説明

商品自動包装購入方法とそのシステム

【課題】 購入者が店員の手を経ずに自動(無人)で包装した状態で商品を購入することができる商品自動包装購入方法を提供する。
【解決手段】 購入者が店内で選択した商品Bを挿入台21上に載置して装置20内に挿入したときに商品Bの装置20内への挿入を検知して商品Bを所定位置まで搬送するステップと、商品に記録された商品情報を読み取り、その読み取った商品情報から直接又はその商品情報をデータベースに送って商品の重量を引き出すステップと、商品Bの重量を計測し、前記商品情報に基づき得られた商品重量と整合するか否かを判定するステップと、不整合と判定したとき又は商品情報が読み取り不良のときに商品を元の挿入台21上に返却する一方、整合と判定したときに商品を包装ステップへ移動するステップと、包装材Fにて商品Bを包装するステップと、包装済み商品を取り出し台上に送り出すステップとからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書籍、DVD、女性用肌着、医薬品などの商品を購買者が選択して購入する際に購買者が店員の手を経ずに自動包装して購入するための商品自動包装購入方法とそのシステム(装置)に関する。なお、本発明の対象とする商品の購入には、ビデオテープ、DVDなどのレンタル商品の借り入れも含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
たとえば上記した書籍を購入する場合、通常は、購入しようとする書籍を書店内のレジカウンターに持って行き、そこで店員に手渡し、書籍の代金をカード、現金などで決済すれば、店員が書籍を包装紙で包装したり包装袋に入れたりする。そして、購買者は包装済みの書籍を店員から受け取る−というのが一般的な購入方法である。
【0003】
先行技術として、チェッカー機能部と、キャッシャー機能部とを有する代金自動支払機能付きPOS装置であって、チェッカー機能部は、客が購入した商品の品名、単価、販売点数、販売金額などの販売情報の入力処理を行い、少なくとも販売された商品代金の合計金額を含む販売情報をキャッシャー機能部に出力するものであり、キャッシャー機能部は、チェッカー機能部から入力された販売情報の内、少なくとも客が支払うべき商品代金の合計金額を表示し、入金された金額を計算して会計処理を行い、入金された金額と、商品代金とを精算して受領書を発行し、入金金額が商品代金の合計金額を超えているときには釣り銭を放出する代金自動支払機能付きPOS装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−67326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の購入方法では、たとえば書籍の場合、書籍の内容が店員に見られるうえに、レジカウンター周辺の客にも見られる可能性がある。しかし、購入者にとって書籍の内容によっては、他人に見られたくない場合があり、書籍を包装した状態で受け取ることが望まれる。
【0005】
一方、書店にとっては、店員がバーコードリーダーやバーコードスキャナなどで読み取らせたり、カードや現金で書籍代金を決済したり、レシートを発行して手渡したり、さらには書籍を包装したりする必要があり、人件費がかさむ要因の一つになっている。また、店員が書籍の代金を間違って決済するなど人的ミスが起こるおそれもある。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、商品の購入に際し購買者が店員の手を経ずに自動(無人)で包装した状態で商品を購入することができる商品自動包装購入方法とそのシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明の商品自動包装購入方法は、商品の購入に際し商品を無人で包装する方法であって、購入者が店内で選択した商品を挿入台上に載置して装置内に挿入したときに商品の挿入を検知して商品を所定位置まで搬送するステップと、商品に記録された商品情報を読み取り、その読み取った商品情報から直接又はその商品情報をデータベースに送って商品の重量を読み出すステップと、商品の重量を測定し、前記商品情報による商品重量と整合するか否かを判定するステップと、不整合と判定したとき又は商品情報が読み取り不良のときに商品を前記挿入台上に返却する一方、整合と判定したときに商品を包装ステップへ移動するステップと、包装材にて商品を包装するステップと、包装済み商品を取り出し台上に送り出すステップとを備えたことを特徴とする。
