説明

商品流通管理システム

【課題】メーカーの在庫管理負担を軽減するとともに、適切な在庫管理による購入者の利便性向上を図る。
【解決手段】各メーカーが納品予定の商品数量情報を記憶する納品予定数量情報記憶手段21、物流センターにおける商品の在庫数量情報を記憶する在庫数量情報記憶手段22、商品購入を指示する購入指示手段41、商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を満足しているか否かを管理する在庫数量管理手段23、購入指示を受けた商品在庫数量が各メーカーの納品予定数量を下回っていると判断された場合に、該当するメーカーに対して在庫不足の納品を指示する納品指示手段24、納品指示回数情報を記憶する納品指示回数情報記憶手段25、納品指示回数情報に応じて各メーカーにおける値引き金額を演算する値引き金額演算手段26、購入者および各メーカーに対する決算処理を行う決算処理手段27を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を製造する複数のメーカーと、商品の在庫管理を行う物流センターと、商品の購入者との間において、商品の流通管理を行う商品流通管理システムに係り、特にメーカーの在庫管理負担を軽減するとともに、適切な在庫管理による購入者の利便性向上を図ることが可能な商品流通管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、適切な在庫管理を行うことにより、メーカーおよび購入者の双方の利益を向上させるための技術が提案されている。例えば、特許文献1の特開2002−145413号「在庫予測管理装置」に、ラベルプリンタ等の機器の使用現場において、その機器に必要なラベル等の消耗品類(サプライ品)がユーザーの発注忘れによって在庫切れになることを防止する技術が提案されている。
【0003】
この特許文献1に記載されている「在庫予測管理装置」は、複数のユーザーに対する各種サプライ品の販売情報を記憶する記憶部と、販売情報に基づいて、所定のユーザーに対するサプライ品の過去の販売履歴に関する販売履歴情報を作成し、所定のユーザーにおけるサプライ品の在庫切れに関する予測時期を設定するとともに、設定された予測時期が所定の期間以内に近付いたときに、所定のユーザーに対してサプライ品の発注案内を行うサーバーとを備えている。
【0004】
この「在庫予測管理装置」によれば、各ユーザーに対するサプライ品の過去の販売履歴に基づいて、それぞれの機器の使用現場におけるサプライ品の在庫切れを予測し、在庫切れが予測される使用現場に対して自動的に発注案内を行うので、それぞれの機器に必要なサプライ品がユーザーの発注忘れによって在庫切れになることを防止できるとされている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−145413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、適切な在庫管理を行うことにより、メーカーおよび購入者(ユーザー)の双方の利益を向上させることができるが、特に大規模かつ多様な設備を有する企業では、在庫管理に要する負担も膨大なものとなっている。
【0007】
例えば電力会社では、発電所、変電所、送電設備等、数多くの設備を運営管理しており、各設備において必要となる資材は多種多様なものとなっている。そこで、物流センターを設置し、この物流センターにおいてメーカーから納品された商品(例えば配電工事用資材および機材)を管理し、電力会社からの配給指示に基づいて該当する商品の払出処理を行っていた。
【0008】
そして、各メーカーの在庫管理担当者は、物流センターが運用するウェブサイトにアクセスして自社商品の在庫残数を確認し、在庫残数が当初設定した最低在庫数を下回らないように、商品を補充する必要があった。
【0009】
しかしながら、ウェブサイトにアクセスして自社商品の在庫残数を確認する作業が必要であるため、各メーカーの在庫管理担当者が確認作業を怠った場合には、電力会社からの商品の配給指示に対して在庫残数が不足する事態も考えられ、電力会社の業務に支障を来すおそれがあった。
【0010】
また、各メーカーは、在庫管理担当者による在庫管理を行わなければならないため、在庫管理のための費用負担が増加するという問題があった。さらに、在庫管理費用が増加すると、その在庫管理費用が商品価格に反映されるため、商品の購入者である電力会社にとってもコストが上昇するという問題があった。
【0011】
