惣菜などの商品について、値付け処理や会計処理の際に商品を特定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装資材の節減要求や個々の消費者ニーズに対応する為、スーパーマーケットなどの食品小売店ではバラ売り商品が増加している。しかしバラ売りでは商品を特定するバーコードやRFIDタグなどを商品に添付することが困難であるため、商品情報処理装置(本願では、POSレジスタや対面計量器、セルフサービススケール、値付機などをいう)で値付け処理や会計処理などを行う際に必要となる、商品の特定が難しくなる。特に、バラ売り形態の商品数が数十種に及ぶと商品間違えによる会計ミスを起こすリスクが増大する。
【0003】
そこで、カメラを用いて商品の色や形状を認識することで商品の特定を行うシステムが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。また食品小売店での使用を前提としたものではないが、商品の重量を用いて商品を特定する装置も既に知られている。(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2595427号公報
【特許文献2】特許第4024924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の装置では、バラ売り形態のように購買数量がその都度変わり、加えて商品の特定の際、顧客により商品がビニール袋に収納されている場合においては、商品の特定の際撮像されたデータと、商品データベースに予め用意された商品撮像画像対照データ(光学的特徴データ)とを照合して検索するだけでは、検索の精度が低くなってしまうという欠点がある。
また、特許文献2の装置は、商品の仕分けに用いることを目的としたものであり、商品情報記憶部に記憶される設定重量値について、計量される商品ごとの重量や個数が予め決まっていることを前提として設定されたものとなっている。一方バラ売りにおいては、顧客が購入する個数、重量がその都度異なるので販売個数、販売重量と予め用意された商品情報に記録された重量との単純比較は意味をなさない。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、客に過度な操作負担を強いることなく、バラ売り商品について容易に特定することが可能な商品検索装置および商品情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、それぞれの商品ごとに定められた基準単位重量を含んだ商品情報を記憶する記憶手段と、所定の計量位置に載せられた商品の総重量を計量する計量手段と、計量した商品の個数を入力する個数入力手段と、前記計量手段によって計量された商品の総重量を前記個数入力手段によって入力された個数で除して1個あたりの単位平均計量値を算出する単位平均計量値算出手段と、前記単位平均計量値を用いて、前記記憶手段から一定の重量偏差内に収まる商品を検索する第1商品検索手段と、を備えることを特徴とする商品検索装置である。
この発明によれば、商品の特定を行うにあたり、操作者は個数の入力を行いさえすれば、計量手段による総計量値を、入力した個数で除することにより単位平均計量値が算出され、この単位平均計量値と記憶手段に記憶されている基準単位重量値を第1商品検索手段によって一致または近似する値の商品の候補が検索されることになり、より少ない操作で、該当する商品を選択することができるようになる。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の商品検索装置であって、前記記憶手段は、前記商品情報として光学的特徴データをさらに記憶し、前記計量位置に載せられた商品を撮像するように設けられ、当該計量位置に載せられた商品の画像および色彩データの少なくとも一方を生成する撮像手段と、前記第1商品検索手段により検索された商品のみを対象に、前記画像または前記色彩データを用いて、前記光学的特徴データと同一または近似する商品を検索する第2商品検索手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、基準単位重量値による商品の検索だけでなく、撮像手段により得られた画像データからも商品の検索を行うことになるため、計量手段単独、画像認識手段単独で行うよりもさらに高い精度で商品の検索を行うことができるようになる。また、画像データによる商品検索処理は、記憶手段に記憶されている商品データ全てから検索する場合には、莫大な処理が必要となるため、商品の検索処理に長時間かかるという問題があるが、この発明は、計量による検索処理により、予め画像データによる検索処理の対象となる商品数が限定されるため、短時間で検索処理が可能となる。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の商品検索装置であって、前記検索された商品候補を表示する表示手段と、前記表示手段により表示された前記商品候補の中から1つを前記計量位置に載せられた商品として選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、操作者は表示手段に表示された数少ない候補商品のなかから、計量位置に載せた商品を容易に選択することができる。
また、本発明の一態様は、上記の商品検索装置であって、前記第1商品検索手段は、単位重量値が設定された商品のみを対象として検索することを特徴とする。
この発明によれば、個数売りか量り売りかを問わず、個数入力と重量による商品の検索は、1個の重量が一定しない量り売りの商品を検索の対象から除外することになるため、商品検索の速度を高めることができるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の商品検索装置であって、前記商品情報は、対応付けされた商品が個数売りと量り売りのいずれであるのかを示す販売単位情報をさらに記憶し、前記第1商品検索手段は、個数売りであることが前記販売単位情報に対応付けられた商品のみを対象として検索する、ことを特徴とする。
