説明

商品見本展示用アタッチメント、及び自動販売機の商品見本展示装置

【課題】シート状商品見本の一部のみを保持した場合にもシート状商品見本の姿勢を維持してディスプレイ台に展示することが可能な商品見本展示用アタッチメント、及び自動販売機の商品見本展示装置を提供する。
【解決手段】本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、立体状の商品見本80を嵌合保持する複数の係合穴を有するディスプレイ台1に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台1の係合穴に係合する係合部を有する取付基台61、及びシート状商品見本81の下端を保持する一条の保持溝621を有し、当該保持溝621を前方側に凸の湾曲状に形成した保持部62からなり、前記保持溝621に挿入したシート状商品見本81を保持溝621に倣って湾曲させて剛性を高めようにした商品見本展示用アタッチメント6を備え、商品見本展示用アタッチメント6をディスプレイ台1の係合穴に取付けることに立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つディスプレイ台1に混合して展示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動販売機における本体キャビネットの庫内に缶入り飲料,ペットボトル入り飲料などの商品をコールド,ホット状態に区分して保存し、外扉のディスプレイ室内に設置したディスプレイ台上に商品見本を展示する際に用いられる商品見本展示用アタッチメント、及びこの商品見本展示用アタッチメントを適用した自動販売機の商品見本展示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の自動販売機の商品見本展示装置について図7を用いて説明する。図7は一般的な缶入り飲料,ペットボトル入り飲料を販売する自動販売機の斜視図である。図に示すように、この自動販売機は、前面が開放した断熱筐体として形成された本体キャビネット10と、本体キャビネット10の前面に開閉可能に支持された外扉20とからなる。本体キャビネット10の商品収納庫の前面は開閉可能な断熱内扉30によって閉塞されている。本体キャビネット10の庫内には、断熱仕切壁により左右方向に複数の商品収納室に区分され、各商品収納室には商品を横倒し状態で収納するとともに下端部に商品搬出装置を有する商品ラックが収設され、また、各商品収納室の下端には、当該各商品収納室を冷却もしくは加熱して商品ラックに収納した商品をコールド・ホット状態に保存する冷却/加熱ユニットが配設されている。
【0003】
外扉20の前面の上部域は透明板40で覆われ、この透明板40と外扉20に開閉可能に支持された中扉60との間の空間がディスプレイ室50として形成されている。前記中扉60の前面には、本体キャビネット10の庫内に収納した商品に対応した複数の商品見本80を左右に一列に並べて載置したディスプレイ台70が上下方向に3段並べて取付けられている。前記透明板40には、各ディスプレイ台70と対峙する位置に商品選択ボタンユニット90が設けられ、商品選択ボタンユニット90は、ディスプレイ台70に載置された各商品見本80に対応して左右に一列に並べて設けた商品選択ボタン(不図示)を有している。さらに、外扉20の前面には、硬貨識別装置201に連通する硬貨投入口、紙幣識別装置202に連通する紙幣挿入口、硬貨返却口、返却レバーおよびロック付ハンドル、商品取出口203などが設けられている。
【0004】
前記ディスプレイ台70は、周知であるので詳細な図示は省略するが、中扉60に固定された左右一対の固定部材とこの左右一対の固定部材に着脱自在に装着される商品載置台からなる。前記商品載置台は、縦断面略コ字形で下方が開放した横長箱状体の内部に蛍光灯などの照明光源が設けられ、その上面壁には商品見本80を嵌合保持する係合穴が左右方向に複数並設されている。また、商品載置台の前面壁には各商品見本80に対応する商品のコールド,ホット状態を表す冷温パターンを表示する冷温表示板および商品の価格情報を表示する価格表示板が装着される。なお、前記冷温表示板,価格表示板に替えて液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイを用いて冷温表示(寒色である青色,暖色である赤色)を行うとともに価格表示を行うものも知られている。
【0005】
前記商品見本80は光透過材料により形成された中空状の本体の底面に光導入部を設け、前記光導入部から本体の内部に光を導入して本体を内側から照明するように構成されている。前記商品見本80は前記ディスプレイ台70に形成した係合穴に嵌合保持されると、ディスプレイ台70の内部に設けた照明光源からの光がディスプレイ台70の係合穴と商品見本80の底部に形成した光導入部とを通して中空状の商品見本の内部に照射され、商品見本が恰も発光しているように展示されることは周知である。前記商品見本80は立体、具体的には、缶,瓶,ペットボトルなどの容器形状に一致させた中空状の本体を備えた商品見本や、前記中空状の本体を半分に切断した半割り状の商品見本などがディスプレイ台70に形成した開口部に嵌合保持するようにされている。