説明

商品販売システム

【課題】
事業者が効果的な販促活動を行うことができるとともに、ユーザが商品を低価格で購入することができ、商品販売サイトの運営者は低価格でユーザに商品を販売することができる。
【解決手段】
ユーザがユーザ端末を用いてインターネットを介してアクセスし、商品を仮想ショッピングカートに入れながら商品を購入可能なサイトを提供する商品販売システムであって、合計金額確認画面生成部が、ユーザの特性情報と仮想ショッピングカートの内容に対応するアフィリエイトコンテンツをコンテンツ記憶部から抽出し、抽出したアフィリエイトコンテンツを商品の合計金額とともに表示する合計金額確認画面を生成してユーザ端末に送信し、表示したアフィリエイトコンテンツの指定に応じて、そのアフィリエイトコンテンツの割引額を合計金額から減算し、減算後の合計金額を表示する合計金額確認画面を生成してユーザ端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがユーザ端末を用いてインターネットなどの通信ネットワークを介してアクセスし、商品を購入可能なサイトを提供する商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがユーザ端末を用いて、商品販売用のウェブサイト(以下、「商品販売サイト」とする)にアクセスし、選択した商品(なお、本明細書において「商品」には有体物のほかにも、情報のような無体物やサービスなども含まれる)を仮想ショッピングカートに入れながら商品を購入することが一般的に行われている。具体的には、ユーザがユーザ端末を用いてインターネットを介して商品販売サイトにアクセスすると、商品販売サイトから商品情報画面が表示される。そして、商品情報画面で購入を希望する商品を選択すると、選択した商品が仮想ショッピングカートに追加される。さらに、ユーザが購入を希望する別の商品を新たに選択することで、新たに選択した商品も仮想ショッピングカートに追加される。これを反復する。決済時には、商品の商品名と前記商品の合計金額とを表示するカート内容画面が表示され、購入ボタンの指定入力により購入手続きが行われる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−122971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザは、商品販売サイトにおいて、より低価格で商品を購入したいという要望が強い。他方において、事業者は自らの商品に対して関心を持ってもらうためにメールマガジンを発行したり、各種資料提供を行っている。また自らの商品の改善を行うためにアンケートを行っている。これらは事業者のウェブサイトで行われるほか、アクセスが多いウェブサイトに広告を出稿することで、そこから事業者のウェブサイトにアクセスをしてもらい、ユーザを自社のウェブサイトに誘引している。そのため、事業主は、出稿主として商品販売サイトで、メールマガジンの登録、資料請求、アンケート記入等の広告を出稿し、商品販売サイトを利用した販促活動を行いたいという要望も強い。
【0005】
斯様な要望を実現するシステムとして、商品販売サイトにおいて、事業者が効果的な販促活動を行うことができるとともに、ユーザが商品を低価格で購入することができ、さらに、商品販売サイトの運営者が低価格でユーザに商品を販売することができるシステムが望まれる。
【0006】
ユーザに低価格で商品を販売するために、従来では、ユーザが商品を購入した際に、ユーザに対して商品価格の所定割合、たとえば10%をポイントとして付与することが行われている。この場合、たとえば1ポイントが1円、といったようにポイントの換金率があらかじめ設定されており、ユーザが次回以降、そのウェブサイトで商品を購入した場合に、そのポイントを用いて、商品価格の一部または全部に充当することができるポイント制度を導入している場合もある。
【0007】
しかしポイント制度は、次回以降の商品の購入にしかそのポイントを使えない。すなわち、少なくとも1回は商品を購入していなければ、ユーザは割引の恩恵に預かれない。このように、ポイント制度は、商品を販売する側にとってはユーザを囲い込むことができるのでメリットがあるが、ユーザにとってはその場で利用することができない、というデメリットの面もある。そのため、ユーザは、最初の商品購入であっても、割引が受けられることを望んでいる。