この発明によれば、個数売りと個数入力のできない商品について量り売りを同時に実施している場合、個数入力と重量による商品の検索は商品データベースの販売単位情報で個数売りであると設定されているものの中から行うことになるので、商品検索の速度を高める効果がある。
また、本発明の一態様は、上記の商品検索装置であって、前記単位平均計量値を用いて、前記記憶手段に記憶される当該商品情報の基準単位重量値を補正し、商品情報の当該商品に対応付けられた基準単位重量値を更新することを特徴とする。
この発明によれば、単位平均計量値算出手段により算出された商品の単位平均計量値のデータを、そのまま商品情報の基準単位重量のデータとして自動的に書き換えることができるようになるため、更新のためのデータ変更操作をすることなく、最新の商品データに更新することが可能となる。
また、本発明の一態様は、上記の商品検索装置を具備し、前記商品情報の商品毎に重量単位で販売される商品については重量単位当たりの価格を、個数単位で販売される商品については数量単位ごとの価格を持たせ、特定された商品の重量または数量にこの単位価格を乗じることにより前記計量手段で計量した商品の価格を算出することを特徴とする商品情報処理装置である。
この発明によれば、個数売りはもちろんのこと、量り売りの場合であっても、商品が、個数が数えられる形態のものである場合は、個数入力による商品検索処理は個数売りと量り売りの両方に対応できるようになるという効果がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、客に過度な操作負担を強いることなく、購入対象となる商品を容易に特定することが可能な商品検索装置および商品情報処理装置を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態におけるラベル発行装置100の外観例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるラベル発行装置100の構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるラベル発行装置100が備えられる店舗内の設備配置例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるラベル発行装置100のタッチパネル付表示部140に表示される操作画面600(商品検索後)の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるラベル発行装置100のタッチパネル付表示部140に表示される操作画面600(商品検索前)の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における記憶部120に記憶される商品データベース121の構造例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるラベル発行装置100が実行する処理手順例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるラベル発行装置100が実行する処理手順例を示す図である。
【図9】図8における商品検索処理(ステップS106)の処理手順例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態の変形例に対応する操作画面600の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例に対応する操作画面600の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施の形態>
[ラベル発行装置の構成例]
図1の斜視図は、本発明の第1の実施の形態におけるラベル発行装置100の外観例を示している。このラベル発行装置100は、本発明における商品検索装置の一例である。このラベル発行装置100は、例えばスーパーマーケットなどの店舗における生鮮食品売り場などに配置され、客が行う操作に応じて、その客が購入しようとする商品に対応するラベルを発行する。ラベルには、客が購入する商品ごとに、その識別コード、商品名、また、商品の個数または重量に応じて算出した値段(購入金額)などがバーコード形式で印刷されている。なお、このバーコードは、一次元バーコードであってもよいし、二次元バーコードであってもよい。
【0014】
この図に示すラベル発行装置100は、タッチパネル付表示部140、秤台151、カメラ161およびラベル排出口171を備える。タッチパネル付表示部140は、例えば液晶ディスプレイデバイスにタッチパネルが組み合わされて成り、ラベルの発行に関連して客が操作するための各種操作画像が表示される。また、タッチパネル付表示部140は、表示中の操作画像に対して行われた操作をタッチパネルにより検出する。
【0015】
秤台151は、ラベル発行装置100が備える計量機能に応じて備えられるもので、客が購入しようとする商品を計量のために載せる部位である。ラベル発行装置100は、この秤台151に載せられた商品の計量を行い、その計量値を得ることができる。
【0016】
カメラ161は、例えばCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備えて撮像を行う部位である。このカメラ161は、秤台151が撮像範囲に収まるように設けられている。つまり、秤台151に載せられた商品を撮像可能なように設けられている。このカメラ161により撮像された商品の画像は、後述するようにラベル発行装置100が実行する商品検索処理に利用される。
【0017】
ラベル発行装置100は、後述のように、秤台151に載せられた商品について計量した重量と、客により入力された購入個数などの情報を利用して、商品の検索と検索した商品の値段(購入価格)を算出する。そして、この商品の商品名や値段が示されるラベルを発行する。ラベル排出口171は、このように発行されるラベルが排出される部位である。客は、ラベル排出口171から排出された購入商品ごとのラベルを持ってレジスタに赴いて精算する。
