商品販売データ処理装置、及びその制御プログラム
【課題】登録が確定した商品販売データの編集を可能にする。
【解決手段】取引記憶部に販売データが記憶された各商品の中からいずれかの商品の選択を受付ける。選択された商品の販売データを取引記憶部から読み出す。取引記憶部から読み出した販売データの編集画面を表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける。編集画面に表示された販売データが編集されると、選択された商品の販売データを編集後のデータに更新する。
【解決手段】取引記憶部に販売データが記憶された各商品の中からいずれかの商品の選択を受付ける。選択された商品の販売データを取引記憶部から読み出す。取引記憶部から読み出した販売データの編集画面を表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける。編集画面に表示された販売データが編集されると、選択された商品の販売データを編集後のデータに更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、客が買上げる商品の販売データを処理するＰＯＳ（Point Of Sales）ターミナル等の商品販売データ処理装置、及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のＰＯＳターミナルは、客が買上げる商品の商品コードが入力されると、この商品の販売データがメモリに登録処理される。このとき、当該販売データに対して取消や値引などの編集が可能である。しかし、次の商品コードが入力されるか小計キーが操作入力されると、当該販売データの登録が確定する。そして、登録が確定した後は、当該販売データの編集が行えなかった（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００５−２８４５７９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述したように従来のＰＯＳターミナルにおいては、登録が確定した商品販売データの編集ができなかったため、既に登録が確定した商品について例えば値引を行う場合には、当該商品の販売データを一旦戻し登録処理した後、再度、売上登録し、その直後に値引操作を行わざるを得ず、煩雑な作業を強いられていた。
【０００５】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、その目的とすることころは、登録が確定した商品販売データの数量変更、売価変更、値引などの編集を容易に行うことができ、登録作業を効率的に進めることができる商品販売データ処理装置、及びその制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、１取引として売上登録される各商品の販売データを順次取得して蓄積記憶する取引記憶部と、前記取引記憶部に記憶された前記各商品の販売データに基づいて１取引の内容を常時、且つ前記各商品の販売データの取得順序にて登録画面に表示する表示部と、前記取引記憶部が前記各商品の販売データを取得したタイミングで、前記表示部に、前記販売データを表示させる同期表示手段と、前記表示手段によって前記登録画面に表示された前記販売データを、前記取引記憶部が前記販売データを取得した順に表示させる順次表示手段と、前記登録画面上に表示された前記販売データが選択されると、前記取引記憶部から前記販売データを読み出し、前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段とを具備し、前記登録画面は、前記順次表示手段によって前記販売データが一覧表示される明細エリアを含む。
【発明の効果】
【０００７】
かかる手段を講じた本発明によれば、登録が確定した商品販売データの数量変更、売価変更、値引などの編集を容易に行うことができ、登録作業を効率的に進めることができる効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の一実施形態であるＰＯＳターミナルの外観構成を示す斜視図。
【図２】同ＰＯＳターミナルの要部構成を示すブロック図。
【図３】同ＰＯＳターミナルのタッチパネルに表示される登録画面の一例を示す図。
【図４】同ＰＯＳターミナルのＲＡＭに形成される主要なメモリエリアを示す図。
【図５】同ＰＯＳターミナルのＣＰＵが実行する商品登録処理の手順を示す流れ図。
【図６】同ＰＯＳターミナルのＣＰＵが実行する小計処理の手順を示す流れ図。
【図７】同ＰＯＳターミナルのＣＰＵが実行する締め処理の手順を示す流れ図。
【図８】同ＰＯＳターミナルのＣＰＵが実行する編集処理の手順を示す流れ図。
【図９】同ＰＯＳターミナルのタッチパネルに表示される編集画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、この発明の実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。なお、本実施形態は、商品を販売する小売店に設置されるＰＯＳターミナル１に本発明を適用した場合である。
【００１０】
＜ＰＯＳターミナル１の構成について＞
図１は、商品販売データ処理装置の一態様であるＰＯＳターミナルの外観構成を示す斜視図である。図示するように、ＰＯＳターミナル１は、現金等を収納するためのドロワ２上に載置されており、このドロワ２の開閉を制御する。
【００１１】
また、ＰＯＳターミナル１は、キーボード３、モードスイッチ４、バーコードスキャナ５、キャッシャ用のタッチパネル式ディスプレイ６（以下、タッチパネル６と称す）、客用表示器７、プリンタ８、及びレシート発行口９を備える。
【００１２】
キーボード３は、数値データを置数するための置数キーの他、小計キー、預／現計キー、信計キー、取消キー、値引キー、クリアキー等を配置している。預／現計キーは、現金支払いによる１取引の登録終了を宣言する。信計キーは、クレジット払いによる１取引の登録終了を宣言する。預／現計キーや信計キー等は、締めキーと称される。取消キーは、直前に登録した商品販売データの取消を宣言する。値引キーは、直前に登録した商品の値引や小計値引を宣言する。
【００１３】
モードスイッチ４は、「登録」、「点検」、「精算」、「設定」等の各種業務モードを選択的に切換える。ここで、「登録」とはバーコードスキャナ５等により入力された商品コードで識別される商品の販売データを記憶部に売上登録処理し、且つ締めキーの操作により登録終了が宣言された取引の支払いデータを処理してレシートを発行する業務のモード、「点検」とは前記「登録」によって記憶部に売上登録処理された販売データの累計データを点検レポートとして出力する業務のモード、「精算」とは前記「点検」と同様に記憶部の累計データを精算レポートとして出力した後、この記憶部の内容をクリアする業務のモード、「設定」とは各種業務を実行するのに必要なデータを記憶部に予め設定しておく業務のモードである。
【００１４】
タッチパネル６及び客用表示器７は、売上登録処理された商品の商品名、販売点数及び販売金額や、１取引の合計金額、預かり金額、及び釣り銭金額などを表示する。
【００１５】
