商品見本展示用アタッチメント、及び自動販売機の商品見本展示装置
【課題】シート状商品見本の一部のみを保持した場合にもシート状商品見本の姿勢を維持してディスプレイ台に展示することが可能な商品見本展示用アタッチメント、及び商品見本展示装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイ室内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1と、少なくとも商品価格を表示する液晶表示部41を有し、液晶表示部を保護する透明なカバー部材を装備してなる商品情報デジタルディスプレイ4とを備え、カバー部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本81の下端を保持する湾曲した一条の保持溝621を有する複数の保持部を備えた商品見本展示用アタッチメント6を設け、保持溝に装着されたシート状商品見本を保持溝に倣って湾曲させることにより剛性を高め、立体状の商品見本とシート状商品見本を一つのディスプレイ台1に混合して展示する。
【解決手段】ディスプレイ室内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1と、少なくとも商品価格を表示する液晶表示部41を有し、液晶表示部を保護する透明なカバー部材を装備してなる商品情報デジタルディスプレイ4とを備え、カバー部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本81の下端を保持する湾曲した一条の保持溝621を有する複数の保持部を備えた商品見本展示用アタッチメント6を設け、保持溝に装着されたシート状商品見本を保持溝に倣って湾曲させることにより剛性を高め、立体状の商品見本とシート状商品見本を一つのディスプレイ台1に混合して展示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動販売機における本体キャビネットの庫内に缶入り飲料,ペットボトル入り飲料などの商品をコールド,ホット状態に区分して保存し、外扉のディスプレイ室内に設置したディスプレイ台上に商品見本を展示する際に用いられる商品見本展示用アタッチメント、及びこの商品見本展示用アタッチメントを適用した自動販売機の商品見本展示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の自動販売機の商品見本展示装置について図14を用いて説明する。図14は一般的な缶入り飲料,ペットボトル入り飲料を販売する自動販売機の斜視図である。図に示すように、この自動販売機は、前面が開放した断熱筐体として形成された本体キャビネット10と、本体キャビネット10の前面に開閉可能に支持された外扉20とからなる。本体キャビネット10の商品収納庫の前面は開閉可能な断熱内扉30によって閉塞されている。本体キャビネット10の庫内には、断熱仕切壁により左右方向に複数の商品収納室に区分され、各商品収納室には商品を横倒し状態で収納するとともに下端部に商品搬出装置を有する商品ラックが収設され、また、各商品収納室の下端には、当該各商品収納室を冷却もしくは加熱して商品ラックに収納した商品をコールド・ホット状態に保存する冷却/加熱ユニットが配設されている。
【0003】
外扉20の前面の上部域は透明板40で覆われ、この透明板40と外扉20に開閉可能に支持された中扉60との間の空間がディスプレイ室50として形成されている。前記中扉60の前面には、本体キャビネット10の庫内に収納した商品に対応した複数の商品見本80を左右に一列に並べて載置したディスプレイ台70が上下方向に3段並べて取付けられている。前記透明板40には、各ディスプレイ台70と対峙する位置に商品選択ボタンユニット90が設けられ、商品選択ボタンユニット90は、ディスプレイ台70に載置された各商品見本80に対応して左右に一列に並べて設けた商品選択ボタン(不図示)を有している。さらに、外扉20の前面には、硬貨識別装置201に連通する硬貨投入口、紙幣識別装置202に連通する紙幣挿入口、硬貨返却口、返却レバーおよびロック付ハンドル、商品取出口203などが設けられている。
【0004】
前記ディスプレイ台70は、周知であるので詳細な図示は省略するが、中扉60に固定された左右一対の固定部材とこの左右一対の固定部材に着脱自在に装着される商品載置台からなる。前記商品載置台は、縦断面略コ字形で下方が開放した横長箱状体の内部に蛍光灯などの照明光源が設けられ、その上面壁には商品見本80を嵌合保持する係合穴が左右方向に複数並設されている。また、商品載置台の前面壁には各商品見本80に対応する商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報を表示する冷温表示板および商品の価格情報を表示する価格表示板が装着される。なお、前記冷温表示板,価格表示板に替えて液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイを用いて冷温情報の表示(寒色である青色,暖色である赤色)を行うとともに価格情報の表示を行うものも知られている。
【0005】
前記商品見本80は光透過材料により形成された中空状の本体の底面に光導入部を設け、前記光導入部から本体の内部に光を導入して本体を内側から照明するように構成されている。前記商品見本80は前記ディスプレイ台70に形成した係合穴に嵌合保持されると、ディスプレイ台70の内部に設けた照明光源からの光がディスプレイ台70の係合穴と商品見本80の底部に形成した光導入部とを通して中空状の商品見本の内部に照射され、商品見本が恰も発光しているように展示されることは周知である。前記商品見本80は立体、具体的には、缶,瓶,ペットボトルなどの容器形状に一致させた中空状の本体を備えた商品見本や、前記中空状の本体を半分に切断した半割り状の商品見本などがディスプレイ台に形成した開口部に嵌合保持するようにされている。前記商品見本80は、前述したように、缶,瓶,ペットボトルなどの容器形状に一致させた中空状の本体を備えたもの、前記中空状の本体を半分に切断した半割り状のものなどが一般的であるが、ディスプレイ台70の係合穴に嵌合させることができない、例えば、缶,瓶,ペットボトルなどの容器から中身飲料などを抜いた空容器などを展示する場合には、ディスプレイ台70の係合穴に着脱自在な商品見本展示用アタッチメントを用いて空容器を展示するように構成されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−242505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された立体状の商品見本に加え、プラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状のシート状商品見本が知られており、このシート状商品見本と立体状の商品見本を同一のディスプレイ台に並べて展示することが望まれている。しかしながら、シート状商品見本は立体状の商品見本のようにディスプレイ台の開口部に直接嵌合させることが困難である。このため、シート状商品見本を保持するとともにディスプレイ台の開口部と係合する係合部を備えた商品見本展示用アタッチメントを設けることが考えられる。ところが、シート状商品見本は剛性の弱い薄いプラスチックシートからなることからシート状商品見本の下端のみを保持した場合にはシート状商品見本は起立姿勢を維持することができずに折れ曲がってしまう。このため、商品見本展示用アタッチメントを細長いシート状商品見本の周縁を保持するような大形のものとせねばならず、コストが嵩むという課題を有する。
【0008】
そこで、本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、シート状商品見本の一部のみを保持した場合にもシート状商品見本の姿勢を維持してディスプレイ台に展示することが可能な商品見本展示用アタッチメント、及び自動販売機の商品見本展示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントは、立体状の商品見本を展示するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項2記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端の間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、左右に隣接する保持部の間に表示具を固着する係合部を有することを特徴とする。
【0014】
さらに、請求項6に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具を挟持する挟持溝からなることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具のポールを挿入係止する係止穴からなることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は広告表示板、或いは冷温強調板であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項8に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は係合部に個別に固着される単一表示具、若しくは複数の係合部に跨る連接表示具からなることを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に係る自動販売機の商品見本展示装置は、本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、複数の商品見本を展示するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台上に展示された複数の商品見本に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部品とを備え、前記商品情報表示部品をディスプレイ台の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを設け、当該商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報表示部品に装着して商品見本展示用アタッチメントをディスプレイ台に取り付けたことを特徴とする。
【0019】
さらに、請求項11に係る自動販売機の商品見本展示装置は、請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品の冷温情報および価格情報を表示する液晶表示部を有し、当該液晶表示部を保護する横長帯状の透明なカバー部材を装備してなる商品情報デジタルディスプレイであり、当該カバー部材に代えて商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報デジタルディスプレイの前面に装着してなることを特徴とする。
【0020】
そしてまた、請求項12に係る自動販売機の商品見本展示装置は、請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報を表示する冷温表示部材、および商品の価格情報を表示する価格表示部材からなり、前記商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前後に重ね合わせて配設される前記冷温表示部材と価格表示部材との間に挿入してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、立体状の商品見本を展示するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなることにより、前記保持溝に下端を装着されたシート状商品見本は保持溝の湾曲に倣って湾曲するので、シート状商品見本が可撓性の薄いプラスチックシートからなる場合にもその剛性を高めることができ、シート状商品見本を安定した起立姿勢で展示することができる。
【0022】
また、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることにより、商品見本展示用アタッチメントを透明なプラスチック成形品とした場合にも薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本を保持可能な一条の微小間隙を形成することが可能となる。
【0023】
また、請求項3に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端に間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことにより、シート状商品見本を保持する狭幅部分が3箇所に分散されているので、一条の保持溝が連続した微小間隙で形成されている場合に比較してシート状商品見本の挿入を容易に行うことができる。
【0024】
また、請求項4に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることにより、保持部における保持溝に装着されたシート状商品見本の意匠が隠れてしまうことを防止することができる。
【0025】
また、請求項5に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、左右に隣接する保持部の間に表示具を固着する係合部を有することにより、商品見本展示用アタッチメントを、表示具、例えば、「新発売」などの広告、若しくはキャラクターなどを表示した宣伝広告用の表示具の取付けに兼用することができ、安価に販売促進を図ることが可能となる。
【0026】
この場合、請求項6に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具を挟持する挟持溝からなることにより、表示具は挟持溝に差し込むことにより固着され、また、請求項7に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具のポールが挿入される係止穴からなることにより、表示具はポールを係止穴に挿入することにより固着されるので、表示具をワンタッチで商品見本展示用アタッチメントに取付けることができる。
【0027】
また、請求項8に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は広告表示板、或いは冷温強調板であることにより、例えば、「新発売」などの広告、若しくはキャラクターなどを表示した広告表示板の場合には商品見本に近接して広告宣伝表示を行うことができるので安価に販売促進を図ることが可能となり、また、冷温強調板の場合には、ディスプレイ台の前面に表示された冷温情報に加えて商品の冷温状態を強調でき、特に、ディスプレイ台の前面に取付けられた冷温情報を表示する商品情報表示部材が、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイである場合、若しくは商品情報表示部材が冷温表示板である場合、節電のために商品情報デジタルディスプレイの電源が遮断、若しくは冷温表示板を照明する蛍光灯などの照明光源が消灯された際にも、前記冷温情報を視認し難い場合にも商品の冷温状態を一目で分かるように表示することができるので販売機会の増大を図ることが可能となる。
【0028】
また、請求項9に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項8に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は係合部に個別に固着される単一表示具、若しくは複数の係合部に跨る連接表示具からなることにより、単一表示具、および連接表示具を択一して装着することができるので、表示具が広告表示板の場合には、ディスプレイ台上に「新発売」の商品を分散して載置することや所定箇所に集合させて載置することができる、つまり、ディスプレイ台に載置する商品見本のレイアウトの自由度を得ることができ。
【0029】
また、請求項10に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、複数の商品見本を展示するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台上に展示された複数の商品見本に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部品とを備え、前記商品情報表示部品をディスプレイ台の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを設け、当該商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報表示部品に装着して商品見本展示用アタッチメントをディスプレイ台に取り付けたことにより、シート状商品見本を展示する商品見本展示用アタッチメントを立体状の商品見本を展示するディスプレイ台に追加装備することができるので、立体状の商品見本とシート状商品見本を一つのディスプレイ台に混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメントの保持部に形成された湾曲した保持溝に下端を保持されたシート状商品見本が保持溝の湾曲に倣って湾曲するので、その剛性を高めることができ、シート状商品見本を起立姿勢に維持することができる。
この場合、請求項11に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品の冷温情報および価格情報を表示する液晶表示部を有し、当該液晶表示部を保護する横長帯状の透明なカバー部材を装備してなる商品情報デジタルディスプレイであり、当該カバー部材に代えて商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報デジタルディスプレイの前面に装着してなることにより、商品見本展示用アタッチメントの透明板部を液晶表示部を保護する横長帯状の透明なカバー部材として兼用することが可能となる。
【0030】
そしてまた、請求項12に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、請求項11に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台の前面に配設された商品情報表示部材は、商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報を表示する冷温表示部材、及び冷価格情報を表示する価格表示部材からなり、前記商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前後に重ね合わせて配設される前記冷温表示部材と価格表示部材との間に挿入してなることにより、ディスプレイ台の前面に配設された冷温表示部材に重ねて当該ディスプレイ台上に展示された複数の商品見本に対応する価格情報を表示する価格表示部材を備えた既設の自動販売機にも商品見本展示用アタッチメントを簡単に追加装備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1に係る自動販売機の商品見本展示装置を示し、(a)はディスプレイ台の要部斜視図、(b)は商品見本展示用アタッチメントを装着したディスプレイ台の要部斜視図である。