【0008】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、事業者が効果的な販促活動を行うことができるとともに、ユーザが、以前に購入経験がなくても、商品を低価格で購入することができ、商品販売サイトの運営者が低価格でユーザに商品を販売することができる商品販売システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の商品販売システムは、ユーザがユーザ端末を用いて通信ネットワークを介してアクセスし、商品を仮想ショッピングカートに入れながら商品を購入可能なサイトを提供する商品販売システムであって、購入可能な商品を表示する商品情報画面を前記ユーザ端末に送信する商品情報画面送信部と、前記仮想ショッピングカートに入れられた商品の合計金額を表示する合計金額確認画面を生成して前記ユーザ端末に送信する合計金額確認画面生成部と、前記ユーザの特性情報を記憶するユーザ情報記憶部と、割引額と割引を受けるために必要な内容が表示されるアフィリエイトコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、を備え、前記合計金額確認画面生成部は、前記ユーザの特性情報および/または前記仮想ショッピングカートの内容に対応するアフィリエイトコンテンツをコンテンツ記憶部から抽出し、前記仮想ショッピングカートに入れられた商品の合計金額と前記抽出したアフィリエイトコンテンツとを表示する合計金額確認画面を生成して前記ユーザ端末に送信し、前記表示したアフィリエイトコンテンツのうち、前記ユーザにより指定されたアフィリエイトコンテンツに対応する所定の操作が前記ユーザ端末から行われると、前記指定されたアフィリエイトコンテンツの割引額を前記合計金額から減算し、前記減算後の合計金額を表示する合計金額確認画面を生成して前記ユーザ端末に送信する、商品販売システムである。なお、本発明に於ける商品には、物としての商品の他に、代金を出して購入可能なサービス(役務)も含まれ、後述する発明についても同様である。
【0010】
この発明によれば、事業者が効果的な販促活動を行うことができるとともに、ユーザが、以前に購入経験がなくても、商品を低価格で購入することができ、商品販売サイトの運営者が低価格でユーザに商品を販売することができる。
【0011】
本発明の商品販売システムにおいて、前記合計金額確認画面生成部は、前記ユーザの特性情報および/または前記仮想ショッピングカートの内容に対応するアフィリエイトコンテンツをコンテンツ記憶部から割引額の高い順に所定個数抽出し、前記抽出したアフィリエイトコンテンツのうち、指定された任意のアフィリエイトコンテンツに対応する所定の操作に応じて、前記減算処理を行う、商品販売システムである。
【0012】
この発明によれば、ユーザには複数のアフィリエイトコンテンツが選択肢として与えられ、たとえばメールマガジンの登録、資料請求、アンケート記入など自分の希望するアフィリエイトコンテンツを選択することができるとともに、より高額の割引を容易に受けることが可能となる。
【0013】
本発明の商品販売システムにおいて、前記合計金額確認画面生成部は、前記ユーザの特性情報および/または前記仮想ショッピングカートの内容に対応する複数のアフィリエイトコンテンツの割引額の合計額が設定制限を超える場合、設定制限以内で割引額の高い順の複数のアフィリエイトコンテンツを抽出して合計金額確認画面を生成する、商品販売システムである。
【0014】
この発明によれば、制限のない割引を避けることができるとともに、制限内の割引で法規制も遵守することができる。
【0015】
本発明の商品販売システムにおいて、前記合計金額確認画面生成部は、前記抽出した複数のアフィリエイトコンテンツを割引額の高い順に並べ替えて配置するように合計金額確認画面を生成する、商品販売システムである。
【0016】
この発明によれば、ユーザはより高額の割引を一層容易に受けることが可能となる。
【0017】
本発明の商品販売システムにおいて、前記合計金額確認画面生成部は、既に指定されたアフィリエイトコンテンツを除外または指定不可として、前記抽出したアフィリエイトコンテンツを表示する合計金額確認画面を生成し、前記ユーザ端末に送信する、商品販売システムである。
【0018】
この発明によれば、既に指定されたアフィリエイトコンテンツが同一ユーザに再度指定されることを避けることができ、アフィリエイトコンテンツの出稿主が実効性のある販促活動を確実に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の商品販売システムは、事業者が効果的な販促活動を行うことができるとともに、ユーザが、以前に購入経験がなくても、商品を低価格で購入することができ、さらに、商品販売サイトの運営者が低価格でユーザに商品を販売することができるという三者のメリットを同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による実施形態の商品販売システムのハードウェア構成及び商品販売システムが用いられるシステムの全体構成を示す構成図である。
【図2】実施形態の商品販売システム(商品販売サーバ)のプロセスの流れを示すフローチャートである。
【図3】カート内容画面の例を示す図である。
【図4】合計金額確認画面の例を示す図である。