【0008】
上記の目的を達成するために本発明の商品自動包装購入システムは、商品の購入に際し商品を無人で包装するシステムであって、商品を台上に載置して装置内に挿入するための挿入台と、包装済み商品の取り出し台と、前記挿入台上の商品を所定位置まで搬送する搬送手段と、下記の情報読み取り手段で読み取られる商品情報または同商品情報の商品コードに基づきあらかじめ入力された商品データベースから読み出される商品詳細情報の商品重量値と下記の重量測定手段により計測される重量測定値とを比較し、整合しているか否かを判定する比較判定手段と、該比較判定手段により整合しないと判定されるときに前記搬送手段に対し商品を前記挿入台上に返却するように信号を出力する一方、整合すると判定されるときに前記搬送手段を商品とともに下記の包装手段へ移動するように信号を下記の搬送手段の移動手段に出力する指令手段と、前記搬送手段を前記挿入台隣接位置と下記の包装手段隣接位置との間で移動する搬送手段の移動手段と、前記搬送手段上から搬送される商品を袋状包装材内に挿入するかまたは所定位置まで搬送された商品を包装材にて包装するかする包装手段と、包装済みの商品を前記取り出し台上に送り出す送り出し手段とを備え、前記装置内に、商品の挿入を検知する挿入センサー、商品に表示されたバーコード又は商品に付属された無線タグなどの商品情報記録部から商品情報を読み取る情報読み取り手段および商品重量を測定する重量測定手段をそれぞれ設置したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載のように、前記包装手段が、開口部を送り込まれる前記商品に向け袋状包装材を積層して格納する包装材格納部と、この包装材格納部の最上位置にある袋状包装材の開口部を開放する開放機構とを備えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る商品自動包装購入方法および同システムは上記の構成からなるので、購買者が店内で選択した商品を購入する際に店員や他の購買者に商品を見られずに自動的に(無人で)包装することができる。しかも、購買者がセルフで自動包装する際に、商品内に他の商品を挟むなどして不正を働こうとすると、商品の包装を拒否して返却することにより不正を防止でき、また手作業による商品の包装を省けて店員の負担を軽減できるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る商品自動包装購入システムの実施の形態を図面に基づいて説明し、併せて商品自動包装購入方法についても実施の形態を説明する。
【0012】
図1は商品が書籍の場合における商品自動包装購入システムの実施例に係る主装置を示す断面図、図2は図1の主装置を含む本実施例の商品自動包装購入システムの全体を概略的に示す説明図、図3は図2の商品自動包装購入システムの全体構成図、図4は商品自動包装購入システムによる処理の手順を示すフローチャート、図5は袋状包装材を用いた包装機構の実施例を示す一部を断面で表した側面図である。
【0013】
これらの図のうち図2に示すように、本例の商品自動包装購入システム1は書籍の購買者が操作する主装置2を備え、この主装置2は管理サーバ3に接続されている。また、管理サーバ3には監視装置4および現金精算レジ5がそれぞれ接続され、管理サーバ3はクレジットセンター6に接続されている。さらに図3に示すように、主装置2は中央演算装置7を備え、この中央演算装置7に通信機器50を介して監視装置4を含む係員呼出/危機管理装置51、操作画面19を含む客面操作部52、音声案内装置53、領収書等印字装置54、商品識別機構(商品重量の比較判定手段および指令手段を含む)8、商品搬送機構9および商品包装機構10がそれぞれ接続されている。商品識別機構8には、本例では、無線タグの読み取り・書き込み装置11およびバーコード読み取り装置13がそれぞれ接続されているが、これらのほかにも、たとえば磁気カードの読み取り・書き込み装置12、OCR読み取り装置14および2次元コード読み取り装置15をさらに接続することができる。
