商品陳列台
【課題】簡単な構造であるにも拘わらず、特にパック物商品の陳列の演出を高めることができ、保管に好適な商品陳列台を提供すること。
【解決手段】陳列商品を載せる板状部材1と、板状部材1の裏側に形成される脚部材嵌合凹部3に抜き差し自在に嵌合する一対の板状の脚部材2、2を有し、各脚部材は、2つの板状物を板状物の一側22でヒンジ結合した折り畳み体であり、折り畳み状態の脚部材のヒンジ側を該脚部材嵌合部に嵌めて短足の脚長さとする第1の使用形態又は最大展開状態の脚部材のヒンジの軸芯と直交する側を該嵌合部に嵌めて該短足の脚長さより長い脚長さとする第2の使用形態をとる。
【解決手段】陳列商品を載せる板状部材1と、板状部材1の裏側に形成される脚部材嵌合凹部3に抜き差し自在に嵌合する一対の板状の脚部材2、2を有し、各脚部材は、2つの板状物を板状物の一側22でヒンジ結合した折り畳み体であり、折り畳み状態の脚部材のヒンジ側を該脚部材嵌合部に嵌めて短足の脚長さとする第1の使用形態又は最大展開状態の脚部材のヒンジの軸芯と直交する側を該嵌合部に嵌めて該短足の脚長さより長い脚長さとする第2の使用形態をとる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーや百貨店等、特にパック物の商品を陳列する際に好適な商品陳列台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、惣菜、枝豆等のパック物商品は、大きな商品陳列台の所定のコーナーに多数並べて陳列することが多い。この場合、陳列面積を広くとってしまう。また、陳列方法に工夫がなく、陳列の演出を高めるものではない。
【0003】
陳列面積の問題を解決するものとして、実用新案登録第3120782号公報には、板状本体部の前後方向における一方の側及び他方の側に、板状本体部から互いに反対方向に異なる屈曲角度で屈曲する第1係止部と第2係止部とそれぞれ備える棚板部材と、棚板部材が設置される横溝であって、且つ陳列ボード面から深さ方向に対して斜め方向に形成された傾斜溝を、前後方向に所定のピッチで多数形成してなる陳列ボードとを有する商品陳列棚装置が開示されている。この商品陳列棚装置によれば、パック物商品の多段陳列に好適である。また、陳列の演出を高めるものとしては、短い脚付き商品陳列台に商品を載せる方法も知られている。短い脚付き商品陳列台は、脚付きまな板のようなものであり、商品の鮮度の高さと高級感を顧客に与える効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3120782号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実用新案登録第3120782号公報の商品陳列棚装置は、通常4〜5段となるため、上方の棚段に置かれたパック物は、顧客にとっては見え難いものであった。また、陳列ボードは後方に延びる支持部が存在するため、食材商品の陳列という観点からは違和感を覚えるものでもあった。一方、短い脚付き商品陳列台は、通常、脚部は陳列本体部と一体であり、脚部が突出しているため、保管スペースを採ってしまう。また、商品の陳列の演出を高めるという点では十分とは言えないものであった。
【0006】
従って、本発明の目的は、簡単な構造であるにも拘わらず、特にパック物商品の陳列の演出を高めることができ、保管に好適な商品陳列台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、陳列商品を載せる板状部材と、該板状部材の裏側に形成された脚部材嵌合凹部に抜き差し自在に嵌合する板状の脚部材を有し、脚部材は、2つの板状物を該板状物の一側でヒンジ結合した折り畳み構造とすれば、脚長さの短い第1の使用形態及び脚長さの長い第2の使用形態をとることができ、陳列商品の演出を高めることができること、また、板状部材の裏面に、折り畳み状態の脚部材を寝かせて収納すれば、コンパクト化でき保管が容易となること等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、陳列商品を載