前記商品見本80は、前述したように、缶,瓶,ペットボトルなどの容器形状に一致させた中空状の本体を備えた立体状のもの、前記中空状の本体を半分に切断した半割り状のものなどが一般的であるが、ディスプレイ台70の係合穴に嵌合させることができない、例えば、缶,瓶,ペットボトルなどの容器から中身飲料などを抜いた空容器などを展示する場合には、ディスプレイ台70の係合穴に着脱自在な商品見本展示用アタッチメントを用いて空容器を展示するように構成されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−242505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された立体状の商品見本に加え、プラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状のシート状商品見本が知られており、このシート状商品と立体状の商品見本を同一のディスプレイ台に並べて展示することが望まれている。しかしながら、シート状商品見本は立体状の商品見本のようにディスプレイ台の開口部に直接嵌合させることが困難である。このため、シート状商品見本を保持するとともにディスプレイ台の開口部と係合する係合部を備えた商品見本展示用アタッチメントを設けることが考えられる。ところが、シート状商品見本は剛性の弱い薄いプラスチックシートからなることからシート状商品見本の下端のみを保持した場合にはシート状商品見本は起立姿勢を維持することができずに折れ曲がってしまう。このため、商品見本展示用アタッチメントを細長いシート状商品見本の周縁を保持するような大形のものとせねばならず、コストが嵩むという課題を有する。
【0008】
そこで、本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、シート状商品見本の一部のみを保持した場合にもシート状商品見本の姿勢を維持してディスプレイ台に展示することが可能な商品見本展示用アタッチメント、及び自動販売機の商品見本展示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントは、立体状の商品見本を嵌合保持する複数の係合穴を有するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の係合穴に係合する係合部を有する取付基台、及び前記取付基台に連なりシート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部とからなることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端に間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1乃至請求項3のいずれかに係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記取付基台には立体状の商品見本を嵌合保持する係合穴部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る自動販売機の商品見本展示装置は、本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、立体状の商品見本を嵌合保持する複数の係合穴を有するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台の係合穴に係合する係合部を有する取付基台、及び前記取付基台に連なりシート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを備え、前記ディスプレイ台の係合穴に商品見本展示用アタッチメントの取付基台の係合部を係合させて取付けたうえで、商品見本展示用アタッチメントの保持溝にシート状商品見本の下端を装着したことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る自動販売機の商品見本展示装置は、請求項6に係る自動販売機の商品見本展示装置において、前記シート状商品見本は左右側縁に切欠を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、立体状の商品見本を嵌合保持する複数の係合穴を有するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の開口部に係合する係合部を有する取付基台、及び前記取付基台に連なりシート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部とからなることにより、前記保持溝に下端を装着されたシート状商品見本は保持溝の湾曲に倣って湾曲するので、シート状商品見本が可撓性の薄いプラスチックシートからなる場合にもその剛性を高めることができ、シート状商品見本を安定した起立姿勢で展示することができる。
【0017】
また、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることにより、商品見本展示用アタッチメントを透明なプラスチック成形品とした場合にも薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本を保持可能な一条の微小間隙を形成することが可能となる。
【0018】
また、請求項3に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端に間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことにより、シート状商品見本を保持する狭幅部分が3箇所に分散されているので、一条の保持溝が連続した微小間隙で形成されている場合に比較してシート状商品見本の挿入を容易に行うことができる。
