説明

商品登録処理装置、及び載置台装置

【課題】制御ユニットを台本体内のデッドスペースに設置することにより、台本体内スペースを有効利用できるようにする。
【解決手段】実施の形態は、ユーザインターフェース部4と、天板32上に前記ユーザインターフェース部4を載置する台本体30と、前記ユーザインターフェース部4から分離され、商品販売データ処理のために機能するハードウェア構成物を収納する制御ユニット5と、前記台本体30内の背面側に設けられ、前記制御ユニット5を垂直な状態で取り付ける取付手段41,42とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、POS端末を備える商品登録処理装置、及びPOS端末を載置する載置台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品販売データ処理装置であるPOS端末は、商品販売データ処理のために機能する制御ユニット、キーボード、ディスプレイ、プリンタ等の要素が集合して構成されている。
【0003】
POS端末が置かれる店舗のチェックアウトスペースには、POS端末の他に、ドロワ、釣銭機、スキャナ、ポイントカードリーダ、電子マネー端末等の周辺機器が設置され、作業スペースが狭くなっている。
【0004】
そこで、限られたスペースでのキャッシャーの作業性をよくするために、チェックアウト作業時においては、操作する必要のない制御ユニットを分割可能な構造とし、作業に支障のないレジ台の内部に制御ユニットを配置できるようにした製品が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−92456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
制御ユニットをレジ台の内部に水平な状態で設置した場合には、レジ袋や割り箸など顧客に渡すものや、その店舗独自で運用している機器、備品等を置くためのスペースが削減されてしまうという不都合があった。
【0007】
また、通常、操作頻度の低い制御ユニットは、レジ台の床面に近い下のほうにレイアウトをしたい要求があるが、床面に近い箇所は、床清掃の際の洗剤などがかかりやすく、機器のレイアウトとしては好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、実施の形態は、ユーザインターフェース部と、天板上に前記ユーザインターフェース部を載置する台本体と、前記ユーザインターフェース部から分離され、商品販売データ処理のために機能するハードウェア構成物を収納する制御ユニットと、前記台本体内の背面側に設けられ、前記制御ユニットを垂直な状態で取り付ける取付手段とからなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施の形態である商品登録処理装置を示す構成図。
【図2】図1のユーザインターフェース部と制御ユニットとの配線接続を示す図。
【図3】図1のレジ台からユーザインターフェース部を離した状態を示す斜視図。
【図4】図1のレジ台内部の背面側を分解して示す斜視図。
【図5】図3のフロントPCBの他の取付位置を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態である商品登録処理装置を示すものである。
【0012】
商品登録処理装置は、載置台装置としてのレジ台1と、このレジ台1上に載置される自動釣銭機2、及びこの自動釣銭機2上に載置される商品販売データ処理装置であるPOS端末3とによって構成されている。
【0013】
POS端末3は、ユーザインターフェース部4、及びこのユーザインターフェース部4から分離された制御ユニット5から構成されている。
【0014】
レジ台1は、台本体30を有し、その内部には引出部27a〜27dが複数段配設されている。引出部27cと27dとの間は顧客が使用可能なスペース28となっている。そして、レジ台1内の背面側のデッドスペース29に、制御ユニット5が垂直状態(縦置状態)で設けられている。
【0015】
図2は、ユーザインターフェース部4と制御ユニット5との配線接続を示すものである。
【0016】
ユーザインターフェース部4には、カードリーダ6、キーボード7、表示器8、スキャナ9、プリンタ10、オペレータTFT11が配設されている。
【0017】
制御ユニット5の前面側17にはUSPバッテリー14、及びHDD/SSD15が配設され、後面側にはコネクタ部16が設けられている。
【0018】
また、制御ユニット5のオペレータによってメンテナンスされる機能であるメンテナンス用のUSBコネクタ18、さらに、オペレータによって操作される機能である電源スイッチSW19、音量ボリューム20、及びリセットSW21は、制御ユニット5から分離されて第2の制御ユニット5aを構成している。この第2の制御ユニット5aは、フロントPCB23に実装されて図3にも示すように、ユーザインターフェース部4にオペレータ用表示器24の下部側に位置して設けられている。
【0019】
図4は、レジ台1をその背面カバー31を取り外して示す斜視図である。
【0020】