せる板状部材と、該板状部材の裏側に形成された脚部材嵌合凹部に抜き差し自在に嵌合する板状の脚部材とを有し、該脚部材は、2つの板状物を該板状物の一側でヒンジ結合した折り畳み構造であり、折り畳み状態の脚部材のヒンジ側を該脚部材嵌合凹部に嵌めて短足の脚長さとする第1の使用形態又は最大展開状態の脚部材のヒンジの軸芯と直交する側を該脚部材嵌合凹部に嵌めて該短足の脚長さより長い脚長さとする第2の使用形態をとることを特徴とする商品陳列台を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡単な構造であるにも拘わらず、特にパック物商品の陳列の演出を高めることができ、保管に好適な商品陳列台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の使用形態における商品陳列台の斜視図である。
【図2】図1の商品陳列台を裏側から見た斜視図である。
【図3】第1の使用形態の商品陳列台を裏側から見た分解斜視図である。
【図4】商品陳列台で使用する折り畳み状態にある脚部材の斜視図である。
【図5】商品陳列台で使用する最大展開状態にある脚部材の斜視図である。
【図6】図5の脚部材の反対側から見た斜視図である。
【図7】第2の使用形態における商品陳列台の斜視図である。
【図8】図7の商品陳列台を裏側から見た斜視図である。
【図9】第2の使用形態の商品陳列台を裏側から見た分解斜視図である。
【図10】脚部材の収納方法を説明する図である。
【図11】脚部材を収納した商品陳列台を裏側から見た斜視図である。
【図12】商品仕切り板の斜視図である。
【図13】商品仕切り板と商品転落防止板を板状部材に嵌め込む方法を説明する図である。
【図14】商品陳列台の他の使用形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態における商品陳列台を図1〜図11を参照して説明する。本明細書中、左右方向は、特段の説明が無い場合、板状部材の長手方向を言い、前後方向は、板状部材の短手方向を言う。商品陳列台10は、陳列商品を載せる板状部材1と、板状部材1の裏側に形成された脚部材嵌合凹部3に抜き差し自在に嵌合する一対の板状の脚部材2、2を有するものである。
【0012】
板状部材1は、商品が載る所定の陳列面積を有する表面11を有し、一定の厚みのあるものであればよく、中実の板状物の裏面をくり抜いたものであっても、本例のような表面部材と4つの側面部材からなる枠体をリブで補強したものであってもよい。
【0013】
板状部材1の表面11には、左右方向に延びる横溝12が前後方向に所定のピッチで多数形成されている。横溝12は載置された商品の滑り防止となると共に、公知の陳列補助部材(不図示)の係合凹部となる。また、板状部材1の表面11の前後端には、左右方向に延びる係合溝13、13が形成されている。係合溝13、13には、商品仕切り板の係止突起53が係止したり、商品転落防止板7が係止したりする(図13参照)。
【0014】
板状部材1の裏側には、脚部材嵌合凹部3が所定間隔離間して2つ形成されている。脚部材嵌合凹部3の形成位置は、商品陳列台10の基台への設置が安定する位置で適宜決定される。脚部材嵌合凹部3には脚部材2が抜き差し自在に嵌合する。脚部材嵌合凹部3は、4つの壁部材31、31、33、33で囲まれたものであり、2つの壁部材31、31の内側には脚部材嵌合凹部3の深さ方向に延びるリブ32が長さ方向に適宜のピッチで複数個形成されている。脚部材嵌合凹部3を壁部材の囲み構造とすることで、板状部材1の強度を高めることもできる。また、脚部材嵌合凹部3のリブ32は、板状部材1と脚部材2の嵌合強度を低下させることなく、板状部材1から脚部材2を外し易くしている。
【0015】
脚部材嵌合凹部3は、内寸法で幅(D1)、長さ(L2)、深さ(H1)である(図3)。幅(D1)は板状部材1の長手方向における長さであり、長さ(L2)は板状部材1の短手方向における長さである。
【0016】
