説明

商品販売データ処理装置及びプログラム

【課題】エラーの対処方法を分かりやすくユーザへ知らしめることを可能とする。
【解決手段】ECR1は、エラー検出手段と、記録手段と、設定手段と、報知手段と、を備える。エラー検出手段は、記憶する商品販売データをバックアップする際のエラーの発生を検出する。記録手段は、検出されたエラーを示すエラー情報を記録する。設定手段は、業務モードを設定する。報知手段は、設定手段で設定された業務モードにおける所定の動作を実行する際に、記録手段に記録されたエラー情報に応じて、予め設定されたエラーの対処方法を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point Of Sale)端末やECR(電子レジスタ)などの商品販売データ処理装置では、登録された売上データや設定データなどの各種データのバックアップを行っており、このバックアップにエラーが生じた場合はショートトーンなどの警告音でエラーの発生を店員などのユーザに通知している。そして、警告音による通知を受けたユーザは、ヘルプキーなどのキー操作によりレシートに印字される対処方法や取扱説明書に記載された対処方法に従って、発生したエラーの対処をしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の商品販売データ処理装置では、警告音でエラーの発生をユーザに通知した際に、ヘルプキーなどのキー操作を行う、又は取扱説明書を見るなどして、発生したエラーの対処方法をユーザが調べなければならず、エラーの対処方法が分かりにくい場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明の実施形態における商品販売データ処理装置は、エラー検出手段と、記録手段と、設定手段と、報知手段と、を備えることを特徴とする。エラー検出手段は、記憶する商品販売データをバックアップする際のエラーの発生を検出する。記録手段は、検出されたエラーを示すエラー情報を記録する。設定手段は、業務モードを設定する。報知手段は、設定手段で設定された業務モードにおける所定の動作を実行する際に、記録手段に記録されたエラー情報に応じて、予め設定されたエラーの対処方法を報知する。
【0005】
また、本発明の実施形態におけるプログラムは、商品販売データ処理装置のコンピュータに、エラー検出ステップと、記録ステップと、設定ステップと、報知ステップと、を実行させることを特徴とする。エラー検出ステップは、記憶する商品販売データをバックアップする際のエラーの発生を検出する。記録ステップは、検出されたエラーを示すエラー情報を記録手段へ記録する。設定ステップは、業務モードを設定する。報知ステップは、設定手段で設定された業務モードにおける所定の動作を実行する際に、記録手段に記録されたエラー情報に応じて、予め設定されたエラーの対処方法を報知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、ECRによるシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、ECRのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、ECRの動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、バックアップデータチェック処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、バックアップデータ更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、バックアップエラーチェック処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、レシート用紙への印字例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、ECRを例に本実施形態にかかる商品販売データ処理装置及びプログラムを説明する。なお、商品販売データ処理装置は、取引にかかる商品を売上データとして登録する登録処理や、登録された商品の精算処理等の商品販売にかかるデータ処理を行う情報機器であり、本実施形態として例示するECRの他にPOS端末などであってもよい。
【0008】
図1は、ECRによるシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態のシステム構成では、ECR(M)1A、ECR(BM)1B及び複数のECR(S)1CがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続される。ECR(M)1Aは、システム上でマスター(M)機として機能し、システム上のECRが保持する商品販売データ(以下、売上データ)や設定データなどの各種データのマスターデータを管理する。ECR(BM)1Bは、システム上でバックアップマスター(BM)機として機能し、ECR(M)1Aが保持するマスターデータをバックアップしている。すなわち、ECR(BM)1Bは、データのバックアップについてはECR(M)1Aの上位装置として機能する。ECR(S)1Cは、システム上でサテライト(S)機として機能し、ECR(M)1Aのマスターデータによる各種設定や、自機に登録された売上データをECR(M)1Aへ通知してマスターデータへ登録する。