タッチパネル６に表示される登録画面６０の一例を図３に示す。登録画面６０は、直近の商品登録情報である商品名、販売点数及び販売金額が表示されるカレントエリア６ａと、１取引として登録処理された各商品の商品名、販売点数、単価、販売金額等が一覧表示される明細エリア６ｂと、１取引の合計金額、合計点数が表示される合計エリア６ｃとから構成される。
【００１６】
プリンタ８は、１取引の明細をレシート用紙及びジャーナル用紙に印字するもので、このプリンタ８によって印字されたレシート用紙がレシート発行口９から発行される。
【００１７】
＜ＰＯＳターミナル１の要部構成について＞
図２は、ＰＯＳターミナル１の要部構成を示すブロック図である。図示するようにＰＯＳターミナル１は、以下説明する各構成部を集中的に制御するＣＰＵ（中央処理装置）１１（Central Processing Unit）、このＣＰＵ１１を制御するコンピュータプログラムなど固定データを格納するＲＯＭ（Read Only Memory）、各種データを書き換え自在に格納するワークエリアとして機能し、商品販売データを売上登録処理するための記憶部を形成したＲＡＭ１３（Random Access Memory）、日時を計時する計時回路１４、通信インターフェース１５、Ｉ／Ｏポート１６、キーボードコントローラ１７、タッチパネルコントローラ１８、表示器コントローラ１９、及びプリンタコントローラ２０等で構成される制御部を備える。そして、ＣＰＵ１１、ＲＯＭ１２、ＲＡＭ１３、時計回路１４、通信インターフェース１５、Ｉ／Ｏポート１６、及び各コントローラ１７〜２０を、アドレスバス、データバス等のバスライン２１で接続して、制御回路を形成している。
【００１８】
ＣＰＵ１１は時計回路１４が計時した日時を確認する。そして、ＣＰＵ１１はその計時された日時を、レシート用紙などに印字させるよう制御する。またＣＰＵ１１は通信インターフェース１５を制御する。つまりＣＰＵ１１は、ネットワークを介して接続されたストアコンピュータ（不図示）とデータ通信をする通信インターフェース１５を制御する。ＣＰＵ１１はＩ／Ｏポート１６に、モードスイッチ４からの信号を入力させるよう制御する。また、ＣＰＵ１１はドロワ２を自動開放させるためのドロワ開放装置２ａに駆動信号を出力させるよう制御する。ＣＰＵ１１はキーボードコントローラ１７に、キーボード３を制御するよう命令し、操作入力されたキーに対応するキー信号を取込ませる。
【００１９】
更にＣＰＵ１１はタッチパネルコントローラ１８に対し、タッチパネル６に前述した登録画面等を表示させるよう命令する。また、ＣＰＵ１１はタッチパネル６にタッチ操作された画面上の位置信号を取り込ませるよう、タッチパネルコントローラ１８を制御する。ＣＰＵ１１は表示器コントローラ１９に客用表示器７の画面表示を制御するよう命令する。そしてＣＰＵ１１はプリンタコントローラ２０に対し、プリンタ９を制御させるよう命令し、また印字データに対応する文字等をレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させるよう命令する。
【００２０】
かかる構成のＰＯＳターミナル１は、図４に示すように、ＲＡＭ１３に、直前登録メモリ３１、取引バッファ３２、合計バッファ３３、編集バッファ３４、及びフラグメモリ３５を形成している。直前登録メモリ３１は、１取引の商品登録として入力された直近の商品コードと、その商品コードで識別される商品の商品名、販売点数（数量）、単価、値引金額（値引）、販売金額（金額）及び値引対象フラグ（フラグ）の各データを一時的に記憶する。そして、この直前登録メモリ３１に一時的に記憶されたデータが、上記説明したカレントエリア６ａに表示される。
【００２１】
取引バッファ３２は、１取引として登録された全ての商品の販売データとして商品コード、商品名、販売点数、単価、値引金額、販売金額及び値引対象フラグの各データをレコードＮｏ．順に記憶する。そして、この取引バッファ３２に格納されたデータが、上記説明した明細エリア６ｂに表示される。また値引対象フラグは、対応する商品コードによって識別される商品が値引を許容する商品のとき”１”にセットされる。
【００２２】
合計バッファ３３は、取引バッファ３２に記憶された販売点数の合計値及び販売金額の合計値に、直前登録メモリ３１に一時的に記憶された販売点数及び販売金額をそれぞれ加算した、その販売店数の合計値及び販売金額の加算結果に税率を乗算した値を記憶する。そして、この合計エリア６ｃに記憶されたデータが、上記説明した合計エリア６ｃに表示される。
【００２３】
そして、編集バッファ３４は上記取引バッファ３２に格納された商品データを編集可能な状態で一時的に記憶する。そして、この編集バッファ３４に一時的に記憶されたデータが、後述するタッチパネル６の登録画面６０上にＰＯＰＵＰ表示される。
【００２４】
フラグメモリ３５は、登録中フラグや小計フラグを記憶する。
【００２５】
しかして、ＣＰＵ１１は、モードスイッチ４により「登録」業務が選択された状態で、バーコードリーダ１０によるスキャニング操作又はキーボード３の置数キー操作により商品コードが入力されると、図５の流れ図に示す商品登録処理を実行する。この処理は、ＲＯＭ１２内の制御プログラムによって制御される。
【００２６】
商品コードが入力されると、ＣＰＵ１１は、先ず、フラグメモリ３５に登録中フラグＦがセットされているか否かを確認する（ＳＴ０）。登録中フラグＦがセットされていなければ（ＳＴ０、ＮＯ）、１取引における１点目の商品登録なので、ＣＰＵ１１はカウントｎの値をゼロとしつつ（ＳＴ１）、取引バッファ３２をクリアする（ＳＴ２）。ここで、カウントｎとは、商品コードに応じた商品情報が順次取引バッファ３２に格納される際に使用される値である。つまり、ＣＰＵ１１内のカウントｎ（ｎは自然数）の値に応じて、この商品情報がレコードＮｏ．順に取引バッファ３２に格納される。そしてフラグメモリ３５に登録中フラグＦをセットする（ＳＴ３）。
【００２７】
次に、ＣＰＵ１１は入力された商品コードで商品マスタを検索し、該当する商品名、単価、及び値引対象フラグＦの商品設定データを取得する（ＳＴ７）。商品マスタは、予めストアコンピュータからＲＡＭ１３にダウンロードされている。ＣＰＵ１１は、読み出した単価に販売点数（商品コードの入力直前に乗数が置数されていた場合にはその乗数、置数されていない場合には１）を乗算して販売金額を算出し、この商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額、及び値引対象フラグを直前登録バッファ３１に格納する（ＳＴ８）。しかる後、タッチパネルコントローラ１８及び表示器コントローラ１９に表示命令を出力する（ＳＴ９）。これにより、タッチパネル６のカレントエリア６ａに、直前登録バッファ３１内の商品名、販売点数及び販売金額が表示される。
【００２８】
一方、ステップＳＴ０において登録中フラグＦが‘１’にセットされていたならば、２点目以降の商品登録なので、ＣＰＵ１１は、カウントｎを“１”だけカウントアップする（ＳＴ４）。そして、取引バッファ３２のレコードＮｏ．ｎエリアに、直前登録バッファ３１のデータを書込む（ＳＴ５）。また、タッチパネルコントローラ１８及び表示器コントローラ１９に表示命令を出力する（ＳＴ６）。これにより、タッチパネル６の明細エリア６ｂに、取引バッファ３２内の商品コード、商品名、販売点数、単価、販売金額等がレコードＮｏ．順に表示される。また、タッチパネル６の合計エリア６ｃに、合計バッファ３３の販売点数の合計値（合計点数）と販売金額の合計値（合計金額）とが表示される。その後、前述したステップＳＴ７〜ＳＴ９の処理を実行する。