【0014】
図1に示すように、主装置2は床面から1m前後の高さに書籍の水平な挿入台としての挿入・返却台21を備え、この挿入・返却台21の前方に書籍挿入室20が上方へ突出して設けられている。書籍挿入室20の正面壁20aは前方上向きにやや傾斜し、この傾斜した正面壁20aに購買者用の操作画面19が配設されている。正面壁20aの下部に書籍挿入口20bが開口し、この挿入口20bより書籍挿入室20内に購買者が購入しようとする書籍Bを挿入できるようになっている。書籍挿入室20内の挿入口20b付近に、書籍Bの挿入を検知する挿入センサー23が設置されている。
【0015】
書籍挿入室20内において、挿入・返却台21のすぐ前方に第1搬送手段としての小型のベルトコンベヤ装置22が配設され、このベルトコンベヤ装置22の前方に認識測定搬送部24が搬送手段の移動手段としての昇降機構17(図6参照)を介して上下方向に昇降自在に配設されている。
【0016】
認識測定搬送部24は上部が第2搬送手段としてのベルトコンベヤ装置25から構成され、下部に書籍Bの重量測定器(たとえばロードセル)26が配備されている。認識測定搬送部24が最上位置まで上昇した待機状態で、ベルトコンベヤ装置25の上面がベルトコンベヤ装置22の上面および挿入・返却台21の上面と面一になる。ベルトコンベヤ装置25の上方で挿入センサー23のすぐ前方に、書籍Bの表紙裏面に表示されたバーコードの読み取り手段としてのバーコードリーダ13および書籍Bに添付の無線タグの読み取り装置11など各種読み取り装置(図示せず)が読み取り面を上向きにして配備されている。ベルトコンベヤ装置25の前端上方には前端検知センサー27が設置され、また書籍Bのオーバーランを防止するストッパー27aが前端検知センサー27に隣接して配設されている。本実施例では、第1搬送手段22および第2搬送手段25が商品搬送機構9を構成する。また認識測定搬送部24には、商品識別機構8の一部を構成する書籍重量の比較判定手段および下記の昇降機構17に昇降の指令を出す指令手段が含まれる。
【0017】
図1に示すように主装置2内の挿入・返却台21の下方に、袋状包装材である包装袋のうち大型包装袋格納装置28と小型包装袋格納装置29とが、上下方向に間隔をあけて上下2段に配設されている。各包装袋格納装置28・29には、その上面位置から書籍取り出し台30・31がそれぞれ後方へ延設されている。また各包装袋格納装置28・29には、多数の包装袋Fまたはfが開口を前方に向けて積層した状態で格納されている。各包装袋格納装置28・29内の包装袋F・fはスプリング47(図5)により上方へ付勢されており、最上位置の包装袋F・fに書籍Bが挿入されて後方の取り出し台30・31に送り出されると、すぐ下の包装袋F・fが最上位置に上昇する。認識測定搬送部24は包装袋格納装置28又は29の位置まで下降し、ベルトコンベヤ装置25によりコンベヤベルト25a上の書籍Bが最上位置で開口している包装袋F・fに送り込まれる。なお、商品包装機構10は、本実施例では上下の包装袋格納装置28・29と後述する包装袋F・fの開口部の開放機構16により構成される。
【0018】
すなわち、図5に示すように、包装袋F・fのフラップ(折り返し部)を延ばした状態(折り返さない状態)で包装袋格納装置28・29に格納されるが、各包装袋格納装置28・29の前端部にフラップに当接する断面L形のストッパー板32がそれぞれ設けられている。最上位置の包装袋Fのフラップがストッパー板32の上面32aに当接することで、包装袋F・fの上昇が阻止される。本実施例では、「へ」の字状に屈曲した開放プレート34を先端側に取り付けた開放操作部材33の長手方向の基端寄りを幅方向に貫通する回転軸35でストッパー板32のすぐ後方に回転可能に支持され、回転軸35の一端部に軸着されたテコ36cとモータ36で回転するクランク36aとが連接棒36bを介して接続され、クランク36aが一方向に一回転することにより開放操作部材33の先端側が円弧を描くように前後に往復運動する。