板状部材1の裏側には、折り畳み状態の脚部材2を寝かせて収納する収納部4が2つの脚部材嵌合凹部3の内側であって、所定間隔離間して2つ形成されている。収納部4には脚部材2が抜き差し自在に嵌合する。収納部4は、4つの壁部材41、41、43、43で囲まれたものであり、2つの壁部材41、41の内側には収納部4の深さ方向に延びるリブ42が長さ方向に適宜のピッチで複数個形成されている。収納部4を壁部材の囲み構造とすることで、板状部材1の強度を高めることもできる。また、収納部4のリブ42は、板状部材1と脚部材2の嵌合強度を低下させることなく、板状部材1から脚部材2を外し易くしている。
【0017】
収納部4は、内寸法で縦横長さ(L1)及び(L2)、深さ(2D1)である(図2)。長さ(L1)は板状部材1の長手方向における長さであり、長さ(L2)は板状部材1の短手方向における長さである。収納部4の深さ(2D1)は脚部材嵌合凹部3の深さ(H1)と同じであってもよい。
【0018】
板状部材1の裏側には、脚部材嵌合凹部3及び収納部4の他、多数のリブ7が形成されており、板状部材1の強度を高めている。
【0019】
各脚部材2は、2つの板状物21a、21bを板状物の一側22でヒンジ結合した折り畳み構造である。2つの板状物21a、21bは、ヒンジ結合近傍以外は、略同じ形状であり、それぞれ縦長さ(L1)、横長さ(L2)、本体部の厚み(最大厚み)(D1)の寸法である。板状物21a、21bは、商品を支持する強度が必要となるため、一定の厚みを有するものであり、中実の板状物であっても、本例のような表面部材と3つの側面部材からなる枠体をリブで補強したものであってもよい。
【0020】
板状物21aは、厚み(D1)の本体部23aと、高さ略(D1/2)の段差27aを介して本体部23aと連続する厚み(D1)のヒンジ側部24aとからなる。すなわち、図5中、ヒンジ接合部分212の厚みが(D1)である。ヒンジ側部24aの両側の一端(図5中、上端)には軸孔が形成され、他端(図5中、下端)には丸軸が形成され、板状物21bとのヒンジ結合を可能としている。また、ヒンジ側部24aの丸軸形成側は、切り欠かれており、板状物21bのヒンジ側部24bの軸孔に内側から嵌るようになっている。
【0021】
板状物21bは、板状物21aの対称形状であって、厚み(D1)の本体部23bと、段差27bを介して本体部23aと連続する厚み(D1/2)のヒンジ側部24bとからなる。ヒンジ側部24bの一端(図5中、下端)には軸孔が形成され、他端(図5中、上端)には丸軸が形成されており、板状物21aとのヒンジ結合を可能としている。また、ヒンジ側部24bの丸軸形成側は、切り欠かれており、板状物21aのヒンジ側部24aの軸孔に内側から嵌るようになっている。このように形状の2つの板状物21a、21bの丸軸と軸孔を嵌合させ折り畳むと、厚み(D1/2)の軸形成部213が、厚み(D1)の軸孔形成部212の内側に入り込むため、ヒンジ結合近傍は厚み(D1)となり、本体部の厚みが(2D1)となる(図4)。
【0022】
脚部材2において、ヒンジ側部24a、24bの高さ(端から段差27までの長さ)は、脚部材嵌合凹部3の深さと同等若しくはそれより大としている。これにより、図1及び図2に示すような、折り畳み状態の脚部材2のヒンジ側部24a、24bを脚部材嵌合凹部3に嵌めて短足の脚長さの商品陳列台10とすることができる(第1の使用形態)。第1の使用形態によれば、脚長さが(L1)と短く、本体部の厚みが(2D1)と太い安定感のある商品陳列台10を得ることができる。
【0023】
次に、折り畳み状態にある脚部材2を、一方の板状物21aに対して、他方の板状物21bを180度回動して、板状物21aと他方の板状物21bの各々の面が同一面となるように展開する(最大展開状態)。この最大展開状態の脚部材2は、図5及び図6に示すように、ヒンジの軸芯26と直交する側25の長さが(L2)となり、ヒンジの軸芯26と平行する側28の長さが(L3)となる。そして、図7及び図8に示すように、最大展開状態の脚部材2のヒンジの軸芯26と直交する側25を脚部材嵌合凹部3に嵌めて第1の使用形態における脚長さより長い脚長さの商品陳列台とすることができる(第2の使用形態)。第2の使用形態によれば、脚部材2のヒンジの軸芯26と直交する側25を脚部材嵌合凹部3に嵌めるため、展開状態でヒンジが固定され腰折れとなることがない。また、本体部の厚みは(D1)と細いものの、脚長さが(L3)と長い商品陳列台10を得ることができる。