【0019】
また、請求項4に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1乃至請求項3のいずれかに係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記取付基台には立体状の商品見本を嵌合保持する係合穴部が形成されていることにより、商品見本展示用アタッチメントをディスプレイ台に取付けた状態で当該商品見本展示用アタッチメントに立体状の商品見本を展示することができ、その場合、商品見本展示用アタッチメントの保持部における保持溝に広告宣伝用の表示部材を装着することにより販売促進を図ることができる。
【0020】
また、請求項5に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることにより、保持部における保持溝に装着されたシート状商品見本の意匠が隠れてしまうことを防止することができる。
【0021】
また、請求項6に係る自動販売機の商品見本展示装置は、本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、立体状の商品見本を嵌合保持する複数の係合穴を有するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台の係合穴に係合する係合部を有する取付基台、及び前記取付基台に連なりシート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを備え、前記ディスプレイ台の係合穴に商品見本展示用アタッチメントの取付基台の係合部を係合させて取付けたうえで、商品見本展示用アタッチメントの保持溝にシート状商品見本の下端を装着したことにより、立体状の商品見本とシート状商品見本を一つディスプレイ台に混合して展示することができる。
【0022】
また、請求項7に係る自動販売機の商品見本展示装置は、前記請求項6に係る自動販売機の商品見本展示装置において、前記シート状商品見本は左右側縁に切欠を有することにより、シート状商品見本の左右側縁における切欠の下部側と上部側とは当該切欠によって繋がりが絶たれることから、下部側の湾曲と上部側の湾曲を切り離すことができ、下部側の湾曲状態に対して上部側の湾曲状態を抑える、つまり、シート状商品見本を保持するために下部側の湾曲の曲率を小さくした場合にも上部側の湾曲の曲率を大きくしてシート状商品見本を見やすく展示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置を示し、(a)はディスプレイ台の要部斜視図、(b)は商品展示用アタッチメントとシート状商品見本とを分解したディスプレイ台の要部斜視図である。
【図2】図1に示したディスプレイ台を示し、(a)はディスプレイ台の分解斜視図、(b)は(a)の右端側の拡大斜視図である。
【図3】図1に示した商品展示用アタッチメントを示し、(a)は前方斜め上方から見た斜視図、(b)は後方斜め下方から見た斜視図、(c)は平面図である。
【図4】図1に示したシート状商品見本の変形例を示す正面図である。
【図5】図1に示した商品展示用アタッチメントの変形例を示す平面図である。
【図6】図1に示した商品展示用アタッチメントの異なる変形例を示し、(a)は商品展示用アタッチメントをディスプレイ台に取付けた状態の要部斜視図、(b)は商品展示用アタッチメントの斜視図である。
【図7】本発明が対象とする自動販売機の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置について添付図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置が従来装置と相違する点は特にディスプレイ台の周辺であり、ここでは従来装置と相違するディスプレイ台の周辺について説明することとし、また、自動販売機の全体構成は図7に示したものと同一であるので適宜図7を参照しつつ説明を行う。
【0025】
図1において、1はディスプレイ台であり、このディスプレイ台1は鋼板製の固定部材2と商品載置台3とからなる。前記固定部材2は商品載置台3を支持する腕木としてのブラケット21(図2参照)を有し、当該ブラケット21が中扉60(図7参照)に係止固定されている。4は液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイであり、商品載置台3に載置された複数の商品見本80若しくは後述するシート状商品見本81に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温表示および商品価格の液晶表示部41を備えている。5は左右方向に延在する鋼板製の取付金具であり、前記固定部材2にねじ止めされて商品情報デジタルディスプレイ4の下端を保持するものである。
【0026】