【００２９】
ＣＰＵ１１は、商品コードが入力される毎に、上記ＳＴ１〜ＳＴ９の処理を実行する。そして、ＳＴ９の処理の後で、取消キーが入力されると、ＣＰＵ１１は、直前取引バッファ３１のデータをクリアする。その結果、合計バッファ３３が記憶するデータは、上記直前取引バッファ３１のデータが差し引かれた値とされる。また、値引キーが入力された場合には、直前取引バッファ３１の値引対象フラグをチェックする。値引対象フラグが”１”にセットされていない場合には、当該商品は値引が許容されていないので、キー入力をエラーとする。これに対し、値引対象フラグが“１”にセットされていた場合には値引が許容されているので、値引額の入力を受け付ける。そして、置数キーにより値引額が入力された場合には、その値引金額を直前登録バッファ３１で記憶する。また、直前登録バッファ３１の販売金額を値引金額分だけ減算した値に更新する。また直前登録バッファ３１が記憶する値の更新に伴い合計バッファ３３のデータも更新される。
【００３０】
一方、小計キーが入力された場合には、ＣＰＵ１１は、図６に具体的に示す小計処理を実行する。この処理は、ＲＯＭ１２内の制御プログラムによって制御される。
【００３１】
すなわち、小計キーが入力されたことをキーボードコントローラ１７から通知されると、ＣＰＵ１１はフラグメモリ３５をチェックする（ＳＴ２０）。ここで、フラグメモリ３５に登録中フラグがセットされていたならば（ＳＴ２０、ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１はステップＳＴ２１〜ＳＴ２２として前記ステップＳＴ４〜ＳＴ６と同一の処理を実行する。その後、ＣＰＵ１１はタッチパネル６の登録画面６０上に１取引分における販売点数の合計値（合計点数）と販売金額の合計値（合計金額）とを表示させる（ＳＴ２３）。また、ＣＰＵ１１は客用表示器７上にも同様に販売点数の合計値（合計点数）と販売金額の合計値（合計金額）とを表示させる。
【００３２】
しかる後、ＣＰＵ１１は、フラグメモリ３５に小計フラグをセットする（ＳＴ２４）。なお、ステップＳＴ２０において、フラグメモリ３５に登録中フラグがセットされていない場合には（ＳＴ２０、ＮＯ）、ＣＰＵ１１はエラーを返す。
【００３３】
また、締めキーが入力された場合、ＣＰＵ１１は、図７に示す締め処理を実行する。この処理は、ＲＯＭ１２内の制御プログラムによって制御される。
【００３４】
すなわち、締めキーが入力された際、フラグメモリ３５に小計フラグがセットされていたならば（ＳＴ３０、ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、釣銭演算を行い、タッチパネル６と客用表示器７にそれぞれ釣銭金額を表示させる（ＳＴ３１）。また、ＣＰＵ１１は取引バッファ３２の内容に基づいてレシート印字データを作成し、このレシート印字データをプリンタ８に印字させる（ＳＴ３２）。さらに、ＣＰＵ１１はＩ／Ｏポート１５を介してドロワ開放装置２ａにドロワ２を開放させる（ＳＴ３３）。最後にＣＰＵ１１はフラグメモリ３５の登録中フラグ及び小計フラグをリセットして、１取引処理を終了する（ＳＴ３４）。なお、ステップＳＴ３０において、フラグメモリ３４に小計フラグがセットされていない場合には（ＳＴ３０、ＮＯ）、終了する。
【００３５】
また、タッチパネル６がタッチ操作されると、ＣＰＵ１１は、図８に具体的に示す編集を実行する。この処理は、ＲＯＭ１２内の制御プログラムによって制御される。
【００３６】
すなわち、タッチ操作があったことをタッチパネルコントローラ１８から通知されると、ＣＰＵ１１は、フラグメモリ３５をチェックする（ＳＴ４０）。ここで、フラグメモリ３５に登録中フラグがセットされていたならば（ＳＴ４０、ＹＥＳ）、タッチパネル６に登録画面６０が表示されているので、ＣＰＵ１１は、タッチ操作された領域が登録画面６０の明細エリア６ｂか否かを判断する（ＳＴ４１）。明細エリア６ｂに対しタッチされた場合には（ＳＴ４１、ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、タッチされた明細エリア６ｂのレコードＮｏ．ｋを認識する（ＳＴ４２：商品選択手段）。
【００３７】
レコードＮｏ．ｋを認識できたならば、ＣＰＵ１１は、取引バッファ３２からレコードＮｏ．ｋの商品販売データを読み出す（ＳＴ４３：読出手段）。そして、この商品販売データの編集画面７０を作成し、この編集画面７０をタッチパネル６の登録画面６０上にＰＯＰＵＰ表示させる（ＳＴ４４：編集受付手段）。
【００３８】
編集画面７０の一例を図９に示す。
【００３９】
編集画面７０には、商品名エリア７１、数量エリア７２、単価エリア７３、値引エリア７４及び金額エリア７５と、取消ボタン７６、売変ボタン７７、数量変更ボタン７８、値引ボタン７９及びキャンセルボタン８０とが形成されている。そして、レコードＮｏ．ｋの商品販売データの商品名、販売点数、単価、値引金額及び販売金額が、それぞれ各エリア７１〜７５に表示される。
【００４０】
この状態で、ＣＰＵ１１は、再びタッチパネル６がタッチ操作されるのを待機する（ＳＴ４５）。ここで、タッチ操作があったことをタッチパネルコントローラ１８から通知されると、ＣＰＵ１１は、そのタッチ位置に応じた販売データ編集処理を実行し、その編集された値は取引バッファ３１の該当箇所、すなわちレコードＮｏ．ｋの商品販売データに上書きする（ＳＴ４６：更新手段）。
【００４１】
この販売データ編集処理について具体的に説明する。
タッチ位置が数量エリア７２又は数量変更ボタン７８であった場合、レコードＮｏ．ｋの商品販売データの販売点数を、置数キーにより置数入力された数値に変更する。また、当該商品販売データの金額を単価に変更後の販売点数を乗算し、さらに値引額を減算した値に変更する。
【００４２】
タッチ位置が単価エリア７３又は売変ボタン７７であった場合、レコードＮｏ．ｋの商品販売データの単価を、置数キーにより置数入力された数値に変更する。また、当該商品販売データの金額を変更後の単価に販売点数を乗算し、さらに値引額を減算した値に変更する。
【００４３】
タッチ位置が値引エリア７４又は値引ボタン７９であった場合、レコードＮｏ．ｋの商品販売データにおける値引対象フラグをチェックする。そして、値引対象フラグがセットされている場合に限り、当該商品販売データの値引金額を、置数キーにより置数入力された数値に変更する。また、当該商品販売データの金額を変更後の値引額を減算した値に変更する。
【００４４】
タッチ位置が取消ボタン７６であった場合は、取引バッファ３２からレコードＮｏ．ｋの商品販売データを削除する。また、登録画面６０の合計エリア６ｃに表示されている合計点数と合計金額を、削除した商品販売データの分だけ減算する。
【００４５】
そして金額エリア７５には、上記数量変更、単価変更、及び値引き額変更に基づいた値を表示する。
【００４６】
なお、タッチ位置がキャンセルボタン８０であった場合は、上述したような販売データ編集処理を行わない。しかる後、ＣＰＵ１１は、編集画面８０を消去する（ＳＴ４７）。
【００４７】