なお、上記特許文献1に記載された技術では、購入者の発注忘れによりサプライ品が在庫切れになることを防止することを目的としているが、メーカーの在庫管理負担を軽減するとともに、商品価格を低減して購入者の利便性を図ることについては何ら言及されていない。
【0012】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、メーカーの在庫管理負担を軽減するとともに、適切な在庫管理による購入者の利便性向上を図ることが可能な商品流通管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、商品を製造する複数のメーカーと、商品の在庫管理を行う物流センターと、商品の購入者との間において、商品の流通管理を行う商品流通管理システムであって、各メーカーが納品を予定している商品数量情報をメーカーおよび商品毎に記憶する納品予定数量情報記憶手段(21)と、物流センターにおける商品の在庫数量情報をメーカーおよび商品毎に記憶する在庫数量情報記憶手段(22)と、購入者が商品の購入を指示する購入指示手段(41)と、前記購入指示手段(41)からの購入指示情報に基づき前記納品予定数量情報記憶手段(21)および前記在庫数量情報記憶手段(22)を参照し、購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を満足しているか否かを管理する在庫数量管理手段(23)と、前記在庫数量管理手段(23)において、購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を下回っていると判断された場合に、該当するメーカーに対して在庫数量が不足している商品の納品を指示する納品指示手段(24)と、前記納品指示手段(24)における納品指示回数情報をメーカーおよび商品毎に記憶する納品指示回数情報記憶手段(25)と、前記納品指示回数情報記憶手段(25)に記憶された納品指示回数情報に応じて、各メーカーにおける商品毎の値引き金額を演算する値引き金額演算手段(26)と、購入者の商品購入代金、前記値引き金額演算手段(26)により演算された値引き金額に応じて決定された納品金額、および物流センターにおける在庫管理費用に基づき、購入者および各メーカーに対する決算処理を行う決算処理手段(27)と、を備えたことを特徴とする商品流通管理システムが提供される。
【0014】
また、前記商品流通管理システムにおいて、前記値引き金額演算手段(26)は、前記納品指示回数情報記憶手段(25)に記憶された納品指示回数情報の増減に従い値引き金額を変更させることが好ましい。
【0015】
また、前記商品流通管理システムにおいて、購入者が購入を予定している商品数量を指示する購入予定数量指示手段(42)と、購入者による過去の購入実績情報を記憶する購入実績情報記憶手段(28)と、前記購入予定数量指示手段(42)により指示された購入予定数量情報および前記購入実績情報記憶手段(28)に記憶された購入実績情報に基づき、商品毎の払出予測数量を演算する払出予測数量演算手段(29)と、前記払出予測数量演算手段(29)における演算結果情報を各メーカーに伝達する払出予測数量情報伝達手段(30)と、前記払出予測数量情報伝達手段(30)により伝達された払出予測数量情報に基づき、各メーカーが前記納品予定数量情報記憶手段(21)に記憶させる商品数量を指示する納品予定数量情報指示手段(11)と、を備えることが好ましい。
【0016】
また、前記商品流通管理システムにおいて、前記納品予定数量情報記憶手段(21)および前記在庫数量情報記憶手段(22)を参照し、商品の在庫数量が不足する可能性がある場合に、該当するメーカーに対して警報を発生する警報発生手段(31)を備えることが好ましい。
【0017】
また、前記商品流通管理システムにおいて、前記メーカー、前記物流センター、および前記購入者の間における情報伝達は、電気通信回線(55)を介して行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の商品流通管理システムでは、各メーカーが商品の納品予定数量を設定しておき、購入者から購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を下回っていると判断された場合に、物流センターは該当するメーカーに対して在庫数量が不足している商品の納品を指示することにより、各メーカーは在庫管理担当者を常駐させておく必要がなくなり、在庫管理費用を低減することが可能となる。また、各メーカーに対する納品指示回数情報に応じて商品の値引きを行うため、購入者にとっても購入商品の価格が低減するというメリットがある。
【0019】