前記固定部材2は、図2に示すように左右のブラケット21を天板22により連結してなり、天板22には複数の開口221が形成されるとともに天板22の前縁には前方斜め上方に折り曲げられた係止片222が設けられている。前記固定部材2の左右のブラッケット21は左右対称であるので、ここでは正面視右側のブラケット21を代表として説明する。前記ブラッケット21には上面に向けて開放した挿脱溝部21aが形成されるとともに前縁に商品情報デジタルディスプレイ4を係止する係止部21b、およびねじSが螺合するねじ穴21cが形成されている。前記ブラケット21の後縁には内方に向けて折り曲げられた後壁23(図2の(a)参照)が形成され、この後壁23に切起しにより係止片231が形成されている。この係止片231を中扉60(図7参照)に設けた係止穴に嵌合させることにより固定部材2が中扉60に係止固定される。
【0027】
前記商品載置台3は、図2に示すように、上面壁31の両端から下方に延在された左右側壁32を備えてなり、上面壁31には商品見本80を嵌合保持する係合穴311が左右方向に複数並設されている。前記商品載置台3の左右側壁32は左右対称であるので、ここでは正面視右側の側壁32を代表として説明する。前記側壁32には、前方斜め下方向に開放した切欠33が形成されている。また、前記側壁32には内側に向けて切起した当接片34が形成されている。
【0028】
前記商品情報デジタルディスプレイ4は、図2に示すように、液晶表示部41が実装された回路基板を内蔵する横長のデジタル表示ユニット42の前面に白色塗装が施された化粧枠43を組付けてなるものである。前記化粧枠43には液晶表示部41に対応する箇所に窓431が形成されており、化粧枠43の上端部は後方斜め下方に向けて傾斜した係合片432が形成されている。この係合片432は固定部材2の天板22に形成された係止片222に係合するものである。なお、図2の(b)に示すように、化粧枠43の前面から側方寄りには切り起こしにより係止爪433が形成されている。図示は省略したが、化粧枠43の左端側にも前記係止爪433と向う合うように係止爪が切り起こしにより形成されているものである。これらの係止爪433により化粧枠43の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44が保持されているものである。前記透明なカバー部材44は、デジタル表示ユニット42の液晶表示部41を保護するものである。
【0029】
前記取付金具5は縦断面が略L字形に形成された鋼板製になり、白色塗装が施されている。また、前記取付金具5の前面側の板面(L字形における長辺側の板面)には階段状の段差部51(図2の(b)参照)が形成されているとともにねじSが挿通するねじ挿通穴52が穿孔されている。
【0030】
次に、ディスプレイ台1の組立てについて説明すると、まず、左右一対の固定部材2を中扉60(図7参照)に取付ける。この固定部材2の中扉60への取付けは、左右ブラケット21の後壁23に切起しにより形成された係止片231を中扉60の所定位置に穿孔した係合穴に嵌合させることにより固定部材2が中扉60に固着される。次いで、中扉60に固着された固定部材2の左右ブラケット21に対して商品載置台3を、固定部材2の上方から被せるように装着する。この場合、商品載置台3の左右側壁32に内側に向けて切起した当接片34を左右ブラケット21の挿脱溝部21aに対峙させた上で、商品載置台3を固定部材2に被せる。そして、商品載置台3の上面壁31が固定部材2の天板22に当接すると、商品載置台3の左右側壁32の当接片34が左右ブラケット21の挿脱溝部21aに嵌合した状態で固定部材2にセットされる。ここで、商品載置台3の左右側壁32に内側に向けて切起した当接片34が固定部材2の挿脱溝部21aに嵌合しているので、商品載置台3の前後方向への移動が規制される。
【0031】
次いで、前記商品情報デジタルディスプレイ4を中扉60(図7参照)に固着された前記固定部材2に次のように組付ける。すなわち、商品情報デジタルディスプレイ4の背面を固定部材2の左右ブラケット21の前縁に当接させ、その際、商品情報デジタルディスプレイ4の下面を左右ブラケット21の係止部21bの上方に位置させた上で、商品情報デジタルディスプレイ4を左右ブラケット21の前縁に沿わせた状態で商品情報デジタルディスプレイ4の下面が左右ブラケット21の係止部21bに当接するまで下方にスライドさせる。前記商品情報デジタルディスプレイ4の下面が前記係止部21bに当接すると商品情報デジタルディスプレイ4が固定部材2に位置決めされるとともに前記商品情報デジタルディスプレイ4における化粧枠43の係合片432が固定部材2の天板22の前縁に形成した係止片222に係合する。この状態で取付金具5を、その段差部51が商品情報デジタルディスプレイ4の下面に沿うように配設し、ねじSにより左右ブラケット21にねじ止めする。これにより、商品情報デジタルディスプレイ4が固定部材2に固定される。なお、前記固定部材2の左右ブラケット21の中扉60(図7参照)への固着位置を適宜定めることにより、商品情報デジタルディスプレイ4の左右端部は、当該左右ブラケット21よりも外側に突出しているものである。
【0032】
前述したように固定部材2に商品載置台3をセットするとともに固定部材2に商品情報デジタルディスプレイ4を取付けたディスプレイ台1には、図1に示すように、商品載置台3に載置された立体状の商品見本80とシート状商品見本81が起立姿勢で展示されている。シート状商品見本81は可撓性の薄いプラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状の透明若しくは半透明のシートからなるものである。このシート状商品見本81は本発明に係る商品見本展示用アタッチメント6を介してディスプレイ台1に載置されるが、これについては後述する。そして、ディスプレイ台1の前面に位置する商品情報デジタルディスプレイ4における各液晶表示部41にそれぞれの商品見本80,81のコールド,ホット状態を表す冷温状態および商品価格が表示される。なお、商品情報デジタルディスプレイ4の下端を保持する取付金具5は、図7に示したディスプレイ室50の前面の透明板40に設けられた商品選択ボタンユニット90の背後に位置しており、自動販売機の正面からは商品選択ボタンユニット90に隠れて見えないようになっている。