このように本実施形態のＰＯＳターミナル１においては、登録画面６０のカレントエリア６ａに表示されている直前に登録された商品の販売データのみならず、明細エリア６ｂに表示されている登録が確定された商品販売データについても、取消、売変及び値引の編集処理を実行することができる。
【００４８】
しかも、明細エリア６ｂ内の編集対象の商品販売データが表示されている領域をタッチ操作するだけで、この編集対象の商品販売データを選択することができる上、編集画面８０がＰＯＰＵＰ表示されて、この画面上で商品販売データの編集作業を行うことができるので、操作が極めて簡便である。
【００４９】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【００５０】
例えば、前記実施形態では、編集画面８０を登録画面６０の上に重ねてＰＯＰＵＰ表示させたが、登録画面６０を一旦消去して編集画面８０を表示させ、編集処理を終えたならば、登録画面６０を再表示させてもよい。
【００５１】
また、前記実施形態では、データ編集処理の一例として値引を示したが、一定の割合で価格を割り引く割引にも、値引金額の代わりに割引率を入力する仕組みとすることで、同様に対応することができる。
【００５２】
また、前記実施形態では装置内部に発明を実施する機能を実現するための制御プログラムが予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の制御プログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、ＣＤ−ＲＯＭ等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のＯＳ（オペレーティング・システム）等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【００５３】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
（付記１）
表示器と、１取引として売上登録される各商品の販売データを蓄積記憶する取引記憶部とを備え、前記取引記憶部に記憶された各商品販売データに基づいて１取引の内容を示す登録画面を前記表示器に表示させる商品販売データ処理装置において、
前記取引記憶部に販売データが記憶された各商品の中からいずれかの商品の選択を受付ける商品選択手段と、
前記商品選択手段により選択された商品の販売データを前記取引記憶部から読み出す読出手段と、
前記読出手段により前記取引記憶部から読み出した前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段と、
前記編集画面に表示された前記販売データが編集されると、前記商品選択手段により選択された商品の販売データを編集後のデータに更新する更新手段と、
を具備し、前記登録画面は、前記取引記憶部に前記販売データが記憶された各商品の一覧を表示する明細エリアを含み、
前記商品選択手段は、前記明細エリアに表示された各商品の一覧の中から指定入力された商品を選択された商品として受付けることを特徴とする商品販売データ処理装置。
（付記２）
表示器と、１取引として売上登録される各商品の販売データを蓄積記憶する取引記憶部とを備え、前記取引記憶部に記憶された各商品販売データに基づいて１取引の内容を示す登録画面を前記表示器に表示させる商品販売データ処理装置を、
前記取引記憶部に販売データが記憶された各商品の中からいずれかの商品の選択を受付ける商品選択手段、
前記商品選択手段により選択された商品の販売データを前記取引記憶部から読み出す読出手段、
前記読出手段により前記取引記憶部から読み出した前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段、及び
前記編集画面に表示された前記販売データが編集されると、前記商品選択手段により選択された商品の販売データを編集後のデータに更新する更新手段として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【００５４】
１…ＰＯＳターミナル、３…キーボード、４…モードスイッチ、５…バーコードスキャナ、６…タッチパネル、７…客用表示器、８…プリンタ、１１…ＣＰＵ（中央処理装置）、３１…直前登録バッファ，３２…取引バッファ、３３…合計バッファ、３４…編集バッファ、３５…フラグメモリ、６０…登録画面、７０…編集画面。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、客が買上げる商品の販売データを処理するＰＯＳ（Point Of Sales）ターミナル等の商品販売データ処理装置、及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のＰＯＳターミナルは、客が買上げる商品の商品コードが入力されると、この商品の販売データがメモリに登録処理される。このとき、当該販売データに対して取消や値引などの編集が可能である。しかし、次の商品コードが入力されるか小計キーが操作入力されると、当該販売データの登録が確定する。そして、登録が確定した後は、当該販売データの編集が行えなかった（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００５−２８４５７９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述したように従来のＰＯＳターミナルにおいては、登録が確定した商品販売データの編集ができなかったため、既に登録が確定した商品について例えば値引を行う場合には、当該商品の販売データを一旦戻し登録処理した後、再度、売上登録し、その直後に値引操作を行わざるを得ず、煩雑な作業を強いられていた。
【０００５】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、その目的とすることころは、登録が確定した商品販売データの数量変更、売価変更、値引などの編集を容易に行うことができ、登録作業を効率的に進めることができる商品販売データ処理装置、及びその制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、１取引として売上登録される各商品の販売データを順次取得して蓄積記憶する取引記憶部と、前記取引記憶部に記憶された前記各商品の販売データに基づいて１取引の内容を常時、且つ前記各商品の販売データの取得順序にて登録画面に表示する表示部と、前記取引記憶部が前記各商品の販売データを取得したタイミングで、前記表示部に、前記販売データを表示させる同期表示手段と、前記表示手段によって前記登録画面に表示された前記販売データを、前記取引記憶部が前記販売データを取得した順に表示させる順次表示手段と、前記登録画面上に表示された前記販売データが選択されると、前記取引記憶部から前記販売データを読み出し、前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段とを具備し、前記登録画面は、前記順次表示手段によって前記販売データが一覧表示される明細エリアを含む。
【発明の効果】
【０００７】
かかる手段を講じた本発明によれば、登録が確定した商品販売データの数量変更、売価変更、値引などの編集を容易に行うことができ、登録作業を効率的に進めることができる効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の一実施形態であるＰＯＳターミナルの外観構成を示す斜視図。