【図2】図1に示したディスプレイ台を示し、(a)はディスプレイ台の分解斜視図、(b)は(a)の右端側の拡大斜視図である。
【図3】ディスプレイ台から商品見本展示用アタッチメントを取外して示す分解斜視図である。
【図4】本発明の商品見本展示用アタッチメントに係る変形例を示す要部平面図である。
【図5】本発明の商品見本展示用アタッチメントに係る異なる変形例を示し、(a)は商品見本展示用アタッチメントの要部斜視図、(b)はディスプレイ台に取付けた商品見本展示用アタッチメントに単一表示具を装着した状態の斜視図、(c)はディスプレイ台に取付けた商品見本展示用アタッチメントに連接表示具を装着した状態の斜視図である。
【図6】本発明の商品見本展示用アタッチメントに係る異なる変形例を示し、(a)は商品見本展示用アタッチメントの要部斜視図、(b)はディスプレイ台に取付けた商品見本展示用アタッチメントに単一表示具を装着した状態の斜視図、(c)はディスプレイ台に取付けた商品見本展示用アタッチメントに連接表示具を装着した状態の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置を示すディスプレイ台の要部斜視図である。
【図8】図7に示したディスプレイ台の分解斜視図である。
【図9】図7に示したディスプレイ台の正面視右端側の拡大斜視図である。
【図10】図7に示したディスプレイ台のブラケット(固定部材)を示し、(a)はその前方斜め上方から見た斜視図、(b)はその側面図である。
【図11】図7に示したディスプレイ台の側面図である。
【図12】図7に示したディスプレイ台から商品見本展示用アタッチメントを取外して示す分解斜視図である。
【図13】図7に示したディスプレイ台が配設されたディスプレイ室の側面図である。
【図14】本発明が対象とする自動販売機の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置について添付図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置が従来装置と相違する点は特にディスプレイ台の周辺であり、ここでは従来装置と相違するディスプレイ台の周辺について説明することとし、また、自動販売機の全体構成は図14に示したものと同一であるので適宜図14を参照しつつ説明を行う。
【0033】
(実施の形態1)
図1において、1はディスプレイ台であり、このディスプレイ台1は鋼板製の固定部材2と商品載置台3とからなる。前記固定部材2は商品載置台3を支持する腕木としてのブラケット21(図2参照)を有し、当該ブラケット21が中扉60(図14参照)に係止固定されている。4は液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイであり、商品載置台3に載置された複数の商品見本80若しくは後述するシート状商品見本81に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報および価格情報の価格表示を行う液晶表示部41を備えている。この商品情報デジタルディスプレイ4が請求項10の商品情報表示部品を構成する。5は左右方向に延在する鋼板製の取付金具であり、前記固定部材2にねじ止めされて商品情報デジタルディスプレイ4の下端を保持するものである。なお、商品情報デジタルディスプレイ4は液晶表示部41に価格情報の価格表示を行うものとし、冷温表示については周知の冷温表示板を用いることもできるものである。
【0034】
前記固定部材2は、図2に示すように左右のブラケット21を天板22により連結してなり、天板22には複数の開口221が形成されるとともに天板22の前縁には前方斜め上方に折り曲げられた係止片222が設けられている。前記固定部材2の左右のブラッケット21は左右対称であるので、ここでは正面視右側のブラケット21を代表として説明する。前記ブラッケット21には上面に向けて開放した挿脱溝部21aが形成されるとともに前縁に商品情報デジタルディスプレイ4を係止する係止部21b、およびねじSが螺合するねじ穴21cが形成されている。前記ブラケット21の後縁には内方に向けて折り曲げられた後壁23(図2の(a)参照)が形成され、この後壁23に切起しにより係止片231が形成されている。この係止片231を中扉60(図14参照)に設けた係止穴に嵌合させることにより固定部材2が中扉60に係止固定される。
【0035】
前記商品載置台3は、図2に示すように、上面壁31の両端から下方に延在された左右側壁32を備えてなり、上面壁31には商品見本80を嵌合保持する係合穴311が左右方向に複数(この例では12個)並設されている。前記商品載置台3の左右側壁32は左右対称であるので、ここでは正面視右側の側壁32を代表として説明する。前記側壁32には、前方斜め下方向に開放した切欠33が形成されている。また、前記側壁32には内側に向けて切起した当接片34が形成されている。
【0036】
前記商品情報デジタルディスプレイ4は、図2に示すように、液晶表示部41が実装された回路基板を内蔵する横長のデジタル表示ユニット42の前面に白色塗装が施された化粧枠43を組付けてなるものである。前記化粧枠43には液晶表示部41に対応する箇所に窓431が形成されており、化粧枠43の上端部は後方斜め下方に向けて傾斜した係合片432が形成されている。この係合片432は固定部材2の天板22に形成された係止片222に係合するものである。なお、図2の(b)に示すように、化粧枠43の前面から側方寄りには切り起こしにより係止爪433が形成されている。図示は省略したが、化粧枠43の左端側にも前記係止爪433と向う合うように係止爪が切り起こしにより形成されているものである。これらの係止爪433により化粧枠43の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44が保持されているものである。前記透明なカバー部材44は、デジタル表示ユニット42の液晶表示部41を保護するものである。
【0037】
前記取付金具5は縦断面が略L字形に形成された鋼板製になり、白色塗装が施されている。また、前記取付金具5の前面側の板面(L字形における長辺側の板面)には階段状の段差部51(図2の(b)参照)が形成されているとともにねじSが挿通するねじ挿通穴52が穿孔されている。
【0038】
次に、ディスプレイ台1の組立てについて説明すると、まず、左右一対の固定部材2を中扉60(図14参照)に取付ける。この固定部材2の中扉60への取付けは、左右ブラケット21の後壁23に切起しにより形成された係止片231を中扉60の所定位置に穿孔した係合穴に嵌合させることにより固定部材2が中扉60に固着される。次いで、中扉60に固着された固定部材2の左右ブラケット21に対して商品載置台3を、固定部材2の上方から被せるように装着する。この場合、商品載置台3の左右側壁32に内側に向けて切起した当接片34を左右ブラケット21の挿脱溝部21aに対峙させた上で、商品載置台3を固定部材2に被せる。そして、商品載置台3の上面壁31が固定部材2の天板22に当接すると、商品載置台3の左右側壁32の当接片34が左右ブラケット21の挿脱溝部21aに嵌合した状態で固定部材2にセットされる。ここで、商品載置台3の左右側壁32に内側に向けて切起した当接片34が固定部材2の挿脱溝部21aに嵌合しているので、商品載置台3の前後方向への移動が規制される。
【0039】
次いで、前記商品情報デジタルディスプレイ4を中扉60(図14参照)に固着された前記固定部材2に次のように組付ける。すなわち、商品情報デジタルディスプレイ4の背面を固定部材2の左右ブラケット21の前縁に当接させ、その際、商品情報デジタルディスプレイ4の下面を左右ブラケット21の係止部21bの上方に位置させた上で、商品情報デジタルディスプレイ4を左右ブラケット21の前縁に沿わせた状態で商品情報デジタルディスプレイ4の下面が左右ブラケット21の係止部21bに当接するまで下方にスライドさせる。前記商品情報デジタルディスプレイ4の下面が前記係止部21bに当接すると商品情報デジタルディスプレイ4が固定部材2に位置決めされるとともに前記商品情報デジタルディスプレイ4における化粧枠43の係合片432が固定部材2の天板22の前縁に形成した係止片222に係合する。この状態で取付金具5を、その段差部51が商品情報デジタルディスプレイ4の下面に沿うように配設し、ねじSにより左右ブラケット21にねじ止めする。これにより、商品情報デジタルディスプレイ4が固定部材2に固定される。なお、前記固定部材2の左右ブラケット21の外扉60(図14参照)への固着位置を適宜定めることにより、商品情報デジタルディスプレイ4の左右端部は、当該左右ブラケット21よりも外側に突出しているものである。
【0040】
前述したように固定部材2に商品載置台3をセットするとともに固定部材2に商品情報デジタルディスプレイ4を取付けたディスプレイ台1には、図1に示すように、商品載置台3に載置された立体状の商品見本80とシート状商品見本81が起立姿勢で展示している。シート状商品見本81は可撓性の薄いプラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状の透明若しくは半透明のシートからなるものである。このシート状商品見本81は本発明に係る商品見本展示用アタッチメント6を介してディスプレイ台1に取り付けられるが、これについては後述する。そして、ディスプレイ台1の前面に位置する商品情報デジタルディスプレイ4における各液晶表示部41にそれぞれの商品見本80,81のコールド,ホット状態を表す冷温状態および価格情報が表示される。なお、商品情報デジタルディスプレイ4の下端を保持する取付金具5は、図14に示したディスプレイ室50の前面の透明板40に設けられた商品選択ボタンユニット90の背後に位置しており、自動販売機の正面からは商品選択ボタンユニット90に隠れて見えないようになっている。
【0041】
さて、シート状商品見本81を起立姿勢でディスプレイ台1に展示するための商品見本展示用アタッチメント6について図3を用いて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6は、商品情報デジタルディスプレイ4の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44に相当する大きさを有する透明板部61および当該透明板部61の上部に連ねて形成された保持部62からなるプラスチック成形品である。前記透明板部61は、商品情報デジタルディスプレイ4の化粧枠43に形成された左右の係止爪433の間の間隔に相当する横幅を有する横長帯状に形成されている。前記透明板部61の上部に連ねて形成された保持部62、この例では、商品載置台3の上面壁31に形成された商品見本80を嵌合保持する12個の係合穴311(図2参照)に対応して12個(図3では6個のみが示されている)の保持部62はそれぞれ前方側に凸の湾曲状に形成されており、その湾曲に沿ってそれぞれ一条の保持溝621(図1の(b)を参照)が形成されている。前記保持溝621は薄いシート状商品見本81が挿入され、当該シート状商品見本81を保持するものである。この薄いシート状商品見本81を保持するために保持溝621の溝幅は微小間隙として形成せねばならない。このため、前記保持溝621の内壁は互い違いに噛み合う鋸歯状に形成され、両者の鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように構成されている。
【0042】
次に、前記商品見本展示用アタッチメント6のディスプレイ台1への取付けについて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6は、商品情報デジタルディスプレイ4の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44を取外したうえで、透明板部61を化粧枠43の前面に配備した後、化粧枠43に形成された係止爪433により係止固定する。このように、ディスプレイ台1に装着された商品見本展示用アタッチメント6の保持部62における保持溝621にはシート状商品見本81が挿入される。この場合、シート状商品見本81は下端の一部のみが保持溝621に挿入された状態で保持部62に保持されることとなるが、保持溝621が湾曲していることからシート状商品見本81も保持溝621の湾曲に倣って横断面が前方側に凸となるように湾曲した状態で起立する。このように、シート状商品見本81を湾曲させて保持することにより薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定した起立姿勢に維持することができる。そして、商品見本展示用アタッチメント6の複数の保持部62および商品載置台3の複数の係合穴311にシート状商品見本81および立体状の商品見本80を適宜取付けることにより、シート状商品見本81および立体状の商品見本80を同一のディスプレイ台1に並べて展示することができるものである。
【0043】
ここで、前記シート状商品見本81には切欠811(図1の(a)参照)が設けられている。この切欠811について次に説明する。前述したような矩形平板状のシート状商品見本81の下端を湾曲させた際、シート状商品見本81の全体が湾曲してしまうことがある。そこで、シート状商品見本81には左右側縁の下部側に切欠811を設けている。このように、切欠811を有するシート状商品見本81の下端を湾曲させる、つまり、前記商品見本展示用アタッチメント6の保持溝621に挿入した場合、シート状商品見本81の切欠811よりも下部側は保持溝621の湾曲に倣って湾曲(曲率の小さい湾曲)するが、前記切欠811によって下部側との繋がりが一部絶たれた切欠811よりも上部側の湾曲は下部側の湾曲に対して比較的小さくなる(曲率の大きな湾曲となる)。このように、切欠811を形成することによりシート状商品見本81の湾曲を抑えることができる一方、切欠811よりも下部側は保持溝621の湾曲に倣って湾曲することから薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定して起立姿勢に維持することができる。なお、切欠811は角型に限らず円弧形状とすることもでき、さらに、切欠811に代えて切り込みを入れることもできるものである。
【0044】
前述したように本発明の実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6によれば、立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1に取付けられる商品見本展示用アタッチメント6であって、前記ディスプレイ台1の前面に配設されて当該ディスプレイ台1に係止固着される横長帯状の透明板部61、及び当該透明板部61の上部に連ねて形成され、シート状商品見本81の下端を保持する一条の保持溝621を有し、かつ、前記一条の保持溝621を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部62とからなることにより、前記保持溝621に下端を装着されたシート状商品見81本は保持溝621の湾曲に倣って湾曲するので、シート状商品見本81が可撓性の薄いプラスチックシートからなる場合にもその剛性を高めることができ、シート状商品見本81を安定した起立姿勢で展示することができる。
【0045】
また、前述した本発明の実施の形態1に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1と、前記ディスプレイ台1上に展示された複数の商品見本80に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)とを備え、前記商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)をディスプレイ台1の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台1の前面に配設されて当該ディスプレイ台1に係止固着される横長帯状の透明板部61、及び当該透明板部61の上部に連ねて形成され、シート状商品見本81の下端を保持する一条の保持溝621を有し、かつ、前記一条の保持溝621を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部62とからなる商品見本展示用アタッチメント6を設け、当該商品見本展示用アタッチメント6の透明板部61を前記商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)に装着して商品見本展示用アタッチメント6をディスプレイ台1に取り付けたことにより、シート状商品見本81を展示する商品見本展示用アタッチメント6を立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1に追加装備することができるので、立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つのディスプレイ台1に混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメント6の保持部62に形成された湾曲した保持溝621に下端を保持されたシート状商品見本81が保持溝621の湾曲に倣って湾曲するので、その剛性を高めることができ、シート状商品見本81を起立姿勢に維持することができる。
【0046】
さらに、前記商品情報表示部品として商品情報デジタルディスプレイ4を用いた場合、商品情報デジタルディスプレイ4における液晶表示部41を保護する横長帯状の透明なカバー部材44に代えて商品見本展示用アタッチメント6の透明板部61を装着すれば、商品見本展示用アタッチメント6の透明板部61が液晶表示部41を保護する横長帯状の透明なカバー部材44を兼用することが可能となる。
【0047】