【0033】
さて、シート状商品見本81を起立姿勢でディスプレイ台1に展示するための商品見本展示用アタッチメント6について図3を用いて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6は、矩形平面を有する取付基台61と、この取付基台61の前面に連なる保持部62からなる透明なプラスチック成形品である。前記取付基台61は、左右幅が前記商品載置台3の係合穴311(図2参照)よりも大きく、前後幅が前記商品載置台3の前後幅と前記商品情報デジタルディスプレイ4の前後幅を加えた幅に相当する矩形平板として形成され、矩形平板の左右端部から背面側に延在する左右側壁611,611を有するとともに矩形平面の背面側には3個の係止片612,613,614が設けられている。3個の係止片612,613,614のうち、前方側に位置する係止片612の先端には前方に向けて延在するフックが形成され、後方側の左右の係止片613,614の先端部には外方を向いたフックが形成されている。前記左右側壁611,611は、前記商品情報デジタルディスプレイ4の頭部が商品載置台3よりも上方に突出(図1参照)することから取付基台61の矩形平面を前記商品情報デジタルディスプレイ4の頭部に一致させるためである。また、3個の係止片612,613,614は商品載置台3に形成した商品見本80の係合穴311(図2参照)に周縁に対応する位置にそれぞれ設けられている。この3個の係止片612,613,614が、請求項1における係合部を構成する。前記取付基台61の前面に連なる保持部62は前方側に凸の湾曲状に形成されており、その湾曲に沿って一条の保持溝621が形成されている。前記保持溝621には薄いシート状商品見本81が挿入され、当該シート状商品見本81を保持するように構成されている。この薄いシート状商品見本81を保持するために保持溝621の溝幅は微小間隙として形成せねばならない。このため、前記保持溝621の内壁は互い違いに噛み合う鋸歯状に形成され、両者の鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように構成されている。
【0034】
次に、前記商品見本展示用アタッチメント6の商品載置台3への取付けについて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6は商品載置台3の上方から取付基台61が係合穴311を覆うように被せる。その際、係止片612の前方に向けて延在するフックを商品載置台3の係合穴311に挿通させたうえでフックを係合穴311の周縁背壁に潜り込ませるように前方に移動させて係止片612を係合穴311の周縁に当接させる。このとき、左右の係止片613,614の先端部に設けたフックの外縁が係合穴311の上面側周縁に当接し、商品見本展示用アタッチメント6は後端側が僅かに浮き上がった姿勢となっている。この状態から商品見本展示用アタッチメント6の後端側に下方に向かう力を加えると、左右の係止片613,614の先端部に設けたフックが係合穴311に押し込まれる、つまり、左右の係止片613,614が係合穴311の内方側に撓む。そして、前記フックが係合穴311を乗り越えると左右の係止片613,614が元の状態に復元してフックが係合穴311の周縁背壁に係止される。このとき、取付基台61の左右側壁611,611は商品載置台3に当接する。なお、商品見本展示用アタッチメント6を商品載置台3に装着する際、取付基台61の前面に連なる保持部62が商品情報デジタルディスプレイ4の頭部に当接して支障が生じるが、商品見本展示用アタッチメント6がプラスチック成形品からなることにより取付基台61が撓むことにより、前記障害は回避されるものである。
【0035】
前記商品載置台3に装着された商品見本展示用アタッチメント6の保持部62における保持溝621にはシート状商品見本81が挿入される。この場合、シート状商品見本81は下端の一部のみが保持溝621に挿入された状態で保持部62に保持されることとなるが、保持溝621が湾曲していることからシート状商品見本81も保持溝621の湾曲に倣って横断面が前方側に凸となるように湾曲した状態で起立する。このように、シート状商品見本81を湾曲させて保持することにより剛性が高められ、薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定した起立姿勢に維持することができる。そして、商品見本展示用アタッチメント6が商品載置台3の複数の係合穴311ごとに装着するように構成されているので、当該商品見本展示用アタッチメント6を複数の係合穴311の適宜位置に装着することにより、シート状商品見本81と立体状の商品見本80を同一のディスプレイ台1に並べて展示することができるものである。
【0036】