【図5】割引額の減算後の商品の合計金額が表示される合計金額確認画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明による実施形態の商品販売システムについて説明する。本実施形態の商品販売システムは、図1に示す全体のシステム構成の中における商品販売サーバ1である。この全体のシステム構成は、商品販売サーバ1と、商品販売サーバ1と通信ネットワークであるインターネット2などを介してアクセス可能である、ユーザが利用するユーザ端末3、およびアフィリエイトコンテンツの入力、登録を行う出稿入力者端末4とを有する。なお、出稿入力者としては、アフィリエイトコンテンツの出稿主のほか、出稿主の代理で入力、登録する者も含む。
【0022】
商品販売サーバ1は、インターネット2などのネットワークを介してアクセスするユーザ端末3に対し、商品を仮想ショッピングカートに追加しながら、商品購入が可能なウェブサイト(以下、単に「サイト」とする場合もある)を提供するものである。
【0023】
商品販売サーバ1は、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置と、演算装置の処理結果や記憶装置に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置と、を少なくとも有している。またディスプレイなどの表示装置、キーボードやマウスやテンキーなどの入力装置を有していても良い。商品販売サーバ1上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置における処理に用いる。なお商品販売サーバ1は1台で構成されていても良いし、その機能が分散され、複数台から構成されていても良い。またサーバと表現したが、サーバに限定されず、コンピュータであればよい。
【0024】
そして、商品販売サーバ1は、上記の処理を実行する手段として、購入可能な商品を表示する商品情報画面をユーザ端末3に送信する商品情報画面送信部11と、ユーザが仮想ショッピングカートに入れた購入手続き前の商品の内容の画面を生成してユーザ端末3に送信するカート内容画面生成部12と、ユーザのIDとパスワードを照合するユーザ照合部13と、仮想ショッピングカートに入れられた商品の合計金額を表示する合計金額確認画面を生成してユーザ端末3に送信する合計金額確認画面生成部14と、ユーザ情報データベース15と、複数のアフィリエイトコンテンツを記憶するコンテンツデータベース16とを備える。本実施形態では、コンテンツデータベース16は、ユーザ情報データベース15等とは別のサーバにある。
【0025】
なお仮想ショッピングカートとは、ユーザが購入する商品に関する情報を記憶する記憶領域であって、商品を購入するユーザIDなどの識別情報、ユーザが購入を希望する商品を識別する商品識別情報、購入する商品の金額、それらの合計金額、合計金額からの割引額、取引識別情報などが対応づけて記憶されている。
【0026】
本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0027】
合計金額確認画面生成部14は、合計金額確認画面をユーザ端末3に送信する際に、後述するユーザ情報データベース15のユーザの特性情報および/または仮想ショッピングカートの内容(たとえば仮想ショッピングカートに入れられた商品あるいはそのカテゴリー等)に対応するアフィリエイトコンテンツを、後述するコンテンツデータベース16から抽出し、この抽出したアフィリエイトコンテンツを表示する合計金額確認画面を生成してユーザ端末3に送信する。そして合計金額確認画面で表示したアフィリエイトコンテンツの指定により、当該アフィリエイトコンテンツに紐づけられたウェブサイトでユーザの所定の操作が行われると、それに応じて、指定されたアフィリエイトコンテンツの割引額を商品の合計額から減算し、減算後の合計額を表示する合計金額確認画面を生成してユーザ端末3に送信する。
【0028】
合計金額確認画面生成部14は、合計金額を確認する際に、アフィリエイトコンテンツを表示できるようにすると好ましいことから、アフィリエイトコンテンツを合計金額確認画面に表示する構成としたが、それ以外の画面にアフィリエイトコンテンツを表示してもよい。この場合には、合計金額確認画面生成部14に加えて/に代えて所定の画面生成部(図示せず)を備え、そこで合計金額確認画面生成部14における画面生成処理と同様の処理を行うこととなる。
【0029】
ユーザ情報データベース15は、ユーザの特性情報を記憶するものであり、この特性情報は、たとえばユーザの年齢、性別、居住地域等の属性情報である。また、ユーザ情報データベース15にはユーザの特性情報と対応してユーザIDとパスワードが記憶されている。
【0030】