【0018】
図2は、ラベル発行装置100の構成例を示している。この図に示すラベル発行装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、記憶部120、RAM130、タッチパネル付表示部140、計量部150、撮像部160およびラベル発行部170を備える。
【0019】
CPU110は、記憶部120に記憶されるプログラムを実行することにより、同図に示した各部を制御する。記憶部120は、補助記憶装置として機能するもので、CPU110により実行されるプログラムや各種必要なデータを記憶する。同図には、記憶部120に記憶されるデータの1つとして、商品データベース121が示される。CPU110は、後述するように商品検索処理を実行するにあたり商品データベース121を利用する。商品データベース121の構造例については後述する。
【0020】
RAM130は、CPU110により記憶部120から読み出されて実行されるプログラムやワークエリアが展開されるメモリである。また、RAM130には、記憶部120に格納された商品ファイルのデータが、プログラムの実行によって読み出されて展開される。
【0021】
計量部150は、先に図1に示した秤台151を含み、この秤台151に載せられた商品の重量を計量して、その計量値を出力する部位である。出力された計量値は、後述するようにCPU110によって商品検索処理に利用される。
【0022】
タッチパネル付表示部140は、先に図1に説明したように、CPU110の制御に応じて客が操作する操作画面を表示する。また、タッチパネル付表示部140は、表示した操作画面に対する操作をタッチパネルにより検知して操作信号を出力する。CPU110は、入力した操作信号に応じて所定の処理を実行する。
【0023】
ラベル発行部170は、図1に示したラベル排出口171を含み、ラベルとしての所定の用紙に対して商品名や値段などの所定事項を例えばバーコード形式により印刷し、この印刷されたラベルを、上記ラベル排出口171から排出することにより発行する。
【0024】
[店舗におけるラベル発行装置の使用例]
次に、図3を参照して、店舗におけるラベル発行装置100の使用例について説明する。図3は、ラベル発行装置100が設置される店舗内を平面方向から模式的に示している。この図は、スーパーマーケットなどにおける生鮮食品の売り場を想定している。この売り場においては、商品陳列台300、300・・・が配列されており、これらの商品陳列台300、300・・・ごとに、野菜や果物などの商品400、400・・・が種類ごとに分けられて陳列される。これらの商品400、400・・・は、例えば1個からのバラ売りが行われている。また、商品陳列台300、300・・・ごとの近傍にはビニール袋入れ500が設置されている。客は、ビニール袋入れ500からビニール袋を取り出し、商品400の種類ごとに必要な個数をビニール袋に詰めていくようにする。
【0025】
これらの商品400は前述のようにバラ売りであり、これに伴って、値段やバーコードなどを印刷したラベルが貼り付けられていない状態で商品陳列台300に陳列されている。客は、上記のように袋詰めにした商品を購入するには、ラベル発行装置100の設置場所に赴いて、ラベル発行装置100により袋詰めした商品ごとの計量、商品の検索、検索した商品の個数や重量に応じた値段の算出(値付け)およびラベルの発行を行わせる。そして、客は、商品ごとに発行されたラベルを商品が入った袋に貼ってPOS端末装置200に赴く。そして、客は、POS端末装置200にラベルを読み込ませて例えば買上総額などを算出させたうえで精算を行う。この精算のためのPOS端末装置200の操作は、例えば店員が行う。また、セルフ会計のシステムであれば、客自身がPOS端末装置200を操作して精算を行う。
【0026】
なお、図1に示したカメラ161および図2の撮像部160は、後述の第2の実施の形態において用いられるものとなる。したがって、第1の実施の形態との対応では、カメラ161および撮像部160は省略されてかまわない。
【0027】
[ラベル発行装置の動作例]
次に、客によるラベル発行装置100の使用例と、これに応じたラベル発行装置100の動作例について説明する。図4は、タッチパネル付表示部140において表示される操作画面600の表示態様例を示している。この図に示す操作画面は、選択商品情報エリア610、商品選択エリア620、検索エリア630、ソフトキーエリア640およびラベル発行ボタン650を有する。
【0028】
ラベル発行装置100は、後述するように客が秤台151に載せた商品として推定される候補を1以上検索し、これらを提示する。客は、提示された商品の候補のうちから、実際に客が載せた商品を選択する操作を行う。選択商品情報エリア610は、このように選択された商品に関する情報が以下のように表示される。選択商品情報エリア610は、図示するように、商品提示エリア611、単価エリア612、数量/重量エリア613および値段エリア614から成る。
【0029】
商品提示エリア611は、選択された商品を客が視覚的に把握可能なように提示するためのエリアであり、例えば図示するように、商品の絵柄が示されるサムネイル画像と、「りんご」のように商品名を示す文字が示される。また、この商品提示エリア611において示される「020」の数値はPLU(Price Look Up)コードであり、商品の識別子である。
【0030】
単価エリア612は、商品提示エリア611において提示される対応の商品が個数売りである場合には、1個あたりの価格が示される。また、量り売りである場合には、所定の単位重量(例えば100g)あたりの価格が示される。数量/重量エリア613は、対応の商品の個数(個数売りの場合)または重量(量り売りの場合)が示される。値段エリア614には、単価エリア612に示される単価と、数量/重量エリア613に示される個数または重量に基づいた、対応の商品の値段((単価×数量)または(単価×重量)で表される)が示される。
【0031】