【0019】
開放操作部材33は断面が流線形に形成されており、最上位置の包装袋F・fに対し、先端を後方に向けた水平位置から前後方向に略120°の範囲に円弧を描くように前後運動する。これにより、開放操作部材33の先端部が最上位置の包装袋F・fのフラップ上を前方へ2cm程度滑走し開放プレート34の先端屈曲部分が包装袋F・f内に開口から侵入し、開放プレート34の先端屈曲部分で包装袋F・fの開口部を大きく拡げる。この状態で、開放操作部材33の基端は下方を向いているが、基端部は流線形(先端部も同様)であるため、書籍Bが開放操作部材33の基端部下方を通過するのを邪魔しない。したがって、コンベヤベルト25aの回転により、コンベヤベルト25a上の書籍Bが最上位置の包装袋F・fに向けて送られると、書籍Bは開放操作部材33下を通って包装袋F・f内に挿入される。この状態で既に書籍Bの内容は見えないので、このまま送り出してもよいが、必要に応じて包装袋F・fのフラップが折り返されて封緘されたのち、包装済みの書籍Bは商品送り出し手段としての別の搬送機構(図示せず)により取り出し台30・31上に送り出される。ここで、すぐ下の包装袋F(f)がスプリング47の付勢力により最上位置に押し上げられ、開放操作部材33が再び前後運動することにより、包装袋F(f)の開口部が拡げられる。一方、認識測定搬送部24は書籍Bが取り出し台30(31)上に送り出されると、最上位置へ上昇して待機する。
【0020】
購買者は取り出し台30または31上に送り出された包装袋F・f内に収納された書籍Bを受け取った後、たとえば現金で決済する場合には、包装済みの書籍を現金精算レジ5へ持って行き、そこで現金により支払うことになる。決済方法は現金のほか、クレジットカードなどカードによる決済方法がある。決済方法については、購買者が書籍Bを主装置2の書籍挿入室20内に挿入する際に音声案内装置53の指示に従って操作画面19上でタッチパネルにより選択できる。操作画面19には書籍Bを書籍挿入室20内に挿入したときに書籍の上方がバーコードリーダ13などの読み取り手段で読み取られ、書籍Bの種類(雑誌・文庫本・雑誌など)や値段が表示され、選択すべき複数の決済方法も同時に表示される。なお、現金決済の場合は購買明細票が印字装置54で印字され発行されるので、支払い時に現金精算レジ5に持って行くが、カード決済の場合には操作画面19を見て操作することにより、その場で決済することができ、決済終了後には印字装置54(図4参照)でレシートが印字され発行される。
【0021】
上記のようにして購買者がセルフサービスにより、書籍の内容を誰にも見られずに包装袋に収納した状態で受け取ることができる。
【0022】
続いて、本発明の上記実施例に係る商品自動包装購入システムによる作業手順(商品自動包装購入方法)を図面に基づいて説明する。図4に示すように、
1) 購買者が店内で選択した書籍Bを主装置2の挿入・返却台21上に裏面のバーコードを上向きに載置して書籍挿入室20に挿入すると、挿入センサー23が書籍Bの挿入を検知する。そして、ベルトコンベヤ装置22のコンベヤベルト22aが反時計方向に回転を開始し、前方のベルトコンベヤ装置25に書籍Bを搬送し、コンベヤベルト25aが反時計方向に回転して前方の所定位置まで搬送する。
【0023】
2) コンベヤベルト25aにより書籍Bが搬送される間に、バーコードリーダ13にて書籍Bに関する情報が読み取られる。この情報の一部(価格など)は操作画面19に表示される。また、書籍Bの情報は管理サーバ3へ出力される。監視装置4から書籍Bの商品情報のほか、管理サーバ3を経由して主装置2内の動作や操作状況などを監視することができる。さらに、書籍Bに表示されたバーコードから読み取られる情報以外の、たとえば書籍Bの重量や寸法などが、管理サーバ3のデータベースにあらかじめ入力されているので、バーコードで読み取られた書籍Bの商品コードに基づいて書籍Bの重量や寸法がデーターベースから読み出され、主装置2へ出力される。
【0024】
