説明

商品販売システム及び商品販売方法並びに商品販売プログラム

【課題】同一種類の複数個の商品を効率よく販売し、商品の販売者が十分な販売利益を確保することができる。
【解決手段】本発明は、同一種類の複数個の商品を、所定の期間内に実施される複数回のオークションによって販売するための商品販売システムであって、販売者側端末3からの要求に基づき、少なくともオークションの回数と該1回毎のオークションで販売する商品の数量とを設定するオークション管理手段7と、オークション管理手段7により設定されたオークション毎に、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定する売買成立判定手段8とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信ネットワークを介して同一種類の複数の数量の商品を、所定の期間内に実施される複数回のオークションによって販売するための商品販売システム及び商品販売方法並びに商品販売プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットに代表される情報通信ネットワークの発展に伴い、この情報通信ネットワークを利用して商品を第三者に販売することが広く行われるようになっており、この商品販売システムの一例として、オークションにおいて最高金額を入札した参加者に商品を販売する商品販売システムが知られている。
【0003】
従来のこの種の商品販売システムは、商品の販売者側のサーバと商品の購入者側の端末とが情報通信ネットワークを介して接続されて構成されており、商品の販売者によってウェブサイト上に掲載された販売対象となる商品に対して、そのウェブサイトにアクセスしたオークションの参加者がそれぞれ、商品の希望購入金額を入力して送信するようになっている。そして、商品の販売者側のサーバは、所定期間、オークションを行い、各参加者から送信された入札金額のうち、最高金額を提示した参加者をその商品の購入者として決定し、該購入者の端末に前記商品を競り落としたことを通知するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、従来、購入者が殺到すると想定される人気商品の販売では、予め決められた時間から一斉に電話の受付やウェブサイトへのアクセスを開始するようになっている。
【特許文献1】特開2002−133181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の商品販売システムでは、同一種類或いは異なる種類の商品をそれぞれ1個ずつオークションによって販売することを前提としているため、販売対象が同一種類の複数個の商品の場合には、同一種類の商品を1個ずつ販売するか、或いは、同一種類の商品を複数個まとめて販売する必要があり、以下のような問題があった。
【0006】
すなわち、上記した従来の商品販売システムによって、同一種類の商品を1個ずつ販売する場合には、それぞれ個別にオークションを行い、それぞれのオークション毎に販売金額を決定する必要があるため、商品の販売に非常に労力及び時間が掛かるといった問題があった。特に、商品の個数が多くなる程、その問題は深刻であった。
【0007】
また、上記した従来の商品販売システムによって、同一種類の商品を複数個まとめて販売する場合には、購入を希望する者が限定され、オークションの参加者が減少するため、商品の販売価格が低下し、販売者にとって販売利益を確保するのが難しいといった問題があった。
【0008】
さらに、上記した従来の商品販売システムでは、多数の購入者が一度に電話やウェブサイトにアクセスするために、電話がつながらなかったり、システムからのレスポンスが得られなかったりし、購入者は何度もリトライする必要があるといった問題もあった。特に、その商品に人気がある程、その問題は深刻であった。
【0009】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、同一種類の複数個の商品を効率よく販売することができ、商品の販売に要する労力及び時間を軽減することができ、商品の販売者が十分な販売利益を確保することができる商品販売システム及び商品販売方法並びに商品販売プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を解決するため、本発明は、商品を売買するための処理を行う売買処理サーバと、販売者側端末と、参加者側端末とが情報通信ネットワークを介して接続された環境下において、同一種類の複数の数量の商品を、所定の期間内に実施される複数回のオークションによって販売するための商品販売システムであって、前記販売者側端末からの要求に基づき、少なくとも前記オークションの回数と該1回毎のオークションで販売する商品の数量とを設定するオークション管理手段と、該オークション管理手段により設定されたオークション毎に、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定する売買成立判定手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
そして、前記オークション管理手段は、前記販売者側端末からの要求に基づき、前記商品の販売最低金額を設定し、前記売買成立判定手段は、前記商品の販売最低金額以上であって、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定してもよい。