レジ台1はその上面部に天板32を有し、この天板32の後部側にはスリット34が穿設されている。このスリット34にはユーザインターフェース部4の各接続機器からの信号ケーブル35が挿入され、この信号ケーブル35が制御ユニット5のコネクタ部16に接続されるようになっている。
【0021】
また、ユーザインターフェース部4に設けられるフロントPCB23は接続ケーブル37、及び中継ケーブル38を介して制御ユニット5の前面側17側に接続されるようになっている。接続ケーブル37も天板32のスリット34に挿入されるようになっている。
【0022】
制御ユニット5内の背面側には背板40が設けられ、この背板40には上下方向に所定間隔を存して取付手段としての上下部の保持具41,42が配設されている。
【0023】
制御ユニット5はその前面側17側を下向き、コネクタ部16側を上向きにして垂直状態で保持具41,42間に嵌め込まれて挟圧保持されるようになっている。制御ユニット5を取り付けたのちは背面カバー31を取り付けてレジ台1の背面側を閉じる。
【0024】
上記したように、この実施の形態によれば、制御ユニット5を台本体30内の背面側に垂直状態で設けるため、台本体30内のデッドスペース29を利用することができる。従って、台本体30内の引出部27cと引出部27dとの間のスペースを、例えば、レジ袋や割り箸など顧客に渡すものや、その店舗独自で運用している機器、備品等を置くためのスペースとして全て有効利用することが可能となる。
【0025】
また、電源SW19、音量ボリューム20、及びリセットSW21、さらにメンテナス用のUSBコネクタ18を有してなる第2の制御ユニット5aを制御ユニット5から分離してフロントPCB23に実装し、このフロントPCB23をユーザインターフェース部4に設けるため、制御ユニット5を台本体30内のデッドスペース29に設置しても、電源SW19、音量ボリューム20、及びリセットSW21、さらにメンテナス用のUSBコネクタ18への通常使用時での物理的なアクセスが妨げられることもない。
【0026】
また、制御ユニット5をレジ台1内の背面側に垂直状態(縦型)にレイアウトするため、ユーザインターフェース部4からの信号ケーブル35と制御ユニット5のコネクタ部16とが近くなる。従って、延長ケーブルを不要、或いは短くでき、配線ケーブルによるノイズの影響を受けにくくなり、また、延長ケーブルのコストも削減することができる。
【0027】
なお、上記した一実施の形態では、第2の制御ユニット5aを搭載するフロントPCB23をユーザインターフェース部4に設けたが、これに限られることなく、図5に示すように、レジ台1のフロント側上部に設けるようにしてもよい。
【0028】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【符号の説明】
【0029】
1…レジ台(載置台)、4…ユーザインターフェース部、5…制御ユニット、5a…第2の制御ユニット、19…電源SW、21…リセットSW、30…台本体、32…天板、34…スリット、35…信号ケーブル(配線ケーブル)、37…接続ケーブル(配線ケーブル)、40…背板、41,42…保持具(取付手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインターフェース部と、
天板上に前記ユーザインターフェース部を載置する台本体と、
前記ユーザインターフェース部から分離され、商品販売データ処理のために機能するハードウェア構成物を収納する制御ユニットと、
前記台本体内の背面側に設けられ、前記制御ユニットを垂直な状態で取り付ける取付手段と、
からなることを特徴とする商品登録処理装置。
【請求項2】
前記制御ユニットから分離され、電源スイッチ、リセットスイッチの機能を有する第2の制御ユニットをさらに有することを特徴とする請求項1記載の商品登録処理装置。
【請求項3】
前記第2の制御ユニットは、前記ユーザインターフェース部に組み込まれていることを特徴とする請求項2に記載の商品登録処理装置。
【請求項4】
ユーザインターフェース部を天板に戴置する台本体と、
前記ユーザインターフェース部とは分離して連結され、前記ユーザインターフェース部を制御するハードウェア構成物を収納した制御ユニットを垂直な状態で前記台本体の背面側に取り付ける取付手段と、
を具備することを特徴とする設置台装置。
【請求項5】
前記取付手段は、前記台本体内の背板に設けられ、前記制御ユニットの上下部を弾性的に挟圧保持する一対の保持部材を有してなることを特徴とする請求項4記載の設置台装置。
【請求項6】
前記天板に設けられ、前記ユーザインターフェース部と前記制御ユニットとを接続する配線ケーブルを挿入させるスリットを備えたことを特徴とする請求項4または5記載の
設置台装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−48494(P2012−48494A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189936(P2010−189936)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】