商品選択エリア620には、それぞれに異なる商品名が表示された所定複数の商品ボタン621が表示される。客は、この商品選択エリア620に表示される複数の商品ボタン621のうちから1つを選択してタッチ操作する。この操作により、客が購入対象とする商品が選択決定されたことになる。なお、客の操作に応じた商品選択エリア620における表示の遷移例については後述する。
【0032】
検索エリア630は、選択商品情報エリア610に表示させる商品を、商品名またはPLUコードにより直接検索する操作を行うための画像が表示される。これに応じて、検索エリア630は、商品名を入力して検索を行うためのエリア部分と、PLUコードを入力して検索を行うためのエリア部分とが表示される。この検索エリア630を備えることで、例えば何らかの理由で客がラベル発行装置100の商品検索機能を利用しない場合においても、ラベルを発行させたい商品を選択してラベルを発行させることができる。
【0033】
ソフトキーエリア640は、ソフトウェアキーが表示される部位であり、例えば図示するように、かなキー部641と数字キー部642が表示されている。客は、必要に応じて、かなキー部641または数字キー部642に対する操作を行って文字や数値入力を行うことができる。例えば、後述する商品検索に際しての商品の個数は、数字キー部642に対する操作によって入力する。また、検索エリア630に対する商品名またはPLUコードの入力は、それぞれ、かなキー部641または数字キー部642に対する操作により行うことができる。
【0034】
ラベル発行ボタン650は、ラベル発行操作のために表示されるボタンである。このラベル発行ボタン650に対するタッチ操作が行われるのに応じて、ラベル発行装置100は、選択商品情報エリア610に表示されている商品の商品名や値段などをバーコード形式で印刷したラベルを発行し、ラベル排出口171から排出させる。
【0035】
上記図4に示した操作画面600は、選択商品情報エリア610に表示すべき商品の選択が行われた結果を表示している状態に対応している。これに対して、図5は、例えば最後のラベルの発行後において、次に客が秤台151に商品を載せるまでの間の待機状態において表示される操作画面600を示している。
【0036】
図5の選択商品情報エリア610は、商品の選択操作が行われるのを待機する状態に対応した表示内容を示している。つまり、客に商品を秤台151に置いてもらうことと、秤台151に置いた商品が個数売りのものである場合には、数字キー部642に対する操作によって、その秤台151に載せた商品の個数を入力してもらうことを促す表示が行われる。
【0037】
また、このときの商品選択エリア620は、例えば、図3に示した生鮮食品売り場で扱っている全ての商品に対応して、商品ボタン621のすべてにおいて、所定の商品名が割り当てられるように表示された状態となっている。
【0038】
上記状態のもとで、客がビニール袋に詰めた状態の3個のりんごを秤台151に載せる。そして、客は数字キー部642に対する操作を行って、今回秤台151に載せたりんごの個数である「3」を入力したとする。これに応じて、ラベル発行装置100は、秤台151に載せたりんご3個分の重量を計量する。そして、この重量を、入力されたりんごの個数である「3」で除算することにより、りんご1個あたりの重量(単位平均計量値)を算出する。
【0039】
記憶部120に記憶されている商品データベース121には、商品ごとに対応して1個あたりの重量(基準単位重量)が格納されている。そこで、ラベル発行装置100は、商品データベース121から、上記単位平均計量値に基準単位重量が近い順に所定数の商品を選択する。そして、これらの選択した商品を商品選択エリア620に表示させる。このように選択された商品は、その基準単位重量が算出された単位平均計量値と同等であるとみることができる。そして、具体例として、ここでは、基準単位重量が単位平均計量値に近い順により、りんご、なし、ほうれん草が選択されたものとする。これに応じて、商品選択エリア620は、図5から先の図4に示すように遷移する。つまり、生鮮食品売り場で扱うすべての商品名を各商品ボタン621に表示させた状態から、例えば左上段の3つの商品ボタン621のみに、それぞれ、りんご、なし、ほうれん草を表示させた状態となる。
【0040】
客は、上記3つの商品ボタン621のうちから、秤台151に載せた商品と一致する商品ボタン621に対するタッチ操作を行う。具体的に、客は、秤台151にりんごを載せているので、りんごが表示された商品ボタン621に対してタッチ操作を行う。
【0041】
このタッチ操作に応じて、選択商品情報エリア610には、同じ図5に示す内容が表示される。つまり、商品提示エリア611には、りんごを提示する画像、名称、PLUコードが表示され、単価エリア612には、りんごの単価が表示される。また、数量/重量エリア613には、客が入力した個数が表示される。値段エリアには、「単価×個数」により求められた値段が表示される。
【0042】
客は、このように選択商品情報エリア610に表示された内容を確認する。なお、操作ミスなどにより表示内容に間違いがあった場合には、操作画面600に対する所定操作により、商品の選択をやりなおすことができる。そして、選択商品情報エリア610に表示された内容に間違いがない場合、客は、ラベル発行ボタン650に対するタッチ操作を行う。これにより、この3個のりんごに対応するラベルが発行される。発行されたラベルは、ラベル排出口171から排出されるので、客はこれを取り出す。
【0043】
例えば上記のようにラベル発行装置100により商品の検索処理が行われない場合、客は、図4に示すように商品ボタン621のすべてに商品名が表示された状態の商品選択エリア620から、目的の商品に該当する商品ボタン621を探さねばならない。つまり、客は非常に面倒な作業を強いられる。
【0044】
これに対して、本実施の形態の場合、客は、商品を秤台151に載せたうえで、載せた商品の個数を入力する操作だけを行いさえすれば、ラベル発行装置100により該当商品の検索処理が行われ、その候補として数種類のみの商品の候補が提示される。つまり、客は、少数の商品の候補のうちから目的の商品を選択すればよいことになるので、目的の商品を即座に見つけ、これを選択する操作を行うことができる。また、本実施の形態では、個数売りの商品の重量を計量し、この重量を商品の個数で除算することで商品1個あたりの単位平均計量値を求め、この単位平均計量値と商品データベース121の基準単位重量とを比較するようにしている。このために、1個あたりの重量が異なる多様な商品に適宜対応して商品の検索が行えるようになっている。