【0024】
次に、脚部材2が収納状態にある商品陳列台10について図10及び図11を参照して説明する。折り畳み状態にある脚部材2は、板状部材1の裏面の収納部4に寝かせた姿勢で嵌め込むことができる。収納部4の内寸法は、図2に示すように、縦横寸法が(L1)、(L2)深さが(2D1)であり、折り畳み状態の脚部材2の寸法と略同じであり、折り畳み状態の脚部材2は、収納部4に完全収納される。このため、脚部材2を収納した商品陳列台10は、板状部材1と同じ大きさとなりコンパクト化でき、保管スペースを採らない。また、脚部材2を収納した商品陳列台10は、このままで商品の陳列に使用することもできる。これにより、商品陳列台10は、第1の使用形態の脚長さより更に脚の短い(脚無し)ものとして使用できる。
【0025】
本発明の商品陳列台10は、複数台を左右方向あるいは前後方向に並べて使用することができる(図14参照)。また、例えば、商品仕切り板や商品転落防止板を使用すれば、商品陳列の演出効果が高まる。商品仕切り板5としては、例えば細長の基板51の左右方向の中心に立設する仕切り板本体52と、基板51の先端に下方の延びる係止突起53を有するものが挙げられる。また、商品転落防止板7は矩形状の板材が使用できる。図13に示すように、商品転落防止板7は板状部材1の後方係合溝13に嵌め込み、商品仕切り板5は、係止突起53を前方係合溝13に嵌め込むことでそれぞれ固定できる。
【0026】
本発明の商品陳列台は、上記実施の形態例のような、2本の脚部材に限定されず、例えば、1本あるいは3本以上であってもよい。この場合、脚部材嵌合凹部及び収納部は脚部材の使用本数に応じた個数を設置すればよい。すなわち、例えば1本の脚部材の場合、脚部材嵌合凹部及び収納部はそれぞれ1個であり、3本の脚部材の場合、脚部材嵌合凹部及び収納部はそれぞれ3個である。脚部材1本の商品陳列台の場合、脚部材は板状部材の後方側に設置し、板状部材の傾斜面が陳列面となる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の商品陳列台は、簡単な構造であるにも拘わらず、特にパック物商品の陳列において、高さが異なる3段階の陳列が演出できるため、スーパー等において好適に使用できる。また、コンパクト収納が可能であるため、保管スペースを採らない。
【符号の説明】
【0028】
1 板状部材
2 脚部材
3 脚部材嵌合凹部
4 収納部
5 商品仕切り板
7 商品転落防止板
10 商品陳列台
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーや百貨店等、特にパック物の商品を陳列する際に好適な商品陳列台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、惣菜、枝豆等のパック物商品は、大きな商品陳列台の所定のコーナーに多数並べて陳列することが多い。この場合、陳列面積を広くとってしまう。また、陳列方法に工夫がなく、陳列の演出を高めるものではない。
【0003】
陳列面積の問題を解決するものとして、実用新案登録第3120782号公報には、板状本体部の前後方向における一方の側及び他方の側に、板状本体部から互いに反対方向に異なる屈曲角度で屈曲する第1係止部と第2係止部とそれぞれ備える棚板部材と、棚板部材が設置される横溝であって、且つ陳列ボード面から深さ方向に対して斜め方向に形成された傾斜溝を、前後方向に所定のピッチで多数形成してなる陳列ボードとを有する商品陳列棚装置が開示されている。この商品陳列棚装置によれば、パック物商品の多段陳列に好適である。また、陳列の演出を高めるものとしては、短い脚付き商品陳列台に商品を載せる方法も知られている。