説明

商品貼付用値引きラベル

【課題】既表示バーコードの大きさ及びその周辺の表示が異なる各種商品に適用できる商品貼付用値引きラベルを提供する。
【解決手段】コンピュータで販売管理される商品に付された既表示バーコード11上に貼着してそれを隠蔽し、その上に値引き後のバーコード5を表示するための値引きラベルであり、表面が第1表示面2と第2表示面3からなり、裏面の全面が糊面4として形成される。第1表示面は、既表示バーコードを隠蔽すると同時に値引き後のバーコード5を印字できる幅と長さとを有する。第2表示面3は、値引き商品であることを表示する表示面であり、第1表示面の幅方向端に連接されて、第1表示面の幅と同幅で、第1表示面の裏面側に折り返したときに、第1表示面の裏面に、短寸の既表示バーコードを隠すに必要なサイズの糊面4aを残して該第1表示面に重畳貼着できる長さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
販売時点情報管理システム(ポス・システム:POS system)により販売管理を行っている生鮮食料品等の小売店舗においては、何らかの段階で販売促進のために特定商品の値引きを行うことが多いが、本発明は、その値引きする商品に貼付する商品貼付用値引きラベルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポス・システムにおいては、商品に付されている商品・価格情報等を含むバーコードを自動読み取り装置に読み取らせ、コンピュータで販売管理、顧客管理、在庫管理、仕入れ管理などが行われるが、何らかの段階で販売促進等のために特定商品全部または一部の値引きを行うことが多く、その場合には、既表示バーコードを隠蔽するためにその上に値引き後のバーコード等を表示した値引きラベルを貼着している。この値引きラベルには、通常、上記値引き後のバーコードの他に、「お買得品」である旨の表示、店頭表示価格からの割引率等の表示が付され、例えば、赤地に大きい文字で「お買得」と表示するなど、値引き品であることを顧客にアピールするように配慮される。
【0003】
しかしながら、この値引きラベルを商品に貼着する場合に、例えば、その商品自体が比較的小さくて、その商品に予め付されている既表示バーコードの近辺に、消費期限、賞味期限、食品添加物などの表示が存在し、該値引きラベルを貼付すると、上記消費期限等の表示や、商品自体の特長についての主要な説明表示が隠れてしまうケースがあり、この場合には、値引きラベルの貼着面積が既表示バーコードを隠蔽できる範囲で、できるだけ小さいことが望まれる。但し、上記既表示バーコードを確実に隠さなければ、バーコードを自動読み取り装置に読み取らせる際に、該読み取り装置が値引き前のバーコードをスキャンし、その値引き前の価格で集計してしまう集計ミス(値引き洩れ)が発生する可能性がある。
【0004】
このように、商品に関する必要な表示を隠さないで既表示バーコードだけを隠すためには、ラベルサイズを小さくすることが要求されるが、逆に、値引き後のバーコードや、買得商品である旨の表示、値引率の表示等は、プリンターにて多数枚印字する必要があるため、そのラベルサイズがプリンターによる印字に適合するサイズであることが必要であって、ラベルサイズを小さくするには、プリンター等のラベル作成手段との関連において限界がある。また、値引き商品であることをアピールするためには、ラベルを目立つ存在にする必要があることから、ある程度大きいラベルサイズであることも必要である。
【0005】
更に、値引きラベルの貼着面積を小さくする手段として、ラベル原紙を半糊にすることも考えられるが、一般的に、小型のプリンターにおいては、ラベル紙の走行性、印字適性などから、半糊タイプのラベルを利用することは困難であるという問題や、特殊なラベル原紙を準備する必要もある。
また、値引き対象の商品によっては、既表示バーコードが商品の裏面側にある場合があり、その場合には、値引きラベルによって既表示バーコードを隠蔽しても、商品は表面側が顧客に見えるように陳列されるため、顧客に値引き品であることをアピールすることができず、この場合に対する対策も考慮する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、上述した従来の値引きラベルの問題点を一挙に解決した新しい商品貼付用値引きラベルを提供することにあり、特に、既表示バーコードの大きさ及びその周辺の表示が異なる各種商品に適用できる商品貼付用値引きラベルを提供することにある。