また、納品指示回数情報の増減に従い値引き金額を変更させる構成とすることにより、メーカーと物流センターとの利益の衡平を図ることが可能となる。例えば、在庫数量が多いメーカーは、商品の補充数量を通報する回数が少なくなるため、値引き金額が小さくなる反面、在庫負担コストが上昇する。一方、在庫数量が少ないメーカーは、商品の補充数量を通報する回数が多くなるため、値引き金額が大きくなる反面、在庫負担コストを低減することができる。
【0020】
ここで、各メーカーに対して払出予測数量情報を伝達するような構成とすることにより、各メーカーは、企業規模や商品の取り扱い頻度等に応じて商品の納品予定数量を設定することができ、自己にとって最も適切な在庫管理費用により経営を行うことが可能となる。
【0021】
また、商品の在庫数量が不足する可能性がある場合に、該当するメーカーに対して警報を発生するような構成とすることにより、在庫不足となる事態を未然に防止して、適切な在庫管理を行うことが可能となる。
【0022】
また、インターネット等の電気通信回線(55)を介して、メーカー、物流センター、および購入者の間における情報伝達を行うような構成とすることにより、情報伝達を迅速かつ確実におこなうことができ、さらに一層、適切な在庫管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の商品流通管理システムは、各メーカーが商品の納品予定数量を設定しておき、購入者から購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を下回っていると判断された場合に、該当するメーカーに対して在庫数量が不足している商品の納品を指示するとともに、納品の指示回数に応じて商品の値引き金額を変動させることが可能なシステムである。
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明の実施例1に係る商品流通管理システムに関するもので、図1は実施例1に係る商品流通管理システムの概略構成を示す機能ブロック図、図2は実施例1に係る商品流通管理システムにおける購入者、物流センター、およびメーカーの関係を示す説明図である。
【0025】
<商品流通管理システムの構成>
本発明の実施例1に係る商品流通管理システムは、納品予定数量情報記憶手段21、在庫数量情報記憶手段22、在庫数量管理手段23、納品指示手段24、納品指示回数情報記憶手段25、値引き金額演算手段26、決算処理手段27、購入実績情報記憶手段28、払出予測数量演算手段29、払出予測数量情報伝達手段30、購入指示手段41、購入予定数量指示手段42、および納品予定数量情報指示手段11を主な構成要素としている。
【0026】
各手段は、購入者の所在地に設置された端末51、物流センターに設置されたサーバー52およびデータベース53、メーカーに設置された端末54のいずれかにより構成される(図2参照)。図1に示す例では、納品予定数量情報記憶手段21、在庫数量情報記憶手段22、在庫数量管理手段23、納品指示手段24、納品指示回数情報記憶手段25、値引き金額演算手段26、決算処理手段27、購入実績情報記憶手段28、払出予測数量演算手段29、および払出予測数量情報伝達手段30が物流センターに設置され、購入指示手段41および購入予定数量指示手段42が購入者の所在地に設置され、納品予定数量情報指示手段11がメーカーに設置されている。
【0027】
各手段は、コンピュータシステムおよびその周辺機器により構成されるものであり、コンピュータシステムを構成するCPU等がアプリケーションプログラムに従って動作することにより各手段としての機能を発揮するようになっている。
以下、各手段の機能を説明する。
【0028】
納品予定数量情報記憶手段21は、各メーカーが納品を予定している商品数量情報をメーカーおよび商品毎に記憶するための手段であり、例えば物流センターに設置されたデータベース53により構成される。
【0029】
在庫数量情報記憶手段22は、物流センターにおける商品の在庫数量情報をメーカーおよび商品毎に記憶するための手段であり、例えば物流センターに設置されたデータベース53により構成される。
【0030】
購入指示手段41は、購入者が商品の購入を指示するための手段であり、例えば購入者の所在地に設置された端末51、この端末51を構成するキーボードやマウス等の入力装置、および通信機能を有する通信機器により構成される。
【0031】