3) 書籍Bがベルトコンベヤ装置25により書籍挿入室20内の前端へ送られると、前端検知センサー27で検知され、コンベヤベルト25aの回転が停止する。そして、ベルトコンベヤ装置25の下方の重量測定器26にて書籍Bの重量が測定される。測定された重量値とデータベースから読み出された重量値が比較判定手段(商品識別機構8の一部)によって比較対照され、両者が合致しないときには、比較判定手段の判定に基づき指令手段(商品識別機構8の一部)がベルトコンベヤ装置25およびベルトコンベヤ装置22へコンベヤベルト25a・22aを逆方向に回転させるように信号を出力し、書籍Bは挿入・返却台21上に返却される。こうした事態は、購買者がたとえば書籍B内に他の薄い書籍を挟み込むなどして不正に購入しようとしたり、バーコードの読み取りが不良で書籍Bの情報を認識できなかったりするときに起こる。
【0025】
3-1) 測定された書籍Bの重量値とデータベースから読み出された重量値が比較判定手段によって比較対照され、両者が合致したときには、指令手段から昇降機構(搬送手段の移動手段)17に出力され書籍Bは認識測定搬送部24ごと昇降機構17にて包装袋格納装置28又は包装袋格納装置29と同一の高さまで下降する。大型の包装袋Fか小型の包装袋fかは、上記した書籍Bの寸法情報に基づき決定される。
【0026】
3-2) たとえば大型包装袋Fに決定され、大型包装袋格納装置28の位置まで昇降機構17にて認識測定搬送部24が下降すると、ベルトコンベヤ装置25によりコンベヤベルト25a上の書籍Bが最上位置で開口している大型包装袋Fに送り込まれる。包装袋Fの開口部は上記したとおり、開放操作部材33の先端部の開放プレート34によって大きく拡げられているので、ベルトコンベヤ装置25により書籍Bは包装袋F内にスムーズに挿入される。包装袋F内に挿入された書籍Bは、たとえば搬送機構9’・9”(図7・図8参照)により取り出し台30上に押し出される。
【0027】
4) 購買者は書籍Bの情報が読み取られた後、操作画面19に表示されるので、操作画面19で書籍Bの種類や価格などを確認した上で、精算方式を操作画面19で選択する必要がある。精算方式にはカード精算(クレジットカード精算・デビットカード精算)、電子サイフ精算および現金決済がある。現金決済以外は操作画面19を見ながら主装置2の前で行え、決済終了後にレシートが発行されるので、購買者は取り出し台30上の包装済みの書籍Bを受け取って書店を出ることができる、一方、決済方法として現金が選択されたときには、書籍Bの価格や種類などの情報が管理サーバ3から現金決済レジ5へ出力される。現金決済の場合は、上記したとおり購買明細票が発行されるので、最寄りの現金精算レジ5で現金を支払う必要がある。こうした状況は、監視装置4により書店側で全て監視することができる。
【0028】
図6は本発明の商品自動包装購入システムにおける主装置の他の実施例を示すものであるが、昇降機構17は上記実施例と共通するものである、すなわち、昇降機構17は、図6に示すように、ガイド枠40の四隅において上下方向に配設された4本のガイドレール41に沿って走行するガイドローラ42を認識測定搬送部24に装着し、ガイド枠40の前面に上下のプーリ43又はスプロケットに巻かけられた無端ベルト44又は無端チェーンをモータ(図示せず)で回転させるとともに、無端ベルト44又は無端チェーンの後方走行部を連結具45を介して認識測定搬送部24に接続し認識測定搬送部24を昇降する構造からなる。
【0029】
一方、本実施例では、書籍挿入部22は主装置2内の上部に設けている。また、包装袋格納装置は大型包装袋F用と小型包装袋f用とからなる点では共通するが、取り出し台30・31を兼ねた引き出し型格納装置28・29からなり、各格納装置28・29は主装置2に対して所定の範囲内で昇降可能に移設されている点が相違している。その他の構成については、上記実施例と共通するので、共通する構成部材は同一の符号を用いて示し、説明を省略する。
【0030】