【0009】
なお、上述したECR(M)1A、ECR(BM)1B、ECR(S)1Cとしての機能は、すべてのECRが保有するものであり、システム構築時などに機能の選択設定を行うことで実現されてよい。以下の説明において、特に機能などの区別をしない場合は、ECR(M)1A、ECR(BM)1B及びECR(S)1Cを単にECR1と呼ぶ。
【0010】
図2は、ECR1のハードウエア構成を示すブロック図である。図2に示すように、ECR1は、CPU10(Central Processing Unit)と、ROM11(Read Only Memory)と、RAM12(Random Access Memory)と、時計部13と、通信I/F14と、I/O15(Input/Output)と、キーボードコントローラ16と、表示コントローラ17、18と、プリンタコントローラ19と、スキャナコントローラ20と、記憶部21とを備え、これらがアドレスバス、データバスなどのバス22で接続されている。
【0011】
CPU10は、ROM11に記憶された各種プログラムを実行することにより、ECR1全体を制御する。ROM11は、CPU10が実行する各種プログラムや、INIファイル111、バーコードデータ113などの各種データを記憶する。なお、ROM11はCPU10が電源投入時などに実行する初期動作用のプログラムのみを記憶し、他のプログラムやINIファイル111、バーコードデータ113などの各種データは、記憶部21などに記憶してもよい。INIファイル111は、POS端末1の初期設定などの設定情報を記憶する。バーコードデータ113は、スキャナ9により読み取られるバーコードと、取扱商品との関連を示すデータであり、例えばバーコードで特定される商品の商品名、売価などの商品情報が格納されている。RAM12は、CPU10が各種プログラムを実行する際の作業領域として使用される。時計部13は、現在の日時を計時する。通信I/F14は、通信ネットワークNTを介して行うデータ通信を制御する。
【0012】
I/O15は、モードSW4からのモード選択信号を入力してCPU10へ出力する。また、I/O15は、CPU10の制御の下、音声を出力するための駆動信号を音声出力部2aへ出力する。また、I/O15は、CPU10の制御の下、ドロワ(図示しない)を自動開放させる駆動信号をドロワ開放装置2bへ出力する。キーボードコントローラ16は、キーボード3から操作キーに対応したキー信号を取込みCPU10に通知する。表示コントローラ17は、オペレータ用ディスプレイ5の駆動を制御してCPU10から与えられる表示データに対応した文字等を表示させる。表示コントローラ18は、客用ディスプレイ6の駆動を制御してCPU10から供給される表示データに対応した文字や画像等を表示させる。プリンタコントローラ19は、R/Jプリンタ7の駆動を制御してCPU10から供給される印字データをもとにレシート印字及びジャーナル印字を行わせる。スキャナコントローラ20は、スキャナ9で読取られたデータの信号を取込みCPU10に入力する。記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)など、データの読み書き自在なストレージである。記憶部21は、売上データや設定データなどの各種データを保存する。
【0013】
なお、ECR(M)1Aの場合、記憶部21にはシステム上で登録された売上データや設定データなどのマスターデータが保存される。また、ECR(BM)1Bの場合、記憶部21にはECR(M)1Aのマスターデータをそのままコピーしたバックアップデータが保存される。マスターデータ及びバックアップデータには、改訂が行われた際に割り当てられた改訂番号や改訂が行われた日時などのバージョンを示すバージョンデータが付与されている。マスターデータと、バックアップデータとは、バージョンデータが同一であるか否かを比較することで、同一のバージョンのデータ(記録された内容が同一のデータ)であるかを判定できる。
【0014】
音声出力部2aは、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。ドロワ開放装置2bは、ドロワの開閉を行うためのソレノイドなどのアクチュエータであり、駆動信号に応じてアクチュエータに電力が供給されることで、ドロワの開閉を行う。キーボード3には、ユーザ(店員)が操作入力を行うための各種操作キーが配置されている。モードSW4は、「登録」、「点検」、「精算」、「設定」などの各種業務モード(動作モード)を選択するためのスイッチで、例えば鍵にて操作される。因みに、「登録」とは、商品の販売記録を示す売上データを生成して記憶することにより売上登録を行い、また売上登録の終了が宣言された1商取引の代金精算を処理してレシートを発行する業務の動作モードである。「点検」とは、記憶された各商品の販売データを集計しレポート出力する業務の動作モードである。「精算」とは、「点検」と同様に記憶された各商品の販売データを集計しレポート出力した後、記憶された販売データをクリアする業務の動作モードである。「設定」とは、各種業務を実行する上で必要なデータを予め設定して記憶するための業務の動作モードである。オペレータ用ディスプレイ5及び客用ディスプレイ6は、販売登録された商品の品名、価格や、販売登録の終了が宣言された1商取引の合計金額、釣銭額などの各種情報を表示するもので、液晶カラーディスプレイ等が用いられている。オペレータ用ディスプレイ5はオペレータ向けに各種情報を表示し、客用ディスプレイ6は客向けに各種情報を表示する。R/Jプリンタ7は、スキャナコントローラ20の制御の下でレシート及びジャーナルを印字するプリンタ装置である。スキャナ9は、商品などに添付されたバーコードを読み取るための光学スキャナ装置などである。