【0045】
[商品データベースの構造例]
続いて、上記図4および図5により説明したラベル発行装置100の動作を実現するための技術構成例について説明することとし、まず、図6を参照して、記憶部120に記憶される商品データベース121の構造例について説明する。
【0046】
図6に示す商品データベース121は、商品ごとに、PLUコード、品名、単価、販売単位、基準単位重量、アイコン表示データおよび撮像画像対照データを対応付けて形成される。
【0047】
PLUコードは、対応の商品に付されたPLUコードを示す。品名は、対応の商品の品名を示す。単価は、対応の商品の単価を示すもので、対応の商品が個数売り商品であれば1個あたりの単価が示され、量り売り商品であれば所定の単位重量(例えば100g)あたりの単価が示される。販売単位は、単価に対応する単位が「個数」と「重量」のいずれであるのかを示すもので、対応の商品が個数売り商品であれば、販売単位は「個数」であることが示され、量り売り商品であれば「重量」であることが示される。なお、「個数」と「重量」の区分は、例えば実際には「0」と「1」の値として定義すればよい。
【0048】
基準単位重量は、販売単位が「個数」の商品にのみ有意に設定される属性であって、対応の商品1個あたりについての基準となる重量を示す。野菜などの生鮮食品の場合、個々の重量にはばらつきがあるので、この基準単位重量については何らかの規則にしたがって1つの値を特定する必要がある。このための手法としては特に限定されないが、例えば所定のサンプル数の商品重量の平均値や正規分布などから求められた値により特定することが考えられる。アイコン表示データは、商品ボタン621に表示させる商品名や、商品提示エリア611におけるサムネイル画像などの表示に用いるデータである。
【0049】
なお、撮像画像対照データは、後述の第2の実施の形態において利用されるデータであるので、ここでの説明は省略する。第1の実施の形態において、撮像画像対照データの属性は、商品データベース121におけるレコードから省略されてよい。
【0050】
[処理手順例]
次に、図7のフローチャートを参照して、第1の実施の形態におけるラベル発行装置100が実行する処理手順例について説明する。なお、この図に示す処理は、図2に示したCPU110が記憶部120に記憶されるプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
【0051】
まず、ステップS101において、CPU110は、タッチパネル付表示部140に待機状態の操作画面600(図5)を表示させる。この状態のもとでCPU110は、ステップS102において、検索エリア630を利用した商品の検索操作が行われるのを待機している。または、商品選択エリア620における商品ボタン621のいずれかを選択するためのタッチ操作(商品選択操作)が行われるのを待機している。待機状態の操作画面600における商品選択エリア620には、前述のように、その売り場にて取り扱っているすべての商品ごとに対応する商品ボタン621が表示されるようになっている。
【0052】
ステップS102において、上記検索操作または商品ボタン621に対するタッチ操作のいずれかが行われたと判定した場合、CPU110は、後述のステップS109に進む。また、上記検索操作または商品ボタン621に対するタッチ操作が行われていない場合に、CPU110は、ステップS103において秤台151に載せた商品の個数を入力する操作(個数入力操作)が行われるのを待機している。客は、秤台151に載せた商品が個数売りの場合に個数入力操作を行う。量り売り商品の場合には個数入力操作を行う必要がないので、例えば、検索操作により商品を検索して指定する。または、待機状態において商品選択エリア620に表示される各取り扱い商品に対応する商品ボタン621のうちから目的の商品ボタン621に対する選択操作を行うことにより商品を指定する。
【0053】
CPU110は、ステップS103において、個数入力操作が行われたことを判定すると、ステップS104およびステップS105の処理を実行する。ステップS104において、CPU110は、そのときに秤台151に載せられている商品の重量を計量してその重量値を取得する。次に、ステップS105において、CPU110は、取得した重量値を、ステップS103に対応して入力された商品個数の値により除算することで商品の単位平均計量値を算出する。
【0054】
次のステップS106においてCPU110は、秤台151に載せられている商品の検索処理を行う。このために、CPU110は、商品データベース121から、その基準単位重量がステップS105にて算出された単位平均計量値の値に最も近いものから順に、所定数の商品を選択する。具体的に、図4では、その単位平均計量値が基準単位重量に近いものから順に、りんご、なし、ほうれん草の3つの商品を選択した例が示されている。第1の実施の形態において、このように選択された1以上の商品は、秤台151に載置された商品の候補となるものであり、第1の実施の形態における商品検索処理の結果に相当する。
【0055】
このように商品検索処理を実行した後、CPU110は、ステップS107において、選択商品情報エリア610について、これらの検索された商品を示す商品ボタン621が配列された表示に切り替えるための表示制御を実行する。つまり、図5から図4に示される選択商品情報エリア610の表示に切り替える。客は、このように表示された商品ボタン621のうちから、実際に秤台151に載せた商品に一致する商品ボタン621を選択してタッチ操作を行う。つまり、商品の選択指定操作を行う。そこで、CPU110は、ステップS108において、商品ボタン621に対する選択指定操作が行われるのを待機し、この操作が行われるのに応じて、ステップS109に進む。