本発明の更に具体的な技術的課題は、値引き後のバーコードを含む値引き情報の表示に必要なラベルサイズを有し、ラベルの裏面の全面を糊面としているにも拘わらず、小さな商品の既表示バーコードの近辺の消費期限、賞味期限、食品添加物などの商品に必要な表示を隠すことなく、既表示バーコードを隠せるような範囲に貼付できるようにした商品貼付用値引きラベルを提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、既表示バーコードが商品の裏面側にある場合においても、既表示バーコードを隠蔽すると共に、顧客に値引き品であることをアピールすることができるようにした商品貼付用値引きラベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、コンピュータで販売管理される商品に付された商品・価格情報を含む既表示バーコード上に貼着して該既表示バーコードを隠蔽し、その上に値引き後のバーコードを表示するための値引きラベルであって、表面が第1表示面と第2表示面からなり、裏面の全面が糊面として形成され、上記第1表示面は、既表示バーコードを隠蔽すると同時に少なくとも値引き後のバーコードを印字できる幅と長さとを有し、上記第2表示面は、値引き商品であることを表示する表示面であって、上記第1表示面の幅方向端に連接され、その第1表示面の幅と同幅で、上記第1表示面の裏面側に折り返したときに、第1表示面の裏面に、短寸の既表示バーコードを隠すに必要なサイズの糊面を残して該第1表示面に重畳貼着できる長さを有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る商品貼付用値引きラベルの好ましい実施形態においては、上記第1表示面と第2表示面とが、表面の色を変えることにより区画され、また、上記第1表示面と第2表示面とが、部分切れ目線を介して連接される。
更に、上記第2表示面が、第1表示面の裏側への貼着に際して、その長さを既表示バーコードが隠れる長さに短寸化するための折返しまたは切断用の部分切れ目線を有するものとして構成され、また、上記第1表示面が、値引き後のバーコードを表示する主表示部と値引情報を文字表示する副表示部とを有するものとして構成され、これらの主表示部と副表示部も、表面の色を変えることにより区画することができる。
【0009】
上記構成を有する商品貼付用値引きラベルは、第1表示面における主表示部に値引き後のバーコードを表示し、必要に応じて副表示部に値引情報を文字表示し、更に、第2表示面に「お買得」等の値引き品であることをアピールする文言を表示して、値引き商品の既表示バーコード上に貼付するものであるが、値引きする商品の既表示バーコードの近辺に商品に関する重要な表示がない場合には、そのまま既表示バーコード上に貼付すればよく、商品の包装に付された各種の必要な表示を隠すことなく、値引きラベルを貼着することができる。
【0010】
また、小さな商品で既表示バーコードの近辺に消費期限、賞味期限、食品添加物などの商品に必要な表示がある場合には、第2表示面を第1表示面の裏側に折り返してそれらの裏面同士を貼着することにより、商品に対する第1表示面の裏面の糊面の面積を小さくして、上記商品に必要な表示を隠すことなく、値引き後のバーコードを含む値引き情報を表示した第1表示面を、既表示バーコード上に貼着することができる。つまり、ラベルの裏面の全面を糊面とすることなく、部分的糊面とした場合と同じ効果を得ることができる。
【0011】
上記第2表示面を第1表示面の裏側に折り返してそれらの裏面同士を貼着する場合に、第1表示面の裏面に既表示バーコードを隠すに必要なサイズの糊面が残らないときには、第2表示面に設けた、その長さを短寸化するための折返しまたは切断用の部分切れ目線において裏側に折返し、または切断したうえで、第2表示面を第1表示面の裏側に折り返して貼着することにより、既表示バーコードを隠すための糊面を拡大することができる。
なお、上記第1表示面と第2表示面とを、部分切れ目線を介して連接しておけば、第2表示面の適当な長さの部分を第1表示面から切り離し、その切り離し部分を第1表示面の裏側に折り返して貼着することにより、第1表示面の裏面に任意サイズの糊面を残すことができる。
【0012】