【0015】
次に、ECRの動作の一例として、ECR(M)1Aの動作を詳細に説明する。図3は、ECR1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0016】
図3に示すように、ECR(M)1AのCPU10は、時計部13により計時された時刻をもとに、予め設定された所定の時間が経過したか否かを判定する(S1)。所定の時間が経過した場合(S1:YES)、ECR(M)1AのCPU10は、バックアップデータチェック処理を行う(S2)。
【0017】
図4は、バックアップデータチェック処理の一例を示すフローチャートである。図4に示すように、バックアップデータチェック処理が開始されると、ECR(M)1AのCPU10は、通信I/F14を介して接続するECR(BM)1Bに対して、バックアップデータのバージョンを示すバージョンデータを要求する(S21)。次いで、ECR(M)1AのCPU10は、ECR(BM)1Bから送られてきたバージョンデータと、自身のマスターデータにおけるバージョンデータとを比較する(S22)。次いで、ECR(M)1AのCPU10は、S22におけるバージョンデータの比較により、ECR(BM)1Bのバックアップデータと、自身のマスターデータとのバージョンが異なるか否かを判定する(S23)。バージョンが異なる場合(S23:YES)、ECR(M)1AのCPU10は、バックアップが正しく行われなかったエラーを示すバックアップエラーフラグをオンにする(S24)。
【0018】
このバックアップエラーフラグは、RAM12の作業領域において、各種エラーの発生時にそのエラーの種別ごとに記録されるエラーフラグ(エラー情報)の一つである。他のエラーフラグとしては、R/Jプリンタ7において発生した用紙詰まりや印字不良などの発生時におけるプリンタエラーを示すプリンタエラーフラグ、通信I/F14を介した接続機器との通信不良(応答なしなど)の発生時における通信エラーを示す通信エラーフラグなどがあってよい。
【0019】
上述したように、エラー検出手段としてのCPU10は、バックアップデータとマスターデータにおけるバージョンを比較することで、例えばバックアップデータの更新時にノイズが入り込むなどして正しく更新されず、マスターデータとバックアップデータとの整合性が保たれていない、バックアップエラーの発生を検出する。そして、記録手段としてのCPU10は、検出されたバックアップエラーを示すバックアップエラーフラグをオンにしてRAM12への記録を行う。なお、バージョンが一致する場合(S23:NO)は、バックアップエラーが発生していないことから、バックアップエラーフラグをオンにすることなく、バックアップデータチェック処理を終える。
【0020】
図3に戻り、ECR(M)1Aの動作の続きを説明する。ECR(M)1AのCPU10は、設定手段としてのモードSW4による動作モードの選択操作が行われたか否かを判定する(S3)。動作モードの選択操作が行われた場合(S3:YES)、ECR(M)1AのCPU10は、選択された動作モードの処理を開始する(S4)。具体的には、前述した「登録」、「点検」、「精算」、「設定」のいずれかの中で、モードSW4により選択された動作モードの処理が開始される。
【0021】
次いで、ECR(M)1AのCPU10は、記憶部21に登録された設定データ、売上データ等のマスターデータの変更があるか否かを判定する(S5)。マスターデータに変更がある場合(S5:YES)、ECR(M)1AのCPU10は、バックアップデータ更新処理を行う(S6)。このマスターデータの変更は、例えばS4により開始された動作モードが「設定」である際にキーボード3による操作などに応じて行われる設定データの変更がある。また、S4により開始された動作モードが「設定」である際に登録された新たな売上データや、通信I/F14を介して受信したECR(BM)1BやECR(S)1Cでの新たな売上データなどによる変更もある。CPU10では、S5において、上述した新たな売上データの登録や設定データの変更の有無を監視して、マスターデータの変更の有無を判定している。
【0022】
図5は、バックアップデータ更新処理の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、バックアップデータ更新処理が開始されると、ECR(M)1AのCPU10は、通信I/F14を介して接続するECR(BM)1Bに対して、マスターデータをコピーしたバックアップデータを送信する(S61)。次いで、ECR(M)1AのCPU10は、バックアップデータの送信に対するECR(BM)1Bからの応答を通信I/F14を介して受信する(S62)。ECR(BM)1Bからの応答は、バックアップデータの正常受信を示すACK信号や、バックアップデータの記憶部21への記録が成功したこと、又は記憶部21への記録が失敗したことを示す情報などであってよい。
【0023】