前記実施の形態においては、シート状商品見本81が矩形平板状に形成されたものついて説明したが、このような矩形平板状のシート状商品見本81の下端を湾曲させた際、シート状商品見本81の全体が湾曲してしまうことがある。このように、シート状商品見本81の全体が湾曲することを回避するために図4に示すようなシート状商品見本を用いることができる。すなわち、図4に示すように、シート状商品見本82は左右側縁の下部側に切欠821を有している。このように、切欠821を有するシート状商品見本82の下端を湾曲させる、つまり、前記商品見本展示用アタッチメント6の保持溝621に挿入した場合、シート状商品見本82の切欠821よりも下部側は保持溝621の湾曲に倣って湾曲(曲率の小さい湾曲)するが、前記切欠821によって下部側との繋がりが一部絶たれた切欠821よりも上部側の湾曲は下部側の湾曲に対して比較的小さくなる(曲率の大きな湾曲となる)。このように、切欠821を形成することによりシート状商品見本82の湾曲を抑えることができる一方、切欠821よりも下部側は保持溝621の湾曲に倣って湾曲することから薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本82を安定して起立姿勢に維持することができる。なお、切欠821は複数個形成することもでき、また、切欠821の形状は角型に限らず湾曲形状とすることもでき、さらに、切欠821に代えて切り込みを入れることもできるものである。
【0037】
次に、図5は、前記商品見本展示用アタッチメント6の変形例を示す。図5に示す商品見本展示用アタッチメント6Aが前記実施の形態における商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は保持溝621Aの溝構成であり、その他の構成については同一であるので、図5では商品見本展示用アタッチメント6Aの平面を表している。図において、61Aは矩形平面を有する取付基台であり、62Aは前記取付基台61Aの前面に連なる保持部であり、これらの取付基台61Aと保持部62Aからなる商品見本展示用アタッチメント6Aは透明なプラスチック成形品として形成されている。前記保持部62Aに形成された一条の保持溝621Aは、前記実施の形態の保持溝621と同様にその内壁に互い違いに噛み合うように鋸歯状に形成されている。この保持溝621Aが前記実施の形態の保持溝621と相違する点は次のとおりである。すなわち、前記保持溝621Aは、その内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝621Aの左右端部622,622と中央部623における対向する鋸歯の先端の間の間隔L1をシート状商品見本81,82の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端の間の間隔L2をシート状商品見本81,82の厚みに対して比較的広い広幅として構成されている。
【0038】
ここで、前記実施の形態における商品見本展示用アタッチメント6の保持部62における保持溝621は、全域に亘って一様の微小間隙が生じるように構成、つまり、一条の保持溝621の隙間寸法が全域に亘って一定の微小間隙が生じるように構成されているが、この場合にはシート状商品見本81,82の挿入に手間がかかるものである。すなわち、保持溝621の隙間寸法はシート状商品見本81,82を保持するためにシート状商品見本81,82の厚さと略同一の微小間隙として形成されているとともに、一条の保持溝621が湾曲していることから、シート状商品見本81,82を保持溝621に沿って湾曲させつつ挿入せねばならない。このため、シート状商品見本81,82の保持溝621への挿入に手間がかかり、煩わしい作業となる。かかる点、図5に示す商品見本展示用アタッチメント6Aの保持溝621Aは、シート状商品見本81,82の厚みと略一致する間隔L1の狭幅の溝が分散して形成される一方、狭幅の溝を除く他の溝がシート状商品見本81,82の厚みに対して比較的広い間隔L2の広幅の溝として形成されていることから、分散された狭幅の溝にシート状商品見本81,82を挿入すればよい。したがって、シート状商品見本81,82の保持溝621Aへの挿入が頗る容易となるので、シート状商品見本81,82の保持溝621Aへの挿入作業を簡単にすることができる。しかも、分散された狭幅の溝によってシート状商品見本81,82を保持するので、シート状商品見本81,82を湾曲した状態に維持することができ、薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81,82を安定した起立姿勢で展示することができる。
【0039】
次に、図6は、商品見本展示用アタッチメント6の異なる変形例を示す。図6に示す商品見本展示用アタッチメント6Bが前記実施の形態における商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、図6の(b)に示すように、矩形平面からなる取付基台61Bに立体状の商品見本80を嵌合保持する係合穴部610を設けた点であり、その他の構成については同一である。図6の(a)はディスプレイ台1に取付けられた商品見本展示用アタッチメント6Bに立体状の商品見本80を展示した状態の斜視図であり、図6の(b)は商品見本展示用アタッチメント6Bの斜視図である。
【0040】