図7は搬送機構の他の実施例を示す一部を断面で表した側面図である。本例の搬送機構9’は上記のベルトコンベヤ装置25・22に代わるもので、巻取ロール(図示せず)に巻き取られた一定幅の金属ベルト32の先端下面に係止片32aを取り付け、巻取ロールを正逆の一方を選択して回転させ複数のガイド部材33・34を介して金属ベルト32を繰り出したり巻き込んだりすることにより、書籍Bの一端に係止片32aを係止して押し出したり引き込んだりして搬送する。書籍Bを引き込んで前方に搬送する際には、金属ベルト32を書籍Bの挿入・返却台21と平行に水平保持するための複数のガイド部材33・34とともに上方へ移動させ、金属ベルト32を書籍Bの後方へ繰り出して係止片32aを書籍Bの後端に係止する。なお、金属ベルト32やガイド部材33・34および巻取ローラなどの搬送機構9’は、認識測定搬送部24の書籍載置部24aに対し一体的に昇降するように付設している。書籍載置部24aには、たとえばロードセルを内蔵し、書籍Bの重量をひずみゲージを使用して電圧の変化として測定することができる。また、図7(a)は書籍の挿入モードを、図7(b)は書籍の計量と識別モードを、図7(c)は書籍の返却モードをそれぞれ示している。図7(d)は書籍の正常判定後の包装モードを、図7(e)は包装済み書籍の送り出しモードをそれぞれ示している。
【0031】
図8は搬送機構のさらに他の実施例を示す一部を断面で表した側面図である。本例の搬送機構9”は認識測定搬送部24の書籍載置部24aに対し平行に水平なリニアガイド36を配設し、このリニアガイド36に沿ってスライドするスライダー37に書籍Bの一端に係止可能な係止プレート38を上下動もしくは旋回可能に取り付ける。そして、書籍Bの一端に係止プレート38を係止させた状態でスライダー37をたとえば電磁誘導によりスライドさせることにより、書籍Bを移動させられる。なお、図8(a)は書籍の挿入モードを、図8(b)は書籍の計量と識別モードを、図8(c)は書籍の返却モードをそれぞれ示し、また、図8(d)は書籍の正常判定後の包装モードを、図8(e)は包装済み書籍の送り出しモードをそれぞれ示している。
【0032】
以上に本発明の商品自動包装購入システムおよび同方法の実施例について説明したが、本発明は下記のように実施することができる。
【0033】
1) 商品は書籍に限らず、DVDや下着、市販の医薬品などの主に持ち運び可能な商品の購入に適用できる。
【0034】
2) 包装材として袋状包装材(包装袋)を示したが、商品の形態に応じて包装帯や紐材なども包装材に使用できる。
【0035】
3) 搬送手段(認識測定搬送部24)の移動手段には上記実施例では昇降機構17を使用しているが、取り出し台30(31)を挿入・返却台21の側方に設置する場合には、水平方向に移動させる手段を使用することになる。
【0036】
4) 包装袋の開口部の開放機構としては、上記したものの他、たとえば、開口部の上面を吸引して引き上げることにより開放する吸引方式や粘着性を有する弾力部材で開口部の一面を擦って開放する摩擦方式を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】商品が書籍の場合における本発明の商品自動包装購入システムの実施例に係る主装置を示す側方断面図である。
【図2】図1の主装置を含む本実施例の商品自動包装購入システムの全体を概略的に示す説明図である。
【図3】図2の商品自動包装購入システムの全体構成図である。
【図4】本発明に係る商品自動包装購入システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る袋状包装材を用いた商品包装機構の実施例を示す一部を断面で表した側面図である。
【図6】図6は本発明の商品自動包装購入システムにおける主装置の他の実施例を示すもので、図6(a)は側方断面図、図6(b)は図6(a)の一部である昇降機構の平面図である。
【図7】本発明に係る商品搬送機構の他の実施例を示す一部を断面で表した側面図で、図7(a)は書籍の挿入モードを、図7(b)は書籍の計量と識別モードを、図7(c)は書籍の返却モードを、図7(d)は書籍の正常判定後の包装モードを、図7(e)は包装済み書籍の送り出しモードをそれぞれ示している。
【図8】本発明に係る商品搬送機構のさらに他の実施例を示す一部を断面で表した側面図で、図8(a)は書籍の挿入モードを、図8(b)は書籍の計量と識別モードを、図8(c)は書籍の返却モードをそれぞれ示し、また、図8(d)は書籍の正常判定後の包装モードを、図8(e)は包装済み書籍の送り出しモードをそれぞれ示している。