次に、図4は、前記商品見本展示用アタッチメント6の変形例を示す。図4に示す商品見本展示用アタッチメント6Aが前記実施の形態1における商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は保持溝621Aの溝構成であり、その他の構成については同一であるので、図4では商品見本展示用アタッチメント6Aの要部平面を表している。図において、61Aは横長帯状の透明板部であり、62Aは前記透明板部61Aの上部に連なる保持部であり、これらの透明板部61Aと保持部62Aからなる商品見本展示用アタッチメント6Aは透明なプラスチック成形品として形成されている。前記保持部62Aに形成された一条の保持溝621Aは、前記実施の形態1の保持溝621と同様にその内壁に互い違いに噛み合うように鋸歯状に形成されている。この保持溝621Aが前記実施の形態1の保持溝621と相違する点は次のとおりである。すなわち、前記保持溝621Aは、その内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝621Aの左右端部622,622と中央部623における対向する鋸歯の先端の間の間隔L1をシート状商品見本81の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端の間の間隔L2をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅として構成されている。
【0048】
ここで、前記実施の形態1における商品見本展示用アタッチメント6の保持部62における保持溝621は、全域に亘って一様の微小間隙が生じるように構成、つまり、一条の保持溝621の隙間寸法が全域に亘って一定の微小間隙が生じるように構成されているが、この場合にはシート状商品見本81の挿入に手間がかかるものである。すなわち、保持溝621の隙間寸法はシート状商品見本81を保持するためにシート状商品見本81の厚さと略同一の微小間隙として形成されているとともに、一条の保持溝621が湾曲していることから、シート状商品見本81を保持溝621に沿って湾曲させつつ挿入せねばならない。このため、シート状商品見本81を保持溝621の挿入に手間がかかり、煩わしい作業となる。かかる点、図4に示す商品見本展示用アタッチメント6Aの保持溝621Aは、シート状商品見本81の厚みと略一致する間隔L1の狭幅の溝が分散して形成される一方、狭幅の溝を除く他の溝がシート状商品見本81の厚みに対して比較的広い間隔L2の広幅の溝として形成されていることから、分散された狭幅の溝にシート状商品見本81を挿入すればよい。したがって、シート状商品見本81の保持溝621Aへの挿入が頗る容易となるので、シート状商品見本81の保持溝621Aへの挿入作業を簡単にすることができる。しかも、分散された狭幅の溝によってシート状商品見本81を保持するので、シート状商品見本81を湾曲した状態に維持することができ、薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定した起立姿勢で展示することができる。
【0049】
次に、図5は、前記実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6の異なる変形例を示す。図5に示す商品見本展示用アタッチメント6Bが前記実施の形態1における商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、左右に隣接する保持部62Bの間に表示具800を固着する挟持溝63(図5の(a)参照)を設けた点であり、その他の構成については同一である。すなわち、図において、6Bは商品見本展示用アタッチメントであり、横長帯状の透明板部61Bと、この取付基台61Bの上部に連ねて形成された保持部62Bとからなり、透明なプラスチック成形品として形成されている。前記保持部62Bに形成された一条の保持溝621Bは、前記実施の形態1の保持溝621と同様にその内壁に互い違いに噛み合うように鋸歯状に形成されている。そして、左右に隣接する保持部62Bの間に広告宣伝用の表示具800を固着する挟持溝63が形成されている。この挟持溝63が請求項5の係合部を構成する。なお、表示具800は、図5の(a)(b)では広告宣伝用の広告表示板801を示し、図5の(c)ではディスプレイ台1に載置された商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報を強調する冷温強調板802を示している。
【0050】
前述したように、前記挟持溝63は、商品見本展示用アタッチメント6Bの左右に隣接する保持部62Bの間に形成されている。左右に隣接する保持部62Bの間は、平面から見て前方に凸に湾曲した保持部62Bの谷間に相当する部位である。前記挟持溝63は、前記谷間の肉厚を厚くした部位に形成したところの、左右及び上方に開放した細幅の溝からなる。前記挟持溝63の溝幅は、プラスチックシートからなる表示具800の厚さと略同一の幅に定められている。
【0051】
前記表示具800としての広告表示板801は、図5の(a)に示すように、可撓性の矩形平板状のプラスチックシートに、「新発売」などの広告文字、若しくはキャラクターなどの形象を印刷した単一表示具として形成されている。前記広告表示板801は、下縁中央から下方に延在する係止舌片8011を備え、当該係止舌片8011を挟持溝63に挿入することにより商品見本展示用アタッチメント6Bに固着される(図5の(b)参照)。図示の例では、商品見本展示用アタッチメント6Bにシート状の商品見本81(図1参照)が装着されていない状態で、広告表示板801が保持部62Bの上方に位置している場合を示しているが、シート状の商品見本81が装着される場合には、係止舌片8011に階段状の段差を設けて広告表示板801が保持部62の前方に位置するようにすればよい。また、係止舌片8011は広告表示板801の下端中央に設けているが、広告表示板801の幅を隣接する挟持溝63に跨る大きさとし、広告表示板801の左右下端にそれぞれ係止舌片を設けて挟持溝63に挿入するようにすることもできる。ここで、広告表示板801の幅が隣接する挟持溝63に跨る大きさで薄いプラスチックシートからなる場合には、広告表示板801を保持部62Bの外面に沿わせたうえで、その左右両端下部を左右の挟持溝63に挿入して商品見本展示用アタッチメント6Bに固着することもできる。この場合、広告表示板801は、湾曲した保持部62Bの外面に沿って湾曲することから、広告表示板801が薄いプラスチックシートからなる場合にも当該広告表示板801の剛性を高めて安定した起立姿勢に保持することができる。
【0052】
また、図5の(c)に示すように、前記表示具800としての冷温強調板802は、ディスプレイ台1に載置された複数の商品見本80、図示例では6個の保持部62(商品見本80)に跨る横長帯状のプラスチックシートの一面に、商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字が施され、他方の面に商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字が施された連接表示具として形成されている。この冷温強調板802の下縁には、隣接する保持部62Bの間に形成されたそれぞれの挟持溝63に対応して下方に延在する係止舌片8021が設けられ、当該係止舌片8021を挟持溝63に挿入することにより商品見本展示用アタッチメント6Bに固着される。前記冷温強調板802は、ディスプレイ台1の前面に取付けられた商品情報デジタルディスプレイ4に表示された商品の冷温情報(図示例では「HOT」)と同一の「HOT」の冷温情報を表示し、季節の変わり目などに実行される庫内の冷却/加熱ユニットの冷温切換え(「HOT」から「COLD」)に応じて冷温強調板802を、垂直軸を中心に180度反転させることにより「COLD」の冷温情報を表示する。この冷温強調板802は、商品情報デジタルディスプレイ4に表示された冷温情報を強調して表示する一方、商用電源が遮断(停電)された場合、若しくは節電のために商品情報デジタルディスプレイ4の電源が遮断された場合にも冷温強調板802により商品の冷温状態を表示することができるものである。
【0053】
なお、図5の(b)では、表示具800としての広告表示板801が単一表示具からなるものについて例示したが、図5の(c)に例示した冷温強調板802のように連接表示具であってもよく、また、同様に、図5の(c)では、冷温強調板802が連接表示具からなるものについて例示したが、図5の(b)に例示した広告表示板801のように単一表示具であってもよいものである。
【0054】
このように、左右に隣接する保持部62Bの間に表示具800を固着する挟持溝63(係合部)を有することにより、商品見本展示用アタッチメント6Bを、表示具800の取付けに兼用することができる。
【0055】
次に、図6は、前記実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6の更に異なる変形例を示す。図6に示す商品見本展示用アタッチメント6Cが前記実施の形態1における商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、左右に隣接する保持部62Bの間に旗竿状の表示具800のポールが挿入される係止穴64(図6の(a)参照)を設けた点であり、その他の構成については同一である。すなわち、図において、6Cは商品見本展示用アタッチメントであり、横長帯状の透明板部61Cと、この透明板部61Cの上部に連ねて形成された保持部62Cとからなり、透明なプラスチック成形品として形成されている。前記保持部62Cに形成された一条の保持溝621Cは、前記実施の形態1の保持溝621と同様にその内壁に互い違いに噛み合うように鋸歯状に形成されている。そして、左右に隣接する保持部62Cの間に表示具800のポールを固着する係止穴64が形成されている。この係止穴64が請求項5の係合部を構成する。なお、表示具800は、図6の(a)(b)では広告宣伝用の広告表示板803を示し、図6の(c)ではディスプレイ台1に載置された商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報を強調する冷温強調板804を示している。
【0056】
前述したように、前記係止穴64は、商品見本展示用アタッチメント6Cの左右に隣接する保持部62Cの間に形成されている。左右に隣接する保持部62Cの間は、平面から見て前方に凸に湾曲した保持部62Cの谷間に相当する部位である。前記係止穴64は、前記谷間の肉厚を厚くした部位に形成したところの、上下方向に穿たれた有底の円筒状の穴からなる。
【0057】
前記表示具800としての広告表示板803は、図6の(a)に示すように、旗状のプラスチックシートに、「新発売」などの広告文字、若しくはキャラクターなどの形象を印刷した表示部8031と、この表示部8031の一方の端部から下方に延在するポール8032からなる単一表示具として形成されている。前記広告表示板803は、ポール8032を係止穴64に挿入することにより商品見本展示用アタッチメント6Cに固着される(図6の(b)参照)。この場合、係止穴64の径をポール8032の径に略一致させることにより表示部8031の向きを一定に維持することができる。また、ポール8032は表示部8031の一方の端部に設けているが、表示部8031の幅を隣接する係止穴64に跨る大きさとし、表示部8031における左右両端端部にそれぞれポールを設けて係止穴64に挿入するようにすることもできる。さらに、図示の例では、商品見本展示用アタッチメント6Cにシート状の商品見本81(図1参照)が装着されていない状態で、表示部8031が保持部62Cの上方に位置している場合を示しているが、シート状の商品見本81が装着される場合には、ポール8032をクランク状に折り曲げて表示部8031が保持部62Cの前方に位置するようにすればよい。
【0058】
また、図6の(c)に示すように、前記表示具800としての冷温強調板804は、ディスプレイ台1に載置された複数の商品見本80、図示例では6個の商品見本80に跨る横長帯状のプラスチックシートの一面に、商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字が施され、他方の面に商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字が施された表示部8041と、この表示部8041の下縁に、隣接する保持部62Bの間に形成されたそれぞれの係止穴64に対応して設けられた下方に延在するポール8042とからなる連接表示具として形成されている。この冷温強調板804は、前記ポール8042を係止穴64に挿入することにより商品見本展示用アタッチメント6Cに固着される。前記冷温強調板804は、ディスプレイ台1の前面に取付けられた商品情報デジタルディスプレイ4に表示された商品の冷温情報(図示例では「HOT」)と同一の「HOT」の冷温情報を表示し、季節の変わり目などに実行される庫内の冷却/加熱ユニットの冷温切換え(「HOT」から「COLD」)に応じて冷温強調板804を、垂直軸を中心に180度反転させることにより「COLD」の冷温情報を表示する。この冷温強調板804は、商品情報デジタルディスプレイ4に表示された冷温情報を強調して表示する一方、商用電源が遮断(停電)された場合、若しくは節電のために商品情報デジタルディスプレイ4の電源が遮断された場合にも冷温強調板804により商品の冷温状態を表示することができるものである。
【0059】
なお、図6の(b)では、表示具800としての広告表示板803が単一表示具からなるものについて例示したが、図6(c)に例示した冷温強調板804のように連接表示具であってもよく、また、同様に、図6の(c)では、冷温強調板804が連接表示具からなるものについて例示したが、図6の(b)に例示した広告表示板803のように単一表示具であってもよいものである。
【0060】
このように、左右に隣接する保持部62Cの間に表示具800を固着する係止穴64(係合部)を有することにより、商品見本展示用アタッチメント6Cを、表示具800の取付けに兼用することができる。
【0061】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置について図7〜図13を参照して説明する。本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置を示すディスプレイ台の要部斜視図である。
【0062】
図7は、本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置を示すディスプレイ台の要部斜視図である。図において、1Aはディスプレイ台であり、このディスプレイ台1Aは薄板鋼板製の商品載置台3Aと左右一対の固定部材としてのブラケット2Aとからなる。前記ブラケット2Aは商品載置台3Aを支持する腕木として機能し、当該ブラケット2Aがディスプレイ室50の中扉60(図14参照)に後述するように係止固定される。前記商品載置台3Aは、商品見本80が嵌合係止される複数、この実施の形態では12個の係合穴311Aを備えたステージ状の上面壁31Aと、上面壁31Aの両端から下方に延在する左右側壁32A,32Aと、上面壁31Aの前後端から下方に延在する前面壁33Aおよび後面壁(図では見えない)により下面が開放した横長の箱形に形成されている。この商品載置台3Aは、左右一対のブラケット2Aに跨る態様で当該左右一対のブラケット2Aに対して着脱自在に設けられている。前記商品載置台3Aの前面壁33Aには複数の商品見本80に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71が表示された冷温表示部材72、及び商品価格を表す価格情報73が表示された価格表示部材74が着脱自在に係止保持されている。前記冷温表示部材72、及び価格表示部材74が商品情報表示部品7を構成し、この例では冷温表示部材72及び価格表示部材74が左右に2分割されている。
【0063】
図8はディスプレイ台1Aの分解斜視図、図9はディスプレイ台1Aの正面視右端側の拡大図、図10はディスプレイ台1Aのブラケット2Aを示し、(a)はその前方斜め上方から見た斜視図、(b)はその側面図、図11はディスプレイ台1Aの側面図、図12はディスプレイ台1Aから商品見本展示用アタッチメント6Dを取外して示す分解斜視図、図13はディスプレイ台1Aが配設されたディスプレイ室50の側面図であり、これらの図を用いて各部材について更に説明する。前記商品載置台3Aはステージ状の上面壁31Aに複数の係合穴311Aが形成され、左右両端部にはそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312およびストッパ313(図9も参照)が設けられている。前記商品載置台3Aの左右側面壁32A,32Aにはそれぞれ内側に向って突出する支持軸35が取付けられている。前記支持軸35は合成樹脂製になり、図8、図9では前記支持軸35の頭部が示されており、支持軸35の軸部(不図示)は上面壁31Aの嵌合突起312の下方まで延在するとともに軸部の上端側の周面の一部を削ぎ取って平坦面とした断面D状に形成されている(後述図11参照)。また、前記商品載置台3Aの前面壁33Aには左右方向に複数、この実施の形態では12個の光透過窓331が形成されるとともに前面壁33Aの下端を前方側に折り返して形成された係止部332を備えている。この係止部332は前面壁33Aとの間に、図9に示すように商品情報表示部品7を保持する係止溝を形成する。さらに、図8に全体を示し、図9で正面視右端側を拡大して示すように、前記商品載置台3Aの前面壁33Aの左右両端部及び中央部には前記係止部332により保持された商品情報表示部品7が左右方向にずれるのを防止する係止突起333が形成され、また、図9から明らかなように、商品情報表示部品7の脱落を防止するために係止部332から突出する突起片3321が設けられている。
【0064】
前記商品載置台3Aとともにディスプレイ台1Aを構成する左右一対のブラケット2Aは左右対称であるので、ここでは正面視右側のブラケット2Aを代表として説明する。前記ブラケット2Aには、図10にも示すように、前記支持軸35を嵌合支持する異形溝26が形成され、また、ブラケット2Aの上縁には内側を向くようにガイド片24が形成され、さらに後端面にはディスプレイ室50の中扉60(図13参照)に設けた角穴(不図示)に引っ掛けて当該ブラケット2Aを定位置に固定する係合爪25,25が切り起こし形成されている。前記異形溝26は、前記支持軸35を回転可能に支える前半域の円弧状溝部261と、前記円弧状溝部261に連ねて後半域に形成され、前記支持軸35の移動を拘束して商品載置台3Aを展示位置に保持するスライド溝部262と、前記円弧状溝部261とスライド溝部262との中間位置からブラケット2Aの上縁に切欠き開口した挿脱溝部263とを組合わせて形成されている。なお、前記円弧状溝部261は支持軸35の軸部より一回り大きく形成され、また、前記スライド溝部262の高さ寸法hは支持軸35の直径よりも小さい寸法の断面D状の軸部35a(図11参照)に合わせて形成されている。また、ブラケット2Aの上縁に内側を向くように形成されたガイド片24は異形溝26の挿脱溝部263により前後に2分割されている。