短い脚付き商品陳列台は、脚付きまな板のようなものであり、商品の鮮度の高さと高級感を顧客に与える効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3120782号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実用新案登録第3120782号公報の商品陳列棚装置は、通常4〜5段となるため、上方の棚段に置かれたパック物は、顧客にとっては見え難いものであった。また、陳列ボードは後方に延びる支持部が存在するため、食材商品の陳列という観点からは違和感を覚えるものでもあった。一方、短い脚付き商品陳列台は、通常、脚部は陳列本体部と一体であり、脚部が突出しているため、保管スペースを採ってしまう。また、商品の陳列の演出を高めるという点では十分とは言えないものであった。
【0006】
従って、本発明の目的は、簡単な構造であるにも拘わらず、特にパック物商品の陳列の演出を高めることができ、保管に好適な商品陳列台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、陳列商品を載せる板状部材と、該板状部材の裏側に形成された脚部材嵌合凹部に抜き差し自在に嵌合する板状の脚部材を有し、脚部材は、2つの板状物を該板状物の一側でヒンジ結合した折り畳み構造とすれば、脚長さの短い第1の使用形態及び脚長さの長い第2の使用形態をとることができ、陳列商品の演出を高めることができること、また、板状部材の裏面に、折り畳み状態の脚部材を寝かせて収納すれば、コンパクト化でき保管が容易となること等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、陳列商品を載せる板状部材と、該板状部材の裏側に形成された脚部材嵌合凹部に抜き差し自在に嵌合する板状の脚部材とを有し、該脚部材は、2つの板状物を該板状物の一側でヒンジ結合した折り畳み構造であり、折り畳み状態の脚部材のヒンジ側を該脚部材嵌合凹部に嵌めて短足の脚長さとする第1の使用形態又は最大展開状態の脚部材のヒンジの軸芯と直交する側を該脚部材嵌合凹部に嵌めて該短足の脚長さより長い脚長さとする第2の使用形態をとることを特徴とする商品陳列台を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡単な構造であるにも拘わらず、特にパック物商品の陳列の演出を高めることができ、保管に好適な商品陳列台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の使用形態における商品陳列台の斜視図である。
【図2】図1の商品陳列台を裏側から見た斜視図である。
【図3】第1の使用形態の商品陳列台を裏側から見た分解斜視図である。
【図4】商品陳列台で使用する折り畳み状態にある脚部材の斜視図である。
【図5】商品陳列台で使用する最大展開状態にある脚部材の斜視図である。
【図6】図5の脚部材の反対側から見た斜視図である。
【図7】第2の使用形態における商品陳列台の斜視図である。
【図8】図7の商品陳列台を裏側から見た斜視図である。
【図9】第2の使用形態の商品陳列台を裏側から見た分解斜視図である。
【図10】脚部材の収納方法を説明する図である。
【図11】脚部材を収納した商品陳列台を裏側から見た斜視図である。
【図12】商品仕切り板の斜視図である。
【図13】商品仕切り板と商品転落防止板を板状部材に嵌め込む方法を説明する図である。
【図14】商品陳列台の他の使用形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態における商品陳列台を図1〜図11を参照して説明する。本明細書中、左右方向は、特段の説明が無い場合、板状部材の長手方向を言い、前後方向は、板状部材の短手方向を言う。商品陳列台10は、陳列商品を載せる板状部材1と、板状部材1の裏側に形成された脚部材嵌合凹部3に抜き差し自在に嵌合する一対の板状の脚部材2、2を有するものである。
【0012】
板状部材1は、商品が載る所定の陳列面積を有する表面11を有し、一定の厚みのあるものであればよく、中実の板状物の裏面をくり抜いたものであっても、本例のような表面部材と4つの側面部材からなる枠体をリブで補強したものであってもよい。