在庫数量管理手段23は、購入指示手段41からの購入指示情報に基づき納品予定数量情報記憶手段21および在庫数量情報記憶手段22を参照し、購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を満足しているか否かを管理するための手段であり、例えば物流センターに設置されたサーバー52の機能として構成される。
【0032】
納品指示手段24は、在庫数量管理手段23において、購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を下回っていると判断された場合に、物流センターが該当するメーカーに対して在庫数量が不足している商品の納品を指示するための手段であり、例えば物流センターに設置されたサーバー52の機能として構成される。
【0033】
納品指示回数情報記憶手段25は、納品指示手段24における納品指示回数情報をメーカーおよび商品毎に記憶するための手段であり、例えば物流センターに設置されたサーバー52の機能として構成される。
【0034】
値引き金額演算手段26は、納品指示回数情報記憶手段25に記憶された納品指示回数情報に応じて、各メーカーにおける商品毎の値引き金額を演算するための手段であり、例えば物流センターに設置されたデータベース53により構成される。この値引き金額演算手段26は、納品指示回数情報記憶手段25に記憶された納品指示回数情報の増減に従い値引き金額を変更させるようになっている。すなわち、納品指示回数が少ないと値引き金額が小さくなり、納品指示回数が多いと値引き金額が大きくなる。これにより、メーカーと物流センターとの利益の衡平を図ることが可能となる。例えば、在庫数量が多いメーカーは、商品の補充数量を通報する回数が少なくなるため、値引き金額が小さくなる反面、在庫負担コストが上昇し、在庫数量が少ないメーカーは、商品の補充数量を通報する回数が多くなるため、値引き金額が大きくなる反面、在庫負担コストを低減することができる。すなわち、本来メーカー側が負担すべき在庫管理に必要な人件費等のコスト相当分を勘案し、その値引き相当額を計算して、商品別の値引き総額をメーカーに通報すると共に、値引き後の購入金額を計算する。
【0035】
決算処理手段27は、購入者の商品購入代金、前記値引き金額演算手段26により演算された値引き金額に応じて決定された納品金額、および物流センターにおける在庫管理費用に基づき、購入者および各メーカーに対する決算処理を行うための手段であり、例えば物流センターに設置されたサーバー52の機能として構成される。
【0036】
購入予定数量指示手段42は、購入者が購入を予定している商品数量を指示するための手段であり、例えば購入者の所在地に設置された端末51、この端末51を構成するキーボードやマウス等の入力装置、および通信機能を有する通信機器により構成される。
【0037】
購入実績情報記憶手段28は、購入者による過去の購入実績情報を記憶するための手段であり、例えば物流センターに設置されたデータベース53により構成される。
【0038】
払出予測数量演算手段29は、購入予定数量指示手段42により指示された購入予定数量情報および購入実績情報記憶手段28に記憶された購入実績情報に基づき、商品毎の払出予測数量を演算するための手段であり、例えば物流センターに設置されたサーバー52の機能として構成される。
【0039】
払出予測数量情報伝達手段30は、払出予測数量演算手段29における演算結果情報を各メーカーに伝達するための手段であり、例えば物流センターに設置されたサーバー52の機能および通信機能を有する通信機器により構成される。
【0040】
納品予定数量情報指示手段11は、払出予測数量情報伝達手段30により伝達された払出予測数量情報に基づき、各メーカーが納品予定数量情報記憶手段21に記憶させる商品数量を指示するための手段であり、例えばメーカーに設置された端末54、この端末54を構成するキーボードやマウス等の入力装置、および通信機能を有する通信機器により構成される。
【0041】
また、図2に示すように、購入者の所在地に設置された端末51と、物流センターに設置されたサーバー52およびデータベース53と、メーカーに設置された端末54とは、インターネット等の電気通信回線55を介して接続されている。これにより、情報伝達が迅速かつ確実になされるので、適切な在庫管理を行うことができる。なお、購入者、物流センター、およびメーカーの数はいくつであってもかまわない。また、データベース53により構成される各手段は、適宜、その記憶情報が更新されるものとする。
【0042】
<商品流通管理システムにおける処理手順>
次に、実施例1に係る商品流通管理システムを用いて商品流通管理を行う手順を説明する。図3〜図6は商品流通管理システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【0043】