【0065】
前記商品載置台3Aの係止部332に装着して保持係止される商品情報表示部品7は、図8に示すように、複数の商品見本80に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71が表示された冷温表示部材72、及び商品価格を表す価格情報73が表示された価格表示部材74からなる。前記冷温表示部材72は光透過性のアクリル樹脂により横長帯状に形成されるとともに冷温情報71の表示領域を上下に区分し、当該上下の表示領域にそれぞれ異なる冷温情報71を互いに逆さにして表示してなる。この実施の形態では、冷温表示部材72の上部の表示領域には「COLD」の文字、下部の表示領域には「HOT」の文字が互いに逆さまに表示されている。なお、図には明示されていないが、冷温情報71は、商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字が施され、商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字が施されているものである。一方、価格表示部材74は透明なアクリル樹脂により横長帯状に形成され、上部領域に「\120」の価格情報73が施されて不透明である一方、下部領域が透明に形成されている。これらの冷温表示部材72および価格表示部材74は、価格表示部材74を前方側に位置するようにして前後に重ね合わせて商品載置台3Aの前面壁33Aに沿って配設される。なお、冷温表示部材72及び価格表示部材74は商品載置台3Aの前面壁33Aの左右両端部及び中央部に形成した係止突起333(図9参照)間に収まる寸法に定められている。
【0066】
前記ディスプレイ台1Aの分解斜視図を示す図8において、9は照明光源としての蛍光灯である。この蛍光灯9はソケット91を有する左右一対の蛍光灯取付金具92に装着されるものである。前記蛍光灯取付金具92はブラケット2Aと同様に中扉60(図13参照)に係止固定される。すなわち、蛍光灯取付金具92の後端面に板面を切り起して形成された不図示の係合爪をディスプレイ室50の中扉60に設けた角穴に引っ掛けることによって中扉60に係止固定される。なお、左右一対の蛍光灯取付金具92はそれぞれ左右一対のブラケット2Aの内方に配設され、左右一対のブラケット2Aに跨るように商品載置台3Aを取付けた場合、箱形の商品載置台3Aの内部に位置するように定められている。このように、蛍光灯9は箱形の商品載置台3A(ディスプレイ台1A)の内部に位置しており、蛍光灯9からの光が商品載置台3Aの上面壁31Aに形成した係合穴311Aを介して商品見本80の内部に照射されるとともに前面壁33Aに形成した光透過窓331を介して商品情報表示部品7に照射される。
【0067】
次に、ディスプレイ台1Aの組立てについて説明すると、まず、左右一対のブラケット2Aをディスプレイ室の中扉60(図13参照)に取付ける。このブラケット2Aの中扉60への取付けは、ブラケット2Aの後端面に切り起しにより形成された係合爪25,25を中扉60の所定位置に設けた角穴に挿入係止させる。これによりブラケット2Aが中扉60の所定位置に固定される。次いで、中扉60に固着された左右一対のブラケット2Aに対して商品載置台3Aを、左右一対のブラケット2Aの上方から被せるように装着する。この場合、商品載置台3Aの左右側壁32Aに内側に向けて突出する支持軸35をブラケット2Aの挿脱溝部263に対峙させた上で、商品載置台3Aをブラケット2Aに被せる。そして、商品載置台3Aの上面壁31Aの内壁がブラケット2Aの上縁に当接すると、支持軸35がブラケット2Aの異形溝26に嵌合した状態で商品載置台3Aがブラケット2Aに一体化される。この後、商品載置台3Aを後方(中扉60側)にスライドさせると、支持軸35が異形溝26のスライド溝部262に移動する。この状態を図13に示し、支持軸35の断面D状の軸部35aの上端側の平坦面がスライド溝部262の平坦な上縁に対峙する。一方、商品載置台3Aの上面壁31Aの左右両端部にそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312およびストッパ313が、ブラケット2Aの上縁に内側を向くように形成された前後のガイド片24,24を乗り越えてその後方側に落とし込まれる。この場合、前記嵌合突起312およびストッパ313がそれぞれのガイド片24,24を乗り越えることができるように、支持軸35の断面D状の軸部35aの上端側の平坦面とスライド溝部262の平坦な上縁との間には遊びが形成されている。
【0068】
前述したように、商品載置台3Aの上面壁31Aの左右両端部にそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312およびストッパ313がブラケット2Aの上縁に形成した前後のガイド片24,24を乗り越えてその後方側に落とし込まれると、嵌合突起312およびストッパ313がガイド片24,24に係合する一方、支持軸35がスライド溝部262に嵌合することにより商品載置台3Aの前後方向の移動が規制され、商品展示台3Aは商品見本80を展示する展示位置にセットされる。この状態で、商品展示台3Aの前面壁33Aに形成した係止部332に価格表示部材74を前面にして冷温表部材72を重ね合わせた商品情報表示部品7を装着する。この場合、商品情報表示部品7は、左端部若しくは右端部と中央部の係止突起333,333の間に位置させたうえで、係止部332,333の上方から商品情報表示部品7の背面を前面壁33Aに沿わせつつ係止部332の保持溝に挿入する。これにより商品情報表示部品7はディスプレイ台1Aの前面に係止保持される。
【0069】
前述したように、ブラケット2Aの異形溝26に支持軸35を嵌合させて商品載置台3Aを商品展示位置にセットするとともに商品載置台3Aの前面壁33Aの係止部332に商品情報表示部品7を装着したディスプレイ台1Aは、図7,図13に示すように、商品載置台3Aに載置された複数の商品見本80を起立姿勢で展示している。そして、ディスプレイ台1Aの前面に位置する商品情報表示部品7によりそれぞれの商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71および価格情報の価格情報73(図7、図9参照)が表示される。この場合、商品情報表示部品7の冷温情報71および価格情報73は商品載置台3Aの前面壁33Aに形成された光透過窓331の前方に位置しており、ディスプレイ台1Aの内部に配設された蛍光灯9により照射される。ここで、前記商品情報表示部品7を保持する係止部332は、ディスプレイ室50(図13参照)の前面を覆う透明板40の前面に配設された商品選択ボタンユニット90の背後に位置しており、自動販売機の正面からは商品選択ボタンユニット90に隠れて見えないようになっている。なお、図13において、900は商品選択ボタンユニット90を透明板40に取付けるための取付金具である。この取付金具900は商品選択ボタンユニット90の幅に対応する幅を有する断面コ字状の横長帯状に形成されている。また、この実施の形態における商品見本80は、商品を縦方向に半分に切断した半割りタイプのものである。
【0070】
さて、この実施の形態2に係るシート状商品見本81を起立姿勢でディスプレイ台1Aに展示するための商品見本展示用アタッチメント6D(図7、図12、図13参照)の基本構成は、実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6と同一である。すなわち、ディスプレイ台1Aから取外した状態を示す図12から分かるように、商品見本展示用アタッチメント6Dは、横長帯状の透明板部61Dおよび当該透明板部61Dの上部に連ねて形成された保持部62Dからなるプラスチック成形品からなる。前記保持部62Dは前方側に凸の湾曲状に形成されており、その湾曲に沿ってそれぞれ一条の保持溝621Dが形成され、前記保持溝621Dの内壁には互い違いに噛み合う鋸歯状に形成されて両者の鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように構成されている。この実施の形態2に係る商品見本展示用アタッチメント6Dが実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6が商品情報デジタルディスプレイ4の化粧枠43に形成された左右の係止爪433の間の間隔に相当する横幅を有するものである、つまり、ディスプレイ台1の左右方向の略横幅に相当するものであるのに対し、前記ディスプレイ台1Aの横幅方向にn分割(n<2以上の整数)されてなる点である。具体的には、ディスプレイ台1Aの横幅方向に2分割され、ディスプレイ台1Aを構成する商品載置台3Aに形成された12個の係合穴311A(図7,図8参照)の1/2である6個の保持部62Dを備えたものとして構成されている。
【0071】
次に、前記商品見本展示用アタッチメント6Dのディスプレイ台1Aへの取付けについて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6Dは、その透明板部61Dを、ディスプレイ台1Aの前面壁33Aに沿って配設された商品情報表示部品7に並べて装着することによりディスプレイ台1Aの前面に配備される。具体的には、商品情報表示部品7を構成するところの、前後に重ね合わせて配備された価格表示部材74と冷温表示部材72との間に商品見本展示用アタッチメント6Dの透明板部61Dを挿入し、前記価格表示部材74と冷温表示部材72とにより透明板部61Dを挟持固定する。このように、ディスプレイ台1Aに装着された商品見本展示用アタッチメント6Dの保持部62Dにおける保持溝621Dにはシート状商品見本81が挿入される。この場合、シート状商品見本81は下端の一部のみが保持溝621Dに挿入された状態で保持部62Dに保持されることとなるが、保持溝621Dが湾曲していることからシート状商品見本81も保持溝621Dの湾曲に倣って横断面が前方側に凸となるように湾曲した状態で起立する。このように、シート状商品見本81を湾曲させて保持することにより薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定した起立姿勢に維持することができる。そして、商品見本展示用アタッチメント6Dの複数の保持部62D及び商品載置台3Aの複数の係合穴311Aにシート状商品見本81及び立体状の商品見本80を適宜取付けることにより、シート状商品見本81及び立体状の商品見本80を同一のディスプレイ台1Aに並べて展示することができる。
【0072】
なお、前記商品見本展示用アタッチメント6Dがディスプレイ台1Aの横幅方向にn分割されていることから、必要な箇所にのみ商品見本展示用アタッチメント6Dが取付けられる、言い換えれば、立体状の商品見本80が展示された箇所の前面には商品見本展示用アタッチメント6Dが存在しないこととなるので、立体状の商品見本80の外観を損なうことがないものである。
【0073】
前述した本発明の実施の形態1に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1Aと、前記ディスプレイ台1Aの前面に配設され、当該ディスプレイ台1A上に展示された複数の商品見本80に対応して商品情報を表示する商品情報表示部品7を備えてなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台1Aの前面に配設されて当該ディスプレイ台1Aに係止固着される横長帯状の透明板部61D、及び当該透明板部61Dの上部に連ねて形成され、シート状商品見本81の下端を保持する一条の保持溝621Dを有し、かつ、前記一条の保持溝621Dを前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部62Dとからなる商品見本展示用アタッチメント6Dを設け、当該商品見本展示用アタッチメント6Dの透明板部61Dを前記商品情報表示部品7に並べて装着したことにより、シート状商品見本81を展示する商品見本展示用アタッチメント6Dを立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1Aに追加装備することができるので、立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つのディスプレイ台1Aに混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメント6Dの保持部62Dに形成された湾曲した保持溝621Dに下端を保持されたシート状商品見本81が保持溝621Dの湾曲に倣って湾曲するので、その剛性を高めることができ、シート状商品見本81を安定した起立姿勢に維持することができる。
【0074】
ここで、上記実施の形態2においては、ディスプレイ台1Aの前面(下面が開放した横長の箱形の商品載置台3Aの前面壁33Aの前面)に冷温表示部材72と価格表示部材74と重ねて配設したものについて説明したが、ディスプレイ台1Aの内部(商品載置台3Aの前面壁33Aの背後)に商品価格を表す価格情報を表示するデジタルディスプレイユニットを配設し、ディスプレイ台1Aの前面(商品載置台3Aの前面壁33Aの前面)に冷温表示部材を配設したものも知られており(例えば、特開2008−21240号公報)、この場合には、商品見本展示用アタッチメント6Aの透明板部61Aを冷温表示部材と商品載置台3Aの前面壁33Aとの間に挿入すればよいものである。また、ディスプレイ台1Aの前面に光を拡散するフィルター部材などを配設したものでは、商品見本展示用アタッチメント6Aの透明平板部61Aをフィルター部材に重畳させて取付けることもできる。したがって、商品情報表示部品とは、商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報、及び商品価格を表す価格情報を直接的に表示するものに限らず、その付属部品をも含むものである。
【0075】
なお、上記各実施の形態においては、保持溝621,621A〜621Dが一条の連続した溝からなる形態について説明したが、例えば、保持溝621,621A〜621Dが連続しておらずに細切れに分散されたものであってもよく、また、溝の代わりに複数の突起を並設して微小間隙を形成することもできる。したがって、一条の保持溝621,621A〜621Dとはシート状商品見本81を湾曲した状態で保持できるものを総称するものであり、前述した実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0076】
1,1A…ディスプレイ台、2…固定部材(ブラケット)、3,3A…商品載置台、4…商品情報デジタルディスプレイ、5…取付金具、6,6A,6B,6C,6D…商品見本展示用アタッチメント、7…商品情報表示部品、10…本体キャビネット、20…外扉、30…内扉、41…液晶表示部、42…デジタル表示ユニット、50…ディスプレイ室、60…中扉、61,61B,61C,61D…透明板部、62,62A,62B,62C,62D…保持部、63…挟持溝(係合部)、64…係止穴(係合部)、72…冷温表示部材、74…価格表示部材、80…(立体状の)商品見本、81…シート状商品見本、311…係合部、621,621A,621B,621C,621D…保持溝、800…表示具、802…広告表示板、803…冷温強調板、811…切欠。
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動販売機における本体キャビネットの庫内に缶入り飲料,ペットボトル入り飲料などの商品をコールド,ホット状態に区分して保存し、外扉のディスプレイ室内に設置したディスプレイ台上に商品見本を展示する際に用いられる商品見本展示用アタッチメント、及びこの商品見本展示用アタッチメントを適用した自動販売機の商品見本展示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の自動販売機の商品見本展示装置について図14を用いて説明する。図14は一般的な缶入り飲料,ペットボトル入り飲料を販売する自動販売機の斜視図である。図に示すように、この自動販売機は、前面が開放した断熱筐体として形成された本体キャビネット10と、本体キャビネット10の前面に開閉可能に支持された外扉20とからなる。本体キャビネット10の商品収納庫の前面は開閉可能な断熱内扉30によって閉塞されている。本体キャビネット10の庫内には、断熱仕切壁により左右方向に複数の商品収納室に区分され、各商品収納室には商品を横倒し状態で収納するとともに下端部に商品搬出装置を有する商品ラックが収設され、また、各商品収納室の下端には、当該各商品収納室を冷却もしくは加熱して商品ラックに収納した商品をコールド・ホット状態に保存する冷却/加熱ユニットが配設されている。
【0003】
外扉20の前面の上部域は透明板40で覆われ、この透明板40と外扉20に開閉可能に支持された中扉60との間の空間がディスプレイ室50として形成されている。前記中扉60の前面には、本体キャビネット10の庫内に収納した商品に対応した複数の商品見本80を左右に一列に並べて載置したディスプレイ台70が上下方向に3段並べて取付けられている。前記透明板40には、各ディスプレイ台70と対峙する位置に商品選択ボタンユニット90が設けられ、商品選択ボタンユニット90は、ディスプレイ台70に載置された各商品見本80に対応して左右に一列に並べて設けた商品選択ボタン(不図示)を有している。さらに、外扉20の前面には、硬貨識別装置201に連通する硬貨投入口、紙幣識別装置202に連通する紙幣挿入口、硬貨返却口、返却レバーおよびロック付ハンドル、商品取出口203などが設けられている。
【0004】
前記ディスプレイ台70は、周知であるので詳細な図示は省略するが、中扉60に固定された左右一対の固定部材とこの左右一対の固定部材に着脱自在に装着される商品載置台からなる。前記商品載置台は、縦断面略コ字形で下方が開放した横長箱状体の内部に蛍光灯などの照明光源が設けられ、その上面壁には商品見本80を嵌合保持する係合穴が左右方向に複数並設されている。また、商品載置台の前面壁には各商品見本80に対応する商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報を表示する冷温表示板および商品の価格情報を表示する価格表示板が装着される。なお、前記冷温表示板,価格表示板に替えて液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイを用いて冷温情報の表示(寒色である青色,暖色である赤色)を行うとともに価格情報の表示を行うものも知られている。
【0005】