図に示すように、商品見本展示用アタッチメント6Bは、矩形平面を有する取付基台61Bと、この取付基台61Bの前面に連なり、一条の保持溝621Bが形成された保持部62Bとからなり、透明なプラスチック成形品として形成されている。前記商品見本展示用アタッチメント6Bの形平面を有する取付基台61Bには、図6の(b)に示すように、係合穴部610が形成されている。この係合穴部610は、従来から良く知られているように、立体状の商品見本80の底部に形成した嵌合部(不図示)と係合するように構成されている。なお、前記保持部62Bに形成された一条の保持溝621Bは、前記実施の形態の保持溝621と同様にその内壁に互い違いに噛み合うように鋸歯状に形成されている。また、前記取付基台61Bの背面には、矩形平板の左右端部から背面側に延在する左右側壁611B,611Bを有するとともに矩形平面の背面側には3個の係止片612B,613B,614Bが設けられている点も前記実施の形態と同一である。
【0041】
前記商品見本展示用アタッチメント6Bのディスプレイ台1への取付けは、前記実施の形態と同様に、前記商品見本展示用アタッチメント6Bを商品載置台3(図2参照)の上方から係合穴311を覆うように被せ、その際、係止片612Bの前方に向けて延在するフックを商品載置台3の係合穴311に挿通させたうえでフックを係合穴311の周縁背壁に潜り込ませるように前方に移動させて係止片612を係合穴311の周縁に当接させたうえで、商品見本展示用アタッチメント6Bの後端側に下方に向かう力を加えて、左右の係止片613,614の先端部に設けたフックを係合穴311に押し込んで係合穴311の周縁背壁に係止させる。このようにしてディスプレイ台1に取付けられた商品見本展示用アタッチメント6Bの係合穴部610には立体状の商品見本80が嵌合保持される。前記商品見本展示用アタッチメント6Bの係合穴部610に立体状の商品見本80を嵌合保持して展示した状態を図6の(a)に示している。ここで、前記商品見本展示用アタッチメント6Bは、透明なプラスチック成形品として形成されているので、ディスプレイ台1の内部に設けた蛍光灯などの照明光源(不図示)からの光を、ディスプレイ台1の係合穴311(図2参照)を介して商品見本80の底部に形成した光導入部(不図示)を通して商品見本80の内部に照射することが可能となり、ディスプレイ台1の係合穴311に直接嵌合保持された立体状の商品見本80と同様に、商品見本80が内部からの照明によって発光しているように展示することができるものである。
【0042】
さて、シート状商品見本81(図1参照)を展示するためにディスプレイ台1に取付けた商品見本展示用アタッチメント6Bの部位に立体状の商品見本80を展示しようとする場合、つまり、シート状商品見本81に代えて立体状の商品見本80を展示する場合、前記商品見本展示用アタッチメント6Bをディスプレイ台1から取外せばディスプレイ台1に係合穴311(図2参照)が露出することから、当該係合穴311に立体状の商品見本80を嵌合保持させることができるので、前記商品見本展示用アタッチメント6Bに係合穴部610を形成する必要がないと考えられる。しかしながら、前記商品見本展示用アタッチメント6Bをディスプレイ台1から取外した場合、当該商品見本展示用アタッチメント6Bの保管が面倒であるという問題がある。すなわち、前記商品見本展示用アタッチメント6Bのディスプレイ台1からの取外し作業は、現地(自動販売機の設置場所)で行われることから、取外した商品見本展示用アタッチメント6Bを持ち帰って保管せねばならないので、手間がかかるという問題を有する。また、取外した商品見本展示用アタッチメント6Bを自動販売機内に保管することも考えられるが、自動販売機内に保管場所を確保せねばならないとともに自動販売機内に保管されていることを表示しておかねば忘れ去られるおそれがある。かかる点、この変形例のように、ディスプレイ台1に取付けた商品見本展示用アタッチメント6Bに立体状の商品見本80を展示することが可能であれば商品見本展示用アタッチメント6Bをディスプレイ台1から取外す必要がないので、前述した煩わしさをなくすことができるものである。
【0043】
さらに、ディスプレイ台1に取付けた商品見本展示用アタッチメント6Bに立体状の商品見本80を展示した場合、商品見本展示用アタッチメント6Bからシート状商品見本81が取外されて商品見本展示用アタッチメント6Bの保持部62が空き状態となるので、前記保持部62に広告宣伝用の表示部材(不図示)を装着することができる。この場合、前記表示部材は、シート状商品見本81と同様に可撓性の薄い透明なプラスチックシートからなり、「新発売」などの広告、若しくはキャラクターなどを表示したものである。このように、商品見本展示用アタッチメント6Bの保持部62に表示部材を装着することにより販売促進を図ることが可能となる。
【0044】
前述したように本発明の実施の形態に係る商品見本展示用アタッチメント6,6A,6Bによれば、立体状の商品見本80を嵌合保持する複数の係合穴311を有するディスプレイ台1に取付けられる商品見本展示用アタッチメント6,6A,6Bであって、前記ディスプレイ台1の係合穴311に係合する係合部(係止片612,613,614、係止片612B,613B,614B)を有する取付基台61,61A,61B、及び前記取付基台61,61A,61Bに連なりシート状商品見本81,82の下端を保持する一条の保持溝621,621A,621Bを有し、かつ、前記一条の保持溝621,621A,621Bを前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部62,62A,62Bとからなることにより、前記保持溝621,621A,621Bに下端を装着されたシート状商品見本81,82は、保持溝621,621A,621Bの湾曲に倣って湾曲するので、シート状商品見本81,82が可撓性の薄いプラスチックシートからなる場合にもその剛性を高めることができ、シート状商品見本81,82を安定した起立姿勢で展示することができるものである。