コンテンツデータベース16は、割引額と割引を受けるのに必要な内容が表示されるアフィリエイトコンテンツを複数記憶するものである。このアフィリエイトコンテンツは、商品販売サーバ1が、インターネット2などのネットワークを介してアクセスされる出稿入力者端末4からのアフィリエイトコンテンツの登録申込を受け付けて、記憶されるものである。アフィリエイトコンテンツのデータには、出稿主の識別情報と、割引額や割引率(以下、単に「割引額」という)と、合計金額確認画面に表示するアフィリエイトコンテンツの画像データ、アフィリエイトコンテンツ(好ましくはその画像データ)が選択された場合に、ユーザ端末3にアクセスさせるコンテンツやウェブサイトへのURL(アクセス先を示す情報)、などが適宜、表示条件に対応して記憶されている。この表示条件としては、たとえばユーザの特性情報および/または仮想ショッピングカートに入れられた商品の属性情報に対応づけられている。すなわち、ユーザの特性情報として性別が「女性」、「20歳代」、商品の属性情報として商品の種類が「ダイエット食品」である場合に、当該アフィリエイトコンテンツを表示する、といった、合計金額確認画面に当該アフィリエイトコンテンツを表示するための条件が記憶されている。
【0031】
なお、本明細書の説明では各データベースを、「データベース」と単に表記しているが、データベースでなくても情報を記憶する記憶手段であれば、データファイルなどほかの形式を採っていても良い。
【0032】
さらに、商品販売サーバ1は、本発明における処理を実行するための作業用の記憶領域を記憶装置を用いて実現している。たとえば後述する仮想ショッピングカートの記憶領域や、注文確定処理が行われた際に、その注文確定処理における割引額、割引した相手の識別情報、割引した相手が入力した情報、割引額を負担する当該アフィリエイトコンテンツの出稿主の識別情報などを記憶する記憶領域、などが適宜、実現される。
【0033】
また、ユーザ端末3、出稿入力者端末4は、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置と、演算装置の処理結果や記憶装置に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置と、ディスプレイなどの表示装置、キーボードやマウスやテンキーなどの入力装置とを有している。たとえばパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PHS、PDAなどの可搬型通信端末などを適宜、用いることができる。
【0034】
次に、本実施形態の商品販売システム(商品販売サーバ)のプロセスの流れについて図2に沿って説明する。
【0035】
ユーザが利用するユーザ端末3がインターネット3などのネットワークを介して商品販売サーバ1にアクセスすると、商品販売サーバ1は、商品情報画面送信部11により、購入可能な商品を表示する商品情報画面をユーザ端末3に送信し、商品を仮想ショッピングカートに追加しながら、商品購入が可能なサイトを提供する(S101)。ユーザは、商品情報画面の中の「カートに入れる」ボタン等を指定入力することにより、商品情報画面の中から所望の商品を仮想ショッピングカートに入れていく(S102)。この際に、選択した商品の商品識別情報、商品の金額、購入する商品の合計金額などの必要な情報が、当該ユーザの仮想ショッピングカートの記憶領域に記憶されることで、仮想ショッピングカートに商品が追加されることとなる。なお商品識別情報や金額などの商品に関する情報は、図示しない商品に関する情報を記憶するデータベースや所定のサーバから抽出すればよい。仮想ショッピングカートに追加された購入手続き前の商品は、商品販売サーバ1のカート内容画面生成部12により、当該仮想ショッピングカートの記憶領域を参照することで、ユーザ端末3で確認可能に送信され、カート内容画面として表示される(図3参照)。
【0036】
その後、カート内容画面の「注文フォーム」のボタン等の入力に応じて(S103)、商品販売サーバ1のユーザ照合部13は、ユーザIDと、パスワードを入力する画面をユーザ端末3に送信し、ユーザ端末3からユーザID及びパスワードを受信してユーザ情報データベース13に格納されているユーザID及びパスワードと照合し、ユーザが登録会員であることを確認する(S104)。なおユーザが登録会員であるかのための照合処理は、いずれの段階で行われても良い。
【0037】
そしてユーザが登録会員であることが確認されると、上記で仮想ショッピングカートの記憶領域に記憶された、選択した商品の商品識別情報、商品の金額、購入する商品の合計金額などの必要な情報に、ユーザIDの情報がさらに対応づけて当該記憶領域に記憶させる。これによって、当該ユーザIDのユーザが、仮想ショッピングカートに追加した商品、商品の金額、購入する商品の合計金額などを特定することができる。
【0038】
商品販売サーバ1は、ユーザが登録会員であることを確認すると、合計金額確認画面生成部14により、仮想ショッピングカートの記憶領域に記憶した合計金額の情報を抽出し、商品の合計金額を表示する合計金額確認画面を生成してユーザ端末3に送信する(S106)。