次いで、ECR(M)1AのCPU10は、ECR(BM)1Bからの応答をもとに、ECR(BM)1Bでのバックアップが正常に行われたか否かを判定する(S63)。具体的には、上述したACK信号の受信がなかった場合や、記憶部21への記録が失敗したことを示す情報を受信した場合には、バックアップデータの送信時に通信途絶などが生じたため、バックアップが正常に行われなかったものと判定される。また、ACK信号の受信があった場合や、記憶部21への記録が成功したことを示す情報を受信した場合には、バックアップが正常に行われたものと判定される。
【0024】
バックアップが正常に行われなかった場合(S63:NO)、ECR(M)1AのCPU10は、バックアップエラーフラグをオンにして(S64)、バックアップデータ更新処理を終える。なお、バックアップが正常に行われた場合(S63:YES)は、バックアップデータの更新時にバックアップエラーが発生していないことから、バックアップエラーフラグをオンにすることなく、バックアップデータ更新処理を終える。
【0025】
図3に戻り、ECR(M)1Aの動作の続きを説明する。ECR(M)1AのCPU10は、R/Jプリンタ7によるレシートへの印字があるか否か、すなわちレシートなどの用紙への印字動作の有無を判定する(S7)。レシートへの印字としては、売上などを記録したジャーナルの印字や、設定変更などを行った際の設定内容の印字などがある。レシートへの印字がある場合(S7:YES)、ECR(M)1AのCPU10は、バックアップエラーチェック処理を行う(S8)。レシートへの印字がない場合(S7:NO)、ECR(M)1AのCPU10はバックアップエラーチェック処理を行うことなくS9へ処理を進める。
【0026】
図6は、バックアップエラーチェック処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、バックアップエラーチェック処理が開始されると、ECR(M)1AのCPU10は、RAM12に記録されたバックアップエラーフラグがオンであるか否かを判定する(S81)。バックアップエラーフラグがオンでない場合(S81:NO)、ECR(M)1AのCPU10は、そのままバックアップエラーチェック処理を終える。
【0027】
バックアップエラーフラグがオンである場合(S81:YES)、報知手段としてのECR(M)1AのCPU10は、バックアップエラーが発生していることを、音声出力部2aによる警告音などの音声でユーザに報知する(S82)。これにより、ユーザは、バックアップエラーが発生していることを音声で確認できる。次いで、報知手段としてのECR(M)1AのCPU10は、記憶部21などに予め記憶されたバックアップエラーの対処方法に関するデータを読み出して、R/Jプリンタ7によりレシートへバックアップエラーの対処方法を印字して(S83)、バックアップエラーチェック処理を終える。
【0028】
図7は、レシート用紙Rへの印字例を示す図である。より具体的には、S83におけるレシート用紙Rへの印字例を示す図である。図7に示すように、S83におけるレシート用紙Rへの印字内容には、バックアップエラーの対処方法としての具体的な対処方法の他に、「バックアップマスター機へのデータ更新処理が正しく行われていません。」等のエラー内容や、対処時における注意事項が含まれてよい。ユーザは、レシート用紙Rによる報知を確認することで、ヘルプキーなどのキー操作を行う、又は取扱説明書を見るなどして、発生したバックアップエラーの対処方法を調べる必要がない。
【0029】
図3に戻り、ECR(M)1Aの動作の続きを説明する。ECR(M)1AのCPU10は、業務の終了の有無、すなわち、S4で開始された動作モードにかかる処理の終了の有無を判定する(S9)。具体的には、S4で開始された「登録」、「点検」、「精算」、「設定」などの各種業務モードが、モードSW4の操作により「切」とされたか否かを判定している。業務を終了しない場合(S9:NO)、ECR(M)1AのCPU10は、S1へ処理を戻し、S4で動作モードが開始されている場合はその動作モードの処理を継続する。
【0030】
業務を終了する場合(S9:YES)、ECR(M)1AのCPU10は、S4で動作モードが開始されている場合はその動作モードによる業務の終了動作(例えばR/Jプリンタ7によるロングレシート発行など)と(S10)、前述したS8と同様のバックアップエラーチェック処理を行い(S11)、処理を終了する。
【0031】
以上のように、ECR(M)1Aでは、所定の動作(「登録」、「点検」、「精算」、「設定」などの業務の終了動作、ジャーナルや設定内容をレシートへ印字する印字動作)を行う際に、バックアップエラーフラグがオンであることに応じて、ECR(M)1Aで発生しているバックアップエラーへの対処方法をレシートへ印字してユーザへ報知する。このため、ユーザは、バックアップエラーが発生している際に、ヘルプキーなどのキー操作を行う、又は取扱説明書を見るなどして、発生したバックアップエラーの対処方法を調べる必要がなく、所定の動作が実行される際にレシートに印字される対処方法を確認すればよい。エラーの対処方法が報知される所定の動作が、「登録」、「点検」、「精算」、「設定」などの業務の終了動作や、レシートへの印字動作などであり、ユーザがECR(M)1Aを使用している際に実行される動作であることから、ユーザへ確実に対処方法を知らしめることができる。
【0032】