【0056】
CPU110は、ステップS109において、上記ステップS108に応じて選択指定された商品に対応付けられたPLUコード、品名、アイコン表示データの各属性のデータを、商品データベース121から読み出す。
【0057】
そして、CPU110は、ステップS110において、図5の選択商品情報エリア610において示すように、上記ステップS108において選択指定された商品に関する情報を表示させる。つまり、商品提示エリア611、単価エリア612、数量/重量エリア613および値段エリア614のそれぞれを表示させる。商品提示エリア611は、商品データベース121から読み出したPLUコード、品名およびアイコン表示データに基づいて表示される。単価エリア612は、商品データベース121から読み出した単価のデータに基づいて表示される。数量/重量エリア613は、ステップS103に対応して入力された商品個数の値が表示される。値段エリア614については、CPU110が商品データベース121から読み出した単価と、ステップS102に応じて入力された商品個数を乗算する。そして、この乗算結果の値を値段エリア614に表示させる。
【0058】
上記のように選択商品情報エリア610において選択された商品の情報が表示されると、客は、その表示内容に間違いがなければラベル発行ボタン650を操作してラベルを発行させる。そこで、CPU110は、ステップS111においてラベル発行ボタン650に対する操作が行われるのを待機する。そして、ラベル発行ボタン650に対する操作が行われたことを判定すると、ステップS112においてラベルを発行するための処理を実行する。つまり、CPU110は、ラベル発行部170を制御して、ラベル用紙に対して、選択された商品についての商品名、値段などをはじめとする所定の情報をバーコード形式により印刷する。そして、この印刷されたラベルをラベル排出口171から排出させる。
【0059】
上記のような処理手順により、第1の実施の形態のラベル発行装置100は、客が秤台151に載せた個数売りの購入対象商品についての個数を入力する操作に応じて、その商品の候補を自動的に検索して提示することができる。また、この後において、ラベル発行装置100は、提示された商品のうちから購入対象商品を選択指定する操作に応じて、この購入対象商品のラベルを発行することができる。
【0060】
<第2の実施の形態>
[処理手順例]
続いて、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において、ラベル発行装置100の構成は、図1および図2と同様である。この第2の実施の形態では、図2に示される撮像部160(図1のカメラ161を含む)により撮像して得られた画像データと、商品データベース121において格納される撮像画像対照データを、商品検索処理に用いる。撮像画像対照データは、例えば対応の商品の画像内容を有するデータであり、後述するように、商品検索のために、秤台151に載せられた商品を撮像部160により撮像して得られた商品撮像画像と比較対照される画像である。なお、撮像画像対照データは、例えば、比較対照処理の手法や方式に対応させて、画像の形状や周波数特性(スペクトル)などのように画像データを解析して得られる二次的データとされてもよい。
【0061】
図8のフローチャートは、第2の実施の形態におけるラベル発行装置100が実行する処理手順例を示している。この図において、図7と同様となる処理については同一符号を付している。
【0062】
図8において、ステップS101〜S105の処理は図7と同様となる。そして、CPU110は、ステップS104およびステップS105による商品の計量と単位平均計量値の算出とともに、ステップS105Aの処理を実行する。このステップS105Aにおいて、CPU110は、撮像部160により撮像を実行させて商品の画像を取得する。このために、CPU110は、撮像部160を制御して撮像を実行させる。前述のように撮像部160におけるカメラ161は、例えば秤台151を上側から撮像するように設けられている。これにより、カメラ161により撮像して得られた撮像画像データには、秤台151に載せられていた商品の画像が含まれることになる。CPU110は、上記のように得られた撮像画像から、秤台151に載せられた商品の画像部分(商品撮像画像)を抜き出して検索する。
【0063】
第2の実施の形態におけるステップS106の商品検索処理は、上記ステップS105により算出された単位平均計量値とともに、ステップS105Aにより取得した商品撮像画像データを利用する。この第2の実施の形態におけるステップS106の処理手順例については後述する。
【0064】
ステップS106により商品の検索が終了した後、CPU110は、ステップS107〜S112の処理を実行する。このステップS107〜S112の処理は、第1の実施の形態と同様となる。
【0065】
図9のフローチャートは、上記図8のステップS106としての商品検索処理の手順例を示している。まず、CPU110は、ステップS201において、商品データベース121に格納される基準単位重量がステップS105にて算出された単位平均計量値に近い順にn個の商品を選択する。なお、第1の実施の形態においては、このステップS201の処理によって選択されたn個の商品をステップS106における検索結果として出力していたものである。
【0066】
ステップS202において、CPU110は、商品データベース121から、上記ステップS201により選択されたn個の商品それぞれに対応付けられている撮像画像対照データを読み出す。そして、この読み出した撮像画像対照データ(n個)ごとに、図8のステップS105Aにより取得された商品撮像画像と比較を行い、例えば撮像画像対照データと商品撮像画像の近似度を求める。なお、この画像の近似度を求めるための手法としては多様に考えられるものであり、特に限定されるものではない。近似度を求める手法としては、例えば形状の情報に基づいて近似度を求める手法を用いてもよいし、あるいは、スペクトラム特性などの色の情報に基づいて近似度を求める手法を用いてもよい。さらに、これらの手法を組み合わせてもよい。