【0039】
この際、商品販売サーバ1は、当該ユーザの特性情報、および/または、仮想ショッピングカートの記憶領域に記憶されている商品識別情報の商品あるいは商品のカテゴリーなど仮想ショッピングカートの内容に対応するアフィリエイトコンテンツを表示条件に基づいてコンテンツデータベース16から抽出し(S105)、抽出したアフィリエイトコンテンツが表示される合計金額確認画面(図4参照)を生成してユーザ端末3に送信する。ユーザ端末3で表示されるアフィリエイトコンテンツの画像データは、割引額と、たとえばメールマガジンの登録、資料請求、アンケート記入等の割引に必要な内容を含む登録画面へのリンクであり、画像またはテキストなどが表示される。
【0040】
具体的には、合計金額確認画面を生成する際に、ユーザIDに基づく特性情報(年齢、性別、居住地域など)、商品識別情報に基づく商品の属性情報(商品の種類(化粧品、食料品、電化製品など)、対象者となる特性情報など)を抽出する。そしてアフィリエイトコンテンツの表示条件と照合し、対応するアフィリエイトコンテンツをコンテンツデータベース16から抽出する。そして、合計金額確認画面生成部14で生成する合計金額確認画面の所定領域に、抽出したアフィリエイトコンテンツを表示する。
【0041】
なおアフィリエイトコンテンツとしては、所定のウェブサイトのコンテンツ(アンケートの入力画面、メールマガジンの登録画面、資料請求画面、会員登録画面など任意のコンテンツ)にリンクが張られた画像であることが好ましいが、それに限定されるものではない。
【0042】
図4の例における合計金額確認画面は、注文商品のお届け先の情報を表示するページで、合わせて仮想ショッピングカートに追加された商品の合計金額が表示される画面であり、この画面に抽出された、メールマガジンの登録、アンケート記入、会員登録、資料請求等を促すことを内容とするアフィリエイトコンテンツが複数表示されている。なお、合計金額確認画面は、商品の合計金額とアフィリエイトコンテンツを表示可能な画面であれば適宜であり、たとえばユーザが個人情報を入力する画面等としてもよい。
【0043】
ここで、合計金額確認画面生成部14がアフィリエイトコンテンツを抽出する際には、ユーザの特性情報と仮想ショッピングカートの内容等の条件に対応するアフィリエイトコンテンツを全て抽出して表示することも可能であるが、アフィリエイトコンテンツが多いと、画面の視認性が低下する。そこで、S105で抽出したアフィリエイトコンテンツのアフィリエイトコンテンツの割引額を認識し、認識したアフィリエイトコンテンツを割引額の高い順に、設定された所定個数だけ表示する構成としてもよい。割引額の高い順に複数のアフィリエイトコンテンツを抽出、表示する場合、ユーザはより高額の割引を容易に受けることが可能となる。
【0044】
また、複数のアフィリエイトコンテンツを抽出して表示する際には、合計金額確認画面生成部14が、抽出した複数のアフィリエイトコンテンツを割引額の高い順に並べ替えて配置するように合計金額確認画面を生成すると好適であり、たとえば図4の上側に位置する一段目の左から右へ、二段目の左から右への順番でアフィリエイトコンテンツを並べるようにする。この構成によれば、ユーザはより高額の割引を一層容易に受けることが可能となる。
【0045】
その後、ユーザ端末3において、合計金額確認画面で表示されているアフィリエイトコンテンツが指定される(たとえば、アフィリエイトコンテンツの画像が入力装置によってクリック等で選択される)と、商品販売サーバ1は、アフィリエイトコンテンツの指定入力を受信する(S107)。そうすると、当該アフィリエイトコンテンツに対応づけられているURLなどの情報に基づいて、対応するコンテンツ、たとえばメールマガジンの登録画面、資料請求画面、アンケートの回答画面、会員登録画面、などがユーザ端末3に送信される。なおこれらのコンテンツは、商品販売サーバ1のコンテンツデータベース16に記憶されていても良いし、ほかのデータベースであっても良いし、商品販売サーバ1とは別のサーバに記憶されていても良い。
【0046】
そしてユーザ端末3から、それらのコンテンツへの情報の入力が行われ、当該画面で情報登録を示す所定の操作、たとえば「データ登録」、「送信」などが選択されると、商品販売サーバ1の所定の記憶領域や上記所定のサーバ(上記画面をユーザ端末3に送信したサーバ)の所定の記憶領域において、当該コンテンツにユーザが入力した情報が登録されることとなる。この際には、当該アフィリエイトコンテンツの出稿主の識別情報、ユーザID、登録した情報のほか、割引額などの情報もあわせて記憶されても良い。なお、ここで記憶された情報、特にユーザが入力した情報は、出稿主の識別情報に基づいて、リアルタイムで出稿入力者端末4に送信されても良いし、一日ごと、一週間ごと、一ヶ月ごとといったように、所定のタイミングでバッチ処理でまとめて出稿入力者端末4に送信されても良い。なお出稿入力者が出稿主の代理をしている場合には、出稿主の利用するコンピュータ端末に対して、上記情報を送信するように構成する。