【0045】
また、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50内に配設され、立体状の商品見本80を嵌合保持する複数の係合穴311を有するディスプレイ台1と、前記ディスプレイ台1の係合穴311に係合する係合部(係止片612,613,614、係止片612B,613B,614B)を有する取付基台61,61A,61B、及び前記取付基台61,61A,61Bに連なりシート状商品見本81,82の下端を保持する一条の保持溝621,621A,621Bを有し、かつ、前記一条の保持溝621,621A,621Bを前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部62,62A,62Bとからなる商品見本展示用アタッチメント6,6A,6Bを備え、前記ディスプレイ台1の係合穴311に商品見本展示用アタッチメント6,6A,6Bの取付基台61,61A,61Bの係合部(係止片612,613,614、係止片612B,613B,614B)を係合させて取付けたうえで、商品見本展示用アタッチメント6,6A,6Bの保持溝621,621A,621Bにシート状商品見本81,82の下端を装着したことにより、立体状の商品見本80とシート状商品見本81,82を一つディスプレイ台1に混合して展示することができるものである。
【0046】
なお、上記実施の形態においては、保持溝621,621A,621Bが一条の連続した溝からなる形態について説明したが、例えば、保持溝621,621A,621Bが連続しておらずに細切れに分散されたものであってもよく、また、溝の代わりに複数の突起を並設して微小間隙を形成することもできる。したがって、一条の保持溝621,621A,621Bとはシート状商品見本81,82を湾曲した状態で保持できるものを総称するものであり、前述した実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
1…ディスプレイ台、2…固定部材、3…商品載置台、4…商品情報デジタルディスプレイ、5…取付金具、6,6A,6B…商品見本展示用アタッチメント、10…本体キャビネット、20…外扉、30…内扉、41…液晶表示部、42…デジタル表示ユニット、50…ディスプレイ室、60…中扉、61,61A,61B…取付基台、62,62A,62B…保持部、80…(立体状の)商品見本、81…シート状商品見本、311…係合穴、610…係合穴部、621,621A,621B…保持溝、821…切欠。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体状の商品見本を嵌合保持する複数の係合穴を有するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の係合穴に係合する係合部を有する取付基台、及び前記取付基台に連なりシート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部とからなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項2】
請求項1記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項3】
請求項2記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端に間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記取付基台には立体状の商品見本を嵌合保持する係合穴部が形成されていることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項6】
本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、立体状の商品見本を嵌合保持する複数の係合穴を有するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台の係合穴に係合する係合部を有する取付基台、及び前記取付基台に連なりシート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを備え、前記ディスプレイ台の係合穴に商品見本展示用アタッチメントの取付基台の係合部を係合させて取付けたうえで、商品見本展示用アタッチメントの保持溝にシート状商品見本の下端を装着したことを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項7】
請求項6記載の自動販売機の商品見本展示装置において、前記シート状商品見本は左右側縁に切欠を有することを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−20595(P2013−20595A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159571(P2011−159571)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】