更に、既表示バーコードが商品の裏面側にある場合には、第1表示面と第2表示面とをそれらの間の部分切れ目線において切り離し、第1表示面を既表示バーコード上に貼着してそれを隠蔽すると共に、第2表示面を商品の表面の適宜位置に貼着することにより、顧客に値引き品であることをアピールすることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上に詳述した本発明の商品貼付用値引きラベルは、値引き後のバーコードを含む値引き情報の表示に必要なラベルサイズを有し、ラベルの裏面の全面を糊面としているにも拘わらず、小さな商品等の既表示バーコードの近辺の消費期限、賞味期限、食品添加物などの商品に必要な表示を隠すことなく、既表示バーコードを隠せるような範囲に貼付することができ、勿論、既表示バーコードの近辺に重要な表示がない場合にはそのまま既表示バーコード上に貼付することができ、また、既表示バーコードが商品の裏面側にある場合においても、既表示バーコードを隠蔽すると共に、顧客に値引き品であることをアピールすることができ、従って、既表示バーコード大きさ及びその周辺の表示が異なる各種商品に適用できる値引きラベルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1〜図3は、本発明に係る商品貼付用値引きラベルの実施の一例を示している。この商品貼付用値引きラベル1は、コンピュータで販売管理される商品10に付された商品・価格情報を含む既表示バーコード11上に、その商品の値引き販売のために貼着して、該既表示バーコード11を隠蔽し、その上に値引き後のバーコード等を表示するためのものであり、概略的には、ラベル紙の表面が第1表示面2と第2表示面3からなり、裏面の全面が糊面4として形成されている。
【0015】
上記第1表示面2は、既表示バーコード11を隠蔽すると同時に、少なくとも値引き後のバーコード5を印字できる幅と長さとを有し、望ましくは、値引き後のバーコード5を表示する主表示部2aと、「店内表示価格より20%引き」等の値引情報を文字表示する副表示部2bとを有するものとして構成される。主表示部2aと副表示部2bとは、表面の地色を変えることにより区画するのが望ましいが、単なる線によって区画することもできる。
一方、上記第2表示面3は、「お買得」等の値引き商品であることを表示する表示面であって、上記第1表示面2の幅方向端に連接され、その第1表示面2の幅と同幅で、上記第1表示面2の裏面側に折り返したときに、第1表示面2の裏面に、短寸の既表示バーコード11を隠すに必要なサイズの糊面4aを残して該第1表示面2に重畳貼着できる長さを有している。
【0016】
上記第1表示面2と第2表示面3とは、表面の色を変えることにより区画するのが望ましく、特に、第2表示面3は値引き商品であることを表示するため、目立つ地色にしておくのが望ましい。
また、上記第1表示面2と第2表示面3とは、ミシン目あるいは厚さの半分に切り込みが入った部分切れ目線6を介して連接されていることが望ましいが、必ずしも当該部分切れ目線6が入っている必要はなく、その位置が折り目を示す線によって表示されていても差し支えない。
更に、上記第2表示面3は、第1表示面2の裏側へ折り返して貼着するに際し、その長さを既表示バーコード11が隠れる長さに短寸化するための折返しまたは切断用の部分切れ目線7を有するものとしている。
【0017】
上記構成を有する商品貼付用値引きラベル1は、図1の(a)に示すように、第1表示面2における主表示部2aに値引き後のバーコード5を表示し、副表示部2bに値引情報を文字表示し、更に、第2表示面3に「お買得」等の文言を表示して、値引き商品の既表示バーコード11上に貼付するものであるが、図3に示すように、値引きする商品10の既表示バーコード11の近辺に商品に関する重要な表示がない場合には、そのまま既表示バーコード11上に貼付すればよく、それにより、商品の包装に付された各種の必要な表示を隠すことなく、値引きラベル1を貼着することができる。
【0018】
また、小さな商品等で既表示バーコード11の近辺に消費期限、賞味期限、食品添加物などの商品に必要な表示がある場合には、図1の(a)〜(d)に示すように、第2表示面3を第1表示面2の裏側に折り返してそれらの裏面同士を貼着することにより、商品10に対する第1表示面2の裏面の糊面4aの面積を小さくして、上記商品10に必要な表示を隠すことなく、値引き後のバーコード5を含む値引き情報を表示した第1表示面2を、既表示バーコード11上に貼着することができる。つまり、ラベル原紙の裏面の全面を糊面とすることなく、部分的糊面とした場合と同じ効果を得ることができる。
【0019】