前記商品見本80は光透過材料により形成された中空状の本体の底面に光導入部を設け、前記光導入部から本体の内部に光を導入して本体を内側から照明するように構成されている。前記商品見本80は前記ディスプレイ台70に形成した係合穴に嵌合保持されると、ディスプレイ台70の内部に設けた照明光源からの光がディスプレイ台70の係合穴と商品見本80の底部に形成した光導入部とを通して中空状の商品見本の内部に照射され、商品見本が恰も発光しているように展示されることは周知である。前記商品見本80は立体、具体的には、缶,瓶,ペットボトルなどの容器形状に一致させた中空状の本体を備えた商品見本や、前記中空状の本体を半分に切断した半割り状の商品見本などがディスプレイ台に形成した開口部に嵌合保持するようにされている。前記商品見本80は、前述したように、缶,瓶,ペットボトルなどの容器形状に一致させた中空状の本体を備えたもの、前記中空状の本体を半分に切断した半割り状のものなどが一般的であるが、ディスプレイ台70の係合穴に嵌合させることができない、例えば、缶,瓶,ペットボトルなどの容器から中身飲料などを抜いた空容器などを展示する場合には、ディスプレイ台70の係合穴に着脱自在な商品見本展示用アタッチメントを用いて空容器を展示するように構成されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−242505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された立体状の商品見本に加え、プラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状のシート状商品見本が知られており、このシート状商品見本と立体状の商品見本を同一のディスプレイ台に並べて展示することが望まれている。しかしながら、シート状商品見本は立体状の商品見本のようにディスプレイ台の開口部に直接嵌合させることが困難である。このため、シート状商品見本を保持するとともにディスプレイ台の開口部と係合する係合部を備えた商品見本展示用アタッチメントを設けることが考えられる。ところが、シート状商品見本は剛性の弱い薄いプラスチックシートからなることからシート状商品見本の下端のみを保持した場合にはシート状商品見本は起立姿勢を維持することができずに折れ曲がってしまう。このため、商品見本展示用アタッチメントを細長いシート状商品見本の周縁を保持するような大形のものとせねばならず、コストが嵩むという課題を有する。
【0008】
そこで、本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、シート状商品見本の一部のみを保持した場合にもシート状商品見本の姿勢を維持してディスプレイ台に展示することが可能な商品見本展示用アタッチメント、及び自動販売機の商品見本展示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントは、立体状の商品見本を展示するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項2記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端の間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、左右に隣接する保持部の間に表示具を固着する係合部を有することを特徴とする。
【0014】
さらに、請求項6に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具を挟持する挟持溝からなることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具のポールを挿入係止する係止穴からなることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は広告表示板、或いは冷温強調板であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に係る商品見本展示用アタッチメントは、請求項8に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は係合部に個別に固着される単一表示具、若しくは複数の係合部に跨る連接表示具からなることを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に係る自動販売機の商品見本展示装置は、本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、複数の商品見本を展示するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台上に展示された複数の商品見本に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部品とを備え、前記商品情報表示部品をディスプレイ台の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを設け、当該商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報表示部品に装着して商品見本展示用アタッチメントをディスプレイ台に取り付けたことを特徴とする。
【0019】
さらに、請求項11に係る自動販売機の商品見本展示装置は、請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品の冷温情報および価格情報を表示する液晶表示部を有し、当該液晶表示部を保護する横長帯状の透明なカバー部材を装備してなる商品情報デジタルディスプレイであり、当該カバー部材に代えて商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報デジタルディスプレイの前面に装着してなることを特徴とする。
【0020】
そしてまた、請求項12に係る自動販売機の商品見本展示装置は、請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報を表示する冷温表示部材、および商品の価格情報を表示する価格表示部材からなり、前記商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前後に重ね合わせて配設される前記冷温表示部材と価格表示部材との間に挿入してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、立体状の商品見本を展示するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなることにより、前記保持溝に下端を装着されたシート状商品見本は保持溝の湾曲に倣って湾曲するので、シート状商品見本が可撓性の薄いプラスチックシートからなる場合にもその剛性を高めることができ、シート状商品見本を安定した起立姿勢で展示することができる。
【0022】
また、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項1に係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることにより、商品見本展示用アタッチメントを透明なプラスチック成形品とした場合にも薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本を保持可能な一条の微小間隙を形成することが可能となる。
【0023】
また、請求項3に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項2に係る商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端に間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことにより、シート状商品見本を保持する狭幅部分が3箇所に分散されているので、一条の保持溝が連続した微小間隙で形成されている場合に比較してシート状商品見本の挿入を容易に行うことができる。
【0024】
また、請求項4に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることにより、保持部における保持溝に装着されたシート状商品見本の意匠が隠れてしまうことを防止することができる。
【0025】
また、請求項5に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、左右に隣接する保持部の間に表示具を固着する係合部を有することにより、商品見本展示用アタッチメントを、表示具、例えば、「新発売」などの広告、若しくはキャラクターなどを表示した宣伝広告用の表示具の取付けに兼用することができ、安価に販売促進を図ることが可能となる。
【0026】
この場合、請求項6に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具を挟持する挟持溝からなることにより、表示具は挟持溝に差し込むことにより固着され、また、請求項7に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具のポールが挿入される係止穴からなることにより、表示具はポールを係止穴に挿入することにより固着されるので、表示具をワンタッチで商品見本展示用アタッチメントに取付けることができる。
【0027】
また、請求項8に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は広告表示板、或いは冷温強調板であることにより、例えば、「新発売」などの広告、若しくはキャラクターなどを表示した広告表示板の場合には商品見本に近接して広告宣伝表示を行うことができるので安価に販売促進を図ることが可能となり、また、冷温強調板の場合には、ディスプレイ台の前面に表示された冷温情報に加えて商品の冷温状態を強調でき、特に、ディスプレイ台の前面に取付けられた冷温情報を表示する商品情報表示部材が、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイである場合、若しくは商品情報表示部材が冷温表示板である場合、節電のために商品情報デジタルディスプレイの電源が遮断、若しくは冷温表示板を照明する蛍光灯などの照明光源が消灯された際にも、前記冷温情報を視認し難い場合にも商品の冷温状態を一目で分かるように表示することができるので販売機会の増大を図ることが可能となる。
【0028】
また、請求項9に係る商品見本展示用アタッチメントによれば、請求項8に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は係合部に個別に固着される単一表示具、若しくは複数の係合部に跨る連接表示具からなることにより、単一表示具、および連接表示具を択一して装着することができるので、表示具が広告表示板の場合には、ディスプレイ台上に「新発売」の商品を分散して載置することや所定箇所に集合させて載置することができる、つまり、ディスプレイ台に載置する商品見本のレイアウトの自由度を得ることができ。
【0029】
また、請求項10に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、複数の商品見本を展示するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台上に展示された複数の商品見本に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部品とを備え、前記商品情報表示部品をディスプレイ台の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを設け、当該商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報表示部品に装着して商品見本展示用アタッチメントをディスプレイ台に取り付けたことにより、シート状商品見本を展示する商品見本展示用アタッチメントを立体状の商品見本を展示するディスプレイ台に追加装備することができるので、立体状の商品見本とシート状商品見本を一つのディスプレイ台に混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメントの保持部に形成された湾曲した保持溝に下端を保持されたシート状商品見本が保持溝の湾曲に倣って湾曲するので、その剛性を高めることができ、シート状商品見本を起立姿勢に維持することができる。
この場合、請求項11に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品の冷温情報および価格情報を表示する液晶表示部を有し、当該液晶表示部を保護する横長帯状の透明なカバー部材を装備してなる商品情報デジタルディスプレイであり、当該カバー部材に代えて商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報デジタルディスプレイの前面に装着してなることにより、商品見本展示用アタッチメントの透明板部を液晶表示部を保護する横長帯状の透明なカバー部材として兼用することが可能となる。
【0030】
そしてまた、請求項12に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、請求項11に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台の前面に配設された商品情報表示部材は、商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報を表示する冷温表示部材、及び冷価格情報を表示する価格表示部材からなり、前記商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前後に重ね合わせて配設される前記冷温表示部材と価格表示部材との間に挿入してなることにより、ディスプレイ台の前面に配設された冷温表示部材に重ねて当該ディスプレイ台上に展示された複数の商品見本に対応する価格情報を表示する価格表示部材を備えた既設の自動販売機にも商品見本展示用アタッチメントを簡単に追加装備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1に係る自動販売機の商品見本展示装置を示し、(a)はディスプレイ台の要部斜視図、(b)は商品見本展示用アタッチメントを装着したディスプレイ台の要部斜視図である。
【図2】図1に示したディスプレイ台を示し、(a)はディスプレイ台の分解斜視図、(b)は(a)の右端側の拡大斜視図である。
【図3】ディスプレイ台から商品見本展示用アタッチメントを取外して示す分解斜視図である。
【図4】本発明の商品見本展示用アタッチメントに係る変形例を示す要部平面図である。
【図5】本発明の商品見本展示用アタッチメントに係る異なる変形例を示し、(a)は商品見本展示用アタッチメントの要部斜視図、(b)はディスプレイ台に取付けた商品見本展示用アタッチメントに単一表示具を装着した状態の斜視図、(c)はディスプレイ台に取付けた商品見本展示用アタッチメントに連接表示具を装着した状態の斜視図である。
【図6】本発明の商品見本展示用アタッチメントに係る異なる変形例を示し、(a)は商品見本展示用アタッチメントの要部斜視図、(b)はディスプレイ台に取付けた商品見本展示用アタッチメントに単一表示具を装着した状態の斜視図、(c)はディスプレイ台に取付けた商品見本展示用アタッチメントに連接表示具を装着した状態の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置を示すディスプレイ台の要部斜視図である。
【図8】図7に示したディスプレイ台の分解斜視図である。
【図9】図7に示したディスプレイ台の正面視右端側の拡大斜視図である。
【図10】図7に示したディスプレイ台のブラケット(固定部材)を示し、(a)はその前方斜め上方から見た斜視図、(b)はその側面図である。
【図11】図7に示したディスプレイ台の側面図である。
【図12】図7に示したディスプレイ台から商品見本展示用アタッチメントを取外して示す分解斜視図である。
【図13】図7に示したディスプレイ台が配設されたディスプレイ室の側面図である。
【図14】本発明が対象とする自動販売機の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置について添付図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品見本展示装置が従来装置と相違する点は特にディスプレイ台の周辺であり、ここでは従来装置と相違するディスプレイ台の周辺について説明することとし、また、自動販売機の全体構成は図14に示したものと同一であるので適宜図14を参照しつつ説明を行う。
【0033】
(実施の形態1)
図1において、1はディスプレイ台であり、このディスプレイ台1は鋼板製の固定部材2と商品載置台3とからなる。前記固定部材2は商品載置台3を支持する腕木としてのブラケット21(図2参照)を有し、当該ブラケット21が中扉60(図14参照)に係止固定されている。4は液晶ディスプレイ(LCD)を備えた商品情報デジタルディスプレイであり、商品載置台3に載置された複数の商品見本80若しくは後述するシート状商品見本81に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報および価格情報の価格表示を行う液晶表示部41を備えている。この商品情報デジタルディスプレイ4が請求項10の商品情報表示部品を構成する。5は左右方向に延在する鋼板製の取付金具であり、前記固定部材2にねじ止めされて商品情報デジタルディスプレイ4の下端を保持するものである。なお、商品情報デジタルディスプレイ4は液晶表示部41に価格情報の価格表示を行うものとし、冷温表示については周知の冷温表示板を用いることもできるものである。
【0034】
前記固定部材2は、図2に示すように左右のブラケット21を天板22により連結してなり、天板22には複数の開口221が形成されるとともに天板22の前縁には前方斜め上方に折り曲げられた係止片222が設けられている。前記固定部材2の左右のブラッケット21は左右対称であるので、ここでは正面視右側のブラケット21を代表として説明する。前記ブラッケット21には上面に向けて開放した挿脱溝部21aが形成されるとともに前縁に商品情報デジタルディスプレイ4を係止する係止部21b、およびねじSが螺合するねじ穴21cが形成されている。前記ブラケット21の後縁には内方に向けて折り曲げられた後壁23(図2の(a)参照)が形成され、この後壁23に切起しにより係止片231が形成されている。この係止片231を中扉60(図14参照)に設けた係止穴に嵌合させることにより固定部材2が中扉60に係止固定される。
【0035】
前記商品載置台3は、図2に示すように、上面壁31の両端から下方に延在された左右側壁32を備えてなり、上面壁31には商品見本80を嵌合保持する係合穴311が左右方向に複数(この例では12個)並設されている。前記商品載置台3の左右側壁32は左右対称であるので、ここでは正面視右側の側壁32を代表として説明する。前記側壁32には、前方斜め下方向に開放した切欠33が形成されている。また、前記側壁32には内側に向けて切起した当接片34が形成されている。