【0012】
また、前記オークション管理手段は、前記販売者側端末からの要求に基づき、前記商品の販売最高金額を設定し、前記売買成立判定手段は、前記商品の販売最高金額以下であって、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定してもよい。
【0013】
さらに、前記売買成立判定手段により前記商品の購入者が決定される迄の間、前記参加者側端末からの要求に基づき、前記入札金額の訂正及び取り消しを行う売買状態変更手段と、前記参加者の入札金額に関する情報を他の参加者に通知する売買状況公開手段とを備えていてもよい。
【0014】
また、本発明は、商品を売買するための処理を行う売買処理サーバと、販売者側端末と、参加者側端末とが情報通信ネットワークを介して接続された環境下において、同一種類の複数の商品を、所定の期間内に実施される複数回のオークションによって販売する商品販売方法であって、前記販売者側端末からの要求に基づき、オークション管理手段が、少なくとも前記オークションの回数と該1回毎のオークションで販売する商品の数量とを設定するステップと、該設定されたオークション毎に、売買成立判定手段が、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定するステップとを備えていることを特徴とする。
【0015】
そして、前記オークション管理手段は、前記販売者側端末からの要求に基づき、前記商品の販売最低金額を設定し、前記売買成立判定手段は、前記商品の販売最低金額以上であって、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定してもよい。
【0016】
また、前記オークション管理手段は、前記販売者側端末からの要求に基づき、前記商品の販売最高金額を設定し、前記売買成立判定手段は、前記商品の販売最高金額以下であって、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定してもよい。
【0017】
さらに、前記売買成立判定手段により前記商品の購入者が決定される迄の間、前記参加者側端末からの要求に基づき、売買状態変更手段が、前記入札金額の訂正及び取り消しを行うステップと、売買状況公開手段が前記参加者の入札金額に関する情報を他の参加者に通知するステップとを備えていてもよい。
【0018】
さらに、本発明は、上記記載の各ステップをコンピュータに実行させるための商品販売プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、所定の期間内に複数回のオークションが実施され、しかも各回のオークションでそれぞれ複数の数量の商品を販売することができるため、同一種類の複数の数量の商品を効率よく販売することができ、商品の販売に要する労力及び時間の軽減を図ることができる。
【0020】
また、オークションにおいて、同一種類の複数の数量の商品をまとめて販売するのではなく、あくまでも1個ずつ販売するようになっているため、オークションの参加者が減少したり、商品の販売価格が低下したりするのを防止することができる。したがって、商品の販売者は、十分な販売利益を確保することができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
先ず、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る商品販売システムの構成について説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態に係る商品販売システムの全体構成を示す概略図である。
【0023】
本実施の形態に係る商品販売システムは、商品をオークションによって売買するための処理を行う売買処理サーバ1と、売買処理サーバ1に専用回線2を介して接続される販売者側端末3と、売買処理サーバ1とインターネット4を介して接続される複数の参加者側端末5とから構成されている。そして、本実施の形態において販売の対象となる商品は、例えば、サッカーのワールドカップのチケット等、同一種類の複数の数量(個、枚等の数えられる数量が複数ある場合の他、重さ、長さ、面積、体積等の最小単位数量が複数ある場合も含む、以下に同じ)の商品であり、物資、有価証券、権利等、金銭で購入可能なあらゆる物を含み、また、本実施の形態におけるオークションは、所定の期間内に、複数回実施されるように設定される。
【0024】
売買処理サーバ1は、売買処理サーバ1にアクセスする販売者或いは参加者の認証処理を行うための認証処理部6と、オークションに関する処理を統括的に管理するオークション管理部7と、オークション毎に商品の購入者を決定する売買成立判定部8と、参加者側端末5からの要求に基づき前記入札金額の訂正及び取り消しを行う売買状態変更部8と、参加者側端末5からの要求に基づき所定の注文方式に設定する注文方式設定部10と、参加者の入札金額に関する情報を他の参加者に通知する売買状況公開部11と、オークションによる売買成立時の清算処理を行うための清算処理部12と、商品や販売者及び参加者に関する各種データを格納するデータ格納部13とを備えて構成されている。
【0025】
そして、注文方式設定部10により設定可能な注文方式としては、参加者が金額を指定せずにオークションで決定された金額で商品を購入するように注文し、どのような金額でも優先的に約定する成行注文や、販売者が定めたルールの下で他の参加者や一般の者に対して入札情報を公開しない非公開注文や、参加者が入札した時点での入札最高金額を指値して注文する現在有利金額指値注文等がある。