【0047】
一方、商品販売サーバ1の合計金額確認画面生成部14は、上記画面における情報登録を示す操作が行われると(所定のサーバで行われる場合にはそのサーバから操作が行われたことを示す情報や入力された情報を受け取ればよい)、指定されたアフィリエイトコンテンツの割引額を仮想ショッピングカートの商品の合計金額から減算し、割引額や減算後の商品の合計金額を仮想ショッピングカートの記憶領域に記憶させるとともに、減算後の合計金額を表示する合計金額確認画面を生成してユーザ端末3に送信する(S108)。図5の合計金額確認画面のように、複数のアフィリエイトコンテンツを抽出して表示する場合には、そのうちの任意のアフィリエイトコンテンツの指定に応じて、対応する割引額の減算処理を行うようになっており、ユーザには複数のアフィリエイトコンテンツが選択肢として与えられ、たとえばメールマガジンの登録、資料請求、アンケート記入など自分の希望するアフィリエイトコンテンツを選択することができる。
【0048】
図5の例における合計金額確認画面は、図4の合計金額確認画面の商品の合計金額から「メールマガジンの登録」に伴う割引額が減算された商品の合計金額が表示されている。また、図5の画面では既に指定された「メールマガジンの登録」のアフィリエイトコンテンツは除外して表示されており、本例では、合計金額確認画面生成部14が、既に指定されたアフィリエイトコンテンツを除外して抽出したアフィリエイトコンテンツを表示する合計金額確認画面を生成し、ユーザ端末3に送信するようになっている。この構成によれば、既に指定されたアフィリエイトコンテンツが同一ユーザに再度指定されることを避けることができ、アフィリエイトコンテンツの出稿主が実効性のある販促活動を確実に行うことが可能となる。
【0049】
なお図5のように、既に指定されたアフィリエイトコンテンツは、上述のように、除外するほか、その選択が行えないように、ボタンを押せなくしたり、あるいはグレーアウトするなどの処理を行っても良い。これは、既に指定されたアフィリエイトコンテンツに対して入力処理等を行うと、その対象となったサーバ(アフィリエイトコンテンツに基づいて情報の入力を受け付けたサーバ)から、入力済の情報を商品販売サーバ1に返し、これを受けて、商品販売サーバ1は、既に指定されたアフィリエイトコンテンツを、除外したり、選択が行えないようにする。このような方法で、一度、指定したアフィリエイトコンテンツについては、再度、指定ができないようにすることができる。
【0050】
さらに、図5の例では、合計金額確認画面生成部14が、複数のアフィリエイトコンテンツの指定を行うこともできる。すなわち、複数のアフィリエイトコンテンツをユーザが指定することによって、それらに対応する割引額の合計額を商品の合計金額から減算するようになっており、たとえば「メールマガジンの登録」に加えて「会員登録」を行うと、これらを合わせた合計額が商品の合計金額から割り引かれるようになっている。
【0051】
なお、合計金額確認画面生成部14が、複数のアフィリエイトコンテンツを抽出して合計金額確認画面で表示する場合には、割引額の合計額の設定制限(たとえば本来の合計金額のうちの所定割合(30%など)や所定金額)を記憶保持し、ユーザの特性情報と仮想ショッピングカートの内容に対応する複数のアフィリエイトコンテンツの割引額の合計額が設定制限を超える場合、設定制限以内で割引額の高い順の複数のアフィリエイトコンテンツを抽出して合計金額確認画面を生成する構成とすると好適である。この構成によれば、制限のない割引を避けることができると共に、制限額内の割引で法規制も遵守することができる。
【0052】
また、割引額を算出する際に、購入した商品の合計金額に対する制限額と、仮想ショッピングカートの記憶領域に記憶される割引額の合計とを比較し、割引額の合計が制限額を超過しないように処理をしても良い(割引額の合計の上限を制限額とする)。たとえば、あるユーザの商品購入金額が1000円であり、設定制限が購入金額の30%であるとする。この場合、ユーザが500円の割引額のアフィリエイトコンテンツを選択し、たとえば会員登録を行った場合、本来であれば、500円が割り引かれることとなるが、30%が上限の設定制限となっているので、300円しか割り引かれないこととなる。これは、複数のアフィリエイトコンテンツを指定した場合であっても同様に処理することができる。
【0053】
その後、割引後の合計金額において、注文確定処理が行われると、割引後の合計金額で商品の購入が確定する(S109)。すなわち、仮想ショッピングカートの記憶領域に記憶されている、ユーザID、購入した商品識別情報、商品の金額、商品の合計金額(割引前の金額)、割引額、実際の合計金額などの情報を上記記憶領域から抽出し、売上や販売を管理するデータベース(図示せず)に情報を移動させることで、売上や販売記録として管理するとともに、上記仮想ショッピングカートから情報を消去させる。