【図２】同ＰＯＳターミナルの要部構成を示すブロック図。
【図３】同ＰＯＳターミナルのタッチパネルに表示される登録画面の一例を示す図。
【図４】同ＰＯＳターミナルのＲＡＭに形成される主要なメモリエリアを示す図。
【図５】同ＰＯＳターミナルのＣＰＵが実行する商品登録処理の手順を示す流れ図。
【図６】同ＰＯＳターミナルのＣＰＵが実行する小計処理の手順を示す流れ図。
【図７】同ＰＯＳターミナルのＣＰＵが実行する締め処理の手順を示す流れ図。
【図８】同ＰＯＳターミナルのＣＰＵが実行する編集処理の手順を示す流れ図。
【図９】同ＰＯＳターミナルのタッチパネルに表示される編集画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、この発明の実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。なお、本実施形態は、商品を販売する小売店に設置されるＰＯＳターミナル１に本発明を適用した場合である。
【００１０】
＜ＰＯＳターミナル１の構成について＞
図１は、商品販売データ処理装置の一態様であるＰＯＳターミナルの外観構成を示す斜視図である。図示するように、ＰＯＳターミナル１は、現金等を収納するためのドロワ２上に載置されており、このドロワ２の開閉を制御する。
【００１１】
また、ＰＯＳターミナル１は、キーボード３、モードスイッチ４、バーコードスキャナ５、キャッシャ用のタッチパネル式ディスプレイ６（以下、タッチパネル６と称す）、客用表示器７、プリンタ８、及びレシート発行口９を備える。
【００１２】
キーボード３は、数値データを置数するための置数キーの他、小計キー、預／現計キー、信計キー、取消キー、値引キー、クリアキー等を配置している。預／現計キーは、現金支払いによる１取引の登録終了を宣言する。信計キーは、クレジット払いによる１取引の登録終了を宣言する。預／現計キーや信計キー等は、締めキーと称される。取消キーは、直前に登録した商品販売データの取消を宣言する。値引キーは、直前に登録した商品の値引や小計値引を宣言する。
【００１３】
モードスイッチ４は、「登録」、「点検」、「精算」、「設定」等の各種業務モードを選択的に切換える。ここで、「登録」とはバーコードスキャナ５等により入力された商品コードで識別される商品の販売データを記憶部に売上登録処理し、且つ締めキーの操作により登録終了が宣言された取引の支払いデータを処理してレシートを発行する業務のモード、「点検」とは前記「登録」によって記憶部に売上登録処理された販売データの累計データを点検レポートとして出力する業務のモード、「精算」とは前記「点検」と同様に記憶部の累計データを精算レポートとして出力した後、この記憶部の内容をクリアする業務のモード、「設定」とは各種業務を実行するのに必要なデータを記憶部に予め設定しておく業務のモードである。
【００１４】
タッチパネル６及び客用表示器７は、売上登録処理された商品の商品名、販売点数及び販売金額や、１取引の合計金額、預かり金額、及び釣り銭金額などを表示する。
【００１５】
タッチパネル６に表示される登録画面６０の一例を図３に示す。登録画面６０は、直近の商品登録情報である商品名、販売点数及び販売金額が表示されるカレントエリア６ａと、１取引として登録処理された各商品の商品名、販売点数、単価、販売金額等が一覧表示される明細エリア６ｂと、１取引の合計金額、合計点数が表示される合計エリア６ｃとから構成される。
【００１６】
プリンタ８は、１取引の明細をレシート用紙及びジャーナル用紙に印字するもので、このプリンタ８によって印字されたレシート用紙がレシート発行口９から発行される。
【００１７】
＜ＰＯＳターミナル１の要部構成について＞
図２は、ＰＯＳターミナル１の要部構成を示すブロック図である。図示するようにＰＯＳターミナル１は、以下説明する各構成部を集中的に制御するＣＰＵ（中央処理装置）１１（Central Processing Unit）、このＣＰＵ１１を制御するコンピュータプログラムなど固定データを格納するＲＯＭ（Read Only Memory）、各種データを書き換え自在に格納するワークエリアとして機能し、商品販売データを売上登録処理するための記憶部を形成したＲＡＭ１３（Random Access Memory）、日時を計時する計時回路１４、通信インターフェース１５、Ｉ／Ｏポート１６、キーボードコントローラ１７、タッチパネルコントローラ１８、表示器コントローラ１９、及びプリンタコントローラ２０等で構成される制御部を備える。そして、ＣＰＵ１１、ＲＯＭ１２、ＲＡＭ１３、時計回路１４、通信インターフェース１５、Ｉ／Ｏポート１６、及び各コントローラ１７〜２０を、アドレスバス、データバス等のバスライン２１で接続して、制御回路を形成している。
【００１８】
ＣＰＵ１１は時計回路１４が計時した日時を確認する。そして、ＣＰＵ１１はその計時された日時を、レシート用紙などに印字させるよう制御する。またＣＰＵ１１は通信インターフェース１５を制御する。つまりＣＰＵ１１は、ネットワークを介して接続されたストアコンピュータ（不図示）とデータ通信をする通信インターフェース１５を制御する。ＣＰＵ１１はＩ／Ｏポート１６に、モードスイッチ４からの信号を入力させるよう制御する。また、ＣＰＵ１１はドロワ２を自動開放させるためのドロワ開放装置２ａに駆動信号を出力させるよう制御する。ＣＰＵ１１はキーボードコントローラ１７に、キーボード３を制御するよう命令し、操作入力されたキーに対応するキー信号を取込ませる。
【００１９】
更にＣＰＵ１１はタッチパネルコントローラ１８に対し、タッチパネル６に前述した登録画面等を表示させるよう命令する。また、ＣＰＵ１１はタッチパネル６にタッチ操作された画面上の位置信号を取り込ませるよう、タッチパネルコントローラ１８を制御する。ＣＰＵ１１は表示器コントローラ１９に客用表示器７の画面表示を制御するよう命令する。そしてＣＰＵ１１はプリンタコントローラ２０に対し、プリンタ９を制御させるよう命令し、また印字データに対応する文字等をレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させるよう命令する。
【００２０】
かかる構成のＰＯＳターミナル１は、図４に示すように、ＲＡＭ１３に、直前登録メモリ３１、取引バッファ３２、合計バッファ３３、編集バッファ３４、及びフラグメモリ３５を形成している。直前登録メモリ３１は、１取引の商品登録として入力された直近の商品コードと、その商品コードで識別される商品の商品名、販売点数（数量）、単価、値引金額（値引）、販売金額（金額）及び値引対象フラグ（フラグ）の各データを一時的に記憶する。そして、この直前登録メモリ３１に一時的に記憶されたデータが、上記説明したカレントエリア６ａに表示される。
【００２１】
取引バッファ３２は、１取引として登録された全ての商品の販売データとして商品コード、商品名、販売点数、単価、値引金額、販売金額及び値引対象フラグの各データをレコードＮｏ．順に記憶する。そして、この取引バッファ３２に格納されたデータが、上記説明した明細エリア６ｂに表示される。また値引対象フラグは、対応する商品コードによって識別される商品が値引を許容する商品のとき”１”にセットされる。