上記第2表示面3を第1表示面2の裏側に折り返してそれらの裏面同士を貼着する場合に、第1表示面2の裏面に既表示バーコード11を隠すに必要なサイズの糊面4aが残らないときには、第2表示面3に設けた、その長さを短寸化するための折返しまたは切断用の部分切れ目線7において裏側に折返し、または該線7に沿って切断したうえで、第2表示面3を第1表示面2の裏側に折り返して貼着することにより、既表示バーコード11を隠すための糊面4aを拡大することができるが、上記第1表示面2と第2表示面3とを、部分切れ目線6を介して連接しておけば、第2表示面3の適当な長さの部分を第1表示面2から切り離し、その切り離し部分を第1表示面2の裏側に折り返して貼着することにより、第1表示面2の裏面に任意サイズの糊面4aを残すことができる。
【0020】
更に、既表示バーコード11が商品の裏面側にある場合には、第1表示面2と第2表示面3とをそれらの間の部分切れ目線6において切り離し、第1表示面2を既表示バーコード11上に貼着してそれを隠蔽すると共に、第2表示面3を商品10の表面の適宜位置に貼着することにより、顧客に値引き品であることをアピールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る商品貼付用値引きラベルの実施例を示すもので、(a)はその平面図、(b)は第2表示面を第1表示面の裏側に折り返す態様を示す斜視図、(c)は折り返した第2表示面を第1表示面の裏側に貼着する態様を示す斜視図、(d)は商品に貼着するときの状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る商品貼付用値引きラベルを上記図1の(d)の状態で商品に貼着した状態を示す平面図である。
【図3】上記商品貼付用値引きラベルを図1の(a)の状態のまま商品に貼着した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 値引きラベル
2 第1表示面
2a 主表示部
2b 副表示部
3 第2表示面
4,4a 糊面
5 バーコード
6 部分切れ目線
7 部分切れ目線
10 商品
11 既表示バーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータで販売管理される商品に付された商品・価格情報を含む既表示バーコード上に貼着して該既表示バーコードを隠蔽し、その上に値引き後のバーコードを表示するための値引きラベルであって、
表面が第1表示面と第2表示面からなり、裏面の全面が糊面として形成され、
上記第1表示面は、既表示バーコードを隠蔽すると同時に少なくとも値引き後のバーコードを印字できる幅と長さとを有し、
上記第2表示面は、値引き商品であることを表示する表示面であって、上記第1表示面の幅方向端に連接され、その第1表示面の幅と同幅で、上記第1表示面の裏面側に折り返したときに、第1表示面の裏面に短寸の既表示バーコードを隠すに必要なサイズの糊面を残して、該第1表示面に重畳貼着できる長さを有する、
ことを特徴とする商品貼付用値引きラベル。
【請求項2】
上記第1表示面と第2表示面とが、表面の色を変えることにより区画されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品貼付用値引きラベル。
【請求項3】
上記第1表示面と第2表示面とが、部分切れ目線を介して連接されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の商品貼付用値引きラベル。
【請求項4】
上記第2表示面が、第1表示面の裏側への貼着に際して、その長さを既表示バーコードが隠れる長さに短寸化するための折返しまたは切断用の部分切れ目線を有する、
こと特徴とする請求項3に記載の商品貼付用値引きラベル。
【請求項5】
上記第1表示面が、値引き後のバーコードを表示する主表示部と値引情報を文字表示する副表示部とを有する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の商品貼付用値引きラベル。
【請求項6】
上記主表示部と副表示部とが、表面の色を変えることにより区画されている、
こと特徴とする請求項5に記載の商品貼付用値引きラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−8508(P2010−8508A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164883(P2008−164883)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(390027203)株式会社中川製作所 (9)