まず、商品別の払出予測数量と最低在庫数の計算およびメーカーへの通報について説明する。
商品別の払出予測数量と最低在庫数の計算およびメーカーへの通報を行うには、図3に示すように、まず、購入者の端末から物流センターのサーバーに対して、当年度の商品払出予定数量を入力する(S1−1)。また、メーカーの端末から商品別の製造能力、納期、納品数量等を入力するとともに(S1−2)、商品別の払出予測数量と最低在庫数の通報回数を入力する(S1−3)。
【0044】
上記入力を受け付けた物流センターのサーバーおよびデータベースは、当年度の商品別払出予定数量・前年度までの払出実績・直近の払出実績・季節による工事量の増減等により商品別の払出予測数量を計算し(S1−4)、商品別の払出予測数量をメーカーに通報する(S1−5)。
【0045】
続いて、商品別の払出予測数量・商品別の製造能力・納期・納品数量等により商品別の最低在庫数を計算し(S1−6)、商品別の最低在庫数をメーカーに通報し(S1−7)、商品別の払出予測数量・最低在庫数を登録する(S1−8)。
【0046】
次に、最低在庫数を下回った場合の必要補充数量およびメーカーへの通報について説明する。
最低在庫数を下回った場合の必要補充数量およびメーカーへの通報は、図4および図5に示すように、まず、購入者の端末から物流センターのサーバーに対して、払出日・払出先・払出商品名・払出数量等を入力する(S2−1)。
【0047】
上記入力を受け付けた物流センターのサーバーおよびデータベースは、払出日に商品を指定の払出先に払い出すための指示を行って(S2−2)、購入者に対して商品を払い出し、払出数量および払出後の在庫数をメーカーに通報する(S2−3)。
【0048】
続いて、払出をした商品の払出後の(在庫数)−(最低在庫数)がマイナスになる場合は、商品別の払出予測数量・直近の払出実績・季節による工事量の増減等により必要補充数量を計算する(S2−4)。なお、(在庫数)−(最低在庫数)がプラスの場合は処理を行わない。
【0049】
続いて、最低在庫数を下回った商品の必要補充数量をメーカーに通報する(S2−5)。通報を受けたメーカーは、速やかに商品の補充可能数量を計算し、端末を介して補充日・補充商品名・補充数量を入力する(S2−6)。なお、全数補充不能の場合は補充数量に「0」を入力する。
【0050】
上記入力を受け付けた物流センターのサーバーおよびデータベースは、補充数量の入力があった商品の(補充数量)−(必要補充数量)がマイナスになる場合に、必要補充数量に対して不足する補充数量を計算する(S2−7)。なお、(補充数量)−(必要補充数量)がプラスの場合は処理を行わない。
【0051】
続いて、(補充数量)−(必要補充数量)がマイナスになる場合で、他に補充可能なメーカーがない場合は、商品名・メーカー名・払出予測数量・直近の払出実績・不足する補充数量・現在の在庫数を購入者に通報する(S2−8)。
また、(補充数量)−(必要補充数量)がマイナスになる場合で、他に補充可能なメーカーがある場合は、商品名・不足する補充数量を当該メーカーに通報する(S2−9)。
【0052】
通報を受けたメーカーは、速やかに商品の補充可能数量を計算して、端末を介して補充日・補充商品名・補充数量を入力する(S2−10)。なお、全数補充不能の場合は補充数量に「0」を入力する。
【0053】
上記入力を受け付けた物流センターのサーバーおよびデータベースは、補充数量入力のあった商品の(補充数量)−(不足する補充数量)がマイナスになる場合に、不足する補充数量を計算する(S2−11)。なお、(補充数量)−(不足する補充数量)がプラスの場合は処理を行わない。
【0054】
続いて、(補充数量)−(不足する補充数量)がマイナスになる場合は、商品名・メーカー名・払出予測数量・直近の払出実績・不足する補充数量・現在の在庫数を購入者に通報し(S−12)、商品別の払出数量・補充数量・不足数量・通報回数を登録する(S2−13)。
【0055】
次に、商品別の値引き総額の計算およびメーカーへの通報について説明する。
商品別の値引き総額の計算およびメーカーへの通報は、図6に示すように、まず、メーカーの端末を介して商品別の値引き金額を入力する(S3−1)。
【0056】
上記入力を受け付けた物流センターのサーバーおよびデータベースは、商品別の通報回数を登録済みデータより呼び出し(S3−2)、(商品別の通報回数)×(値引き金額)に基づいて商品別の値引き総額を計算し(S3−3)、商品別の値引き総額を購入者およびメーカーに通報し(S3−4)、商品別の値引き総額を登録する(S3−5)。