【0013】
板状部材1の表面11には、左右方向に延びる横溝12が前後方向に所定のピッチで多数形成されている。横溝12は載置された商品の滑り防止となると共に、公知の陳列補助部材(不図示)の係合凹部となる。また、板状部材1の表面11の前後端には、左右方向に延びる係合溝13、13が形成されている。係合溝13、13には、商品仕切り板の係止突起53が係止したり、商品転落防止板7が係止したりする(図13参照)。
【0014】
板状部材1の裏側には、脚部材嵌合凹部3が所定間隔離間して2つ形成されている。脚部材嵌合凹部3の形成位置は、商品陳列台10の基台への設置が安定する位置で適宜決定される。脚部材嵌合凹部3には脚部材2が抜き差し自在に嵌合する。脚部材嵌合凹部3は、4つの壁部材31、31、33、33で囲まれたものであり、2つの壁部材31、31の内側には脚部材嵌合凹部3の深さ方向に延びるリブ32が長さ方向に適宜のピッチで複数個形成されている。脚部材嵌合凹部3を壁部材の囲み構造とすることで、板状部材1の強度を高めることもできる。また、脚部材嵌合凹部3のリブ32は、板状部材1と脚部材2の嵌合強度を低下させることなく、板状部材1から脚部材2を外し易くしている。
【0015】
脚部材嵌合凹部3は、内寸法で幅(D1)、長さ(L2)、深さ(H1)である(図3)。幅(D1)は板状部材1の長手方向における長さであり、長さ(L2)は板状部材1の短手方向における長さである。
【0016】
板状部材1の裏側には、折り畳み状態の脚部材2を寝かせて収納する収納部4が2つの脚部材嵌合凹部3の内側であって、所定間隔離間して2つ形成されている。収納部4には脚部材2が抜き差し自在に嵌合する。収納部4は、4つの壁部材41、41、43、43で囲まれたものであり、2つの壁部材41、41の内側には収納部4の深さ方向に延びるリブ42が長さ方向に適宜のピッチで複数個形成されている。収納部4を壁部材の囲み構造とすることで、板状部材1の強度を高めることもできる。また、収納部4のリブ42は、板状部材1と脚部材2の嵌合強度を低下させることなく、板状部材1から脚部材2を外し易くしている。
【0017】
収納部4は、内寸法で縦横長さ(L1)及び(L2)、深さ(2D1)である(図2)。長さ(L1)は板状部材1の長手方向における長さであり、長さ(L2)は板状部材1の短手方向における長さである。収納部4の深さ(2D1)は脚部材嵌合凹部3の深さ(H1)と同じであってもよい。
【0018】
板状部材1の裏側には、脚部材嵌合凹部3及び収納部4の他、多数のリブ7が形成されており、板状部材1の強度を高めている。
【0019】
各脚部材2は、2つの板状物21a、21bを板状物の一側22でヒンジ結合した折り畳み構造である。2つの板状物21a、21bは、ヒンジ結合近傍以外は、略同じ形状であり、それぞれ縦長さ(L1)、横長さ(L2)、本体部の厚み(最大厚み)(D1)の寸法である。板状物21a、21bは、商品を支持する強度が必要となるため、一定の厚みを有するものであり、中実の板状物であっても、本例のような表面部材と3つの側面部材からなる枠体をリブで補強したものであってもよい。
【0020】
板状物21aは、厚み(D1)の本体部23aと、高さ略(D1/2)の段差27aを介して本体部23aと連続する厚み(D1)のヒンジ側部24aとからなる。すなわち、図5中、ヒンジ接合部分212の厚みが(D1)である。ヒンジ側部24aの両側の一端(図5中、上端)には軸孔が形成され、他端(図5中、下端)には丸軸が形成され、板状物21bとのヒンジ結合を可能としている。また、ヒンジ側部24aの丸軸形成側は、切り欠かれており、板状物21bのヒンジ側部24bの軸孔に内側から嵌るようになっている。
【0021】
板状物21bは、板状物21aの対称形状であって、厚み(D1)の本体部23bと、段差27bを介して本体部23aと連続する厚み(D1/2)のヒンジ側部24bとからなる。ヒンジ側部24bの一端(図5中、下端)には軸孔が形成され、他端(図5中、上端)には丸軸が形成されており、板状物21aとのヒンジ結合を可能としている。また、ヒンジ側部24bの丸軸形成側は、切り欠かれており、板状物21aのヒンジ側部24aの軸孔に内側から嵌るようになっている。このように形状の2つの板状物21a、21bの丸軸と軸孔を嵌合させ折り畳むと、厚み(D1/2)の軸形成部213が、厚み(D1)の軸孔形成部212の内側に入り込むため、ヒンジ結合近傍は厚み(D1)となり、本体部の厚みが(2D1)となる(図4)。