【0067】
次に、CPU110は、ステップS203において、ステップS201にて検索されたn個の商品のうちから、上記ステップS202において算出された近似度の高い順にしたがってさらにm(n≧m)個の商品を選別する。つまり、第2の実施の形態の商品特定処理は、ステップS201において商品データベース121から検索(第1段階の検索)したn個の商品について、さらに商品撮像画像と撮像画像対照データとの比較結果に基づいてm個に絞り込む(第2段階の検索)というものになる。そして、このように絞り込まれたm個の商品を検索結果として出力する。
【0068】
第2の実施の形態においては、このように撮像画像に基づいて商品の絞り込みが行われることで、商品選択エリア620において表示させる商品ボタン621の数をさらに少なくすることができる。また、このように表示される商品ボタン621の数が少なくなったとしても、これは撮像画像に基づいた絞り込みが行われた結果であるため、検索結果としての精度は非常に高く信頼性の高いものとなっている。
【0069】
[変形例]
続いて、図10および図11を参照して本実施の形態の変形例について説明する。この変形例は、操作画面600における商品選択エリア620の表示態様例に関する。この変形例における商品選択エリア620は、商品ボタン621に代えて、商品がリスト形式により表示される。この場合には、商品ごとに対応して、PLUコード、品名、基準単位重量が示されている。また、リストの右側には、秤台151に載せた商品を計量部150により計量して得られている計量値が示される。なお、この図に示されるリストにおける商品ごとの表示項目は一例であり、これ以外の表示項目の組み合わせであってかまわない。このように、商品選択エリア620において商品をリスト形式で表示することで、例えば客は、選択候補として提示された商品ごとのより詳細な情報を知ることができる。
【0070】
図10に示される操作画面600は、例えばラベル発行装置100による商品検索処理が終了して、客による商品の選択操作を待機している状態に対応している。この例では、客が商品を秤台151に載せて、商品個数として「3」を入力したことに応じて、「なし」と「りんご」が検索されたことを示している。また、このリストにおいては、「なし」、「りんご」の順で上から下にかけて配列されているが、これは、「なし」が第1候補として、「りんご」が第2候補として検索されたことを示している。これに応じて、リストにおける強調表示枠622は、「なし」の位置に配置され、選択商品情報エリア610には、「なし」に関する情報が表示されている。
【0071】
ここで、客が実際に秤台151に載せた商品はリンゴであったとする。そこで、客は、選択操作として、商品選択エリア620のリストにおいて「りんご」が対応する行に対してタッチ操作を行う。この操作に応じて、「りんご」の商品が選択されたこととなり、操作画面600は図10から図11に示す表示に遷移する。つまり、商品選択エリア620のリストにおいて強調表示枠622は、「なし」から「りんご」の位置に移動して表示される。また、選択商品情報エリア610は、「なし」に関する情報の表示から「りんご」に関する情報の表示に切り替えられる。客は、例えば図11に示される表示内容を確認してラベル発行ボタン650を操作する。
【0072】
なお、第1の実施の形態においては、商品検索処理にあたり、基準単位重量が算出された単位平均計量値に近い順にしたがってn個の商品を選択するようにしている。これに対して、例えば、基準単位重量に対して所定の上限値と下限値によるマージンを設定し、このマージンの範囲に単位平均計量値が収まる商品を選択するようにしてもよい。第2の実施の形態において、撮像商品画像と撮像画像対照データの近似度に基づいて商品を選別する際にも、上記の手法を適用できる。また、上記第1および第2の実施の形態では、商品検索処理の結果として、複数の商品の候補を提示することとしているが、最も近似する1つの商品を提示することも考えられる。特に第2の実施の形態は、撮像画像に基づく商品検索が組み合わされるため、高い検索精度が期待できるため、検索結果として提示された1つの商品が購入対象商品である確率は非常に高い。
【0073】
また、上記実施の形態において、本発明の商品検索装置はラベル発行装置100に適用されており、客が操作する装置を想定しているが、例えば、店舗のバックヤードにおいて店員が操作して袋詰め商品の値付けを行うような装置に適用することも可能である。
【0074】
先述の実施例では、販売単位が個数売りに設定されている商品の中からのみ商品を検索するという方式をとっていた。しかし、量り売りには、個数が数えられるもの(例えばジャガイモなど)について個数売りをせずに量り売りする場合と、ひき肉などのようにそもそも個数を数えることが困難なものについて量り売りする場合の2種類がある。つまり、前者については販売単位が量り売りであっても個数を入力することが可能である。このとき商品データベースに基準単位重量が設定されている商品についてのみ、個数入力による商品検索処理を行うことにより、個数売り、量り売りを問わず、個数が入力できる商品に限定して商品の検索処理を行うことになるため、より速く商品検索処理が行えることになる。
【0075】
また、上記実施の形態において、計量による商品検索処理の結果、計量された総重量値と、商品データベース121に記憶された基準単位重量値と入力された個数値の積の値がある一定の範囲内を超えて異なる場合、例えば、基準単位重量値と入力された個数値の積が総重量値の2倍以上になる場合には、入力された個数値が異なっていないか確認するメッセージをタッチパネル付表示部に表示させるようにしてもよい。この場合、メッセージとともに個数の再入力ができるようにするとともに、別の商品の選択もできるようにする。
これにより、客がミスにより個数を間違えた場合もしくは不正に個数を減らして入力した場合に、正しい個数に入力しなおすことが期待できるようになる。
これは第2の実施の形態の場合には、撮像画像対照データによる商品検索処理も加わるため、より高い精度で個数入力についてのミスや不正を防止できるようになる。