【0036】
前記商品情報デジタルディスプレイ4は、図2に示すように、液晶表示部41が実装された回路基板を内蔵する横長のデジタル表示ユニット42の前面に白色塗装が施された化粧枠43を組付けてなるものである。前記化粧枠43には液晶表示部41に対応する箇所に窓431が形成されており、化粧枠43の上端部は後方斜め下方に向けて傾斜した係合片432が形成されている。この係合片432は固定部材2の天板22に形成された係止片222に係合するものである。なお、図2の(b)に示すように、化粧枠43の前面から側方寄りには切り起こしにより係止爪433が形成されている。図示は省略したが、化粧枠43の左端側にも前記係止爪433と向う合うように係止爪が切り起こしにより形成されているものである。これらの係止爪433により化粧枠43の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44が保持されているものである。前記透明なカバー部材44は、デジタル表示ユニット42の液晶表示部41を保護するものである。
【0037】
前記取付金具5は縦断面が略L字形に形成された鋼板製になり、白色塗装が施されている。また、前記取付金具5の前面側の板面(L字形における長辺側の板面)には階段状の段差部51(図2の(b)参照)が形成されているとともにねじSが挿通するねじ挿通穴52が穿孔されている。
【0038】
次に、ディスプレイ台1の組立てについて説明すると、まず、左右一対の固定部材2を中扉60(図14参照)に取付ける。この固定部材2の中扉60への取付けは、左右ブラケット21の後壁23に切起しにより形成された係止片231を中扉60の所定位置に穿孔した係合穴に嵌合させることにより固定部材2が中扉60に固着される。次いで、中扉60に固着された固定部材2の左右ブラケット21に対して商品載置台3を、固定部材2の上方から被せるように装着する。この場合、商品載置台3の左右側壁32に内側に向けて切起した当接片34を左右ブラケット21の挿脱溝部21aに対峙させた上で、商品載置台3を固定部材2に被せる。そして、商品載置台3の上面壁31が固定部材2の天板22に当接すると、商品載置台3の左右側壁32の当接片34が左右ブラケット21の挿脱溝部21aに嵌合した状態で固定部材2にセットされる。ここで、商品載置台3の左右側壁32に内側に向けて切起した当接片34が固定部材2の挿脱溝部21aに嵌合しているので、商品載置台3の前後方向への移動が規制される。
【0039】
次いで、前記商品情報デジタルディスプレイ4を中扉60(図14参照)に固着された前記固定部材2に次のように組付ける。すなわち、商品情報デジタルディスプレイ4の背面を固定部材2の左右ブラケット21の前縁に当接させ、その際、商品情報デジタルディスプレイ4の下面を左右ブラケット21の係止部21bの上方に位置させた上で、商品情報デジタルディスプレイ4を左右ブラケット21の前縁に沿わせた状態で商品情報デジタルディスプレイ4の下面が左右ブラケット21の係止部21bに当接するまで下方にスライドさせる。前記商品情報デジタルディスプレイ4の下面が前記係止部21bに当接すると商品情報デジタルディスプレイ4が固定部材2に位置決めされるとともに前記商品情報デジタルディスプレイ4における化粧枠43の係合片432が固定部材2の天板22の前縁に形成した係止片222に係合する。この状態で取付金具5を、その段差部51が商品情報デジタルディスプレイ4の下面に沿うように配設し、ねじSにより左右ブラケット21にねじ止めする。これにより、商品情報デジタルディスプレイ4が固定部材2に固定される。なお、前記固定部材2の左右ブラケット21の外扉60(図14参照)への固着位置を適宜定めることにより、商品情報デジタルディスプレイ4の左右端部は、当該左右ブラケット21よりも外側に突出しているものである。
【0040】
前述したように固定部材2に商品載置台3をセットするとともに固定部材2に商品情報デジタルディスプレイ4を取付けたディスプレイ台1には、図1に示すように、商品載置台3に載置された立体状の商品見本80とシート状商品見本81が起立姿勢で展示している。シート状商品見本81は可撓性の薄いプラスチックシートに商品の外観意匠を印刷した矩形平板状の透明若しくは半透明のシートからなるものである。このシート状商品見本81は本発明に係る商品見本展示用アタッチメント6を介してディスプレイ台1に取り付けられるが、これについては後述する。そして、ディスプレイ台1の前面に位置する商品情報デジタルディスプレイ4における各液晶表示部41にそれぞれの商品見本80,81のコールド,ホット状態を表す冷温状態および価格情報が表示される。なお、商品情報デジタルディスプレイ4の下端を保持する取付金具5は、図14に示したディスプレイ室50の前面の透明板40に設けられた商品選択ボタンユニット90の背後に位置しており、自動販売機の正面からは商品選択ボタンユニット90に隠れて見えないようになっている。
【0041】
さて、シート状商品見本81を起立姿勢でディスプレイ台1に展示するための商品見本展示用アタッチメント6について図3を用いて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6は、商品情報デジタルディスプレイ4の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44に相当する大きさを有する透明板部61および当該透明板部61の上部に連ねて形成された保持部62からなるプラスチック成形品である。前記透明板部61は、商品情報デジタルディスプレイ4の化粧枠43に形成された左右の係止爪433の間の間隔に相当する横幅を有する横長帯状に形成されている。前記透明板部61の上部に連ねて形成された保持部62、この例では、商品載置台3の上面壁31に形成された商品見本80を嵌合保持する12個の係合穴311(図2参照)に対応して12個(図3では6個のみが示されている)の保持部62はそれぞれ前方側に凸の湾曲状に形成されており、その湾曲に沿ってそれぞれ一条の保持溝621(図1の(b)を参照)が形成されている。前記保持溝621は薄いシート状商品見本81が挿入され、当該シート状商品見本81を保持するものである。この薄いシート状商品見本81を保持するために保持溝621の溝幅は微小間隙として形成せねばならない。このため、前記保持溝621の内壁は互い違いに噛み合う鋸歯状に形成され、両者の鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように構成されている。
【0042】
次に、前記商品見本展示用アタッチメント6のディスプレイ台1への取付けについて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6は、商品情報デジタルディスプレイ4の前面に配備された横長帯状の透明なカバー部材44を取外したうえで、透明板部61を化粧枠43の前面に配備した後、化粧枠43に形成された係止爪433により係止固定する。このように、ディスプレイ台1に装着された商品見本展示用アタッチメント6の保持部62における保持溝621にはシート状商品見本81が挿入される。この場合、シート状商品見本81は下端の一部のみが保持溝621に挿入された状態で保持部62に保持されることとなるが、保持溝621が湾曲していることからシート状商品見本81も保持溝621の湾曲に倣って横断面が前方側に凸となるように湾曲した状態で起立する。このように、シート状商品見本81を湾曲させて保持することにより薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定した起立姿勢に維持することができる。そして、商品見本展示用アタッチメント6の複数の保持部62および商品載置台3の複数の係合穴311にシート状商品見本81および立体状の商品見本80を適宜取付けることにより、シート状商品見本81および立体状の商品見本80を同一のディスプレイ台1に並べて展示することができるものである。
【0043】
ここで、前記シート状商品見本81には切欠811(図1の(a)参照)が設けられている。この切欠811について次に説明する。前述したような矩形平板状のシート状商品見本81の下端を湾曲させた際、シート状商品見本81の全体が湾曲してしまうことがある。そこで、シート状商品見本81には左右側縁の下部側に切欠811を設けている。このように、切欠811を有するシート状商品見本81の下端を湾曲させる、つまり、前記商品見本展示用アタッチメント6の保持溝621に挿入した場合、シート状商品見本81の切欠811よりも下部側は保持溝621の湾曲に倣って湾曲(曲率の小さい湾曲)するが、前記切欠811によって下部側との繋がりが一部絶たれた切欠811よりも上部側の湾曲は下部側の湾曲に対して比較的小さくなる(曲率の大きな湾曲となる)。このように、切欠811を形成することによりシート状商品見本81の湾曲を抑えることができる一方、切欠811よりも下部側は保持溝621の湾曲に倣って湾曲することから薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定して起立姿勢に維持することができる。なお、切欠811は角型に限らず円弧形状とすることもでき、さらに、切欠811に代えて切り込みを入れることもできるものである。
【0044】
前述したように本発明の実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6によれば、立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1に取付けられる商品見本展示用アタッチメント6であって、前記ディスプレイ台1の前面に配設されて当該ディスプレイ台1に係止固着される横長帯状の透明板部61、及び当該透明板部61の上部に連ねて形成され、シート状商品見本81の下端を保持する一条の保持溝621を有し、かつ、前記一条の保持溝621を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部62とからなることにより、前記保持溝621に下端を装着されたシート状商品見81本は保持溝621の湾曲に倣って湾曲するので、シート状商品見本81が可撓性の薄いプラスチックシートからなる場合にもその剛性を高めることができ、シート状商品見本81を安定した起立姿勢で展示することができる。
【0045】
また、前述した本発明の実施の形態1に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1と、前記ディスプレイ台1上に展示された複数の商品見本80に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)とを備え、前記商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)をディスプレイ台1の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台1の前面に配設されて当該ディスプレイ台1に係止固着される横長帯状の透明板部61、及び当該透明板部61の上部に連ねて形成され、シート状商品見本81の下端を保持する一条の保持溝621を有し、かつ、前記一条の保持溝621を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部62とからなる商品見本展示用アタッチメント6を設け、当該商品見本展示用アタッチメント6の透明板部61を前記商品情報表示部品(商品情報デジタルディスプレイ4)に装着して商品見本展示用アタッチメント6をディスプレイ台1に取り付けたことにより、シート状商品見本81を展示する商品見本展示用アタッチメント6を立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1に追加装備することができるので、立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つのディスプレイ台1に混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメント6の保持部62に形成された湾曲した保持溝621に下端を保持されたシート状商品見本81が保持溝621の湾曲に倣って湾曲するので、その剛性を高めることができ、シート状商品見本81を起立姿勢に維持することができる。
【0046】
さらに、前記商品情報表示部品として商品情報デジタルディスプレイ4を用いた場合、商品情報デジタルディスプレイ4における液晶表示部41を保護する横長帯状の透明なカバー部材44に代えて商品見本展示用アタッチメント6の透明板部61を装着すれば、商品見本展示用アタッチメント6の透明板部61が液晶表示部41を保護する横長帯状の透明なカバー部材44を兼用することが可能となる。
【0047】
次に、図4は、前記商品見本展示用アタッチメント6の変形例を示す。図4に示す商品見本展示用アタッチメント6Aが前記実施の形態1における商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は保持溝621Aの溝構成であり、その他の構成については同一であるので、図4では商品見本展示用アタッチメント6Aの要部平面を表している。図において、61Aは横長帯状の透明板部であり、62Aは前記透明板部61Aの上部に連なる保持部であり、これらの透明板部61Aと保持部62Aからなる商品見本展示用アタッチメント6Aは透明なプラスチック成形品として形成されている。前記保持部62Aに形成された一条の保持溝621Aは、前記実施の形態1の保持溝621と同様にその内壁に互い違いに噛み合うように鋸歯状に形成されている。この保持溝621Aが前記実施の形態1の保持溝621と相違する点は次のとおりである。すなわち、前記保持溝621Aは、その内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝621Aの左右端部622,622と中央部623における対向する鋸歯の先端の間の間隔L1をシート状商品見本81の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端の間の間隔L2をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅として構成されている。
【0048】
ここで、前記実施の形態1における商品見本展示用アタッチメント6の保持部62における保持溝621は、全域に亘って一様の微小間隙が生じるように構成、つまり、一条の保持溝621の隙間寸法が全域に亘って一定の微小間隙が生じるように構成されているが、この場合にはシート状商品見本81の挿入に手間がかかるものである。すなわち、保持溝621の隙間寸法はシート状商品見本81を保持するためにシート状商品見本81の厚さと略同一の微小間隙として形成されているとともに、一条の保持溝621が湾曲していることから、シート状商品見本81を保持溝621に沿って湾曲させつつ挿入せねばならない。このため、シート状商品見本81を保持溝621の挿入に手間がかかり、煩わしい作業となる。かかる点、図4に示す商品見本展示用アタッチメント6Aの保持溝621Aは、シート状商品見本81の厚みと略一致する間隔L1の狭幅の溝が分散して形成される一方、狭幅の溝を除く他の溝がシート状商品見本81の厚みに対して比較的広い間隔L2の広幅の溝として形成されていることから、分散された狭幅の溝にシート状商品見本81を挿入すればよい。したがって、シート状商品見本81の保持溝621Aへの挿入が頗る容易となるので、シート状商品見本81の保持溝621Aへの挿入作業を簡単にすることができる。しかも、分散された狭幅の溝によってシート状商品見本81を保持するので、シート状商品見本81を湾曲した状態に維持することができ、薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定した起立姿勢で展示することができる。
【0049】
次に、図5は、前記実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6の異なる変形例を示す。図5に示す商品見本展示用アタッチメント6Bが前記実施の形態1における商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、左右に隣接する保持部62Bの間に表示具800を固着する挟持溝63(図5の(a)参照)を設けた点であり、その他の構成については同一である。すなわち、図において、6Bは商品見本展示用アタッチメントであり、横長帯状の透明板部61Bと、この取付基台61Bの上部に連ねて形成された保持部62Bとからなり、透明なプラスチック成形品として形成されている。前記保持部62Bに形成された一条の保持溝621Bは、前記実施の形態1の保持溝621と同様にその内壁に互い違いに噛み合うように鋸歯状に形成されている。そして、左右に隣接する保持部62Bの間に広告宣伝用の表示具800を固着する挟持溝63が形成されている。この挟持溝63が請求項5の係合部を構成する。なお、表示具800は、図5の(a)(b)では広告宣伝用の広告表示板801を示し、図5の(c)ではディスプレイ台1に載置された商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報を強調する冷温強調板802を示している。
【0050】
前述したように、前記挟持溝63は、商品見本展示用アタッチメント6Bの左右に隣接する保持部62Bの間に形成されている。左右に隣接する保持部62Bの間は、平面から見て前方に凸に湾曲した保持部62Bの谷間に相当する部位である。前記挟持溝63は、前記谷間の肉厚を厚くした部位に形成したところの、左右及び上方に開放した細幅の溝からなる。前記挟持溝63の溝幅は、プラスチックシートからなる表示具800の厚さと略同一の幅に定められている。
【0051】
前記表示具800としての広告表示板801は、図5の(a)に示すように、可撓性の矩形平板状のプラスチックシートに、「新発売」などの広告文字、若しくはキャラクターなどの形象を印刷した単一表示具として形成されている。前記広告表示板801は、下縁中央から下方に延在する係止舌片8011を備え、当該係止舌片8011を挟持溝63に挿入することにより商品見本展示用アタッチメント6Bに固着される(図5の(b)参照)。図示の例では、商品見本展示用アタッチメント6Bにシート状の商品見本81(図1参照)が装着されていない状態で、広告表示板801が保持部62Bの上方に位置している場合を示しているが、シート状の商品見本81が装着される場合には、係止舌片8011に階段状の段差を設けて広告表示板801が保持部62の前方に位置するようにすればよい。また、係止舌片8011は広告表示板801の下端中央に設けているが、広告表示板801の幅を隣接する挟持溝63に跨る大きさとし、広告表示板801の左右下端にそれぞれ係止舌片を設けて挟持溝63に挿入するようにすることもできる。ここで、広告表示板801の幅が隣接する挟持溝63に跨る大きさで薄いプラスチックシートからなる場合には、広告表示板801を保持部62Bの外面に沿わせたうえで、その左右両端下部を左右の挟持溝63に挿入して商品見本展示用アタッチメント6Bに固着することもできる。この場合、広告表示板801は、湾曲した保持部62Bの外面に沿って湾曲することから、広告表示板801が薄いプラスチックシートからなる場合にも当該広告表示板801の剛性を高めて安定した起立姿勢に保持することができる。