【0026】
次に、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る商品販売方法について説明する。ここで、図2は本実施の形態に係る商品販売方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0027】
先ず、販売者が販売者側端末3からIDやパスワード等の所定の認証データを入力し、本システムにアクセスすると(S101)、売買処理サーバ1はこの認証データを受信し、認証処理部6はこの入力された認証データをデータ格納部12に予め格納されている前記販売者の認証データと照合し、認証作業を行う(S102)。この結果、認証処理部6が前記販売者の認証を行うことができた場合には、オークション管理部7は、オークションの内容の入力画面を販売者側端末3に送信し、表示する。(S103)。
【0028】
このオークションの内容の入力画面からは、注文受付期間、オークションの期間、オークションの回数、オークションの1回当りの開催時間、各回のオークションの間隔、1回毎のオークションで販売する商品の数量、参加者が1回のオークションで注文できる回数(例えば、複数の金額に渡る複数種類の注文回数のことで、同一金額での複数種類の注文回数も含めてもよい。)、参加者が1回のオークションで注文できる回数の上限、参加者が1回のオークションで注文できる上限数量(注文回数×1回の注文における数量)、商品の販売最低金額、商品の販売最高金額、入札金額の刻み値の最低単位、オークションの間に参加者に通知する情報の範囲及び内容、販売終了の条件等を、前記販売者の所望なように設定できるようになっている。
【0029】
より具体的には、販売者は、オークションの間に参加者に通知する情報の範囲及び内容として、参加者の通知金額、約定金額の全部、若しくは一部をリアルタイムで公開し、或いは、過去の約定の状況の全部、若しくは一部を公開するように設定したり、また、販売終了の条件として、商品の全数が販売終了した時、販売者が指定した時間に達した時、販売者が指定した回数の取引が行われた時のいずれかを選択可能なように設定することができる。
【0030】
さらに、販売者は、参加者が行える注文の訂正、取り消しの操作の制限として、例えば、訂正によって増減できる注文数量の上限値の他、入札金額を下げる訂正の禁止、取り消しの禁止、入札後約定成立のタイミングまで他の参加者から注文がなければ約定が成立することになる注文(約定が予定されている注文)の訂正、取り消しの禁止、金額を上げる訂正回数や金額を下げる訂正回数の上限、取り消し回数の上限、同様の訂正又は取り消しを繰り返す操作(例えば、注文数量を3枚、5枚、3枚、5枚、3枚・・・のように訂正、取り消しを繰り返す操作)の回数の上限の設定を行うこともできる。これにより、入札金額を不当に吊り上げたり、不必要にシステム負荷をかけたりする等の不正行為を排除することができ、より公正な取引を行うことができるようになる。そして、このような不正行為に相当する行為を繰り返した参加者に対しては、売買を停止するように自動設定すると共にその旨を販売者に通知するように設定することもできる。
【0031】
さらにまた、販売者は、例えば、約定確定後、約定者の約定金額を、約定確定時の最低金額へと調整する等、約定が確定した後に個々の約定の金額を調整するロジックを予め設定することもできる。さらに、注文時に参加者が、例えば、ニックネームのような固有値を指定できるようにし、その固定値も含めて一般の者や他の参加者に公開するように設定することもでき、この場合、参加者は宣伝効果を享受することができる。
【0032】
そして本実施の形態の場合には、例えば、注文受付期間として1時間、オークションの期間としてm時間、オークションの回数としてn回、オークションの1回当りの開催時間として10分間、各回のオークションの間隔として5分間、販売する商品の数量として、1回毎のオークションで販売する商品の数量として5個、商品の販売最低金額として1000円、オークションの間に参加者に通知する情報の範囲及び内容として入札金額の高い方から5番目までの金額を、前記販売者が販売者側端末3から入力すると(S104)、そのデータは売買処理サーバ1に送信され、オークション管理部7は、その内容に基づき、オークションの内容を設定する(S105)。
【0033】
次いで、オークション管理部7はオークションへの参加受付を開始し(S106)、これに対して、参加者が参加者側端末5からIDやパスワード等の所定の認証データを入力し、本システムにアクセスすると(S107)、売買処理サーバ1はこの認証データを受信し、認証処理部6はこの入力された認証データをデータ格納部12に予め格納されている前記参加者の認証データと照合し、認証作業を行う(S108)。この結果、認証処理部6が前記参加者の認証を行うことができた場合には、オークション管理部7は、1回目のオークション入札画面を参加者側端末5に送信し、表示し、参加者は注文数量の設定及び所定の金額を入札する(S109)。この入札時、参加者は、販売者が予め設定した条件の範囲で、例えば、1回目の約定成立後に約定しなかった注文の内容を次回のオークションに引き継ぐかどうかを指定したり、或いは、参加者が指定した上限金額に達するまで、最も高い入札金額に自動で追従するように指定したり、或いは、複数の数量の注文をした場合で、且つその一部が約定する条件に達した場合に、一部の約定を成立させるかどうか等、各種注文条件を指定することができる。