【0076】
また、実際に計量された単位平均計量値を用いて、商品データベース121に記憶される基準単位重量値の補正や更新を自動的に行う機能を備えていると、より望ましい。例えば、客が検索処理により絞り込まれた候補の中から秤台151に載せた商品を選択し、ラベル発行ボタン650を操作したときに、商品データベース121の基準単位重量値を単位平均計量値の値に更新する。これにより、客により最終的に特定された商品の単位平均計量値を、商品データベース121の基準単位重量値とすることができるようになるため、データ更新のための設定操作を行うことなく、重量による検索精度を実測値に基づき、高めていくことができるようになる。なお、このような基準単位重量値の補正や更新を行う機能については、最新の単位平均計量値の値に更新するという手法に限られるものではなく、過去一定回数分の単位平均計量値を予め記憶しておき、その平均値を基準単位重量値として更新するという手法であってもよい。
【0077】
また、本実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えることができる。また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムまたはそのプログラムを記憶する記録媒体として捉えることができる。この記録媒体としては、例えば、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、DVD(Digital Versatile Disk)、HDD(ハードディスク)、メモリカード等を挙げることができる。
【符号の説明】
【0078】
100 ラベル発行装置
110 CPU
120 記憶部
121 商品データベース
130 RAM
140 タッチパネル付表示部
150 計量部
151 秤台
160 撮像部
161 カメラ
170 ラベル発行部
171 ラベル排出口
200 端末装置
300 商品陳列台
400 商品
500 ビニール袋入れ
600 操作画面
610 選択商品情報エリア
611 商品提示エリア
612 単価エリア
613 重量エリア
614 値段エリア
620 商品選択エリア
621 各商品ボタン
621 商品ボタン
622 強調表示枠
630 検索エリア
640 ソフトキーエリア
641 キー部
642 数字キー部
650 ラベル発行ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの商品ごとに定められた基準単位重量を含んだ商品情報を記憶する記憶手段と、
所定の計量位置に載せられた商品の総重量を計量する計量手段と、
計量した商品の個数を入力する個数入力手段と、
前記計量手段によって計量された商品の総重量を前記個数入力手段によって入力された個数で除して1個あたりの単位平均計量値を算出する単位平均計量値算出手段と、
前記単位平均計量値を用いて、前記記憶手段から一定の重量偏差内に収まる商品を検索する第1商品検索手段と、
を備えることを特徴とする商品検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の商品検索装置において、
前記記憶手段は、前記商品情報として光学的特徴データをさらに記憶し、
前記計量位置に載せられた商品を撮像するように設けられ、当該計量位置に載せられた商品の画像および色彩データの少なくとも一方を生成する撮像手段と、
前記第1商品検索手段により検索された商品のみを対象に、前記画像または前記色彩データを用いて、前記光学的特徴データと同一または近似する商品を検索する第2商品検索手段と、
を備えることを特徴とする商品検索装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の商品検索装置において、
前記検索された商品候補を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された前記商品候補の中から1つを前記計量位置に載せられた商品として選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする商品検索装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の商品検索装置において、
前記第1商品検索手段は、単位重量値が設定された商品のみを対象として検索することを特徴とする商品検索装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の商品検索装置において、
前記商品情報は、対応付けされた商品が個数売りと量り売りのいずれであるのかを示す販売単位情報をさらに記憶し、
前記第1商品検索手段は、個数売りであることが前記販売単位情報に対応付けられた商品のみを対象として検索する、
ことを特徴とする商品検索装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の商品検索装置において、
前記単位平均計量値を用いて、前記記憶手段に記憶される当該商品情報の基準単位重量値を補正し、商品情報の当該商品に対応付けられた基準単位重量値を更新することを特徴とする商品検索装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の商品検索装置を具備し、
前記商品情報の商品毎に重量単位で販売される商品については重量単位当たりの価格を、個数単位で販売される商品については数量単位ごとの価格を持たせ、特定された商品の重量または数量にこの単位価格を乗じることにより前記計量手段で計量した商品の価格を算出することを特徴とする商品情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−256093(P2012−256093A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127295(P2011−127295)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)