【0052】
また、図5の(c)に示すように、前記表示具800としての冷温強調板802は、ディスプレイ台1に載置された複数の商品見本80、図示例では6個の保持部62(商品見本80)に跨る横長帯状のプラスチックシートの一面に、商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字が施され、他方の面に商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字が施された連接表示具として形成されている。この冷温強調板802の下縁には、隣接する保持部62Bの間に形成されたそれぞれの挟持溝63に対応して下方に延在する係止舌片8021が設けられ、当該係止舌片8021を挟持溝63に挿入することにより商品見本展示用アタッチメント6Bに固着される。前記冷温強調板802は、ディスプレイ台1の前面に取付けられた商品情報デジタルディスプレイ4に表示された商品の冷温情報(図示例では「HOT」)と同一の「HOT」の冷温情報を表示し、季節の変わり目などに実行される庫内の冷却/加熱ユニットの冷温切換え(「HOT」から「COLD」)に応じて冷温強調板802を、垂直軸を中心に180度反転させることにより「COLD」の冷温情報を表示する。この冷温強調板802は、商品情報デジタルディスプレイ4に表示された冷温情報を強調して表示する一方、商用電源が遮断(停電)された場合、若しくは節電のために商品情報デジタルディスプレイ4の電源が遮断された場合にも冷温強調板802により商品の冷温状態を表示することができるものである。
【0053】
なお、図5の(b)では、表示具800としての広告表示板801が単一表示具からなるものについて例示したが、図5の(c)に例示した冷温強調板802のように連接表示具であってもよく、また、同様に、図5の(c)では、冷温強調板802が連接表示具からなるものについて例示したが、図5の(b)に例示した広告表示板801のように単一表示具であってもよいものである。
【0054】
このように、左右に隣接する保持部62Bの間に表示具800を固着する挟持溝63(係合部)を有することにより、商品見本展示用アタッチメント6Bを、表示具800の取付けに兼用することができる。
【0055】
次に、図6は、前記実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6の更に異なる変形例を示す。図6に示す商品見本展示用アタッチメント6Cが前記実施の形態1における商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、左右に隣接する保持部62Bの間に旗竿状の表示具800のポールが挿入される係止穴64(図6の(a)参照)を設けた点であり、その他の構成については同一である。すなわち、図において、6Cは商品見本展示用アタッチメントであり、横長帯状の透明板部61Cと、この透明板部61Cの上部に連ねて形成された保持部62Cとからなり、透明なプラスチック成形品として形成されている。前記保持部62Cに形成された一条の保持溝621Cは、前記実施の形態1の保持溝621と同様にその内壁に互い違いに噛み合うように鋸歯状に形成されている。そして、左右に隣接する保持部62Cの間に表示具800のポールを固着する係止穴64が形成されている。この係止穴64が請求項5の係合部を構成する。なお、表示具800は、図6の(a)(b)では広告宣伝用の広告表示板803を示し、図6の(c)ではディスプレイ台1に載置された商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報を強調する冷温強調板804を示している。
【0056】
前述したように、前記係止穴64は、商品見本展示用アタッチメント6Cの左右に隣接する保持部62Cの間に形成されている。左右に隣接する保持部62Cの間は、平面から見て前方に凸に湾曲した保持部62Cの谷間に相当する部位である。前記係止穴64は、前記谷間の肉厚を厚くした部位に形成したところの、上下方向に穿たれた有底の円筒状の穴からなる。
【0057】
前記表示具800としての広告表示板803は、図6の(a)に示すように、旗状のプラスチックシートに、「新発売」などの広告文字、若しくはキャラクターなどの形象を印刷した表示部8031と、この表示部8031の一方の端部から下方に延在するポール8032からなる単一表示具として形成されている。前記広告表示板803は、ポール8032を係止穴64に挿入することにより商品見本展示用アタッチメント6Cに固着される(図6の(b)参照)。この場合、係止穴64の径をポール8032の径に略一致させることにより表示部8031の向きを一定に維持することができる。また、ポール8032は表示部8031の一方の端部に設けているが、表示部8031の幅を隣接する係止穴64に跨る大きさとし、表示部8031における左右両端端部にそれぞれポールを設けて係止穴64に挿入するようにすることもできる。さらに、図示の例では、商品見本展示用アタッチメント6Cにシート状の商品見本81(図1参照)が装着されていない状態で、表示部8031が保持部62Cの上方に位置している場合を示しているが、シート状の商品見本81が装着される場合には、ポール8032をクランク状に折り曲げて表示部8031が保持部62Cの前方に位置するようにすればよい。
【0058】
また、図6の(c)に示すように、前記表示具800としての冷温強調板804は、ディスプレイ台1に載置された複数の商品見本80、図示例では6個の商品見本80に跨る横長帯状のプラスチックシートの一面に、商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字が施され、他方の面に商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字が施された表示部8041と、この表示部8041の下縁に、隣接する保持部62Bの間に形成されたそれぞれの係止穴64に対応して設けられた下方に延在するポール8042とからなる連接表示具として形成されている。この冷温強調板804は、前記ポール8042を係止穴64に挿入することにより商品見本展示用アタッチメント6Cに固着される。前記冷温強調板804は、ディスプレイ台1の前面に取付けられた商品情報デジタルディスプレイ4に表示された商品の冷温情報(図示例では「HOT」)と同一の「HOT」の冷温情報を表示し、季節の変わり目などに実行される庫内の冷却/加熱ユニットの冷温切換え(「HOT」から「COLD」)に応じて冷温強調板804を、垂直軸を中心に180度反転させることにより「COLD」の冷温情報を表示する。この冷温強調板804は、商品情報デジタルディスプレイ4に表示された冷温情報を強調して表示する一方、商用電源が遮断(停電)された場合、若しくは節電のために商品情報デジタルディスプレイ4の電源が遮断された場合にも冷温強調板804により商品の冷温状態を表示することができるものである。
【0059】
なお、図6の(b)では、表示具800としての広告表示板803が単一表示具からなるものについて例示したが、図6(c)に例示した冷温強調板804のように連接表示具であってもよく、また、同様に、図6の(c)では、冷温強調板804が連接表示具からなるものについて例示したが、図6の(b)に例示した広告表示板803のように単一表示具であってもよいものである。
【0060】
このように、左右に隣接する保持部62Cの間に表示具800を固着する係止穴64(係合部)を有することにより、商品見本展示用アタッチメント6Cを、表示具800の取付けに兼用することができる。
【0061】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置について図7〜図13を参照して説明する。本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置を示すディスプレイ台の要部斜視図である。
【0062】
図7は、本発明の実施の形態2に係る自動販売機の商品見本展示装置を示すディスプレイ台の要部斜視図である。図において、1Aはディスプレイ台であり、このディスプレイ台1Aは薄板鋼板製の商品載置台3Aと左右一対の固定部材としてのブラケット2Aとからなる。前記ブラケット2Aは商品載置台3Aを支持する腕木として機能し、当該ブラケット2Aがディスプレイ室50の中扉60(図14参照)に後述するように係止固定される。前記商品載置台3Aは、商品見本80が嵌合係止される複数、この実施の形態では12個の係合穴311Aを備えたステージ状の上面壁31Aと、上面壁31Aの両端から下方に延在する左右側壁32A,32Aと、上面壁31Aの前後端から下方に延在する前面壁33Aおよび後面壁(図では見えない)により下面が開放した横長の箱形に形成されている。この商品載置台3Aは、左右一対のブラケット2Aに跨る態様で当該左右一対のブラケット2Aに対して着脱自在に設けられている。前記商品載置台3Aの前面壁33Aには複数の商品見本80に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71が表示された冷温表示部材72、及び商品価格を表す価格情報73が表示された価格表示部材74が着脱自在に係止保持されている。前記冷温表示部材72、及び価格表示部材74が商品情報表示部品7を構成し、この例では冷温表示部材72及び価格表示部材74が左右に2分割されている。
【0063】
図8はディスプレイ台1Aの分解斜視図、図9はディスプレイ台1Aの正面視右端側の拡大図、図10はディスプレイ台1Aのブラケット2Aを示し、(a)はその前方斜め上方から見た斜視図、(b)はその側面図、図11はディスプレイ台1Aの側面図、図12はディスプレイ台1Aから商品見本展示用アタッチメント6Dを取外して示す分解斜視図、図13はディスプレイ台1Aが配設されたディスプレイ室50の側面図であり、これらの図を用いて各部材について更に説明する。前記商品載置台3Aはステージ状の上面壁31Aに複数の係合穴311Aが形成され、左右両端部にはそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312およびストッパ313(図9も参照)が設けられている。前記商品載置台3Aの左右側面壁32A,32Aにはそれぞれ内側に向って突出する支持軸35が取付けられている。前記支持軸35は合成樹脂製になり、図8、図9では前記支持軸35の頭部が示されており、支持軸35の軸部(不図示)は上面壁31Aの嵌合突起312の下方まで延在するとともに軸部の上端側の周面の一部を削ぎ取って平坦面とした断面D状に形成されている(後述図11参照)。また、前記商品載置台3Aの前面壁33Aには左右方向に複数、この実施の形態では12個の光透過窓331が形成されるとともに前面壁33Aの下端を前方側に折り返して形成された係止部332を備えている。この係止部332は前面壁33Aとの間に、図9に示すように商品情報表示部品7を保持する係止溝を形成する。さらに、図8に全体を示し、図9で正面視右端側を拡大して示すように、前記商品載置台3Aの前面壁33Aの左右両端部及び中央部には前記係止部332により保持された商品情報表示部品7が左右方向にずれるのを防止する係止突起333が形成され、また、図9から明らかなように、商品情報表示部品7の脱落を防止するために係止部332から突出する突起片3321が設けられている。
【0064】
前記商品載置台3Aとともにディスプレイ台1Aを構成する左右一対のブラケット2Aは左右対称であるので、ここでは正面視右側のブラケット2Aを代表として説明する。前記ブラケット2Aには、図10にも示すように、前記支持軸35を嵌合支持する異形溝26が形成され、また、ブラケット2Aの上縁には内側を向くようにガイド片24が形成され、さらに後端面にはディスプレイ室50の中扉60(図13参照)に設けた角穴(不図示)に引っ掛けて当該ブラケット2Aを定位置に固定する係合爪25,25が切り起こし形成されている。前記異形溝26は、前記支持軸35を回転可能に支える前半域の円弧状溝部261と、前記円弧状溝部261に連ねて後半域に形成され、前記支持軸35の移動を拘束して商品載置台3Aを展示位置に保持するスライド溝部262と、前記円弧状溝部261とスライド溝部262との中間位置からブラケット2Aの上縁に切欠き開口した挿脱溝部263とを組合わせて形成されている。なお、前記円弧状溝部261は支持軸35の軸部より一回り大きく形成され、また、前記スライド溝部262の高さ寸法hは支持軸35の直径よりも小さい寸法の断面D状の軸部35a(図11参照)に合わせて形成されている。また、ブラケット2Aの上縁に内側を向くように形成されたガイド片24は異形溝26の挿脱溝部263により前後に2分割されている。
【0065】
前記商品載置台3Aの係止部332に装着して保持係止される商品情報表示部品7は、図8に示すように、複数の商品見本80に対応して当該商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71が表示された冷温表示部材72、及び商品価格を表す価格情報73が表示された価格表示部材74からなる。前記冷温表示部材72は光透過性のアクリル樹脂により横長帯状に形成されるとともに冷温情報71の表示領域を上下に区分し、当該上下の表示領域にそれぞれ異なる冷温情報71を互いに逆さにして表示してなる。この実施の形態では、冷温表示部材72の上部の表示領域には「COLD」の文字、下部の表示領域には「HOT」の文字が互いに逆さまに表示されている。なお、図には明示されていないが、冷温情報71は、商品のホット状態を表すパターンとして暖色(赤色)の背景色に白抜きの「HOT」の文字が施され、商品のコールド状態を表すパターンとして寒色(青色)の背景色に白抜きの「COLD」の文字が施されているものである。一方、価格表示部材74は透明なアクリル樹脂により横長帯状に形成され、上部領域に「\120」の価格情報73が施されて不透明である一方、下部領域が透明に形成されている。これらの冷温表示部材72および価格表示部材74は、価格表示部材74を前方側に位置するようにして前後に重ね合わせて商品載置台3Aの前面壁33Aに沿って配設される。なお、冷温表示部材72及び価格表示部材74は商品載置台3Aの前面壁33Aの左右両端部及び中央部に形成した係止突起333(図9参照)間に収まる寸法に定められている。
【0066】
前記ディスプレイ台1Aの分解斜視図を示す図8において、9は照明光源としての蛍光灯である。この蛍光灯9はソケット91を有する左右一対の蛍光灯取付金具92に装着されるものである。前記蛍光灯取付金具92はブラケット2Aと同様に中扉60(図13参照)に係止固定される。すなわち、蛍光灯取付金具92の後端面に板面を切り起して形成された不図示の係合爪をディスプレイ室50の中扉60に設けた角穴に引っ掛けることによって中扉60に係止固定される。なお、左右一対の蛍光灯取付金具92はそれぞれ左右一対のブラケット2Aの内方に配設され、左右一対のブラケット2Aに跨るように商品載置台3Aを取付けた場合、箱形の商品載置台3Aの内部に位置するように定められている。このように、蛍光灯9は箱形の商品載置台3A(ディスプレイ台1A)の内部に位置しており、蛍光灯9からの光が商品載置台3Aの上面壁31Aに形成した係合穴311Aを介して商品見本80の内部に照射されるとともに前面壁33Aに形成した光透過窓331を介して商品情報表示部品7に照射される。
【0067】
次に、ディスプレイ台1Aの組立てについて説明すると、まず、左右一対のブラケット2Aをディスプレイ室の中扉60(図13参照)に取付ける。このブラケット2Aの中扉60への取付けは、ブラケット2Aの後端面に切り起しにより形成された係合爪25,25を中扉60の所定位置に設けた角穴に挿入係止させる。これによりブラケット2Aが中扉60の所定位置に固定される。次いで、中扉60に固着された左右一対のブラケット2Aに対して商品載置台3Aを、左右一対のブラケット2Aの上方から被せるように装着する。この場合、商品載置台3Aの左右側壁32Aに内側に向けて突出する支持軸35をブラケット2Aの挿脱溝部263に対峙させた上で、商品載置台3Aをブラケット2Aに被せる。そして、商品載置台3Aの上面壁31Aの内壁がブラケット2Aの上縁に当接すると、支持軸35がブラケット2Aの異形溝26に嵌合した状態で商品載置台3Aがブラケット2Aに一体化される。この後、商品載置台3Aを後方(中扉60側)にスライドさせると、支持軸35が異形溝26のスライド溝部262に移動する。この状態を図13に示し、支持軸35の断面D状の軸部35aの上端側の平坦面がスライド溝部262の平坦な上縁に対峙する。一方、商品載置台3Aの上面壁31Aの左右両端部にそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312およびストッパ313が、ブラケット2Aの上縁に内側を向くように形成された前後のガイド片24,24を乗り越えてその後方側に落とし込まれる。この場合、前記嵌合突起312およびストッパ313がそれぞれのガイド片24,24を乗り越えることができるように、支持軸35の断面D状の軸部35aの上端側の平坦面とスライド溝部262の平坦な上縁との間には遊びが形成されている。
【0068】
前述したように、商品載置台3Aの上面壁31Aの左右両端部にそれぞれ裏面に向けて押し出し形成された突起状の嵌合突起312およびストッパ313がブラケット2Aの上縁に形成した前後のガイド片24,24を乗り越えてその後方側に落とし込まれると、嵌合突起312およびストッパ313がガイド片24,24に係合する一方、支持軸35がスライド溝部262に嵌合することにより商品載置台3Aの前後方向の移動が規制され、商品展示台3Aは商品見本80を展示する展示位置にセットされる。この状態で、商品展示台3Aの前面壁33Aに形成した係止部332に価格表示部材74を前面にして冷温表部材72を重ね合わせた商品情報表示部品7を装着する。この場合、商品情報表示部品7は、左端部若しくは右端部と中央部の係止突起333,333の間に位置させたうえで、係止部332,333の上方から商品情報表示部品7の背面を前面壁33Aに沿わせつつ係止部332の保持溝に挿入する。これにより商品情報表示部品7はディスプレイ台1Aの前面に係止保持される。
【0069】