【符号の説明】
【0038】
1 商品自動包装購入システム
2 主装置
3 管理サーバ
4 監視装置
5 現金精算レジ
6 クレジットセンター
7 中央演算装置
8 商品識別機構(商品重量の比較判定手段および指令手段を含む)
9・9’・9”商品搬送機構
10 商品包装機構
11 無線タグの読み取り・書き込み装置
13 バーコード読み取り装置
12 磁気カードの読み取り・書き込み装置
14 OCR読み取り装置
15 2次元コード読み取り装置
17 昇降機構(搬送手段の移動手段)
19 操作画面(表示部)
20 書籍挿入室
21 挿入・返却台(挿入台)
22・25 ベルトコンベヤ装置(搬送手段)
23 挿入センサー
24 認識測定搬送部
26 重量測定器(ロードセル)
27 前端検知センサー
28・29 包装袋格納装置
30・31 取り出し台
33 開放操作部材
34 開放プレート
B 書籍(商品)
F・f 包装袋


【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購入に際し商品を無人で包装する方法であって、購入者が店内で選択した商品を挿入台上に載置して装置内に挿入したときに商品の挿入を検知して商品を所定位置まで搬送するステップと、商品に記録された商品情報を読み取り、その読み取った商品情報から直接又はその商品情報をデータベースに送って商品の重量を読み出すステップと、商品の重量を測定し、前記商品情報による商品重量と整合するか否かを判定するステップと、不整合と判定したとき又は商品情報が読み取り不良のときに商品を前記挿入台上に返却する一方、整合と判定したときに商品を包装ステップへ移動するステップと、包装材にて商品を包装するステップと、包装済み商品を取り出し台上に送り出すステップとを備えたことを特徴とする商品自動包装購入方法。
【請求項2】
商品の購入に際し商品を無人で包装するシステムであって、商品を台上に載置して装置内に挿入するための挿入台と、包装済み商品の取り出し台と、前記挿入台上の商品を所定位置まで搬送する搬送手段と、下記の情報読み取り手段で読み取られる商品情報または同商品情報の商品コードに基づきあらかじめ入力された商品データベースから読み出される商品詳細情報の商品重量値と下記の重量測定手段により測定される重量測定値とを比較し、整合しているか否かを判定する比較判定手段と、該比較判定手段により整合しないと判定されるときに前記搬送手段に対し商品を前記挿入台上に返却するように信号を出力する一方、整合すると判定されるときに前記搬送手段を商品とともに下記の包装手段へ移動するように信号を下記の搬送手段の移動手段に出力する指令手段と、前記搬送手段を前記挿入台隣接位置と下記の包装手段隣接位置との間で移動する搬送手段の移動手段と、前記搬送手段上から搬送される商品を袋状包装材内に挿入するかまたは所定位置まで搬送された商品を包装材にて包装するかする包装手段と、包装済みの商品を前記取り出し台上に送り出す送り出し手段とを備え、
前記装置内に、商品の挿入を検知する挿入センサー、商品に表示されたバーコード又は商品に付属された無線タグなどの商品情報記録部から商品情報を読み取る情報読み取り手段および商品重量を測定する重量測定手段をそれぞれ設置したことを特徴する商品自動包装購入システム。
【請求項3】
前記包装手段が、開口部を送り込まれる前記商品に向け袋状包装材を積層して格納する包装材格納部と、この包装材格納部の最上位置にある袋状包装材の開口部を拡げる開放機構とを備えたことを特徴とする請求項2記載の商品自動包装購入システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−137457(P2006−137457A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328586(P2004−328586)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(504420641)日本ポイントソフト株式会社 (2)
【出願人】(504420560)