【0022】
脚部材2において、ヒンジ側部24a、24bの高さ(端から段差27までの長さ)は、脚部材嵌合凹部3の深さと同等若しくはそれより大としている。これにより、図1及び図2に示すような、折り畳み状態の脚部材2のヒンジ側部24a、24bを脚部材嵌合凹部3に嵌めて短足の脚長さの商品陳列台10とすることができる(第1の使用形態)。第1の使用形態によれば、脚長さが(L1)と短く、本体部の厚みが(2D1)と太い安定感のある商品陳列台10を得ることができる。
【0023】
次に、折り畳み状態にある脚部材2を、一方の板状物21aに対して、他方の板状物21bを180度回動して、板状物21aと他方の板状物21bの各々の面が同一面となるように展開する(最大展開状態)。この最大展開状態の脚部材2は、図5及び図6に示すように、ヒンジの軸芯26と直交する側25の長さが(L2)となり、ヒンジの軸芯26と平行する側28の長さが(L3)となる。そして、図7及び図8に示すように、最大展開状態の脚部材2のヒンジの軸芯26と直交する側25を脚部材嵌合凹部3に嵌めて第1の使用形態における脚長さより長い脚長さの商品陳列台とすることができる(第2の使用形態)。第2の使用形態によれば、脚部材2のヒンジの軸芯26と直交する側25を脚部材嵌合凹部3に嵌めるため、展開状態でヒンジが固定され腰折れとなることがない。また、本体部の厚みは(D1)と細いものの、脚長さが(L3)と長い商品陳列台10を得ることができる。
【0024】
次に、脚部材2が収納状態にある商品陳列台10について図10及び図11を参照して説明する。折り畳み状態にある脚部材2は、板状部材1の裏面の収納部4に寝かせた姿勢で嵌め込むことができる。収納部4の内寸法は、図2に示すように、縦横寸法が(L1)、(L2)深さが(2D1)であり、折り畳み状態の脚部材2の寸法と略同じであり、折り畳み状態の脚部材2は、収納部4に完全収納される。このため、脚部材2を収納した商品陳列台10は、板状部材1と同じ大きさとなりコンパクト化でき、保管スペースを採らない。また、脚部材2を収納した商品陳列台10は、このままで商品の陳列に使用することもできる。これにより、商品陳列台10は、第1の使用形態の脚長さより更に脚の短い(脚無し)ものとして使用できる。
【0025】
本発明の商品陳列台10は、複数台を左右方向あるいは前後方向に並べて使用することができる(図14参照)。また、例えば、商品仕切り板や商品転落防止板を使用すれば、商品陳列の演出効果が高まる。商品仕切り板5としては、例えば細長の基板51の左右方向の中心に立設する仕切り板本体52と、基板51の先端に下方の延びる係止突起53を有するものが挙げられる。また、商品転落防止板7は矩形状の板材が使用できる。図13に示すように、商品転落防止板7は板状部材1の後方係合溝13に嵌め込み、商品仕切り板5は、係止突起53を前方係合溝13に嵌め込むことでそれぞれ固定できる。
【0026】
本発明の商品陳列台は、上記実施の形態例のような、2本の脚部材に限定されず、例えば、1本あるいは3本以上であってもよい。この場合、脚部材嵌合凹部及び収納部は脚部材の使用本数に応じた個数を設置すればよい。すなわち、例えば1本の脚部材の場合、脚部材嵌合凹部及び収納部はそれぞれ1個であり、3本の脚部材の場合、脚部材嵌合凹部及び収納部はそれぞれ3個である。脚部材1本の商品陳列台の場合、脚部材は板状部材の後方側に設置し、板状部材の傾斜面が陳列面となる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の商品陳列台は、簡単な構造であるにも拘わらず、特にパック物商品の陳列において、高さが異なる3段階の陳列が演出できるため、スーパー等において好適に使用できる。また、コンパクト収納が可能であるため、保管スペースを採らない。