【００２２】
合計バッファ３３は、取引バッファ３２に記憶された販売点数の合計値及び販売金額の合計値に、直前登録メモリ３１に一時的に記憶された販売点数及び販売金額をそれぞれ加算した、その販売店数の合計値及び販売金額の加算結果に税率を乗算した値を記憶する。そして、この合計エリア６ｃに記憶されたデータが、上記説明した合計エリア６ｃに表示される。
【００２３】
そして、編集バッファ３４は上記取引バッファ３２に格納された商品データを編集可能な状態で一時的に記憶する。そして、この編集バッファ３４に一時的に記憶されたデータが、後述するタッチパネル６の登録画面６０上にＰＯＰＵＰ表示される。
【００２４】
フラグメモリ３５は、登録中フラグや小計フラグを記憶する。
【００２５】
しかして、ＣＰＵ１１は、モードスイッチ４により「登録」業務が選択された状態で、バーコードリーダ１０によるスキャニング操作又はキーボード３の置数キー操作により商品コードが入力されると、図５の流れ図に示す商品登録処理を実行する。この処理は、ＲＯＭ１２内の制御プログラムによって制御される。
【００２６】
商品コードが入力されると、ＣＰＵ１１は、先ず、フラグメモリ３５に登録中フラグＦがセットされているか否かを確認する（ＳＴ０）。登録中フラグＦがセットされていなければ（ＳＴ０、ＮＯ）、１取引における１点目の商品登録なので、ＣＰＵ１１はカウントｎの値をゼロとしつつ（ＳＴ１）、取引バッファ３２をクリアする（ＳＴ２）。ここで、カウントｎとは、商品コードに応じた商品情報が順次取引バッファ３２に格納される際に使用される値である。つまり、ＣＰＵ１１内のカウントｎ（ｎは自然数）の値に応じて、この商品情報がレコードＮｏ．順に取引バッファ３２に格納される。そしてフラグメモリ３５に登録中フラグＦをセットする（ＳＴ３）。
【００２７】
次に、ＣＰＵ１１は入力された商品コードで商品マスタを検索し、該当する商品名、単価、及び値引対象フラグＦの商品設定データを取得する（ＳＴ７）。商品マスタは、予めストアコンピュータからＲＡＭ１３にダウンロードされている。ＣＰＵ１１は、読み出した単価に販売点数（商品コードの入力直前に乗数が置数されていた場合にはその乗数、置数されていない場合には１）を乗算して販売金額を算出し、この商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額、及び値引対象フラグを直前登録バッファ３１に格納する（ＳＴ８）。しかる後、タッチパネルコントローラ１８及び表示器コントローラ１９に表示命令を出力する（ＳＴ９）。これにより、タッチパネル６のカレントエリア６ａに、直前登録バッファ３１内の商品名、販売点数及び販売金額が表示される。
【００２８】
一方、ステップＳＴ０において登録中フラグＦが‘１’にセットされていたならば、２点目以降の商品登録なので、ＣＰＵ１１は、カウントｎを“１”だけカウントアップする（ＳＴ４）。そして、取引バッファ３２のレコードＮｏ．ｎエリアに、直前登録バッファ３１のデータを書込む（ＳＴ５）。また、タッチパネルコントローラ１８及び表示器コントローラ１９に表示命令を出力する（ＳＴ６）。これにより、タッチパネル６の明細エリア６ｂに、取引バッファ３２内の商品コード、商品名、販売点数、単価、販売金額等がレコードＮｏ．順に表示される。また、タッチパネル６の合計エリア６ｃに、合計バッファ３３の販売点数の合計値（合計点数）と販売金額の合計値（合計金額）とが表示される。その後、前述したステップＳＴ７〜ＳＴ９の処理を実行する。
【００２９】
ＣＰＵ１１は、商品コードが入力される毎に、上記ＳＴ１〜ＳＴ９の処理を実行する。そして、ＳＴ９の処理の後で、取消キーが入力されると、ＣＰＵ１１は、直前取引バッファ３１のデータをクリアする。その結果、合計バッファ３３が記憶するデータは、上記直前取引バッファ３１のデータが差し引かれた値とされる。また、値引キーが入力された場合には、直前取引バッファ３１の値引対象フラグをチェックする。値引対象フラグが”１”にセットされていない場合には、当該商品は値引が許容されていないので、キー入力をエラーとする。これに対し、値引対象フラグが“１”にセットされていた場合には値引が許容されているので、値引額の入力を受け付ける。そして、置数キーにより値引額が入力された場合には、その値引金額を直前登録バッファ３１で記憶する。また、直前登録バッファ３１の販売金額を値引金額分だけ減算した値に更新する。また直前登録バッファ３１が記憶する値の更新に伴い合計バッファ３３のデータも更新される。
【００３０】
一方、小計キーが入力された場合には、ＣＰＵ１１は、図６に具体的に示す小計処理を実行する。この処理は、ＲＯＭ１２内の制御プログラムによって制御される。
【００３１】
すなわち、小計キーが入力されたことをキーボードコントローラ１７から通知されると、ＣＰＵ１１はフラグメモリ３５をチェックする（ＳＴ２０）。ここで、フラグメモリ３５に登録中フラグがセットされていたならば（ＳＴ２０、ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１はステップＳＴ２１〜ＳＴ２２として前記ステップＳＴ４〜ＳＴ６と同一の処理を実行する。その後、ＣＰＵ１１はタッチパネル６の登録画面６０上に１取引分における販売点数の合計値（合計点数）と販売金額の合計値（合計金額）とを表示させる（ＳＴ２３）。また、ＣＰＵ１１は客用表示器７上にも同様に販売点数の合計値（合計点数）と販売金額の合計値（合計金額）とを表示させる。
【００３２】
しかる後、ＣＰＵ１１は、フラグメモリ３５に小計フラグをセットする（ＳＴ２４）。なお、ステップＳＴ２０において、フラグメモリ３５に登録中フラグがセットされていない場合には（ＳＴ２０、ＮＯ）、ＣＰＵ１１はエラーを返す。
【００３３】
また、締めキーが入力された場合、ＣＰＵ１１は、図７に示す締め処理を実行する。この処理は、ＲＯＭ１２内の制御プログラムによって制御される。
【００３４】
すなわち、締めキーが入力された際、フラグメモリ３５に小計フラグがセットされていたならば（ＳＴ３０、ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、釣銭演算を行い、タッチパネル６と客用表示器７にそれぞれ釣銭金額を表示させる（ＳＴ３１）。また、ＣＰＵ１１は取引バッファ３２の内容に基づいてレシート印字データを作成し、このレシート印字データをプリンタ８に印字させる（ＳＴ３２）。さらに、ＣＰＵ１１はＩ／Ｏポート１５を介してドロワ開放装置２ａにドロワ２を開放させる（ＳＴ３３）。最後にＣＰＵ１１はフラグメモリ３５の登録中フラグ及び小計フラグをリセットして、１取引処理を終了する（ＳＴ３４）。なお、ステップＳＴ３０において、フラグメモリ３４に小計フラグがセットされていない場合には（ＳＴ３０、ＮＯ）、終了する。
【００３５】
また、タッチパネル６がタッチ操作されると、ＣＰＵ１１は、図８に具体的に示す編集を実行する。この処理は、ＲＯＭ１２内の制御プログラムによって制御される。
【００３６】
すなわち、タッチ操作があったことをタッチパネルコントローラ１８から通知されると、ＣＰＵ１１は、フラグメモリ３５をチェックする（ＳＴ４０）。ここで、フラグメモリ３５に登録中フラグがセットされていたならば（ＳＴ４０、ＹＥＳ）、タッチパネル６に登録画面６０が表示されているので、ＣＰＵ１１は、タッチ操作された領域が登録画面６０の明細エリア６ｂか否かを判断する（ＳＴ４１）。明細エリア６ｂに対しタッチされた場合には（ＳＴ４１、ＹＥＳ）、ＣＰＵ１１は、タッチされた明細エリア６ｂのレコードＮｏ．ｋを認識する（ＳＴ４２：商品選択手段）。