【0057】
以上説明したように、実施例1に係る商品流通管理システムによれば、各メーカーが商品の納品予定数量を設定しておき、購入者から購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を下回っていると判断された場合に、該当するメーカーに対して在庫数量が不足している商品の納品を指示することができる。このため、各メーカーにおける在庫管理負担を軽減することができる。
【実施例2】
【0058】
<商品流通管理システムの構成>
次に、本発明の実施例2に係る商品流通管理システムについて説明する。図7は本発明の実施例2に係る商品流通管理システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【0059】
本発明の実施例2に係る商品流通管理システムは、図7に示すように、上述した実施例1に係る商品流通管理システムの構成に対して、警報発生手段31を付加した構成となっている。以下、実施例1に係る商品流通管理システムと同様の機能を有する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
本発明の実施例2に係る商品流通管理システムは、納品予定数量情報記憶手段21、在庫数量情報記憶手段22、在庫数量管理手段23、納品指示手段24、納品指示回数情報記憶手段25、値引き金額演算手段26、決算処理手段27、購入実績情報記憶手段28、払出予測数量演算手段29、払出予測数量情報伝達手段30、購入指示手段41、購入予定数量指示手段42、納品予定数量情報指示手段11、および警報発生手段31を主な構成要素としている。
【0061】
警報発生手段31は、納品予定数量情報記憶手段21および在庫数量情報記憶手段22を参照し、商品の在庫数量が不足する可能性がある場合に、該当するメーカーに対して警報を発生するための手段であり、例えば物流センターに設置されたサーバー52の機能として構成される。
【0062】
なお、警報発生手段31は、コンピュータシステムおよびその周辺機器により構成されるものであり、コンピュータシステムを構成するCPU等がアプリケーションプログラムに従って動作することにより各手段としての機能を発揮するようになっている。
【0063】
警報発生手段31により発生する警報は、インターネット等の電気通信回線55を介してメーカーに設置された端末に伝達される。そして、CRT表示器や液晶表示器等の表示画面に表示されたり、スピーカから警報音を発生したりすることにより、商品の在庫数量が不足する可能性がある旨が報知される。
【0064】
以上説明したように、実施例2に係る商品流通管理システムによれば、警報を受けた各メーカーが適切な対応を行うことにより、在庫不足となる事態を未然に防止することができる。
【0065】
なお、上述した例では、説明を簡略化するため、購入者、物流センター、メーカーをそれぞれ1つずつ有する商品流通管理システムについて詳述したが、複数の購入者、複数の物流センター、複数のメーカーを有する商品流通管理システムにするといった種々の形態にすることができ、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の商品流通管理システムは、主に商品を製造する複数のメーカーと、商品の在庫管理を行う物流センターと、商品の購入者との間において、商品の流通管理を行う際に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例1に係る商品流通管理システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る商品流通管理システムにおける購入者、物流センター、およびメーカーの関係を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1に係る商品流通管理システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1に係る商品流通管理システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1に係る商品流通管理システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例1に係る商品流通管理システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2に係る商品流通管理システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0068】