【符号の説明】
【0028】
1 板状部材
2 脚部材
3 脚部材嵌合凹部
4 収納部
5 商品仕切り板
7 商品転落防止板
10 商品陳列台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列商品を載せる板状部材と、該板状部材の裏側に形成された脚部材嵌合凹部に抜き差し自在に嵌合する板状の脚部材とを有し、
該脚部材は、2つの板状物を該板状物の一側でヒンジ結合した折り畳み構造であり、折り畳み状態の脚部材のヒンジ側を該脚部材嵌合凹部に嵌めて短足の脚長さとする第1の使用形態又は最大展開状態の脚部材のヒンジの軸芯と直交する側を該脚部材嵌合凹部に嵌めて該短足の脚長さより長い脚長さとする第2の使用形態をとることを特徴とする商品陳列台。
【請求項2】
該脚部材嵌合凹部は、幅(D1)、長さ(L2)、深さ(H1)であり、
該脚部材の板状物は、縦横長さ(L1)、(L2)、最大厚さ(D1)であり、
該脚部材は、折り畳み状態における脚部材のヒンジの軸芯方向に延びる長さが(L2)、ヒンジ部周りの厚みが(D1)であり、最大展開状態におけるヒンジの軸芯と直交する側の長さが(L2)であることを特徴とする請求項1記載の商品陳列台。
【請求項3】
該板状部材は、折り畳み状態の脚部材を寝かせて収納する収納部を裏面に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品陳列台。
【請求項4】
該脚部材嵌合凹部の深さ(H1)と収納部の深さは同じであることを特徴とする請求項3に記載の商品陳列台。
【請求項5】
該脚部材及び該脚部材嵌合凹部は、それぞれ2個有することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品陳列台。
【請求項1】
陳列商品を載せる板状部材と、該板状部材の裏側に形成された脚部材嵌合凹部に抜き差し自在に嵌合する板状の脚部材とを有し、
該脚部材は、2つの板状物を該板状物の一側でヒンジ結合した折り畳み構造であり、折り畳み状態の脚部材のヒンジ側を該脚部材嵌合凹部に嵌めて短足の脚長さとする第1の使用形態又は最大展開状態の脚部材のヒンジの軸芯と直交する側を該脚部材嵌合凹部に嵌めて該短足の脚長さより長い脚長さとする第2の使用形態をとることを特徴とする商品陳列台。
【請求項2】
該脚部材嵌合凹部は、幅(D1)、長さ(L2)、深さ(H1)であり、
該脚部材の板状物は、縦横長さ(L1)、(L2)、最大厚さ(D1)であり、
該脚部材は、折り畳み状態における脚部材のヒンジの軸芯方向に延びる長さが(L2)、ヒンジ部周りの厚みが(D1)であり、最大展開状態におけるヒンジの軸芯と直交する側の長さが(L2)であることを特徴とする請求項1記載の商品陳列台。
【請求項3】
該板状部材は、折り畳み状態の脚部材を寝かせて収納する収納部を裏面に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品陳列台。
【請求項4】
該脚部材嵌合凹部の深さ(H1)と収納部の深さは同じであることを特徴とする請求項3に記載の商品陳列台。
【請求項5】
該脚部材及び該脚部材嵌合凹部は、それぞれ2個有することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品陳列台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−70815(P2012−70815A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216500(P2010−216500)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(394016874)河淳株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(394016874)河淳株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]