【００３７】
レコードＮｏ．ｋを認識できたならば、ＣＰＵ１１は、取引バッファ３２からレコードＮｏ．ｋの商品販売データを読み出す（ＳＴ４３：読出手段）。そして、この商品販売データの編集画面７０を作成し、この編集画面７０をタッチパネル６の登録画面６０上にＰＯＰＵＰ表示させる（ＳＴ４４：編集受付手段）。
【００３８】
編集画面７０の一例を図９に示す。
【００３９】
編集画面７０には、商品名エリア７１、数量エリア７２、単価エリア７３、値引エリア７４及び金額エリア７５と、取消ボタン７６、売変ボタン７７、数量変更ボタン７８、値引ボタン７９及びキャンセルボタン８０とが形成されている。そして、レコードＮｏ．ｋの商品販売データの商品名、販売点数、単価、値引金額及び販売金額が、それぞれ各エリア７１〜７５に表示される。
【００４０】
この状態で、ＣＰＵ１１は、再びタッチパネル６がタッチ操作されるのを待機する（ＳＴ４５）。ここで、タッチ操作があったことをタッチパネルコントローラ１８から通知されると、ＣＰＵ１１は、そのタッチ位置に応じた販売データ編集処理を実行し、その編集された値は取引バッファ３１の該当箇所、すなわちレコードＮｏ．ｋの商品販売データに上書きする（ＳＴ４６：更新手段）。
【００４１】
この販売データ編集処理について具体的に説明する。
タッチ位置が数量エリア７２又は数量変更ボタン７８であった場合、レコードＮｏ．ｋの商品販売データの販売点数を、置数キーにより置数入力された数値に変更する。また、当該商品販売データの金額を単価に変更後の販売点数を乗算し、さらに値引額を減算した値に変更する。
【００４２】
タッチ位置が単価エリア７３又は売変ボタン７７であった場合、レコードＮｏ．ｋの商品販売データの単価を、置数キーにより置数入力された数値に変更する。また、当該商品販売データの金額を変更後の単価に販売点数を乗算し、さらに値引額を減算した値に変更する。
【００４３】
タッチ位置が値引エリア７４又は値引ボタン７９であった場合、レコードＮｏ．ｋの商品販売データにおける値引対象フラグをチェックする。そして、値引対象フラグがセットされている場合に限り、当該商品販売データの値引金額を、置数キーにより置数入力された数値に変更する。また、当該商品販売データの金額を変更後の値引額を減算した値に変更する。
【００４４】
タッチ位置が取消ボタン７６であった場合は、取引バッファ３２からレコードＮｏ．ｋの商品販売データを削除する。また、登録画面６０の合計エリア６ｃに表示されている合計点数と合計金額を、削除した商品販売データの分だけ減算する。
【００４５】
そして金額エリア７５には、上記数量変更、単価変更、及び値引き額変更に基づいた値を表示する。
【００４６】
なお、タッチ位置がキャンセルボタン８０であった場合は、上述したような販売データ編集処理を行わない。しかる後、ＣＰＵ１１は、編集画面８０を消去する（ＳＴ４７）。
【００４７】
このように本実施形態のＰＯＳターミナル１においては、登録画面６０のカレントエリア６ａに表示されている直前に登録された商品の販売データのみならず、明細エリア６ｂに表示されている登録が確定された商品販売データについても、取消、売変及び値引の編集処理を実行することができる。
【００４８】
しかも、明細エリア６ｂ内の編集対象の商品販売データが表示されている領域をタッチ操作するだけで、この編集対象の商品販売データを選択することができる上、編集画面８０がＰＯＰＵＰ表示されて、この画面上で商品販売データの編集作業を行うことができるので、操作が極めて簡便である。
【００４９】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【００５０】
例えば、前記実施形態では、編集画面８０を登録画面６０の上に重ねてＰＯＰＵＰ表示させたが、登録画面６０を一旦消去して編集画面８０を表示させ、編集処理を終えたならば、登録画面６０を再表示させてもよい。
【００５１】
また、前記実施形態では、データ編集処理の一例として値引を示したが、一定の割合で価格を割り引く割引にも、値引金額の代わりに割引率を入力する仕組みとすることで、同様に対応することができる。
【００５２】
また、前記実施形態では装置内部に発明を実施する機能を実現するための制御プログラムが予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の制御プログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、ＣＤ−ＲＯＭ等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のＯＳ（オペレーティング・システム）等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【００５３】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
（付記１）
表示器と、１取引として売上登録される各商品の販売データを蓄積記憶する取引記憶部とを備え、前記取引記憶部に記憶された各商品販売データに基づいて１取引の内容を示す登録画面を前記表示器に表示させる商品販売データ処理装置において、
前記取引記憶部に販売データが記憶された各商品の中からいずれかの商品の選択を受付ける商品選択手段と、
前記商品選択手段により選択された商品の販売データを前記取引記憶部から読み出す読出手段と、
前記読出手段により前記取引記憶部から読み出した前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段と、
前記編集画面に表示された前記販売データが編集されると、前記商品選択手段により選択された商品の販売データを編集後のデータに更新する更新手段と、
を具備し、前記登録画面は、前記取引記憶部に前記販売データが記憶された各商品の一覧を表示する明細エリアを含み、
前記商品選択手段は、前記明細エリアに表示された各商品の一覧の中から指定入力された商品を選択された商品として受付けることを特徴とする商品販売データ処理装置。
（付記２）
表示器と、１取引として売上登録される各商品の販売データを蓄積記憶する取引記憶部とを備え、前記取引記憶部に記憶された各商品販売データに基づいて１取引の内容を示す登録画面を前記表示器に表示させる商品販売データ処理装置を、
前記取引記憶部に販売データが記憶された各商品の中からいずれかの商品の選択を受付ける商品選択手段、
前記商品選択手段により選択された商品の販売データを前記取引記憶部から読み出す読出手段、
前記読出手段により前記取引記憶部から読み出した前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段、及び
前記編集画面に表示された前記販売データが編集されると、前記商品選択手段により選択された商品の販売データを編集後のデータに更新する更新手段として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【００５４】