【0034】
また、この注文受付期間の間、販売者が予め設定した条件の範囲で、参加者は入札金額や注文数量の増減、前記注文条件等の訂正、取り消しを自由に行うことができる。さらに、この時、参加者側端末5からの要求に基づき、注文方式設定部10は、前記成行注文、前記非公開注文、又は前記現在有利金額指値注文のいずれかの注文方式に設定することもできる。
【0035】
そして、オークション管理部7は、オークションの参加受付を開始後、注文受付時間の1時間を経過すると、参加受付を終了し、1回目のオークションを開始する(S110)。この1回目のオークションの間、オークション管理部7は、各参加者が入札した金額に関するすべての情報を販売者側端末3に通知すると共に、入札金額の高い方から5番目までの金額を各参加者側端末5に送信し、通知する(S111)。
【0036】
これにより、販売者側端末3において、販売者はオークションの状況を逐次監視することができ、必要に応じて、オークションの停止を指示することもでき(S112)、販売者側端末3からオークションの停止指示があった場合には、オークション管理部7は、オークションを途中で停止する。
【0037】
一方、参加者側端末5においては、入札金額の高い方から5番目までの金額の通知を受けて、入札金額の訂正或いは取り消しを行うことができ(S113)、参加者側端末5から入札金額の訂正或いは取り消しの指示があった場合には、売買状態変更部9は、該当する入札金額の訂正或いは取り消しに関する処理を行う。
【0038】
その後、オークションの1回当りの開催時間の10分間が経過すると、売買成立判定部8は、入札金額の高い参加者から順に、5個の商品の購入者を決定する(S114)。この時、複数の参加者間で入札金額が同一の場合には、時間的に先に入札した参加者を優先的に商品の購入者として決定する。この時間優先の判断は、原則として、参加者が注文数量を減らす訂正を行った場合には、最初に注文をした時点を基準として行われるが、注文数量を増やす訂正を行った場合には、訂正を行った時点を基準として行われる。但し、この時間優先の判断基準についても、増やした注文数量に応じて変える等、販売者が予め任意に設定することができる。
【0039】
そして、このように1回目のオークションが終了すると、オークション管理部7は、販売者側端末3及び参加者側端末5に対して、1回目のオークションの結果を公表する(S115)。
【0040】
この1回目のオークションの結果公表後、2回目のオークションが開始されるまでの間、販売者は販売者側端末3から2回目以降のオークションの内容を変更することができ(S116)、また、この間、各参加者は参加者側端末5から2回目のオークションに入札することができる。
【0041】
1回目のオークション終了後、各回のオークションの間隔の5分間が経過すると、オークション管理部7は、2回目のオークションを開始し(S118)、2回目のオークションにおいても、上記した1回目のオークションと同様の処理が行われる。この場合、1回目のオークションで商品を購入できなかった参加者の入札金額に関するデータは2回目のオークションに持ち越され、2回目のオークションの開始値は、1回目のオークションで商品を購入できなかった参加者の入札金額のうちの最も高い金額に設定される。
【0042】
以降、売買処理サーバ1は、合計でn回のオークションを繰り返し、オークション管理部7は、n回目のオークションの結果を公表した後(S119)、オークションを終了する(S120)。
【0043】
なお、上記した実施の形態において、オークション管理部7が設定できるオークションの内容としては、上記した内容の他、商品の販売最高金額或いは最初の入札金額に対する上昇割合の最大値等の、入札上限値や、反対に入札下限値を含めることもでき、販売者が、この入札上限値や入札下限値を予め設定してオークションを行った場合には、参加者が予算を組み易くなり、オークションに参加し易くなるといった効果を期待することができる。
【0044】
そして、このように入札上限値(又は入札下限値)を設定し、該上限値(又は下限値)に対して約定可能数量以上の数量の注文が集まった場合には、例えば、注文受付期間中だけでなく、取引期間中であっても、前記上限値を自動的に当初の設定値より高く設定し直すことができるようにしたり、或いは、特定の数量の注文が、前記入札上限値(又は入札下限値)に到達した後、所定時間以上経過した時にその上限値(又は下限値)が自動的に変更されるようにしたりすることもできる。
【0045】
また、上記した実施の形態において、2回目以降のオークションでは、その直前のオークションで商品を購入できなかった参加者の入札金額のうちの最も高い金額を2回目以降のオークションの開始値として採用しているが、これは単なる例示に過ぎず、その直前のオークションで商品を購入できなかった参加者の入札金額に関するデータを2回目以降のオークションに持ち越さずに、2回目以降のオークションもそれぞれ1回目のオークションと同様に独立して開催するように設定することもできる。
【0046】
さらに、オークションの開催時間や間隔は、予め設定する所定時間の他、例えば、販売数量に比例して自動的に変更するように設定したり、或いは、入札金額の上昇に伴い自動的に変更するように設定したりする等、各種変更が可能である。
【0047】