【0054】
また、注文確定処理が行われると、当該アフィリエイトコンテンツの出稿主に対して、その割引額を請求可能なように、出稿主の識別情報、実際に割り引いた割引額、割引した相手(情報入力をしたユーザのユーザIDなどの識別情報)、割引した相手が入力した情報などを紐づけて所定の記憶領域に記憶させる。そして、所定の請求タイミングで、出稿主識別情報に基づいて、この記憶領域から少なくとも実際の割引額の情報を抽出し、抽出した割引額の合計額を算出し、それを出稿主に対して、郵送、電子メールなどで請求する。なお、実際の割引額の情報を抽出するほか、ほかの情報もあわせて抽出し、出稿入力者端末4に送信しても良い。
【0055】
一方で、商品販売サーバ1の運営者は、売上や販売管理のデータベースに基づいて、通常どおりの方法で、ユーザが購入した商品の販売者に対しては割引の金額を従来と同様の方法で支払う。また、売上や販売管理のデータベースに基づいて、通常どおりの方法で、ユーザには、割引後の支払金額を請求することとなる。
【0056】
たとえば、ユーザが1000円の商品を購入し、300円分の割引を受ける場合、商品販売サーバの運営者は、その商品の販売者に対して、1000円分を従来と同様の方法により支払う。一方、ユーザからは700円を受領する。また割引額については、当該ユーザが指定したアフィリエイトコンテンツの出稿主に対して請求し、アフィリエイトコンテンツの出稿主から300円を受領する。なお、この際に商品販売サーバの運営者が所定の手数料を控除しても良い。また商品販売サーバの運営者と商品の販売者とが同一であっても良い。
【0057】
以上のように構成することによって、出稿主である事業者がアフィリエイトコンテンツにより効果的な販促活動を行うことができるとともに、ユーザが商品を低価格で購入することができ、さらに、商品販売サイトの運営者は低価格でユーザに商品を販売することができる。すなわち、商品の販売者は通常と同様の金額を受領することができ、ユーザは通常よりも安い金額で商品を購入できる。そしてアフィリエイトコンテンツの出稿主は、割引額を負担することで、アフィリエイトコンテンツに対するユーザの情報の入手などができる。
【0058】
なお、商品販売サーバ1や所定のサーバに記憶された、ユーザがアフィリエイトコンテンツを選択することで入力した情報は、所定のタイミングで出稿入力者端末4に送信される。なお出稿入力者端末4に送信された後は、その情報は削除されても良い。
【0059】
また、本発明の商品販売サーバ1において、一度、仮想ショッピングカートに入れた商品を削除する場合がある。その場合には、注文確定時における合計金額に基づいて、設定制限を再算出すると良い。
【0060】
また、本発明では、商品の購入をする際の割引を受けられることから、適当な情報を入力し、割引だけ受けようとする悪質なユーザが発生する可能性もある。そのようなことを防止するためには、請求タイミングで、割引額の情報に基づく割引額の合計額の情報を出稿主に対して送信するのみならず、当該出稿主が負担したユーザID、そのユーザが入力した情報、ユーザごとの割引額を出稿入力者端末4に送信するように構成しても良い。これによって、仮に適当な情報を入力するユーザがいた場合、それを出稿主側で特定することができるので、その悪質なユーザIDを商品販売サーバ1の運営者に通知することで、当該運営者は、そのユーザIDを利用停止、削除などの制裁を行うことができる。
【0061】
なお本発明においては、仮想ショッピングカートに商品を購入する処理、注文確定をする処理、アフィリエイトコンテンツを指定する処理では、それぞれが同一のセッションIDによるネットワーク接続において、処理が行われることが好ましい。すなわち、商品販売サーバ1とユーザ端末3とが同一のセッションIDによりセッションが確立されている間において、本願発明の上述の割引処理が行われても良い。
【0062】
この場合、ユーザ端末3との間のセッションIDと、当該ユーザ端末3のユーザのユーザIDとの対応関係を任意の記憶領域に記憶しておく。そして、商品販売サーバ1が、当該ユーザIDの利用するユーザ端末3とのセッションで用いるセッションIDを監視しておき、そのセッションIDが消滅した場合には、仮想ショッピングカートの記憶領域から、当該ユーザIDに対する割引額の情報を消去することで実現できる。これによって、「その場限りの割引」を強調することができる。
【0063】
すなわち、ある商品を仮想ショッピングカートに入れ、アフィリエイトコンテンツを指定して所定の操作を行うことで、割引が適用されたとしても、注文確定処理をせずにそのまま放置し、ネットワーク接続を切断等をすると、当該ユーザのユーザ端末3と商品販売サーバ1との間のセッションIDが消滅する。そうすると、仮想ショッピングカートの記憶領域に記憶した当該セッションIDに対応するユーザIDの割引額の情報を消去する。そのため、次回以降のアクセスにおいて、当該ユーザIDのユーザが、仮想ショッピングカートに入れた商品を購入するとしても、仮想ショッピングカートの記憶領域から割引額の情報が消去されているので、割引が適用されず、当該商品の金額での決済となる。