１…ＰＯＳターミナル、３…キーボード、４…モードスイッチ、５…バーコードスキャナ、６…タッチパネル、７…客用表示器、８…プリンタ、１１…ＣＰＵ（中央処理装置）、３１…直前登録バッファ，３２…取引バッファ、３３…合計バッファ、３４…編集バッファ、３５…フラグメモリ、６０…登録画面、７０…編集画面。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
１取引として売上登録される各商品の販売データを順次取得して蓄積記憶する取引記憶部と、
前記取引記憶部に記憶された前記各商品の販売データに基づいて１取引の内容を常時、且つ前記各商品の販売データの取得順序にて登録画面に表示する表示部と、
前記取引記憶部が前記各商品の販売データを取得したタイミングで、前記表示部に、前記販売データを表示させる同期表示手段と、
前記表示手段によって前記登録画面に表示された前記販売データを、前記取引記憶部が前記販売データを取得した順に表示させる順次表示手段と、
前記登録画面上に表示された前記販売データが選択されると、前記取引記憶部から前記販売データを読み出し、前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段と
を具備し、前記登録画面は、前記順次表示手段によって前記販売データが一覧表示される明細エリアを含むことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項２】
前記表示器は、前記登録画面の少なくとも前記明細エリアが表示される領域をタッチパネルとしたことを特徴とする請求項１記載の商品販売データ処理装置。
【請求項３】
前記明細エリアは、前記各商品の販売データの販売点数、販売金額、及び値引を表示する領域を備え、
前記明細エリアにて、前記各商品の販売データの販売点数、販売金額、及び値引のうちいずれかの変更を受け付けると、前記各商品の販売データを編集する編集画面を表示させることを特徴とする請求項２記載の商品販売データ処理装置。
【請求項４】
各商品の販売データは、当該商品が値引又は割引の変更を許容する商品であるか否かを識別するフラグデータを含み、
前記編集受付手段は、前記商品選択手段により選択された商品が値引又は割引の編集を許容する商品であるときのみ販売金額の変更を受付けることを特徴とする請求項３記載の商品販売データ処理装置。
【請求項５】
表示器と、１取引として売上登録される各商品の販売データを順次取得して蓄積記憶する取引記憶部と、を備え、前記取引記憶部に記憶された前記各商品の販売データに基づいて１取引の内容を常時、且つ前記各商品の販売データの取得順序にて登録画面に表示させる商品販売データ処理装置を、
前記取引記憶部に前記各商品の販売データを取得したタイミングで、前記表示部に、前記販売データを表示させる同期表示手段、
前記表示手段によって前記登録画面に表示された前記販売データを、前記取引記憶部が前記販売データを取得した順に表示させる順次表示手段、及び
前記登録画面上に表示された前記販売データが選択されると、前記取引記憶部から前記販売データを読み出し、前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項１】
１取引として売上登録される各商品の販売データを順次取得して蓄積記憶する取引記憶部と、
前記取引記憶部に記憶された前記各商品の販売データに基づいて１取引の内容を常時、且つ前記各商品の販売データの取得順序にて登録画面に表示する表示部と、
前記取引記憶部が前記各商品の販売データを取得したタイミングで、前記表示部に、前記販売データを表示させる同期表示手段と、
前記表示手段によって前記登録画面に表示された前記販売データを、前記取引記憶部が前記販売データを取得した順に表示させる順次表示手段と、
前記登録画面上に表示された前記販売データが選択されると、前記取引記憶部から前記販売データを読み出し、前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段と
を具備し、前記登録画面は、前記順次表示手段によって前記販売データが一覧表示される明細エリアを含むことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項２】
前記表示器は、前記登録画面の少なくとも前記明細エリアが表示される領域をタッチパネルとしたことを特徴とする請求項１記載の商品販売データ処理装置。
【請求項３】
前記明細エリアは、前記各商品の販売データの販売点数、販売金額、及び値引を表示する領域を備え、
前記明細エリアにて、前記各商品の販売データの販売点数、販売金額、及び値引のうちいずれかの変更を受け付けると、前記各商品の販売データを編集する編集画面を表示させることを特徴とする請求項２記載の商品販売データ処理装置。
【請求項４】
各商品の販売データは、当該商品が値引又は割引の変更を許容する商品であるか否かを識別するフラグデータを含み、
前記編集受付手段は、前記商品選択手段により選択された商品が値引又は割引の編集を許容する商品であるときのみ販売金額の変更を受付けることを特徴とする請求項３記載の商品販売データ処理装置。
【請求項５】
表示器と、１取引として売上登録される各商品の販売データを順次取得して蓄積記憶する取引記憶部と、を備え、前記取引記憶部に記憶された前記各商品の販売データに基づいて１取引の内容を常時、且つ前記各商品の販売データの取得順序にて登録画面に表示させる商品販売データ処理装置を、
前記取引記憶部に前記各商品の販売データを取得したタイミングで、前記表示部に、前記販売データを表示させる同期表示手段、
前記表示手段によって前記登録画面に表示された前記販売データを、前記取引記憶部が前記販売データを取得した順に表示させる順次表示手段、及び
前記登録画面上に表示された前記販売データが選択されると、前記取引記憶部から前記販売データを読み出し、前記販売データの編集画面を前記表示器に表示させて当該販売データの編集を受け付ける編集受付手段として機能させるための制御プログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１１−２２７９３８（Ｐ２０１１−２２７９３８Ａ）
【公開日】平成２３年１１月１０日（２０１１．１１．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１７８３２６（Ｐ２０１１−１７８３２６）
【出願日】平成２３年８月１７日（２０１１．８．１７）
【分割の表示】特願２００９−１６９１７６（Ｐ２００９−１６９１７６）の分割
【原出願日】平成２１年７月１７日（２００９．７．１７）
【出願人】（０００００３５６２）東芝テック株式会社 (5,631)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１１月１０日（２０１１．１１．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年８月１７日（２０１１．８．１７）
【分割の表示】特願２００９−１６９１７６（Ｐ２００９−１６９１７６）の分割
【原出願日】平成２１年７月１７日（２００９．７．１７）
【出願人】（０００００３５６２）東芝テック株式会社 (5,631)
【Ｆターム（参考）】
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