さらにまた、1回毎のオークションで販売する商品の数量についても、予め最初に設定する所定数量の他に、販売残数が多い場合には約定数量を増やすように設定する等、各種変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係る商品販売システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る商品販売方法の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1 販売処理サーバ
3 販売者側端末
4 インターネット
5 参加者側端末
7 オークション管理部
8 売買成立判定部
9 売買状態変更部
10 注文方式設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を売買するための処理を行う売買処理サーバと、販売者側端末と、参加者側端末とが情報通信ネットワークを介して接続された環境下において、同一種類の複数の商品を、所定の期間内に実施される複数回のオークションによって販売するための商品販売システムであって、
前記販売者側端末からの要求に基づき、少なくとも前記オークションの回数と該1回毎のオークションで販売する商品の数量とを設定するオークション管理手段と、
該オークション管理手段により設定されたオークション毎に、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定する売買成立判定手段と、
を備えていることを特徴とする商品販売システム。
【請求項2】
前記オークション管理手段は、前記販売者側端末からの要求に基づき、前記商品の販売最低金額を設定し、
前記売買成立判定手段は、前記商品の販売最低金額以上であって、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定する請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項3】
前記オークション管理手段は、前記販売者側端末からの要求に基づき、前記商品の販売最高金額を設定し、
前記売買成立判定手段は、前記商品の販売最高金額以下であって、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定する請求項1又は2に記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記売買成立判定手段により前記商品の購入者が決定される迄の間、前記参加者側端末からの要求に基づき、前記入札金額の訂正及び取り消しを行う売買状態変更手段と、前記参加者の入札金額に関する情報を他の参加者に通知する売買状況公開手段とをさらに備えている請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の商品販売システム。
【請求項5】
商品を売買するための処理を行う売買処理サーバと、販売者側端末と、参加者側端末とが情報通信ネットワークを介して接続された環境下において、同一種類の複数の数量の商品を、所定の期間内に実施される複数回のオークションによって販売する商品販売方法であって、
前記販売者側端末からの要求に基づき、オークション管理手段が、少なくとも前記オークションの回数と該1回毎のオークションで販売する商品の数量とを設定するステップと、
該設定されたオークション毎に、売買成立判定手段が、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定するステップと、
を備えていることを特徴とする商品販売方法。
【請求項6】
前記オークション管理手段は、前記販売者側端末からの要求に基づき、前記商品の販売最低金額を設定し、
前記売買成立判定手段は、前記商品の販売最低金額以上であって、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定する請求項5に記載の商品販売方法。
【請求項7】
前記オークション管理手段は、前記販売者側端末からの要求に基づき、前記商品の販売最高金額を設定し、
前記売買成立判定手段は、前記商品の販売最高金額以下であって、入札金額の高い参加者から順に、前記商品の購入者を決定し、複数の参加者間で前記入札金額が同一の場合には、先に入札した参加者を前記商品の購入者に決定する請求項5又は6に記載の商品販売方法。
【請求項8】
前記売買成立判定手段により前記商品の購入者が決定される迄の間、前記参加者側端末からの要求に基づき、売買状態変更手段が、前記入札金額の訂正及び取り消しを行うステップと、
売買状況公開手段が前記参加者の入札金額に関する情報を他の参加者に通知するステップと、
を備えている請求項5〜7のいずれか1の請求項に記載の商品販売方法。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1の請求項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための商品販売プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−148743(P2007−148743A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341825(P2005−341825)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)