11 納品予定数量情報指示手段
21 納品予定数量情報記憶手段
22 在庫数量情報記憶手段
23 在庫数量管理手段
24 納品指示手段
25 納品指示回数情報記憶手段
26 値引き金額演算手段
27 決算処理手段
28 購入実績情報記憶手段
29 払出予測数量演算手段
30 払出予測数量情報伝達手段
31 警報発生手段
41 購入指示手段
42 購入予定数量指示手段
51,54 端末
52 サーバー
53 データベース
55 電気通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を製造する複数のメーカーと、商品の在庫管理を行う物流センターと、商品の購入者との間において、商品の流通管理を行う商品流通管理システムであって、
各メーカーが納品を予定している商品数量情報をメーカーおよび商品毎に記憶する納品予定数量情報記憶手段(21)と、
物流センターにおける商品の在庫数量情報をメーカーおよび商品毎に記憶する在庫数量情報記憶手段(22)と、
購入者が商品の購入を指示する購入指示手段(41)と、
前記購入指示手段(41)からの購入指示情報に基づき前記納品予定数量情報記憶手段(21)および前記在庫数量情報記憶手段(22)を参照し、購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を満足しているか否かを管理する在庫数量管理手段(23)と、
前記在庫数量管理手段(23)において、購入指示を受けた商品の在庫数量が各メーカーの納品予定数量を下回っていると判断された場合に、該当するメーカーに対して在庫数量が不足している商品の納品を指示する納品指示手段(24)と、
前記納品指示手段(24)における納品指示回数情報をメーカーおよび商品毎に記憶する納品指示回数情報記憶手段(25)と、
前記納品指示回数情報記憶手段(25)に記憶された納品指示回数情報に応じて、各メーカーにおける商品毎の値引き金額を演算する値引き金額演算手段(26)と、
購入者の商品購入代金、前記値引き金額演算手段(26)により演算された値引き金額に応じて決定された納品金額、および物流センターにおける在庫管理費用に基づき、購入者および各メーカーに対する決算処理を行う決算処理手段(27)と、
を備えたことを特徴とする商品流通管理システム。
【請求項2】
前記値引き金額演算手段(26)は、前記納品指示回数情報記憶手段(25)に記憶された納品指示回数情報の増減に従い値引き金額を変更させることを特徴とする請求項1に記載の商品流通管理システム。
【請求項3】
購入者が購入を予定している商品数量を指示する購入予定数量指示手段(42)と、
購入者による過去の購入実績情報を記憶する購入実績情報記憶手段(28)と、
前記購入予定数量指示手段(42)により指示された購入予定数量情報および前記購入実績情報記憶手段(28)に記憶された購入実績情報に基づき、商品毎の払出予測数量を演算する払出予測数量演算手段(29)と、
前記払出予測数量演算手段(29)における演算結果情報を各メーカーに伝達する払出予測数量情報伝達手段(30)と、
前記払出予測数量情報伝達手段(30)により伝達された払出予測数量情報に基づき、各メーカーが前記納品予定数量情報記憶手段(21)に記憶させる商品数量を指示する納品予定数量情報指示手段(11)と、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の商品流通管理システム。
【請求項4】
前記納品予定数量情報記憶手段(21)および前記在庫数量情報記憶手段(22)を参照し、商品の在庫数量が不足する可能性がある場合に、該当するメーカーに対して警報を発生する警報発生手段(31)を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の商品流通管理システム。
【請求項5】
前記メーカー、前記物流センター、および前記購入者の間における情報伝達は、電気通信回線(55)を介して行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の商品流通管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−204168(P2008−204168A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39508(P2007−39508)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(507055914)株式会社エネルギア・ロジスティックス (5)