【0064】
もちろん、セッションIDが消滅したとしても、仮想ショッピングカートの記憶領域から割引額を消去せずに、その割引額を適用するように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、ユーザが商品を仮想ショッピングカートに入れながら商品を購入可能な商品販売サイトで利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1:商品販売サーバ
2:インターネット
3:ユーザ端末
4:出稿入力者端末
11:商品情報画面送信部
12:カート内容画面生成部
13:ユーザ照合部
14:合計金額確認画面生成部
15:ユーザ情報データベース
16:コンテンツデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがユーザ端末を用いて通信ネットワークを介してアクセスし、商品を仮想ショッピングカートに入れながら商品を購入可能なサイトを提供する商品販売システムであって、
購入可能な商品を表示する商品情報画面を前記ユーザ端末に送信する商品情報画面送信部と、
前記仮想ショッピングカートに入れられた商品の合計金額を表示する合計金額確認画面を生成して前記ユーザ端末に送信する合計金額確認画面生成部と、
前記ユーザの特性情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
割引額と割引を受けるために必要な内容が表示されるアフィリエイトコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、を備え、
前記合計金額確認画面生成部は、
前記ユーザの特性情報および/または前記仮想ショッピングカートの内容に対応するアフィリエイトコンテンツをコンテンツ記憶部から抽出し、
前記仮想ショッピングカートに入れられた商品の合計金額と前記抽出したアフィリエイトコンテンツとを表示する合計金額確認画面を生成して前記ユーザ端末に送信し、
前記表示したアフィリエイトコンテンツのうち、前記ユーザにより指定されたアフィリエイトコンテンツに対応する所定の操作が前記ユーザ端末から行われると、前記指定されたアフィリエイトコンテンツの割引額を前記合計金額から減算し、前記減算後の合計金額を表示する合計金額確認画面を生成して前記ユーザ端末に送信する、
ことを特徴とする商品販売システム。
【請求項2】
前記合計金額確認画面生成部は、
前記ユーザの特性情報および/または前記仮想ショッピングカートの内容に対応するアフィリエイトコンテンツをコンテンツ記憶部から割引額の高い順に所定個数抽出し、
前記抽出したアフィリエイトコンテンツのうち、指定された任意のアフィリエイトコンテンツに対応する所定の操作に応じて、前記減算処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項3】
前記合計金額確認画面生成部は、
前記ユーザの特性情報および/または前記仮想ショッピングカートの内容に対応する複数のアフィリエイトコンテンツの割引額の合計額が設定制限を超える場合、設定制限以内で割引額の高い順の複数のアフィリエイトコンテンツを抽出して合計金額確認画面を生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記合計金額確認画面生成部は、
前記抽出した複数のアフィリエイトコンテンツを割引額の高い順に並べ替えて配置するように合計金額確認画面を生成する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の商品販売システム。
【請求項5】
前記合計金額確認画面生成部は、
既に指定されたアフィリエイトコンテンツを除外または指定不可として、前記抽出したアフィリエイトコンテンツを表示する合計金額確認画面を生成し、
前記ユーザ端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の商品販売システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−38181(P2012−38181A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179160(P2010−179160)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【特許番号】特許第4812891号(P4812891)
【特許公報発行日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(500175565)株式会社ぐるなび (43)