前述したように、ブラケット2Aの異形溝26に支持軸35を嵌合させて商品載置台3Aを商品展示位置にセットするとともに商品載置台3Aの前面壁33Aの係止部332に商品情報表示部品7を装着したディスプレイ台1Aは、図7,図13に示すように、商品載置台3Aに載置された複数の商品見本80を起立姿勢で展示している。そして、ディスプレイ台1Aの前面に位置する商品情報表示部品7によりそれぞれの商品見本80のコールド,ホット状態を表す冷温情報71および価格情報の価格情報73(図7、図9参照)が表示される。この場合、商品情報表示部品7の冷温情報71および価格情報73は商品載置台3Aの前面壁33Aに形成された光透過窓331の前方に位置しており、ディスプレイ台1Aの内部に配設された蛍光灯9により照射される。ここで、前記商品情報表示部品7を保持する係止部332は、ディスプレイ室50(図13参照)の前面を覆う透明板40の前面に配設された商品選択ボタンユニット90の背後に位置しており、自動販売機の正面からは商品選択ボタンユニット90に隠れて見えないようになっている。なお、図13において、900は商品選択ボタンユニット90を透明板40に取付けるための取付金具である。この取付金具900は商品選択ボタンユニット90の幅に対応する幅を有する断面コ字状の横長帯状に形成されている。また、この実施の形態における商品見本80は、商品を縦方向に半分に切断した半割りタイプのものである。
【0070】
さて、この実施の形態2に係るシート状商品見本81を起立姿勢でディスプレイ台1Aに展示するための商品見本展示用アタッチメント6D(図7、図12、図13参照)の基本構成は、実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6と同一である。すなわち、ディスプレイ台1Aから取外した状態を示す図12から分かるように、商品見本展示用アタッチメント6Dは、横長帯状の透明板部61Dおよび当該透明板部61Dの上部に連ねて形成された保持部62Dからなるプラスチック成形品からなる。前記保持部62Dは前方側に凸の湾曲状に形成されており、その湾曲に沿ってそれぞれ一条の保持溝621Dが形成され、前記保持溝621Dの内壁には互い違いに噛み合う鋸歯状に形成されて両者の鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように構成されている。この実施の形態2に係る商品見本展示用アタッチメント6Dが実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6と相違する点は、実施の形態1に係る商品見本展示用アタッチメント6が商品情報デジタルディスプレイ4の化粧枠43に形成された左右の係止爪433の間の間隔に相当する横幅を有するものである、つまり、ディスプレイ台1の左右方向の略横幅に相当するものであるのに対し、前記ディスプレイ台1Aの横幅方向にn分割(n<2以上の整数)されてなる点である。具体的には、ディスプレイ台1Aの横幅方向に2分割され、ディスプレイ台1Aを構成する商品載置台3Aに形成された12個の係合穴311A(図7,図8参照)の1/2である6個の保持部62Dを備えたものとして構成されている。
【0071】
次に、前記商品見本展示用アタッチメント6Dのディスプレイ台1Aへの取付けについて説明する。前記商品見本展示用アタッチメント6Dは、その透明板部61Dを、ディスプレイ台1Aの前面壁33Aに沿って配設された商品情報表示部品7に並べて装着することによりディスプレイ台1Aの前面に配備される。具体的には、商品情報表示部品7を構成するところの、前後に重ね合わせて配備された価格表示部材74と冷温表示部材72との間に商品見本展示用アタッチメント6Dの透明板部61Dを挿入し、前記価格表示部材74と冷温表示部材72とにより透明板部61Dを挟持固定する。このように、ディスプレイ台1Aに装着された商品見本展示用アタッチメント6Dの保持部62Dにおける保持溝621Dにはシート状商品見本81が挿入される。この場合、シート状商品見本81は下端の一部のみが保持溝621Dに挿入された状態で保持部62Dに保持されることとなるが、保持溝621Dが湾曲していることからシート状商品見本81も保持溝621Dの湾曲に倣って横断面が前方側に凸となるように湾曲した状態で起立する。このように、シート状商品見本81を湾曲させて保持することにより薄いプラスチックシートからなるシート状商品見本81を安定した起立姿勢に維持することができる。そして、商品見本展示用アタッチメント6Dの複数の保持部62D及び商品載置台3Aの複数の係合穴311Aにシート状商品見本81及び立体状の商品見本80を適宜取付けることにより、シート状商品見本81及び立体状の商品見本80を同一のディスプレイ台1Aに並べて展示することができる。
【0072】
なお、前記商品見本展示用アタッチメント6Dがディスプレイ台1Aの横幅方向にn分割されていることから、必要な箇所にのみ商品見本展示用アタッチメント6Dが取付けられる、言い換えれば、立体状の商品見本80が展示された箇所の前面には商品見本展示用アタッチメント6Dが存在しないこととなるので、立体状の商品見本80の外観を損なうことがないものである。
【0073】
前述した本発明の実施の形態1に係る自動販売機の商品見本展示装置によれば、本体キャビネット10の前面を開閉する外扉20に形成されたディスプレイ室50内に配設され、複数の商品見本80を展示するディスプレイ台1Aと、前記ディスプレイ台1Aの前面に配設され、当該ディスプレイ台1A上に展示された複数の商品見本80に対応して商品情報を表示する商品情報表示部品7を備えてなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台1Aの前面に配設されて当該ディスプレイ台1Aに係止固着される横長帯状の透明板部61D、及び当該透明板部61Dの上部に連ねて形成され、シート状商品見本81の下端を保持する一条の保持溝621Dを有し、かつ、前記一条の保持溝621Dを前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部62Dとからなる商品見本展示用アタッチメント6Dを設け、当該商品見本展示用アタッチメント6Dの透明板部61Dを前記商品情報表示部品7に並べて装着したことにより、シート状商品見本81を展示する商品見本展示用アタッチメント6Dを立体状の商品見本80を展示するディスプレイ台1Aに追加装備することができるので、立体状の商品見本80とシート状商品見本81を一つのディスプレイ台1Aに混合して展示することができ、また、前記商品見本展示用アタッチメント6Dの保持部62Dに形成された湾曲した保持溝621Dに下端を保持されたシート状商品見本81が保持溝621Dの湾曲に倣って湾曲するので、その剛性を高めることができ、シート状商品見本81を安定した起立姿勢に維持することができる。
【0074】
ここで、上記実施の形態2においては、ディスプレイ台1Aの前面(下面が開放した横長の箱形の商品載置台3Aの前面壁33Aの前面)に冷温表示部材72と価格表示部材74と重ねて配設したものについて説明したが、ディスプレイ台1Aの内部(商品載置台3Aの前面壁33Aの背後)に商品価格を表す価格情報を表示するデジタルディスプレイユニットを配設し、ディスプレイ台1Aの前面(商品載置台3Aの前面壁33Aの前面)に冷温表示部材を配設したものも知られており(例えば、特開2008−21240号公報)、この場合には、商品見本展示用アタッチメント6Aの透明板部61Aを冷温表示部材と商品載置台3Aの前面壁33Aとの間に挿入すればよいものである。また、ディスプレイ台1Aの前面に光を拡散するフィルター部材などを配設したものでは、商品見本展示用アタッチメント6Aの透明平板部61Aをフィルター部材に重畳させて取付けることもできる。したがって、商品情報表示部品とは、商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報、及び商品価格を表す価格情報を直接的に表示するものに限らず、その付属部品をも含むものである。
【0075】
なお、上記各実施の形態においては、保持溝621,621A〜621Dが一条の連続した溝からなる形態について説明したが、例えば、保持溝621,621A〜621Dが連続しておらずに細切れに分散されたものであってもよく、また、溝の代わりに複数の突起を並設して微小間隙を形成することもできる。したがって、一条の保持溝621,621A〜621Dとはシート状商品見本81を湾曲した状態で保持できるものを総称するものであり、前述した実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0076】
1,1A…ディスプレイ台、2…固定部材(ブラケット)、3,3A…商品載置台、4…商品情報デジタルディスプレイ、5…取付金具、6,6A,6B,6C,6D…商品見本展示用アタッチメント、7…商品情報表示部品、10…本体キャビネット、20…外扉、30…内扉、41…液晶表示部、42…デジタル表示ユニット、50…ディスプレイ室、60…中扉、61,61B,61C,61D…透明板部、62,62A,62B,62C,62D…保持部、63…挟持溝(係合部)、64…係止穴(係合部)、72…冷温表示部材、74…価格表示部材、80…(立体状の)商品見本、81…シート状商品見本、311…係合部、621,621A,621B,621C,621D…保持溝、800…表示具、802…広告表示板、803…冷温強調板、811…切欠。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体状の商品見本を展示するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項2】
請求項1記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項3】
請求項2記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端の間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、左右に隣接する保持部の間に表示具を固着する係合部を有することを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項6】
請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具を挟持する挟持溝からなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項7】
請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具のポールを挿入係止する係止穴からなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項8】
請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は宣伝広告表示板、或いは冷温強調板であることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項9】
請求項8に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は係合部に個別に固着される単一表示具、若しくは複数の係合部に跨る連接表示具からなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項10】
本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、複数の商品見本を展示するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台上に展示された複数の商品見本に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部品とを備え、前記商品情報表示部品をディスプレイ台の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを設け、当該商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報表示部品に装着して商品見本展示用アタッチメントをディスプレイ台に取り付けたことを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品の冷温情報および価格情報を表示する液晶表示部を有し、当該液晶表示部を保護する横長帯状の透明なカバー部材を装備してなる商品情報デジタルディスプレイであり、当該カバー部材に代えて商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報デジタルディスプレイの前面に装着してなることを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項12】
請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報を表示する冷温表示部材、および商品の価格情報を表示する価格表示部材からなり、前記商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前後に重ね合わせて配設される前記冷温表示部材と価格表示部材との間に挿入してなることを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項1】
立体状の商品見本を展示するディスプレイ台に取付けられる商品見本展示用アタッチメントであって、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項2】
請求項1記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝は、その内壁が互い違いに噛み合う鋸歯状であって、対向する鋸歯の先端の間に微小間隙が生じるように形成されてなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項3】
請求項2記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、前記保持溝の内壁に互い違いに噛み合うように形成された鋸歯のうち、少なくとも保持溝の左右端部と中央部における対向する鋸歯の先端の間の間隔がシート状商品見本の厚みと略一致する狭幅とし、他の領域における対向する鋸歯の先端の間の間隔をシート状商品見本の厚みに対して比較的広い広幅としたことを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、商品見本展示用アタッチメントは透明なプラスチックにより形成されていることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、左右に隣接する保持部の間に表示具を固着する係合部を有することを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項6】
請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具を挟持する挟持溝からなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項7】
請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、係合部は表示具のポールを挿入係止する係止穴からなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項8】
請求項5に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は宣伝広告表示板、或いは冷温強調板であることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項9】
請求項8に記載の商品見本展示用アタッチメントにおいて、表示具は係合部に個別に固着される単一表示具、若しくは複数の係合部に跨る連接表示具からなることを特徴とする商品見本展示用アタッチメント。
【請求項10】
本体キャビネットの前面を開閉する外扉に形成されたディスプレイ室内に配設され、複数の商品見本を展示するディスプレイ台と、前記ディスプレイ台上に展示された複数の商品見本に対応して商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報および商品の価格情報を表示する商品情報表示部品とを備え、前記商品情報表示部品をディスプレイ台の前面に設置してなる自動販売機の商品見本展示装置において、前記ディスプレイ台の前面に配設されて当該ディスプレイ台に係止固着される横長帯状の透明板部、及び当該透明板部の上部に連ねて形成され、シート状商品見本の下端を保持する一条の保持溝を有し、かつ、前記一条の保持溝を前方側に凸となるように湾曲状に形成した複数の保持部とからなる商品見本展示用アタッチメントを設け、当該商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報表示部品に装着して商品見本展示用アタッチメントをディスプレイ台に取り付けたことを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品の冷温情報および価格情報を表示する液晶表示部を有し、当該液晶表示部を保護する横長帯状の透明なカバー部材を装備してなる商品情報デジタルディスプレイであり、当該カバー部材に代えて商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前記商品情報デジタルディスプレイの前面に装着してなることを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。
【請求項12】
請求項10に記載の自動販売機の商品見本展示装置において、商品情報表示部品は、商品のコールド,ホット状態を表す冷温情報を表示する冷温表示部材、および商品の価格情報を表示する価格表示部材からなり、前記商品見本展示用アタッチメントの透明板部を前後に重ね合わせて配設される前記冷温表示部材と価格表示部材との間に挿入してなることを特徴とする自動販売機の商品見本展示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−20597(P2013−20597A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164514(P2011−164514)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
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