なお、本実施形態では、エラーへの対処方法をレシートへ印字してユーザへ報知する構成を例示した。しかしながら、ユーザへの報知は、音声出力部2aによる音声ガイダンスでの報知や、オペレータ用ディスプレイ5による画面表示であってもよいことは言うまでもないことである。また、本実施形態では、ECR(M)1Aにおけるバックアップエラーの検出を例示した。しかしながら、バックアップエラーの検出は、ECR(BM)1BからECR(M)1Aへマスターデータのバージョンを問い合せるなどして行う、ECR(BM)1Bにおけるバックアップエラーの検出であってもよい。すなわち、ECR(BM)1Bが図3に例示したフローチャートと同様にバックアップデータチェック処理やバックアップデータ更新処理を行ってもよい。また、ECR(BM)1Bは、図3に例示したフローチャートと同様にバックアップエラーチェック処理も行い、エラー対処方法の報知を行ってもよい。
【0033】
また、エラーの検出は、マスターデータのバックアップに関するものだけでなく、前述したプリンタエラーや通信エラーなどであってよい。この場合は、ECR(M)1A、ECR(BM)1B、ECR(S)1Cにおいて、プリンタエラーフラグや通信エラーフラグに応じて、記憶部21などに予め記憶されたプリンタエラーや通信エラーの対処方法に関するデータを読み出して、ユーザへの報知が行われてよい。
【0034】
なお、本実施形態のECR1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のECR1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0035】
さらに、本実施形態のECR1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のECR1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0036】
本実施形態のECR1で実行されるプログラムは、上述した各部(エラー検出手段、記録手段、報知手段)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウエアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、エラー検出手段、記録手段、報知手段が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0037】
1 ECR
1A ECR(M)
1B ECR(BM)
1C ECR(S)
2a 音声出力部
2b ドロワ開放装置
3 キーボード
4 モードSW
5 オペレータ用ディスプレイ
7 R/Jプリンタ
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 時計部
14 通信I/F
15 I/O
21 記憶部
22 バス
NT 通信ネットワーク
R レシート用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特開2001−34849公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶する商品販売データをバックアップする際のエラーの発生を検出するエラー検出手段と、
前記検出されたエラーを示すエラー情報を記録する記録手段と、
業務モードを設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された業務モードにおける所定の動作を実行する際に、前記記録手段に記録されたエラー情報に応じて、予め設定されたエラーの対処方法を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記所定の動作は、いずれかの業務モードによる業務の終了動作であること、
を特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記所定の動作は、いずれかの業務モードによる用紙への印字動作であること、
を特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
上位装置と通信する通信手段を更に備え、
前記エラー検出手段は、記憶する商品販売データを前記上位装置にバックアップする際のエラーの発生を検出すること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記記録手段に記録されたエラー情報に応じて、エラーの発生を音声で報知するとともに、前記エラーの対処方法を用紙へ印字して報知すること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
商品販売データ処理装置のコンピュータに、
記憶する商品販売データをバックアップする際のエラーの発生を検出するエラー検出ステップと、
前記検出されたエラーを示すエラー情報を記録する記録ステップと、
業務モードを設定する設定ステップと、
前記設定手段で設定された業務モードにおける所定の動作を実行する際に、前記記録手段に記録されたエラー情報に応じて、予め設定されたエラーの対処方法を報知する報知ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−43146(P2012−43146A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183331(P2010−183331)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】